怪盗エリーの恋泥棒 (107)

-都内有名占い師の館-

絵里「ふふっついに手に入れたわ!世界に二つと無い、未来を創造すると言われている金のタロット」

絵里「さてと、それじゃあこの辺でお暇させてもらおうかしら」シュッ

ことり「待ちなさーいエリーチカ!今度こそは逮捕します!」

絵里「ふふっ捕まえられるものなら捕まえてみーなさいっ!」ボンッ!

ことり「きゃっ?今時こんな古典的な方法を使うなんて…」

絵里「その古臭いやり方に嵌められたおばかさんは誰かしら?」

ことり「あっもうあんな高いところに…?」

絵里「じゃーあねっ!間抜けなお嬢さん。金のタロットはいただくわ」 バババババ

ことり「ううっそんなぁ~酷いよお…」

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ことり「えっ?盗まれていないんですか?」

希「うん。ほらここにあるで、金のタロット」スッ

ことり「どういうことですか?」

希「えーとね、実は昨日の夜にウチが偽物とすり替えておいたんよ。まさか本当に間違えて盗って行っちゃうとは…とんだおばかさんやねぇ」

ことり「でもどうしてそんなことを?それなら私たちが出動する必要なんてなかったじゃないですか」

希「だって、ことりちゃんたちが何も警戒してなかったらえりちも怪しいと思うやん?」

ことり「ううっ確かに…その通りですぅ…」ガクッ

希「まーえりちに出し抜かれたことは確かやし、これからは綿密な計画を立てておくことやね!」

ことり「はい、すいませんでした…肝に命じておきます」

希「ほな、頑張ってな南警部!それにしても…ふふっえりち、今頃どんな顔しとるんやろ」クスッ

-その頃 エリーチカアジト(絢瀬家)-

絵里「んなあああぁぁぁぁあああ????」

亜里沙「うるさいよお姉ちゃん…どうしたの?」

絵里「これ!これよく見なさいよ??」

亜里沙「ハラショー悪趣味なトランプだね」

絵里「そうよ!これただの金メッキの高価そうに見えるトランプじゃない!きぃーー??誰よ!こんな小癪な真似をしたのは?」

亜里沙(こんな賢くないお姉ちゃん、亜里沙はちょっとだけ嫌いです…)

亜里沙「ねぇお姉ちゃん、まだ泥棒やってるの?」

絵里「違うわ!泥棒なんて下賤なものなんかじゃない、怪盗エリーよ!」ドヤッ

亜里沙「お姉ちゃんが何かを盗んだら、盗まれた人は悲しくなっちゃうでしょ?そんなの駄目だよ!前みたいにかっこいいCAの頃のお姉ちゃんに戻ってよ。お願い!」

絵里「…確かにキャビンアテンダントとしての私も悪くなかったわね」

亜里沙「…??でしょ!でし

絵里「でも今は!どんなものにも縛られない自由な自分!スリルに満ち溢れた毎日!この素晴らしい世界から抜け出すことなんて、絶対に出来ないわ??だってこんなにも日常が楽しいのだから??」

亜里沙「お姉ちゃんなんて…」

絵里「あら、どうしたの?」

亜里沙「グスッお姉ちゃんなんてもう知らない!バカ!マヌケ!ポンコツ!うわぁぁん??」バンッ!

絵里「ちょっと!バカとマヌケはいいにしてもポンコツは言わないでよ!…ふふ、いずれ亜里沙もわかるようになるわ。怪盗として生きる人生の素晴らしさをね」





?←は!!が反映されていなかった不具合ですのでご了承お願いします

絵里「さて、次狙うお宝は何にしようかしら…」

絵里「…ふーん…へー…どうやら熱海の美術館で古代エジプト展が開催されるみたいね」

絵里「見せてもらおうかしら、黄金のマスクの美しさとやらをね!」


-美術館-

真姫「私が直々にこの展示品を用意したんだから、絶対に!死んでも守りなさいよ!」ギロ

ことり「ひゃいっ!も、勿論ですっ!」ブルブル

真姫「最近怪盗エリーとかいう小悪党が調子乗ってるそうじゃない。あんなのに盗られたりしたらたまったもんじゃないわ」

ことり「大丈夫です!」

真姫「何が大丈夫よ」

ことり「エリーチカを捕まえるのは私ですから…!」


絵里「開館時間は…20時ね。わざわざ夜にオープンだなんて、私にどうぞ盗んでくださいと言っているようなものじゃない」

絵里「ただここの美術館、他のとこよりも警備がしっかりしてるからちょっと面倒なのよね…もし仲間がいたら…って何考えてるのよ!」

絵里「エリーチカは決めたじゃない。どんな犠牲を払ってでもスリルを求め続けるって。そのためなら不必要なものは全て切り捨てるって」


-熱海美術館開館30分前-

真姫「どうしたの?そんなに惚けた顔して」

ことり「ぴいっ!すいませんでした…この絵がすっごく綺麗で…はああ?」

真姫「でっしょー!?でも、今回のメインはそっちじゃないわ。世界各国から協力をお願いして集めたエジプト展!これまでのイベントでも最大規模なんだから!」ドヤ

ことり「そうですね…彼女が現れるならまず間違いなく黄金に目をつけると思いますよ。20時ぴったりに私たちの今いるこの場に現れるのです!」

真姫「どうしてわかるのよ」

ことり「勘ですね!えへへっ」

真姫「意味わかんない…ほら、そろそろ開館よ。しっかりしなさいよ」

度々申し訳ありません。ことりちゃんの最初の言葉の最後の?はハートです

-開館-

真姫「本日は遠路遥々来てくださり誠にありがとうございます。当美術館では滅多に目にかかることのない大変貴重な古代エジプトの遺産を多数用意させていただきました。当時の文明の偉大さを是非…ちょっと!照明落ちたわよ!誰なの?」

絵里「今宵は一夜限り。金の煌きが放つ、決して二度も味わうことのできない美しさへの情熱。赫きが燃え尽きるまで楽しまなけばいけないでしょう?」

真姫「あ、あんたはァ…!!」

絵里「踊れっ!!」ゴオォ

まずい!通路に火が!

幸い何故か展示品には一切火の手が上がらないぞ!通路だ!通路を開けろーっ!

きゃぁぁあああ!押さないでー!!

絵里「あははは!!本っ当におかしいわね!みんな慌てふためいてあっちもこっちも大騒ぎ。絶景かな絶景かな!なんてね」

絵里「目的の黄金のマスクも手に入ったし、そろそろ行こうか

ことり「行かせない!」カチャ

絵里「あらあらそんな物騒なもの突きつけて、どうするつもりなのかしら?」

ことり「一歩でも動いたら…撃ちます!」

絵里「日本の法律では中々撃てないらしいわね」クスッ

ことり「あの火災でケガを負った方たち全員分の痛みを天秤にかければあなたへの発砲は認められますっ!」

絵里「あらあら、それは申し訳ないわね……どうしたの?撃つならはやく撃ちなさい」

ことり「どこまでも人を馬鹿にして…絶対に許さない!」バンッ!

絵里「…残念、ハズレよ」スッ

ことり「!?どうしてっ…?」

絵里「撃つ前に右半身がブレブレね。右目がばっちり閉じてるし持ち手の右手が震えてる。迷いがある者に手を汚す仕事なんて務まらないわ。それじゃあね、今日は間違いなく本物をいただいていくわ」

ことり「ダメ!あなたを捕まえるって宣言したから!絶対逃がさない!」

絵里「しつこいわね、一周回って感心するわ。じゃあ、私からのプレゼント」

ことり「えっ?」グイッ

絵里「あなたへの熱いパッション」チュッ

ことり「はわわ…!?」

絵里「バーイまた今度ね」

ことり「奪われちゃった…」

ことり「黄金の宝物。それと…私の初めて」

ことり「甘いのにほろ苦い、チョコレートの味…」

-美術館-

真姫「どうしてなの?絶対守るって言ったじゃない!本当に情けないったらありゃしないわ!!」

警備員「申し訳ありませんでした!」

真姫「あの女の顔を思い出すだけではらわたが煮えくりかえりそうよ!!」

真姫「もういっそ殺してやりたいくらい…いや、ここまで私を侮辱したんですもの、死よりも恐ろしいものを見せてやるわ」

真姫「覚悟しなさい悪党女。世界中どこへ逃げても見つけ出して地獄を見せてやるわ」


-怪盗エリーチカのアジト-

絵里「西木野会長怒り心頭!怪盗エリーに宣戦布告!!ですって。ふふっメディアもすっかり私の話題で夢中ね」

絵里「やれるものならやってみなさいよ。ただ見てるだけで何もできなかったくせに」

絵里「さーて次はまた東京ね!今度は…そうね、上野の博物館の古代ギリシャの翡翠の剣を頂こうかしら。うふふ、何世紀もの時代を超えてもなお色褪せない翡翠の流れるような美しさに柄の黄金の輝き!是非とも手に入れたいわね」

-博物館-

警備員A「お疲れ様です。何か不具合等は見当たりましたか?」

警備員B「そうね…あるとしたら、あなたね」

警備員A「?どういうことですかね?」

警備員B「つまらない者がつまらないことをしてると反吐がでるわ。組織や国に忠誠誓って何になるのかしら。もっと現世に生きることを楽しみなさいよ」ベリツ

警備員A「!!おまえはっ!」

絵里「ちょっと静かにしててね」トン

警備員「ぬはっ!?」ドサ

絵里「うるさいのがいなくなったところでそろそろ仕事に入ろ

ことり「見つけました!怪盗エリー、今日こそはお縄にかかってもらいます…//」

絵里「あら、お嬢さんごきげんよう。今日は調子が悪そうじゃない」ニヤニヤ

ことり「そ、そんなことありません!ゆゆ、揺さぶりなんて、つつつ通用しませんから///」

絵里「顔真っ赤にしちゃって可愛いわね。この前の続きが欲しかったりするの?」ニヤリ

ことり「ち、違います、違いますぅ!笑わないで!違うの!違うからー!」

絵里「…何してるの?そっちには何もないわ」

ことり「えっ…?あっ…いっいやぁぁあああ!!」バリ-ン!

絵里「バイバーイ。


途中送信してしまったので以下続きから

絵里「バイバーイ。誰もいないのに窓に向かって突っ込んで行くなんてあの子何考えているのかしら」

ことり「お、落ちちゃうよぉ~!誰か助けてぇー!」

絵里「なーんだ落ちてないじゃない。よかったわね。それじゃサヨナラ」

ことり「待って!あっもう駄目!」ズル

絵里「また1人邪魔者が消えて嬉しいわ」

ことり「きゃぁぁあああ!!」

絵里「……………」

ことり(結局何も約束を果たせなかった。ただ喚くことしかできなかった自分が恥ずかしい)

ことり(宝物の一つも守れなかったダメ南って言われるんだろうなぁ…悔しいけど本当のことだから…)

ことり(地面がゆっくり目の前に広がってくる…)

ことり「ごめんなさい」

フワッ

ことりあれっ…?浮いてる…?」

絵里「私としたことが…もう、今回だけよ?」

ことり「怪盗エリー!?どうして私を?」

絵里「さぁ?どうしてこんなバカなことしたのか私にもよくわからないわ。でも、なんとなくあなたがいなくなったらつまらなくなると思ったから、そんなところかしらね」

ことり「あなたはいつもこうなの?」

絵里「そうよ!人生を楽しむコツは、どれだけバカなことを考えられるかなのよ」

ことり「バカなこと…」

絵里「まぁこれで貸しを作ったことだし、翡翠の剣のことは、ね?お・ね・が・い!」

ことり「ダメです!全部返してもらいますから!今まで盗んだ物全て!」

ことり「それと…私のファーストキス…」

-絢瀬家-

絵里「さーて今日は何をしようかしら」

絵里「たまには亜里沙と外へ出るのもいいわね」

絵里「亜里沙~遊びに行くわよ~!」

絵里「あら?いない…どこへ行ったのかしら」キョロキョロ

絵里「ま、いっか。退屈だしまたあのトロい子をいじりに行きましょ」

-スクランブル交差点-

絵里「右も左も人、人、人。ま、当たり前なんだけど」

絵里「最近はみんな同じような格好の人間で溢れているわね。同じような服に同じようなメイク、同じようなバッグに同じような靴」

絵里「こんな工場に流れるコンベアみたいな光景見ていても何も面白くない」

絵里「…いつから人間観察なんて悪趣味なことをするようになったのかしら」

絵里「…うん?あの女…嫌という程金の匂いがする!」

絵里「コートもサングラスも!完全オーダーメイドね。いやらしい」

絵里「…財布幾ら入ってるのか気になるわ」ゴクリ


絵里(そーっと近づいて…)

絵里(ふふっ用心ないわね。ちょろいわ)

絵里(いただきまー

真姫「何してんの?」

絵里「えっ!?あっいや、こ、これ!落としてたわ!」スッ

真姫「嘘ね。私財布は必ずバッグの内側の方に入れてるから外側へ落とすはずがないわ」

絵里「う…で、でもほら、ね?こういうこともあるから気をつけなさい…よ?」

真姫「意味わかんない。あっ…あんた…もしかして…」

絵里「あら?私のこと知ってるの?嬉しいわぁ」

真姫「私も…あんたと会えて嬉しいわ。心の底からね」ギロ

絵里「やだ、照れるじゃない。ちょうど暇してたしどこか行きましょ!」

真姫「ふふっとっておきの場所へ連れてってあげるわ」ニヤリ

絵里「本当?どこどこ?」ワクワク

真姫「地獄の入り口よ」ドスッ!

絵里「かはっ…な…なんなの…あなた…」

真姫「あんたに泣かされた哀れな復讐者よ」

-西木野財閥隠し棟-

絵里「うっ!…はぁ…復讐…?ごめんなさいね、私への恨みなんて、常に春節だからいちいち覚えていられないのよ」

真姫「減らず口を…私をこれ以上イライラさせないで」ドカッ

絵里「あぐっ…はぁ…はぁ…ねぇ、もうちょっと気楽にいきましょ…力抜きなさい、そんなんじゃ美人が台無し…ああっ!」バキッ!

絵里「うぅ…痛っ…」

真姫「ふふ、どこが痛いの?」

絵里「お、お腹…」

真姫「この辺り?」グリグリ

絵里「うぁぁあああ!!痛い!痛い!」

真姫「ふふっ別にいたぶる趣味なんてないけど、こうして憎たらしい相手が苦痛に顔を歪めるのを見るのは悪くないわね。」ガンッ!
 絵里「痛っ!うぅ…痛い…?っ!あっ!はぁ…もう…いいでしょ」グスッ

真姫「ふん、さっきまでの生意気な態度はどこへ行ったの?泣いて叫んでみっともないわよ」

絵里「はぁ…私…可愛い子とお宝と痛みには弱いのよ…」

真姫「なら、せめてもの情けとして、一瞬で葬ってあげるわ。…やめた。園田、やっぱこの女はじわじわとなぶり殺したいから、あとお願い」

海未「承知しました、真姫様。なるべくご期待に添えるよう、僭越ながら私園田がこの者の執行者とさせていただきます」ペコ

絵里「ん…ちょ、執行者って何よ?」

真姫「あんたが知る必要はないわ」

海未「さて、絢瀬絵里、来なさい」

絵里「?…もう…命令なんてしちゃって。なるべく痛くしないでよね?」

海未「はてさてそれはどうでしょうね」

海未「こう見えて武道は一通り嗜んでいますので。真姫様の望み通り絶え間ない苦痛を与えることもできますが、あなたが嫌と言うのなら特別に最初は痛みもなく神経を[ピーーー]ことが出来ます。どうしますか?」

絵里「腕っぷしには相当自信があるみたいね。ふーん武道ね…くだらない」

海未「くだらないとはなんですか。人のものを盗るのを生業としているあなたの方がくだらない、いや、人としてどうかと思いますけど」

絵里「こんなとこ殴って連れ込むくせに人間としての価値がどうとか言っちゃうのがおかしいのよ。私もあなたも西木野ちゃんも、みーんな社会の底辺なんだから」

絵里(熱くならずに揺さぶるのよエリーチカ。必ずこの子にもスキはあるから)

海未「社会の底辺というのは認めましょう。ですが、あなたみたいな人と一緒くたにしてほしくはないですね」

絵里「まぁ、おしゃべりはこのくらいにしておいて、早くやりなさい?痛いのはダメよ」

海未「全くあなたって人は…いいでしょう。最初は左腕です。早く出しなさい」

絵里「ハイハイ。もう、命令しないでよね。ほらどうぞ(今よ!乗せるわ!)」スッ

絵里「あなた…良い眼をしているわね」

海未「なっ何を言っているのですか…!くだらないこと言ってないで腕を出しなさい//」

絵里(やった!思ってたよりだいぶちょろいわね…)

絵里「ねぇ、腕撃ち抜くんでしょ?私やっぱ怖いから、可愛い感じで撃って頂戴」

海未「か、可愛い感じって…どんな感じでしょうか…」モジモジ

絵里(もう堕ちた…このままいけそうね)

絵里「あなたの腕を撃ち抜くぞ!ばぁん!ほら、こんな感じよ。やってみなさい」


海未「うっ…うぅ私には恥ずかしくて出来ません!」

絵里「ダメよ!そんなんじゃ私のこといつまで経っても殺せないわ!それでもいいの?」

絵里(ここまでくると自分でも何言ってるのかよくわからない…)

海未「やります!行きますよ!えと…あなたの腕を…撃ち抜くぞ…ばぁん///」

絵里「よくできました!私からのご褒美よ」チュッ

海未「んなっ…!?は、ははは破廉恥ですぅ///」プシュ-

絵里「ゴメンね。私かわいこちゃんは好きだけど、お子様は御断りなのよ」


真姫「ちょっと園田!遅すぎるんじゃない?」バン!

絵里「あらご機嫌よう。この子返すわね。残念だけど私の好みじゃないわ」

真姫「なっ!?あの園田が負けるなんて…あんたっ園田に何をしたっていうの?」キッ!

絵里「ちょっと大人の味を知ってもらっただけよ」

真姫「何それ…意味わかんない!園田!起きなさい園田!」

海未「初対面の人との接吻…破廉恥…です…」グタ-

真姫「しっかりしなさい!もう…大事なところで使えないわ…」

真姫「…?ちょっと待ってよあんた…なんで手錠外れているのよ!」

絵里「その子が外してくれたの。優しいでしょ?」

真姫「あぁぁあああ!!」

絵里「ゴメンね。大人気なかった?でも、本気にさせたあなたが悪いのよ」

真姫「うそ…うそよ…こんなの…」

絵里「じゃあね。裏社会のBOSSの西木野ちゃん。会えて嬉しかったわ!」

真姫「くっそぉなんで…なんでなのよぉ!」

真姫「意味わかんない!!」


絵里「やっと外に出られたわ…ここまで来れば安心…っ!?」ズキ 

絵里「いった…そろそろ限界ね…」

絵里「こんなところで野垂れ死ぬわけには…はぁ…」ドサ

??「ヘイオ客サン!乗リマスカー?」

絵里「渡りに船ね…遠くまでお願い」バタン

??「ドウナサイマシタ?」

絵里「ちょっと揉め事があってね。詳しいことは聞かないで」




絵里「ありがとう。この辺でいいわ。お代は?言い値で良いわ」

??「なら、あなたの持ち金全部で」ニコッ

絵里「…ふふっあははは!まさかあなたに助けられるなんてね」

ことり「借りを作ったままではいられませんから!」

ことり「もちろん誰にも言ってはいけませんからね?」

絵里「そんな固っ苦しくしないで…お嬢さん」

ことり「じゃじゃあ…ことりって…呼んで?」

絵里「ありがとね、ことり。助かったわ」

ことり「えへへ…次は絶対捕まえるから覚悟して!絵里ちゃん!」

絵里「ふふっ捕まえられるものなら捕まえてみなさい。天下のエリーチカが何度もドジっちゃかなわないわ!」

絵里「ハラショー!毛利元就の埋蔵金が見つかったとは…これは是非とも手に入れたいわね!」

絵里「ん…なになに…先の発掘調査で見つかった今川家の遺産斬鉄剣…?」

絵里「その切れ味から鉄の塊をも一刀両断すると言われる至高の名刀…面白いじゃない」

-広島・記念館前-

絵里「とりあえず下見といったところね。外観が綺麗にまとまっていてなかなか良いじゃない」

絵里「ん?あの2人何か揉めているみたいね。どうしたのかしら」

??「なんでよ!?見せてくれたっていいじゃん!!」

係員「まだ開館時間ではないので…申し訳ございません」

??「ちょっとくらい開けるの早めてよ!けちんぼ!」

絵里「ちょっとお嬢さん係員が困っているじゃない。あまり迷惑かけちゃダメよ」

??「うわぁ綺麗な人!外人さんかと思っちゃった。そっか、確かに迷惑だよね、ごめんなさい」

絵里「わかればいいのよ。あなた、名前は?」

??「私は穂乃果!高坂穂乃果だよっ!」

絵里「私は絵里よ。よろしくね」

穂乃果「実はねっ実家が和菓子屋なんだけど、穂乃果は不器用だからずっと続けてきた剣の道に進むことにしたんだ!それで今はもっと自分を磨くためにいろんな土地を歩いてるよ!」

絵里「よくしゃべるわね。個人情報もちらほら漏れてるから気をつけなさい」

穂乃果「わわっ!そうだった!気をつけなきゃ!!」

絵里「ふふっ本当におっちょこちょいなんだから。穂乃果はこの後どうするの?」

穂乃果「しばらく他のところをぶらぶら歩いてからまたここに来るよ!斬鉄剣見たいもん!あとね、今日はこの近くに泊まるつもりだよっ!」

絵里「ふふっ鍛え抜かれた名刀、すごく素敵よね。是非とも手に入れたいわ」

穂乃果「えっ…?」

絵里「ああ、なんでもないの。気にしないで」

穂乃果「うーん…まいっか!じゃーねー絵里ちゃん!また会おうね~!!」

絵里「元気な子ね。どうか悪い道へ進むようなことがないようにしてほしいわ。」

-記念館-

絵里「ガードが甘いわね。今回のはちょろかったわ」

絵里「目当てのものが手に入ったことだしそろそろ引き上げましょ」

穂乃果「…やっぱりここにいたんだね」

絵里「…!!穂乃果…どうしてここに?」

穂乃果「穂乃果はね、ずうっと剣道をやってきて、今は真剣を扱うことを認めてもらうまでになったんだ。それってホントに大変でね、いろんな人とたくさんお手合わせするんだよ」

絵里「何か関係あるとでも言うの?」

穂乃果「うん、その時穂乃果は必ず相手の瞳を見るんだ。そうすると相手の動きとか考えてることがわかるから!」

絵里「へーそれで私に何か感じたのね」

穂乃果「うん、びっくりしたよ。綺麗な人なのに、優しい人なのに。こわーい目をしてるんだもん」

穂乃果「罪を犯した人の目をね」ヒュン!

絵里「ちょっと危ないじゃない!」

穂乃果「ごめんね絵里ちゃん。大人しく捕まってくれたら穂乃果も嬉しいんだけど、そうはいかないみたいだからっ!」ズバッ!

絵里「あらまぁよくご存知で!悪いけど私は逃げる専門だからっ相手はしていられないのよ!」ボフン!

穂乃果「うわっ!煙幕!?」

絵里(話しながら背後の木を一刀両断。なかなかの才能ね)

穂乃果「そこだよっ!」バスッ!

絵里「なっ!?あの視界の悪い中を…」

穂乃果「ふっふーんもう追い詰めちゃったよ!さぁ、大人しく捕まって

バキュン!

穂乃果「え?誰?」

??「鉛が欲しければそう言いなさい、あなたの胃袋に直接ごちそうしてあげますから」

穂乃果「どうして今頃戻ってきたの?穂乃果は許さないから!!」

海未「許されなくて結構。私は私の道を選びましたから」

絵里「幼馴染ってとこかしら…世界は案外狭いのね」

穂乃果「穂乃果はちっちゃい頃からずうっと海未ちゃんの家で剣道を習ってたんだよ。もちろん海未ちゃんと一緒にね。でも
…穂乃果が高校を卒業する頃急にいなくなっちゃって…」

海未「私の力が買われたのです。いろいろな場所で、いろいろな形で戦い続けてきました。傭兵Sとして、早撃ちの海未として、もちろん執行人の園田としてもですね」

穂乃果「そんな非道な海未ちゃんに剣を握る資格なんてない!親や友達を裏切った海未ちゃんなんかに!」

海未「だからこうして罪滅ぼしとしてうるさいあなたの口封じのために戻ってきたのですよ」

絵里「あなた最初私に偉そうなこと言っといて自分もなかなかのクズじゃない」

海未「今思えば盗みも戦闘も美徳とする捉え形によっては同じというのかもしれませんね」

絵里「興味ないわそんな話。じゃあね、エリーチカお家帰るから」ダッ

穂乃果「ダメだよっ斬鉄剣を返してくれなきゃ!」

海未「あなたの相手はこの私です」バシッ

穂乃果「邪魔しないでよ!ただでさえ色んな人を傷つけたのに今度は泥棒?どこまでも救えない人だね海未ちゃんは」

海未「あなたに理解される必要などありませんから」

穂乃果「じゃあ一つ教えてよ。どうして絵里ちゃんの味方をするの?」

海未「彼女は私に今迄とは違う生き方を教えてくれました。冷たい月の下で暮らしていた私の心に燃え盛る炎のような情熱を心に放ったのです」

穂乃果「たまにポエマーなこと言うとこは昔から変わってないんだね。意味わかんないよっ」ヒュッ!

海未「あなたも馬鹿なところは相変わらずですね。少しは変わったと期待したのですが」ギンッ!

穂乃果「そうだよ!馬鹿なとこは変わらない!だからもったいぶらずに教えてよっ!」

海未「恋ですよ!LOVE!いくつになっても、何年戦い続けても感じ得なかった魂の煌き!そして悟ったのです。恋とは素晴らしい、と」ブンッ!

穂乃果「ぅあっ!いててて…っ!!」

海未「勝負あり、ですね。一つの武道に拘っていては心眼は開きませんよ」

穂乃果「…腐っても海未ちゃんは海未ちゃんだね。また穂乃果は勝てないのかぁ…」

海未「なるべく楽に葬ってあげますよ。さよな

ことり「誰ですか!?暴力はいけませんよ~!」ダダダッ

海未「!また邪魔が入って…いつもこうですね…仕方ありません。私も引き上げましょう」ザッ

ことり「待ちなさ~い!と、言いたいところだけど今度ばかりは怪我人がいるからそっち優先しなきゃ。大丈夫ですかー?ってあれ?穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「あっことりちゃん…久しぶりだね」

ことり「大丈夫?痛いところは?誰にやられたの?」

穂乃果「待って待って大丈夫だから…海未ちゃんだよ。もう行っちゃったけど」

ことり「えっ?どうして海未ちゃんが?」

穂乃果「わからないよ。けど、一つだけわかったのは海未ちゃんが絵里ちゃんって美人さんのことが大好きだってことか…ん?どうしたのことりちゃん?」

ことり「あ、あ、あの人は~!!」

-絢瀬家-

絵里「ふぅ~。さっきはありがとね」

海未「私をここまで夢中にさせたのですから、あんなところで捕まってしまってはいけません!」

絵里「嬉しいわね。今度ご褒美あげるわ」

海未「本当ですかっ!?いつ?どんなシチュエーションですか!?」ズイ

絵里「まぁ…またいつか…ね…」

海未「楽しみです~」ルンルン

絵里「…それにしてもこの斬鉄剣…良い物ね。私が持つには勿体無いくらいだわ」

海未「自分で盗んでおいて何言っているのですか」

絵里(いきなり真面目なこと言われると困るわね…)

絵里「少しの間休憩にしようかしら。ここ最近動き過ぎた感じがするわ」

海未「そうですね、全国を飛び回っていましたから。あ、もちろん護衛はお任せくださいね!」

絵里「助かるわ。頼りにしてるからねっ」

海未「あ、ありがとうございます!死力を尽くします!」デレデレ


-警察本部-

花陽「たいへんですぅ~!」ダダダダダ!バタ-ン!

にこ「うっさい!もっと静かに入ってきなさいよ!で、用件は?ただごとじゃないみたいね」

花陽「はぁ…はぁ…実は~!」

にこ「ん?」

花陽「実はぁ~!!」

にこ「………」

花陽「広島で斬鉄剣という名刀が盗まれてしまいました~!」

にこ「たったそれだけのこと言うのになんでそんなに伸ばすのよ!しかも西じゃない!そんなの大阪の本部のやつらにやらせなさいよ!」

花陽「それがですね、どうやら私たちの活動が認められ、向こうで援護という形で協力の要請が来たみたいです」

にこ「協力?どういうことよ」

花陽「例の斬鉄剣を盗んだのは最近よく名の上がる怪盗エリーと名乗る盗賊で、彼女を西日本にいる内に取り押さえ、身柄を確保と同時にガサ入れというわけです」

にこ「ふ~んまぁ、にこたちの活躍に期待してるって言うんなら、しょーがないわね~!怪盗エリーとかいうふざけた女に一泡吹かせてやろうじゃない!」

多忙により更新が遅れてしまい申し訳ありません
ようやく落ち着いてきたため随時更新していきます

花陽「でも…にこ先輩、やつを捕まえる手立てはもう考えて初めていかなければいけません。何か案は…」

にこ「まぁ大体は決めてあるわ。あと…うちんとこじゃ先輩禁止よ」

花陽「ええっ!?もう考えてあるのぉ!?流石にこ…ちゃん」

にこ「知り合いに情報通がいてね。変なやつよ、だいぶ。でも嫌なやつじゃないから何かしら役には立ってくれるはずよ」

-占いの館”スピリチュアルのぞみん”-

希「いらっしゃ~い…ってあっ!にこっち久しぶり~!」

にこ「ん、久しぶりねっ希」

希「隣の子は初めてやね。名前は?」

花陽「警視の小泉花陽ですっよろしくお願いします!」

希「花陽ちゃんかぁよろしくね!それで、にこっち今日は何しに来たん?」

にこ「今全国でよくわからない強盗がいるでしょ?あいつの居場所を抑えるために何か知ってることあったら教えてほしいんだけど」

希「んーと、ああ、あの怪盗エリーのこと?ならそうやね…あの子に妹がいるのは知っとる?」

にこ「!?そんなの初めて聞いたわよ!?あ、足はついてるの?」

希「足がついてる、なぁ…うーん…悲しいこと言うなぁにこっちは」

にこ「?どういうことよ?」

希「詳しいことはそのうち教えるから。まぁ都内にいることは確かやね」

にこ「そ、それがわかっただけでもデカいわ!!でもなんで他の詳細は言ってくれないのよ?」

希「それは…ごめん、ウチからは言えんよ…」

にこ「何よ!あいつに肩を入れるつもり?」

希「別にそういう訳やないよ…ただ…」

にこ「はっきりしないわね…まぁいいわ!希、今日はありがと!花陽!早速調査に行くわよ!」

花陽「ええっ?もう行っちゃうのぉ?あっ引っにこちゃん張らないでっ…だっ誰か助けてぇ~!」

希「ほなまた来てな~!」

希「…ごめんにこっち…ホンマに言えないんよ。ウチには…ウチにはあまりにもえりちが可哀想過ぎて」

-絢瀬家-

絵里「あ~お腹空いたぁ~」

海未「そう言うと思って作っておきましたよ。ザッハトルテです」

絵里「ハラショー!私これ大好き!」

海未「ぅ私と!私と…どっちが好き…ですか?///」

絵里「もちろんどっちもよ」チュ

海未「も、もう!絵里はずるいです///」

ピンポ-ン

海未「どなたでしょうか。私がいきますね」キリッ

絵里「(また急に…器用なのか不器用なのかわからないわね…)変ね。通販とか宅配とか頼んだつもりはないんだけど」

海未「はーい御用件は何でしょ

ガチャ!

穂乃果「やっほー!海未ちゃん!絵里ちゃん!久しぶりっ!」

海未絵里「どうして穂乃果が!?」

穂乃果「あ!今2人ハモったね!」

海未「そんなことより!どうしてあなたがここを知っているのですか!」

穂乃果「えへへっ穂乃果の鼻は犬並みだからね~!」ドヤ

海未「ふざけていると頭吹き飛ばしますよ?」

穂乃果「冗談に聞こえないのが怖いよ…実はね、雪穂に教えてもらったんだ」

絵里「雪穂?聞いたことあるわね…亜里沙がよく雪穂って…穂乃果…雪穂…あっ雪穂ちゃんってもしかして!」

穂乃果「そう!雪穂は穂乃果の妹だよ!雪穂がよく亜里沙ちゃんと遊んでたから、亜里沙ちゃんにお姉ちゃんがいるっていうのは知ってたけど…まさか亜里沙ちゃんのお姉ちゃんが絵里ちゃんとは!聞いたときはびっくりだよっ!でも、2人ともすっごく可愛いから納得だよね」

絵里「ふふ、ありがとう。亜里沙がお世話になったわ。雪穂ちゃんにもありがとって言っておいて。でも…この場所を教えるくらいなら、既に亜里沙のことは聞いてるのよね?」

穂乃果「うん…辛いよね…でも、だったら尚更どうしてこんなことしてるの?亜里沙ちゃんのことなんてどうでもいいの?」

海未「あの…会話を遮って申し訳ないのですが、絵里、あなたの妹は一体どうしたのですか?」

絵里「はぁ…亜里沙はね、原因不明の難病に罹っているの。このままだと長くは持たないわ」






海未「!?そ、そうですか…あなたのことも知らずに私はずっとベタベタと付き纏って…最低ですよね、私」シュン

絵里(この子こういう顔もするのね)

絵里「別にいいのよ。なんだかんだ誰かといる方が私も落ち着くわ」ナデナデ

穂乃果「で、どうなの?絵里ちゃん!死んじゃうかもしれな

絵里「そんなこと言わないで!!」

穂乃果「っ!!」

絵里「どうでもいい訳ないじゃない!大好きな大好きな、たった一人の家族なのよ!でも、私にはどうすることもできないの!」

絵里「あの子と同じ境遇の人は日本だと指で数えられるほど。それほど珍しく、まだ治療法が確立してないわ。もちろん、薬を作る為には莫大な費用がかかる。だから…」

穂乃果「怪盗エリーと名乗って色んなものを集めたんだ」

海未「ですが、普通あまりにも有名な物を盗んではすぐに足がつきますよね。とてもお金にはならないじゃないですか」

絵里「そうね。確かに、国内では、お金にはならないわ。でも、世界で見たら?海外の珍品を欲しがる金持ちのコレクターなんてごまんといるわ」

穂乃果「変だと思ったんだよ。あれほどいろいろ盗んできたのに家にはほとんど何もないんだもん」

絵里「収集家ってのは、意外と物の出自に頓着ない輩が多いわ」

海未「つまり過去に盗んだ物の現在は知らない、と」

絵里「そういうことよ」

穂乃果「悪だねぇ…でも…根っこから悪ってわけではないんだから…穂乃果には何も言えないよ…」

穂乃果「あ…でも、そんな金銭面で仕方なしにっていう割にはすっごく楽しそうに盗んでいくよね!なんで?」

絵里「そんなの…楽しいからに決まってるじゃない!」キラッ

穂乃果「えっ…」

絵里「自分が日夜考えた作戦にまんまと馬鹿が嵌るのよ?こんなの愉快痛快山の如しね!」

海未(訳がわからないのは私だけでしょうか…)

絵里「確かに亜里沙のことは心配よ。あの子のことを考えると眠れないくらい。でも、だからこそ私は楽しまなきゃいけないの!スリルってやつをね!」

絵里「亜里沙が一番不安なのよ。私しか頼れる人がいないのに私が下を向いてたらどう思う?余計悲しくなるに決まってるじゃない!」

海未「愛する妹を不安にさせない為に国宝にも手を出すとは…なんとも大きな行動を起こすのですね」

絵里「国が何でもかんでも甘いのよ!大事な物には鍵くらいしっかりかけときなさいっての!あはははっ!病気で苦しんでいる身寄りのない子に支援しなさいっての!ふふっ…」

海未「絵里…」



穂乃果「本当の絵里ちゃんは、どっち?」

絵里「…わからない」

絵里「怖いの、自分でもどれが本当の自分かわからないから。毎回盗む度に違う自分がいるのよ。誰かの前では絶対にスリルを楽しむことを演じているんだけど…本当に楽しんでいる時もあれば、何もしてくれない国に対して怒りをぶつける為に盗むこともあるし、亜里沙の為だけじゃない、同じ病で苦しむ人たちの為にって仕方なしに盗むこともある…」

穂乃果「ごめんね意地悪なこと言って」

穂乃果「それはね、全部絵里ちゃんなんだよ。良い人も悪い人も全部」

絵里「穂乃果…」

穂乃果「穂乃果だって、悪いこといっぱいしてるよ!この前の記念館だってそう!ワガママ言っちゃうことだっていっぱいあるし、雪穂のロールケーキ食べちゃったり剣の手入れを怠けちゃうことだってある!海未ちゃんにも厳しさの中に優しさがあったりするし、みんな誰しも一貫した性格なわけじゃないんだよ!」

海未「穂乃果…!私のこと

穂乃果「まぁ海未ちゃんが最低な人なことには変わりはないんだけどね」

海未「うっ…」

穂乃果「絵里ちゃんがどんな人だっていい!凶悪犯だっていい!だから…絶対亜里沙ちゃんを助けてあげてね」ニコッ

絵里「穂乃果…ありがとう」

穂乃果「そういえば!ことりちゃんがねっ絵里ちゃんに怒ってたよ!なんでだろ?」

絵里「さぁ?どうしてかしら」ニヤ

穂乃果「やっぱ絵里ちゃん悪だねぇ…」

穂乃果「バイバイ絵里ちゃん。盗むのもほどほどにね!」

絵里「穂乃果、今日はありがとう。これ、持っていきなさい」カチャ

穂乃果「あ、斬鉄剣!」

絵里「これをどうするかはあなたが決めて。でも一つ言わせてもらうと、この剣、本当は…」

穂乃果「知ってるよ!だから穂乃果も行ったんだ!じゃあね!」


絵里「本当は毛利元就なんて全く関係ないのよね?」

海未「もちろんです!あれは間違いなく穂乃果のご先祖様の刀匠が作った名刀ですから」

絵里「海未はいつからそんなの知ったのよ」

海未「私がまだ未熟な頃お父様がよく話してくださいました。おまえの友達のご先祖様はすごい刀匠だったんだぞ、家の家宝の、なんでも斬れると言わしめた斬鉄剣という名刀を作った人なんだぞ、と」

絵里「それでおかしいと思ってあなたも取り返しに来たってわけね。どうして穂乃果に言ってあげないのよ」

海未「穂乃果からしたら、私なんて裏切り者の浮浪者ですからね、信じてもらえる筈がないのです」

海未「まぁ、小競り合いになった時は私も火がついて本気で穂乃果を仕留めようとしましたが…」

絵里「そういうとこ不器用なんだから」

海未「本当の理由は、あなたのためですよ。この気持ちにだけは嘘はつきませんから!」

-東京-

花陽「この辺りだね」

にこ「さっそく聞き込みよ!あのおばさんにアタックにこー!」

にこ「こんにちは!すいませんが、絢瀬亜里沙という女の子のことは知っていますかー?」

おばさん「あら可愛い。お巡りさんのコスプレする子なんて珍しいわね」

にこ「ぬぁんですってぇ?」

花陽「にこちゃん!怒っちゃダメだって」

花陽「えっと、すいません、絢瀬亜里沙という女の子がこの辺りに住んでいるって聞いたのですが」

おばさん「あぁ!知ってるよ。ロシア人のクォーターなんだってね。綺麗な子でねぇ。お姉ちゃんもいるらしいんだけど私はお姉ちゃんの方は見たことないねぇ」

花陽「知っていますか!今どこにいるかまでは…」

おばさん「なんだか大変な病気に罹ったって聞くよ!気の毒だねぇ。あの近くの総合病院にいるらしいね」

花陽「わかりました!ありがとうございますっ!」

にこ「ふんっ!」

花陽「もう…ダメだよぅ」

にこ「いや私だってくだらないことには腹を立てたりしないわよ。でもね、コスプレよ?コスプレ!幾ら何でもこれは許せないわ!」

にこ「まぁ、それはもういいとして…総合ね、行ってみましょ」

最悪です…また投稿が反映されずに一から書き直しです…(因みに3度目)
コピーも上書きしてしまい詰みました…はぁ

-院内-

にこ「あの子で間違いないわね」

花陽「うん、ほら写真もあるよ」

にこ「ハーフ?綺麗な髪ね…よし」

にこ「突然の訪問で申し訳ないけど、ちょっと話を聞いてもいい?」

亜里沙「えっと…ごめんなさい、どなたでしょうか?」

にこ「あぁ、ごめん、自己紹介が済んでなかったわね。私は矢澤にこ、警察よ。んでこっちが」

花陽「同じく小泉花陽です」

亜里沙「警察の方ですか…すいません、姉がご迷惑をおかけします」ペコリ

にこ「ほんっと困ったやつよね!妹が病床に伏しているってのに自分はどっかでひと暴れした後ゆっくり休暇よ?ありえないわ」

亜里沙「…お姉ちゃんは今はちょっとよくわからない人になってしまいましたが、昔は本当に頼れる自慢の姉だったんです」

花陽「お姉さんがどんな方だったか、少し具体的に教えていただいてもいいですか?」

亜里沙「お姉ちゃんはかっこよくて可愛くてスタイルが良くて、運動も勉強もできて、誰とでも仲良くなれるけど、間違っていることはしっかり注意できる人なんです!あとちょっとドジなところもあって、あとは…」

にこ「所謂完璧人間てとこね。いるのよねぇ、天才が故にどっかで道を外したやつってのが」

花陽「ふふ、お姉さんのこと、本当に大切に思っているのですね」

亜里沙「はい!どんな人になっても私はお姉ちゃんのことが大好きですから!」

にこ「そう…」

亜里沙「?どうかしましたか?」

にこ「私にも妹がいてね、いつも私のことを応援してくれるのよ。私が言うのもおかしいけど、本当に良い子たちよ。あの子たちの為なら私は命を懸ける覚悟があるし、あの子たちの為なら正義とか悪とか関係無しに戦えるって思ってるの」

にこ「あなたの姉ははっきり言えばどうしようもないやつよ、天も見放すくらいね。でも、こんなに大事に思ってくれてる人がいるってことは…いえ、なんでもないわ。ごめんねいきなり押しかけちゃって。今日は協力してくれてありがとね」

亜里沙「いえいえごめんだなんて!この部屋にいると退屈で仕方ないのですから、こうして誰かと一緒に話せることが本当に嬉しかったです!私の方こそありがとうございました!」

花陽「今日は協力してくださりありがとうございました!私でよければまた来ますから!」

亜里沙「本当ですか?嬉しい…!ありがとうございます!」

にこ「じゃあね、体調悪くなったらすぐにナースコール押すのよ」

亜里沙「わかりました!お二人も気をつけてください!」フリフリ

花陽「良い妹さんだったね。あんな良い子がどうして不幸な目に会わなきゃいけないんだろう…せめておうちの人…は、あの人しかいないから誰も来ないのかぁ…かわいそう」

にこ「おかしいと思わなかった?」

花陽「えっ?」

にこ「あんた、あの部屋に飾られてる花見た?」

花陽「ごめん…なさい。見てなかった…」

にこ「まぁいいわ。あの子の部屋に飾ってあったの、ブリザードフラワーじゃなくて生花だったのよ」

花陽「あっ!…でも、生花は病室ではあんまり良くないんじゃないの?」

にこ「そうね、確かに生花だと手入れしなきゃいけないから大変よね。看護婦さんたちもそんな暇ないし。でも」

花陽「でも?」

にこ「もし頻繁に替えてくれる人がいるとしたら?」

花陽「なるほどね!」

にこ「これからはそういう細かいとこも見なきゃダメよ」

花陽「うん!流石にこちゃんだね」ニコ

にこ「ふん!な、何言ってんのよ早く行くわよ!」

にこ(あいつ…腐っても妹思いなところはあるのね。やっぱどこの姉もそうなのよねぇ)

-ホテルの一室-

海未「銀行強盗…ですか?」ポカ-ン

絵里「そうよ」

海未「なかなかハイリスクですが…」

絵里「もちろんあそこよ。わかるでしょ?」

海未「はい、ですが…眉唾物の話ではないのですか?」

絵里「その心配は要らないわ。情報源が確かなものだから」

海未「…信じますからね、あなたのこと」

絵里「ふふっありがと。私も海未の働きに期待しておくから」

海未「………」ニコニコ

絵里「…何よ?ニヤニヤして」

海未「いや、私はただいつも通りのあなたが見れて良かっただけですよ」

絵里「いつも通り…そうね。これが私。仕事の顔ってやつよ」

絵里「さぁーやるわよ!世界中の銀行は私の貯金箱ってね!」

-喫茶店-

凛「かーよちん!久しぶりにゃ~!」

花陽「凛ちゃん久しぶりだね。元気にしてた?」

凛「もっちろん!凛はいつでも元気全開りんりんりんにゃ!」

にこ「はぁ?何よそれ?センスのカケラもないわ!」

にこ「今回はぁ、にこにーが特別に見本を見せてやるにこー!」エイギョ-モ-ドオン

凛「………」

にこ「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこー!にこにーって呼んで?ラブにこー!」

にこ「決まったわね!」フンス

凛「ちょっと、じゃないや…大分寒くないかにゃ…」

にこ「ぬぁんですってぇ?」

凛「よくそんなの人前でやれるなーって」

にこ「あんたには言われたくないわよ!」

花陽「誰か助けてぇ~!」


花陽「お店の中だよ!?」プンプン

にこ凛「ごめんなさい…」

花陽「もう…まあそれはいいとして、凛ちゃんはまだ続けてる?」

凛「うん!スタントマンは凛にぴったりにゃ!」

にこ「へぇ、まぁあんた身軽そうだしね」

凛「にこちゃんには言われたくないにゃ」ジ-ッ

にこ「何か言った?」ギロ

凛「な、何も言ってません…」

花陽「うん?にこちゃんはなんで怒ってるの?」

にこ「それは嫌味?」ギンッ!

凛「かよちん…とりあえず謝っておいた方がいいにゃ」

花陽「ひっ!?ご、ごめんなさい!」

にこ「ふん!まったく…本題に入るわよ!あんた、突然で悪いんだけど私たちに協力してくれない?」

凛「いいよ」

にこ「速っ!まだ何も説明してないじゃない!いいの?」

凛「もちろんにゃ!友達が困ってる時はすぐ助けなきゃ」

にこ「あ、ありがと…とりあえず聞いときたいんだけど、この女知ってる?」ピラ

凛「う~ん…凛はちょっと知らないかにゃあ…」

凛「この人がどうかしたの?」

花陽「この女の人があの怪盗エリーなんだよ」ボソ

凛「えっ!?あの今話題の?」

にこ「そうよ。私たちは今こいつをお縄にかけるために躍起になってんの。でも私たちの立場的にあいつも警戒するでしょ?だから一般のあんたに協力してほしいってわけ」

凛「なるほど…もし見かけたら伝えればいいんだよね?」

花陽「うん。捕まえられそうなら捕まえちゃっていいよ。懸賞金すごいし」

凛「本当!?テンション上がるにゃー!」

凛「あ、でもどこにいるかはわからないんだよね?」

にこ「その心配は要らないわ。あいつは確実にこの辺りにいる。本拠地の東京に帰る前に絶対ここは通るからよ」

凛「へぇ~すごいにゃ。よくそこまでわかるにゃ」

にこ「ま、私も結構この仕事してるからね。じゃ、よろしく頼むわよ」

凛「任せるにゃ!」

気づけばもうμ’s全員登場してましたね
この話もそろそろ終わりの方向へ行かなければ
関係ないですがけものフレンズ面白かったです
…私情はこのくらいにして、更新します


凛「ごめんねかよちん。凛は一つ嘘をついたにゃ」

凛「確かに何かと危険な仕事ってことは変わらないんだけど…」

凛「とても堂々と職として言えるものじゃないよ」


海未「普段は車は使うのですか?」

絵里「前は1人だったから滅多に使わなかったわ。足がつきやすいし。だから今回のこの車もレンタルで用が済んだらポイっとね」

海未「相変わらず悪い人です」

絵里「ふふっいいのいいの。とりあえず下見するわ。海未、変装は?」

海未「ばっちりです!」ポス

絵里「あなたはやっぱそういうダンディーな格好が似合うわね」

海未「えっ!?あ、ありがとうございます//」

絵里「でもその帽子は何なのよ?」

海未「これですか?これはある有名な早撃ちのプロフェッショナルの方のオマージュです」

絵里(影響されやすいのね…)


絵里「昼間は人が多かった割に夜は少ないわね」

海未「そうですね。何か訳ありなのでしょう」

絵里「特に嫌なことなきゃいいけど……!?海未!前に人!!」

海未「なっ!?そんな急には無理ですっ!」

キイイィィィドンッ!

凛「うぅ…」

絵里「大丈夫?ケガない?」

凛「ケガは…ないですけど、ちょっと頭…打った気がします…」

絵里「マズいわね…」

凛「とりあえず…病院行きますので」

絵里「本当にごめんね。治療費私が出すか

海未「あなたも運がないですね」カチャ

海未「正直に吐かなければあなたの命はありませんよ」

凛「ひっ!?」



絵里「ちょっと海未!何してるの?」

海未「星空凛。学生の頃に観た映画に感化されスタントマンを目指すも環境に恵まれず挫折し、養成所で学んだ経験を生かし主に成金狙いの当たり屋となる、といったところですね」

凛「ど、どうしてそこまで割れてるにゃ…」

海未「かつて私の所属していた組織であなたに嵌められた男がいましてね。他にもいくつか被害があったので骨の髄まで調べあげたという訳です。もう私には関係のない話ですのでどうでもよかったのですが、恐らく彼の身体は今頃魚の腑にでもあるのでしょう。折角の機会ですし、あなたも同じ目に合ってはどうでしょう?」

凛「い、嫌…助けて」ガタガタ

海未「仕方ないですよね、相手が悪かったのです。呪うならあなたの不幸を呪いなさい」

絵里「待ちなさい」

海未「なんですか?」

絵里「あなたのさっきの一連の流れ…演技だって言うの?」

凛「は、はい…」

絵里「ハラショー…!すごいじゃない!」

海未凛「えっ?」

絵里「私には全くわからなかったわ!実に鮮やかね!ねぇ、もう1回見たいの。お願い!」

凛「わ、わかったにゃ…」

絵里「どのタイミングにしようかしら。どうせなら見ててムカつく車種を狙いましょ!あっあれ!あれよ!」

凛「えっ?あっ…あれは…む、無理にゃ」

海未「死の間際に差し込んだ希望の一閃である絵里の慈悲を無駄にするということはあなたも海に沈む覚悟があるということで?」

凛「や、やるにゃ…でも…」

凛「流石にパトカーは…無茶振りにも程があるよ…」


絵里「一般市民を撥ねるパトカー…信用が地の底へ落ちる瞬間を見れるなんて…ふふっ面白そうね!」

凛「で、でも一応警察の顔くらいは見ておきた

海未「まだ不安があるのですか?」

凛「にゃ、ありません!」

海未「よろしい。行きなさい、パトカーアタックです!」

絵里「何よそれ…」


凛「警察が乗り込んで、パトカーが発車して、10m進んだところで飛び込むにゃ」

絵里「あいつらどんな顔するのかしら?」

海未「サツが来ましたよ。凛、行きなさい」

凛「よし…」

ドンッ!

凛「うっ…!」ドサ

ことり「はわわわ…どうしよう…!!と、とりあえず大丈夫ですか?」

絵里「あら?」

凛「う、うん…でも、ちょっと頭打っちゃったみたいにゃ」

ことり「ごめなさい!ごめんなさい!とりあえず連絡を入れるので!」

凛「あっ!それは困るにゃ」

ことり「でも!私が起こした不祥事ですから!」

凛「大丈夫にゃ。凛急いでるし」タッタッタ

ことり「ああっちょっと!」

ことり「どうしよう…私また…」






絵里「大成功じゃない!しかも何故か相手はあのとろいことりだったから2度美味しいわ!」

海未「ことり…?いや、まさかそんなはずは…」ブツブツ

絵里「見た?あの子の慌てっぷり。傑作ね!」

凛「あはは…」

絵里「じゃあ、頑張った凛に、私からのご褒美よ」チュッ

凛「にゃにゃ??ほっぺに…///」

海未「あっ!ずるいです!私にもしてください!」

絵里「ダメよ」

海未「どうしてですか!?」

絵里「最初凛のこと虐めたでしょ?こんなに可愛い凛のことを」

海未「あ、あれは!その…」

絵里「最低ね、海未」

海未「そんなぁ~酷いですぅ…」

凛「凛のこと…可愛いって…///」

絵里「ええ!凛は妹みたいで可愛いわ。絵里って呼んで」

絵里「これから私に協力してくれる?」

凛「もちろんにゃ!絵里ちゃん」

-大阪本部-

にこ「何よ!?人轢いた?あんたが?」

ことり「はい…やっちゃいました…」

にこ「ぴぃ!やっちゃいましたぁ…じゃないわよ!何やってんのよあんたは~っ!!」

花陽「にこちゃん落ち着いて…」

にこ「落ち着いていられるかっての!あんた、配属は?」

ことり「東京です…」

にこ「はぁ?まずなんであんたがこんなとこほっつき回ってんのよ!?」

ことり「怪盗エリーを追っていたらいつの間にかこっちに…」

にこ「なんで腹立つ原因に毎回必ず関わってんのよあの女はー!あのイライラ皆勤賞はどこまで私をおちょくったら気がすむのよ!」

花陽「ほら調査進めよ?あっ目撃情報と一緒に写真来たよ!怪盗エリーの」

にこ「そんなの今見せんじゃないわよ!」

花陽「もう…どれどれ…えっ…?嘘でしょ…」

にこ「何やってんのよ。どれ…はぁ?ちょっとどういうことよこれ!?」

花陽「ど、どうして凛ちゃんが怪盗エリーと一緒に写ってるのお!?」

絵里「はいっこれで作戦の説明は終わりよ」

海未「作戦と呼ぶにはあまりにも大雑把すぎる気がするのですが…」

絵里「しょうがないじゃない。途中で上手くいかなくなることだってあるでしょ?」

海未「確かにそうですが…とりあえず確認しておきましょう」

海未「まず絵里が金庫に忍び込む。次に鍵を壊し、凛が金を運ぶ。そして私が車を用意し、追手を払う、と。車に金を運び入れる為の穴はいつ掘るのですか?」

絵里「今からよ!早く用意しなさい」

海未「なっ!?そういうことは早く言ってくださいよ!」

絵里「私のサイドキックになりたいのならそのくらい察しなさいよ、ね?凛」

凛「そうにゃ!そうにゃ!」

海未「………わ、私はまだ認めていませんからね!あなたのこと!」ギロ

凛「鋭利な視線が目に痛いにゃ…」

絵里「あら、妬いてるの?みっともないわよ」

海未「ち、違います!違います!」

絵里「ほらほらもう行くわよ」

海未「一つ聞きたいのですが」

絵里「何?」

海未「掘った穴はどうするのですか?普通バレますよね」

凛「確かに隠す方法を知らないにゃ。絵里ちゃんどうするの?」

絵里「そ、それはね…どうしようかしら…」アセアセ

海未「全く無計画なものです」

絵里「あ!穴の上に車を停めておくのはどう?」

凛「でも銀行の前じゃ、ずっとは停められないにゃ」

絵里「普通の車じゃ確かに無理ね。でもずっと停められる車があるわ!」

凛「えっ?なになに?」

絵里「ふふっそれはね…」ニヤリ

海未「いつもの悪いことを考えている時の顔ですね…」

凛『もしもーしかよちん?凛にゃ』

花陽『あ、凛ちゃんどうしたの?』

凛『あのね、南ことりって言う警察の人知らないかにゃ?』

花陽『知ってるも何も今いるよ。この前にこちゃんに怒られてたね。なんでも事故起こしたとか…ことりちゃんがどうかしたの?』

凛(よかった…かよちんは轢かれた相手が凛だってことは知らないみたいにゃ)

凛『あ、えっと凛の知り合いの人が会いたいって言ってて…予定聞いてほしいにゃ』

花陽『わかったよ、今聞くから待っててね………明日じゃダメかな?丁度空いてるみたい』

凛『じゃあ明日でお願いするにゃ!ありがとねかよちん』

花陽『うん!じゃあね凛ちゃん…』


花陽『あ!やっぱ聞きたいことがあるんだけ

凛『バイバーイ』ガチャ

ツ-ツ-

絵里「随分強引に電話切ったわね…それはさておき、これでことりを誘き寄せることができるわ」

海未「………」

絵里「海未?どうしたのよ?」

海未「やはりことりだったのですか…」

絵里「あら?知り合い?」

海未「穂乃果と同じく幼馴染です。まさか警察になっているとは…会わせる顔がありません」

絵里「どうせ対面はしないんだからいいじゃない」

海未「ですが…その…」

絵里「足手まといになるつもりなら置いてくわ」

海未「すいません、考えても仕方ないですね。では、軽く作業に入りましょうか」

-翌日-

ことり「銀行の近くにあるお店って言ってたよね、えーとここかな?」カランコロ-ン

店員「南様でしょうか?あちらでお客様がお待ちになっていますので」

ことり「わかりました、ありがとうございます…誰だろう?結局教えてもらえなかったよ」

絵里「遅かったわね」

ことり「すみません!お待たせしまし…え、絵里ちゃん?」

絵里「こうして2人きりで話すのも久しぶりね。いいトコでしょ?ここ、個室があって私のお気に入りなのよ」

ことり「どういうつもり?」

絵里「ちょっと車がダメになっちゃって。貸してくれないかしら」

ことり「ごめんね、私自分用の車ないの」

絵里「何言ってんのよ。いつも乗り回してる愛車があるじゃない」

ことり「え?愛車?うーん…あ!ダメダメ!あれは仕事の時だけだよ~」

絵里「いいじゃない。私1回自分で運転してみたいの。どうやってサイレン鳴らすの?」

ことり「ダメです!」

絵里「お・ね・が・い!」

ことり「ダーメ!」

絵里(今日も早めに落とさなきゃね)

絵里「ねぇ、どうしてダメなの?」

ことり「ダメなものはダメだからですっ!」

絵里「私のこと、嫌い?」

ことり「えっそれは…」

絵里「あぁ、最愛のことりにも見捨てられるなんて、私はどうしたらいいのかしら」

ことり「!!もう騙されないから!」

絵里「あらそう、なら、怪盗らしく車以外もいただくことにするわ」ドン!

ことり「わっ!?ちょっと絵里ちゃんいきなりどうしたの?」

絵里「ロシアより愛をこめて」チュッ

ことり「っ!?こんなところで…」

絵里「楽にしてなさい」

ことり「きゃっ!?ちょ、ちょっと絵里ちゃん?くすぐったいよぉ」

絵里「もっと激しいのが良いの?」

ことり「うん…あっ違う!違うの!」

絵里「ふーんなるほどね」ニヤリ

ことり「いやぁぁぁあああ!!」



ことり「ぐすっもう…酷いよぉ…」

絵里「貸してくれるかしら?」

ことり「ダメって言ったら?」

絵里「もう1回戦行きましょ」

ことり「ぴいっ!?もう嫌ぁ助けて穂乃果ちゃ~ん!」

絵里「もうっ嫌ならさっさと出しなさいよ」

ことり「しょうがないなぁ…2つ約束守ってよ!1つは、10時間まで!もう1つは、絶対内緒にしてね!絶対だから!」

絵里「はーいありがと」

ことり「本当に最低な人ですあなたは!」

絵里「ふふっよく言われるわ」

絵里「じゃあね!車ありがと。銀行に停めとくから朝取りに来なさい」

ことり「えっ?ちょっと待って!置きっ放しは困…行っちゃった」

ことり「いっつもいっつも!こっちの気も知らないで///」

絵里「見て!車ゲットよ!」

凛「一体何をしたらパトカーが手に入るんだろう…」

海未「世の中には知らない方がいいことも沢山あるということを覚えておきなさい、凛」

絵里「さぁ、これで準備完了ね!そろそろ動きましょ」

海未「穴は完全に通しましたよ。屋内に忍び込んだら2つ目の長椅子の下から外へ出られます」

絵里「2人ともよくやったわ」

海未「ありがとうございます」

凛「凛も精一杯頑張ったにゃ!絵里ちゃんも頑張って!」

海未「絵里…」

絵里「どうしたの?」

海未「空が啜り泣いています。どうも良くない気がするのですが…」

絵里「まーた変なの詠んでるわね。詩でも書いてなさい」

海未「………」

絵里「大丈夫よ!」バシン!

海未「ぅみゃ!?痛いじゃないですか!折角人が心配しているというのにあなたは!」

絵里「馬鹿言ってんじゃないわよ!私はね、どんなものでも一度盗むって宣言したら身体がバラバラになったって盗むわ!」

凛「えっ!?絵里ちゃん死んじゃ

絵里「死なないって!喩えよ!私にはまだやらなきゃいけないことがあるからこんなとこで天に召されるわけにはいかないの」

海未「あなたの場合地獄行きは逃れられませんが」

絵里「何ですって?」

凛「あー絵里ちゃん怒ったにゃ!」

海未「逃げるは恥ですが役に立ちます!」

絵里「待ちなさーい!…って何してんだか」

海未「ふふっいつも通りやれば大丈夫ですよね」

凛」うん!うん!」

絵里「さて…やるわよ!」

-警察本部-

ことり「銀行ですっ!」」

にこ「何が?てゆーかあんたまだいたの?さっさと帰りなさい!」

ことり「本当です!怪盗エリーは確実にあの銀行に入り込みます!信じてくださ~い!」

花陽「情報源はどこからでしょうか…」

ことり「ずっと追い続けてきたからわかるんです!」

にこ「くっだらない理由ね。なんであんたを信用しなきゃいけないのよ」

花陽「にこちゃん…信じてみても、いいんじゃないかな?」

にこ「花陽まで何言ってんのよ?」

花陽「ごめんね、でも、私はかけてみてもいい気がする」

にこ「そ、ならしょうがないわね、ネズミ捕りでも仕掛けておきましょ」

ことり「明日は私が1日銀行に張り込みます!」

にこ「せめてもの情けってことですずめの涙くらいなら期待しといてあげるわ」

にこ「花陽は明日一応休みだったわね」

花陽「うん、亜里沙ちゃんの様子を見に行くよ。にこちゃんは?」

にこ「私は明日も出るわ。やっぱことりのことほっとけない」

花陽「そっか。なんだかんだいつも優しいね」

にこ「別にそういうわけじゃ…」

-翌日-

花陽「おはようございます!あれ?亜里沙ちゃんは?」

看護師「今朝容態が悪くなって手術して今は回復待ちです。このままではもうもって3ヶ月ですね…」

花陽「そ、そんなぁ!」

花陽「ごめんね亜里沙ちゃん…やっぱり私には何もしてあげられない…」

-銀行前-

絵里(これが終われば、亜里沙は…)

海未「絵里!時間ですよ!」

絵里「ごめんごめんちょっとぼーっとしてたわ」

凛「しっかりにゃ!」

絵里「行ってくる!」バッ

海未「上手くいくといいのですが…」

凛「大丈夫にゃ!絵里ちゃんだもん!」


絵里「暗証番号…まさかとは思うけど…」カチャッ

絵里「馬鹿じゃないの?誕生日で開いたわ…」

絵里「ハラショー!ずいぶん大盤振る舞いじゃない!」

絵里「とりあえず回収して海未と凛に運ばせなきゃね」

絵里「椅子の下…だったわね、よいしょ」

凛「あ!絵里ちゃん!上手くいったんだ!」

絵里「もちろん!後一往復するから頼むわね」

凛「任せるにゃ!」



絵里「さっきとはちょっと違うルートで行きましょ」

絵里「反対側から……痛っ!!なんでこんなとこにトラバサミ置いてあるのよ!」

ことり「ほ、ホントにかかった!やったぁ!」

絵里「ことり…やってくれるじゃない…!」

ことり「これで逃げられないね!確保ー

ごめんことりちゃん!!

ことり「うっ…」ドサ

穂乃果「今回だけ!特別だよっ!」

絵里「穂乃果!助かったわ!ことりは大丈夫なの?」

穂乃果「安心して!峰打ちだから大丈夫!ほら、早く行って!」

絵里「ありがとう!」


絵里「凛!これで最後よ!」

絵里「凛?凛!どこなの?返事しなさい!」

海未「絵里…申し訳ありません…」

絵里「海未!しっかりしなさい!どうしたのよ!?誰にやられたの!?」

海未「見知らぬ輩に急襲されました…凛は…私が逃しましたので…恐らく大丈夫です…」

絵里「海未!あなたがが全く大丈夫じゃないでしょ!」

海未「わたしは…だいじょうぶですから…あなたはは、はやく…はこばな…ければ…」

絵里「くそっ!誰よ!こんなことしてただで済むと思ってる阿保は!」

絵里「何これ…バッジ?あ…これ…前に見たことある!あいつ…絶対許さないわ!」


-廃ビル-

絵里「いると思ったわ…!覚悟しなさいよ!」

真姫「なんのことよ?私知らない」

絵里「とぼけないで!海未を襲ったの!あんたの仕業でしょ!!」

真姫「知らないわよ!私は忙しいの!まだまだ資金が足りないから!」

絵里「資金?」

真姫「事業に失敗したのよ!あんたの所為で!だから今新しく企業するための資金集めしてんの!私だって嫌に決まってるじゃない!こんな小汚いビル!」

部下「真姫様!お疲れ様です!」

絵里(ヤバそうなやつ来たわね。隠れましょ)ササッ

部下「裏切り者の始末つけておきました!」

真姫「え…」

部下「金目のものはあまり見受けられなかったので逃したもう1人のチビも捕まえてきますので」

絵里「…ねぇ」

真姫「ううっ…私…知らない…こんなこと…命令してない…」

絵里「ふざけんじゃないわよ!」ギリ

真姫「もう嫌…こんな世界…」

絵里「ここで被害者ぶるつもり?」

真姫「やれば?」

絵里「はぁ?」

真姫「好きにして。もう私楽になりたいの」




絵里「あなた…何を言って…」

真姫「もう私は疲れたの!本当はただ素晴らしい物を集めたかっただけなのに!薬剤師として普通に働きたかったのに!」

真姫「全部全部親に敷かれたレールを走らなければいけなかったのよ!夢も好きなことも取り上げられて!」

真姫「はぁ…はぁ…どうして…どうして私ばっかり嫌な目に会わなきゃいけないのよ!普通の暮らしをさせてよ!」

真姫「もう…本当に

ギュ

絵里「辛かったのに大変だったわね。よしよし」

真姫「やめてよ…!私はあんたの敵…!」

絵里「私はね、3つの条件が揃った子を見るとほっとけないの。
1つは美人であること。次に素直じゃないこと。そして、もう1つは私の敵であることよ」

絵里「誰だっていいのよ、甘えることくらい」

真姫「うぅ…グスッ…あったかい…」

部下1「おい!前のあの女だ!」

部下2「真姫様から離れろこのクソが!」

絵里「ぐっ!もう!レディは丁重に扱いなさいよ!」

真姫「ちょっと何してるのよ!」

部下1「撃てぇ!」

真姫「やめてぇーーーっ!!」


絵里「最後の声は…胸に沁みたわ…」

真姫「いやっダメ!ねぇお願い!」

絵里「…新しく始めるなら…製薬会社とか…どうかしら?」

真姫「わかったわ!もう喋っちゃ駄目!」

絵里「…やくそくよ」

-病院-

看護婦「先生!亜里沙さんが…!」

主治医「大丈夫です。ようやく完成しましたから…全て」

看護婦「!!もしかして、届いたんですか?」

主治医「一体誰があの莫大な資金を集めてくれたんでしょうね、これで沢山の人を救うことができます」


-東本部-

にこ「ことり!仕事中よ!何ぼーっとしてんのよ」パンッ!

ことり「あぅ…ごめんね、パトロール行ってきます!」

にこ「馬鹿!そんなの交番の仕事だっての!」

にこ「行っちゃった…花陽に連れ戻してもらいましょ」

にこ「…あいつ結局銀行の件以来一切聞かないわね」

にこ「私もそうだけど、姉ってのはどこか不器用なのよねぇ」

にこ「もしもーし花陽?あーことりがね…」

-病室-

亜里沙「あれ…今日は身体が軽い…」

雪穂「おはよ、体調はどう?」

亜里沙「いつもより良いです…ってあれ?雪穂!どうしたのその格好!?」

雪穂「えへへ、雪穂が頑張ってるのをもっと近くで支えてあげたかったから、私も頑張ったんだよ」

亜里沙「すっごく似合ってるよ!雪穂ならきっと多くの人を助けられると思う!」

雪穂「ありがと。じゃあまた来るから」

亜里沙「あ、待って!まだ気になることがあるの!」

雪穂「うん?どうしたの?」

亜里沙「私がいたのはベッドが1つの個室だったはず…なんで隣にも置いてあるの?」

雪穂「そこにはね、昨日まで変わった人がいたんだよ」

また反映されていませんでした…

亜里沙「変わった人?」

雪穂「うん、何処かから流れ込むように病院の入り口に来てさ、ちょっと隠れるついでに休ませてって言ったと思ったらそのまま気を失って大変だったらしいよ」

亜里沙「ぷっホントに変な人だね」

雪穂「変な人ってのはそれだけじゃないんだよ。ここに来た時は全身血塗れでなんで息してるのかわからないくらい酷い傷だったって!でね、そんな重傷なのに、3日経ったらケロッと何事もなかったかのようにチョコ食べてたんだよ」

亜里沙「ゴキブリみたいな人だね…」

雪穂「で、まぁ意識が戻っても身体が動かないから大人しくしてるかなーなんてみんな思ってたけどこれが大間違いで」

亜里沙「どうだったの?」

雪穂「どうしてもこの病室に入れて!って騒ぐわ暴れるわで手に負えなくなってしょうがないからってここに来たの!それからは割と安静にしてたよ…知らぬ間に勝手に病室を抜け出すまでは…」

亜里沙「悪い人だね…」

雪穂「もうみんな疲れちゃって。どうせあの人ならほっといてもすぐ治るでしょうなんて言って追いかけるのやめちゃったんだよ。ね?変わった…いや、おかしな人でしょ?」

亜里沙「あはは!亜里沙もその人見たかったな~」

雪穂「ふふっ」ニコ

亜里沙「雪穂?」

雪穂「すぐに会えるよ!ちょっとドジだけど、妹思いのいいお姉さんに!」

-占いの館-

希「ほぉ~待ち人、すぐに現れる、だって!よかったやん」

ことり「本当かなぁ…待ち人なんて…」

希「も~ウチのこと疑うつもり?そんな子にはワシワシMAXやで~!」

ことり「ごめんごめん!だって…ことりにはもう…」

希「ふふ案外どっかにいるんやない?」

ことり「そっか、そうかもね」


花陽「ええっ!?凛ちゃん警察になるのぉ!?」

凛「うん!だって、弱い人を守るために体張って頑張るかよちんなんてなんだか見ていられないから凛がサポートしなきゃいけないにゃ!」

花陽「うぅ…ありがたいけどちょっと複雑な気分だよ…」

凛「本当はね、凛もただ誰かの為に戦えたらなって思ったからだよ!」

凛「みんなどんな事情があって、何が正しいのか悪いのかなんて外側から見るだけじゃわからないにゃ。だから、あれこれ考えずに、困ってる人がいたらすぐ手を差し伸べて助けてあげられたらなって」

花陽「凛ちゃん…頑張って!花陽も応援するから!」

-高坂家-

穂乃果「はい、ほむまん!まずは体力付けないとね!」

海未「ありがとうございます。美味しい…こんなにゆっくり休むことができたのはいつ振りでしょうか…」

穂乃果「ずっと何かと戦ってたんだよね…絵里ちゃんを支えてくれてありがとね、海未ちゃん」

海未「いえ、私の方こそ絵里に感謝しなければいけないのです。彼女がいたから私は誰かを好きになる、ということの大切さを感じられました」

穂乃果「まさか海未ちゃんがこんなこと言うなんてね~」ニヤニヤ

海未「なっ!?穂乃果ー!」

-廃ビル-

にこ「汚ったないとこね~」

真姫「もう、余計なこと言いに来ただけなら帰ってよ!」

にこ「しょうがないでしょ?ワケあり物件には警察の立ち入りが必須なのよ」

真姫「ふん!大嫌い」

にこ「ぬぁんですってぇ?」

真姫「いいから早く終わらせなさいよ」

にこ「あんたねぇ~!」

真姫「…お茶淹れて待ってるから」ボソ

にこ「え?何か言った?」

真姫「な、なんでもないわよ!」

とりあえずここまで
今日明日中に完結です

とりあえずここまで
今日明日中に完結です

-本部-

花陽「た、た、た、大変ですぅ~!!」

ことり「どうしたの?」

花陽「装備保管用の倉庫が何者かに開けられてしまいました~!」

ことり「……!!」

ことり「私、行きます!」

花陽「へっ?」

ことり「倉庫の中見てくる!」ダッ


ことり「特に荒らされた形跡とかはないみたい」

ことり「あっ!こんなところに落書きしてある!なになに…」

ことり「…ごくろうさん…?」

ことり「変なの…」


花陽「どうだった?」

ことり「気になることは特にはなかったかなぁ」

花陽「そっか、お疲れ様」

ことり「ありがとう!また明日ね」

-商店街-

ことり「ここ通るの久しぶりかも」

ことり「なんだか少しだけ寂れちゃってるなぁ…

飯屋のおっちゃん「食い逃げだ!誰かあの女捕まえてくれぇー!!」

ことり「えっ!?こ、こらー!待ちなさーい!」

ふふっ待つわけないじゃなーい!

ことり「この懐かしい感じ…もしかして…!」

ことり「ううん、そんなわけないよ……待てー!」

捕まえられるものなら捕まえてみなさっ…

ズルッビタ-ン!

いったー!もう!誰よこんなところに水撒いたの!

ことり「よーし今捕まえますから!覚悟し…うそ…」

絵里「ふふっ久しぶりね」


ことり「えっあっ…ど、どうして?」

絵里「どうしてって…まぁその、今お金持ってなかったのよ」

ことり「そうじゃなくて!」

絵里「なんで私がいるかってこと?そうね…逆に私が消えちゃうと思う?」

ことり「…思わない」

絵里「そういうことよ」

ことり「わけがわからないよ…」

絵里「ことりもまだまだね…ってどうしたの?」

ことり「うぅっほんとに、ほんとに良かったよぉ」ポロポロ

絵里「心配かけちゃってごめんね」

ことり「絵里ちゃんもうどこにも行っちゃダメだからぁ」グスッ

絵里「あ!ちょっと!服に鼻水付けないでよ!」

絵里「全くもう……!ことり!来て!」

ことり「わぁっ何?」

絵里「ほら!向こう!」

ことり「うわぁ綺麗な夜景…!」

絵里「そういえば前にもこうして2人で見たわね」

ことり「うん!あの時の絵里ちゃんすっごくかっこよかった」

絵里「私はいつでもクールよ?」

ことり「でもさっき思いっきり転んでたよね」

絵里「うっいいじゃない!たまにはドジだってするわ。それが愛嬌ってものよ」

ことり「…ねぇ絵里ちゃん」

絵里「あら、どうしたの?」

ことり「これからどうするつもり?」

絵里「さぁ?私は私のその時やりたいように生きていくわ!いちいち細かいことを考えるのはもうおしまい!」

絵里「決めたっ!ここから向こうの自販機まで競走よ!負けた方ジュース奢り!」ダッ

ことり「ええっ?絵里ちゃんお金持ってないじゃん!」

絵里「つべこべ言わない!置いてくわよ」

ことり「あぁ待ってよ~!」

これで怪盗エリーの恋泥棒はおしまいです
一月もの間お付き合いしていただきありがとうございました
またここかラ板で短編集を出すつもりでいるのでそちらの方も是非見ていただけたら幸いです
では!

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