美人事務員千川ちひろの華麗な活躍(21)

モバマスSSです

第一話『タバコの香りは地獄への道しるべ』


ちひろ(私の名前は千川ちひろ。アイドル事務所シンデレラプロの有能事務員)

ちひろ(アイドルたちからは頼れるお姉さんとして慕われています)

ちひろ(今日も張り切ってお仕事です!)

ちひろ「おはようございます!」

P「ぷはぁ~、あ、おはようございます、ちひろさん」

ちひろ(この男の人は我が事務所のただ一人のプロデューサーさん)

ちひろ(卑劣で品性下劣な最低野郎ですが、プロデュース能力は優秀なため、誰も逆らえないのです……)

ちひろ(この男に対抗できるのは美人で優秀な私だけ!)

ちひろ(私は日々この男がアイドル達をその毒牙にかけないように見張っているのです!)

P「ぷはぁ~、仕事前の一服はたまらないぜぇ~」

ちひろ「って、それ、タバコじゃないですか!」

P「え?」

ちひろ「なんてもの吸ってるんですか!事務室は禁煙ですよ!未成年のアイドルだっているのに!」

P「はぁ?俺が何を吸おうと俺の勝手でしょ。ちひろさんは関係ないじゃないですか」

ちひろ「ふざけないでください!副流煙の被害もあるし、ヤニや臭いだってつくんですよ!」

ちひろ(早速問題行為を!少しくらい仕事ができるからって自分は何をしても許されるとでも思ってるんですか!?)

P「……」

ちひろ「私は絶対に許しません!しかるべき罰を受けてもらいます!」

P「ちひろさんはタバコを吸うのは反対だと」

ちひろ「当然です!」

P「……タバコは反対だと」

ちひろ「何度同じことを言わせるんですか!そのタバコをこちらによこしなさい!」

P「あいにく、それは難しいですねぇ」

ちひろ「なんて強情な……」

P「だって、俺、タバコ吸わないですし。当然タバコなんて持ってないですし」

ちひろ「はぁ?現行犯で何を言ってるんですか?」

P「ちひろさんにはこれがタバコに見えるんですかぁ?」

ちひろ「誰がどう見てもタバコでしょう!」

P「すぐそばでよ~く見てくださいよ、ほら」

ちひろ「すぐそばで見たからって何が変わるってものでも……、えっ?」

ちひろ(火が付いてない……? タバコの臭いもしない……、むしろ何か爽やかな香りが……)

ちひろ「ま、まさか、これは……」

P「そうです。これは薄荷パイプですよ」

ちひろ「あ、……あぁぁ……」

P「中に詰まっているのは薄荷などのハーブや香料です。ハーブの爽やかな香りを楽しむ健全な嗜好品ですよ」

ちひろ「そ、そんな……、うそ……」

P「もちろん子供が吸っても問題ありません」

ちひろ「あ、あわ、あわわわ……」

P「いや~、まさかちひろさんがタバコと薄荷パイプの区別も付かないなんてねぇ……」

P「加蓮の歌と合わせてキャラクターグッズが作れないかなぁと思って試していたんですけどね」

P「それくらいのことも気が付かないどころか、勝手な思い込みで人を怒鳴りつけて、弾劾する」

ちひろ「い、いえ、そ、その……」

P「よくもまあ、それで有能事務員だなんて自称できますねぇ……」

ちひろ「くっ、だったら何だっていうんですか!間違いくらい誰でもありますよ!」

P「逆切れですか……、ちなみに、今のやり取り、録音済みなんですよね……」

ちひろ「!!!???」

P「もしもこれをプロダクション内に拡散したらどうなるかな?」

ちひろ「そ、そんなことをされたら、タバコと薄荷パイプの区別も付けられないおバカさんとして、
    私の頼りになる有能なお姉さんという評判がガタ落ちに……!」

ちひろ「や、やめてください、なんでもしますから……」

P「ふふふ、この俺を誤解から怒鳴りつけたんだ。罰を受けてもらわないと俺の気持ちが収まらない」

ちひろ「ば、罰ですって……!?卑劣な……」

P「卑劣?けっこう!わざわざ市販の薄荷パイプにタバコっぽい色の紙を巻いた甲斐があったってもんだぜ!」

ちひろ「くっ、は、ハメられた……」

P「ハメられた?違いますよ、これからハメられるんですよ……、さあ、仮眠室に来てもらおうか!
  アイドル達に負けてないその綺麗な体で慰謝料を払ってもらうぜ!」

ちひろ「あ、ああ、あぁぁ、いや……、イヤァァァー――――!」

プロデューサーの卑劣な罠に堕ちた有能美人事務員千川ちひろ
がんばれちひろ!負けるなちひろ!いつか必ず邪悪なプロデューサーを倒すのだ!

第二話『遊びの誘いは悪魔の罠』


ちひろ(私の名前は千川ちひろ。アイドル事務所シンデレラプロの美人事務員)

ちひろ(社長や重役たちからも敏腕事務員として信頼を集めています)

ちひろ(今朝は卑劣なプロデューサーさんにハメられてしまいましたが、次こそは彼の邪悪な野望を打ち砕いて見せます!)

ちひろ(ちなみに私のデスクはプロデューサーさんの隣です)

ちひろ(ここならプロデューサーさんが悪辣な真似をしないか監視しつつ自分の仕事ができるのです)

ちひろ(そろそろお昼ですが、朝に余計な時間を食ってしまったためにちょっと仕事が遅れ気味なので集中しないといけません)

さわさわ

ちひろ「……ん?」

ちひろ(今、太腿を撫でられたような……)

さわさわ

ちひろ(ま、間違いありません!)

ちひろ「プロデューサーさん!やめてください!」

P「え?なんですか、いきなり怒鳴らないでくださいよ、ちひろさん」

ちひろ「とぼけたって無駄です!今私の太腿を触りましたね!セクハラで訴えますよ!」

P「はぁ?何を意味不明なことを言ってるんです。なあ、わんこ?」

わんこ「くぅ~ん」

ちひろ「私たちの机は隣接してるんです!位置的に私の太腿を触れるのは貴方だけ……で……す?」

わんこ「わふ!」

ちひろ「……」

P「……」

ちひろ「あ、あれ?わんこちゃん……?」

P「聖來が朝ここに連れてきたじゃないですか」

ちひろ(わんこちゃんとは所属アイドルの水木聖來ちゃんが飼っている犬です。犬種は不明ですがゴールデンレトリバーっぽい大型犬です)

ちひろ(人懐っこくて頭の良い可愛い子で、他のアイドルたちにも可愛がられていて、聖來ちゃんが仕事の時はよく事務所に預けていきます)

P「寂しかったんでしょうね。俺やちひろさんの足に頭をこすり付けて注意を引きたかったんでしょう。ごめんな、ほっといて」

わんこ「わふわふ!」

ちひろ(確かに犬は人間の注意を引きたい時に頭や体をこすり付けます。わんこの大きさなら太腿にも頭は届きます……)

P「それで……セクハラで訴える、でしたっけ?わんこをですか?」

わんこ「く~ん?」

ちひろ「あ、あわ、あわわわ……」

P「ふふふ、分かってますよ。ほんとは俺が触ったと思ったんですよね」

ちひろ「い、いえ、その……」

P「しかし、セクハラですか……、ハラスメントに厳しくなった昨今、それで訴えられたら俺の社会人生命は終わってたかもしれませんね」

ちひろ「あ、あの、その……」

P「シャレで済む話じゃないと言ってるんですよ。ちなみに、今のやり取りは録音しています」

ちひろ「……え!?」

P「もしもこの会話を事務所内のLINEに流したらどうなりますかねぇ?」

ちひろ「そ、そんなことをされたら私はわんことプロデューサーさんの区別もつかない間抜けと思われて、
     今までに築き上げてきた超絶敏腕事務員という地位が崩壊してしまいます!」

P「ようやく自分の立場を理解したようですねぇ……」

ちひろ「そ、それだけは許してください……、なんでもしますから……」

P「ふふふ、俺を冤罪で陥れようとしたんだ。その体に直接お仕置きしないと俺の気が済まないってもんだぜ」

ちひろ「お、お仕置きですって……!?下劣な……」

P「下劣?けっこう!わんこにちひろさんの注意を引くように指示を出した甲斐があったってもんだぜ!」

ちひろ「くっ、またしてもハメられた……」

P「何度だってハメてやりますよ……、さあ、ロッカールームに来てください!
  アイドル達に劣っていない魅力的な唇で愚息の面倒を見てもらうぜ!
  あ、わんこ、これが済んだら遊んでやるからな」

ちひろ「あ、ああ、あぁぁ、だめ……、ダメェー――――!」

わんこ「くぅーん?」

プロデューサーの下劣な策に堕ちた敏腕美人事務員千川ちひろ
耐えろちひろ!くじけるなちひろ!極悪プロデューサーを討ち果たすその時まで!

第三話『星の輝きは煉獄の炎のように』

ちひろ(私の名前は千川ちひろ。アイドル事務所シンデレラプロのスーパー事務員)

ちひろ(可愛くて仕事もできる万能事務員として、社外の方々からの評判も上々です)

ちひろ(朝とお昼は下劣なプロデューサーさんにハメられてしまいましたが、今度こそ負けません!)

ちひろ(もう夜です。仕事もだいたい終わってそろそろ帰宅する予定ですが……)

P「……」

ちひろ(プロデューサーさんは何やらパソコンの画面を熱心に見つめていますね。ヘッドフォンもしてるし、ライブ映像でも見てるんでしょうか?)

P「……」

ちひろ(気になりますね。また何か悪いことを企んでるかもしれませんし、ちょっと覗いてみましょう)

ちひろ(こ、これは!まゆちゃんのハメ撮り映像!?)

ちひろ(なんと、プロデューサーさんのPCには我がプロダクションのアイドル、佐久間まゆちゃんのハメ撮り映像が映っていたのです!)

ちひろ(しかも、かなりえげつないプレイです!)

ちひろ(いつかやるんじゃないかと思ってたけど、すでに手遅れだったなんて!)

ちひろ「ぷ、プロデューサーさん!あなたはなんてことを!私だけでなくまさかアイドルにも手をだして、撮影までしてるなんて!」

P「え?いきなり何を言ってるんです」

ちひろ「とぼけたって無駄です!その動画に映ってるのはどう見てもまゆちゃんです!
    プロデューサーさん大好きな彼女がプロデューサーさん以外とそういうことをするわけがありません!」

P「はぁ?つまり、ちひろさんはまゆがプロデューサーである俺に色仕掛けをするような子だって言いたいんですか?」

ちひろ「きっとプロデューサーさんが悪辣な手でまゆちゃんをたぶらかしたんでしょう!」

P「まったく、その色ボケした発想はどこから来るんですかねぇ……」

ちひろ「い、色ボケですって……!?」

P「この動画をよ~く見てくださいよ」

ちひろ(な、なにを……、はっ!?これは、一見まゆちゃんっぽいけど、画質が荒くてそれっぽく見えるだけで別人……!本物には数段劣る!)

P「これは某アダルトビデオの通販サイトでしてね。サンプル動画が見られるんですよ」

ちひろ「な、こ、これはいったい……!?」

P「あの人気アイドル佐久間まゆのそっくりさんAV、ってやつでしてね」

ちひろ「だ、だとしても仕事中にそんなものをみてるなんて……」

P「これもプロデューサーとしての仕事の一環ですよ。こういうそっくりさんAVとかアイドルコスプレものとか、
  今どきは思わぬスキャンダルになって炎上したりすることがありますからね
  念のためにチェックして悪質なものなら販売停止勧告をしないといけません」

ちひろ「そ、そんな……」

P「しかし、このまゆのそっくりさん、確かに全体的な雰囲気はちょっと似てますが、本物に比べたら全然可愛くないですよね」

ちひろ「あ、あわ、あわわわ……」

P「それで、ちひろさん、これが『どう見てもまゆちゃんです!』でしたっけ?」

ちひろ「い、いえ、そ、その……」

ちひろ(し、しまった!まゆちゃんはプロデューサーさんのことが大好きだから迫られたら断れないだろうという思い込みのせいで、大変な過ちを……)

P「ふーん、自分とこのアイドルとAV女優の見分けも付かないなんて、よくもまあそれでアイドル事務所の事務員なんてできますねぇ」

ちひろ「ひ、日頃からまゆちゃんと紛らわしいやり取りをしてるプロデューサーさんが悪いんです!」

P「まあ確かにまゆは俺とよくスキンシップを取りたがりますからね……、でもよりにもよってAV女優と見間違えて逆切れとは……」

ちひろ「くっ……」

P「ちなみにこのやり取り、録音してあるんですけどね……」

ちひろ「え、えぇぇぇー!?」

P「これをまゆに聞かせたらどうなるかなぁ……?」

ちひろ「あ、あ、あぁぁぁぁ……!?」

ちひろ「だ、ダメです……、そんなことされたら、私の完璧美女事務員という異名が
     アイドルとAV女優の区別もつかない腐れ脳味噌事務員になってしまう……」

ちひろ「そ、それだけは許してください……、なんでもしますから……」

P「ようやく自分がどれだけ愚かなことをしでかしてしまったか、ご理解いただけたようですね……」

ちひろ「わ、わたしはなんてことを……」

P「俺ばかりかまゆのことまでも侮辱するようなその言動、許すことはできませんねぇ……」

ちひろ「ひぃ……」

P「もう帰るところでしょう?ちょうどいい、さあ、今夜たっぷりとイジメて上げますよ!」

ちひろ「く、なんて愚劣な……」

P「愚劣?けっこう!わざと動画の画質を落として見分け辛くした甲斐があったってもんだぜ!」

ちひろ「くっ、またしてもハメられたなんて……」

P「これから何度でもいくらでもハメてやりますよ……、さあ、もう今日の仕事は終了!帰宅準備をしてください!
  アイドル達に劣らないその美しい顔をさっきのビデオでやってたえげつないプレイで悦ばせてやるぜ!」

ちひろ「あ、ああ、あぁぁ、だめ……、ダメェー――――!」

プロデューサーの巧妙な罠にハメられた完璧美女事務員千川ちひろ
泣くなちひろ!屈服するなちひろ!愚劣プロデューサーに天誅を下すその日まで!


森久保「……」

森久保「……、あの、こんな三文芝居、毎日見せられるなんてむーりぃー……」

以上です

過去作
作品同士に特につながりはないです

森久保乃々「事務所で寝過ごしたんですけど……」
森久保乃々「事務所で寝過ごしたんですけど……」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1489652694/)

ちひろ「ちょっと!どこ触ってるんですか!」P「大丈夫です」
ちひろ「ちょっと、どこ触ってるんですか!」P「大丈夫です」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1501444269/)

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