堀裕子「おおっとテレポーター」 (19)
P「……何やってるんだ?」
裕子「見てください!!私のサイキックテレポートが見事成功しましたよ!!」
P「なんて嬉しそうな顔で壁に埋まっているんだ」
裕子「いやー!テレポート先が予定とちょーっとだけずれちゃいましたね!!」
P「上半身だけ壁から生えているのはすごい怖いんだけど」
裕子「そんなことは些細な問題です!!」
P「重大な問題だと思うよ?」
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裕子「あー、このテレポート実験の様子を動画に撮っておけばよかったですね。残念です」
P「そんな動画撮ってどうするんだ?FBIかCIAにでも送るのか?」
裕子「YouTubeにアップしてアフリエイト収入を」
P「それでいいのか堀裕子…」
裕子「それにしてもテレポート…、ふふふっ♪」
P「そんなにうれしいのか?」
裕子「だってテレポートですよ!さいきっくですよ!これはもう天下の天才美少女さいきっかーユッコを堂々と名乗ってもいいということですね!」
P「今まで堂々と名乗っていなかったというのか」
裕子「それは置いておきましてもうれしいんです!」
P「そんなにうれしいならこのままでいいか」
裕子「助けてください!!」
P「てか壁に埋まっている下半身ってどうなっているの?」
裕子「う~ん、感覚的には埋まっている感はないですね!壁に突き刺さってる感じでしょうか?」
P「突き刺さっているって?この壁の向こう側って外だよね?」
裕子「そうですね!」
P「……ここ7階だよね?」
裕子「なんだかすーすーしますね!!」
P「ヤバくね!?ビルの外に裕子の下半身が出てるってこと!?」
ドアバーン!
ちひろ「たいへんです!!事務所のビルの壁に女の子の下半身がっ!?」
P「やっぱり!!」
ちひろ「野次馬が騒いでいます!!」
P「やべえよやべえよ…」
裕子「はっ!そういえば今日はスカートを履いてきていました!」
P「即野次馬を解散させろッッ!!」
ちひろ「早苗さんと雫ちゃんが頑張って散らしていますが動画を…」
P「それはマズい!!即まきのんを投入!」
ちひろ「ネットにアップされるとマズいですね」
裕子「そうですよ!!私のアフリエイト収入がッ!」
P「そうじゃねえよ!?何そのアフリエイトに対するこだわり!?」
裕子「はっ!?そうですね、私のスカートの中が…」
P「あっうん。それもそうだけど」
裕子「もっと可愛いのを履いてくればよかった//」
P「それもちがーう!」
裕子「今日はさいきっく柄ですね//」
P「何それすっごい気になる」
ちひろ「おい」
P「さて、どうやって抜くか…」
裕子「痛く、しないでくださいね//」
P「いま顔を赤らめる要素あったか?!」
裕子「へ?だって壁に美少女が突き刺さっていたらヤルことはひとつじゃないんですか!?」
P「ナニを想像してるというんだ…」
裕子「べべべべつにスマホの広告で気になったから見ちゃっただけですぅ!!」
P「あれ実際に見る人いたのか…」
裕子「あっ…、うぅ…、ちょ//」
P「急に色っぽい声を出してどうした?」
裕子「誰かが壁の向こうで…私のお尻を//」
P「ここ七階だろ!?」
ドアばいーん!
雫「プロデューサーさん大変ですー!外に突き出た裕子ちゃんのおしりにカラスが群がってますー!」
P「なんじゃそりゃ!?」
裕子「あっ、通りでなんか感触が固いわけですね」
P「なんでそんなに冷静なんだユッコは…」
裕子「やはり私の溢れんばかりのさいきっくぱぅわーは生きとし生けるもの全てを魅了してしまうの…痛い痛いッ!!」
ちひろ「おもいっきりつつかれてますね」
裕子「流石にしゃれに痛ッならな痛ッいですね。早く助けてイタタ!!」
P「サイキックでなんとかならないのか?」
裕子「困ったらサイキックに頼るのはやめましょう!冗談じゃなくヤバいんで!」
P「それユッコが言っちゃダメだろ」
ちひろ「あっ、ヤホートレンドに都心のビルにカラスが群がる画像が」
P「まきのんー!!早く来てくれー!!」
裕子「ふっふっふ…、まさかこんな形でさいきっく全国デビューすることになるとは!」
P「今後のプロデュース方針に支障が出る売れ方はやめてくれ…」
裕子「といいますかマジに早く助けてくださ…んんっ」
P「どうした裕子?なんかもじもじして…」
裕子「べべべべ別にお手洗いに行きたくなったなーっなんて思ってませんからね!」
P「漏らすなよ!?絶対漏らすなよ!!」
裕子「あっこれちょいとマズいですねあはは…」
P「ちひろさーん!裕子を引っ張り出しますよ!!雫も手伝って―!」
ちひろ「ええっと、どうやりましょうか?」
P「大きなかぶ方式で行きましょう!俺がユッコをひっぱるのでちひろさんと雫は俺を引っ張ってくれ」ぐいっ
ちひろ「わかりました」ぐいっ
雫「わかりましたー」ばいんっ
P「おっ!ちょっと動いた!!ふたりとももっとしっかりと俺を引っ張って!」ぐいぐいっ
ちひろ「はっはい!」ぎゅっ
P「そうそうもっと密着するように!」
雫「こうですかー?」むにゅ
P「あー!いいですねいいですね!!もっと押し付けるような感じで!!」
裕子「乙女の危機の前に何あばさけとるんじゃ!はよしね!!」
P「死ねって言われた…」
裕子「あっ!違いますこれ福井弁!」
ちひろ「裕子ちゃんが方言喋るなんて珍しいですね」
雫「ですねー」
裕子「方言出ちゃうぐらいヤバいってこと…あっ」
P「えっ?」
裕子「……」
P「ちょちょちょ待って何その真顔!?」
ドアばぶるっ!
早苗「親方!空から雨が降ってきました!!」
P「やっちゃったか裕子!?やってしまわれたか裕子!?」
裕子「……ふうっ、やってないですさいきっくやってないです」
P「その悟りを開いた表情で言っても説得力ないぞ!」
ちひろ「……あっ、ヤホーで急に雨が降ってきたって出てますね」
P「えっ?」
早苗「そういってるじゃん!おかげで野次馬もカラスも退散したみたいだけど」
裕子「そうですさいきっく急に雨が降ってきたのでびっくりしただけです」
P「おっおう、疑って悪かったな」
裕子「そんなことよりもさいきっく早く抜いてください。下半身が濡れてさいきっく気持ち悪いです」
P「よしっ!流石に四人で引っ張れば引っこ抜けるだろ!」
雫「じゃあ引っ張りますよー」ばいんっ
早苗「よしまっかせなさい!」ばぶるっ
ちひろ「うんとこしょ!」ちゃりーん
P「どっこいしょ!」ぐいっ
すぽーん!
早苗「やった!抜けたわよ!!」
雫「やりましたー♪」
裕子「いやー皆さんありがとうございます!それはそうとしてさいきっくお手洗いとお着替えに行きますね!」
P「おう!更衣室にジャージがあるからな!」
ばたん…
ちひろ「……プロデューサーさん」
P「言うな。何も言わないのが武士の情けってもんだろ」
ちひろ「そうですね…、それにしてもこの壁に空いた大穴どうしましょうか?」
後日まきのんの尽力のおかげで壁から生えた裕子のお尻に群がるカラスの動画は無事抹消されたよ!やったね!
あと事務所で空いた大穴をふさぐため費用の捻出のためにYouTubeで「堀裕子のさいきっくチャンネル」を開設したけれど、動画の内容は裕子がスプーンの前で唸っているだけだったので再生数74回しかされなかったよ!
おしまいっ!
おかしいなぁ…ミラクルテレパシー実装おめでとう的な感動超大作を書こうとしていたのになんでこんなお話が出来上がっちゃったんだろう?
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