【ゆるゆりif 4話】千歳「うへっぐへへへへへへへ!」 (45)


関連のある前作

【ゆるゆり if】あかり「今日から京子ちゃんも中学生だね!」

【ゆるゆりif 2話】櫻子「生徒会福会長!」

【ゆるゆりif 3話】ちなつ「1人暮らし始めました」


関連のない過去作

あかり「赤ちゃんが産まれるんだぁ」

京子「あかりが進みすぎててヤバい……」

京子「結衣、私結衣のこと大好きだよ」

櫻子「まさか向日葵が麻薬中毒者だったなんて………」

あかり「最近ごらく部にいてもつまらない」


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綾乃「つ、ついに来たわよこの時が!」

千歳「そうやなぁ。今日のお弁当にはうちの大好きなはりはり漬けが入ってるんよ」

綾乃「もうすぐ期末テストよ!」

千歳「そうやねぇ」

綾乃「そうやねぇって……なんで千歳そんなに余裕なのよ!?」

千歳「逆に綾乃ちゃんは何でそんなに気を張っとるん?」

綾乃「だっ、だって私たちは生徒会なのよ! みんなの模範になるべく行動しなくちゃいけないの! それなのにもし点数が悪かったら……」ガクガク

千歳「あぁ~」

綾乃「も、もしもあまりにも成績が悪かったら生徒会を辞めさせられるかもしれないし……」

千歳「はぁ~ そこんとこはどうなんです、副会長?」

向日葵「原則そんな事はありませんわ。もちろん生徒会が負担になって成績に多大な影響が出ているのなら一考はします」

綾乃「ほ、ほらっ!」

向日葵「でも私は杉浦さんと池田さんに限ってそんな事はないと断言できます。あなた方の普段からの行いを見ていれば、決して悪い点数は取らないでしょう」

千歳「ありがとうございます~」

綾乃「で、でもやっぱり不安だわ……」

向日葵「そんなに気負うことはありません。普段の努力を信じれば必ず結果はついてきます」

千歳「せやで! うちは綾乃ちゃんの頑張ってるところを誰よりも知っとるんやから!」

向日葵「うふふ、期待してますわよ」


ガラッ


櫻子「おまたへ~」モグモグ

向日葵「櫻子、あなた何食べてますの?」

櫻子「にひがきへんへーから、ごくん! 貰ったクッキー。理科準備室の整理手伝ったお礼にってくれたんだ」

向日葵「やけに来るのが遅いと思ったら西垣先生に捕まってたんですのね……」ハァ

櫻子「てか何で今日向日葵ここにいるの? 会議とかあったんじゃなかったっけ?」

向日葵「今日は会長が行ってるのよ」

櫻子「今日会長いるんだ。来るの久しぶりじゃない?」

向日葵「そうね。だから今日は私も書類整理に入ります」

櫻子「おっしゃ! そんじゃ私はごらく部に行ってくるね~」

向日葵「待ちなさい! 何でそうなるんです!」

櫻子「だって向日葵がいるんなら私必要なくない?」

向日葵「先輩が不真面目だと後輩の士気低下に繋がります! とりあえずやることは与えますから仕事なさい!」

櫻子「へいへい、仕方ないなぁ~」

向日葵「まったく……」

櫻子「ところで綾乃ちゃん、なんか顔暗いけどどうかしたの?」

綾乃「え……暗いですか?」

櫻子「いつもよりちょっとだけ。なんか不安な事でもあんの?」

千歳「ほら、もうすぐ期末テストがあるやないですか~ それが不安みたいで。点数悪かったら生徒会にいられないかもって」

綾乃「ち、千歳ぇ~!」

櫻子「あっははは、綾乃ちゃんに限ってそんな心配する必要ないってば。ね、向日葵」

向日葵「当然です」

綾乃「で、でももし当日に病欠とかしちゃったらって思うと……」

櫻子「そんな事考えちゃダメだって。人生は明るいんだからモルディブに考えなくっちゃ!」

向日葵「それを言うならポジティブ」

櫻子「んぁ?」

千歳「むしろモルディブの方が出てこない単語やと思うんですけど……」

綾乃「それでもやっぱり不安で……」

櫻子「よし、それじゃあ綾乃ちゃんが絶対に安心する事を言ってあげよう!」

綾乃「へ?」

櫻子「私の成績は下から数えたほうが早い! そんな私でさえ生徒会にいられるんだから綾乃ちゃんが心配する事なんて何もない!!」フンスッ

綾乃「………………」

千歳「………………」

向日葵「………………言ってて虚しくないんですの?」

櫻子「……少しだけ」

向日葵「2人とも返す言葉が出なくて絶句しちゃってるじゃないの」

櫻子「いやいや、でも2人とも内心は絶対に『確かに!』って思ったに違いないって! ね、そうでしょ?」ニコニコ

綾乃(な、なんて返せば良いのやら……)

千歳(確かに納得させられてしもた……)

櫻子「あっははは! とにかく2人ともファイト! 絶対に私よりは点数良いから安心してテストを受けてね!」

綾乃「……そ、そうですよね! こんな所でいつまでもウジウジ考えててもダメだもの!」

千歳「そうやで綾乃ちゃん! 大室先輩も言ってたようにファイトや!!」

綾乃「ええ! ファイトファイトファイファイビーチよ!!」

櫻子「……………ビーチ」

向日葵「櫻子、どうかしましたか」




櫻子「よっしゃ! 夏休みにみんなで海に行こう!!」

ー帰り道ー



櫻子「暑い~暑いよ~」フラフラ

向日葵「櫻子、もう少ししゃっきりなさい! そんな風にふらふら歩いていたのではいつか転びますわよ」

櫻子「んな事言われてもぉ~」フラフラ

綾乃「でも本当に暑いですね。もう夏真っ盛りって感じですね」

向日葵「この3日間、連続で今年の最高気温を更新しているようですし。まだまだ暑くなるんでしょうね」

千歳「あはは~ このままじゃ12月には100度になってるんやないですかね」

向日葵「ふふっ、それは一大事ですわね」

綾乃「千歳って結構古風な冗談言うのねぇ」

向日葵「昔おばあちゃんと一緒に落語とか見に行ってたからなぁ~」

櫻子「落語ってアレでしょ、寿限無とかの」

向日葵「そう言えばそういう物はよく知りませんわね」

千歳「ほんなら今度行きます~? 初めてでもなかなか楽しめると思いますよ」

向日葵「ええ、そうですわね。そういう日本の伝統に触れるのも楽しいかもしれませんわ」フフッ

櫻子「でんとー文化と言えばアレもそうでしょ?」

向日葵「アレ?」

綾乃「あ、短冊」

千歳「そう言えば七夕の季節やね~」

櫻子「あっ!」タタタタッ

向日葵「櫻子?」

櫻子「キョンシー!」

向日葵「永眠させてあげましょうか?」

櫻子「からの~、ていっ!!」

向日葵「きゃっ!? な、何するんですかいきなり!! 短冊を二枚私に貼り付けたりして!!」

櫻子「これがね、ブラジャーつけ忘れて学校来た時に絆創膏を貼って1日をやり過ごした向日葵の図!」

綾乃「ぶふっ!」

千歳「あ、あぁ~なるほど……」

向日葵「なっ、なっ………」プルプル

櫻子「あの時の向日葵は面白かったなぁ~ ね、向日葵!」

綾乃「へっ?」

千歳(実話?)

綾乃「こっちには歳納さんと船見さんの短冊があるわね」


『毎日がみんなの笑顔で溢れますように 京子』

『一人前の人間になりたい 結衣』


千歳「やっぱりこういうのって性格が出るんやねぇ~」

綾乃「そうね。船見さんなんて特にイメージ通り」クスッ

櫻子「よっしゃ! 私たちも短冊下げてこー!」

向日葵「そうですわね」

綾乃「えっと……どうしようかしら」カキカキ

千歳「うちはこれでええかな~」カキカキ

向日葵「全員の願いが叶うと良いですわね」カキカキ

櫻子「神様、このおっぱいのお願いはどーでもいいですから私の方のお願いだけ叶えてください!」カキカキ

向日葵「その短冊むしり取るわよ?」

櫻子「こっちだってそのおっぱいむしり取ってやるもん!!」


『生徒会の皆、学校の皆が幸せになりますように 向日葵』

『めっちゃ遊ぶ! 櫻子』

『期末テストで良い点数がとれますように 綾乃』

『豊作祈願 千歳』

ーテスト結果発表日ー




綾乃「あ、あぁ………」



学年1位 杉浦綾乃 492点




綾乃「や、やったぁああ! 1位よ1位!!」

千歳「ホンマやぁ! 良かったな綾乃ちゃん!!」

綾乃「が、頑張った甲斐があったわ! 寝ても覚めてもテストテストテストテスト! ご飯食べながら、トイレ入りながら、自転車乗りながら、その他どんな時も参考書を読んでいた私の勝利よぉ!!」

千歳「誰に勝ったかは分からんけどとにかくおめでとう綾乃ちゃん!」

結衣「綾乃、おめでとう」

京子「す、凄いや……!」

綾乃「ありがとう船見さん歳納さん!」パァァ

結衣「それに千歳だって学年6位だし。やっぱり生徒会の人って勉強すごくできるんだね」

千歳「そんな事あらへんよ、うちはたまたまやねん」

京子「それに結衣ちゃんだって凄いもん。確か30位以内に入ったんだよね?」

結衣「それもたまたまだって。偶然ヤマを張ったところが出たってだけで。それに京子だって全体から見たら上位じゃないか」

京子「う、うん。あかりちゃんやちなつ先輩のおかげ、かな。えへへ」

結衣「私だってあかり先輩のおかげだよ。多分1人だけで勉強してたらこんなに良い点数取れてないよ」

綾乃「私だって千歳のバックアップがなかったらここまでなんて……本当にありがとう千歳」

千歳「どういたしましてやでぇ~」ニコニコ

京子「結衣ちゃんもありがとう。私と一緒に勉強してくれて嬉しかった」ニコッ

結衣「べ、別に……と、友達なら当然だよ」ドキッ

千歳「あ、せや! 実はな、うちら夏休みに生徒会で海に行こう思ってるんやけど、良かったらごらく部も一緒に行かへん?」

結衣「海かぁ。そう言えば家族で行ったっきり行ってないなぁ」

京子「わ、私たちも一緒に行って良いの? 生徒会の皆さんの邪魔になったりは……」

綾乃「そんな事ないわよ。先輩だって2人や先輩方に来てもらった方が嬉しいに決まってるわ!」

京子「そ、そうかな」

綾乃「ええ、もちろん。それに、その……私だって……と、友達は多い方が………」

京子「あ、ありがとう…綾乃ちゃん……」

綾乃「別にお礼なんて………ぁ」

京子「え、どうかした……ぁ」

綾乃「…………………」カアァァ

京子「…………………」カアァァ

結衣「ふ、2人とも顔赤いけど大丈夫!?」

綾乃「え、えぇ……」

京子「はぅ……」

千歳「…………」


千歳(お見舞いに行った時以来、2人の間に気まずい雰囲気が流れる事があるんやけど……)

千歳(そんな時なんかこう、体の奥がムズムズするというかよく分からん感情が滲み出てくる)

千歳(けどそれが何なんか分からへん……! あとちょっとで何か分かるところまで来てるのに!)

結衣「あ、千歳! 虫がいるよ虫!」

千歳「へ?」

結衣「ほ、ほらメガネのつるのところ! てんとう虫が乗ってる!!」

千歳「ホンマに? ほんならちょっと外さんとなぁ……」スチャ

千歳「はうぅっ!?」

結衣「っ!?」ビクッ



綾乃『歳納さん。私ね、あの時のあなたの感触が忘れられないの。だからね、いいでしょ?』

京子『そ、そんな恥ずかしいよ!』

綾乃『女の子同士なんだから恥ずかしがる事なんてないわ。さ、目を瞑って。私にその身を委ねて』

京子『ま、待って綾乃ちゃん……!』

綾乃『うふふ、待たないわ。こんな可愛い子猫ちゃんを前にして待てるほど大人じゃないの』

京子『そ、そんな………ぁ』



千歳「ほわぁ~」タラー

結衣「千歳ぇ!?」

京子「は、鼻血が出てる! 大丈夫千歳ちゃん!?」

綾乃「ま、また鼻血出しちゃったのぉ!? は、早く保健室!!」



千歳(なるほどぉ……これがうちのムズムズの正体やったんやねぇ~ うへへへ!)





京子「うわぁ~見て見てあかりちゃん! 海だよ!!」

あかり「本当だぁ、綺麗だねぇ」

ちなつ「海なんかでテンションあげちゃって可愛いもんね」

あかり「あれ、でもちなつちゃん昨日凄くはしゃいで、むぐっ!?」

ちなつ「はい、あかりちゃんは余計な事言わなくていいのよ」

あかり「むぐぅ~」

櫻子「いやっほぉ~い海だ海だ!!」

向日葵「あなたは騒ぎすぎ」

櫻子「いやだってテンション上がるよこれ!! 青い空白い雲灼熱の砂漠!!」

向日葵「砂漠じゃなくてビーチです!」

綾乃「あははは、でも私も気持ちは分かります」

結衣「久しぶりだから凄く楽しみだよ。あの時誘ってくれてありがとう千歳」

千歳「みんなで来た方が楽しいもん~」

向日葵「更衣室はあっちですわよ。各自水着は持ってきてますわよね?」

ちなつ「もちろん!」

あかり「あかりね、水着を新調したんだぁ」

櫻子「実は私も~ スクール水着でいいやって思ってたら向日葵に怒られてさあ~ 慌てて姉ちゃんと買いに行ったんだ~」

向日葵「2年生にもなってスクール水着で海は普通きません!」

京子「私と結衣ちゃんもちなつ先輩に言われて……」

ちなつ「あったりまえでしょ! 中学生になったんだから少しはマシなもの身につけないと」

千歳「うちと綾乃ちゃんは昨日副会長と一緒に買いに行ったんよ~」

櫻子「え、それ聞いてないけど?」

向日葵「だってあなた断ったじゃないの。お前なんかと一緒に行けるかって」

綾乃「副会長も買ってましたよね。水着」

櫻子「は? 去年一緒に買いに行ったのにまた買ったの?」

向日葵「そ、それは……そのっ、去年のものがキツくて………」

櫻子「は?」ジロッ

ちなつ「あ?」ギロッ

向日葵「そ、そんな目で胸を見ないでください!」

あかり「あ~でもあかりもその気持ちわかるかも! あかりも昨日それに気づいて慌てて買いに行ったんだぁ」ニコッ

櫻子「へ?」

ちなつ「ん?」

向日葵「あら、あかりさんもですか」

あかり「うん! 去年買ったの気に入ってたからショックだったなぁ……」

向日葵「うふふ、まぁ仕方ありませんわよね」

あかり「そうだねぇ。残念だけど……」

櫻子「…………ケッ」

ちなつ「……………チッ」

綾乃「な、なんか赤座先輩と副会長、凄く大人な会話してるわね……」

結衣「そうだね。なんか1年生の私たちじゃついて行けない話題だね」

京子「私たちもそのうち大きくなるのかなぁ……」

ちなつ「あぁ、そう言えば胸って揉まれれば大きくなるって言うわねぇ。揉んであげましょうか京子?」

京子「へ?」

結衣「下心丸見えすぎるだろ!!」

ちなつ「あ。あんたのは頼まれても揉まないから」

結衣「誰が頼むかよ気持ち悪い」

千歳「あははは~ 愉快な先輩やね」

ちなつ「お、アンタいいこと言うわね。ごらく部来ない?」

千歳「生徒会をクビになったら考えます~」

結衣「あ、そう言えば綾乃この前京子の胸揉んでたから京子のは少しは大きくなったんじゃない?」

ちなつ「え゛!?」

綾乃「な゛!?」

京子「」

千歳「………」スチャ



綾乃『なぁに、その物欲しそうな目は?』

京子『綾乃ちゃん……私ね、この前綾乃ちゃんに胸触られたでしょ? も、もう一回触って欲しいんだ……』

綾乃『あらあら、歳納さんってエッチな子だったのね』

京子『そ、そうじゃなくて……胸を大きくしたいの……こんなの頼めるの綾乃ちゃんしかいなくて……』

綾乃『分かったわ歳納さん。さ、服を脱いで……』

京子『や、優しく……して、ね?』ウルウル



千歳「ええなぁ~」ドクドク

あかり「うわわわ!? 千歳ちゃんティッシュティッシュ!」

千歳「あはは、えろうスンマセン~」

あかり「具合が悪くなったらすぐに言ってね」

千歳「むしろ絶好調ですわ~」

向日葵「それでは皆さんは着替えてきてください。私はここでシートとパラソルの準備をしますから」

綾乃「い、いえそれは申し訳ないです。私がやりますので先輩方が先に着替えてきてください」

京子「そ、そうですよ…… 私たちで頑張りますから」

向日葵「うふふ、それには及びませんわ。実は私、既に下に水着を着てきていましたの!」

バサッ!

あかり「おぉ~ダイナマイトボディだよぉ~!」

櫻子「ふっふっふ、実は私もだぁ!」

バサッ

ちなつ「おぉ~見事なまな板だこと」

向日葵「と、いうわけです。皆さんはどうぞ着替えてきてください」

櫻子「準備は私たちに任せろ!」ビシィッ

あかり「ありがとう2人とも。それじゃあかり達行ってくるね」

ちなつ「出来るだけ早く着替えて手伝いにくっから」

櫻子「それまでに終わらせちゃうもんねーだ」

向日葵「あ、船見さん。その遊び道具私達にくださいな。それも用意しておきますから」

結衣「え、いや。これは私が持ってきたものですから。それに空気入れもないから大変ですし」

櫻子「ふっふーん、1年生! 甘く見るなよ! 私の手にかかればその程度、一瞬で膨らましてくれるわ!」

向日葵「わざわざ家から持ってきてくれたんですもの。せめてこれくらいのお礼はさせて下さい」

結衣「で、でも……」

ちなつ「ふんっ!」パシッ

結衣「あっ、ちょっと! 袋返せ!」

ちなつ「はい、向日葵ちゃんよろしくね」

向日葵「ええ」ニコッ

櫻子「私膨らませたい! 私がやるー!!」

向日葵「まずシートとパラソルを準備してからですわ」

ちなつ「んじゃ行ってくるわね。あとアンタちょっと来なさい」グイッ

結衣「おい引っ張るなよ!!」



ちなつ「あのね、せっかく2人が好意でやってくれるって言ってるんだからそこは素直に任せるべきところでしょ」

結衣「わ、私は先輩達に遠慮してーーー」

ちなつ「後輩は先輩に遠慮するもんじゃないっての! アンタごときが向日葵ちゃんと櫻子ちゃんに遠慮するなんて10年早い!!」

結衣「ぐっ………」

ちなつ「ったく……ガキなんだから」


あかり「ちなつちゃん結衣ちゃん! 早くおいでよ~!」

ちなつ「あ~はいはい、いま行く。ほら、アンタもさっさと来なさい」

結衣「ふん……」



あかり「お待たせ~向日葵ちゃん櫻子ちゃん」

結衣「うわ、もう全部終わってる!?」

向日葵「うふふ、これくらい朝飯前ですわ」

櫻子「浮き輪とボールの用意も完了してるよ! あっはっは!」

京子「ありがとうございます、先輩」ペコリ

櫻子「うむうむ、くるしゅうないぞ」

向日葵「あら、ところでちなつさんと池田さんは?」

綾乃「それが急に千歳が鼻血を出しちゃって。いま吉川先輩が診てるところなんです」

櫻子「え、また!?」

綾乃「えぇ、またです」

向日葵「最近多いですわね。具合でも悪いのでしょうか?」

京子「むしろ絶好調だそうです……」

結衣「顔は幸せそのものですよ……」

綾乃「もう私もよく分かりません……」

向日葵「は、はぁ」

櫻子「? よく分からないのは私や綾乃ちゃんがバカだから?」

向日葵「いえ……そうではありません」

あかり「あ、あははは……」

ちなつ「わかった方がバカよ」

あかり「あ、ちなつちゃん。千歳ちゃんは?」

ちなつ「あっちのベンチにいるわよ。ティッシュの替えとタオル取りに来たの」

あかり「もう使い切っちゃったの?」

ちなつ「ダムの放水並みにどくどく出てくるわよ。あの子なんか持病とかあるの?」

向日葵「いえ、そのようなこと聞いたことはありませんが……」

ちなつ「少し休ませてから戻ってくるからアンタ達は先に遊んでなさい。あの子もそう言ってたわ」

綾乃「で、でも……」

京子「千歳ちゃんが苦しんでるのに……」

結衣「私たちも行ってあげた方が……」

櫻子「うん、ありがとうちなつちゃん! よっしゃ、めっちゃ遊ぶぞ!!」グイッ

綾乃「きゃうっ! ちょ、大室先輩!?」

あかり「よぉ~し! あかり達も遊びに行こうっ!!」グイッ

結衣「うわっ!」

京子「ひゃあ!!」

櫻子「ボールボール! ボールを持ってこい!!」

あかり「うん! いますぐ持ってくね!」

櫻子「あ、その頭のやつは要らないよ?」

あかり「これあかりのお団子ぉ~!!」



ちなつ「はぁ、あの子達は本当に手がかかるわね」

向日葵「それだけお友達想いというでしょう」

ちなつ「あの子達が来ても特に出来ることは無いっつーの。ったく、何の考えもない奴らだわ」

向日葵「うふふふ」

ちなつ「なによ?」

向日葵「いえ、何でもありませんわ」

ちなつ「あっそ。そんじゃ行ってくるわよ」

向日葵「あっ!」

ちなつ「どうかした?」

向日葵「全員心配していたと池田さんにーーー」

ちなつ「伝えるっつーの。私を誰だと思ってんのよ?」

向日葵「それは失礼しました。それではまた後で」

ちなつ「へいへい」タタタタッ

向日葵「…………本当に素直じゃないのね。櫻子以上の強情っぷりかもしれません」クスッ

櫻子「おい、おっぱい!!」

ヒュン

向日葵「なによ櫻っこぉ!?」バタン

あかり「ああぁ!? ひ、向日葵ちゃん!!」

綾乃「が、顔面………」

櫻子「うわっははは! 命中! 見たかみんなこの櫻子様のスーパーシュートを!!」

向日葵「うぅ、ペッペッ! す、砂が口に……」

京子「お、大室先輩……あ、謝った方がいいんじゃ………」

櫻子「ふふん! あんなデカイ物をぶら下げてるから悪いんだよーん! 悔しかったら私を倒してみろ!」

結衣「お、大室先輩………」

向日葵「へぇ、どうやら貴女は私の事を本気で怒らせたいみたいね」

あかり「あ、あわわわわ!」

櫻子「へっ?」

向日葵「おらぁ!!」ヒュッ

櫻子「うぇっ? はぶぁ!?」

どっぱーん!

あかり「さ、櫻子ちゃん!!」

向日葵「ふん、当然の報いですわ」

櫻子「ばばばびばばびばぼんばびばばびばばぼばべぶばんべ」ブクブク
(まさか向日葵がこんなに速い球を投げるなんて……)

あかり「だ、大丈夫櫻子ちゃん!?」

櫻子「うぉおおお!!」

京子「ひゃ!?」

櫻子「よくもやってくれたな向日葵!! もう許さん!!」

向日葵「それはこっちのセリフよ!! 今日という今日は覚悟なさい!!」

綾乃「あ、あわわわわ………」アタフタ

結衣「こ、これヤバイんじゃ………」

あかり「あ、あはははは。本気で怒ってるわけじゃないから平気だよ、たぶん」

京子「た、たぶんって……」オロオロ

あかり「あかり達はあっちで遊ぼう! ほら京子ちゃんこっちおいで!」

京子「あ、あかりちゃん放っておいていいの!?」

あかり「大丈夫大丈夫! 櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは仲良くケンカすることで有名だもん」

綾乃「は、はぁ………」

結衣「そ、それじゃあ私はもう一つのボールを持っていきますね」


櫻子「おっぱい許すまじぃいいい!!」

向日葵「身体も器も薄っぺらい癖にぃいい!!」




ちなつ「ほら、アンタ平気なの?」

千歳「むしろ絶好調ですわ~」

ちなつ「絶好調なやつは鼻血吹き出さないと思うけど?」

千歳「えへへへ」

ちなつ「ったく。ん?」



向日葵「くぉらぁああ! 待て櫻子!!」

櫻子「そのおっぱいのせいで機動力はこちらの方が上だもんね! 誰が待つかってんだよぉ!」



ちなつ「なにやってんのあいつら?」

千歳「うわぁ、なんかえろい剣幕で追いかけあってますけど。大室先輩はともかく古谷先輩があんなんなってるとこ初めてです」

ちなつ「あの2人、クラスじゃいつもあんなもんよ」

千歳「そうなんですか?」

ちなつ「ええ。いつもいつも私たちの前でイチャイチャしやがって。困ったもんよ」

千歳「イチャ、イチャ?」スチャ



向日葵『はぁ、はぁ、待って櫻子!』

櫻子『へへん、どうした向日葵? もう降参か?』

向日葵『だ、だって櫻子の脚が速すぎるんですもの!』

櫻子『もぉ、しょうがないなぁ向日葵は』

向日葵『ぜぇぜぇ、きゃっ!?』フラッ

櫻子『危ない!』ガシッ

向日葵『あ……』

櫻子『大丈夫、向日葵?』

向日葵『あ、そのっ……ありがとう櫻子』

櫻子『まったくもう、向日葵は昔っから危なっかしいやつだなぁ』クスッ

向日葵『なっ! そ、そういう櫻子だって昔から手のかかる子じゃないですの!』

櫻子『うっせ! 昔から私の後をついてきて櫻子~櫻子~って言ってたのはどいつだ!』

向日葵『そ、それは貴女もでしょう!』

櫻子『なんだとぉ!?』ズイッ

向日葵『なによっ!』ズイッ


ちゅっ



櫻子『えっ?』

向日葵『あっ………』

櫻子『』

向日葵『』

櫻子『なっなななな!! なにしてくれてんだ向日葵ぃいいい!!』カアァァ

向日葵『そ、そそそそそれはこっちのセリフですわ!! な、なんてことをし、しししししてぇ!!!』カアァァ

櫻子『こ、こんなところで私のファーストキスが………』ウルウル

向日葵『な、泣きたいのはこっちよ!!』

櫻子『うぅっ……そんなぁぁ………』グスッ

向日葵『そ、そこまで泣くことないでしょう!! 女同士なんですしノーカンですわノーカン!! そ、そんなに嫌でしたの?』

櫻子『ち、違うよ! どうせするなら向日葵に告白してから………あ』

向日葵『はっ? さ、櫻子今なんて………』

櫻子『言ってないから! べ、ベベベ別になにもいってないから!!』アタフタ

向日葵『嘘おっしゃい! い、今なんて言ったのよ!』

櫻子『そ、それはその……』モジモジ

櫻子『キスは向日葵と恋人になってから、その………したくて…………』

向日葵『なっなっな、なにを言って……』カアァァ

櫻子『だって好きなんだもん向日葵が!! 昔っからずっと!! なのに向日葵は私のことを怒ってばっかで全然好きになってくれなさそうで……私がこんなに好きなのに………』グスッ

向日葵『さ、櫻子……』

櫻子『どうせキスするなら向日葵に好きになってもらってからしたかったのに!! 向日葵に嫌われた状態でキスしたって全然嬉しくないもん!!』

向日葵『櫻子、貴女は……』

櫻子『う、うわぁああああん!!』

向日葵『バカ櫻子……』ギュッ

櫻子『あっ……』

向日葵『いつ私が貴女のことを嫌いだなんて言いましたか? なんで貴女は私に嫌われてると思ったのですか?』

櫻子『だ、だって……』

向日葵『好きですわよ、櫻子』ニコッ

櫻子『えっ?』

向日葵『私は貴女のことが大好きです櫻子。昔っからずっとずっと、貴女のことを愛していましたわよ』

櫻子『そ、それって……』

向日葵『そうでもなかったら宿題を一緒にやったりしません。お菓子を作ってあげたりもしません。あんなにアピールしてたのに貴女ったらまったく気付かないんですもの』

櫻子『だ、だって向日葵すぐに私のこと叱るし!』

向日葵『それだけ貴女の事が大切だったのよ』

櫻子『そ、それじゃあ向日葵………』

向日葵『キスして下さい櫻子』

櫻子『えっ!?』

向日葵『今度はちゃんと私たちの意思でしましょう櫻子。私の本当のファーストキス、貰ってください』カアァァ

櫻子『う、うん………い、行くよ向日葵』

向日葵『えぇ』

櫻子『………………』

向日葵『………………』

千歳「そこでチュッとしてギュッとしてその先も! うへっへへへ!!」ダラダラ

ちなつ「うわぁあ!? ま、また鼻血吹いた!! し、しっかりしなさい!!」

千歳「だ、駄目ですよぉ~先輩、ウチらの前でそんな大胆なぁ~ うへ、うへへへへ!!!」ドクドク

ちなつ「ちょ、なにいってんのよアンタは!? パ、パラソル! パラソルの下に連れて行かないと!!」ズルズル

千歳「それもええなぁ~ 傘に隠れて静かなキスも! あなたの顔は雨上がりにできる虹よりも綺麗よぉなんてな!!なんてな!!」

ちなつ「ああもお!! いいから落ち着けこの鼻血メガネ!!」ズルズル



向日葵「捕まえましたわこのバカ櫻子!!」バシッ

櫻子「ふぎゃ!!」

向日葵「くたばりなさい!! このっこのっこのっ!!」バキッ!

櫻子「うぎゃぁあああ!!」

京子「えいっ!」ヒュッ

あかり「京子ちゃんナイストスだよぉ~ 結衣ちゃん!」ポンッ

結衣「よっと!」ポンッ

綾乃「えいっ!」ポンッ

あかり「よっと! 京子ちゃん!」

京子「うわわわわ!」


ザッパーン!!


綾乃「と、歳納さん!!」

あかり「京子ちゃん大丈夫?」

京子「う、うん……」グスッ

結衣「海は足を取られやすいから気をつけないと。ほら、立てる?」

京子「ありがとう結衣ちゃん」ニコッ

結衣「う、うん。どういたしまして」

あかり「結衣ちゃんってしっかりしてるんだね」

綾乃「はい、クラスでも1番しっかりしてるくらいです」

結衣「べ、別にそんなことないって。千歳の方がしっかりしてるって」

綾乃「あぁ、千歳はなんか凄いわよね」

京子「確かにそうかも。千歳ちゃんが誰かに迷惑をかけたりするところなんて想像できないかもしれない」

あかり「へぇ~」

京子「もしかしたらあかりちゃんよりもしっかりしてるかも」クスッ

あかり「えぇえええ!?」ガーン

綾乃「い、いやそんなことはないんじゃないでしょうか!?」

結衣「そ、そうだよ!」

あかり「うぅううう…… 京子ちゃんもうあかり怒ったからね!」

京子「あははは、逃げろ~」

あかり「待て~!」プンスカ



結衣「あはは、京子もあんな風に人をからかうことがあるんだ」

綾乃「赤座先輩とは幼馴染だからね。やっぱり私達よりも気の置けない関係なのね」

結衣「私も早く京子や綾乃とそんな風になりたいよ」

綾乃「ええ、私もよ」

結衣「それにしても千歳は遅いなぁ。もう来てから30分くらい経ってるのに」






千歳「うへ、うへへへへ~」ドクドク

ちなつ「ああもう!! なんなのよぉ~!!」





櫻子「ふんふんふ~ん♪ 浴衣浴衣~♪」

あかり「櫻子ちゃん可愛い浴衣買ったんだねぇ~」

櫻子「でしょでしょ!」

ちなつ「馬子にも衣装とはよく言ったものね」

櫻子「私別にちなつちゃんの孫じゃないよ?」

あかり「あ、あはは……」

ちなつ「あぁダメだわこの子……ちょっかい掛けても全部受け流しちゃうんだから……」

あかり(受け流してるわけじゃないと思うけどなぁ)

櫻子「ところで1年生ズは何してるのかなぁ? もう花火の用意できてるのに」

あかり「そういえば遅いね」

ちなつ「ったく、先輩を待たせちゃって」


京子「お、お待たせしました」タタタタッ

綾乃「す、すみません遅れました!」

ちなつ「遅いッ!!」クワッ

京子「ひっ!」ダキッ

綾乃「ぴゃあっ!!」ダキッ

あかり「ち、ちなつちゃん……! そんな怒鳴らなくても……」

櫻子(綾乃ちゃんがぴゃあって言ったぞ!?)

ちなつ「こっちはもう準備万端なのよ! 一体10分も何してんのよ!!」

京子「あ、そ、その………」ギュッ

綾乃「す、すみませんでしたぁっ!!」ギュッ

あかり「ふ、2人とも大丈夫だよ。ちなつちゃん怒ってないから」アタフタ

櫻子「なんていうか花火を楽しみにしてて興奮してるだけだからね!」

ちなつ「興奮なんてしてないわよ!」

櫻子「さっきからね『みんなまだかしら~ 早く花火したいなぁ~ もう私泣いちゃうわよぐすん』とか言ってたし~」

ちなつ「そこまでは言ってないわよ!!」

櫻子「ふ~ん、それじゃあどこまでは言ったのかなぁ~」ニヤニヤ

ちなつ「なっ! こ、このっ!! 櫻子ちゃんのくせに生意気よぉ!!」

櫻子「へっへ~ん 私だっていつまでも馬鹿じゃないもんねーだ!」

あかり「あはは、今回はちなつちゃんの負けだねぇ」

綾乃「あ、あの赤座先輩……」

あかり「え? あぁ、大丈夫だよ綾乃ちゃん。さっきも言ったけれどもちなつちゃん、本当は全く怒ってないから」ニコニコ

京子「ほ、本当……?」

あかり「本当だってば。大丈夫大丈夫」ナデナデ

京子「んふっ、くすぐったいよぉ」

櫻子「ところで他の3人と向日葵のアンポンタンはどうしたの?」

ちなつ「ちょ、こらっ……まだ話は終わってない!」

あかり「ちなつちゃん」

ちなつ「なによあかりちゃん?」

あかり「ちょっと静かにしよっか」ニコッ

ちなつ「は、はいっ!!」ゾクッ

あかり「あんまりみんなを怖がらせちゃダメだからね?」

ちなつ「す、すみませんでしたっ!!」

綾乃(す、凄い……あの吉川先輩が一瞬で)チラッ

あかり「どうしたの綾乃ちゃん?」

綾乃「い、いえなんでもないです!」

あかり「えへへへ、向日葵ちゃんと結衣ちゃんと千歳ちゃんまだかなぁ~」ニコニコ

綾乃(赤座先輩……恐ろしい人だわ!)

結衣「ごめんなさい、お待たせしました!」

千歳「お待たせしました~」

櫻子「おお2人とも! 待ってたよ!」

あかり「遅かったねぇ。何か問題でもあったの?」

結衣「あの、すみません。実は私浴衣着たことがなくって……」

千歳「船見さんが困っとったから手伝ってました~」

あかり「そうだったんだぁ。言ってくれればあかりも残ってあげたのに」

結衣「言うに言えなくて……すみません」

櫻子「ははぁ~ん、さては結衣ちゃんお祭りとかには半袖短パンで行くタイプだね?」

結衣「うぇ!?」

櫻子「どう、図星でしょ?」

結衣「は、はい……動きやすいですし」

櫻子「甘い、甘すぎるぞ結衣ちゃん!! 花も恥じらう乙女がせっかくの晴れ舞台でお洒落をしないのは具のコットン!」

ちなつ「骨頂」

あかり(多分“愚”の方も違うと思うよぉ)

櫻子「これに懲りたら私のように乙女らしい格好をすべきだよ! この櫻子様に続けぇ!!」タタタタッ

結衣「ちょ、大室先輩!? どこ行くんですかぁ!!」タタタタッ


ちなつ「はぁ、馬鹿って本当にどうしようもないわね」

あかり「ところで千歳ちゃん、向日葵ちゃんは今どこにいるのか分かるかなぁ?」

千歳「副会長ですか? そういえばまだ更衣室に残っとった気がします」

綾乃「えっ?」

京子「まだお着替えしてるの?」

千歳「さぁ、うちもようわから……はうっ!!」

京子「ち、千歳ちゃん…?」

綾乃「とうしたのよ、いきなり固まって?」

千歳「じ、自分ら2人、な、なんで抱き合って……」

京子「へ?」ダキッ

綾乃「へ?」ダキッ

京子「………………」

綾乃「………………」

あかり(そういえばさっきちなつちゃんに怒鳴られてから抱きしめあったままだったっけ)

ちなつ(ああ、こういう風にすれば自然に抱きしめられんのね)

京子「ごっ……ごごごごめん!!」バッ

綾乃「あ、あわわわわわ!!」バッ

京子「う、うぅ………………」カアァァ

綾乃「は、はぅぅ………………」カアァァ

あかり「あははは。さぁ、それじゃあ向日葵ちゃんには悪いけれど、あかり達もそろそろ花火をやる場所まで移動……」クルッ





千歳「」ドクドクドクドク





あかり「」

京子「」

綾乃「」

ちなつ「……………………またなの?」ハァ





ーーーーー

ーーー

向日葵「お、お待たせしましたわ……」ソロソロ

あかり「あっ向日葵ちゃん!」

櫻子「おい向日葵遅いぞ!! 浴衣着るのになんで20分もかかるんだよ!! もう花火始めちゃってるからな!」プンスカ

向日葵「も、申し訳ありません。ちょっと野暮用があって……」

櫻子「全く、大遅刻だっつーの」

あかり「まぁまぁ櫻子ちゃん。やっと向日葵ちゃんも合流できたんだからこれからもっと楽しくなるよぉ!」

櫻子「へへん! 向日葵が来てからやろうと思って打ち上げ花火を残しておいたんだ! ほら向日葵が点火役だかんね」ズイッ

向日葵「ちょっ! な、なんで私が!?」

櫻子「危険なことを私の代わりに率先してやるのは向日葵の義務だ!」グイッグイッ

向日葵「ふ、ふざけっ……」

あかり「まぁまぁ向日葵ちゃん。ここは副会長の威厳を見せるところだよぉ」ニコニコ

向日葵「あ、あかりさんまで……」



綾乃「単にみんなが怖がって着火できなかっただけなんだけどね」

京子「急に爆発とかするかもしれないし…ちなつ先輩はいないし………仕方ないよ。ね、結衣ちゃん」

結衣「京子ごめん、ちょっと静かに! 線香花火は自分との戦いなんだっ!」ジーッ

京子「そ、そうなんだ……」

綾乃「もう2分ぐらいついてるんじゃない?」

向日葵「ええい、こうなったら生徒会副会長大室向日葵! 夜空に満点の花を咲かせて見せますわ!!」

あかり「いよっ! その意気だよ向日葵ちゃん!」

櫻子「黒焦げになんないように気を付けろ!」

向日葵「恐ろしいこと言わないでください!! そ、それでは……」


カチッ



向日葵「つ、着きました!!」タタタタッ

あかり「うひゃあぁぁ!!」タタタタッ

櫻子「にっげろ~♪」タタタタッ





シューーーーーー





ポンッ!




あかり「………………」

櫻子「………………」

向日葵「………………こ、これだけですの?」

櫻子「みたいだね」

あかり「…うん」




ちなつ「コンビニで買った花火にそこまでの期待してんじゃないわよ」

千歳「あはははぁ~」ドクドク

ちなつ「笑いながら鼻血流すんじゃないっつーの………」



櫻子「はぁ~遊んだ遊んだ!!」

あかり「うんっ! すっごい楽しかったねぇ! どうだった京子ちゃん?」

京子「すごく楽しかった! だよね2人とも!」

綾乃「ええ、こんな風にみんなで海に来るの初めてだったから新鮮だったわ」

結衣「そうだね。中学に入ってから初めて遠出して遊んだよ」

向日葵「みんな~池田さんもやっと回復したみたいですわよ!」

あかり「あ、本当?」

ちなつ「ほら、1人で歩ける?」

千歳「あはは、えろうスンマセン~」フラフラ

あかり「ふらふらだよぉ!?」

ちなつ「つっても最後くらいはみんな一緒じゃないと締まらないじゃないの」

櫻子「千歳ちゃん大丈夫?」

千歳「なんとか生還しましたわ~」

櫻子「それもだけど今日全然遊べてないでしょ? 楽しかったかなぁって」

千歳「もう楽しいなんてもんじゃありません、大・豊・作!! ですわ!」クワッ

櫻子「そ、そう……? それならいいんだけど……」

綾乃「千歳、本当に楽しかった? 私たち千歳のこと抜きにして遊んじゃったわけだし……」

千歳「それがええんやないの!!」クワッ

綾乃「は?」

千歳「うちの世界にうち自身はいらんねん! 他のみんなが楽しければそれでええんや!!」

綾乃「は、はぁ……」

綾乃「あの、大室先輩。千歳の言ってること理解できます?」ボソッ

櫻子「ううん。向日葵は?」ボソッ

向日葵「す、すみません。私にも全く……」ボソッ

結衣「千歳って変な奴だなぁ」

京子「ゆ、結衣ちゃん……」

ちなつ(今回ばっかはこの子に同意ね)ハァ

あかり「ちなつちゃん」

ちなつ「ん、なに?」

あかり「今日はゴメンね、ちなつちゃん千歳ちゃんの看病ばっかだったでしょ?」ボソッ

ちなつ「全くよ。私と千歳だけ全く遊べなかったわよ。あーあ、それなりに楽しみにしてたのに」

あかり「やっぱりあかりが看病変わってあげたほうが良かったんじゃ………」

ちなつ「別にそんな事気にする必要なんてないわよ。私がしたくてしてたんだし」

ちなつ「それに千歳だって看病する人がコロコロ変わるのはあんまりいい気しないでしょ。これで良かったのよ」

あかり「ゴメンね。この埋め合わせは必ずするから」

ちなつ「そんなの当たり前じゃないの」クスッ

あかり「えへへへ」

ちなつ「それとね、千歳のバックアップもお願いね」ボソッ

あかり「うん?」

ちなつ「さっきまであの子、私に平謝りだったわよ。今日一日中つきっきりにさせてごめんなさいって。ここに来る直前まで凹んでたわ」

あかり「………千歳ちゃん、しっかりしてるね」

ちなつ「ええ、そのことを周りには見せないようにしてる。1年生で1番しっかりしてんじゃないのかしらね」

あかり「そうだね」

ちなつ「あかりちゃんよりしっかりしてるんじゃない?」

あかり「ちなつちゃんまで酷いよぉ!!」ガーン

櫻子「おーいみんな! 最後にみんなで写真撮るよ!」

向日葵「櫻子、砂浜だからカメラスタンドは注意して立てなさいね」

櫻子「言われなくたってわかってるっつーの! ほらほらみんなもっと中心寄って!」

京子「は、はいっ!」

結衣「京子、私が中腰になるから肩に手を置いていいよ」

綾乃「ほら千歳、まだ本調子じゃないでしょ? 私に寄りかかっていいわよ」

千歳「ありがとう綾乃ちゃん、甘えさせてもらうわ~」

櫻子「ほら向日葵、もっと左に寄れってば! あかりちゃん達はもうちょっと右に寄って!」

向日葵「はいはい」

あかり「どう櫻子ちゃん、これでいいかな?」

櫻子「うん、ばっちし! よっし、それじゃタイマー行くよ!!」カチ

櫻子「よっしゃああ!!」タタタタッ

ちなつ「転ぶんじゃないわーーー」

櫻子「うぎゃあああ!!」

ちなつ「言ったそばから!?」

向日葵「櫻子っ!!」バッ


ドシンッ!




櫻子「あ痛たた……って、ん? なんだこの柔らかい感触」ムニュ

向日葵「あうぅ……だ、大丈夫ですの櫻……こ………………」



ちなつ「うわ………………アンタら……」

あかり「あ、あわわわわ!?」カアァァ

京子「ふ、古谷先ぱっ…………!」カアァァ

綾乃「ちょっ!? ちょちょちょ!!」

結衣「ふ、古谷先輩……なんで…………パンツを……履いてないんです……か……?」

向日葵「き、きっ、きっ………………」

櫻子「ん? これ向日葵のおっぱーーー」





向日葵「きゃあぁあああああああッッ!!」

バチコーン!

櫻子「へぶっ!!!」


あかり「さ、櫻子ちゃん!?」

綾乃「は、早く古谷先輩の服を直さないと! ち、千歳なんとかしーーーー」

千歳「…………………………ふへ」

綾乃「ち、千歳?」




千歳「うへっぐへへへへへへへ!」




千歳「ぶはぁあああ!!」ブシャ!






結衣「うわぁああ!! 千歳がぶっ倒れた!?」

京子「ち、千歳ちゃん!! 千歳ちゃぁああん!!」

あかり「ティッシュ! 早くティッシュ詰めないと!!」

ちなつ「もうヤダ、この子」ホロリ







千歳(ここがうちの桃源郷やぁ~)



おわり


おまけ




櫻子「水着を着て来たせいで下着忘れるとか馬鹿か!! しかも照れ隠しに何も悪くない私にビンタするなんて!!」

向日葵「だ、だからそれは本当にごめんって謝ってるじゃないの!」

櫻子「うっさい!! このおっぱい馬鹿! おっぱい大魔神! お前の母ちゃんおっぱい女!!」ヒュッ

向日葵「きゃ!?」

櫻子「ふーんだ! バーカバーカ!!」タタタタッ

向日葵「も、もう……本当に悪かったって思ってるのに…………」ハァ

向日葵「櫻子ったら今何投げたのかしら……?」




“絆創膏”




向日葵「………………」



向日葵「………………………………」



向日葵「………………………………………………」






ペタッ ペタッ




終わり

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