朋「え?」
P「いや、忙しいならいいんだけど。もし暇なようなら、ちょっと占ってほしい」
朋「べつにいいけど……どうしたの? いきなり恋愛だなんて」
朋「いい加減年も年もだし身を固めないと行き遅れちゃいそうだと思ったとか?」
P「まさにその通りだがもう少し言葉を選んでほしい」
朋「あはは、あたしとPの仲で言葉を選んでもしょうがないじゃない」
P「貧乳」
朋「言葉選びなさいよ! 親しき仲にも礼儀ありよ!」
P「ほら」
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P「というわけで、占ってほしい」
朋「しょうがないわねえ。まあ、あたしもPが寂しい老後を送ってしまうことはないようにしたいし」
朋「あたしを頼ったってことは、それだけあたしの占いを信用してくれてるってことだしね!」
P「え? ああ、うん。そういうことにしておこう」
朋「なにその微妙な反応!?」
P「だって普段の占いの的中率4割くらいだろう」
朋「い、いいじゃない。4割なんてあのイチローですらなしえなかった数字なのよ」
P「野球の打率と占いの的中率を一緒にするのか……」
朋「そんなにバカにするんなら、占ってあげないわよ?」ジトーー
P「ごめんごめん、冗談だ」
朋「まったく……といっても、的中率が振るわないのは事実なのよねえ。逆にそれを知ってて、Pはどうして占ってほしいと思ったの?」
P「うん? まあ、そうだな。朋の占いはともかく、朋自身は信用できるから」
P「だから、大事な話はまず君に相談してみようと思って」
朋「………」
朋「口説いてる?」
P「どう飛躍したらその結論に至るんだ」
朋「あたし、もう少し背が高い男のほうが好みなのよね……だから悪いけど」
P「待て待て。告白してもないのにフラれたくないぞ」
朋「とりあえず、信用してもらえてることはわかったわ。だったらあたしは、その信用に応えるだけ!」
朋「まずは手相を見せて」
P「ああ、頼む」
朋「どれどれ……ふむふむ」
朋「!? こ、これは!」
P「どうした!?」
朋「Pって爪切るの上手ね」
P「爪じゃなくて手相を見ろよ!」
朋「あんたの手、ごつごつしてて男らしいのね……」
P「唐突に乙女アピールするのもやめろ」
朋「あ、ガチャ生命線が長い。よかったじゃない」
P「そんな線あったのか?」
朋「宝くじ生命線と競馬生命線も長いわね……」
P「俺って実はめちゃくちゃくじ運強いのか?」
朋「ね、ねえP。アタシ、実はあんたみたいな見た目の男ってタイプなのよね……」
P「うわっ! 金運よさそうなのを見て急にすり寄ってきた!」
朋「開運グッズって結構お金かかるのよねえ」
P「怪しい壺とかに手を出したりしてないだろうな」
朋「大丈夫よ。昔の占いだけに頼っていたあたしとは違うんだから」
朋「今は手作りで開運グッズを作ってるわ! ほら、このストラップとか」
P「ほおー。よくできてるな、このプレデター」
朋「青い鳥なんだけど! なんでプレデターが開運グッズになるのよ!」
P「ええっ!? これ鳥なのか……」
朋「ぐぬぬ……へ、下手なのは自覚してるわよ。そのうち上達してみせるんだからっ」
朋「その時は、Pに青い鳥をプレゼントするからね」
P「それは素直にうれしいな」
朋「おさがりだけど我慢してね♪」
P「新しいほうくれるんじゃないんかい」
朋「アイドルの私物をもらえると思えれば幸運じゃない?」フフッ
P「それで、肝心の恋愛運のほうはどうなんだ」
朋「あ、忘れてた」
P「おい」
朋「あはは、ごめんごめん。えっとね……ふむふむ」
P「………」
朋「この本によると、そうねえ………って、どうしたの? こっちじっと見て」
P「いや……熱心に本とにらめっこしてるの見てたら、改めて美人だなあと」
朋「な、なによ急に。褒めたってなんにも出ないわよ」
P「素直な感想だって。さすがはCOOLアイドルだ」
朋「も、もう~……そんなこと言われたって占いの結果がよくなったりはしないわよー?」テレテレ
P「背も高めでスラッとしてるし、ファッションセンスもあるし、髪型もバリエーション多いし」
朋「ええっと、Pの恋愛運は~、結構いい感じかもしれないわね~」
P「体型もスレンダーなのはそれはそれで需要が多いしな」
朋「あんた、死ぬわよ」
P「急に物騒な占いになった」
朋「当然」
P「今のはバカにしたわけじゃなくて、素直にプロデュース方針として役に立つと言っただけなのに」
P「大きさが大事とは限らないだろう」
朋「それはわかるわよ。でも」
P「でも?」
朋「肝心のあんたが、大きいほうが好きだし……」
P「………」
朋「………あっ」
朋「い、今のなし! 忘れて!」アタフタ
P(ちょっと忘れるのは難しいぞ……)
P「えっと。結局のところ、贔屓目抜きで俺の恋愛運はどうなんだ?」
朋「あ、うん。それなんだけど……正直、あんまりよくなさそうなのよね」
P「Oh……」
朋「まずいい人に出会える可能性が少ないっぽくて、そこから関係が発展する可能性も微妙……」
P「うわあ……占いが全てじゃないとはいえ、結構きついなあ」
朋「元気出しなさいよ。ほら、こういう時はリフレッシュも兼ねて運気向上を狙ってみない?」
P「それって、もしかしていつもの?」
朋「そ♪ いつもの」
P・朋「パワースポット巡り」
朋「よし! 今の発言だけで運気上がった気がする!」
P「軽いなあ」
朋「いいのよ、そのくらいで! いいほうに考えたほうが人生楽しいわ!」
朋「これ、Pがアイドルにしてくれたからわかったことなんだからね」
P「……そうだな。じゃあ、今度の休みは一緒に出掛けようか」
朋「そうこなくっちゃ!」
朋「と、言いたいところだけど」
P「うん?」
朋「実は事務所のすぐ近くにパワースポットがあるらしいのよねー……次のオフと言わずに、今すぐ行っちゃわない?」
P「思い立ったが吉日、ってやつか」
朋「うんうん♪」
P「……まあ、すぐ行けるなら大丈夫か」
朋「やった!」ニコニコ
そして――
朋「うーん、きてる! きてるわ、運気ぐんぐん来てる気がするわ!」
P「ははは」
朋「ちょっと、なに笑ってるのよ。今日はPのために来たのよ?」
P「微笑ましいと思っただけだから許してくれ」
P「朋のそういうところ、魅力のひとつだと思ってるし」
朋「また口説きにきてる?」
P「きてない」
朋「そっか」
P「ところで、こんななんの変哲もない河原がパワースポットなのか?」
朋「うん。恋愛運が急上昇するスポットらしいわ」
朋「特に、夕焼けがきれいな時間帯に男女ふたりでやってくるとかなりの効果が見込めるとか」
P「……それ、ただの恋愛スポットじゃないのか?」
朋「………」
朋「あ、本当だ……雑誌に書いてある」
朋「くっ、今日は運勢悪めだったからうっかり間違えちゃったわ」
P「自分の不注意を不運に押しつけるなよー」
朋「ごめんなさい……」
P「まあ、俺としては全然かまわないんだけどな」
朋「え?」
P「朋が俺のために連れてきてくれたってだけで、価値はあるし。夕陽は普通にきれいだしな」
朋「……そっか。なら、よかった」
朋「でも、今ちょっとキザな発言狙ったでしょ」
P「バレたか」
朋「なんだかんだ、付き合い長いもの。わかるわ」
朋「意外とかっこつけたがるタイプよね、Pは」
P「そういうところは青いままなんだよ、年とっても」
朋「なるほどね。あたしは、自然体のPが好きだけど」
P「そうか。俺も自然体の朋が好きだな」
朋「そっか」
P「………」
朋「なにニヤついてるのよ」
P「そっちこそ」
朋「………」
朋「ふふっ」
P「ははっ」
P「さ。そろそろ日も暮れそうだし、事務所に戻るか」
朋「そうね」
朋「あ、そうだ。ねえP」
P「なんだ?」
朋「あたし、恋愛に関しては、占いとかパワースポット紹介とかしかできないけど……仕事に関しては、目に見える形で役に立ってみせるから」
朋「あんたの担当アイドルとして、ね!」
P「………ああ。よろしく頼む」
朋「うん! 本気だから」
P「俺も本気で頑張るよ」
朋「それと! 何年たってもどうしてもお嫁さんが見つからないようなら、その時はあたしがもらってあげるわ!」
P「………」
P「そっちも本気?」
朋「さあねえ♪」
朋「ほら、事務所に帰りましょ!」
P(こういうところ、ちょっとずるいよなあ)
P「まあ、顔赤いから割とわかりやすいんだけどな」
朋「!?」カアァ
P「かわいい」
朋「こ、これは夕陽に照らされてるだけで」
P「うんうん」
朋「に、にやにやしないでよーーっ!」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
ふじとものPとの気やすい距離感が好きです
過去作
的場梨沙「ナースのお仕事!」 佐藤心「チクッといくぞ☆」
モバP「なっちゃんとメイド」
などもよろしくお願いします
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