[fate]セイバー「閉じ込められた…?」アーチャー「そのようだな」[staynight] (140)

※fate/staynightのサーヴァントを閉じ込めます
※キャラ崩壊します
※初SSです
※虎時空メインです
※質疑応答受け付けます
こんな感じで進めていきます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375803916

セイバー「………」

???「…きろ」

セイバー「………む?」

???「起きろ、セイバー」

セイバー「…アーチャー?」

アーチャー「やっと起きたか。まったく、こちらは大変なことになっているのに」

セイバー「………」キョロキョロ

セイバー「………ここは何処ですか」

アーチャー「それが分からんから大変なんだがな…」

セイバー「…私は、シロウの家で眠っていたのですが?」

アーチャー「ああ、私もさっきまでは違う場所に居たんだ」

アーチャー「しかし、気絶させられ、気がついたらこんな場所にいる」

セイバー(アーチャーを気絶させた…?)

アーチャー「ふむ、なぜか我々と違い、君だけ布団に寝かされている」

セイバー「我々…とは?」

アーチャー「…ここにいるのは私だけではない、他のサーヴァントも、この家にいるのだ」

セイバー「…なんですって!?」

アーチャー「今、彼らはこの先の居間に集まっている。ついてきたまえ」

居間

ランサー「よぉ、セイバー」

ライダー「やはり貴女もここにいたのですね」

セイバー「ランサー、ライダー!あなた達もここに?」

ランサー「俺らだけじゃねぇ。そこにもいるぜ」

小次郎「ふむ、寝惚けた眼では気付いてもらえぬか」

セイバー「ア、アサシン!?あなたが何故!」

小次郎「少しばかり事情があってな、それより…」

ライダー「すみませんセイバー、少し声を抑えてください」

アーチャー「…奴が起きてしまうかもしれん」

セイバー「…って、えぇっ!!」

バーサーカー「」

セイバー「ば、バーサーカーまで…!」

アーチャー「今は寝ているようだが、起きたらなにをするか解らんのでな」

セイバー「これで全員なのですね」

アーチャー「ああ、今のところは、な」

ライダー「ハサンやキャスターはここにいないようです」

ランサー「あの金ぴかも、な」

セイバー「…そうですか」

ライダー「ホッとしたようですね、セイバー」

セイバー「…やはり、彼は苦手ですから」

小次郎「此所にいれば、話が進まぬであろうからな」

アーチャー「では、セイバーにも現状を伝えよう」

アーチャー「今、我々はこの家、のような結界に集められ…」

アーチャー「そして、閉じ込められている」

セイバー「…本当ですか?」

アーチャー「ああ、ここは一見ただの家に見えるが、何かしらの結界であるらしい」

ランサー「玄関や窓もあったんだがな、まったく開かねぇ」

ライダー「怪力で押しても、手応えがありませんでした」

小次郎「…真に面妖なことよ」

セイバー「…サーヴァントの力でも開かないのですか」

アーチャー「結界のせいか、全員の能力がダウンしているんだ」

アーチャー「宝具どころか、霊体化すらできない」

セイバー「なんと…」

ランサー「だが、どうやらスキルのほうは多少使えるみてぇだな」

ライダー「私は怪力は使えますが、魔眼は機能していません…」

アーチャー「私も宝具の投影は出来んが、解析だけならどうにかなるだろう」

ランサー「俺もルーンは使える。威力はショボいが、まぁ役に立つだろ」

セイバー「なるほど…アサシンは?」

小次郎「……もとより拙者はただの亡霊、剣の道しかなかったのでな」

セイバー「あ、いえ、別に役に立たないと言ったわけでは…」

アーチャー「なんにせよ、人手はいるのだ。人数が多い方が助かる」

ランサー「囮くらいにはなるんじゃねぇのか」

アーチャー「…それは君の役目だろうに」ボソッ

ランサー「あぁ?」イラッ

アーチャー「おっと、聞こえてしまったかね」

ランサー「…ワザとだろ、テメェ」

アーチャー「ふむ、すまない」

アーチャー「つい本音が出てしまった、ということだ」

ランサー「…弓兵風情が、あんまり粋がるんじゃねぇぞ」

アーチャー「…どうやら気も短いらしい」

ランサー「!!」ビキッ

小次郎「おっと、落ち着けよランサー」ガシッ

ランサー「…離しやがれ」

小次郎「今は揉めている場合ではなかろう?」

ライダー「アーチャー、あなたもです」

アーチャー「…フン」

ランサー「…チッ」

セイバー「…二人とも、いつも通りなのですね」

ライダー「困ったものです」ハァ…

アーチャー「見苦しいところをすまない…で、セイバー、君はどんな調子かね?」

セイバー「…ここで使えるのは、直感ぐらいですかね。」

アーチャー「ふむ、分かった」

アーチャー「では、それぞれこの場所に来るまでのことを話してくれ」

アーチャー「何かヒントがあるかもしれん」

セイバー「…わかりました。まずは私から……」

とりあえずここまで
書き貯めを作りつつなので、更新日は不定期になります
おかしいセリフ、場面等ありましたら、指摘していただきたいです

再開します

―――セイバー回想―――
セイバー「シロウ、ごちそうさまでした」

士郎「あぁ、どうだったかな、昼メシ?」

セイバー「美味でした、流石、シロウです」

士郎「そっか、よかった」ニコッ

セイバー「あ…はい」///

セイバー「……む」コクリ

士郎「セイバー、眠いのか?」

セイバー「…そのようです」コックリ

士郎「じゃあ、オレ片付けしとくから、ちょっと昼寝しとけば?」

セイバー「すみません…お願いします」トコトコ

士郎「お休み、セイバー」

セイバー「…お休みなさい、シロウ」

セイバーの部屋

セイバー「」ドサッ

セイバー「(あぁ、シロウ…)」

セイバー「(私は今、とても幸せです)」

セイバー「……」zzz

―――回想終了―――

セイバー「…で、起きたらこの場所に」

ランサー「惚気だな」

小次郎「砂糖を吐くくらいの甘さでござる」

ランサー「家事できるし、料理上手いし、あの坊主完全に主夫じゃねーか」

アーチャー「むぅ…」

ライダー「アーチャー、気分が優れないようですが?」

アーチャー「…いや、大丈夫だ」

ライダー「それでは、次は私が話す番ですね」

―――ライダー回想―――

ライダー「…今日は、桜も楽しみにしていた恋愛小説の発売日」

ライダー「…ですが、生憎といきつけの本屋は定休日」

ライダー「桜はワカm…慎二とご老体の世話があって、今日はストレスが溜まりそうですし…」

ライダー「これは早く見つけないと、また惨劇が…」

ライダー「仕方ない、近くの本屋からしらみ潰しに…おや?」

ライダー「足元に何か落ちてますね…」ヒョイ

ライダー「これは…手紙?」

手紙「」ピカッッ!!

ライダー「なんですか…っ!」

―――回想終了―――

ライダー「…その後、気絶していた私は、この場所に閉じ込められていた、という訳です」

アーチャー「む…君も手紙だったか」

セイバー「君も…ということはアーチャーもですか」

ランサー「ちなみに俺もだ」

小次郎「拙者もでござる」

アーチャー「どうやらあの手紙は、閃光と軽度の衝撃、そしてこの場への転移を発動する魔術が付属していたと思われる」

小次郎「しかし、どうやらセイバーには手紙は届いておらんようだ」

ランサー「俺らみたく気絶させられたみたいじゃないしな」

小次郎「むしろ、布団まで出してもらっていたでござる」

ライダー「…つまり、セイバーは特別に扱われている、ということですね」

アーチャー「…もうすでに犯人が絞り込めそうだがね、次は私が話そう」

―――アーチャー回想―――
遠坂邸 屋根の上

アーチャー「まったく、凛にも困ったものだ」

アーチャー「少し小言が気に障ったくらいで、部屋から出て行け、とはな」

アーチャー「優雅さの欠片もなかったぞ…さて」

アーチャー「…投影、開始」

アーチャー「………」スッ

アーチャー「(…常にイメージするのは、最強の自分)」

アーチャー「(外敵などいらぬ、俺にとって戦う相手とは、常に自身のイメージだ)」

アーチャー「……!そこだ!!」キュピーン

アーチャー「フィィィッシュ!!」ビシィィ!!

アーチャー「……む?」

手紙「」プラーン

アーチャー「釣竿に何か引っ掛かって…手紙?」

手紙「」ピカッッ!!

アーチャー「…!?」

―――回想終了―――

アーチャー「こんなところだ」

セイバー「…屋根の上で、釣りの練習をしていたのですか?」

ライダー「普通に恥ずかしいですね、それ」

アーチャー「いや、違うぞ!?私は見張りをしていたのだ、決して釣りに没頭していた訳では…!」

ランサー「いや、手紙に気付いてなかったんだろ?」

ライダー「周りが見えてないじゃないですか」

アーチャー「ぐっ…」

ランサー「そんでまたバッタもんの竿かよ…自分の買え」

アーチャー「ふん、言っておくが、私の投影はそれを極めたもの、本物に敵わずとも…」キリッ

ランサー「あーわかったわかった。んじゃ、次はオレが話すぜ」

―――ランサー回想―――
商店街

ランサー「さて、今から何すっかな」

ランサー「昼からあったバイト、急に休みになっちまったし…」

ランサー「他のバイト先に今から顔出すか?」

ランサー「いや、今から釣りに行くってのもありか…」

ランサー「こないだから金ぴかは見かけねぇし、まだ港も賑わってねぇよな」

ランサー「…まあ、深く考えなくていいな」

ランサー「ひさびさに羽伸ばせるんだ、好きなようになるだろ」

ランサー「じゃあ、今から……ん、目の前に、手紙?」

手紙「」ピカッッ!!

ランサー「う、おぉぉぉ!?」

―――回想終了―――

ランサー「……いきなりだったぜ」

セイバー「…英雄王がいない?」

アーチャー「ランサー、奴の姿はいつから見なくなった?」

ランサー「3日くらい前だな、どうせいつもの事だと思ってたんだが…」

アーチャー「そうだ…今回の事件、奴が犯人の可能性も考えられる」

ライダー「確かに…ハサンはともかく、この場にいない英雄王、そしてキャスターが怪しい」

アーチャー「ああ、そしてこの状況を作り出せるのは、神代の魔術師であるキャスターと考えるのが一番妥当であろう」

アーチャー「そこでだ、アサシン、ここ最近のキャスターの様子を教えてもらおう」

小次郎「そうだな、あの雌狐、ここ数日、顔を出さなくてな」

小次郎「しかし今朝方、やっと顔を出したと思ったら…」

―――小次郎回想―――

キャスター「あら、おはようアサシン♪」

小次郎「…急にどうしたよ雌狐、さては宗一郎に愛の言葉でも囁かれたな?」

キャスター「そうじゃないわよ。いや、当然そっちもいいけどね♪」

小次郎「…本当に気持ち悪いぞ、どうした?」

キャスター「ふふ、ちょっとまとまったお金が入ってね」

キャスター「今から頭の中のアイデアを形にしてくるから、あんたにこれやるわ♪」ポイッ

小次郎「…これは、お守りか?」

キャスター「そうよ、私あんたの面倒みたくないから」

キャスター「これが一応山門の代わりの寄り代になるから、あんた好きなとこ行ってきなさい」

キャスター「じゃ、私の邪魔しないようにね♪」スタスタ

小次郎「……嵐のように通りすぎて行きおった…」

小次郎「しかし、この門から離れることができるとはな…」

小次郎「……ふむ」

小次郎「では、少し浮世の蝶や小鳥でも見に行くとするか」フッ

小次郎「久々の下界はどうなっているか…」

手紙「」ヒラヒラ

小次郎「む…なんだこれは」パシッ

小次郎「果たし状の類ではなさそうだし…」

小次郎「はっ!さては恋文で」

手紙「」ピカッッ!!

―――回想終了―――

小次郎「このようであった」

ライダー「…短い自由でしたね」

小次郎「…あまり言ってくれるな、私とて口惜しいのだ」

ランサー「しかし、その様子は変だ、確かに気になるな」

アーチャー「やはりこの高度な結界も、彼女のものと考えたほうがいいのだろうな」

セイバー「しかし、ここに我々を集めてどうしようと…」

セイバー「まさか、サーヴァントを無力化して、マスターを狙っているのでは!?」

アーチャー「…それは解らんが、とにかく我々の目的は一つ」

アーチャー「全員、全力を掛けて脱出するぞ!!」

ライダー「当然です」

ランサー「まあ、こんな場所に長居する理由なんてないしな」

小次郎「拙者の自由を返してもらうでござる」

セイバー「(待っていて下さい、士郎)」

セイバー「(私はあなたの剣だ、必ずその主の元へ戻りましょう――)」

セイバー「必ず―――」

リアルが忙しすぎっ!!
投下します

アーチャー「…さて、まずは状況の整理をさせてもらおう」

アーチャー「我々は今、何者かによってこの一軒家…のような結界に閉じ込められている」

ランサー「おまけに結界の力で霊体化や宝具、あとマスターとの連絡も封じられてやがる」

小次郎「宝具でない武器も持ち込めてないでござる」

ライダー「一部のスキルはランクダウンしていますが、使用することが可能ですね」

セイバー「そしてこの場にいるのは、私、ランサー、アーチャー、ライダー、アサシン、そして…」

ライダー「バーサーカー、ですね」

小次郎「ぐっすり眠っているがな」

アーチャー「そして、この居間のような空間に集まっているわけだ」

ランサー「普通に居間って呼べよ、メンドくせぇ」

セイバー「…そういえば、なぜアーチャーはあの部屋に私がいると分かったのですか?」

ライダー「ああ、それはランサーのルーンのおかげです」

ランサー「おう、なんか見つからねーかと思って使ってみたら反応があってな」

アーチャー「私が向かった、という訳だ」

セイバー「なるほど。では、他に調査した場所は?」

小次郎「今はまだ玄関、そしてここの窓しか調べておらぬな」

アーチャー「ああ、だから、まずはこの部屋を調べようと思う」

セイバー「ええ、徹底的にやりましょう」

――――――

――――――
ランサー「ふぅ、しかしこりゃ、マジで普通の部屋みてぇだよな」ガサゴソ

アーチャー「油断するな、ここは結界だ。何か罠があるかもしれんぞ」ガサゴソ

ランサー「へいへい…」

アーチャー「…とはいえ、これらの家具は…」

小次郎「む、何か解ったのか?」

アーチャー「…この結界は、壁や窓こそ魔術的な何かを使っているようだが、家具の方は違う」

アーチャー「ごく一般的な、どこにでも売っているようなものしか置いていない」

ライダー「つまり、中身はただの家、ということですか?」

小次郎「ますます訳がわからん…」

アーチャー「…とりあえず、この部屋には何もないようだ、次の部屋へ移ろう」


???「」ガタガタ
――――――

キッチン

ライダー「ここは…キッチンですか?」

ランサー「ふーん、なかなか綺麗じゃねぇか」

アーチャー「確かに、細かいところまで手が届いているようだが」

小次郎「包丁の類もきちんと研がれているでござるな」

セイバー「……む」

アーチャー「どうした、セイバー?」

小次郎「そこにあるのは…冷蔵庫、でござるな」

ランサー「どれどれ…」パカッ

食材「」ドーン

ランサー「おぉ、ちゃんと中身入ってんじゃねぇか」

ライダー「これは…スーパーの安売りの品ですかね?」

セイバー「………」

ランサー「よし、おいアーチャー、お前なんかメシ作れ」

アーチャー「…君は阿呆か、なぜこんな状況で料理などしなければならんのだ」

ランサー「いいじゃねぇか、腹減ったんだよ」

アーチャー「…毒味役は引き受けるんだろうな?こんな罠かもしれん食材で…」

セイバー「大丈夫ですっ!!」

アーチャー「!?」

ライダー「…セイバー、なにが入っているかわからないんですよ?」

セイバー「いいえ、大丈夫です!この食材には危険なものは入っていません!」

アーチャー「い、一体何を根拠に…」

セイバー「直感です!!」

ランサー「………」

ライダー「…こんな所でスキル発動されても…」

アーチャー「い、一旦落ち着きたまえセイバー!今の状況を考えてだな…」

セイバー「…わかっていない」

アーチャー「!」

セイバー「アーチャー、いま何処にいるとか、どんな状況だとか、そんなことどうだっていいんです!!」

アーチャー「…む、ぅ」

セイバー「我々の目の前には厨房、そして食材!これを料理せず、なんとするのです!」

セイバー「サーヴァントは、自らの主を守るため、常に最高の状態でなければならない」

セイバー「ランサーや私だけではない、この場にいる全員を空腹という縛りから助けられるのは、貴方だけだ…」

ライダー「(…自分が食べるために、必死になっていますね)」

小次郎「(まあ、面白いので止めはせんがな)」

セイバー「アーチャー、私はシロウの元へ帰らねばならない」

セイバー「そのためには、貴方の力が必要だ」

セイバー「…その腕を、貸していただきたい」


アーチャー「……わかったよ、少し待っていたまえ」ハァ…

セイバー「ありがとうございます!!」

ライダー「…アーチャー、折れましたね」

―――調理中―――

ランサー「ほんっとオメーセイバーに弱ぇな」カカカ

アーチャー「…君は空腹のセイバーの恐ろしさを知らんのだ」

アーチャー「もう、道場には通いたくないしな」ボソッ

ランサー「ん、何か言ったか?」

アーチャー「いいや、それよりそこにある皿を並べてくれ」

ランサー「へいよ、っと」ガチャガチャ

アーチャー「ほら、出来たぞ」カタッ

セイバー「おお!」

小次郎「ふむ、なかなかの出来だな」パクッ

ライダー「さすがです、アーチャー」パクッ

ランサー「」ガツガツ

セイバー「」モグモグ

アーチャー「…いかがかな、セイバー」

セイバー「…はい、とてもおいしかったです、アーチャー」

アーチャー「…そうか、ならば作った甲斐があったというものだ」フッ

――――――

セイバー「…ごちそうさまでした」

ライダー「さて、片付けたら先を急ぎましょう」

小次郎「ここに泊まる訳にもいくまい」

アーチャー「ああ、できるだけ急ごう」

――――――
セイバー「…ここは」

小次郎「廊下を歩いていたら、扉が見えてきたでござる…」

アーチャー「部屋の数は6、そして」

ライダー「それぞれの部屋に、剣、槍、弓、騎、暗、狂という文字…」

ランサー「こりゃクラス名か?」

セイバー「…つまり、ここは私たちの部屋、なのでしょうか?」

アーチャー「怪しさ全開だが…」

セイバー「まあ入ってみましょう」ガチャッ

小次郎「うむ」ガチャッ

アーチャー「気をつけろ、罠かもしれんぞ」ガチャッ

セイバー「ええ、わかっています」


バタン―――

――――――
セイバー「……ベッドだけですか」

セイバー「(なにがあるのかと構えてみれば、たいした事はなかった)」フゥ

セイバー「……、しかし、本当に困った状況だ」

セイバー「シロウの家で寝ていたはずが、妙な結界に連れさられて」

セイバー「集まったサーヴァント全員でこの家を探し回ったり、ご飯を食べたり…」

セイバー「普通、ありえない体験だが、まあいいのでしょう」

セイバー「最終的に、こうやってちゃんと私の部屋に帰ってこれて…」ボスッ

セイバー「こうして、このベッドで眠ることができたのだから…」

セイバー「………」



セイバー「……あれ?」

セイバー「(私はいったい何を言っている)」

セイバー「(ここが私の部屋だと?)」

セイバー「(そんな筈はない、ありえない)」

セイバー「(だが…)」

セイバー「(頭の中で、その認識が正しいと…)」

セイバー「(その前に、私はなぜ勝手にこの部屋に入っている!?)」

セイバー「(さっきまでは、全員で注意しながら探していたではないか!!)」

セイバー「(……やられた)」

セイバー「(この部屋の手前から、思考の認識がおかしくなる何かを受けていたんだ…)」

セイバー「(おそらく、他の全員も…)」

セイバー「(…っあ、意識が………)」

セイバー「く…シロ…ウ……」

セイバー「………」

ここまでー
はたしてセイバーさんの運命やいかに!?

おっつおつ
今更だけど小次郎はござる口調ではないでござる

>>44
ご指摘どうもです

しまった、どうも小次郎のセリフがアーチャーの雰囲気とかぶる→じゃあ「ござる」「ござろう」とかで区別しよう!
とか考えたからですね、>>1の馬鹿
とりあえずこの後はオチに突っ込んでいく予定なので、さらに設定崩壊があるかもしれません
なるべく抑えるようにしますが、何かまた原作などと異なる点ありましたら指摘してください

再開なんよ

――――――
セイバー「………」

???「おーい、セイバー?」

セイバー「…っ、ここは…」

士郎「あ、やっと起きた」

セイバー「シ、シロウ!?」

士郎「おはよう、セイバー」

セイバー「……私は、出られたのですか?」

士郎「ん、なんの事だ?」

セイバー「………」

士郎「もしかして、夢でも見てたんじゃないか?」

セイバー「夢……」

士郎「ほら、もう晩飯はできてるし、みんな待ってるぞ」

セイバー「…あ、はい…」

セイバー「(…本当に…夢、だったのでしょうか)」

――――――

食卓

セイバー「………」

凛「遅かったじゃない、もう準備できてるわよ?」

イリヤ「シロウ、早くご飯にしましょう♪」

士郎「わかった、それじゃあ、いただ…」

セイバー「…シロウ」

士郎「って、どうした、セイバー?」

イリヤ「なに?私お腹空いてるんだけど…」

セイバー「……この料理は、何ですか」

士郎「え?ああ、うまそうだろ?」

セイバー「…これが?……いや、ない」

凛「ちょっとセイバー、本当にどうしたのよ?」

セイバー「…なんとも思わないのですか!シロウ!凛!イリヤスフィール!」

セイバー「だって、だって!」



セイバー「テーブルには、潰れたポテトしかないじゃないですか!!」

士郎「え?…なんかおかしいか?」

セイバー「おかしいです!しかも味付けもしてないですよね!?」

凛「お酢ならあるけど…」

セイバー「違う!そうじゃない!」

セイバー「シロウ、なにがあったのですか!何故こんな雑な料理を…」

士郎「…え?これ、セイバーの大好物じゃないの?」

セイバー「そんなわけ…」

???「いいえ、それは王の大好物です」

セイバー「!?キッチンから、声が…何者です!」

ガウェイン「お久しぶりです、アーサー王」

セイバー「サー・ガウェイン!?なぜ、ここに…」

ガウェイン「実は、昼に散歩をしていると、そこの士郎君に出会いまして」

セイバー「…散歩?」

士郎「セイバーの知り合いみたいだし、こっちに招いたんだ」

セイバー「いやいや、でしたら客のなぜ貴方が料理を作っているのですか!?」

ガウェイン「私は、王の食の好みについては熟知しているつもりです」キリッ

士郎「って、言ってたから」

セイバー「いや、その結果ジャガイモの大群が出てきたら何か疑ってください!」

凛「いや、人の好みってそれぞれだし…」

イリヤ「それに、結構おいしいのよ?」

ガウェイン「そうですよ、王だって生前はこれの倍は文句一つなく平らげていたではありませんか」

セイバー「その時とは状況も時代も違うのです、ガウェイン!」

???「そうだ、貴公は間違っている!!」パリーン!!

セイバー「!?」

士郎「窓がー!?」

???「アーサー王の好物、それは貴公のマッシュしたポテトではない!」

セイバー「あ、貴方は…」

ランスロット「このランスロットが用意したこのブレット、これこそが王にふさわしい…」

モードレッド「黙れこの裏切り者がー!!」クレラント!!

ランスロット「ぐっはぁぁぁぁ!」ドゴーン!!

セイバー「ら、ランスロットー!?」

モードレッド「裏切り者の分際でよくも父上に顔向けできたものだな、この浮気者!!」

ランスロット「…私は…王自身に、この手で作った料理を…食べてほしかった…」ガクッ

ガウェイン「喧嘩は止めなさい、モードレッド!」

モードレッド「うるさい!父上に料理を作るのは息子であるこのオレだ!!」

セイバー「ああもう!!シロウ!貴方の料理が食べたいです!」

モードレッド「そんな…また認めてくれないのか、父上!!」

ガウェイン「…おや、そういえば士郎くんの姿が見えませんが…」

セイバー「あれ…あっ、厨房にいます……あと、アーチャーも?」
――――――
アーチャー「その程度か、衛宮士郎!貴様の投影では、俺のマッシャーの敵ではない!」グニグニ

士郎「…負けられない、誰かに負けるのはいい、でも、自分には負けられない!!」グニグニ

アーチャー「…いい覚悟だ――――ついてこれるか?」グニ?

士郎「てめえの方こそ、ついてきやがれ――――!!」グニグニ!

イリヤ「がんばれ、シロウー!」

凛「アーチャー、負けんじゃないわよ!!」




セイバー「もういやだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

――――――

――――――
アーチャー「…ここはどこだ?」

アーチャー「先ほどの部屋ではないが…真っ暗だな」

アーチャー「明かりは…ん?」ジャラリ

手枷「」ガチャリ

アーチャー「な、なんだこれは!?」

???「あーあー、静粛に、せーしゅくにー!!」

アーチャー「…あ、あれは!?」

凛「えー、ただいまから、『女の敵はMA☆SSATHUあるのみ裁判』を開始いたしまーす!」

アーチャー「凛!これはいったい――」

凛「そこ!!おとなしく判決を待ちなさい!」ガッ!

アーチャー「………」

凛「さて、本日の裁判員!」

桜「どうも、みんなの桜ちゃんです!」ニコッ

アーチャー「…待て、とりあえず弁護士はいるのだろうな!」

凛「当たり前でしょ…さぁ、入ってきて!」

???「…ど、どうも…」トコトコ

アーチャー「…彼女は?」

凛「岸波さん…一応、あんたのマスターらしいわ」

岸波「…今回は、うちのサーヴァントが迷惑かけて、申し訳ありません」

アーチャー「私の…?いや、彼女に見覚えはないが…って、落ち込むんじゃない!」

凛「あー、アーチャー泣かした!いーけないんだいけないんだ♪」

桜「せーんせーに言っちゃおー♪」

アーチャー「やめろ!イジメ、かっこ悪い!」

アーチャー「…で、結局これは何の裁判なんだ?」

凛「しらばっくれて…まあいいわ、桜!」

桜「はーい!」ドサッ

アーチャー「…その書類は?」

凛「ふふ、これはね…」

凛「あんたが今までたぶらかした人たちのリスト、及び苦情よ」

アーチャー「」

桜「…うわぁー」

凛「…説明、できるかしら?」ニコッ

アーチャー「いや、待て!それは私の個人情報だろう!」

アーチャー「というか、なぜ君たちがそんな情報を持っているんだ!?」

凛「なによ、自分で全部岸波さんに話したんでしょう?」

岸波「爆ぜて、アーチャー!」

アーチャー「なん…だと…というか味方がいない!これ裁判じゃなくて尋問だろう!?」

凛「…可愛い子なら誰でもいい?」

アーチャー「」ビクッ

桜「完全に女の敵の発言ですね…」

岸波「しかもこれ…年齢層が…」

凛「…やっぱり、ロリコン?」

アーチャー「違う!私がロリコンなわけないだろう!!」

凛「…イリヤに一番ドキドキしたって」

アーチャー「それは奴のほうだ!根本は同じでも、やはり俺と奴は別人なのだ!」

アーチャー「…そうだ、衛宮士郎!!奴はどうする!そもそもアレに注意すればどうとでもなるだろう!」



凛「…あいつは、あんたの前にここの裁判にかけられていたの」

凛「過剰なフラグ、擬似的なハーレム、その罪は重かったのよ」

桜「その上、『俺は皆を幸せにしたかったんだ!』とか…ふふふ」

凛「おそらく隣の部屋で聖剣の錆になってるわね…もう戻ってこれないでしょう」

アーチャー「」

凛「じゃあ、ちゃっちゃと判決ね」

アーチャー「もういい、もうわかってる。どうせ死刑なんだろう…」

凛「はい残念、今回の判決は…タイガー道場巡りよ」

アーチャー「は?」

桜「執行人の方、よろしくお願いします♪」

扉「」バーン!!

虎「はいはーい、じゃあ持っていきますねー」ガシッ

アーチャー「ち、ちょっと待ってくれ!いくらなんでも…」

弟子1号「大丈夫だよ、一から十まで、いや四十くらいまで叩きこんであげるから」

アーチャー「やめろぉ…やめてくれぇ…」ズルズル

凛「じゃあね、アーチャー」

桜「長い旅路ですので、体に気をつけてください」

岸波「…とりあえず、月で待ってるから…」

凛「よし、これにて閉廷!!」




アーチャー「なんでさぁぁぁぁぁぁ――――」

――――――

ライダー「…ここは?」

???「よいしょ!」バキッ!

ライダー「む…あれは、イリヤスフィール?」

イリヤ「よいしょ!よいしょ!」バキッ!バキッ!

ライダー「(うう…小さい…話しかけづらい…しかし…)」

ライダー「あ…あの…」

イリヤ「あれ、ライダーじゃない」

ライダー「イリヤスフィール、なぜあなたがここに?」

イリヤ「さあね?っと、よいしょ!」バキィ!

ライダー「……あの、先ほどから、何を?」

イリヤ「ああ、これはね…」

イリヤ「、眼鏡を砕いてる最中なの!よいしょ!」

眼鏡「」バキッ

ライダー「……え?」

ライダー「な、なぜそんな事を…」

イリヤ「なによ、文句あるのライダー?」ジロッ

ライダー「ひっ……い、いえ、なにも…」ビクッ

ライダー「(い、今の視線は、何か見覚えが…)」


イリヤ「そう…それならいいのよ♪」

イリヤ「…あら、もう眼鏡がないわ」

イリヤ「どこかに落ちていないかしら……」キョロキョロ

ライダー「」ビクッ

ライダー「(まずい…この場にいてはいけない)」

ライダー「そ、それでは!!」ダッ

???「とうっ」バッ

ライダー「ひゃっ―――」ガシッ

ライダー「(え、イリヤスフィール!?いきなり目の前に…)」

イリヤ?「あらあら、いきなり逃げ出すなんて…」

ライダー「(あれ!?後ろにも!?)」

イリヤ???「あんまりじゃないかしら、ライダー?」

????「そんなにその眼鏡が大事なのかしら?」スッ

ライダー「ああっ…!」


??????「でも、外したほうがしっかり見えるんじゃないかしら?」

????「よく捕まえてくれたわ。流石ね、お手柄よ、私」

??????「ええ、この子の考えることなんて、私にはとっくにお見通しですものね、私」

ライダー「姿が霞んで…その口調…ま…まさか…」


ライダー「…上姉様、下姉様…」

ステンノ「…やっと気付くだなんて、やはり貴女はノロマね♪」

エウリュアレ「もう姉の顔を忘れたのかしら、駄メドゥーサ?」

ライダー「な…なんでこんな所に…?」

ステンノ「私がいたら悪いのかしら?」

エウリュアレ「いてほしくないんじゃないの、メドゥーサ?」

ライダー「ひっ…いいえ、そんな事は…」

ステンノ「まったく、だから貴女はそんなに残念なのよ」

エウリュアレ「仮にも女神なら、もう少ししっかりしなさい」

ライダー「あ…あう」

ステンノ「もしかして、英霊になったからって、いい気になってるんじゃないわよね?」

エウリュアレ「どうせ天馬の世話だって、時々サボっているんでしょう?」

ライダー「…そ…そんなことは…」

ステンノ「言い訳は見苦しいわ…いいでしょう、だったら」ニヤッ

エウリュアレ「もう言い訳できないよう、久々に躾てあげるわ」ニヤッ

ライダー「あ…駄目です…やめ…やめて…」

ステンノ「いいこと教えてあげる、メドゥーサ」ジュルリ

エウリュアレ「私は、美味しい物を我慢する気なんてないのよ」ジュルリ

二人「「♪いただきます♪」」

ライダー「ああ、ふっ…あぁぁぁっっ!?」

――――――
ランサー「…あれ、教会?」

ランサー「じゃあ、帰ってこれたのか?」ギィィ バタン

カレン「………」

ランサー「げっ…」

カレン「ランサー、帰ってきたのですか?」

ランサー「お…おう」

カレン「……食事ならあなたの部屋に置いてあります」スタスタ

ランサー「……行っちまった」

ランサー「んだよ…今日はやけに親切じゃねぇか」

ランサー「てっきり、『帰ってきたのなら掃除でもしていなさい』ぐらいは言われるかと思ったが…」

ランサー「まぁ、運がよかった、って考えておくか!」




カレン「………」ニヤニヤ

――――――

――――――
ランサー「しかし最近忙しかったし…」

ランサー「久々に部屋でくつろぐってのも」ギィィ

ランサー「………」

犬小屋「………」

ランサー「…なんだこりゃ」 バタン

ランサー「っ、なんだぁ!?閉じ込められた?」

犬小屋「……フィッシュ」バシュッ

ランサー「っ、これは、聖駭布!?」グルグル

犬小屋「グルルル…メシ…」ズルズル

ランサー「うおぉぉ、引きずられる!?くそっ!!」グググ

犬小屋?「メシ…クウ…ゴチソウ…」

ランサー「つか、あれ犬小屋かよ、中に変なもん入ってんだろ!?」

ランサー「ていうか、仕掛けたの誰だよ!!」

カレン「私に決まっているでしょう?」

ランサー「…窓からなにニヤついてんだ?」

カレン「見物、ですが?」
犬小屋?「オナカスイタ」ギュウウウ
ランサー「……わかった。どうやったら、助けてもらえる?」

カレン「では、三回回ってワン、と言ってください」

ランサー「無理だ、できねぇ」

カレン「…では、とりあえず全力でこちらに来てください」

ランサー「……待ってな」ズリ…ズリ…

犬小屋?「ニゲル!エサガニゲル!」

ランサー「ハァ、ハァ…よし、これで」

カレン「では、さよなランサー♪」ドンッ! バタン!

ランサー「………」ガクッ

犬小屋?「イタダキマース」

ランサー「…ちくしょぉぉぉ、覚えてやがれぇぇぇ!!」

――――――
小次郎「ここは…寺の山門?」

小次郎「…いや、空気が違う…これは、生前の境内だな」

小次郎「―――しかし懐かしいものだ…」

小次郎「ただひたすら、他のことなど気にせず刀を振り、技を磨く」

小次郎「思えば我が秘剣も、ここの燕を切るために生まれたもので」

???「チュルルル…」

小次郎「おお、噂をすれば姿を見せるか」

燕?「チュルルル…」

小次郎「しかし、これは元気の良い奴だ。声も大きいし、きっと大物に…」

燕(人サイズ)「チュゥゥ」バサッバサッ

小次郎「………」

TUBAME「チュビチュビチュルルゥ゙ゥ゙!!」キェァァァ!

小次郎「でかすぎるだろう!?」

TUBAME「シャアッッ!」ヒューン

小次郎「うおぉぉぉ!?」ヒョイッ

小次郎「(なんだこれは…魑魅魍魎の類か!?)」

小次郎「(とりあえず、刀は持っている。これさえあれば…)」

小次郎「…食らえ、妖怪!―――秘剣、」

小次郎「 燕 返 し !!」スパッ! スパッ! スパッ!



TUBAME「他愛なし」ヒョイ

小次郎「!?」

小次郎「…おのれもう一度、燕返し!」スパッ!

TUBAME「他愛なし…」ヒョイッ

小次郎「つ、燕返しぃ!」

TUBAME「TAWAI☆NASHI」ヒョーイ

小次郎「なぜだぁぁぁ!?」

TUBAME「もう終いか…では」

TUBAME「七孔噴血……撒き死ねい!!」グワッ

小次郎「なんだこれはぁぁぁ―――」

――――――

ここまでです

今日のうちにちょっと投下

――――――

セイバー「(……頭が痛い)」

セイバー「(……誰か、誰か助けて…)」

???「セイバー…」

セイバー「(……?)」

???「セイバー……、早く…」

セイバー「(…誰、だろう)」

???「セイバー…の」

セイバー「(……もしかして、シロウ…)」

――――――


ハサン「早く起きてください、セイバー殿!」ヌッ

セイバー「ぎゃぁぁぁ!?」

ハサン「おぉ、気がつきましたか」

セイバー「あ…貴方、ハサンですか?どうしてここに?」

ハサン「…とりあえず、この部屋から出ましょう。話はそれから…」

セイバー「…そうですね」

――――――

廊下

ライダー「セイバー…無事でしたか」

セイバー「ライダー、まさか貴女も悪夢に…?」

ライダー「やはり、貴女も…ええ、ハサンが助けてくれました」

ライダー「…いきなり彼の顔が目の前にあったので、少々取り乱してしまいましたが…」

ハサン「すみません、なかなか起きていただけないので、少し大声を出してしまいました…」

ライダー「(その仮面が目の前にあったことが怖かったのですが…)」

セイバー「そうですか…他の三人は?」

ハサン「ああ、それなら…」

アーチャー「あべしっ!!」ドーン!!

ライダー「!?」

セイバー「あ、アーチャー…あの部屋から吹っ飛んできたのですか!?」

アーチャー「」ピクピク

ドタバタ、ガチャッ!!

ライダー「…今、なにかが通りすぎましたね」

ハサン「なかなか無茶をしますね、彼…」

セイバー「…ハサン、彼とは?」

ハサン「…まあ、自分で見て確認したほうがいいでしょうな」

扉「」ドーン!!

ランサー「たわばっ!!」

ライダー「ああ、今度はランサーが…」

セイバー「一体、なにが…あ、ランサーの部屋から、誰か出てきました!」

???「おお、レディ達はお目覚めになりましたか」

二人「「………!?」」

???「ハサン殿はしっかりと役目を果たした…私も急がなければ!」ガチャッ

ライダー「…次はアサシンの部屋、ですね」

セイバー「って、誰ですか!?あの体つきの良い紳士のような青年は!?」

ライダー「(…あれは、おそらく…)」

小次郎「うわらば!?」ドーン!

――――――
アーチャー「うぅ…」

ランサー「ったく、ひでぇ目にあったぜ…」

小次郎「燕…燕が…」

セイバー「…全員、目を覚ましたようですね」

???「よかった、皆さまご無事でなによりです」

ライダー「…あなたが部屋から凄い勢いで放らなければ、もっと早く起きてくれたのでは?」

???「いやいや、申し訳ない。しかし、あの悪夢に長く浸っていれば、おそらく精神が歪められていたでしょう」

ランサー「なんだと…?」

アーチャー「…やはり、洗脳の魔術が使われていたか」

ライダー「…おそらく、完全に意識を乗っ取り、この家の住人にする。そんな罠だったのでしょう」

アーチャー「…とにかく、居間へ移ろう…ここは危険だ」

――――――

居間

セイバー「全員、落ち着きましたか?」

アーチャー「ああ…ところで、一体君は何者かね?」

???「ん、私は…」

ライダー「……バーサーカー、ですよね」

セイバー「え…えぇ!?」

小次郎「なんと!?」

バーサーカー「その通りでございます、メドゥーサ殿」

ランサー「…よくわかったな、ライダー」

ライダー「同じギリシャの英霊ですし、彼は今の姿になる前は、あのような外見だったのですよ」

ハサン「なるほど、二人は顔見知りでしたな」

アーチャー「…なるほど。で?ハサン、君はいつからここにいたのかね?」

ハサン「最初から、この部屋にいたのですよ。天井裏に、ですけど…」

セイバー「…全然気がつかなかった」

ランサー「あー、今の俺のルーンじゃ同じ部屋の人数まで確認できなかったわ…すまんな」

ハサン「いえいえ、皆さんがここで話している間は気絶していて、目覚めたのは皆さまが出る寸前」

ハサン「その後、私は天井から出ようとしたのですが…その…右手が…」

ライダー「ああ、なにか違和感があると思ったら…」

セイバー「あの右手が萎びていますね…」

ハサン「…右手が使えない私なんて、ただの暗殺者。もう魔術師殿のお役に立てません…」グスン

アーチャー「そう気を落とすな…。それで、その後は?」

ハサン「…はい、天井からの脱出に四苦八苦していた所、バーサーカー殿が目覚めて、助けてもらったのです」

バーサーカー「紳士ですので。困っている方には手を貸さねばなりませんからな」

セイバー「…いつもの姿からは考えられませんね…」

ハサン「その後、我々は皆さまと合流するため、捜索を始めました」

バーサーカー「そして、あの扉のある廊下にたどり着いたのです」

セイバー「あなた達は、あの扉の魔術には掛からなかったのですか?」

ハサン「どうやらあの部屋は、一つにつき一人にしか効果を発揮できないようでした」

ハサン「小次郎殿が先に入られたことで、私は無事でいられた訳です」

小次郎「なるほど…」

バーサーカー「確かに強力な魔術でしたが…普段の狂化に比べれば、たいしたことはありませんよ」ハハハ

セイバー「凄い…味方になった時の圧倒的信頼感…」

アーチャー「流石、ギリシャの大英雄だな…」

セイバー「ともかく、二人とも、助けてくれてありがとうございました」

アーチャー「君たちがいなければ、全員悪夢に取り込まれていただろう…」

バーサーカー「いえいえ、それよりアーチャー殿、これを…」

アーチャー「…ここは、先程まで君が眠っていた場所では?」

バーサーカー「えぇ、しかしこの場所から、何かの魔力の流れを感じるのです…」

アーチャー「ふむ…これは…ふん!!」ガラガラ…

ランサー「なんだ…床が動いたぞ?」

アーチャー「…この結界の地下に繋がる階段だ…そして、この奥に魔力の溜まり場がある」

ライダー「まさか…この奥に犯人が…?」

アーチャー「可能性は高い…よし、進むぞ!!」

――――――

ここまでです
来週からは多分、もっと遅くなります…


バーサーカーと顔見知りなのはライダーじゃなくてキャスターじゃね?
ヘラクレスの時代にはメドゥーサは退治されていなくなってるし

>>81
ご指摘ありがとうございます
しまった…格ゲーでライダーが『バーサーカーの本当の姿知ってる』みたいなことを言ってるかと思ったら全然ちがった

バーサーカーはペルセウスのひ孫なんですね

つまり、バーサーカーはライダーを聞いたことがあるが、ライダーはバーサーカーを知らないんですね、ミスです

>>76を訂正します

そして重大なミス
バーサーカー着物変わってねぇ
見たら分かっちゃうな…これ

>>76訂正


居間

セイバー「全員、落ち着きましたか?」

アーチャー「ああ…ところで、一体君は何者かね?」

???「ん、私は…」

ライダー「……バーサーカー、ですよね」

セイバー「え…えぇ!?」

小次郎「なんと!?」

バーサーカー「その通りでございます、メドゥーサ殿」

ランサー「…よくわかったな、ライダー」

ライダー「…ギリシャの魔力が感じられるし、今の彼の格好をみればわかるでしょう?」

小次郎「…確かに、腰巻きだけだな」

バーサーカー「いや、申し訳ない…本当は紳士らしく純白のジェントルマンスーツといきたいのですが…」

アーチャー「…なるほど。で?ハサン、君はいつからここにいたのかね?」

ハサン「最初から、この部屋にいたのですよ。天井裏に、ですけど…」

セイバー「…全然気がつかなかった」

ランサー「あー、今の俺のルーンじゃ同じ部屋の人数まで確認できなかったわ…すまんな」

こんばんは
>>1は明日の朝に投下する予定です
投下スピードが亀レベルですが、どうかお付き合いください!

では、投下開始

――――――

小次郎「…やはり薄暗いな」

ランサー「待ってな、今ルーンを使う」シュッ

ライダー「…しかし、妙ではないですか?魔力は先程まで使われていたようですが…」

アーチャー「…今は漂っているだけだな、まるで霧散したかのように…」

セイバー「…!見てください!」

小次郎「…壁になにかの跡が残っているな」

ランサー「これは…間違いねぇ、ここには魔力障壁が張られてたはずだ」

ハサン「では、この魔力は障壁に使われていたものだったのでしょうか?」

バーサーカー「それが解除されているということは…?」

アーチャー「いったい何があったのだ…先へ進むぞ!!」
――――――

――――――

セイバー「…突如、広い空間に出ましたね」

アーチャー「…気をつけろ。もし犯人がいるとしたら、この場所だ」

ライダー「……待ってください、あそこに誰か…」

キャスター「」グッタリ

小次郎「…キャスター!!」ダッ

セイバー「キャスターが倒れている?」

アーチャー「…どういうことだ?」

小次郎「おいキャスター、大丈夫か!?」

キャスター「う…アサシン…?」

小次郎「しっかりしろ、お前が消えれば、宗一郎はどうするのだ!」

キャスター「…う……」

小次郎「喋るな!すぐに医者を…」

ドーーン!

キャスター「うるさーい!!」

小次郎「ぐはっ…!?」

キャスター「いきなり耳元で怒鳴るんじゃ…」クラッ

セイバー「!どうしたんですか、キャスター!?」

キャスター「………ご」

ライダー「ご?」

キャスター「……ご…はん」ギュルル

――――――

キャスター「ありがとう、助かったわアーチャー」モグモグ

セイバー「結局、空腹と疲労で倒れていたのですね…」モグモグ

ライダー「いや、あなたまで一緒に食事にしなくても…」

アーチャー「…まさか、本当に料理で人を助けることになるとは……」

バーサーカー「ともかく、皇女が無事でなによりです」

キャスター「あら、あなたバーサーカー?懐かしい姿になってるじゃない」

アーチャー「…あー、そろそろ本題に入っていいかね?」

アーチャー「この結界を作ったのは君なのか、キャスター?」

キャスター「えぇ、そうよ。ここは私の作った結界、して……」

キャスター「葛木家別荘第1号(仮)よ!!」

セイバー「…は?」

ランサー「…なんだそりゃ」

キャスター「ほら、寺の中だとあまり宗一郎さまと二人きりにはなれないじゃない?」

キャスター「だから、私の陣地作成スキルを応用して、ちょっとした別荘でも作ってみようかなー、と思って」

キャスター「そこなら、二人きりで好きなだけイチャイチャできるし…」

キャスター「あ、宗一郎さまがいるならどこでも天国なんですけどね♪」

ライダー「…ずいぶん舞い上がっていますね」

セイバー「では、なぜここに我々を連れてきたのですか?」

キャスター「…依頼よ。実はここを作れたのも、依頼主の協力があったからだし…」

セイバー「依頼?」

キャスター「…3日前のことよ」

―――キャスター回想―――

キャスター「…珍しいわね、あなたが私に頼み事なんて」

???「なに、貴様が適任だと思ったから依頼に来たまでだ」

キャスター「…こちらとしては、場所を確保してくれたことはありがたいわね」

???「…では、受けるということでいいな?」

キャスター「…いいわ。私もどこまでできるか試してみたいもの」

???「下手な物は作るなよ?我は厳しいからな」

キャスター「あまり舐めるんじゃないわよ…任せなさい」

???「ふむ…ああ、あと少し、道具も注文させてもらおう」ペラッ

キャスター「…ふぅん。まあこの程度なら楽勝ね」

???「…では、期待しているぞ」ニヤッ

――――――

―――2日後―――

???「なかなか早く完成したではないか」

キャスター「ちょっと張り切って作ってみたのよ…結構大変だったんだから」

???「ほう…これが庶民の家か」

キャスター「…注文通り、家具はそこらで売っているものにしたわ。あと…」ガサガサ

???「…ふむ、こちらもできたようだな」ニヤリ

???「…こんな物も作らせて、あなた何する気よ」

???「おっと、あまり詮索するなよ?お前は依頼に応え、我は報酬を出す。それだけだろう?」

キャスター「…まあ別にいいわ。それで、報酬は?」

???「ふむ、これでいいだろう」ゴトッゴトッ

キャスター「…トランク3つ!?…気前良すぎじゃないの?」

???「舐めるな、良い仕事をした者にそれなりの報酬をやるのは当然であろう」

キャスター「………」

???「だが、最後にもう一つ、頼むことがある」

キャスター「…なによ」

???「…セイバーを、ここに連れてきてもらいたい」

―――回想終了―――

――――――

セイバー「私を、連れてこい?」


キャスター「流石にあの屋敷の結界を突破して、貴女を連れてくることは厳しいものね」

キャスター「だからこっそり侵入して、ちょこっと眠りの魔術を掛けさせてもらったわ」

セイバー「…あのとき眠くなったのは、貴女の仕業か」

アーチャー「…君の魔術がセイバーに効いたのかね」

キャスター「ふふ、いくら対魔力Aでも、竜を眠らせるのは私の十八番よ」

ライダー「…では、他に作った物というのは?」

キャスター「手紙よ、そっちは片手間で出来るものだったわね」

アーチャー「やはりあれも君の作品か…」

ランサー「…つまり、俺達はその依頼主に目を付けられてここにいるんだな」

キャスター「…一応、名前は言わないわよ。」

小次郎「…正体はもう解りきっているがな…」

キャスター「で、その後はここで作業してたら…」

ランサー「そのままぶっ倒れた、って訳だな」ハァ

キャスター「報酬が多すぎて、つい限界忘れてしちゃったのよ」

セイバー「それで…その依頼人はどこにいるのですか!?」

キャスター「……教えてもいいけど。セイバー、あなたでもその状態じゃ勝てないわよ?」

小次郎「ここはお主の結界なのだろう?解除してくれないか?」

キャスター「嫌よ、そんなことしたら契約違反になるじゃない」

キャスター「第一、解除すればさすがにアイツでも感付くわよ」

セイバー「…では、どうすれば…」

キャスター「……ふふ、そうね。じゃあ条件をつけましょう、セイバー」

セイバー「…条件?」

キャスター「そうよ、セイバー…これを見なさい」ガサゴソ

セイバー「これは…薬、ですか?」

キャスター「そうよ。これを飲めば、あの結界の中でも普段の力が発揮できるわ」

ライダー「…本当ですか?」

キャスター「えぇ…。まあ、その代わり…」ガチャッ

小次郎「…タンス?」

バーサーカー「しかしなにか数が多いような…」

キャスター「ええ、ここで私が限界まで制作した作品よ」

キャスター「こっちは私が着てみたい服!!」ドン!

キャスター「そして、こっちが宗一郎さまに似合うであろう服!!」ドーン!

キャスター「そして、こっちからあっちまでが…セイバー!あなたに着て貰いたかった服よ!!」ドドドーン!!

セイバー「…多すぎではないですか!?」

キャスター「薬を渡す条件は、あなたがここの服を着ること!」

キャスター「そうすれば、この薬を人数分、そしてアイツのいる場所を教えてあげる!」

セイバー「………」

ランサー「まあ、ここは着るしかねぇよな」ニヤニヤ

小次郎「そうだな、それだけの事だしな」ククク

セイバー「…あなたたち、他人事だと思って…」

ライダー「似合うと思いますよ、セイバー?」

セイバー「ライダー、貴女まで…」

キャスター「決まりね…じゃあ、こっちへいらっしゃい♪」

セイバー「うぅ…」トボトボ

――――――
セイバー『な、なんですか、この格好は…!』

キャスター『いいわー!とっても似合ってるわよセイバー!』

――――――
アーチャー「………」フイッ

ライダー「…別に仕切りから目を背けなくても見えませんよ、アーチャー?」

アーチャー「…わかっているが、なんとなく見てはいけない気がする…」

――――――

セイバー「」グッタリ

キャスター「ああ、素敵な写真がたくさん…ありがとうセイバー♪」

セイバー「ええ…では、薬を…」

キャスター「約束は守るわ…はい♪」ポイッ

アーチャー「では、奴の居場所も教えて貰おうか」

ランサー「さんざんヒデェ目に合わせやがって…絶対叩き潰してやる」

セイバー「…待ってください。彼の元には、私一人で行きます」

ライダー「…危険ですよ、セイバー」

セイバー「大丈夫です、遅れは取りません。それに、なぜこんな事をしたか問わねばなりません」

キャスター「…そうね。セイバー一人の方が怪しまれないわ。アイツもそのつもりみたいだし」

キャスター「セイバー、アイツの居場所はね…」

――――――

――――――

セイバー「………」トコトコ

セイバー「(キャスターによれば、彼がいるのは…この、私が最初に寝かされていた部屋)」

セイバー「(この部屋は、ある特別な魔術式によって、普通に入れる部屋と、暗号で閉ざされた部屋を分けている)」

セイバー「(…つまり、暗号を言わないといけない訳ですが…)」

セイバー「(…なぜこんなことを言わねばならぬのです!)」

セイバー「(先程の着せ替えでも、あ、あのような恥ずかしい格好をしたというのに…)」//

セイバー「(…しかし、これで…シロウの元へ戻れるのなら…)」ピタッ

セイバー「……」スゥ…

セイバー『怖い夢を見ました、ここに入ってよろしいでしょうか?』

扉「」…ピカッ!!

???「フハハハハ、よく来たなセイバー!」

セイバー「(…装飾、家具、全てが金に囲まれた部屋…そして、その中心に)」

???「暗号を言った、ということは、どうやら貴様も…」

ギル「この英雄王、ギルガメッシュのものとなったようだな!!」

セイバー「(巨大すぎるベッドの上に、英雄王が…)」

ギル「さぁ、セイバーよ、我が妻よ、早く部屋に入るといい。なに、恥ずかしがる必要などないぞ」ニヤニヤ

セイバー「………」イラッ

スッ…

セイバー「(…?部屋に入った瞬間、なにか違和感が、消えた?)」

ギル「…ふむ、洗脳の魔術は解けたか?」

セイバー「!英雄王…!」

ギル「この部屋には、先程の洗脳にかかることはない…つまり、ここでは普段の貴様でいられるのだ」

セイバー「……私が洗脳されたままなら、あなたの好きなようにできたのでは?」

ギル「…そんなセイバーなど、面白くないからな。」

セイバー「……では、話してもらおう。なぜ、こんな事をした」

ギル「……気がついたのだ、我に足りなかったものに、お前が俺に惚れぬ理由に」

ギル「…セイバーよ、貴様はあの雑種のマスターに惚れているのだろう?」

セイバー「………」

ギル「いや、言わずともよい。普段の貴様を見れば、そこには気付く」

ギル「我は考えた、奴にあって我に無いもの、それが何かと」

ギル「そして、ようやく見当がついた」

ギル「それは……庶民の知恵だ!!」

セイバー「……は?」

ギル「お前は王だった、だから庶民の生活を知らなかったのだろう」

ギル「しかし、あの雑種と出会い、庶民の生活を知った」

ギル「憧れたのだろう…知らぬものに興味を引かれるのは当然だ」

ギル「だが…我が庶民になれば、雑種を完全に越えることが出来る」

ギル「我、大勝利……というわけだ!」

セイバー「……はぁ」

ギル「…だが、先程言った通り、我は庶民を知らなかった」

ギル「そこで、まずは庶民の原典というものを探した」

ギル「そして…ついに発見した。これをな!」

『サザ〇さん』

セイバー「」

ギル「他にもあるぞ…ほれ」

『ドラ〇もん』

『ちび〇る子ちゃん』

『クレ〇ンしんちゃん』

セイバー「………」

ギル「おかげで、庶民というものを知ることができた」

ギル「完璧な庶民になるのに必要な物…それは、家族、そして共に暮らす者だ」

ギル「そこで!この我自ら、サーヴァントで家族を組み立て、それをこの家で実行することにしたのだ!!」

ギル「まずは我が長男だ、もちろん一番偉い」

ギル「親はいないが、我がいれば家庭は大丈夫だ、大黒柱というやつだな」

ギル「セイバー、無論貴様は我の婚約者だ。だが最初は恥ずかしがって我と距離を置いている、という設定にする」

ギル「だがこの家で過ごすうちに、徐々に魅力に惹かれていく。」

ギル「贋作者は…貴様の生き別れの兄、ということにする」

ギル「最初は我とセイバーの恋路を邪魔するが、貴様の説得で俺との結婚を許す、という役だ」

ギル「まぁ、最終回に若者に刺され、結婚式で空を見上げて死亡するがな」

セイバー「(…どんな設定を考えているのですか)」

ギル「あの狗は我の弟だな、釣りが趣味だ」

ギル「我の命令には絶対服従、まさに犬のような性格にしてやろう」

ギル「蛇女は貴様の姉だが、暗い性格で、いつも部屋に閉じ籠り本ばかり読んでいる」

ギル「しかし、我の一喝で立ち直り、我とセイバーを応援する」

ギル「亡霊のほうは…居候で、とりあえず仕事を見つけるまではこの家に世話になっている」

ギル「だが、見つかった仕事が次回でクビになったり、その途中で蛇女といい感じになったりと、ムードメーカーになってもらおう」
ギル「…仮面のほうはお隣さんだ。出番はほとんどないがな」

ギル「あの肉達磨は…ペットでいいか。OPで蜜柑の中に入っていればいい」

セイバー「(……段々と雑になってますね)」

ギル「どうだ、この我が考えた最高の家族は?」

セイバー「…ふざけている、何の魅力もないではないですか」

ギル「ふむ…気に入らぬか?しかし、貴様は我に逆らえはしないのだ」

ギル「この結界では、貴様は聖剣も鎧も出せはしない」

ギル「力の無い貴様など、ただの可愛い少女であるからな!」

セイバー「………」

ギル「さあセイバー!諦めて我が家族となれ!そして、この庶民派英雄王ギルガメッシュの愛をその身に受けるがいい!」

セイバー「……それだけか」

ギル「……なに?」

セイバー「……言いたいことはそれだけかと聞いているのだ、英雄王!!」カッ!!

ビュォォォォォォォッッ!

ギル「な、なぜ聖剣が!?そしていきなり風王結界解除だと!?」

セイバー「はあぁぁぁ…!!」コォォォォォ

ギル「おのれ…どうやったかは知らんが、少し眠ってもらうぞ、セイバー!」

ギル「王の財宝!!」カッ!

ドンドンドン!

???「―――停止解凍、全投影連続層写!!」

ガキィィン!

ギル「なっ―――貴様、贋作者!?」

アーチャー「失礼、扉が開いていたのでな、勝手に入らせてもらった」

ライダー「…随分と勝手なことを言っていましたね、英雄王」

ランサー「狗と言ったな…覚悟してもらうぜ?金ピカ!!」

小次郎「さっさと蹴りをつけて、元の場所に帰らしてもらおうか」

ギル「お…おのれ雑種ども…揃ってこの我に歯向かうか!!」

ギル「いくら束になっても、貴様らでは我に敵わん事を教えてやろう!!」

ドンドンドン!!

ランサー「はあぁぁぁ!」キンキンキン!

バキバキバキッ!

ギル「な、やめろ!せっかく飾った家具が台無しになるだろうが!?」

小次郎「知ったことではない…そらっ!!」ヒュッ!

ギル「あぶなっ!!貴様、首を狙うな首を!!」

アーチャー「行けっ!!」ヒュンヒュン!

ギル「くっ…貴様ら!」ドンドンドン!

ライダー「そこっ!!」シャッッ!

ギル「くっ、仕方ない…天の鎖よ!!」

ジャラジャラ!!

ライダー「なっ――」ギシッ!

ランサー「――しまった!」ギチギチッ

ギル「フハハ、ついに捕らえたぞ、雑種!」

小次郎「くっ!」

ギル「さあ、我の邪魔をしたことを後悔するが――」

アーチャー「――油断したな、英雄王」

ドゴンッ!

バーサーカー「■■■■――!!」

ギル「なに―――」

小次郎「いけ、バーサーカー!たいあたりだ!!」

バーサーカー「■■■、■■■■―――!」

バキィッ!

ギル「ぐっはぁぁぁ!?」

ギル「ぐ、っく――!!」

アーチャー「二人とも、大丈夫か?」バキィ

ライダー「ええ、助かりました」カラン

ランサー「やっぱ元に戻ると怖ぇなコイツ…」

バーサーカー「■■■■■■!!」

ギル「――許さんぞ雑種ども――もはや肉片一つ残らぬようこの世から消し去ってくれる!!」

ゴォォォォォッッ!

アーチャー「――ふむ、残念ながら、時間切れだよ、英雄王」

ギル「なにを――!?」

―――ピカァァァァァァァ!!

セイバー「………」

ギル「あ――」

ランサー「んじゃ、俺らは下がるとすっか」

小次郎「巻き込まれると危険だからな」

セイバー「………」ジリッ

ギル「ま、待て、落ち着け、セイバー」

セイバー「………」ジリッ

ギル「近寄るな!怖い怖い怖い!」

セイバー「………」

ギル「気にいらなかったのは分かった!もう連れ去るようなことはせんぞ!?」
セイバー「………」

ギル「…くっ、何故だセイバー!?何が悪かった?」

ギル「我は考えた!どうすればお前が我のものになるか!」

ギル「だが、お前の心は、あの雑種にしか向いておらぬ!」

ギル「我の方が、あの雑種より優れているはずなのに――」

ギル「答えよセイバー!!我の何が気に食わぬ?お前は何が欲しい!?」

セイバー「……英雄王」

セイバー「英雄王、それは違う」シュゥゥゥ…

ギル「…聖剣が……」

セイバー「――私は確かに、貴方が苦手だ」

ギル「……やはり」

セイバー「ですが、それは別に、貴方に消えてほしいとか、そういうことではないのです」

セイバー「私は、貴方からの愛は受け取れない――シロウがいるから」

ギル「…セイバー……」

セイバー「私はシロウの剣だ。私が一番欲しいのは、シロウだ」

セイバー「私が、一番愛しているのは、シロウだ」

セイバー「…これが、私の答えです、英雄王」

ギル「………」

セイバー「…さて…」

セイバー「…というわけなので、今回はこれで手打ちにしましょう」

ギル「へ?」

ガツン!!

――――――

――――――

ランサー「お、出てきた」

セイバー「お待たせしました」スタスタ

ギル「」プシュー

ライダー「…大きなタンコブですね」

ハサン「どうやら、無事解決したようですね」

セイバー「ハサン…体はもう大丈夫なのですか?」

ハサン「ええ、右腕もバッチリ…これでジャスティス・ハサンに戻れました」

アーチャー「………」

セイバー「…アーチャー?どうかしましたか?」

アーチャー「…いや、なんでもない。それより、玄関へ戻ろう、今頃キャスターが帰り道を作っているはずだ。」

セイバー「ええ、帰りましょう、みんなの元へ」

――――――

―――柳洞寺―――

キャスター「はい、到着よ」

セイバー「ふぅ…まだ夕方ですか」

アーチャー「では、各々自分の場所へ帰るとしようか」

ランサー「セイバー、そいつ貸しな。教会まで持って帰るからよ」

セイバー「はい、よろしくお願いします」ヒョイ

ギル「……うーん…」

ランサー「おう、じゃあなー」フリフリ

ライダー「…そうだ、帰る途中で本屋に寄らなければ」

ハサン「あ、私も魔術師殿に買い物頼まれてたんでした…急がなきゃ」

ライダー「…では、失礼します」スタスタ

ハサン「皆さん、お元気で」シュタッ

アーチャー「…では、私も帰るとするか」

セイバー「アーチャー、あの…今日は色々と、迷惑を掛けてしまいましたね」

アーチャー「…なに、気にすることはないよ、セイバー」スタスタ

セイバー「…ありがとうございました、アーチャー」

アーチャー「…あぁ。」スタスタ

キャスター「ふふ、今日はありがとね、セイバー♪」

セイバー「…あ、あの、写真は…」

キャスター「大丈夫よ。誰にも見せたりなんかしないわ、あんなお宝」

キャスター「でも…私の服を着て帰れば、あの坊やはもっとメロメロになるでしょうけどね♪」

セイバー「なっ…し、失礼します!!」// スタスタ

キャスター「また来てちょうだいね♪」

小次郎「ふふ、やはり可愛らしいな」

キャスター「なによあんた、まだ居たの?」

小次郎「失礼な事を…明日こそは街にでるからな」

キャスター「は?何いってんのよ?」

小次郎「もう忘れたか…貴様の作ったこのお守りがあれば、山門から…」

小次郎「…む?なんだ?なぜ光っている?」

キャスター「あぁ、時間切れね。これで明日からまた門番よ」

小次郎「なっ…た、頼む!作り直してくれ!」

キャスター「そのうちね…さっ、宗一郎さまに料理作って来ないと♪」

小次郎「ち、ちょっと待て、キャスター!?」

――――――

――――――
ライダー「ただいま戻りました、サクラ」

慎二「あっ!ど、どこに行ってたんだライダー!!」

ライダー「おや、シンジ」

慎二「なんで桜だけ家に残したんだよ……ひっ!?」

桜「お帰りなさいライダー♪……兄さん、晩御飯できましたよ?早く食べちゃってください」

慎二「ひっ……あ、あぁ、分かったよ…」ガクブル

ライダー「………そうだ、サクラ、新刊が…」



――――――
ハサン『魔術師殿ー、レトルト買ってきましたー。』

ハサン『って、えええ!?なんで痙攣して倒れてるんですか!?しっかりしてくださいぃぃぃ!?』

――――――


ライダー「…サクラ、今ハサンの悲鳴が聞こえたのですか?」

桜「さあ?それより、ありがとうね、ライダー♪」ニコッ


――――――

―――教会―――

ランサー「ふいー、いま帰った――」

???「フィッシュ」バシュッ!

ランサー「ぐっ――!?」グルグル

ギル「………」グルグル

???「随分遅かったわね、二人とも」

ランサー「て、テメェ何しやがる―――」

カレン「あら、主人の呼び掛けに応じないサーヴァントなんて、普通恥ずかしくて顔を出せないものと思っていたけど」

カレン「なかなか図太い性根を持っているじゃない」
カレン「おかげで昼から大変だったじゃない」


ランサー「ち、違ぇよ!今回はコイツが…」

ギル「うーん………」

カレン「そんなことは知りません、連帯責任ではないのかしら?」

カレン「そうだ、そろそろ雑巾が使えなかった筈です。では…」

カレン「これから拭き掃除といきましょうか?」ニヤッ

ランサー「ち、ちくしょぉぉぉ!?」

ギル「うーん、セイバー…セイバー…」

――――――

―――遠坂邸―――

アーチャー「帰ったぞ……凛」

凛「…むにゅ……」ゴロン

アーチャー「……凛」ユサユサ

凛「きゃっ!あ、アーチャー!?」

アーチャー「まったく、こんな所で寝ていれば風邪をひくぞ?」

凛「しょ、しょうがないじゃない!?つい眠くなっちゃったんだから!」

アーチャー「まったく…」

――――――
セイバー『私はシロウの剣だ。私が一番欲しいのは、シロウだ』

セイバー『私が一番愛しているのは、シロウだ』

――――――

アーチャー「………」

凛「…ちょっと、どうしたのよ。急に黙りこんで」

アーチャー「いや…どうしようもない幸福者について考えていただけさ」フッ

――――――

―――衛宮邸―――

セイバー「(……帰って、これました)」

セイバー「…ただいま帰りました」ガラガラ

士郎「あ。おかえり、セイバー」

セイバー「…ただいま、シロウ」

士郎「キャスターの手伝いしてたんだって?お疲れさん」

セイバー「え…ええ。(…キャスター、話をしてくれたんですね)」

セイバー「(………)」

士郎「?大丈夫か、セイバー」

セイバー「え…な、何がですか?」

士郎「…だって、顔が真っ赤じゃないか。熱でもあるんじゃ…?」ピトッ

セイバー「ひゃっ…!?だ、大丈夫ですから!!」

セイバー「(不味い…完全にシロウを意識しすぎている…)」

士郎「?大丈夫ならいいけど…」

士郎「上がってこいよ。もう夕飯の準備もできてるし……」

『シロウー?はやくしないとタイガがご飯食べちゃうよー?』

『うがー!めしめしめし~!』

士郎「ってヤバい、藤ねぇが暴走しそうだ!?早く行こうセイバー!」ガシッ

セイバー「あ、はい!」ダッ

セイバー「………シロウ!!」グッ

士郎「え、なんだ?」ピタッ





――――大好きです、シロウ――――



―――fin―――

はい、これでこのSSは終了です。

いやぁ…初SSでしたが、いかがだったでしょう?筆遅すぎですね。

とりあえず小次郎の口調は何やってんだよ>>1、です。

途中のレスは本当に嬉しかったです。ありがとうございます。

この作品書きたくなったのは個人的にこのシチュエーションを見たこと無かったからです。

私の確認不足かもしれません。でももっと増えてくれると嬉しいです。なので皆さん書いてください。(待て

とりあえず次回作などはありませんが、もし気が向いたら別のものを書くかもしれないです。

それでは、HTML依頼を出してきます

本当に、ありがとうございました!!

HTML依頼出してきました

ちょっと思いつきの小ネタ

『マスター達を閉じ込めてみた』


士郎「くっ、なんでこんな場所に…」

凛「緊急事態ね…とりあえず寝室を決めましょう。」

士郎「一刻も早く脱出しないと……え?」

凛「じゃあ私は士郎と同じ部屋ね♪」

桜「姉さん!!抜け駆けはズルいですよ!先輩とはわたしが…」

イリヤ「シロウ、一緒に寝よー!」ダキッ

凛「あ、このガキ!?」ギリギリ

イリヤ「いったーい!?ちょっと、離しなさいリン!!」グググ

士郎「い、イリヤ、遠坂…苦しい…」

凛「ていうか桜、あんた慎二がいるでしょう?一緒にいたら?」

桜「…兄さん?私と一緒の部屋がいいですか?」ゴゴゴ

慎二「ふ…ふざけんな!!お前らみたいな猛獣と寝てられるか!!」

宗一郎「…不純異性交遊は禁止だ。遠坂、間桐」

慎二「先生、僕と衛宮は一緒の部屋でいいですよね!!」

宗一郎「…いいだろう」

凛「…間桐くん、ちょっと部屋から出ましょうか?」ゴゴゴゴ

桜「ふふふ…にいさん……?」ゴゴゴゴ

カレン「…まったく、爛れていますね…」

綺礼「ふむ、意見が合うではないか。非常に不愉快だが」

カレン「こちらも同じですよ、この腐れダニ神父」

バゼット「そうですか、じゃあ私部屋の警護してますね」

宗一郎「…私も手伝おう」
凛「さあ、士郎…」

桜「誰と一緒に寝るんですか?」

イリヤ「私を選ぶよね、シロウ?」

慎二「え…衛宮…助けて…」

士郎「なんでさ」






―――おわれ―――


お疲れさまでした!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年11月17日 (日) 23:49:57   ID: 4GXqzGUt

久々に面白いss読んだわ。

2 :  SS好きの774さん   2014年10月22日 (水) 08:40:34   ID: CInwhiMP

サーヴァント側よりマスター側のほうが大惨事っていうねw

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