ネタかぶってたらごめんなさい
清澄部室
咲「……」ペラペラ
和「……」パチッ
京太郎「ふわぁ~……タコスが来ないから今日は静かだな」
京太郎「咲は本読んでるし、和は牌譜を並べてお勉強中だし……トイレにでも行こっと」
ドドド…
京太郎「ん?」
ドアバキィッ!
京太郎「ぐえっ!」
優希「いえーい!呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン、優希ちゃんの登場だじぇ!」
京太郎「」ピクピク
優希「ん?どうした犬。そんなところで倒れて――はっ!」
優希「もしかしてあまりの空腹に気を失ったのか!?でもタコスはあげないじょ」タコスモグモグ
咲「あ、優希ちゃん。おはよー」
和「優希、もう少し静かに登場してくれませんか?気が散ります」
優希「メンゴメンゴ。それより部活やろうじぇ!私は早く麻雀を打ちたくて仕方がないのだ」
和「……そうですね、丁度今面子も揃いましたし」
咲「うん、皆まとめてトビ終了にしてあげるよ!」
優希「今日こそは負けないじぇ!」
京太郎「いたた……あれ、俺は一体……」
優希「おい京太郎、今から特打ちするから席に座りな!」
京太郎「お、おう」
京太郎(いつの間にタコスが来たんだ……)
和「では半荘一回、ルールはいつも通りでよろしいですね」
優希「OKだじぇ」
咲「じゃ始めよっか」
京太郎「おう」
優希「サイコロまっわっれ~!」コロコロ
東一局
優希(あ……タコスパワーが切れてきたじょ。東場の私でもタコスエネルギーが切れちゃ調子はイマイチだじぇ)
三巡目
優希「えい」トン
咲「ロン、国士無双。優希ちゃんのトビで終了だね」
優希「えぇ!?咲ちゃんいきなり役満ですかー……」
咲「あはは、全員飛ばす予定だったけど和ちゃんに見逃しを指摘されるのもアレだったから和了っちゃったよ」
和「そういえばそんなこともありましたね。アニメ第三話でしたっけ?」
咲「ゴメンね、優希ちゃん」
優希「三巡目でそれってやっぱりおかしいじょ……ホントに人間ですかぁ……」
京太郎「ハハハ……相変わらず咲の麻雀はキチってるわ」
咲「えへへ、そんなに褒めないでよ///」
京太郎「……」
和「それより今の一局じゃ全然打った気がしませんね、もう一度やりませんか?」
咲「うん、私は別にいいよ。まだまだ飛ばし足りないしね」
優希「モチのロンだじぇ!次こそ咲ちゃんから和了ってみせるじぇ!」
咲「楽しみにしてるよ、優希ちゃん」
和「ふふっ、では打ち直しましょうか」
グゥ~ッ
優希「あ、ちょっと待ってほしいじょ。タコスパワーが切れてるから全力で戦えないじぇ」
和「……さっきタコス食べてましたよね」
優希「私は育ち盛りだからな、すぐにお腹がすくのだ。おい犬!」
京太郎「お、おう」
優希「今すぐ食堂にいってタコスを買ってこい!」
京太郎「へいへい。まったく、人使いが荒いぜここのタコス嬢は」
優希「つべこべ言わずにはやくしろー!」
京太郎「あいよ」
バタンッ
和「相変わらず須賀君は優希の犬ですね」
咲「あはは」
10分後
ガチャッ
京太郎「ういーっす」
優希「お、やっと来たか犬!遅すぎるじぇ」
京太郎「あー、それなんだがな……」
優希「では早速タコスをよこすんだ!今ならいいこいいこしてあげるじぇ!」
京太郎「……ない」
優希「へ?」
京太郎「いやー、タコス売り切れだったわ。いつも売れ残ってるのに」
優希「えー!?」
優希「そ、そんなはずないじぇ!さっき私が買いに行った時はたくさんあったもん!」
京太郎「でも俺が買いに行った時にはすでになかったぞ?」
優希「うそーん!!」
優希「うぅ……タコスは私のアイデンティティーなのに、それがなくなったら咲ちゃんと同じようにモブキャラ化してしまうじぇ……」
咲「む、それはどういうことかな!?」
優希「冗談だじぇ……私は語尾に特徴があるからきっと大丈夫だじょ……」ショボーン
咲「私はモブキャラじゃないもん!!」プンプン
優希「はぁ」
和(優希……)
京太郎「……しゃーない、俺が今からタコス作ってやるからそれで機嫌直せよ、な?」
優希「ほ、本当か!?」
京太郎「ああ、まかせろ」
優希「あ、ありがとな京太郎!ご褒美にのどちゃんのおっぱいを揉む権利を与えるじぇ!」
和「そんな権利ありません」
京太郎「じゃ、ちょっと材料買ってくるし俺抜けるわ」
咲「うん、京ちゃんはいいお嫁さんになれるね」
和「わ、私も咲さんのためならお料理お洗濯お掃除、何でもやりますよ!」
優希「いってらっしゃい、あ・な・た」(ハート)
京太郎「おう!」
ドドド…!
京太郎「ん?」
ドアバキィッ!
京太郎「ぐはっ!」
久「大変よ皆!とんでもないニュースが入ってきたわ!」
咲「部長、そんなに急いでどうしたんですか?」
和「ニュース?」
久「えぇ。といっても主に優希に影響する問題だけど……ん?」
京太郎「」ピクピク
久「あら須賀君、こんなところでお昼寝しちゃ危ないわよ」
和「で、そのニュースとは何ですか?」
久「いちいち説明するより直接見た方がいいわ。ほら今すぐテレビつけて!」
優希「了解、そいや!」ピッ
みさき『えー繰り返します。現在、世界的に新種の害虫が発生しトウモロコシが食い荒らされるという事件が起こっています』
みさき『これについて世界政府はニューヨークに緊急対策本部を設置し、一刻も早く被害を抑えるよう対応に追われています』
みさき『ではここで野依コメンテーターに意見を聞きたいと思います。この件についていかがですか、野依さん』
野依『私、朝はごはん派!』
みさき『……はい?』
野依『コーンがなければお米を食べればいい!コーンを主食とするみなさん、お米を食べよう!!――むぐっ、もがが』
『おい、CM流せ!あとお詫びのテロップ用意しろ!』
『誰だよ……このポンコツコメンテーター出演させたの……』
みさき『で、では一旦CMです……』
野依『放して!!』ジタバタ
咲「い、今のは一体……?」
和「放送事故ですね」
優希「あははは!あの人前も確か不適切な発言でクレーム入れられてたじぇ」
久「あら、優希。あなたは笑っていられる状況じゃないわよ」
優希「へ?」
久「今入った情報によると、先のニュースの影響でここ長野でも在日中南米人の方々がタコス買い占め運動を起こしてるわよ」
優希「何で?」
久「あら、あなたタコスの原材料にトウモロコシが使われているの知らないの?」
優希「うん」
久「じゃあ説明するわ。タコスの生地はトルティーヤっていってね、トウモロコシをすり潰して作られるものなの」
久「まあ、今説明したのは昔の製法で最近ではトウモロコシ粉と小麦粉を混ぜて作られるものも多いけど」
優希「ふーん……ためになるじぇ」
京太郎「なるほど、だから俺が食堂に行った時にはもうタコスが売り切れてたのか!」
咲「あ、京ちゃん。もう大丈夫なの?」
京太郎「ああ、こんな扱いはもう慣れっ子だからな」
和「成長しましたね、須賀君」
京太郎「まあな」
咲「でも麻雀はなかなか成長しないけどね、あははは!」
京太郎「……」
優希「あれ……?ということは、これから私はタコスを食べられないのか?」
久「ええ、そうよ。近くのタコス屋はしばらく休業するみたいだし」
久「スーパーでも状況が改善するまでトルティーヤは品切れ状態のはずよ」
優希「……」
優希「…………」
優希「……………………」
優希「ええええええええええええっ!?」
優希「そ、それは困るじぇ!」
久「そうね、これからタコスなしで全国の強者と戦わなきゃいけなくなるからね。不安になる気持ちもわかるわ」
優希「それもそうだけど、もっと根本的な問題だじぇ!」
和「根本的な問題?」
久「何かしら、気になるわ」
優希「うん……今まで黙っていたけど、実は私――」
咲「ええええええええええええっ!?」
優希「……まだ何も言ってないじょ」
咲「ゴメンゴメン、一度やってみたかったんだこれ」
京太郎「……おい咲、お前さっきからキャラが崩壊してるぞ」
咲「私も影に埋もれないよう必死だからね。こうでもしないとまた誰かからモブキャラって言われちゃうよ!」
優希「あの、話続けていいですか……」
咲「あ、どうぞ」
優希「実は――」
優希「タコスが切れると私はヒトの姿をたもてないのだ」
シーン……
優希「あ、あれ……?」
咲「……ぷくく、あはははははは!」
咲「優希ちゃん、面白いよ!それメキシカンジョーク?洒落てるね!」
優希「ほ、本当だじょ!私は代々から呪いの血を受け継いできたタコス一族で」
優希「逃れられない運命を背負った悲劇のヒロインなんだじぇ!」
咲「ないないないない!」
咲「ほら和ちゃん、いつものあれやってよ。そんなオカモチありえません!」
和「オカモチじゃないです。オカルトです」
優希「の、のどちゃんは信じてくれるよね?中学からの付き合いだし……」
和「そんなオカルトありえません!」
和「優希、きっとあなたは疲れているんです。仮眠室で少し休憩してはいかがですか?」
優希「そんなぁ……くっ、京太郎!」
京太郎「な、なんだ……」
優希「お前は私を信じてくれるよな!?っていうか信じろバカ犬!」
京太郎「……無理」
優希「えっ」
京太郎「いくらタコスが食べたいからって流石にその嘘は非現実的過ぎるし通用しねーよ。あと犬呼ばわりやめろ」
優希「……」
優希「ぶ、部長は――」
久「あ、もしもし。優希さんのお母さんですか?私清澄高校麻雀部部長竹井久と申します」
久「あっ、はい…そうです…はい…では責任を持って送り届けます」プツッ
優希「部長……?」
久「さあみんな、今日はこれで解散よ!」
久「優希は私と保健室に行ってお薬をもらってから一緒に帰りましょうか」
優希「あぁ……」
ドクン
優希「!?」
優希(もしかしてこれ……)
ドクン
優希「あっ」
ドクン
優希「いやっ」
ドクン
優希「やめ…て…」
ドクン
優希「だ…め…っ…」
優希「……………………………………」
京太郎「お、おい大丈夫か?」
和「……優希?」
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン!!
優希「いやあああああああああああああああ!!」
カッ!
プシュー……モワモワモワーン
久「い、今の何!?誰かスモーク炊いたの!?」
咲「あわわわわわ。こんなオカルトありえないよ……」
和「それより優希が心配です!」
――う、うーん……
和「大丈夫ですか、しっかりしてください!」
――のどちゃん……?
――あれ…ここは…どこだじぇ……
和「ここは部室ですよ!……よかった、意識はあるようです」
――そうだ……急に体が熱くなって、それから――
京太郎「お、おい優希!」
「うぇ?」
京太郎「お前……表記がタコスになってるぞ!!」
タコス「……」
タコス「えええええええええええ!?」
タコス「ど、どういうことだじょ……」アワアワ
咲「ってなんでタコスちゃんがそこまで驚いてるのさ」
タコス「えっ……(ってかもうタコス呼ばわりですか……)」
咲「さっき自分でタコスが切れると私はなんとか~って言ってたじゃん」
咲「優希ちゃんの反応が大きすぎて、私達が驚けなかったよ!ひどいよ!」
咲「さあ、そこんとこ詳しく説明してもらうよ!」
タコス(うぅ……今日の咲ちゃん、何かおかしいじぇ)
咲「はーやーく!」
タコス「は、はい……」
タコス「それはてっきり私の姿形がタコスになると思ってたからだじぇ」
タコス「まさか名前の方がタコスに変わるなんて夢にも思わなかったのだ……」
咲「そういえば外見はいつものタコスちゃんのままだもんね。納得したよ。ゴメンね、タコスちゃん」
タコス「……」
和「優希……じゃなくて、えっと、タコスと呼べばよろしいのでしょうか?」
タコス「……優希でお願いします」
京太郎「とりあえず身体に異常はないんだな?」
タコス「うん……今のところは」
和「よかったですね!」
タコス「よかったのか……?」
久「じゃあこの話はこれで終わりにしましょうか」
タコス「え?」
久「だってSSなら優希でもタコスでもどっちでも通用するじゃない」
久「あなたの身体がタコスになったなら、まだ話は広げられそうだけど……名前が変わった程度じゃ、ねえ」
久「ということでここまで読んでくれた方、ありがとうございました!」
久「わずか25レス程度ですが、ここで打ち切りたいと思います!」
咲「またみんなに会えることを信じて……さようなら!」
カン!
タコス「ストーーーーーーーーーーップ!」
久「あら、まだ何か言いたいことがあるの?」
タコス「あります!めちゃめちゃあります!!」
久「もう、たかがSS程度にそこまで気を張らなくてもいいじゃない。ほら、ワカメ飴あげるから落ち着きなさい」
タコス「いーやーだ!!」
久「しょうがないわね……じゃあもう少しだけ続けてみましょうか」
タコス「当たり前だじょ!このままタコス表記とか全国の優希ちゃんファンが黙っていないじぇ!」
久「まあいいわ。で、何?やっぱりそのタコス表記を優希に戻したいのかしら?」
タコス「うん」
和「じゃあとりあえず物理的に変えてみましょうか。須賀君」
京太郎「おう」
和「とりあえず"優"と"希"の字を準備してください」
京太郎「わかった……よし、準備OKだぜ!」
和「ではそのまま"タコス"の字を取り除いて"優希"を当てはめて下さい」
京太郎「ああ……ん?なかなか難しいな」グイグイ
タコス「いたたたたた!!」
―――
――
―
優タコス希「……」
京太郎「駄目だ!どう頑張っても優タコス希になってしまう!」
咲「優タコス希ちゃんかぁ……改めてよろしくね、優タコス希ちゃん」
優タコス希「そんなに連呼しないでほしいじぇ」
久「うーん、何か言いづらいわね」
和「そうですね、元に戻しましょう」
10分後
タコス「はぁ……結局タコスのままだじぇ」
和「さて、次はどうしましょう……」
久「正直、これだ!って解決方法はもう思いつかないのよね。誰か他にあるー?」
和「うーん……特にありません」
咲「すやすや……」
京太郎「咲なんか途中で飽きて爆睡してますよ……」
久「やっぱり、さっき打ち切っておけば――」
タコス「はいはいはいはい!あります!だからもうちょっとだけ頑張って下さい!!」
久「はい、タコスちゃん」
タコス「そもそもの原因は私のタコスパワーが切れちゃったから、こんなことになったわけでありまして……」
タコス「つまりタコスを補給すれば、私が復活するのではないでしょうか」
久「なるほど」
和「でも、その肝心のタコスがないんじゃどうしようもないんじゃ……」
タコス「ふっふっふっ、甘いぜのどちゃん」
和「?」
タコス「長野県予選団体決勝戦を思い出してほしいじぇ」
タコス「私はのっぽにタコスを奪われ、絶望の淵に打ちひしがれていたけど」
タコス「その時、風越のお姉さんから貰ったタコさんウインナーを食べて見事復活し」
タコス「華麗な打ち筋で相手を圧倒したのを覚えているかい?」
和(どちらかというと苦戦を強いられていたような気がしますが)
タコス「つーまーりー!」
タコス「タコのつくものを食べれば、このタコス表記もなおるかもしれないじぇ!」
タコス「どや!」
京太郎「確かに……なんで今まで気付かなかったんだろう」
タコス「わかってくれたか、犬!」
京太郎「おう!」
和「これで問題解決、QEDですね」
タコス「こうしちゃおれん。京太郎、早くタコ料理を用意してくれ!ちなみに私はタコさんウインナーが食べたいのだ」
京太郎「あ、すまん」
タコス「どうした!」
京太郎「実は俺タコスしかまだ作れないんだ。タコさんウインナーなんて高度な料理は俺にはまだ無理だわ」
タコス「うそーん!」
タコス「どうしよう……」
久「仕方ない、美穂子に頼んで作ってもらいましょう。これでいいでしょ?」
タコス「部長……」
久「ほら、はやく元に戻ってこのつまらない流れを断ち切るわよ」
タコス「うん!」
和「咲さんもいつまでも寝てないで起きましょう!」ユサユサ
咲「むにゃむにゃ……んん、和ちゃんおはよー」
和「今から風越女子に向かいます。準備して下さい」
咲「え、風越に行くんだ!よーし、待っててね風越の大将さん。今日もレイプ目になるまでゴッ倒してあげるよ!」ゴッ
久「あ、須賀君はお留守番よ。風越は一応女子校だから」
京太郎「……はい」
そして風越
久「こんにちはー!」
美穂子(あら……この声は上埜さん?)
美穂子「はい」
久「久しぶりね、美穂子」
美穂子「お久しぶりです。今日はどうして風越に……?」
久「実はこの子の名前がタコスちゃんになっちゃってね」
タコス「お姉さん、しばらくぶりだな!」
美穂子「あら、あなたは……タコスちゃん。元気にしてたかしら?」
タコス「うぅ、悪気がないのはわかってるけど改めてその名前で呼ばれると傷つくものがあるじぇ……」
久「まあいろいろあってね。今日は美穂子にお願いがあってここまで来たんだけど」
美穂子「お願いですか?」
久「うん。それで――かくかくしかじか」
美穂子「そうだったんですか……」
美穂子「つまりタコスちゃんの名前を元に戻すために私にタコさんウインナーを作ってほしくて、わざわざ風越までいらっしゃったのですね」
久「そう!美穂子は物分かりがよくて助かるわー」
美穂子「……///」
久「じゃあ、早速だけどタコさんウインナーを作ってもらっていいかな?」
美穂子「はい、かまいませんよ」
久「よかったわね、タコスちゃん。これで元に戻れるわ」
タコス「うん!」
美穂子「じゃあ皆さんはゆっくりくつろいで下さい。すぐに用意しますから」
久「うーん……私ってじっと待つのは性に合わないのよね」
久「そうだ、美穂子の傍にいてもいいかしら?あなたの料理の腕前を直に見てみたかったの」
美穂子「は、はい!かまいません!」
久「そう?よろしくね」
久(ラッキー!今日忙しくてお昼抜きだったから丁度よかったわ。後で味見させてもらいましょう)
美穂子(今日は素敵な一日です!上埜さんと一緒に過ごせるなんて……///)
咲「……あれ?」キョロキョロ
久「どうしたの、咲?」
咲「いや、池田さんの姿が見当たらないなーって」
未春「華菜ちゃんならコーチに呼ばれてて席を外してますよ」
咲「あ、みはるんさん」
未春(宮永さん……こんなにフランクな人だったかなぁ)
咲「はぁ……池田さんをイジメ――じゃなくて、一緒に遊ぼうと思ったのにこれじゃ楽しみが半減だよ」
咲「仕方ない、文堂さんをゴッ倒して遊ぼうかな?」
咲「文堂さーん、麻雀しませんかー?」
文堂「ひィ!?」
咲「あ、待ってよ。逃げないでよ!」タタタ
和「……私は校内の見学をしたいですね。やっぱりお嬢様学校には憧れます」
未春「じゃあ私が案内しますよ」
和「よろしいんですか?」
未春「はい!」
和「ではお言葉に甘えますね」
未春「いえ、気にしないでください」
和「優希はどうしますか?」
タコス「今日はいろいろありすぎて疲れたじぇ。のどちゃんは私に気にせずぶらついてくるがいいじょ」
和「はい、ではまた」
タコス「またねー、のどちゃん」フリフリ
タコス「……疲労感がMAXだじぇ」
タコス「お姉さんがタコさんウインナー持ってくるまでちょっと居眠りするじょ」ゴロン
タコス「ふぅ……」
ドクン
タコス「えっ」
ドクン
タコス(これ……さっきのと同じやつ……まさか……)
ドクン
タコス「あっ」
ドクン
タコス「やめ…て…」
ドクン
タコス「だ…めっ…」
ドクン
タコス「うっ…がっ…」
ドクンドクンドクンドクンドクン!!
タコス「あああああああああああああああああああ!!」
華菜(はぁ……今日もコーチに理不尽な罵声を浴びせられたし……!)
華菜(……なんか思い返すと胃がムカムカしてきたし!イラつくし!!)
ドアバンッ!
華菜「ただいまだし!!」
シーン…
華菜「あ、あれ……誰もいないし」
華菜「キャプテーン!みはるーん!」
華菜「……返事がないし」
華菜「ん?」
タコス「」
華菜「お、こんなところにうまそうなタコスが置いてあるし!」
華菜「すーみんが忘れてったのかな?」
華菜「まあ何にせよ、いつまでも放置するにはいけないし!」
グーギュルギュル
華菜「このタコスは責任を持って華菜ちゃんがいただくとするし!」
――やめて
華菜「ん?」
――食べないで
華菜「何だ?」
――私はタコスじゃない
華菜「……気のせいか。もう華菜ちゃん、お腹ペコペコだし!」
華菜「いっただきま~す♪」
ガブッ!
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ!!」
……………………
…………
……
優希「……はっ!」
優希「……」
優希「…………」
優希「……………………」
優希「あれ……今のは……?」
咲「あ、優希ちゃん。やっと起きたんだ」
優希「さ、咲ちゃん……?」
和「もう、いつまで寝てるんですか!はやくしないと部活がはじまりますよ!」
優希「部活……?だって、さっきまで私達は風越に行って……」
和「何を寝ぼけてるんですか?」
優希「……」
咲「ほら、部長と染谷先輩が部室で待ってるよ。急ごうよ!」
優希「う、うん……」
優希(さっきのは夢だったのか……?)
優希(なんだかリアルすぎてわけがわからないじぇ……)
ガチャッ
和「こんにちはー」
久「お、やっと来たか」
まこ「遅いぞー、一年生」
咲「す、すみません……」
和「優希がいつまでたっても起きないのが悪いんですよ!」ビシッ
優希「ごめんなさい……」
久「珍しいわね。いつもの優希なら笑い飛ばして流すのに」
優希「今日はちょっと気分が乗らないじぇ……メランコリーなのだ……」
久(あらあら。本格的にまいってるようね……)
まこ「ほれ、アンタがそんな様子じゃこっちも調子が狂うんじゃ」
まこ「タコスでも食べて元気出しんさい!」
優希「えっ……」
まこ「風越のキャプテンがわざわざ作ってくれたんじゃ。みんなも感謝しとけよ~」
咲「福路さんいらっしゃったんですか?」
久「そうよー。でもコレ届けたらすぐに帰っちゃった」
久「ゆっくりしていけばよかったのにね」
和「有り難いですね……では、お一ついただきますね」
咲「あ、私もいただくよ!」
咲「うん、このタコスすっごく美味しいよ!」
和「福路さんは麻雀だけじゃなく、料理の道でも活躍しそうですね」
久「美穂子の家庭的なところ見習いたいわねー。いや、美穂子を嫁にすればいいのか!」
まこ「何を言っとるんじゃ……」
咲「はい、優希ちゃんもどうぞ!」
優希「あ、ありがとう……」
優希「………………」
優希(いつまでも夢のことを引きずってっちゃいけないよね……)
優希(うん、せっかくお姉さんが作ってくれたタコスだじぇ!)
優希(ここで食べないのは失礼だじぇ!私もいただくとするじょ!)
優希「じゃあ、私も!」
咲「どうぞ、召し上がれ!」
優希「いっただきまーす」アーン
――おい、清澄のタコス娘
優希「へ?」
イケダコス「そろそろ食べろよ」
優希「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!」
優希「タコスがしゃべったああああああああああああああああ!!」
おわり
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