【ダンガンロンパV3】最原「反転宝珠?」 (69)
以下にご注意
・ネタバレ
・キャラ崩壊(特に赤松さん)
これはらんま1/2の話の一つ「シャンプー豹変!反転宝珠の禍」のパロディになります。
既にダンロンV3で性格反転ネタを上げていらっしゃる先人がいますが良かったらお楽しみください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1486216009
購買部
最原「こんな状況でも、ガチャガチャを回したいと思ってしまうのは何故だろう」
最原(感覚が麻痺しちゃってるのかな)
ガチャガチャ・・・コロン
最原「何だこれ? ブローチだ」
最原(綺麗だな・・・。緑色で、エメラルド? いやまさか。けど安物でも無さそうだ)
最原(よく見たら、顔みたいな模様がある)
最原「何にせよ、僕には必要無いな。・・・赤松さんにあげようかな」
最原(喜んでくれるかな。けど、こんな高そうな物渡したら引かれるかな・・・)
赤松「あ、最原君! やっぱりここにいたんだね」
最原「赤松さん。どうしたの?」
赤松「えっと、明日、最原くんが良ければまた連弾一緒にしたいな。と思って・・・。その、お誘い」
最原「うん、いいよ。弾けるようになってくると楽しいよね、ピアノ」
赤松「そう言ってくれると嬉しいなあ。良かった♪」
最原「あの、赤松さん。今モノモノマシーンを回したら出たんだけど、僕はいらないから赤松さんにあげるよ」
赤松「ええ!? わあ、綺麗なブローチ・・・本当に良いの?」
最原「いいよ。モノクマのメダル1枚で出た物だから、気にしないで。赤松さんが喜んでくれるなら、僕はそれで満足だから」
赤松「嬉しい・・・。ありがとう、一生大切にするから!」
最原「そんなオーバーな」
赤松「お礼考えておくね。何かお返ししないと気が済まないよ!」
最原「うん。じゃあ楽しみにしてるね」
最原(良かった。凄く喜んでもらえたようだ)
夜
赤松楓の私室
赤松「・・・えへへ」
赤松「本当に綺麗なブローチ・・・」
赤松(お礼は何にしよう。ここを出たら、ピアノのコンサートに招待しようかな)
赤松(関係者席の一番前の席に、スタッフの人にお願いしたら用意してもらえるかな)
赤松(あ、それだと恋人と勘違いされちゃうかも!? お父さんに茶化されるかな)
赤松(でも・・・)
赤松「このブローチを着けて演奏している姿、見てもらいたいな・・・」
赤松(・・・)
赤松「着けてみよっかな・・・」
翌日
最原「今日は赤松さんとの約束があるから。迎えに行こう」
赤松楓の私室
ピンポーン
最原「・・・・・・。あれ、いない」
最原(ひょっとしてもう研究室にいるのかな)
最原「行ってみるか」
超高校級のピアニストの研究室
最原「いない・・・おかしいな。食堂かな」
1F廊下
最原「あ、赤松さん」
赤松「・・・」
最原「探したよ、連弾の練」
赤松「・・・」スタスタ
最原「習は・・・あれ?」
最原(無言ですれ違って行った・・・目すら合ってなかったぞ?)
最原「・・・」
最原(気付かなかった・・・のかな? 声が小さかった?)
赤松「・・・」スタスタ
最原「・・・あ、赤松さん!」スタスタ
赤松「・・・」スタスタ
最原「赤松さん!!」スタスタ
赤松「・・・」スタスタ
最原「赤松さーーん!!!」スタスタ
赤松「・・・」スタッ
最原「あ・・・」
赤松「何? うるさいんだけど」ギロッ
最原「え、あの」
赤松「用が無いなら私の前から」
パァン!!!
赤松「消えて」スタスタ
最原「・・・・・・」
食堂
天海「で、俺が廊下でうなだれていた最原君を連れてきた訳っす」
百田「いきなりビンタとはな・・・」
白銀「どんなフラグの折り方したの?」
最原「・・・」
王馬「おーい最原ちゃーん。そんな隅っこで体育座りしてないでこっち来て詳しく教えてよ~!」
星「どうせお前は傷を抉るつもりだろうが」
王馬「にしし。バレた?」
東条「聞いただけでは信じられないわね。あの赤松さんが訳も無く最原君を殴るなんて」
ゴン太「赤松さんは優しい人なのに・・・」
春川「よっぽど怒らせるような事をしたんじゃないの?」
キーボ「ピアノを馬鹿にした。とかでしょうか」
真宮寺「そんな解り易い理由だったら、最原君も心当たりがありそうだけド?」
入間「どーせあの日なんだろ。俺様もあの日だけはイライラするからなあ!」
最原「・・・・・・部屋で休むよ」
百田「あ、おい終一!」
バタン
百田「・・・・・・」
王馬「ねえ、どう思う?」
白銀「どう思うって?」
王馬「最原ちゃんと赤松ちゃんだよ」
百田「ただの喧嘩だろ?」
天海「喧嘩って言うよりは、一方的に赤松さんが最原君を突っぱねてる感じっすね」
ゴン太「最原君も怒られた理由が分からなさそうだったよね」
夢野「それにしても、凄まじい落ち込みっぷりじゃったな」
白銀「あの二人仲良さそうだったもんね」
星「出会い頭に殴られりゃショックもひとしおだろうよ」
百田「・・・・・・」
最原終一の私室
最原「・・・・・・」
最原(人にビンタされたのって、初めてかもしれない・・・。一体何でこんなことに・・・)
最原(何で赤松さんはあんなに怒ってたんだろう)
最原(・・・ショックだな)
ピンポーン
最原「!?」
最原「赤松さん!?」ガチャッ
百田「おおう、わりぃな。赤松じゃなくて」
最原「・・・百田君」
百田(露骨にガッカリしてやがるな・・・)
百田「事情は知らねえが、取りあえずコイツを渡しておくぜ」
最原「本? ・・・『女の子の心を掴む53の方法』?」
百田「おう、図書館にあったんだ。俺は女心って奴は詳しくねえから、これ読んで勉強しろよ」
最原「百田君・・・。ありがとう」
百田「助手にいつまでもウジウジされてると、ボスの俺も迷惑なんだよ。とっとと仲直りしろよ!」
最原「うん」
最原「えっと・・・。『その1.小粋なジョークを織り交ぜたトークで女の子の興味を引こう』」
最原(いきなりハードル高いな・・・。しかも小粋なジョークなんて知らないし)
最原(あ、でもお手本が載ってる。これを使ってみようかな)
廊下
最原(いた。赤松さんだ)
赤松「・・・」スタスタ
最原「やあ赤松さん」スタスタ
赤松「・・・」スタスタ
最原(相変わらず無視・・・。けどめげないぞ)
最原「実はさっき、そこで白いモノクマに会ったんだ」スタスタ
赤松「それは尾も白いね」スタスタ
最原「あ・・・」
赤松「私を笑わせたかったら」
パァン!!!
赤松「私の前に現れないで」スタスタ
最原「・・・・・・」
最原「まだだ、諦めるもんか・・・」
最原(『その2、他の女の子と仲の良い所を見せて嫉妬心を煽ろう』。またハードルが高いなあ)
春川「何廊下で本読んでるの」
最原「あ、春川さん」
春川「また赤松に殴られたの?」
最原「うん・・・」
赤松「・・・」
最原(あ、あそこに赤松さんが! ・・・よし。春川さんの肩を寄せて)
グイッ
春川「!!?」
最原「おーい! 赤松さーん!」
赤松「・・・」スタスタ
最原「くそっ。気付かなかったのかな・・・」
春川「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
最原「あれ?」
春川「死にたいって事は良く分かったわ。手伝ってあげる」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
最原「」
最原「こ、殺されるかと思った・・・痛い」ボロッ
最原「『その3、弱っている姿を見せて母性本能をくすぐろう』。今の状態は丁度いいかもしれない・・・」
赤松「・・・」スタスタ
最原「あ、赤松さ」
パァン!!!
赤松「・・・」スタスタ
最原「・・・」
最原「・・・『その4、ワイルドに壁ドンで迫ろう』」
最原(砲丸で殴られたりしないかな)
最原「赤松さん!」
赤松「もう消えてよ・・・!」
ブンッ ガシッ!
最原(よし、何度も貰ったから軌道は読めた!)
最原「話を聞いて! 何でそんなに怒ってるんだよ!」
赤松「止めて! もう近寄らないでよ!」
最原「そうはいかない!」
ドンッ
最原「訳を聞かせてよ。怒らせるような事をしたなら謝るから」
最原(か、壁ドンってこういう事だよな。やる方もかなり緊張するけど・・・)
最原(どうだ? ビンタはしてこない・・・)
赤松「・・・」グスッ
最原「え”」
赤松「最低・・・」
最原「ちょ、ちょっと赤松さん?」
赤松「好きにすればいいじゃない・・・けどね」
赤松「身体を好きに出来ても、心まで奪えるとは思わないでよ!!」
最原「えええええ!!? ちょ、ちょっと待って赤松さん! 僕そういうつもりで」
??「きぃいいええええええええ!!!」
最原「その声は・・・ちゃ、茶柱さん!?」
茶柱「最原さん。男死の中では比較的まともな男死だと思っていましたが、やはりあなたも男死なようですね・・・」
最原「ご、ゴカイだって! 僕そんなつもりじゃ!」
茶柱「問答無用! 女子の腕を掴んだまま壁ドンなんていやらしい事をしようとしていたに決まっています! 男死は皆そうです!」
赤松「茶柱さん助けて! 乱暴されたの!」
最原(中途半端にあっているからタチが悪い!!)
茶柱「辞世の句は投げられながら考えてください、最原さん! きぃいいええええええええ!!!」
最原「うわぁああああ!!!?」
食堂
春川「廊下で投げられまくっている最原を茶柱から引きはがすように連れてきた」
白銀「ドスンドスン聞こえるなあと思ったらそんな事があったんだね」
アンジー「終一かわいそかわいそー。ボロボロだよー」
最原「」
真宮寺「赤松さんは研究室に引き籠り、入り口には茶柱さんが見張りをしてしまっているヨ」
王馬「閉じこもっちゃうなんて、そんなに最原ちゃんが嫌なんだね~」
百田「おいよせ」
王馬「ひょっとして、これが赤松ちゃんの本性なのかもね」
王馬「最原ちゃんみたいにチョロイ童貞をその気にさせて、突き返して絶望する姿を見て楽しんでるんだよきっと」
百田「いい加減にしろよお前!」
天海「・・・」
天海「最原君。最後に赤松さんに会ったのはいつっすか? そこで赤松さんに何かしたっすか? 喜ばせたとかでも何でも良いっす」
最原「・・・」
天海「辛いのは分かるっすよ。けど、そうやって落ち込んでるままじゃ何も変わらないっす」
最原「・・・そうか。怒らせた事ばかり思い出そうとしていたから、完全に頭から抜けていた」
最原「昨日の夜。赤松さんにブローチをあげたんだ」
春川「ブローチ?」
最原「うん。モノモノマシーンから出たブローチなんだけど、僕が持っていてもしょうがないから赤松さんにあげたんだよ。そういえば赤松さんの様子が変わった時、確かブローチを着けていたよ」
王馬「・・・」
天海「・・・」
春川「・・・」
百田「・・・」
東条「・・・」
星「・・・」
真宮寺「・・・」
白銀「・・・」
春川「・・・ねえ」
百田「どう考えてもよぉ」
ゴン太「あ、ゴン太分かったよ! きっと赤松さんはそのブローチが原因で最原君を嫌っちゃったんだ!」
白銀「うん。多分最原君以外の全員がそう思ってるよ」
王馬「どうするよ最原ちゃん。ゴン太ですら分かった事だよ?」
キーボ「明らかに怪しいじゃないですか! なんで今まで出てこなかったんですか?」
最原「え! だって、赤松さんはすごく喜んでくれたから・・・。あれが原因で嫌われたなんて思わなくて」
入間「見せつけんじゃねえよ処女と童貞がよぉお!!」
夢野「赤松が絡むと脳の機能が7割減するのう」
星「にしてもブローチとはな」
真宮寺「余程、気に入らなかったのカナ?」
百田「喜んでたって言ってたじゃねえか」
春川「社交辞令って事は?」
アンジー「社交辞令だったら、あとから怒る意味が分からないよ~」
白銀「律儀にブローチを付けている理由もないよね」
入間「『こんなクソみてぇなブローチを押し付けられたから不機嫌になってんだ』ってアピールじゃねえか?」
キーボ「そんな回りくどい事をするでしょうか・・・」
夢野「そもそもそれじゃ社交辞令を言う意味も無かろうが。受け取った時点で文句を言えば済む話じゃ」
東条「社交辞令ではないと思うわ。実は私も昨日の夜、赤松さんと会ったの」
白銀「東条さんが?」
東条「ええ。21時位に、中庭の芝を手入れしていたら赤松さんが寄宿舎に戻ってきたの」
春川「メイドって芝も手入れするの?」
天海「まぁまぁそこは置いといて」
星「で、その時の赤松はどんな様子だった?」
東条「とても上機嫌で、見ているこっちが幸せを分けて貰えるような笑顔だったわね」
百田「期限が良い理由は聞かなかったのか」
東条「聞いたけど『秘密~♪』とはぐらかされたわ」
夢野「今のひょっとして赤松の声真似か?」
東条「・・・」
百田「他に赤松に会った奴はいねえか?」
王馬「あ、そう言えば俺あったよ」
百田「嘘じゃねえだろうな?」
王馬「嘘だけどね!」
夢野「じゃあ本当じゃな」
王馬「うん。本当だよ!」
入間「だぁあもうややこしい粗チンだなテメーは!!」
王馬「今日の朝だよ。寄宿舎のロビーで赤松ちゃんと会ったんだ。キー坊も一緒だったから間違いないよ」
春川「それ本当?」
キーボ「事実です。確かに僕と王馬クンは今朝、赤松さんに会いましたよ」
白銀「赤松さんの様子はどうだった?」
王馬「いつも通りだったよ。俺が挨拶したらニコニコ笑ってたし」
夢野「いつも通りか?」
王馬「当たり前じゃんか! 赤松ちゃんは俺のこと好きなんだから!」
キーボ「確かに、いつも通りでは無かった気がします。王馬クンには妙に愛想が良くで、ボクが喋るとまるで鉄屑を見るような目でボクを見ていたんです」
キーボ「気のせいかと思っていたんですけど、やっぱり何かあったんですね」
王馬「それこそいつも通りじゃない? 鉄屑を見てるんだからそりゃあ鉄屑を見る目になるっしょ」
キーボ「ここを出たら次に会う時は本物の法廷ですからね?」
春川「つまり、東条に会ってからキーボ達に会うまでの間に、赤松は今みたいな感じになったんだね」
最原「・・・東条さん、キーボ君、王馬君」
最原「赤松さんはブローチを胸に付けていた?」
東条「付けていなかったわ」
王馬「付けてなかったよ」
キーボ「いや、今朝は付けてました。その時の記録も残っています」
春川「付けていたようだね」
王馬「何で信じてくれないんだよ!」
夢野「自分の胸に聞けい」
最原「やっぱりだ。赤松さんはブローチを身に付けてから様子が変わってる」
白銀「てことは、ブローチを外せば元に戻るって事?」
???「おはっくまー!!!」
入間「急に出てくるんじゃねえよカラフルlこけし共が!」
モノタロウ「こけしじゃないよ! モノクマーズだよ!」
モノキッド「ミーのこけしでエロ的なあれにしてやろうか!?」
入間「んひぃいいい!!! や、やめろよぉ・・・そんなのにぜってーまけねぇからなあ・・・」
最原「・・・一体何の用?」
モノスケ「昨日購買部に忘れ物した奴がおるさかい、届けに来たんや」
モノファニー「なんですぐに届けなかったかは聞かないでね!」
ゴン太「空のカプセルだね」
王馬「もしかして、例のブローチが入っていたカプセル?」
春川「何かまだ入ってるよ。紙切れ?」
百田「何か書いてあるな」
春川「『これは反転宝珠です。正しい向きに付けたら愛憎が反転し、逆向きに付けたら愛憎が倍増します』」
最原「どこかで聞いた事あるな」
モノタロウ「どこかで聞いた事あるよね」
東条「どこかで聞いた事があるわね」
白銀「・・・どこで?」
最原モノタロウ東条「さあ?」
星「トンデモな場所だとは思っていたが。まさかこんなもんまであるとはな」
アンジー「愛憎反転してあんなになってるって事は、楓は終一がらーぶらーぶなんだね~♪」
最原「そ、それは今は関係ないから///」
王馬「納得いかないんだけど。てことは俺って赤松ちゃんに嫌われてるって事じゃん!」
キーボ「いや順当でしょう」
夢野「まあ、なんにせよこれで原因判明じゃな」
ゴン太「よかったね最原君。赤松さんに嫌われた訳じゃなくて」
最原「うん・・・。本当に良かった」
天海「でも、あんまりうかうかもしてられないっすよ? 急いで赤松さんのブローチを取らないと、憎まれたままここを出ることになるっす」
百田「そうなったら、多分二度と終一と会う事もないだろうな・・・。よし。一刻も早く赤松を元に戻そうぜ!」
王馬「誰が?」
百田「もちろん俺たち全員でだ!」
最原「いや、僕一人で何とかするよ。元はと言えば、何も知らず反転宝珠を渡しちゃった僕が悪いんだから」
最原「僕が、赤松さんを元に戻す、戻さなきゃいけないんだ」
王馬「ふっ。そうまで言うなら、俺らが手を出すのは野暮だよね」
キーボ「どうせ手伝わないでしょう」
廊下
最原「とは言ったものの・・・どうしよう」ズーン
最原「赤松さんに接触するにはまず茶柱さんをどうにかしないと・・・。」
最原「話し合える気がしない。目が合った瞬間投げ飛ばされるに違いない」
最原「もう投げられたくない・・・あんな目に会いたくない・・・
最原「けど、あんな赤松さんを見るのも嫌だ!」
百田「よお!」
春川「独り言言い過ぎ」
最原「わああ!! 二人とも」
百田「どうせこうなってると思ったからよ。手伝うぜ」
最原「百田君・・・ありがとう。春川さんも」
春川「私は百田に無理やり連れて来られただけ」
百田「んだよ。俺は来いよって言っただけだぞ」
春川「・・・」ぴき
百田「何にせよ、一番の問題は茶柱だな。ハルマキ、お前なら何とかならないか?」
春川「『何とか』って、殺せないかって事?」
百田「な訳ねーだろ! うまいこと気絶させられたり出来ないかって事だよ!」
春川「勘違いしている様だから言っておくけど、私の『ソレ』は茶柱の合気道みたいに相手を戦闘不能にするためのものじゃないの」
春川「相手を確実に[ピーーー]為のものなの。アンタ達みたいな素人なら手加減は効くけど、達人の茶柱相手だったらこっちも手加減できない」
春川「最悪、どっちかが死ぬことになるかもしれないから」
百田「そうか・・・悪い」
最原「僕に考えがあるんだ。二人の協力がどうしても必要なんだけど、お願いできる?」
百田「今更だな」
春川「殺し以外なら」
2F廊下
夢野「んあ~。眠い。部屋に戻るかのう」
ザッ
百田「・・・」
夢野「なんじゃ百田。ウチは眠い。要なら後にせい」
百田「夢野・・・」
夢野「な、なんじゃ」
百田「俺は、今から、お前を追いかける!」
夢野「」
んあああああああああああああああ!!!!!!!
超高校級のピアニストの研究室前
茶柱「はっ!? どこかで夢野さんの悲鳴が!」
春川「茶柱!」
茶柱「春川さん!? いったい何が!」
春川「実は百田が急にロリコンをこじらせて、夢野に発情して追いかけまわしているの!」
茶柱「はぁああああ!!!?」
春川「何とか止めようと思ったんだけど、か弱い私じゃ止めることが出来なくて・・・」
春川「これを止めることが出来るのは男死を許さない正義感を持った茶柱しかいないと思ったから」
茶柱「あうう・・・でも、赤松さんにここを動くなと」
春川「夢野がロリコンの手に落ちてもいいの!? ここなら私が代わりに見ておくからさ」
春川「ここで夢野を助けたら、きっと好感度急上昇だよ?」
茶柱「んぎぎぎぎぎぎ・・・・・・・!!!」
春川「早くしないと夢野が穢されるよ?」
ぶちぃ
茶柱「怨怒霊えええええええ!!! 薄汚れた男死がよくもおおおお!!!」
茶柱「春川さん。少しの間お願いいたします。ちょっと腐れ男死を天に滅してくるんで!!!」
春川「まかせて」グッ
茶柱「今宵のネオ合気道は血に飢えていますよおお!!! そして夢野さんの心も我が手にぃいいいいいいいい!!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!
春川「・・・行ったよ最原」
最原「茶柱さん、悪魔みたいな顔になってたけど」
春川「赤松と約束したようだから、あれくらい言わないと動かないと思ったんだよ」
最原「百田君。無事なら良いけど・・・」
春川「後はこの中にいる赤松からブローチを取ればいい訳か」
最原「鍵も開いてるようだね」
春川「じゃ、あとは任せたから。私は帰る」
スタスタ
最原「あ、百田君を助けに行ってくれると凄く嬉しいんだけど」
ピタッ
春川「・・・」
最原「あれ。まさか最初からそのつもりだったとか?」
ぴき
春川「『雉も鳴かずば~』って知ってる?」
最原「スイマセン知ってますナイフをしまって下さい」
最原「・・・よし」
モノクマ「何がよしなの」
最原「今から赤松さんのってわぁあああああ!!!?」
モノクマ「やだなあ人をバケモノみたいに」
最原「バケモノみたいなものだろ!」
モノクマ「失敬な! まあいいや。僕心の広いクマだから」
モノクマ「心が広いから今回でハートフルボッキングな最原君に素敵なご褒美を用意しておいたから!」
最原「ご褒美?」
モノクマ「まあお楽しみに~」
最原「何だったんだ一体」
最原「まあいいや。気にしないでおこう」
最原(ここを開けたら、多分僕の事を憎んでいる赤松さんから罵詈雑言を浴びせられるだろう)
最原(さっきまでは辛くて辛くて仕方がなかった。けど、今は違う)
最原(今の赤松さんは正気じゃないんだ。彼女の本当の言葉じゃない)
最原(嘘の言葉だ)
最原(絶対に惑わされないぞ!)
ガラッ
最原「・・・」
最原(ピアノの前に座ってる・・・表情は見えないぞ・・・)
赤松「・・・」
最原「赤松さん」
赤松「最原君・・・」
最原(ひ、久々に名前を呼んでくれた・・・。正気じゃないとはいえ、悔しいけど凄く嬉しい・・・!)
赤松「こっちへ来て。隣に座って?」
最原「う、うん」
最原(会話をしてくれる・・・。さっきまで口を利いてくれなかったのに・・・。う、嬉しいけど)
最原(いきなり砲丸で殴られたりしないよね・・・?)
最原「す、座ったよ」
赤松「ありがと」
最原(わ、笑ってる・・・? おかしいぞ僕の事を憎んでるんじゃ? 演技? いや、演技にしては笑顔が可愛すぎる・・・)
最原(隣に座っただけなのに凄く良い匂いがする・・・なんだ? 思っていた展開と違うぞ!?)
赤松「私、なんだか変なんだ。どんな時でもピアノが弾ければ心が落ち着いたのに。今はピアノも手に付かなくて」
最原(そ、それだけ僕を憎んでいるって事・・・?)
赤松「最原君の事、ずっと考えてたの」
最原(やっぱり!)
赤松「ピアノバカの私が、ピアノよりも男の子に夢中になるなんて、思っても無かったよ」
最原「・・・え?」
赤松「私・・・最原君の事が大好き。ピアノよりもずっとずっと好き」
最原「えええ!?」
ギュッ
最原(だ、抱き着かれた!!?)
最原(おおお落ち着け落ち着け! どうしてこうなったああすっごい良い匂い柔らかくてあったかい頭がおかしくなりそうだ・・・!!!)
赤松「えへへ・・・やっと言えた」
ギュッ
最原(・・・!!!)
赤松「ねえ、最原君。ここって防音なんだよ? 誰も来ないよ?」
赤松「私の事・・・最原君の好きにしていいよ?」
最原「あ、赤松さん!」
僕は赤松さんを押し倒す形で床に寝かせ、馬乗りの形になった
赤松「・・・」
最原(・・・・・・やっぱりだ)
最原(ブローチが逆さまになってる)
春川「『これは反転宝珠です。正しい向きに付けたら愛憎が反転し、逆向きに付けたら愛憎が倍増します』」
最原(モノクマの言ってたご褒美って、これの事だったのか・・・)
最原(好きに・・・)
最原(違う! これも嘘なんだ。さっきまでの赤松さんと同じ、本当の彼女じゃない! 僕にとって都合が良いだけで、彼女の本心じゃないんだ)
最原「赤松さん・・・目を、瞑って?」
赤松「うん」
最原(・・・ごめん)
ぷちっ
赤松「・・・・・・」ぱちり
赤松「あれ? ここ・・・どこ?」
最原「赤松さん! 気分はどう?」
赤松「・・・最原君?」
赤松「」
研究室で二人きり+倒れている私+馬乗りの最原君
赤松「き・・・//////」
最原「き?」
赤松「きぃいいいいやぁああああああああああ!!!」
顔を真っ赤にした赤松さんの悲鳴を聞いて、僕の意識は一度そこで途絶える。
最原終一の私室
最原「うん。色々あったけど、赤松さんが元に戻って良かったよ」
最原「もとはと言えば、僕が得体のしれない物を赤松さんに渡しちゃったのが悪かったから、赤松さんは気にする必要ないよ」
最原「だから部屋の隅っこで体育座りしてないでこっちに来てほしいな」
赤松「・・・」ずーん
最原「赤松さん。僕本当に気にしてないから。あれが赤松さんの本心じゃないって事は良く分かってるよ」
赤松「・・・本心でもそうでなくても、結局私がやった事には変わらないよ。それに・・・」
最原「それに?」
赤松「最後の一発は正真正銘私がやっちゃった訳だし・・・」
最原「あ、あれは仕方ないって。いきなり男に馬乗りにされたら誰だって嫌がるし」
赤松「嫌じゃなかったけど、びっくりしたというか恥ずかしかったというか」ゴニョゴニョ
最原「赤松さん?」
赤松「な、何でもない!」
赤松「本当に申し訳ないし恥ずかしいしでなんてお詫びすればいいか・・・」
最原「いや、本当に気にして」
赤松「私が気にするの! 最原君は優しいからそう言ってくれると思ってたけど、それでも私は何かお詫びがしたいの!」
最原「ううん・・・まあ赤松さんがそれでいいなら」
赤松「よし決めた!」
最原「何を?」
赤松「最原君。私、一つだけ何でも言うこと聞くよ!」
最原「え”」
赤松「何でも言って! あ、流石に命にかかわる事は無理だけど、それ以外なら!」
最原「だ、ダメだよ赤松さん! 女の子が、そんなこと軽はずみに言うなんて」
赤松「軽はずみなんかじゃないよ!!」
最原「!」
赤松「それぐらいしないと、私の気が済まないの。それに最原君だったら、あんまり酷い事は言わないって信じてるし・・・」
赤松「けど、それでも、せめて最原君がしてほしい事位はしてあげたいから・・・」
赤松「お願い。言ってみて」
最原「・・・本当に、良いんだね?」
赤松「うん。女に二言は無いよ!」
最原「じゃあ・・・」
赤松「・・・」ゴクッ
最原「僕だけに、赤松さんのピアノを聴かせてほしいな」
赤松「・・・」
最原「あ、曲は赤松さんの好きな曲で良いよ。赤松さんはどんな曲が好きなのか気になるし」
赤松「・・・」
最原「あ、せっかくだから、何曲か聴きたいかも」
赤松「あの、最原さん」
最原「ん?」
赤松「それだけ聞くと、私はピアノを弾くだけになるんですけど」
最原「うん。赤松さんがピアノを弾いてる姿を見てみたいなあと」
赤松「水着に着替えて。とかじゃなくて?」
最原「今の制服のままでいいよ」
赤松「写真を撮らせて。とかじゃなくて?」
最原「・・・・・・・・・・・・・・・。撮らないよ」
赤松「今『それも良いな』って思わなかった?」
赤松「ホントにそれでいいの? 言ってくれればいつでも弾いたのに」
最原「う~ん。いい機会だなと思って。それに」
赤松「それに?」
最原「超高校級のピアニストを独り占め出来るのって、なかなか贅沢なんじゃないかって思ってさ」
赤松「へっ?」
最原「・・・・・・え、演奏! 演奏を独り占めって事だよ!?」
赤松「な、なんだ。・・・そうなんだ」
赤松「分かったよ。じゃあ明日、演奏を聞かせてあげる。終わったら、今日出来なかった連弾の練習をしよう?」
最原「うん。明日楽しみにしているよ」
赤松「最原君。これが最後だけど、今日はごめんね。元に戻してくれてありがとう。きっとあのまま最原君と別れていたら、一生後悔してたと思う」
最原「うん。僕もだよ。後悔しなくてよかった」
赤松「それじゃあおやすみなさい」
最原「おやすみ。また明日」
バタン
赤松「・・・・・・くぅうううう」
赤松(独り占め・・・かあ///)
百田解斗の私室
春川「気分はどう?」
百田「この包帯グルグル巻きの姿が快適に見えるか?」
百田「お前ホントに覚えてろよ・・・。俺が宇宙に行けなくなったらお前のせいだからな!」
春川「は? 天下の百田解斗がこれしきの事で宇宙に行けなくなるわけないでしょう」
百田「たりめーだ! 1時間近く投げられ続けたけど全然平気だっつうの!」
春川「はいはい。林檎食べる?」
百田「食べる。ウサギに出来るか?」
春川「私一応超高校級の保育士で通ってるんだけど」
おわり
以上です。ありがとうございました。
書いてる途中で性格逆転のSS書いてる方が先に現れて心が折れ気味でしたが取り敢えず仕上げました。
あっちの方の拗ねた赤松さんが可愛すぎて辛抱堪りません。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません