櫻子「向日葵の誕生日のこと、すっかり忘れてた!」 (29)

6月16日 昼
大室家

櫻子「ねーちゃん、花子、おはよー・・・」

撫子「あ、やっと起きた」

花子「全然早くないし」

櫻子「いーじゃんかよー、日曜なんだしさー」

櫻子「花子、朝ごはんちょーだい」

花子「自分でやれし」

撫子「そこにパンあるから、それ食べな」

櫻子「へーい」

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櫻子「なんかねむい・・・」

花子「さっきまであんなに寝てたのに!?」

櫻子「食べ終わったら昼寝しよ」

花子「いや、起きろし」

櫻子「別にやることあるわけでもないし」

撫子「え?」

櫻子「え?」

撫子(櫻子・・・この様子だと、やっぱり)

6月16日 昼
古谷家

楓「おねえちゃん、お誕生日おめでとうなの!」

向日葵「あらありがとう、楓。ちゃんと覚えててくれて嬉しいですわ」

楓「えへへー」

向日葵「それにしても・・・」

楓「どうしたの?」

向日葵「いえ、何でもありませんわ」

楓(さっきからお姉ちゃん、様子が変なの・・・)

楓(携帯何度も見てるし、なんかイライラしてるみたい)

楓(やっぱりお姉ちゃん、櫻子お姉ちゃんにお祝いしてもらいたいのかな・・・)

大室家

櫻子「ごちそうさまー」

花子「あっ!ちゃんと片づけもしろし!」

櫻子「私は忙しいんだよー、昼寝すんのに」

花子「それは最大限にヒマだし」

撫子「ていうか櫻子には他にやることとかあるでしょうが」

櫻子「へ?」

櫻子「あったかなー、宿題」

撫子(そうじゃないんだが)

櫻子「しゃーない、向日葵に宿題あるか聞いてくるか」

櫻子「あったら写させてもらえばいいし」

花子「よくないし」

櫻子「まったくめんどくさいなー」バタン

撫子「・・・さすがに本人の顔見たら思い出すかな」

花子「?」

古谷家

向日葵「楓、お散歩にでも行きましょうか」

楓「うん、お散歩うれし・・・」

楓「や、やっぱり行かないの!今日はおうちにいるの!」

向日葵「?」

楓(お姉ちゃんは櫻子お姉ちゃんを待ってるに違いないの)

楓(だから今日はずっとおうちにいるの)


ガチャ
櫻子「おるかー?」

向日葵「!!」

向日葵「さ、櫻子」

櫻子「おるなー!」

向日葵「どうしたんですの、急に」ソワソワ

櫻子「向日葵、宿題って何かあった・・・」

櫻子(やばっ!)

櫻子(向日葵の顔見たら思い出した)

櫻子(今日向日葵の誕生日じゃん)

向日葵「宿題?櫻子、まだやってないんですの?まったくこれだから」

櫻子「いや、その、あの」

櫻子「じゃ、そういうことで」バタン

向日葵「行ってしまいましたわ・・・」

櫻子の部屋

櫻子「やっばー、どうしよう」

櫻子「何の準備もしてないし」

櫻子「プレゼントとか、さすがにないとマズいよなあ・・・」

櫻子「でも・・・」

財布「カラッ」

櫻子「昨日大量にマンガ買っちゃって金が・・・」

櫻子「こうなったら」

花子の部屋

櫻子「花子ー」

花子「何?」

櫻子「お願いがあるんだけど」

花子「やだし」

櫻子「聞く前から!?」

花子「どうせロクでもないことに決まってるし」

櫻子「お金貸して!」

花子「・・・小学2年生に頼む内容じゃないし」

櫻子「えーいいじゃんかよー、いくらもってるんだよー」

花子「絶対にやだし!ていうか絶対返ってこないし!」

櫻子「まあまあそんなこと言わずに」ゴソゴソ

花子「カバン漁るなし!」

櫻子「じゃあねーちゃんから借りるか」

櫻子「ねーちゃんからお金借りるとちゃんと返せってうるさいんだよなー」

花子「それは返さないのが悪いし」

櫻子「ねーちゃん部屋にいる?」

花子「出かけたし」

櫻子「え?」

花子「高校の友達と遊び行くって」

櫻子「な?私が向日葵の家に行って帰ってくる一瞬でか?」

櫻子「さては私に金を貸したくなかったんだな!ゆるせん!」

花子「関係ないし」

櫻子「さて、どうするかな・・・」

櫻子「さすがに向日葵に借りるわけにはいかないし・・・」

櫻子「こうなったら」


アーナタノタメニアイノメッセージ
あかり「あれ?電話だ」

ピッ
あかり「櫻子ちゃん?どうしたの」

櫻子「あかりちゃん!助けて・・・」

あかり「えっ?えっ?何かあったの?」

あかり「ちょっと待ってて、今から櫻子ちゃんのうち行くから」

櫻子「というわけで、お金貸してほしいんだけど・・・」

あかり「何だぁ、そんなことだったんだね」

あかり「あかり、櫻子ちゃんに何かあったのかと思って、心配しちゃったよぉ」

櫻子「ごめんごめん」

あかり「でも、そんなに高いものじゃなくても、櫻子ちゃんが心を込めて選んだプレゼントなら、きっと向日葵ちゃんは喜んでくれると思うな」

櫻子「うーん、そうかな・・・」

あかり「櫻子ちゃん、今おこずかいどれくらいあるの?」

櫻子「113円」

あかり「」

あかり「うーん、じゃあ、今回は特別だからね」

櫻子「やったー!あかりちゃんありがとう!天使みたい!」

あかり「もう無駄遣いしたダメだよ?」

櫻子「がってん!」

あかり「それで、お誕生日プレゼント、何にするの?」

櫻子「うーん」

櫻子「全然考えてなかった・・・」

あかり「あはは・・・」

あかり「じゃあ、一緒に買いに行こっか」

あかり「あかり、可愛い雑貨屋さんとか知ってるよぉ」

櫻子「マジ!?」

古谷家

向日葵「さくらこ・・・」

向日葵「どうして行ってしまったんですの・・・」

向日葵「どうして・・・」ブツブツ

楓「お姉ちゃん?」

向日葵「そういうことですわよね・・・」

向日葵「櫻子にとって、私の誕生日なんて・・・」

楓「お姉ちゃん?大丈夫なの?」

向日葵「捨てられてしまいましたわね・・・」

向日葵「ふふふ・・・」

楓(お姉ちゃんがおかしくなっちゃったの・・・)

楓「お姉ちゃん・・・」

向日葵「あら楓、どうかしましたの?」

楓(何とかしてお姉ちゃんを元気づけてあげなくちゃ・・・)

楓「やっぱり、楓、お散歩行きたいの」

向日葵「あらそう?じゃあ、支度しましょうか」

楓「わーい」

楓(ちょっとお散歩すればきっと気も晴れるの)

向日葵「それじゃ出かけましょうか」

楓「うん!」バタン

向日葵「あ・・・」



櫻子「その雑貨屋さんってどこにあるの?」

あかり「ちょっと遠いけど、歩いて行けるよぉ」

あかり「前にちなつちゃんに連れてってもらったところなんだぁ」

櫻子「へー」



向日葵「櫻子と、赤座さん・・・」

向日葵(そういうことでしたのね・・・)

向日葵(櫻子は、私のことなんてどうでもよくて)

向日葵(赤座さんのことが)

向日葵「うふふ・・・」

楓「お姉ちゃん?」

向日葵「さあ、お散歩に行きましょう?今日はどこまで行こうかしら」

楓「???」

あかり「もうすぐ着くよぉ」

櫻子「そうなの?どこどこ?」

あかり「ほらあそこの、あれっ?」

櫻子「ん?あかりちゃん、どうかした?」

あかり「さ、櫻子ちゃん・・・」

櫻子「?」

あかり「ごめん・・・」

貼り紙「本日、臨時休業いたします」

櫻子「あっ・・・」

あかり「あかり、取り返しのつかないことしちゃったかな・・・」

櫻子「そ、そんなことないよ!臨時休業なんてわかんないしさ!」

あかり「櫻子ちゃん、プレゼント、どうする・・・?」

櫻子「うっ・・・」

あかり「このへん、あんまりお店とかないね」

櫻子「そうだね」

あかり「そろそろ戻らないと時間が・・・」

櫻子「うん・・・」

あかり「プレゼント、買えなかったね」

櫻子「うん・・・」

櫻子「どーしよ・・・」

あかり「向日葵ちゃんなら、きっと気にしないでくれるよぉ」

あかり「プレゼントは無くても、櫻子ちゃんがお祝いしてあげたら」

あかり「きっと喜んでくれるよ!」

櫻子「そうかな・・・」

夜 古谷家

向日葵「そろそろ夕ご飯の支度をしなきゃいけませんわね」

向日葵「今日はとびきり美味しいご飯を作りますわよ」

楓(やっぱり、さっきからお姉ちゃん、無理してるみたいなの)

ガチャ

向日葵「あれ?誰か来たみたいですわね」

向日葵「あれ、櫻子・・・」

櫻子「向日葵・・・」

向日葵「何しに来たんですの?」

櫻子「えっと・・・」

向日葵「夕飯なら自分の家で食べてくださいな」

櫻子「そうじゃなくて・・・」

向日葵「用がないなら帰ってくださいません?」

向日葵「あなたも私に用なんてないでしょう?」

櫻子「な・・・なんだよその言い方!」

向日葵「じゃあ、どんな用だっていうんですの?」

櫻子「えっと、今日、向日葵、誕生日だから」

向日葵「そうですわね」

櫻子「おめでとう、って・・・」

向日葵「はあ、ありがとうございますわ」

櫻子「・・・」

向日葵「それだけですの?」

櫻子「うん・・・」

向日葵「・・・じゃあ、用は済みましたのね?」

櫻子「そうだけど・・・」

向日葵「でしたらもう帰って・・・」

櫻子「何でだよ!さっきから帰れ帰れって!」

向日葵「それはあなたが!」

櫻子「私がなにしたって言うんだよ!」

向日葵「櫻子は別に私に会いたくなんてないのでしょう!?」

向日葵「さっきだってすぐ居なくなりましたし」

向日葵「赤座さんとどこか出かけてましたし!」

向日葵「私の誕生日なんてどうだっていいのでしょう?」

向日葵「私のことなんてどうだっていいんでしょう!!」

櫻子「そんなことないもん・・・」

向日葵「じゃあ何で・・・」

櫻子「そんなことないもん!!」ダキッ

向日葵「ちょ、ちょっと、櫻子?」

櫻子「あかりちゃんといたのは、向日葵のプレゼント買うためだし」

櫻子「まあ買えなかったんだけど」

櫻子「私バカだから向日葵の誕生日とか今日まで忘れてて」

櫻子「お金も遣っちゃって全然持ってなかったし」

櫻子「でも向日葵の誕生日、祝いたかったんだよ!」

櫻子「向日葵のこと、ずっと考えてたんだよ・・・」グスッ

向日葵「櫻子・・・」

向日葵「・・・まったく、櫻子は本当にどうしようもありませんわね」

櫻子「ごめん・・・」

向日葵「私の誕生日も、もうすぐ終わってしまいますわ」

櫻子「だから謝ってんじゃん!」

向日葵「誤ったくらいじゃ許しませんわ」

向日葵「ですから、その、何と言いますか」

櫻子「?」

向日葵「今日が終わるまで・・・」

向日葵「私の誕生日が終わるまで、櫻子には一緒にいてもらいますわ」

櫻子「へ?」

向日葵「当然でしょう。今日まで忘れてた。プレゼントもなし」

向日葵「できる限り一緒にいて、祝ってもらう以外手はありませんわ」

櫻子「ひまわり・・・」

櫻子「・・・向日葵のおっぱい、あったかい」

向日葵「なっ何を言ってるんですの!?」

櫻子「グスッ・・・よーし!今日は櫻子様が特別にサービスしてやる!」

櫻子「何しよーかなー、あ、夕飯作ってやる!」

向日葵「・・・できるんですの?」ジト

櫻子「なんだその目は!」

櫻子「私にできないことはない!」

向日葵(心配ですわ・・・)

櫻子(まったく向日葵の奴、失礼な!)

向日葵(でも・・・)

櫻子(でも・・・)



いつもの私たちだ。



櫻子「向日葵ー、狭い。もっとそっちいって」

向日葵「嫌ですわ、そもそもここは私のベットなんですから」

櫻子「おっぱいが邪魔なんだよ!」

向日葵「あら、櫻子は床で寝たいんですのね」

櫻子「・・・」ギュ

向日葵「櫻子?」///

櫻子「狭いんだから、こーするしかないじゃん」///

向日葵「しょうがないですわね・・・」

向日葵「櫻子?」

櫻子「スゥースゥー」

向日葵「もう寝ちゃいましたのね」

向日葵「時計・・・」

向日葵「11時59分ですわね」

向日葵「誕生日も、もう終わりですわね」

向日葵「櫻子」

向日葵「誕生日プレゼント、貰ってなかったですわね」

向日葵「用意しない櫻子が悪いんですわよ」


チュ


向日葵「9月7日、ですわよね」

向日葵「プレゼントのお返し、楽しみにしていてくださいね・・・」



おわり

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