(プロローグ)
ガイ「ぷはーーっ」
ある街の夕暮れ。鄙びた銭湯でガイはラムネを飲んでいた。
ガイ「やっぱり風呂上がりの一杯は最高だな」
番台「兄さん、それを言うならビールだよ。買ってかないかい?」
ガイ「悪い。酒は飲まないんだ」
ガイが番台と話していると男湯の暖簾の下から男の子がひとりで出てきた。
小学校の低学年あたりだろうか。付き添いの大人はいないようだ。
ガイ「おやっさん、ラムネもう一本。……坊や、飲むか?」
少年はちょっと驚いたようだったが、ガイの人懐っこい笑みを見てそれを受け取った。
番台「今日もひとりかい。気を付けて帰るんだよ。最近この辺りで妙な事件が起きてるらしいからねえ」
ガイ「妙な事件?」
番台「ああ。まあこの辺りと言っても近くってわけじゃないんだけどね。通り魔殺人が相次いでるんだよ」
ガイ「通り魔……」
番台「だから坊やも日が沈まない内に帰んな。また明日」
手を振りながら少年はたてつけの悪い引き戸を開けて出ていく。
ガイは神妙な顔をしながら壁の時計を見た。六時十八分。
もう十分もすれば、日が落ちる。
※ウルトラマンオーブ×シンデレラガールのSSです
※オーブの世界に346プロがあるという設定です
※劇場版後という設定ですが、(たぶん)大きなネタバレはないと思います
※主な登場アイドル
椎名法子(13) 中野有香(18) 水本ゆかり(15)
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(1)
ひとけのない夜道に甲高い金属音が断続的に鳴っている。
街灯がぽつんぽつんと点在しているだけの道の左手は広い運動場。子供たちもみな家に帰り、人っ子一人いない。荒涼としている。
右手に広がるのもうら寂しい荒れ地だった。マンション建設予定の看板が立ってはいるが、その三倍の建設反対の看板が反対側に貼られている。
そのせいで工事が始まらないのか、いつ通りかかってもこの場所はずっと変わらなかった。
変わらない。変わっていない。だから――
(だから、怖がる必要なんてない……)
十五か十六あたりの少女が自転車を押して歩いていた。
キィ、キィ、と嫌な音が絶えず夜気に放たれる。そのたびにこの空間に歪みが生じてしまうような錯覚を覚える。
どうしてこんな日に自転車がパンクなんてしたのだろう。
部活が学校外で行われる日。帰り道に「ここ」を通らなければならない日。
最近聞いている。この近くで奇怪な事件が連続しているという話を。
(怖がる必要なんて……)
キィ、キィ……。もう小学生の頃から乗っている自転車だ。ガタがきて動かすたびに耳障りな音を立てる。
キィ、キィ、「キィ……」。その音が神経を逆撫でする。身体を包む空気が冷たくなる。冷たい汗が背筋を滑り、思わず飛び上がりそうになる。
キィ、「キィ……」、キィ……。
「キィ……」、キィ、キィ……。
怖がる必要なんて、ない。
ないのに。それなのに。
首筋に纏わりつくようなこの空気は何だろう?
蛇のように絡みつくねっとりとした、ぬめりを持った生臭い空気だ。
「キィ……」、キィ、キィ……。
鳩尾の奥が氷を入れられたように冷たくなる。それが全身に伝播する。ぶるぶると体が震え出す。
「キィ……」。足が止まる。「キィ……」。自転車は動いていない。「キィ……」。なのに。
「キィ……」
この音は、いったい何?
喉がもうからからだった。唾を飲み込むと熱した棒を突っ込まれたかのように痛んだ。
胃に落ちる唾液がまるで滝壺のような音を立てた。「キィ……」。この音は、何?
首筋の違和感はとれない。それは向こうからやってくる。肩の向こう。背中の後ろ。
「キィ……」
少女は足を動かした。「キィ……」。骨が軋む。「キィ……」。
「キィ……」。自転車が音を立てる。「キィ……」「キィ……」「キィ……」。
頭の中に、耳の奥に、それはどこまでも入り込んでくる。「キィ……」。
少女は一心不乱に足を動かす。走り出す。「キィ、キィ、キィ、キィ」これは自転車の音。そうだ。だから――
「キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ、キィ」
息がおかしくなる。声を上げようと一瞬思う。喉が痛い。呼吸が安定しない。声が出ない。
出さなきゃ、出さなきゃ、出さなきゃ。何で出ないの? 何で何で何で何で何で?
「キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ」
いや、やめて、来ないで。どうして振り切れない。首の周りの違和感は。
鳥肌が収まらない。全身から冷や汗が噴き出ている。眩暈がする。視界が回転する。
――ガッシャアアン!
「キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ」
くるくるくる……。タイヤが回る。
「キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ」
足が痛い。身体の脇が痛い。転んでしまったのだ。倒れてしまったのだ。
「キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ」
はあっ、はあっ、はあっ……息が荒い。もう整えられない。整えようとする考えすら頭になかった。
どうすればいいの、来ないで、逃げなきゃ、何、この音は何? 「キィッ」 この音は、何なの?
「キィ……」
頭の中で音がした。首がひとりでに動いていた。ぎこちなく背後を向いていた。視界がそれについていく。
暗い夜道。ぽつんぽつんと悲しげに佇む街灯。荒涼とした建設地と運動場。背後の道。
……誰もいなかった。
「はあっ、はあっ、はあっ……」
誰も、いない。どこにも何もない。首筋に纏わりつく違和感も消えている。
少女は倒れた自転車のハンドルを握って立たせる。息をついて顔を上げる。
「キィッ」
目の前の空間に仮面のようなものが浮かんでいた。
「キィッ」
瞬間、全身から何かが飛び出てくる。それを覆い尽くす「ぬめり」。頭の中の何かが切れ弾け飛ぶ。
「きゃあああああああああああああああああああ!!!」
視界が宙を舞う。激烈な痛み。べちゃ、という音。温もり。冷え切った身体に優しい温度。
少女の上半身が地面に落ちていた。彼女の目は自分から遠く離れた下半身を捉えていた。
視界がかすれ、薄れていく。思考能力が奪われていく。
一瞬で血の匂いが充満した夜。その中で彼女の目が最後に見たもの、それは。
街灯の光をギラリと反射する、白刃の光だった。
(2)
『ウルトラマンオーブって、ドーナツの神様だと思うんです!』
昼下がりの街。人が群れを成して歩くスクランブル交差。
ジャグラーはその言葉を耳にして、ふと足を止めた。
『それはどうして?』
『だって胸にドーナツを付けてるじゃないですか。絶対神様ですよ、ドーナツの!』
笑い声がどっと湧く。馬鹿高いビルに埋め込まれた街頭テレビの映像だった。
赤っぽい色の髪をポニーテールにした少女が司会からの質問に答えている。
『法子ちゃんはドーナツ推しだったけど最近はオーブ推しでもあるね。何か理由でもあるの?』
『実は、ウルトラマンオーブに伝えたいことがあるんです』
『えっ?』
『ウルトラマンオーブ!』
司会に顔を向けていた少女が突然カメラ目線になる。
『見てますか? 見てたら話したいことがあるから私のところに来て、お願い!』
『ちょっと法子ちゃん、勝手に困るよー』
『えへへ、すみません』
『で、伝えたいことって何なの?』
『それは秘密です!』
『え~、気になる~』
再びどっと笑い声が湧く。ジャグラーはふんっと息をついて歩き出した。
・
・
・
六時十分前。テレビ局から帰ってきた法子は寮への帰路についていた。
法子(オーブ、放送見てくれたかなあ)
そう思っている法子の表情はカメラの前とはまるで違っていた。
朗らかな笑みの色は一切なく、思い詰めたような影を落としている。
法子(見てくれたなら……)
自然とあるビジョンが脳裏に過ぎる。何度も何度も見た映像だ。
瞳が大きく吊り上がった姿のオーブ。まるで暴れるかのように怪獣と戦うウルトラマンの姿。
法子(私は、あなたのこと――)
半ば心ここにあらずといった感じで歩いていると、突然どこかから声が聞こえた。
「お嬢さん」
道に面している公園の入口に男が立っていた。3ピースのダークスーツに身を包んでいて、ベストとタイはワインレッド。
髪は掻き上げて額を見せ、ウェーブがかかったそれを左に寄せている。大体20代半ばから後半に見えた。
法子「……あなたは?」
男「何故あんなことを言った?」
法子「えっ?」
男「ウルトラマンオーブが神様だって」
男はこちらに背中を見せたまま、首だけ捻って訊いてきた。
思わず声を失ってしまう。男の口元は微妙に綻んではいるが、顎を上げて逆さにこちらを見据える目がやけに力を持っていた。
法子「……。あっ、もしかしてあなたがウルトラマンオーブ?」
男「違う。というか質問に答えろ」
法子「だって胸におっきなドーナツ付けてるから!」
男「それはもう聞いた。本当にそれだけなのか」
法子「え? うん。胸にドーナツ付けて怪獣と戦うなんてまさにドーナツの神様でしょ?」
法子の言葉を聞いた男は首を元に戻して、深く溜め息をついた。
男「あいつは神様なんかじゃない」
法子「えっ?」
男「俺に言わせればあの胸のリングはあいつの心の闇だ。どうしたって埋めることのできない心の穴なのさ」
法子「…………」
法子は公園に入り、男の横にあったベンチに座った。
持っていた箱を膝の上に置いて開け、それを彼に差し出す。
法子「ね、ドーナツ食べる?」
男「は?」
男はねめつけようとしたが逆に怯んでしまった。見上げてくる法子の笑顔があまりにも無邪気だったからだ。
しばらく無言でいたが、諦めてストロベリーのフレンチクルーラーを取った。
そのまま二人でもそもそとドーナツを食べていたが、先に食べ終わった法子が立ち上がって口を開いた。
法子「ね。質問してもいい?」
男「何だ」
法子「ドーナツの穴って『ある』ものだと思う? それとも『ない』ものだと思う?」
男「……は?」
そう言って男はまたしても閉口した。法子はにこやかな表情を崩さず、胸を躍らせて返答を待っているようにさえ見えたからだ。
男「……『ある』と『ない』とで何か違うことでもあるのか」
法子「うん。だって『ない』ものは見えないでしょ?」
男「……?」
法子「ドーナツの穴が『ない』ものだったら、その間を覗いても向こうの景色が見えるだけ。
でもね、『ある』ものだったら、その間それ自体を見ることができるの」
男「見てどうするんだ」
法子「見て、認めることができる。あなたの言うようにそれは心の穴かもしれないけど、それと向き合うことができる」
男「……」
法子「ドーナツはね、穴がないとドーナツじゃないの。ただの揚げパン。だからその穴は意味がある穴なの。
ドーナツをドーナツたらしめるもの。ドーナツと穴は表裏一体で、切っても切れない関係なんだ」
男「…………」
法子「穴のあいたドーナツが生まれたのは十九世紀。その頃から人はドーナツの穴について思いを馳せて……。
そうしてドーナツの穴議論が始まったんだね。だからさっき私が言ったことも歴史の積み重ねがあるんだ」
男(……。こいつ……)
もしかしてやばい奴かもしれない、とジャグラーは思った。
(3)
法子「…………」
有香「法子ちゃん」
法子「…………」
ゆかり「法子ちゃんー……?」
法子「…………」
事務所の休憩スペース。呼びかけても全く反応がない法子の様子に二人は顔を見合わせた。
有香が法子の顔の前に手を翳す。法子はびくっと体を跳ねさせて、弾かれたように顔を上げた。
法子「わっ、ゆかゆか。いつからいたの?」
ゆかり「先程から……。呼んでも反応がなくて」
有香「法子ちゃん、最近元気ないですね。どうかしたんですか?」
法子「元気がないってことじゃないんだけど……」
法子はスマホを顔の前に持ち上げて、ドーナツを象ったマスコットキャラクターのキーホルダーを揺らした。
有香「なら、何か考え事でも? もし悩み事があるのでしたら聞きますよ」
ゆかり「はい。ひとりで抱え込まずに……。ユニット仲間なんですし」
法子「……」
法子は少し考えていたが、静かに口を開いた。
法子「これ、何か知ってる?」
有香「『Mrs.ドーナツ』のマスコットですか?」
ゆかり「最近新しく作られたんですよね。でもそれがどうかしたんですか?」
法子「ウルトラマンオーブが『Mrs.ドーナツ』のマスコット候補に挙げられてたって話、知ってた?」
有香とゆかりは揃って目を丸くした。
有香「いえ、全然。というか勝手にマスコットにしていいんですか?」
ゆかり「肖像権とかどうなるんでしょう……」
有香「肖像権……ウルトラマンに肖像権はあるんでしょうか……」
法子「うん。だからそういうあれこれが候補から外された理由ってことになってるね」
「でも」と法子は言葉を継いだ。
法子「でも、本当の理由はたぶん違う。オーブが起こしたあの事件がまだ尾を引いてるんだ」
ゆかり「あ……。ビートル隊を攻撃して戦闘機を撃墜したっていう事件ですか」
有香「あと、人質もろとも怪獣を倒したこととか……色々波紋が広がっていましたね、当時は」
法子はキーホルダーをぎゅっと握って膝の上に置いた。
法子「確かにショッキングなことだったけど……。だから私、オーブに一言伝えたいことがあって」
有香「この前の放送でも言ってましたね。何を伝えるんですか?」
法子はにっこり笑って答えた。
法子「それは、秘密」
ゆかり「でも、文句を言ったりするようなことではないんですよね」
法子「うん」
ゆかり「法子ちゃんはどうしてオーブを信じられるんですか? 世間にはまだ完全に信頼してないって人もいますけど……」
法子「だって胸にドーナツ付けてるんだよ? 悪い人なわけない!」
有香とゆかりは顔を見合わせて、くすりと笑い合った。
・
・
・
寮への帰り道。辺りはもうすっかり暗くなっている。
普段は同じ寮暮らしのゆかりと帰っていたが、今日は先に帰ってもらっていた。
法子はぎりぎりまで事務所に残ってオーブからの連絡を待っていた。
流石に諦めて事務所を出たのが夜八時。門限に間に合うかどうか危ない線だったので早足で夜道を歩いていく。
法子(この調子だったらゆかゆかに追いついちゃうかな)
もう暗いからという理由でゆかりは有香に送ってもらっていた。
一緒に待ってくれていたので事務所を出た時間は大して変わらない。早足で行けばいずれ追いつくかもしれない。
そんなことを考えながら歩いていた時だった。法子は背後から妙な音を聞いた。
「キィ……」
最初は自転車か何かかと思った。しかし後ろを振り向いてみても自転車の姿はない。
それどころか、猫一匹いない。動いているのは法子ひとりだけの閑散とした夜道だった。
「キィ……」
聞き間違いかと思って再び足を動かすと、それはまた聞こえた。
今度は振り向かずそのまま歩く。「キィ……」スピードを上げる。「キィ……」その音もスピードを上げてついてくる。
法子(何……?)
足を動かし続けながら首を回す。しかし相変わらず背後には誰の姿もない。
しかし顔を前に戻すと首筋に生温い空気が纏わりつく。視線だ。ねっとりとした蛇のような視線。
法子「はっ、はっ、はっ……」
誰かに見られているのにその姿が見えない。気のせいだと思っても、「キィ……」その音は続いている。
「キィ、キィ、キィ……」
その音は法子と一定の距離を保ち続けている。速くも遅くも遠くも近くもならない。
だがいくら法子が足を速めても振り切れない。まるで遊ばれているかのよう。足を緩めたらどうなるのか。獲物に襲い掛かる肉食獣のように飛びかかられるかもしれない。
法子「はあっ、はあっ、はあっ」
「キィッ、キィッ、キィッ」
そんな恐怖が速度を落とすことを許さない。しかし筋肉が強張ってくる。思うように歩けなくなる。足が痛くなる。
それを押して歩く。歩き続ける。だが、「キィッ」その音は離れない。
法子「……っ」
法子は思い切って走り出した。
「キィッ、キィッ、キィッ」
しかしすぐに足が痛くなる。失敗した。このままじゃ足が緩むどころか止まってしまう。
そうなれば……捕まってしまう。この謎の音に。
「キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ」
法子「はあ、はあ、はあっ」
「キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、
キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ、キィッ」
法子(もう、ダメ――――)
その時だった。法子の体が路地裏に引きずり込まれた。
法子(……!?)
口が覆われている。誰かの手が当てられているのだ。
女性のように綺麗な形をしていたが、大きくて骨がごつごつしている。……大人の男の手。
「声を上げるな」
手の主が耳元で囁く。ぞわっと全身の毛が逆立ち冷や汗が噴き出た。
まるで蛇に睨まれた蛙のように法子の体は動かない。しかしその目は捉えていた。男のもう片方の手に握られている白刃を。
法子は思い出す。最近多発している通り魔殺人事件の話を。
この近くではなかったからあまり意識してはいなかったのだが、もしや――
法子「んっ、んんーーっ!!」
男「おい」
必死で身を捩り、抜け出そうとする。しかし男は刀を持っている腕で法子の体を抑えつける。
その刀身が首のすぐ近くに迫る。喉が一気に渇いた。声がもう出せない。身動きもできない。
法子「――!」
絶望的な状況の中で法子の目はまたしても奇妙なものを捉える。
路地の前の道を誰かが通り過ぎたのだ。だがその姿は人間などではなかった。
銀色の仮面を被った怪人だ。そしてその腕そのものが白刃となっていた。
「キィッ、キィッ、キィッ…………」
金属音のような音が通りすぎ、遠のいていく。謎の音はあの怪人が発していたものだったらしい。
しばらくして音も聞こえなくなってから、男は腕の力を緩めた。力が抜けた法子は地べたにへたり込んだ。
法子「はあ、はあ、はあっ……」
そんな彼女を置いて男はさっさと路地裏から出ていってしまう。慌ててその後を追った。
カラカラになった喉で懸命に叫ぶ。
法子「ま、待って……!」
男が振り向く。やはりというべきか、以前公園で話したスーツ姿の男――ジャグラーだった。
法子「助けてくれたの……?」
ジャグラー「借りを返しただけだ」
法子「借り……? え、まさかドーナツのこと?」
ジャグラーはそれには答えず、口元を微妙に歪めて言った。
ジャグラー「こんな夜更けにひとりで出歩くもんじゃないぞ、お嬢さん」
そう言い捨ててさっさと去っていこうとするジャグラーだったが、
法子「――あぁっ!」
法子の素っ頓狂な声に驚いて足を止めた。
法子「ゆかゆかが危ない!」
ジャグラー「ゆかゆか?」
(4)
怪人「キィッ、キィッ……」
有香「ゆかりちゃん、下がって……!」
法子の不安のとおりに怪人は有香とゆかりを襲っていた。
ゆかりを庇うように前に出て空手の構えをとる有香。恐怖心を押し殺し、唾を飲み込む。
怪人「キィッ、キィィッ」
怪人の両腕は包丁のような刃となっていた。最近多発していた連続通り魔事件。恐らく犯人はこいつだろう。
とすると危険極まりない相手だ。一瞬たりとも油断はできない。じりじりと下がりながら間合いを計る。
怪人「キィッ……!!」
すると怪人は突然右腕を振り上げた。まだ十分な距離がある。何らかの構えかと一瞬思った。
だが同時に有香は本能的に何かを察知した。体が勝手に動く。後ろのゆかりを押し倒すと同時に腕に苛烈な痛みを感じた。
有香「っ……!」
ゆかり「有香さん……!」
信じられないスピードで怪人は間合いを詰め、目にも止まらぬ斬撃を繰り出したのだ。
事前に動いていなければ今頃文字通り真っ二つになっていた。だがそれでも傷は負わされた。有香のシャツの上腕に血が滲んでいた。
有香「ゆかりちゃん、逃げてっ!!」
だがゆかりは動けない。有香のすぐ後ろに怪人が迫っている。両腕の刃が街灯の光を受けてぎらりと光っている。
右の刃を振り上げる。ゆかりは反射的に両腕を翳して目を閉じた――
怪人「キィィ……ッ!」
しかし聞こえたのは、悲鳴じみた怪人の声だった。ざっ、と何かが道に着地する音。
おそるおそるゆかりが目を開けると、焦げ茶色のジャケットを着た男の姿が映った。
男「大丈夫か!?」
有香「な、何とか……」
男「今こいつをどうにかする。すまないがもうちょっとこらえてくれ」
そう言って男は前に出、尻餅をついていた怪人と対峙した。
男「ツルク星人か。通り魔の正体はお前だったんだな」
ツルク「キィィッ」
起き上がったツルク星人が猛烈な勢いで右の剣を振り下ろす。
しかし男はそれをあっさりと躱していた。続いて放たれる左の斬撃を身を屈めてやり過ごす。
男「はあっ!」
アッパーカットが星人の顎に直撃する。怯んだところに飛び蹴りの追撃をかける。
星人の体は大きく後方に吹っ飛ばされた。
ツルク「キィィッ……!!」
よろよろと起き上がった星人は再度右腕の剣を振り上げた。
しかし今度は攻撃のためではなかった。その上空に暗雲が渦巻いたかと思うと、その中から二体の怪獣が出現した。
男「! 双子怪獣か……!」
黒い体をした兄怪獣のブラックギラスと赤い体をした弟怪獣のレッドギラス。
どちらも背中に鋭い刃と、額に大きな角を持っている。その角は津波を呼び寄せる力を持ち、災厄のレベルで言えば魔王獣にも引けを取らない。
ブラックギラス「ギャオオオオオン!!」
レッドギラス「ギギャアアアアッッ!!」
二体の怪獣は空中に浮かんだまま海の方向へ飛んでいく。
男「くっ……!」
今双子怪獣を追えば少女たちが危ない。だがツルク星人に手間取ってしまえば東京が大津波に飲み込まれる。
どうすればいい――そう思う彼を嘲笑うかのように星人は声を上げる。
しかし、その時――
「蛇心剣・新月斬波!!」
突如回転する三日月型の光刃が飛来した。ツルク星人は咄嗟に両腕の刃を交差させ、それを受け切る。
道の向こうから走ってくる影が二つあった。
法子「有香ちゃん! ゆかりちゃん!」
ジャグラー「ゆかゆかって二人だったのか」
一方はポニーテールをした少女。もう一方はよく知る顔だった。
男「ジャグラー!」
ジャグラー「ガイ……お前もこいつを追っていたのか。相変わらずお人好しな野郎――」
ガイ「俺は怪獣を追う! ここは任せた!」
ジャグラー「任せたって、おい」
ガイは聞く耳持たず走っていった。
ツルク「キィィ……!」
ジャグラー「全く……」
法子「お、お願い! 後でドーナツいっぱいあげるから! 二人を助けて!」
ジャグラーは溜め息を吐いて、ゆっくりと剣を構えた。
ジャグラー「ドーナツは別に要らん」
ブラックギラス「ギャアアアアアアアオオン!!」
レッドギラス「ギギャアアアアッッ!!」
飛行を続ける双子怪獣。それを追うガイはオーブリングを取り出し構えた。
ガイ『ゾフィーさん!』
『ゾフィー』
ガイ『ベリアルさん!』
『ウルトラマンベリアル!』
ガイ『光と闇の力――お借りします!』
『フュージョンアップ!』
『ウルトラマンオーブ サンダーブレスター!』
オーブ「ドゥワアッ!!」
レッドギラス「ギギャアッ!!」
レッドギラスを叩き落とす。東京湾に落ち、水飛沫が大量に吹き上がった。
ブラックギラスは自分から高度を落とす。オーブも荒波の中に降り立ち、二体の怪獣と対峙した。
オーブ『――闇を抱いて、光と成る!』
ブラックギラス「ギャオオオオオン!!」
レッドギラス「ギギャアアアアッッ!!」
双子怪獣は二体同時に向かってきた。オーブは大きくジャンプし、怪獣の背後に降り立った。
振り向きながら掌に赤黒いゼットシウム光輪を形成し、投擲する。
ブラックギラス「ギャァァオオオオオン!!」
レッドギラス「ギギャアアアアッッ!!」
すると双子怪獣は正面から抱き合うような体勢を取り、その場でスピンし始めた。
高速回転する二体の背の刃が光輪を弾き飛ばす。そしてそのまま角から無数の光弾を周囲に放った。
オーブ「グオオッ……!!」
ツルク「キィィッ!!」
ジャグラー「ふっ!」
一方法子たちの元ではジャグラーとツルク星人が切り結んでいた。
相手の斬撃を受け止め反撃に転じようとするがもう一方の刃が間を置かず放たれる。それを躱すのが精いっぱいで攻撃する暇がない。
ジャグラー「チッ……」
オーブ「ウオオオオッッ!!」
双子怪獣は今なおスピンを続けていた。オーブは大きく両手を広げ、怪獣たちとは逆方向にスピンした。
突進し、両者が激突する。衝撃波が海面を走り、荒波を更に激しく暴れさせる。
オーブ「ウ゛ォオオアアアッ!!」
長い間拮抗していたが、オーブのスピンが二体を弾き飛ばした。
倒れ、湾の中に沈む怪獣たち。中々浮き上がってこない。オーブが不審に思っていると――
ブラックギラス「ギャオオオオオン!!」
レッドギラス「ギギャアアアアッッ!!」
オーブ「!」
オーブを挟み込むようにして足元から怪獣たちが飛び出てきたのだ。
すかさず双子怪獣は腕を組み合わせ、オーブを間に挟んだままスピンを始める。
オーブ「グウウウウッ……!!」
勢いに身動きがとれないためスピンを相殺することができない。
こうしている間にも怪獣たちの放った光弾は港の施設を破壊していく。
オーブ「ジュアアッ!!」
オーブは額のランプを光らせた。
ガイ『――ダイナさん!』
『ウルトラマンダイナ ミラクルタイプ!』
ガイ『ベリアルさん!』
『ウルトラマンベリアル!』
ガイ『ミラクルなやつ、頼みます!』
『フュージョンアップ!』
『ウルトラマンオーブ サンダーミラクル!』
オーブ「ジュワアッ!」
双子怪獣に挟まれていたオーブの体が光と共に消失する。
瞬間移動して怪獣たちの前に立ったオーブの姿は青に染まった“サンダーミラクル”のものになっていた。
オーブ『闇の力を、奇跡の光に!』
ブラックギラス「ギャオオオオオン!!」
レッドギラス「ギギャアアアアッッ!!」
二体が放ち続ける光弾の雨。しかしオーブが両手を広げるとそれらはひとつ残らず空中に静止した。
いくら撃っても攻撃にならないと踏んだのか双子怪獣がスピンを止める。その瞬間を狙ってオーブは超能力を発揮した。
オーブ「ハアア――ジュワッ!!」
ブラックギラス「ギャアアアアオオオン……!!」
浮かんでいた全ての光弾をコントロールしブラックギラスに叩き込んだのだ。
悶える兄怪獣を見て怒ったレッドギラスがオーブに突進する。だがオーブは余裕綽々に指を鳴らした。
レッドギラス「!」
レッドギラスが驚愕し足を止める。オーブの体が三つに分身したからだ。
遮二無二腕を振るレッドギラスだが空を切った。最後の一体の方へ顔を向ける。オーブは手を前に出し、チッチッと指を振った。
オーブ「ヴアアッ!!」
オーブのパンチが怪獣の鼻面に直撃する。怪獣は怯んで二三歩下がるが、オーブは逃さない。
すぐさま距離を詰め、その喉笛を掴む。怪獣の巨体を持ち上げ、投げ飛ばした。
レッドギラス「ギギャアア……!」
オーブ「フッ!」
オーブが海面から飛び上がる。その周囲にエネルギーを纏いながらレッドギラスに突撃した。
オーブ『――サンダーミラクルアターーック!!』
衝突と同時に爆発が起きる。その炎を切り裂いてオーブが着水した。
レッドギラスの体は爆発に呑まれ、木っ端みじんに砕け散った。
ツルク「キィィイイッ!!」
振るわれる右の刃を受け太刀する。するとすかさず星人は左の刃を突き込んでくる。
ジャグラー「くっ」
ひらりと一回転して下がりそれを躱す。
だがツルク星人の猛攻は止まらない。疲れを知らないかのように次々と斬撃を繰り出し続ける。
法子(…………)
法子は息を呑んでその攻防を見守っていた。汗ばんだ両手をぎゅっと握りしめる。
法子(がんばって……!)
ジャグラー「何をしている! 早く行け、邪魔だ!」
法子「!」
ジャグラーの怒声が飛ぶ。時を同じくしてツルク星人が刃を振り上げていた。
ツルク「キィッ!」
左腕の刃が振り下ろされる。ジャグラーは外側に逃げる。返す刀で水平方向に左腕が振るわれる。蛇心剣を立ててそれを受け止める。
ツルク「キィィッ!!」
するとツルク星人は左腕はそのままに身を反転させた。ジャグラーと背中合わせの恰好になる。
そのまま怪力を以て押し込んだ。ジャグラーがたたらを踏む。
ジャグラー「!」
ツルク「キィッ!!」
両者同時に身を翻し、相対する。だがジャグラーは攻撃の準備が整っていない。
ツルク星人は両腕を交差させるように振るっていた。飛んでも躱せない。後ろに引ける体勢にない。そして後ろにはちょうど法子がいた。
ツルク「キィィィィイイッ!!」
金属音のような甲高い音が夜道に響く。剣戟の音が静寂を震わせる。ぽた、ぽた、と血がアスファルトに染みを作った。
法子「――っ」
ジャグラー「ぐっ……」
ジャグラーは左手で剣を逆手に持って右の刃を受け止めていた。
もう一方の左の刃は――素手の右手で掴んでいた。皮膚が破れ、血が滴り落ちる。
ツルク「キィィッ……」
星人は勝利を確信した。掴まれている左の刃を引き抜き、相手の胸を刺せばいい。
何とか凌げたものの鋭い痛みで動きが鈍るはずだ。次の一撃を躱せるはずもない。
そう思って刃を引き抜こうとした。――だが。
ツルク「キィ……!?」
抜けない。がっちりと掴まれ、刃が動かない。驚いて顔を上げる。ジャグラーと目が合った。
ツルク「――!」
瞬間、星人は戦慄した。その瞳の奥に宿る「何か」が本能的な恐怖を喚起した。
ジャグラーの双眸が光る。全身から闇が滲み出し、その姿を変えさせていく。
法子「……!」
有香「あれは……」
ブラックギラス「ギャアオオンン!!」
弟怪獣を殺された怒りに震えるブラックギラス。その角が光り、海面へ光線を照射した。
オーブ「!」
海面が迫り上がり、50メートルのオーブの身長をすら優に超える巨大な波が立つ。
オーブ「ジュアアッ!」
再びオーブのランプが淡い光を放った。
ガイ『アグルさん!』
『ウルトラマンアグル!』
ガイ『ベリアルさん!』
『ウルトラマンベリアル!』
ガイ『荒れ狂う力、お借りします!』
『フュージョンアップ!』
『ウルトラマンオーブ サンダーストリーム!』
光の中から現れたオーブは再び姿を変えていた。
アグルの群青とベリアルの赤を身に纏った戦士、“サンダーストリーム”。
オーブ『闇を包め、光の嵐!』
オーブは手にした巨大な三叉槍“ギガトライデント”を掲げ上げた。
その先端に埋め込まれた宝珠が蒼い光を解き放つ。
オーブ『――サンダーストリームネプチューン!!』
迫りくる大津波。オーブが槍を振り回すと、その動きに合わせるように波が形を変えた。
両端から中央に波が集約されていく。断崖のように鋭く尖り、天に翔け上がる。
オーブ「ハアアア……!! ジュアアアーーーッ!!!」
宙を飛ぶ水流が槍の動きに合わせて身をうねらせる。それはまるで龍の胴体のよう。
オーブが槍を突き出す。水流は旋回して突き進み、ブラックギラスの腹を貫いた。
ブラックギラス「グオオオオオオン……!!」
断末魔を上げながら怪獣が倒れる。水流が空中で弾け、スコールのように海面に降り注ぐ。
荒れていた波もやがて収まり、オーブは頷いて夜空へ飛び立った。
ツルク「キィ……!?」
ツルク星人の目の前でジャグラーの姿が変貌した。
鎧を纏った騎士のような姿に。その目は鋭く緑色に光り、胸には欠けたリングのような形の赤い発光体が覗いている。
法子「……!」
ジャグラー「ハアッ!!」
星人が驚いている隙を突く。相手の右腕とかち合っていた蛇心剣を勢いよく振り上げる。
慌てて攻撃しようとするも手遅れ、ジャグラーの剣が星人の右腕を切り落とした。
ツルク「キィィイイイイッ!!」
ジャグラー「フンッ!」
左腕の刃は掴んだままだ。離さないままその上腕にも剣を振り下ろした。
ツルク「キギィイイイイイイイイイイ」
ジャグラー「はっ……」
胴体から離れた腕を放り捨てるジャグラー。武器を失ったツルク星人はよろよろと後退する。
ジャグラー「あばよ」
逃げ出す暇も与えず、ジャグラーは星人を切って捨てた。
法子「…………」
有香「…………」
ゆかり「…………」
呆然とする三人の前でジャグラーは人間の姿に戻った。
何も言わずに去っていこうとする。法子は我に返ってその背中に呼び掛けた。
法子「待って!」
ジャグラー「…………」
法子「あなた……オーブと知り合いなんでしょ? 伝えてほしいことがあるの」
ジャグラー「自分で言え」
法子「ううん。これはあなたにも聞いてほしいの」
半分だけ振り返ったジャグラーに、法子は言った。
法子「『あなた』は最高のヒーローだよ! ……って」
ジャグラー「……ふん」
背を向けジャグラーが歩き出す。街灯の光溜まりから出ると、その姿は夜に溶けるように消えてなくなった。
(エピローグ)
ナオミ「合計1080円になります。……はい。ちょうどいただきます。またのお越しをお待ちしておりまーす」
都内、とあるドーナツ店。SSPのナオミは相変わらず副業のバイトに勤しんでいた。
ナオミ「お次のお客様どうぞー!」
レジを整理して元気な声を出す。すっ、と現れた男はジャグラーだった。
ナオミ「うわぁあっ!?」
ジャグラー「何だ、そんなに驚くことないだろう?」
ナオミ「な、な、な、何しに来たの!?」
ジャグラー「ドーナツ店に来る客の目的に『ドーナツを買うこと』以外があるのか?」
ナオミ「…………合計720円になります。……はい。1000円お預かりします。280円のお釣りとレシートでございます……」
ひらりと店内のテーブルに向かうジャグラーをナオミは胡乱な目つきで見ていた。
ジャグラー「……」
テーブルについたジャグラーは壁に貼ってあるポスターに目をやった。法子が大写しになっている。
「ふんっ」と息をつきながら、ジャグラーの口元は微妙に笑っていた。
おしまい
[登場怪獣・宇宙人]
“奇怪宇宙人”ツルク星人
・体長:2.4m
・体重:50㎏
『ウルトラマンレオ』第3、4話より。
“双子怪獣”ブラックギラス
・体長:56m
・体重:40,000t
“双子怪獣”レッドギラス
・体長:55m
・体重:39,000t
『ウルトラマンレオ』第1、2話より。
読んでくださった方、ありがとうございました。
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