勇者「しゃあっ! レベルダウンだ!」 (26)

協会

神父「レベルを下げたい?」

勇者「うん、そうそう。レベルを下げる方法ってないかな」

神父「そ、れ、は……うーむ。そもそもレベルっていうのは上げるものだろう」

勇者「でも下げたいんだ」

神父「しかしそれでは冒険に支障が出るであろうに」

勇者「もう魔王は居ないし、今更冒険もなにもないだろ」

神父「まあそうではあるが……ならば、負けてみるのはどうだろう」

勇者「負ける? 戦闘でってこと?」

神父「そうだ。レベルは戦闘で勝つと上がる。であれば、その逆をしたければ負けることだ」

勇者「なるほど! ありがとうー流石は神父だっ」タッタッタ

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勇者「……強い魔族が居ない」ポカーン

勇者「そりゃあそうだ。もう皆倒しちゃったんだから」

スライム「  」ズサッ

▲スライムが 現れた

勇者「おお、スライムはまだ居るんだな。さあ来い!」

スライム「!」ブンッ

▲0ダメージ

勇者「よし、準備運動はもういいか? 来いっ!」

スライム「ッ!」ブンッ

▲0ダメージ

勇者「……ぜんっぜん痛くない」

スライム「……」ズーン

勇者「ご、ごめん」

スライム「ッ! ッ!」

勇者「怒るなよー、俺だって負けたいんだって」

道具屋

店主「いらっしゃい。ああ勇者君、今日はどんな御用で?」

勇者「毒攻撃の道具ってある?」

店主「攻撃道具を買うなんて珍しいね、薬草ではなくてかい?」

勇者「うん、毒攻撃」

店主「まあ、それなら毒薬があるけど」

勇者「よし買おう。20Gだな」チャリン

店主「まいど。にしても今更そんなものどうするんだい?」

勇者「ゴクゴク、プハァ」

店主「おいおいおいあんたなにやってんだ!」

▲勇者は 毒状態に なった

勇者「しゃあ! ありがと、行ってくる!!」ガチャ、バタン

店主「……勇者君、平和過ぎておかしくなったんだろうか」

街の外

勇者「ウォォォォオオオ!」ズダダダダ

▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ

勇者「おお、減ってる! HPが減ってるぞ!!」ズダダダダ

▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ
▲1ダメージ

勇者「はぁ、はぁ……あとどのくらいだ?」

▲9999999988/10000000000

勇者「……全然減らねぇ」

▲10000000000/10000000000

勇者「ちょ、え、休んだら回復したッ」オロオロ

▲毒が 治った

勇者「……アッ……」


街の酒場

勇者「ぐへぇぇ、もう駄目だぁぁ」

女店主「あら勇者さん、悪酔いしちゃった?」

勇者「酔えないから問題なんだよぉ……ぜんっぜんアルコールが効かない」

女店主「強くなったのねぇ、あの頃は臭いを嗅いだだけで倒れてたのに」

勇者「はあ……」

カランカラーン

女騎士「こんなところに居たか、勇者」

勇者「ん? ああ、女騎士かぁ。久しぶり」

女騎士「なにが久しぶりだ、探していたんだぞ。勇者の頭がおかしくなったって噂を聞いたんだ」

勇者「……うーん」

女騎士「話なら聞くぞ。ほら、お前のおかげで私は最近暇なんだ」ニコ

女騎士「――レベルを下げる? 本当に頭がおかしくなったのか」

勇者「ああ、おかしくなったんだよ。いっそビンタでもしてくれ」

女騎士「ははは、冗談だろう?」

勇者「本気だ。ほら、頼む」

女騎士「ど、どうしたんだよ」

勇者「頼むって」グイ

女騎士「近い近いッ。分かったよ……ならいくぞ?」

勇者「うん」

女騎士「おりゃあ! ――ッ痛!? なんだお前、鋼か! 鋼の頭なのか!」ピョンピョン

勇者「うん。鋼の頭なんだ」

女騎士「ま、まあそれだけ強いからこそ魔王を倒せたんだろうが。パーティメンバーとして鼻が高いよ」

勇者「強いからこそ問題なんだよ」

女騎士「ん? なにが問題だっていうんだ」

勇者「今世界で一番強いのって多分俺じゃん」

女騎士「驕るな、私がすぐに追いついてやる」

勇者「暫定だよ、暫定。そうなってくるとさ、皆怖がるんだよ」

女騎士「?」

勇者「先月王様から令状が来たんだ、ほらこれ」ピラ

女騎士「国王から? 珍しいな――王室専属騎士としての招集?」

勇者「うん」

女騎士「凄いじゃないか! これでお前も私と同じ騎士だな」ニコ

勇者「……ほらこれ」ピラ

女騎士「ん? なんだこれは……隣国の国王から?」

勇者「書き方は少し違うけど同じ内容だよ、もうこんな紙が何枚も色んな国から来てる」

女騎士「……」

勇者「俺頭悪いけどさ、これってようするに他国への抑止力ってやつだ」

女騎士「まさか。戦時中じゃあるまいし……」

勇者「そうなった時の為ってことだろ?……俺、もう疲れたよ」

女騎士「だからレベルダウンを……」

勇者「俺達さ、魔王も倒して、危ない魔族も全滅させたろ?」

女騎士「ああ、お前のおかげだ。お前が居なければ私は何度死んでいたことか」

勇者「強くて怖いのは皆もう居ないけどさ。俺、生きてるんだよ。平和になった世界で俺だけまだ生きてる」

女騎士「……」

勇者「最近街で避けられることが増えたんだ」

女騎士「そんな筈ない! お前はこの世界の英雄なのに……」

勇者「そりゃあ昔馴染みの店とかは今まで通りに接してくれるけどさ。なんにも知らない普通の人からしたら、俺って怖いみたいだ」

女騎士「勇者……」

勇者「この世界にはもう勇者はいらないってことだと思う。だから俺、普通になることにしたんだ」

魔法使いの家

コンコン、ガチャ

魔法使い「はーい。あれ、どうしたんですかお二人とも」

女騎士「久しぶりだな」

勇者「突然ごめん、俺に魔法をかけてくれ」

魔法使い「え、えぇ? なんですか急に、私解呪とか苦手って忘れたんですか?」

勇者「そういうのじゃなくて、ほら。お前の得意な攻撃魔法をだな」

魔法使い「……そ、そういうプレイも専門外なんですけど」

女騎士「いいから頼む、ほら! とりあえず着替えて出るぞ」グイ

魔法使い「ひええぇ」

バタン

草原

魔法使い「――レベルダウンですかぁ」

女騎士「ああ、このままだと勇者が馬鹿共の道具にされてしまう」

魔法使い「あ、騎士なのに不穏な発言です」

女騎士「今のはオフレコだ」

魔法使い「まぁ事情は分かったんですけど、そんなに弱くなったら自分の身が守れなくなりますよ?」

女騎士「大丈夫だ。そ、そのときは私が守る……」ボソ

魔法使い「分かりやすいですねー」

勇者「よし、これだけ広ければ大丈夫だろ。さあ撃ってくれ」

魔法使い「う、撃つって言われても……人に撃つなんて私全然」

勇者「お前だけが頼りなんだ! 頼む!!」

魔法使い「わ、分かりましたよ……はあ」

魔法使い「じゃ、じゃあいきますよー?」

▲魔法使い は 大きな炎 を 出した

魔法使い「えい!」

▲0ダメージ

勇者「……よし、来い!」

魔法使い「……えい!」

▲0ダメージ

勇者「……」

女騎士「……」

魔法使い「じゃあもうちょっと強い魔法を使いますね」

▲魔法使い は 青い炎 を 出した

魔法使い「それー!」

▲0ダメージ

勇者「……」

魔法使い「ちょっとイライラしてきました」ニコ

須賀勇者神

女騎士プリキュア弘世菫

勇者「初夜で菫が死んだ」

須賀京太郎様のハーレム「可哀そうな神主様」

士郎 気持ち悪い キミキスを穢したテロリストの息子

士郎殺して女版ギル様と結婚して天の鎖ちゃんに嫉妬されて織田家に隔離されて山口多聞に飛龍と比叡にビンタ

ゴミ勇者「之で天国の姫様に会えるンゴ」

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