提督「やっぱベーコンエッグだよな」 (66)
明石「提督ってベーコンエッグ好きですよね」
提督「パンにもご飯にも合うし最強だな」
夕張「ベーコンはどっち派ですか」
大淀「私はよく焼いた方が好きですね」
明石「私もカリカリのを黄身に浸して食べます」
提督「俺はしっとり派だな」
提督「丼にした時に、カリカリだと食感が悪い」
夕張「丼?」
提督「ベーコンエッグ丼だ」
大淀「は?」
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明石「何ですかそれ」
提督「ん?お前ら知らないのか」
夕張「初めて聞きました」
提督「丼ご飯にベーコンエッグ乗せてな、醤油かけて食うんだ」
提督「マヨネーズを足してもグッドだ」
明石「うわぁ……」
大淀「品がないですね」
提督「いやいや、お前ら分かってないな。めちゃウマだぞ?」
明石「何でわざわざ混ぜるんですか」
提督「そりゃお前、混ぜた方が旨いからだよ」
夕張「えー?」
提督「いや、マジだって」
提督「俺が学生時代に編み出した七大奥義の一つだぞ」
大淀「こんなのが七つもあるんですか」
提督「こんなのって、お前な」
明石「他はどんなメニューですか」
提督「他にはコロッケ丼とか、ツナマヨ丼とか」
大淀「駄目な新妻じゃないですか」
提督「何じゃゴルァーッ!」
夕張「あ……それってもしかして」
大淀「え?」
夕張「あの時のアレですか」
明石「あの時って」
夕張「ちょっと前にね、大規模作戦あったじゃない」
大淀「えーっと、北方海域の?」
夕張「徹夜で作業してたら、提督が夜食を持ってきてくれたの」
明石「提督が?」
大淀「いい所あるじゃないですか」
夕張「しかも手作り」
大淀「手作り!?すごいじゃない」
明石「提督やるぅー」
夕張「お店が閉まっているからってね、わざわざ作ってきてくれるなんて」
夕張「嬉しかったなぁ……」
明石「へー、いいなぁ」
大淀「それでそれで?どんなの作ってくれたんですか」
夕張「餃子丼」
明石「え?」
大淀「は?」
夕張「七大奥義って言ってた」
明石「……」
大淀「……」
明石「馬鹿かな」
大淀「大馬鹿なのかな」
提督「いやいや違うって、これマジで旨いんだって!」
夕張「確かに微妙に美味しいのが、またムカつくというか」
夕張「何かこう、負けた感じで」
提督「何でだよ?旨かったならいいじゃん」
大淀「女子への差し入れに餃子を選ぶセンス」
大淀「しかも丼とか、頭大丈夫ですか」
明石「普通の娘なら泣いてますよ」
提督「いや、サプライズ的な」
大淀「サプライズ要りませんよね」
提督「見て驚いて、しかも美味しいんだぞ?ダブルでお得じゃないか」
夕張「お得いりません」
明石「お得じゃなくていいです」
大淀「普通でいいです」
提督「お前らホント辛辣」
明石「でも、提督の手作りっていいですよね」
大淀「羨ましいです」
明石「私達にも作って下さい」
大淀「夕張ばかりズルいです」
提督「おいおい参ったな。そんなに餃子丼が気に入ったのか」
明石「餃子はいいです」
大淀「餃子ホントないです」
明石「他にないんですか」
大淀「もっと普通のはないんですか」
提督「普通って、お前な」
提督「冬だとおでん丼とか好評だぞ」
大淀「悪化しましたね」
明石「誰に好評なんですか、誰に」
夕張「おでんとご飯って相性最悪じゃないですか」
夕張「おかずにならないランキング一位ですよ」
提督「それは別々に食べるからだ」
提督「さっき言ったろ?混ぜると美味しいんだ」
夕張「ええ~?」
提督「お前ら鍋の後に雑炊とかするだろ?」
大淀「はい」
明石「しますね」
提督「それと一緒だよ」
大淀「いやいや」
明石「いやいや」
提督「ちゃんとカラシとかも入れるから」
大淀「そこは問題じゃないです」
明石「もっと大事な所が、根本から違いますから」
提督「ぐぬぬ……この分からず屋め」
夕張「分からないのは提督の方です」
提督「じゃあ、お前ら勝負すっか?」
夕張「勝負?」
提督「おでん丼を食べて旨いかどうかだよ」
夕張「いいですよ。絶対負けませんから」
提督「負けたらお前ら全員裸エプロンな」
大淀「なっ!」
明石「はあっ?」
夕張「いいですよ。受けて立ちますから」
大淀「えっ!?」
明石「ちょっ、夕張?」
夕張「大丈夫、絶対合わないから」
提督「裸エプだぞ裸エプ。後からごめんなさいしても駄目だからな」
夕張「絶対勝ちますから!」
◇ おでん丼試食中 ◇
提督「ほらほら、どうだ!旨いだろ」
夕張「む?むむむ……」パクパク
提督「和風ダシがご飯に染み込んで、たまらない旨さだろ」
夕張「む、むうぅ~」モグモグ
提督「約束通り裸エプロンな。フリフリの奴な」
提督「裸エプ!裸エプ!」
夕張「おっ、美味しくないですっ!」
提督「む?」
夕張「美味しくないっ、美味しくないもんっ」
提督「嘘つけ、美味しい顔してただろ」
夕張「してないしてない」
提督「いや、だらしない顔してたぞ。あれは絶対美味しい顔だ」
夕張「そんな顔してませんから」べーっ
明石「美味しいかどうかは兎も角としてさぁ……」
明石「これって、私達が負けたら裸エプロンなんだよね?」
大淀「そう言ってますね。絶対しませんけど」
明石「じゃあ私達が勝ったら?」
大淀「え?」
明石「提督が負けたら何するの」
大淀「えーっと……それはやっぱり裸エプロンじゃないですか」
明石「提督が?」
大淀「提督が」
明石「……」
大淀「……」
明石「どっちに転んでも負けなような気がするんだけど」
大淀「引き分けにしましょう」(提案)
明石「それがいいね」(即決)
提督「いいや、絶対美味しかったはず!」
提督「だらしない顔してたもん、こんな風に」アヘー
夕張「そんな顔してませんから、私達の勝ちですからー!」キャンキャン
おしまい。
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