穂乃果「この前聞いたんだけど」 (30)
穂乃果「穂乃果この前聞いたんだけどさ~」
海未「何をですか?」
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穂乃果「都市伝説だよ」
海未「都市伝説ですか?」
穂乃果「うん。今学校で話題でしょ?」
海未「一切聞いた事ないのですが」
穂乃果「え~嘘でしょ?学校の9分の4の人は知ってるよ?」
海未「9分の4が多いのか少ないのか分かりにくいのですけど」
穂乃果「え~それじゃあ数学苦手な穂乃果と変わらないじゃん」
海未「あなたと一緒にしないで下さい」
穂乃果「え~酷いなぁ」
海未「それで?話の続きは?」
穂乃果「え?あ~、穂乃果の妹の友達のお姉ちゃんの話なんだけどさ」
海未「都市伝説を語る上での常套句ですよね?その入り方は…」
穂乃果「まあね。最早伝統だよね?都市伝説を語る上での伝統的な話の入り方」
海未「その言い回しはどうなんでしょうか?」
穂乃果「まあ、こんな事は重要じゃないんだよ。要は中身だよ」
海未「まあ、そうですが…」
穂乃果「えっと…学校の帰りに夜道を歩いていたらしんだよね?」
海未「はあ…なるほど…」
穂乃果「最近は街灯のLED化が進んでるからそこまで暗くないんだけどさ」
海未「いりますか?確かにそうですけど…一切必要ないですよね?雰囲気ぶち壊しですよ?」
穂乃果「いや、まあ…ほら?状況説明はちゃんとしておいた方が分かりやすいかと」
海未「そうですけど…今のは確実に余計でしたよ」
穂乃果「で、夜道を歩いてたら背後に気配を感じるんだって」
海未「は、はい」
穂乃果「で後ろを振り向いたらさ…」
海未「え?」
穂乃果「人混みだけなんだよね」
海未「え?人混み?人気の無い夜道を歩いていたのではないのですか?」
穂乃果「誰もそんな事言ってないんだけど。秋葉だよ?誰かしら人が居るよ」
海未「そもそも秋葉が舞台だと言うのも初めて知りましたが」
穂乃果「学校の帰り道って言ったじゃん」
海未「あなたは言葉が足りなさすぎます」
穂乃果「いやぁ、そう?」
海未「まあ、いいです。で?夜に人混みの中を歩いていたのですか?人混みの中を歩いてたら気配を感じたのですか?」
穂乃果「そう。人混みなんだよ。でもね、人混みの中に確かにじっとこっちを見てる女がいるの」
海未「え?そう言うパターンですか?それは確かに怖そうです」
穂乃果「身長がだいたい162センチ~182センチくら位の大柄の女でね」
海未「162~182センチってだいぶ開きがありますけど?」
穂乃果「いやぁ、遠くにいるから遠近感狂うんだよ」
海未「じゃあ何故大柄と決めつけるのですか!」
穂乃果「女の人で162センチってそこそこじゃない?」
海未「普通ですよ!普通!」
穂乃果「まあ、いいじゃん。大柄でも小柄でもあんなジッと見られたら絶対にビビるって」
海未「だいぶ印象変わると思いますけど」
穂乃果「そうかなぁ」
海未「そうですよ。他にその女の特徴はないのですか?」
穂乃果「あ~うん。あるよ?髪が長かったよ」
海未「なるほど。それは雰囲気ありますね」
穂乃果「雰囲気は…あったよ。やばかったもん」
海未「そうですか?服装とかは?」
穂乃果「マスクしてたよ」
海未「マスク?大柄の女がマスクをしていたのですね?なるほど。都市伝説にはよく見られる傾向ですね」
穂乃果「いや、違うよ。マスクをしてるのは穂乃果だよ」
海未「え?あなたが?」
穂乃果「そうだよ」
海未「えっと…話が見えません」
穂乃果「にこちゃんがアイドルうんぬんって話が始まったんだよ。海未ちゃんも経験あるでしょ?」
海未「ええ…なぜ今その話を?まるで穂乃果がその場にいた様な…」
穂乃果「いや、穂乃果いたよ?穂乃果の体験談だよ?」
海未「はあ?だって友達の妹な話と」
穂乃果「いや、妹の友達の姉の話ね?」
海未「そんな事は重要じゃないです。あなたの体験談なのですか?」
穂乃果「だからそうだってば~」
海未「じゃあ、最初の入りはなんだったのですか…」
穂乃果「まあまあ、海未ちゃんは気にし過ぎなんだよ」
海未「あなたはもう少し気にしてください」
穂乃果「わかったよ…話戻していい?」
海未「どうぞ…」
穂乃果「でね、じぃーと見てくるから怖いじゃん?」
海未「まあ、そうですね」
穂乃果「だからさ、思わず逃げたんだけどさ」
海未「はい」
穂乃果「なんか、すぐ疲れちゃって」
海未「たるんでいるのではないのですか?よく見るとまた太った様な」
穂乃果「失礼だよ!太ってないよ!」
海未「そうでしょうか?」
穂乃果「マスクしてたからに決まってるじゃん」
海未「それはそれで自業自得じゃないですか」
穂乃果「自業自得じゃないよ。全部にこちゃんがいけないんだよ!」
海未「人のせいにしない!…と言うか先ほども気になったけどにこも居たのですか?」
穂乃果「居たよ?」
海未「なぜ最初にそれを説明しないのですか?わざとですか?わざとなのですか?」
穂乃果「いや、落ち着いてよ」
海未「あなたがそうさせるだけなんでしょう?」
穂乃果「いや、穂乃果は海未ちゃんと戯れたいだけなんだてど」
海未「戯れるって…」
穂乃果「え?やだ?」
海未「別に嫌では…」
穂乃果「あ、そう?じゃあ続けるね?」
海未「どうぞ…」
穂乃果「でね、マスクしてたせいで疲れちゃってさ」
海未「外せばいいのに…」
穂乃果「でさ、後ろ振り返ったら案の定追いかけて来てて」
海未「ええ?追いかけてきたのですか?」
穂乃果「うん。逃げてたらさ耳元で囁かれてさ」
海未「そ、それは怖いですね…」
穂乃果「まあ、穂乃果はイヤホンしてたから凛ちゃんが何を言ってるか分からなかったけどね」
海未「あの…二つほど質問いいでしょうか?」
穂乃果「はい、どうぞ」
海未「イヤホンしてたのですか?」
穂乃果「うん。真姫ちゃんが曲出来たって言うから」
海未「なるほど…イヤホンしながら走るのは感心しませんが」
穂乃果「いや、逃げてたからさ」
海未「まあ、それは置いておくとして…例の女が囁いてきたんじゃないのですか?」
穂乃果「だから凛ちゃんが」
海未「と言うか凛も居たんですか?」
穂乃果「三つ目だけど?」
海未「居たのですか?」
穂乃果「そうだよ~。凛ちゃんとにこちゃんと穂乃果だよ」
海未「本当に…あなたは…正直凛はいるとは思いましたが…」
穂乃果「そう?」
海未「しかし、よく凛が囁いていると分かりましたね?あなたはイヤホンをしていて凛もきっとマスクをしていたんでしょう?」
穂乃果「それはあれだよ?目で合図してきたもん。凛ちゃんと穂乃果の仲ならそらくらい分かるよ」
海未「あなたは目で合図する事を囁くと言うのですか?目と言う文字、一文字も入ってないですからね?」
穂乃果「鼻も入ってないよね」
海未「鼻はどうでもいいんです。仮に目で囁いたとしてもうイヤホンも関係ないですけどね!それともあれですか?サングラスもしてたんですか?それなら目で合図してるのも分かりませんけどね!!!」
穂乃果「そ、そうだね…ちょ、ちょっと落ち着いてよ」
海未「あなたが支離滅裂な説明をするからでしょう」
穂乃果「そ、そうだね」
海未「それで?もうこの話は終わりですか?」
穂乃果「その後直ぐに肩をつかまれてさ」
海未「凛にですか?にこにですか?」
穂乃果「いや、絵里ちゃんに」
海未「そうですか。絵里もいたのですか。それじゃあ、希やことりもいたのですかね?」
穂乃果「いや、いないよ」
海未「じゃあ、一緒にいたのは絵里、凛、にこだけなのですね?もう増えませんね?」
穂乃果「正確には絵里ちゃんは一緒にはいないけどね」
海未「意味わかりませんが」
穂乃果「だからね?絵里ちゃんに追いつかれちゃって」
海未「追いつかれて?それだとあなた達は絵里から逃げていた様に聞こえますけど?」
穂乃果「そうだよ?」
海未「女から逃げていたのではないのですか?」
穂乃果「絵里ちゃんも女だけど?」
海未「怒りますよ?」
穂乃果「いや、既に怒ってるよね?絵里ちゃんもあの時怒ってたからさ。絵里ちゃんにじっと見られた時は凄く怖かったよ」
海未「…じっと見ていたのは怒っている絵里で…あなた達はそれに恐怖し逃げだして…しかし、絵里に捕まったと?」
穂乃果「うん、そう。要約すると」
海未「何故?何故そうなったのですか?」
穂乃果「だから、全部にこちゃんが悪いんだって言ったじゃん。にこちゃんが絵里ちゃんのチョコレートを勝手に食べ始めるから…」
海未「それで絵里を怒らせたと?」
穂乃果「まあ、3回目だしね」
海未「もう言葉が見つからないです」
穂乃果「いや、あきれないでよ」
海未「だいたい、都市伝説はどうしたのですか?出だしとだいぶ話が変わってますけど?」
穂乃果「いや、最初に絵里ちゃんの話っていったじゃん」
海未「言ってないですね。絶対にいってないです」
穂乃果「言ったよ。最初に絵里ちゃんの話って言ったよ」
海未「もしかして妹の友達の姉の話って絵里の事ですか?」
穂乃果「そうだよ!亜里沙ちゃんのお姉ちゃんは絵里ちゃんでしょ」
海未「なぜ回りくどい言い方をするのですか」
穂乃果「その方が都市伝説っぽいでしょ」
海未「はあ…そうですか…それで?では、結局あなたは何を聞いたと言うのですか?」
穂乃果「なんか絵里ちゃんがまだ怒ってるらしいって友達の後輩の部活の先輩から聞いたんだよね…」
海未「あなたが生徒会長になれたのは音ノ木坂の都市伝説になりそうですね…」
完
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