廃墟と化した鎮守府の秘密 (1000)
「廃墟と化した鎮守府を見つけて」の続きです
このスレでおそらく完結するはず
※注意
艦隊これくしょんSSです。安価あり
作中には艦娘の轟沈や死に関する内容や表現が含まれます
そういう内容が苦手な方は十分ご注意ください
前スレ【廃墟と化した鎮守府を見つけて】
廃墟と化した鎮守府を見つけて - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480178936/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1482651397
◆現在の所持アイテム
◇未使用
・変わった形状の鍵
・入渠ドックの鍵
・暗号メモ(卯月のメモ)
◇使用済み(繰り返し使用可能品のみ)
・寮部屋のマスターキー
・本庁舎東側出入口の鍵
-港湾施設 入渠ドック前-
阿武隈「なんとかあの化け物と出くわさずにここまで来れたわね」
不知火「ここが『入渠ドック』ですか……。本庁舎に劣らないくらい大きな施設です」
時雨「ただのドックじゃないのかも。見たところ、ここと工廠以外には港湾に建物がないし……ここに港湾機能が集中してるのかもしれないね」
吹雪「あそこが入り口です!」
阿武隈「鉄製の頑丈そうな扉だわ……。時雨ちゃん、鍵を試してみて」
時雨「うん。随分扉に錆が浮いてるけど……鍵穴は無事であってくれ」ガチャ…
ガチンッ!
時雨「……よし! 開けられたよ」ギギギ
阿武隈「入ろう。ここを徹底的に調べて、初霜ちゃんたちと合流しなきゃ!」
時雨「不知火、念のため皆が入ったら扉は閉めておいてくれるかい?」
不知火「わかりました」
-入渠ドック ラウンジ-
吹雪「うわ……すごい。少し荒れてるけど、ソファーやテーブルがいっぱいある」
阿武隈「ちょっとしたホテル並ね。廃墟じゃなければもっと綺麗だったんだろうけど」
時雨「ここは入渠待ちの艦娘向けの休憩処だったのかな?」
不知火「……あれを見てください。ここの案内板のようです」
阿武隈「本当だわ。みんなライトで照らして」ピカッ
吹雪「えっと……今私たちがいる場所が『ラウンジ』ですね。奥に進むと海に繋がる『ドック』があるみたいです」
不知火「その他にも『治療室』『入渠場』『休憩室』という部屋もあるようですね」
時雨「『娯楽室』『カフェ&BAR』なんて部屋もあるけど、使用禁止のシールが張られてる……」
阿武隈「一見すると、閉鎖的だったって言う鎮守府の環境とは不釣り合いなくらい福利厚生も充実って感じだけど……」
時雨「おそらくこれらの施設が賑わってたのは、前任の提督が居た頃の話なんだろうね」
吹雪「そうか。司令官が変わって閉鎖的な雰囲気になったから、娯楽室とかは使用禁止にされたんだ」
不知火「……ここまでされた艦娘たちの不満や心境は察するに余りあります」
阿武隈「それで肝心の『地下への入り口』だけど。時雨ちゃん、何か心当たりとかはある?」
時雨「いや、申し訳ないけどそこまでは、まだないかな……」
吹雪「とりあえず1部屋ずつ見ていきませんか?」
不知火「そうですね。本庁舎ほど部屋数も多くないですし」
阿武隈「じゃあ、まずはどこにいく?」
行動安価>>14
ドック
時雨「ここは順当に『ドック』から当たってみよう」
吹雪「案内板を見る限りドックはこの施設の半分近くを占めてるみたい」
不知火「何かある可能性は大いにあり得ますね」
阿武隈「じゃ、そこで決まりね」
吹雪「ドックは……この通路を真っすぐ進めば見えてくるはずです」
時雨「いってみよう」
-ドック-
吹雪「この大きな扉の向こうがドックですね」
時雨「見たところ鍵とかはないみたい。そのまま開けられそうだ」
阿武隈「開けてみよう」
不知火「では不知火が……」グググ
ガチャン!
吹雪「……潮の匂いがする。それに波の音も!」
時雨「結構広大な空間になってるみたいだね。奥の方は……星空が見える。海と繋がってるんだ」
阿武隈「帰還してきた艦娘は、ここから直接入渠や修復が出来るようになってるんだわ」
不知火「なるほど。この施設自体が入渠ドック以外の港湾施設を集約した複合施設という訳ですか」
吹雪「でも、これだけ広いと探すのも大変そう……」
阿武隈「うーん……。とりあえず目に見える場所から調べていきましょう」
時雨「地下への入り口は何らかの形で隠されてる可能性も高い。見落としが無いよう細かく調べよう」
吹雪「うん!」
不知火「了解です」
吹雪「色々な機械とかもたくさん並んでるけど、どれも錆びたり腐食してたりで酷い状態だ」
時雨「海側が解放されたままになってるから、潮風の影響や高波とかで海水を被ったりしたんだろうね」
阿武隈「普通なら防水用のシャッターとかがあるはずよね?」
時雨「おそらくそれを閉める前にここから人が消えたんだと思う」
不知火「この鎮守府の人の消失は突発的な出来事だったと?」
時雨「僕はそう考えてるよ。他の場所の状態もそれを物語ってるし……」
吹雪「やっぱり……ここにいた艦娘が消えちゃったのは、行方不明事件と何か関係があるのかな?」
時雨「まだ僕にも解らないけど……っと、この先は水場になってるみたいだ」
不知火「だいたいドック内の構造は掴めてきましたが……とりわけ気になる箇所がある訳でもないですね」
阿武隈「そうね。駄目になった機械とかクレーンとかはたくさんあるけど……何かが隠されてそうな所は無さそうね」
吹雪「別の場所に行ってみますか?」
時雨「そうだね。気になるようならまた来ればいいし」
行動安価>>19
↑
立入禁止は入れの標識
入渠ドックの見取り図ですが、
海
ドック
治療室 通 休憩室
入渠場 路
娯楽室
カフェ
ラウンジ
入り口
って感じです。
ドック以外では入渠場と娯楽室が大きめの部屋
カフェと娯楽室はラウンジと通路に1つずつ出入口
ドック、治療室は通路からのみ入室可能
右側の休憩室は仕切りがなく、通路の延長線上に存在(通路は逆さL字型)
伝わるかな……?
吹雪「あの娯楽室やカフェって場所は入れないんでしょうかね?」
阿武隈「使用禁止って書かれてた所だよね? どうなんだろ……」
時雨「気になるのかい?」
吹雪「あ、いえ……なんとなく。ですが」
時雨「いいよ。いってみよう」
不知火「見取り図によれば、娯楽室もカフェもさっき通ってきた通路から入室可能ですね」
阿武隈「じゃあ、一回戻ってみようか」
-通路-
不知火「ここが『娯楽室』の出入口ですね。ご丁寧に使用禁止のプレートが掛かってます」
時雨「鍵が掛かってるね……」ガチャガチャ
吹雪「ということは、やっぱり調べるのは無理かな……?」
時雨「……いや、庁舎や寮の扉と比べて頑丈そうではないし。案外壊して入れるかも」
阿武隈「手荒な真似はちょっと……」
時雨「大丈夫だよ……不知火」
不知火「お任せを」
不知火「……ふんっ!」バキッ!
ギィィ…
吹雪「ほ、本当に開いた……」
不知火「やはり燃料が満タンですとパワーが違いますね」フンス
時雨「本庁舎での汚名返上だね」
阿武隈「……これは旗艦として注意した方がいいのかしら?」ブツブツ
-娯楽室-
時雨「この部屋は閉鎖されて長いせいか、とりわけ埃っぽくなってるね」
吹雪「結構広い部屋だね……部屋の中にまた別の部屋がいくつかあるよ」
阿武隈「この部屋は……シアタールーム!?」
不知火「こちらはガラス張りになってる部屋ですね……トレーニングルームのようです」
吹雪「うわぁ、トレーニングマシンがいっぱい! 本格的だ……」
時雨「ここは卓球台が置かれてる。マッサージチェアに飲み物の自動販売機まで……まるで旅館だね」
阿武隈「ビリヤードの台にダーツまであるわ! 休憩用のイスとテーブルもあるし、至れり尽くせりね」
時雨「ここまで娯楽施設が揃ってる鎮守府はそうそうないよ。破格の規模だ……」
不知火「これらは全て、前任の司令が艦娘たちの為に用意したのでしょうか?」
時雨「そうだろうね。後任の提督がこんな場所を増設したとも思えないし」
吹雪「前の司令官は、優しい思いやりのある方だったみたいですね」
阿武隈「ちょっと過保護な気もするけどね……」
阿武隈「……さて、みんなどうだった?」
吹雪「特に気になる所はありませんでしたね」
不知火「不知火も同じです」
時雨「僕も、何か仕掛けがないか念入りに調べたけど……この部屋には何もなさそうだよ」
阿武隈「ハズレだったってことね……。また別の場所に行きましょう」
行動安価>>31
カフェ
阿武隈「どうせなら同じく使用禁止になってた『カフェ&BAR』って所にいってみない?」
吹雪「はい。いいと思いますよ」
不知火「カフェなら通路に出てすぐの向かい側に入り口があったはずです」
時雨「よし、いこう」
-通路-
吹雪「ここも使用禁止のプレートと鍵が掛けられてるね」
時雨「不知火、お願い」
不知火「はい」
不知火「ふんっ!」バキッ…ギィィ
時雨「よし、開いた。早速中に入ろう」
阿武隈「……無事に帰れたら神通ちゃんに相談しようかな」
-カフェ&BAR-
時雨「ここはまた……豪華な内装だね」
吹雪「カウンターが2つある……。どっちも本物の喫茶店やBARみたい」
阿武隈「埃は被ってるけど、まだお酒やドリンクの瓶なんかが置かれたままになってるわ」
時雨「奥の方には小さな調理場もあるけど……長い間使われた形跡はないね。調理器具は残ってるけど、埃まみれだ」
吹雪「テーブルや椅子もたくさんある……念のため1つずつ見ていこう」
不知火「……! 時雨さん、これを見てください」
時雨「何か発見したの?」
不知火「このバーカウンターの棚に置かれている酒……ナポレオンですよ」
不知火「こっちにはロマネコンティに高そうなシャンパンも無数に……」
時雨「……何かと思えば。真面目に調べてよ」
不知火「あっ……す、すみません」
時雨「まったく……」チラッ
時雨「でも本当に高級酒ばかりだ……那智さんやポーラさんが居たら狂喜してるだろうな」
吹雪「うーん……。室内のテーブルや椅子は全て調べたけど、なにも無いです」
不知火「調理場、カウンターにも特に仕掛けなどはないようです」
阿武隈「じゃあ、ここも違うって事かしら……?」
時雨「もし地下への入り口が隠されてるのだとしたら、人目に付くような場所は避けるんじゃないかな?」
時雨「この鎮守府の艦娘たちは皆、地下の存在を知らなかったみたいだし」
吹雪「考えてみればそうだよね。じゃあ、人目に付かなさそうな所っていうと……」
行動安価>>38
治療室かな
阿武隈「『治療室』とか……緊急時以外は出入りも少ないし、出入りする人も限られるんじゃない?」
不知火「たしかにそうですね」
時雨「治療室か……調べてみる価値はありそうだね」
吹雪「じゃあ、次は治療室にいってみよう」
-治療室-
時雨「ここは鍵などは掛かってないね」キィィ
不知火「医療施設にしては、やけに不用心にも見えますね……」
吹雪「いくつかの部屋に分かれてますね。『ベッドがある部屋』と……あっちは『手術室』?」
阿武隈「あそこの個室は『レントゲン室』って書いてあるよ。隣には『ICU』もある」
時雨「手分けして調べてみよう」
行動安価>>43
時雨が調べる部屋は?
ベッドがある部屋
個人的にはカルテ室と薬剤室があるなら調べたい
艦娘の治療てお風呂で全て解決じゃないのか
>>45
独自設定になりますが、
小破(明石が修理出来るレベルの軽度な損傷)はお風呂で回復可能
中破~(明石で修理不可)は医療設備で治療が必要
大破は重傷。集中治療および入院が必要
という設定です(バケツ使用の場合を除く)
時雨「僕はあの『ベッドがある部屋』を調べてみる」
不知火「では『手術室』は不知火が」
阿武隈「あたしは『レントゲン室』を見てみるよ。吹雪ちゃんは『ICU』をお願いできる?」
吹雪「わかりました」
時雨「何があるかわからない……。みんな十分に用心して」
-治療室 病室-
時雨「ベッドが並んでる。1、2……6つか」
時雨「ここは負傷した艦娘用の『病室』だったのかな?」
時雨「負傷者が発生しない限り出入りする人は限られてただろうから、何か隠されてる可能性もあるか」
時雨「考えられそうな箇所を調べてみようかな」
時雨「……」
時雨「……ん? ベッドの幾つかは布団も綺麗に畳まれて患者待ちになってるけど」
時雨「中には布団が敷かれたまま、やけに荒れてるベッドもある?」
時雨「このベッドは隣に点滴と管が繋がれたまま放置されてる。この状況はまるで……」
時雨「……」
時雨「室内に仕掛けとかは無い。役立ちそうな物も特になさそうだ」
時雨「仕方ない。一度戻ろう」
阿武隈「あ、時雨ちゃん。そっちは何かあった?」
時雨「いや、特には……。阿武隈さんは?」
阿武隈「あたしも何も。レントゲンの機械とかはそのまま残ってたけど、それ以外には何も無かったの」
時雨「そう……」
不知火「すみません、お待たせしましたか?」ガチャ
時雨「不知火。手術室はどうだった?」
不知火「室内は隈なく調べましたが、何か隠されてそうな所はありませんでした」
不知火「手術台や機器、器具などがありましたが、あまり使われていた形跡はありませんでしたね」
阿武隈「手術が必要となるとかなりの重傷者だけだし、滅多には使われなかったのかも」
時雨「……」
阿武隈「あとは吹雪ちゃんだけね」
吹雪「あ、皆さんちょうど集まってましたか」ガチャ
阿武隈「噂をすれば……どうだった吹雪ちゃん、ICUは?」
吹雪「いえ。残念ながら地下への入り口みたいなのは無さそうでした」
阿武隈「そっか……うーん」
吹雪「あ、でも。ここの艦娘たちの治療記録みたいな物なら纏まってましたね」
時雨「治療記録?」
吹雪「うん。時雨ちゃんなら何かわかるかなって思って、呼びに来たんだけど」
時雨「……たしかに興味深いね。吹雪、ちょっと案内してくれる?」
吹雪「うん。こっちだよ」
重要な物は後に再回収可能なのであまり深刻にならなくても大丈夫ですよ
-ICU-
不知火「ICU……集中治療室ですか。さすがに色々な設備が整っています」
阿武隈「ベッドは1つだけ。特に重篤な娘を入れる為の場所ってことね」
時雨「吹雪、治療記録っていうのはどこに?」
吹雪「あの棚の中だよ」
時雨「これか……」ペラ
時雨「……月ごとの治療記録のようだね。治療や診察をしていたのは明石か。サインが残ってる」
不知火「何か変わった点などは?」
時雨「いや……内容は至って普通だ。特におかしなところも……」ペラペラ
時雨「ん? 2013年の7月以前のサイン……明石以外に提督のサインも残ってる」
阿武隈「提督の?」
不知火「時期的には前任の司令ですね」
吹雪「前任の司令官が明石さんを手伝っていたのかな?」
時雨「かもしれない……この頃の記録には、損傷の具合とかもかなり細かく書かれてるな」ペラペラ
今日は駄目だ。頭でまったく文章が組み立てられない…
頭を整理して年末で一気に進めます
時雨「気になったのはそれくらいか……あとは至って普通の記録みたいだ」パタン
不知火「何か手掛かりになりそうですか?」
時雨「うーん……どうだろう。まだ何とも言えないかな」
吹雪「ねえ、時雨ちゃん」
時雨「なんだい?」
吹雪「そろそろ教えてくれないかな? 時雨ちゃんはどうして、この入渠ドックに地下への入り口があるって思ってるの?」
時雨「……そうだね。一度僕の考えをみんなにも話しておこうか」
時雨「さっきも話した通り、僕は卯月の目撃証言が鍵だと思ってるんだ」
吹雪「卯月ちゃんの話が全て正しかったとしたら…って、さっき言ってたけど。それはどういう意味なの?」
時雨「言葉通りさ。卯月の証言は何も間違っていない。人影はここに入った後、本当に姿を消したんだ」
時雨「この事が、ここに地下への入り口が隠されてると考えられる根拠になるんだよ」
吹雪「それって……まさか」
吹雪「卯月ちゃんが見た人影が消えたのは……隠されていた地下に入っていったからってこと?」
時雨「その通りだよ」
阿武隈「つまり卯月ちゃんが見た人影は、ここに来たあと何処かに隠されている入り口から地下へ入っていった」
阿武隈「だから追いかけてきた卯月ちゃんには、人影が忽然と姿を消したように見えたのね」
時雨「うん。恐らくそれがあの噂の真相だろうね」
不知火「たしかに……それなら辻褄は合いますね」
阿武隈「でも、その隠された入り口っていうのが何処にあるのかが最大の問題な訳だけど」
時雨「それは気になる所を手当たり次第に調べていくしかないね」
時雨「ここは普段から艦娘たちが利用していて出入りも多い。ふとしたことで発見されないような仕掛けになってるんだとは思うけど」
阿武隈「ここを利用してる娘たちにも見つからない所……」
時雨「この部屋に何か隠されてそうな所はなかったんだよね、吹雪?」
吹雪「う、うん。念入りに調べたから見落としはないと思うけど」
不知火「そろそろ次の場所に移動しますか?」
時雨「……」
行動安価>>71
1 まだ『治療室』を調べる(調べる部屋を指定)
2 他の場所にいく(場所を指定)
3 それ以外の行動(行動を指定)
↑
時雨「その前に、一度手術室を見ておきたいんだけど。いいかな?」
阿武隈「手術室を?」
不知火「そこは不知火が調べましたが……不知火の探索に何か落ち度でも?」
時雨「あ、違うよ。誤解しないで。不知火を疑ってる訳じゃないんだ」
時雨「個人的に少し気になってね……。自分の目で一度見ておきたいんだ」
時雨「だからね、そんな……泣きそうな目をしないでよ」
不知火「……」
吹雪「不知火ちゃんは見ておくから、行ってきて時雨ちゃん」
時雨「……ごめん。お願いするよ吹雪」
-手術室-
時雨「さて、不知火の言った通り……室内は綺麗であまり使われた形跡はないか」
時雨「手術に使う器具は鍵の掛かった保管ケースの中……。これは強引には開けられなさそうだ」
時雨「室内も……床……壁……特に妙な所はない。隠し扉の類とかはなさそうだ」キョロキョロ
時雨「残るはこの棚くらいか」ガララ
時雨「……手術記録の纏まったファイルがあるけど。普通の記録みたいだ」パラパラ
時雨「さすがに……こんな場所では行われてない、か」ボソッ
時雨「仕方がない。別の場所を――」パタン
ヒラッ
時雨「おっと、ちゃんと綴じられてない紙があったのか」ガサッ
時雨「……あれ? これは手術の記録じゃない。報告書の写し書き?」
『先週、鎮××東××岸に漂着し×××のを発××××身元×明の遺×に関する検死×果に××て報告します。』
『遺体は×間の年齢にし×10代~50代と×定。腐×と×壊が××く、当施設の××では年×特×及び性×に××る×定は不××。』
『××からは人×のDNAと深×××固有の××Aが××さ×ま×たが、漂着××付近に多×の×××艦の×骸も××××××た為、』
『×出××たDNAからこの××が×間か×娘か×海×艦かを××する××は極めて困××あると×論。』
『なお、この遺×は少将××の×令により××××××』
『××××年1×月 ×××××』
時雨「これは……」
時雨「この遺体って……いや……だとすると……」ブツブツ
時雨「……考えても今の情報だけじゃ答えは出ないか。本来の目的に戻ろう」
時雨「でも、どうして写し書きがこんなところに……?」
阿武隈「時雨ちゃん。どう、何か見つかった?」
時雨「……いや。不知火の言った通り何もなかったみたいだ」
吹雪「そう……」
時雨「妙な誤解をさせてしまってごめんね、不知火」
不知火「あ、いえ……不知火のほうこそ勝手な思い込みをしてしまい、申し訳ありません」
阿武隈「それで次はどうする?」
時雨「そうだね……。ここの探索はこれくらいでいいと思うな」
行動安価>>79
1 他の場所にいく(場所を指定)
2 それ以外の行動(行動を指定)
踏み台
時雨「次の場所に行ってみよう」
吹雪「あと調べてないのは……『休憩室』と『入渠場』だね」
阿武隈「休憩室ならこの部屋の正面だし、次はそこを調べようよ」
時雨「じゃ、休憩室で決まりだね」
-休憩室-
吹雪「あれ? たしか休憩室ってここだったよね?」
不知火「ここで間違いないですが……通路とを仕切る壁や扉がありませんね」
阿武隈「自動販売機とテレビにテーブル、椅子のセットが数脚並んでる。この空間が休憩室、なのかな?」
時雨「これじゃあ、休憩室っていうより休憩所って感じだね」
吹雪「見て、奥の方に部屋があるよ」
不知火「何の部屋でしょうかね?」
時雨「とりあえず、入ってみよう」
-休憩室 シャワールーム-
時雨「ここは……更衣室かな? 奥にまた別の空間があるみたいだけど……?」
阿武隈「あっ、これって個室型のシャワーだわ」
時雨「……シャワー?」
吹雪「ってことは……ここはシャワールームなんだ」
不知火「不知火たちの鎮守府にあるのと同じタイプですね」
阿武隈「演習の後とかによく使うのよね。お風呂もいいけど、軽く汗を流すだけならシャワーの方が便利だし」
吹雪「シャワールームも内装はすごく豪華だけど……さすがに水回りは変色したり錆が浮いてたりしてるね」
不知火「水の元栓は生きているのでしょうか?」
阿武隈「もし生きてたら蛇口をひねった瞬間、赤水のシャワー……ううっ、想像しただけでも気持ち悪い」
時雨「ここと更衣室も併せて調べていこう」
不知火「……更衣室のロッカーなどは、怪しいかもしれませんね」ガチャッ
時雨「タオルとか私物が残ってるロッカーもあるね。不知火、奥の壁とかに仕掛けがないか念入りにチェックして」
不知火「了解」ドンドン
吹雪「シャワールームの中は……っ、なんか変な臭いがするっ!」
阿武隈「下水の臭いね……。長い間水を流してなかったから排水溝から臭ってきちゃってるんだよ……」
吹雪「うぅ……でも、とりあえずシャワールームの中を調べないと」ドンドン
阿武隈「うぇぇ……髪の毛に臭いが染みついちゃいそう」トントントン
阿武隈「どう、みんな。何か見つけた?」
吹雪「いえ、シャワールームには特に何も……」
不知火「更衣室のロッカーも全て調べましたが、怪しいところはありませんね」
阿武隈「じゃあ……ここも違うのかな?」
時雨「……」
時雨(……なんだろう。何か引っかかるな)
自由安価>>
入れ忘れ
自由安価>>88
うーちゃんのメモ書きってロッカーのダイヤルキーじゃないかなー?
色々説明描写が欠けてました…
>>83訂正
-休憩室 シャワールーム-
時雨「ここは……更衣室かな? 奥にまた別の空間があるみたいだけど……?」
吹雪「なんだろう? 小さな個室が4つほど並んでるけど……トイレ?」
阿武隈「あっ、これって個室型のシャワーだわ」
時雨「……シャワー?」
吹雪「ってことは……ここはシャワールームなんだ」
不知火「不知火たちの鎮守府にあるのと同じタイプですね」
阿武隈「演習の後とかによく使うのよね。お風呂もいいけど、軽く汗を流すだけならシャワーの方が便利だし」
時雨(そういえば……秘密基地で見つけたこのメモ)ガサッ
『いちばんおく みぎに3かい ひだりに5かい みぎにぜんかいまでまわして いちどおす こわれているから××は』
時雨(もしかしてこれ、何かの暗証番号なのかな?)
時雨(たとえば……ロッカーのダイヤルキーとか?)
時雨(……いや、このロッカーは鍵式だ。それに念入りに鍵を掛けてるロッカーなんて無かったし、これは違うか……)
時雨(このメモが意味してるもの……いったい何なんだ?)
自由安価>>94
卯月のメモの通りにシャワールームの一番奥の個室の蛇口を回す
時雨(いちばんおく……みぎ……ひだり……ぜんかい……まわす)
時雨(こわれているから××は……こわれ……)
時雨(……!)
時雨(ひょっとして、このメモの意味って……)
時雨「……試してみるか」
不知火「時雨さん?」
時雨「阿武隈さん、吹雪。シャワールームの個室は全部調べた?」
阿武隈「えっ? う、うん。調べたよ」
吹雪「私も……調べたけど?」
時雨「じゃあ――」
時雨「シャワーのハンドルは回してみた?」
吹雪「えっ、シャワーのハンドル?」
阿武隈「そこは……調べてないね」
時雨「ということは……!」ダッ
阿武隈「し、時雨ちゃん!?」
時雨「一番奥の個室……ここだね」ガチャ
時雨「やっぱり……ハンドルは1つ。左右に回すタイプか」
阿武隈「時雨ちゃん! 水が止まってるかもわからないのにシャワーを出したら……!」
時雨「いや……たぶん大丈夫だよ」キュッキュッ
吹雪「うわわっ! って……あれ? 水が出ない?」
時雨「やっぱり……『こわれている』」
時雨「あのメモの千切れた部分に書かれていたのは、『こわれているからみずはでない』だったんだ!」
不知火「どういうことですか、時雨さん?」
時雨「あの卯月が残したメモだよ。あれは……このシャワールームのことを示してたんだ!」
時雨「だとすると……あのメモに書かれていた通りにハンドルを回せば……」
時雨「右に3回……」キュキュキュッ
時雨「左に……5回」キュッキュッキュッ
時雨「さらに、右に全開まで回して……1度、押す!」グッ
ガコン!
時雨「!」
阿武隈「なに? 今の音……?」
吹雪「あっ! 時雨ちゃん、それ!」
時雨「……なるほどね。こういう仕掛けだったのか」ギィィ
阿武隈「シャワーがある壁が外れて……奥に空間が!」
不知火「回転扉の仕掛け……ということは、ここが……!」
時雨「うん。『地下への入り口』だ」
切りが良いので本日はここで
あと1回自由安価を外していたらバッドエンドだったのですが、実にお見事でした
ここから先はミスや矛盾が許されないので出来るだけ纏めて書いていきたいと思います
お付き合いありがとうございました
時雨「中は真っ暗だけど……下に続く階段が見える。ここで間違いないみたいだ」
吹雪「ってことは、この中に初霜ちゃんと夕立ちゃんが……!」
不知火「入ってみますか?」
時雨「ようやく見つけたんだ。入らない選択肢はないさ」
阿武隈「うん。初霜ちゃんたちが待ってるわ!」
時雨「よし……みんなライトを点けて。階段は急だし結構長そうだ。足元に気をつけて降りていこう」
ゴポッ コポポ…
-地下への階段-
阿武隈「本当に長い階段ね……。明かりもついてないし、空気もどんよりしてる」
吹雪「天井のところに電灯みたいな物はありますけど……電気が止まってるのかな?」
不知火「ここだけ電灯が点いていたら、それはそれで怖いですけどね」
時雨「……! 見て、何か見えてきたよ」
阿武隈「これって……通路かしら? 3つに分岐してるわ」
吹雪「真っすぐと右と左。どの通路も同じに見えるけど……」
不知火「どちらに進みましょうか?」
時雨「……」
行動安価>>141
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
1
時雨「真っすぐ進んでみよう」
阿武隈「そうね。下手に動き回ると現在地を見失ってしまうかもしれないわ」
吹雪「いってみましょう」
-地下施設 通路-
阿武隈「まさか鎮守府の地下に、こんな場所があるなんて……」
不知火「先ほどから一本道の通路が続くばかりで扉なども見当たりません。いったい何なんでしょうか、ここは?」
時雨「おそらくだけど、ここは……」
吹雪「あっ、また道が分かれてます!」
阿武隈「今度もさっきと同じ3つの分かれ道……今度はどうしようか?」
行動安価>>144
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
2
不知火「では、右に行ってみましょう」
吹雪「何か当てがあるの?」
不知火「いえ、勘です」
阿武隈「あれ? 扉が見えるけど行き止まりだわ」
時雨「扉にプレートが填められてる……『オフィス』?」
吹雪「入ってみる?」
不知火「鍵が掛かってますね」ガチャガチャ
阿武隈「うーん……。入れないなら、戻って別の場所にいく?」
時雨「……」
自由安価>>147
変わった鍵を使う
駄目なら戻って直進
時雨「不知火、執務室で見つけた『変わった形状の鍵』を貸してくれる?」
不知火「これをですか?」チャリ
時雨「うん。本庁舎の扉には合わなかったし、もしかすると……」カチャ
カチン!
時雨「ビンゴだ」ギィィ
吹雪「その鍵は、この部屋の鍵だったんだ」
阿武隈「入ってみましょう」
-オフィス-
吹雪「あれ? 中は普通の部屋だ」
阿武隈「ほんとだ。オフィスっていうから、もっとたくさん机とかが並んでるのかと思ってたけど……」
時雨「テーブルとソファーに、書類が積まれた机。奥にはベッドも見えるね。それに部屋中本だらけだ」
不知火「オフィスというより図書室か……いや、誰かの私室という感じですね」
阿武隈「確かにそんな感じね。なんでオフィスなんだろう?」
行動安価>>153
部屋の中を調べる
ちょっとお風呂入ってきます
進めたいのに0時頃にならないと頭のエンジンがかからないから超スローペース…
時雨「とりあえず、部屋の中を調べてみよう」
阿武隈「すごい数の本ね……。壁は殆ど本棚だし、溢れた本がテーブルや床にまで積み上げられてるわ」
不知火「医学、薬学、生物学に……外国語の本も多いですね。何の本かは解りかねますが」
吹雪「あっ、これベッドじゃないよ。ソファーにシーツを被せただけの簡易的な寝所みたい」
阿武隈「近くに毛布もあるし、ここで誰かが寝てたのかしら……?」
時雨「机いっぱいに山のように書類が積まれてる。ここを弄るのは後回しにしておこう」
時雨「机の中には……あっ、鍵があった」ゴソゴソ
時雨「プレートが付いてる……『検体保管室』?」
時雨「やっぱり、この施設は……」
時雨「一応この鍵は回収しておくとして、他の引き出しは……っと」ゴソゴソ
時雨「んっ? この引き出しの奥にまだ何か入ってるな」ゴソゴソ
時雨「これは……日記?」ペラッ
『我×が×って××こと×果×して正××こと×××の×? 初め×××を行っ××の日か×考×続×××る××だが、未だ結×は出×い。』
『××の為に、×験の為に、多くの××を殺×××た事は××ようの×い事×だが、』
『同時に××は、×ぬ××だった××たちを×らせることに成功××とも××る。』
『今では開発××の×入によ××、××を×として使用する××はなく×った。』
『故×多くの×間が知らな××まに×娘たちを運×している。彼××ちが××れるまでにどれほどの××が××れたかを。』
『この××は恐ら×一生×る×に出×こ××ない。××たちの××は時と×に××の闇の×に××れて消××い××××う。』
『×たしてそ×が××ことな×か……その×えが出る××は恐らくないだ×う。』
『仮に私が××に×えて、この××を×に知×××よう×して×、大××がそれを×さない××う。この××が×××に××ことを誰×りも×××いるのは××なのだから。』
『何より私は、××の為にこの禁忌に×を×××のだ。その結×として××を×えたのだから、後悔など×りえない××。』
『我々の×。そして受ける×き罰が××るのは恐らくあの×に行っ××らだろう。』
『今となっては××残りは×だけになっ×××ったが、他の××は×××でどのような沙汰を×××××のだろうか?』
『×××いったあ×××ちに詰め×ら×、×まれ、××××ちが受けた××みと同じ×に×××れている×ろうか。』
『いや、×××たちが行くべき×は天国。我々が××であ×う×獄とは別の××に××××う。きっと××ことはない……』
時雨「…………」
『深海棲艦との戦いが始まり×ヶ月が過ぎた。』
『奴らの勢×とその規模は当初の予×をはるかに上回る××だ。我々も日×研究×発を進め、戦況を有×とするべく努力は重ねているが……これでは焼け石に水だ。』
『未だ謎の多い深海棲艦。奴らとの戦いを終わらせる為には、より奴らの事を知る必要がある×かもしれない。』
『最近確認された新型の×海棲艦の報告。人型で高い知能を持つ新型の敵は我々にとって大きな脅威といえるだろう。』
『深海棲艦に関しては謎が多かったが、この新たなる敵の出現によりその謎は×らに深まったといえよう。』
『一方で人類側の損害も目立ち始めている。戦闘の中で撃破され海に沈んでいく艦娘の報告が各地で挙がり始めているのだ。』
『自艦隊で独自に調査を進めた結果、戦闘における損傷の度合いに応じて、艦娘たちを守る機能が低下することが原因のようだ。』
『現状では艤×出力が20%をきるレベルの損傷(大破相当と推定)で機能は喪失し、その状態で更なるダメージを受けることで耐久の限界点を突破し、×沈に至ると思われる。』
『数の劣勢に加えて、新たなる敵の出現。そして艦娘の弱点というべき部分の判明……』
『この戦争の行く末は果たしてどうなるのだろうか……?』
時雨「轟沈のメカニズム……僕たちの鎮守府でもまだはっきりとしたことは解ってないのに」
時雨「そうか。医療室のあれは、そういう……」
時雨「まだ続きがある……」ペラッ
『信じ××ない。我々が×ってきた××は一体何だったというのだ!?』
『元からおかしいとは思っていた。×が××につれ×××に××され××く新×の××棲×。よもやと思い××××たが、まさかこんな……』
『極め×けは×××だ。この調×××を早×に××せたに×か××らず、その××は現状××だと? ふざけるな!』
『奴らは×××てい×のだ。この××が××て×××××の×××××の中に××という×とを。××で×れ××で×く××××が全くの××で×ることを!』
『×らは×められ××のだ。自××ちが××な××を×××と×に、××の暗×になる×の非×××な××まで××て生××××た「××」が、』
『××を終×××ることが×××いどころか、この××をよ××××させ××ると××事実が発×××ことを、××て××のだ。』
『それでは××が×って×××とは×だったのだ……この××の×に失わ××××た×××たちの×は、×××たというのだ!?』
『なにより、××××は…… 私××××を、×よりも×い×××中に×××んで××ったというのか……』
時雨「文字が酷く乱れてる……それこの内容は……」
時雨「次のページで最後だ……」ペラッ
『なぜ気×かなかったのだろう。答えは簡×ではないか』
『×はすべて滅ぼせばいい。最後の××まで根絶×しにするその×まで……滅ぼすことは人×の得意とする××ではないか。』
『だがその為にはまだ何もかもが×りない。まずは研×を進めていく必要があ××ろう。』
『×××の愚か×共は、この事を××ば間×いなく××を企×××ろう。奴らは××で××××××だから。』
『私の邪×をするな×ば、すべてが×だ。深××艦もろとも×し去って××ばいい。』
『必ずやり遂げて××る。××を、こんな××た××の×から×××すために……』
時雨「これは……」
時雨「ここに書かれていること……ということは、やはりここは……」
阿武隈「時雨ちゃん?」
時雨「あっ、ん……はい。なに、阿武隈さん?」
阿武隈「すごく怖い顔してたから気になっただけなんだけど……邪魔しちゃったかな?」
時雨「ううん。少し考え事をしてただけ。それに対したことじゃないから気にしないで」
阿武隈「そう……?」
時雨「さて、あとはこの書類の山か……下手に動かすと一気に崩れちゃいそうだな」ゴソゴソ
時雨「……あれ? 奥の方に何かある……。この山が邪魔で見えないな」ゴソゴソ
吹雪「時雨ちゃん、どうかした?」
時雨「この書類の山の中に何かあるんだけどね……これがなかなか」
吹雪「じゃあ、上のほうから少しずつどかしていけば――」
時雨「あっ、だめ! 下手にいじると!」
ドザザザザッ!!
阿武隈「うわわっ! なに! どうしたの?」
吹雪「す、すみません……机の上の書類を触ったら、崩れちゃって」
不知火「これは不知火の落ち度ではありませんね」
吹雪「うぅ……ごめん、時雨ちゃん」
時雨「いや、大丈夫だよ吹雪。おかげで机の上もだいぶ見やすくなった」
吹雪「と、とりあえず、崩しちゃった書類は私が拾い集めておくから、時雨ちゃんは机の上を調べてよ」
阿武隈「あ、吹雪ちゃん。あたしも手伝うわ」ガサガサ
不知火「不知火も手伝いましょう」ガサ
吹雪「すみません。ありがとうございます……」ガサガサ
阿武隈「でもよかったぁ。あの物置のときみたいに埃で滅茶苦茶になっちゃわなくて」
時雨「……え?」
不知火「どうかしましたか、時雨さん?」
時雨「あ、いや……なんでもないよ」
時雨「まあいいや……。とりあえず、これで見やすくなったし……あれ?」
時雨「書類の山に埋もれてたこの書類だけ、だいぶ紙が古くなってる……?」ゴソゴソ
時雨「『古びた手記』か」ペラ
『夢を×た。一昨日××た少×の夢だ。』
『あの×は健×組として××に×れて×ら××××の1人。おそらく××だった××ろうが、こんなと×ろに相応×く×いほど明×く屈託の×い子だ××。』
『私×××を××と×び、××診断と××た適×××の×××も他の×××ち××違××の底から×の××を慕××××ている×うだった。』
『そんな子を××に××、××より辛い×しみを××せ、そして××てし×った。』
『実×の日。施設に××て×××めにあの子を×××ときの、私を信×しきった×いの欠片も×じ×××い笑×が×××から××ない。』
『数××後。自分が××に××れるという×とを×ったあの×の怯えた×、私に××を求×る×、××が始×っ×あ××の×が×きる×で響×続××悲×と助×を××る声が×も××××れない。』
『××が××り、物××ぬ無×な××に変×××てた××子の、苦××に歪××まま固×××顔が今も頭から離××い。』
『×かな×ータと引×替×に××れ×××子の……いや、それ×前の×××も×めた××の×。そ××を奪××××人である×に×難する権×など××こ×は××っている。』
『×に××ることは、×××早×××を完×さ××、これ××の××を×××××うに×××とし××来×い。』
『国××為と×××、××は決××許×れ××罪×××××××た。』
『血に×れ××の悪×の××が生み×××果は、××してこの×の希×と××のか、それとも……』
時雨「…………」
時雨「これって……あのこと、なのかな?」
時雨「でも、この紙だけ明らかに古い……。だとすると年代が合わないことになるけど……」
時雨「他に何かないか……? これ以外に、年代の古い資料があれば……」ガサガサ
時雨「……この表紙は、作戦書?」ガサッ
時雨「一部だけか……。テキスト名は、『作戦ファイル:終末計画』?」ペラッ
『ついに××がきた。これ×上××に××が見×××××合、×を××し新×××段を××るとのこと。』
『××××い、今まで××な×りの××××しを××てきたが、もう××だ。』
『もは××××の本×的な××隊が××さ×××るの××間の××だろう。』
『××はあと1歩とい××まで××いるとい×のに……××がない。』
『こう×××××××は、もは×××を××××の××に苛×××暇××い。』
『「終×××」を実×する×××たのだ。』
『何が×××もこの××を×××××られる×××いかない。』
『×××ことの××××を×××××為に、×××ちを××××る××の××絶望××××ら××為に、』
『×して××りも×切××××為×。』
『より×きな善の××……××は××不×欠な×だ。』
『最終×断は×××に×る×××限が××る×月を××に×××る。』
『×に××までの×××××ら、××に×××る試××××××の××は×××みだ。』
『×××××さ××ば、×××な××××にいる××ご×××の×跡××を××××こと××××。』
『死の××××、廃墟と化した×××の×××××ば、×××の××の××××××ろう。』
『無論××××に×××な×か×××ない。し×し、最××××が××する僅か×××さえ××こ××出×××、それ×いい。』
『願わ×ば、この計×が××に移さ××ことが××こ×を……』
時雨「……」ゾクッ
時雨「終末計画……廃墟と化した……」
時雨「そうか……そういうことか……」
時雨「…………」
不知火「時雨さん?」
時雨「! し、不知火、なんだい?」ゴソゴソ
不知火「い、いえ。崩れた書類を纏め終わりましたので……」
時雨「あ、うん。ありがとう」
不知火「……どうしたんですか? 顔色が優れませんが?」
時雨「……なんでもないよ。それより、何か見つかった?」
不知火「纏める際に一応書類も確認しましたが、特に気になる物はなにも」
時雨「そう……」
不知火「本当に大丈夫ですか? 時雨さんはここに来てから無理をし過ぎかもしれません。少し休まれたほうが……」
時雨「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、不知火」
不知火「いえ。そう言われるなら、いいのですが……」
時雨「……」
吹雪「とりあえず、役に立ちそうなものはなかったけど。この書類は元あった場所に……っと」ドサッ
吹雪「……あれ? 机の隅のところに何か埋もれてるよ?」ゴソゴソ
時雨「えっ?」
吹雪「ほらこれ……。写真立てみたいだけど」
時雨「中に写真が入ってるね。写真自体が相当古いのか、かなり色あせてて顔もわからないけど……」
時雨「男の人と女の子の写真……?」
阿武隈「もしかして、提督と鎮守府にいた艦娘の写真とか?」
吹雪「いえ、この写真の人たちは2人共私服を着てますし……女の子の方は、たぶん艦娘じゃないと思います」
時雨「そうだね……もう少し状態が良ければ顔や輪郭もはっきりするんだけど」
不知火「ここにいた人の私物でしょうか?」
時雨「……」
阿武隈「これで、一応この部屋はすべて調べられたかな?」
吹雪「結局、特に発見はありませんでしたね」
時雨「いや、1つ鍵を見つけたよ」
不知火「何処かの鍵ですか?」
時雨「『検体保管室』って書いてある。おそらくこの地下のどこかにある部屋の鍵だろうね」
不知火「検体保管室?」
吹雪「なんだか不気味な名前だね……。検体って……」
阿武隈「じゃあ、とりあえず、そろそろここを出て別の場所に行きましょう」
不知火「そうですね」
時雨「……」チラッ
吹雪「? 時雨ちゃんどうかした?」
時雨「……ごめん。何でもないよ」
時雨(この部屋……やっぱり何かおかしい)
時雨(さっき書類の山が崩れたとき、あれだけ派手に崩れたのに殆んど埃が舞わなかった……)
時雨(地下空間でしかも密閉されていたから……? いや、それにしては……)
時雨(まるで、つい最近までここに人が出入りしていたみたいな……。まさかね)ギィィ…バタン
本日はここまでにします
随分予想されてて正直ハードル上がりすぎ!って心境
シナリオは既に完成済みで変更も不可能なのでこのままガンガン進めていきます
もし全て的中させた方が居たらおめでとうございます
このSS自体、皆で予想しながら雰囲気を楽しんでもらいたいって趣旨で始めたので、予想考察はご自由にどうぞ
当たっていると作者が動揺します
年末年始で完結まで持っていきたい所存
本日もお付き合いありがとうございました
吹雪「さっきの分岐の所まで戻ってきましたね」
不知火「左側の通路は不知火たちがさっき通ってきた所ですね」
阿武隈「それにしても……初霜ちゃんたち、いったいどこにいるのかしら?」
時雨「そういえば2人が連絡してきたときは、階段を上がった所にいるって言ってたんだよね?」
阿武隈「うん。そう言ってたわ」
時雨(どうして2人はあの階段のところに居なかったんだ? あの入り口以外にも別の出入口でもあるのか……?)
吹雪「とりあえず、どちらに進みます?」
行動安価>>190
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
1
阿武隈「真っすぐ行ってみよう」
不知火「わかりました」
吹雪「どこまで続いてるんだろう。この地下施設って……?」
-地下施設 研究区画-
時雨「通路が少し広くなってきた……?」
阿武隈「見て! 扉があるわ!」
不知火「左右に2つ……奥にも更に2つ見えますね。4部屋あるのでしょうか?」
吹雪「奥はまだ通路が続いてるみたい」
阿武隈「どうしよう……部屋を調べてみるか、先に進むか」
時雨「……」
行動安価>>193
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 手前左側の扉を調べる
4 奥にある右側の扉を調べる
5 奥にある左側の扉を調べる
3
時雨「少し気になる……部屋を調べてみてもいいかな?」
不知火「どの部屋から当たってみます?」
時雨「じゃあ、左側にあるこの部屋から……プレートには『薬品保管庫』って書かれてる」
阿武隈「薬品保管庫……?」
吹雪「検体なんとか室もそうだけど……この施設って、まるで……」
時雨「何かの実験をしていた施設……そんな感じだね」ガチャ
時雨「部屋の鍵は開いてるみたいだ。入ってみよう」ギィィ
-薬品保管庫-
阿武隈「うっ……なんか、薬臭い……」
吹雪「戸棚がいっぱい……中には色々な瓶とか箱が入ってるけど、これってやっぱり……」
不知火「薬品でしょうね。戸棚に鍵が掛かってますから、中を調べることは出来なさそうですが」
時雨「こっちの頑丈そうな棚の中身は劇物類のラベルが張られてるよ」
阿武隈「劇物!?」
時雨「うん。僕も詳しくはないから、中身の詳細まではわからないけどね」
吹雪「そんな物まで扱って……ここでいったい何を」
時雨「……」
不知火「こっちには机もありますが……ん、何か紙がありますね」ガサガサ
時雨「紙?」
不知火「はい。何か書かれたメモのようですが……どうぞ」
時雨「……『試薬に関するメモ』?」
『先週発×した実×用艦娘の脱×未遂を受け、急遽×策を講じ××要が生じた。』
『×験に用い××体の抵抗を××る為に、薬×によ××抗の喪×が最も有×な手×であるが、検×の身×に影××及ぼす×とがあっては××ない。』
『現在最も×効と××られる×は試作β型の×与だろう。』
『脳×胞の一部を×壊××痺させ自我を×××とで、脳×外の××の身体に××響を及×す×となく××を奪うことが×来る。』
『×だし検体の×応の観察が必×な実×××してはその××ではない。×の場合は別の××を用いるしかないだ××。』
『追記:β×に深××胞から抽×した×質を調合する×××更×る効能を期×でき××もしれない。』
『×存の×型では自我の×失に伴い対象は廃×同然の××になってし×××、先日試×した改×型新薬:試βⅡ型の臨×試験では 』
時雨「途中で記述が途切れてるか……他に紙とかはある?」
不知火「いえ。机の上にあるのはこの紙だけですね」
時雨「そうか……。しかし、遂に出たね『実験用艦娘』って記述が……」
不知火「ではこの地下施設……いや、この鎮守府で行われていたのは……!」
時雨「艦娘を使った人体実験、だろうね」
吹雪「じ、人体実験……!?」
阿武隈「そんな……」
時雨「執務室に残されていた資料を見たときから薄々感じてたけど、これを見て確信したよ」
時雨「どうやらこの鎮守府に隠されている闇は、想像以上に深いみたいだ……」
阿武隈「信じられない……そんなことが行われてたなんて」
不知火「まさか、ここで起きていたという艦娘の行方不明事件は……」
時雨「おそらく実験に使う艦娘を秘かに拉致してたんだろう」
阿武隈「それじゃあ、ここの提督も……組織ぐるみで実験が行われていたっていうの!?」
時雨「こんな施設が作られてるんだ。間違いなく提督も関与してるだろうね」
吹雪「そ、そんなことって……」
時雨「……これ以上探すところは無さそうだ。そろそろ出よう」
時雨(……それにしても)
時雨(ここも殆ど埃がない。それに、物も地上ほど劣化してないみたいだ)
時雨(やっぱり地下だから劣化速度が遅い? それとも何か他に理由があるのか……?)
行動安価>>199
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 奥にある右側の扉を調べる
4 奥にある左側の扉を調べる
3
時雨「もう少しこの通路内の部屋を調べよう。次は……あの部屋に行ってみるか」
吹雪「他の部屋も……実験に関係があるのかな?」
不知火「おそらく……そうでしょう」
阿武隈「……」
時雨「……この部屋は『資料室』か」ガチャ
時雨「扉は開いてる。入ろう」ギィィ
-資料室-
阿武隈「今度は棚いっぱいに並んだ本や冊子の山ね……」
不知火「本庁舎にあった資料室と似てますが、そこよりも綺麗な印象を受けますね」
時雨「これだけあれば情報もたくさん得られそうだ……手分けして調べてみよう」
吹雪「……時雨ちゃんは冷静だね」
時雨「……」
吹雪「時雨ちゃんはいつも冷静で的確な判断が出来て頼りになるけど……」
吹雪「どうして……そんなに冷静でいられるの?」
時雨「……」
不知火「吹雪さん、それは……」
時雨「いいよ、不知火」
時雨「僕もね……こんなところに迷い込んで、こんな受け入れ難いことを知って……それでいて冷静でいられる自分が、おかしいって思うよ」
阿武隈「……」
時雨「でも……僕だって何も感じてない訳じゃない。感じてるからこそ……冷静でいられるんだ」
吹雪「え……」
時雨「得体の知れない実験が行われていた鎮守府……それを怖がり恐れるのは簡単だけど、僕たちにはやらなきゃいけないことがある」
時雨「初霜と夕立を見つけ出し、誰一人欠けることなく帰還する。それまでは何があっても冷静でいなくちゃ……投げ出す訳にはいかないんだ」
吹雪「時雨ちゃん……」
阿武隈「吹雪ちゃん。時雨ちゃんだって本当は不安なはずだよ。だけどみんなの為に……頑張ってくれてるんだよ」
吹雪「!」
阿武隈「本当ならそれはあたしの役目なんだけどね……あたしがまだまだ頼りないから」
時雨「っ! それは違うよ、阿武隈さんのせいじゃない。僕が……勝手にやってるだけで」
阿武隈「うん。時雨ちゃんは優しいから、あたしの分まで重荷を背負ってくれちゃってる」
阿武隈「それは頼りないあたしの責任。だけど……背負いすぎるのは時雨ちゃんの悪い癖だよ」
時雨「え……」
阿武隈「何でも1人で背負い込もうとしないで。時雨ちゃんはもっとみんなの事を頼ったっていいんだよ」
時雨「……」
吹雪「あの、時雨ちゃん……私」
時雨「気にする必要はないよ。阿武隈さんの言う通り……僕も、1人で何でもやろうって気になってた」
時雨「独り善がりってやつだね……」
吹雪「そんなことないよ! 私たちがここまでこれたのは時雨ちゃんのおかげなんだから!」
不知火「吹雪さんの言う通りです。不知火もあの本庁舎で何度も時雨さんに助けて頂きました」
時雨「……ありがとう」
阿武隈「さあ、みんな。あまり悠長にしてる時間はないわ。まずはこの部屋を軽く調べて、早く初霜ちゃんたちを見つけよう」
不知火「しかし……本当に膨大な量の資料ですね」
吹雪「とても全て見ていく時間はないけど……どう調べてく?」
時雨「棚ごとに手分けして探して、気になる物を集めていこう。最後にそれをみんなで見るって形でどうかな?」
阿武隈「そうだね。そうした方が時間を掛けずに済むわ」
不知火「では、各自調べ終わったらあの机の前に集合しましょう」
時雨「この列にあるのはファイル集か……あれ、このファイル」ガサガサ
時雨「やっぱりそうだ。これ、本庁舎の資料室にあったファイルと同じ、深海棲艦に関する研究報告だ」
時雨「空母ヲ級……戦艦ル級……種別に詳しい記録が纏まってる」
時雨「こっちの棚には……ここも何かの研究資料が纏められるみたいだ」
時雨「あれ……このファイルだけ頭が少し出てる」ガサガサ
時雨「『仮説テキスト』?」ペラッ
時雨「……これは」
時雨「この仮説……だとすると、ここで行われていた研究や実験って……」
時雨「このファイルは回収しておこう」
~~~~~~~~~~~~
阿武隈「みんな、何か気になる物は見つかった?」
吹雪「はい。1冊だけですけど」
不知火「不知火も……妙な資料を1冊」
時雨「僕も1冊。かなり興味深い内容だ」
阿武隈「じゃあ、順に見ていきましょう」
阿武隈「まずはあたしから。資料に題名とかはなくて、何かのレポートみたいなんだけど」ペラッ
『先日×行した計画により確××れた××棲×化の新た××パ×ーン×ついて。』
『今まで×も×娘に対す××験の中で、人の部×に対×て深×××の×の力が作用し××合、未知の××が生×××とは判××ていたが、』
『生身の××に深海の×が作用×た場合の変×については未知の××だった。』
『詳しい××の理由は未だ不明だが、一つ言えることは××が負××の影×を××た場合、××でも深×××でも×い存在に変×すると××××だろう。』
『個体Aと呼称するこの××は頭部が欠×した人型であるが、身体を×在に液×化させる能×を持ち、その本質は不×形であると考×られ×。』
『また調査の結果、自我と××るようなものや思考×力は持ってお×ず、頭がない××か索×能×も著しく×い。』
『そ×て最も興×深いのが××による××変化である。』
『個体×は接触した×象から何らかの情×を吸収し×いる××と思×れ、接触×象と同じ外×に変化する××を持っているようだ。』
『生態を×査する目的で行った×験では、サ×プルに使った艦×を襲い弱ら×た後、×体化した身体で呑×込み融×を図ったことが確×された。』
『だが×合後も、外見こそ××と同一×××しているものの、その×の能力(特に知×面)は低い××であるこ×も判明した。』
『検体としても素×としても利用×値はないと××し、捕獲×収は行わない××とする。』
『×測だが、あの生×は×物としてイ×ギュラーな×在。即ち失×作ともいうべき××であり、自身をより正規の×に近づける為の贄を×××いるのでは××か?』
『しかし現在までの観×と研究によ×て判明している事実では、あの個体は吸収した生体×報を長×間に亘って×憶し続けることは×××いようだ。』
『どこまでいっ×も所詮は×敗作ということか。お×らくは永劫に××を求めて地×を彷徨×のだろう。』
吹雪「これは……」
阿武隈「読めない部分も多いけど、このレポートに書かれてる内容ってさ……」
時雨「うん。僕たちを襲ったあの怪物の特徴と一致してるね」
吹雪「だとすると、あの怪物はこの鎮守府で行われていた実験で生まれたってこと?」
時雨「そうみたいだね……。ただ、あんな物が生まれることは実験する側にも想定外だったみたいだけど」
不知火「次は不知火が見つけた資料を見て頂けますか?」パサッ
阿武隈「あれ……不知火ちゃんこの資料って」
不知火「ええ。今のレポートに関連する資料のようです」ペラッ
『先に確認された深×××化の新たなる×ターンについて、実証×験に成××た。』
『2体の艦娘を素×とした××実験の結果、先に×認された個×Aとよく似た×化を遂×た。』
『×体Bと個×Cと呼称するこの両個体は、個体Aと同×に液体××力を持つが、個体Aと×い普段の形×は元の×娘のまま×安定し×お×、任意で××を変えられる。』
『対象の遺伝××を吸収するこ×により短×ではあ×が、融合な×で××に変化する××も確×され、この能×も個体×と比べ高精度である。』
『ただし強い衝×などを受けることで××が解けることも確認×××××、形態×化中の××構造は不安定な××と思われる。』
『また、液体が本質とな×ている為か、一定×下の×××では能力が大幅に×下し、摂×××××の状況下では生××動に×××が×ると予想される。』
『自我こそ××しているが知能も元の××から殆ど劣×するこ××く保たれ×おり、管理下に×くことも十分××であると結論。』
時雨「……」
阿武隈「この資料の内容を推察すると、あの怪物以外にも似たような物を人工的に作り出していたみたいね」
阿武隈「しかも、その素材に艦娘を使って」
吹雪「なんてことを……」
不知火「あの化け物以外にも、まだどこかに同種の化け物が潜んでいるのでしょうか?」
時雨「じゃあ次は、僕の番かな」パサッ
阿武隈「ファイル?」
時雨「うん。『仮説テキスト』ってタイトルで、内容は研究に関する仮説を纏めた資料みたいなんだけど」ペラッ
『艦娘の×××が起きるメカ××ムとして以下の仮説が考えられる。』
『×××現象が××力によるも×であるとするな×ば、その根幹となる×は何なのか?』
『それはすなわち万物に宿る×と、××が持つ人間としての感×。それこそが強力な×××を生み出す根源なのではないだろ×か。』
『特に後者の場合、轟×という×とし×の×を前にして生まれる無念や未練、絶×、憎悪、生への執着と言った××を持つが故の×の感情の発生は必然で×り、』
『沈んだ××が海底に×ちるまでの×に、そういった××感情が増×し××の持つ何らかの作用と合わさって強力な×の×が発生する。』
『その×に××が呑まれることによって誕×するのが××××なのではないか?』
『この仮説が正しいとすれば、海上で×××艦を撃破した直後に無所属の××が発見される現象や、一部で報告されている××××が××に変化したという目撃×にも説明が付く。』
『つまり、×んだ艦×が負の×によって×海××になるのと×じように、海×で戦い敗れ取り巻く×××が何らかの原因で××れた場合、××××は××に転×する。』
『××と××××。この××はまさに××一×の××であるという私の××が実証されることになる。』
吹雪「状態が悪くて読み取れる箇所は少ないね」
阿武隈「でも、読める所に書いてある記述……これって」
時雨「……まだよくわからないけど、かなり興味深い内容だよね」
阿武隈「あとは吹雪ちゃんね」
吹雪「はい。私が見つけた物は、ちょっと毛並みが違うみたいなんですけど……」
時雨「古い本だね。これは……アルバム?」
吹雪「うん。写真とかは貼られてないけど、内容はそんな感じ」バサッ
吹雪「ちょっと量が多いから、気になったところを抜粋するね」
『世界各地の海から突如として謎の艦艇群が出現し、わずか1日のうちに人類があらゆる海での制海権を失った日から×年が過ぎた。』
『未知なる敵「深海棲艦」は人類のあらゆる兵器による攻撃を受け付けず、×国が行った核攻撃も失敗に終わった。』
『以後、人類は×年に亘り勢力を拡大し続ける深海棲艦に対し何の抵抗も出来ないまま劣勢を強いられていたが、』
『ある時、我が国内で起こった―――』
『深海棲艦に対して唯一有力な効能を持つことが実証された「旧軍時代の艦の魂」を用いた兵器に関して、国家は正式に研究と開発を了承。』
『同年×月には試作第1号となる001号が開発されたが、001号は××に重大な問題があることが判明。』
『深海棲艦に対する実用性だけでなく運用面にすら×があると判断された結果、開発計画は大きく見直しを迫られることに。』
『我が国の希望となるはずの計画は早くも暗礁に乗り上げる形となった……』
阿武隈「……」
『同計画に研究××として××された×××により、艦の×を用いるには×××る××が重要であるとの仮説が提唱され、』
『×××の説を基にした研究も同時に進められることになった。』
『そして×年×月。××氏が進めていた研究によって、××××とした兵器「試作081号」が完成。』
『081号は実証実験でこれまでにない成績を叩き出し、以後計画は×××の説を主軸にして進められることに。』
『順調に見えた計画だが、またしても大きな問題が発覚した。』
『研究の為に必要不可欠な素材。すなわち××なる××が不足していたのだ。』
『これまでの研×××とな×××は××。特に××に適性が高いことが判明しているが、未だ研究は発展途上段階である為、研究に使用した素材の再××率は極めて××、』
『研究を進めるためには、より多くの素材の確保が必要不可欠になっていた。』
『そこで××は秘密裏に××××や××、或いは×死×××で××の××みが×いと判断された××××め、兵器開発に利×するという悪魔の手段を計画した。』
時雨「……」
不知火「……」
『開発計画から×年。遂にこの日がきた。』
『完成した試作兵器は「艦娘」と名称され、正式に軍配備が決定。艦娘の製造方法の確立と量産体制の構築がスタートした。』
『研究の最終段階で完成した「××××」の導入により、×××××に代わる艦娘××を確保できた出来たことが完成の決め手となった。』
『これで人類に深海棲艦に対する有力な対抗手段が誕生した。』
『完成した艦娘たちは人類を絶滅の危機から救う最後の×望となるだろう。』
ちょっとお蕎麦食べてきます
22時ごろから再開します
時雨「これに書かれているのは、僕たち艦娘が生まれた経緯……」
阿武隈「こんなこと……始めて知ったわ」
不知火「不知火もです……」
吹雪「……」
阿武隈「これでみんなが見つけたものは全部ね」
時雨「うん……。ここの探索はこれくらいにしておこう」
吹雪「次はどうします?」
時雨「そうだね……」
行動安価>>222
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 奥にある左側の扉を調べる
踏み台
時雨「部屋の探索はここまでにして、先に進もう」
阿武隈「賛成。初霜ちゃんたちを探す事を優先しましょう」
不知火「ではあの通路から先に進みましょう」
-地下施設 通路-
吹雪「あれ? また3つに分かれてる」
時雨「地下の通路は網目状になってるのかな……」
不知火「今度はどうしますか?」
行動安価>>226
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
クラピカ方式で左で!
阿武隈「左に行ってみよう」
不知火「また少し通路が広くなってきましたね」
吹雪「……! 見てください、また扉がありますよ」
時雨「通路の左右に1つずつ……。通路はまだ奥まで続いてるね」
吹雪「どうする?」
行動安価>>230
1 先に進む
2 右側の扉を調べる
3 左側の扉を調べる
1
阿武隈「部屋の探索は後回し。今はとにかく先に進んでみましょう」
不知火「さっき調べなかった部屋やここにある部屋……いったい何の部屋でしょうか?」
時雨「研究や実験に関係のある部屋だとは思うけど……あまり想像したくないね」
吹雪「……あっ、何か見えてきましたよ」
阿武隈「扉だわ。かなり頑丈そう……」
不知火「とりあえず、近くまで行ってみましょう」
時雨「あれ? 扉が少し開いてるね」
吹雪「こっちに何か書いてありますよ」
不知火「小さな黒板ですね。書かれているのは……『独房』?」
阿武隈「独房って……」
時雨「ここで実験に使った艦娘を閉じ込めておく為の場所だろうね……」
吹雪「どうします……入ってみますか?」
時雨「……」
行動安価>>234
1 進む
2 戻る
初霜編の独房の可能性もあるのか?安価にすべてを託す。もし踏んでたら1の進むで
時雨「いってみよう」
不知火「扉は既に開いてますから、このまま進みましょう」
阿武隈「何があるかわからないわ。みんな、気をつけて」
吹雪「はい」
不知火「では、先頭は不知火が」
時雨「……」
-地下施設 独房区画-
不知火「……ん? 広い空間に出ましたね」
時雨「左側はまだ先が――あれ?」
阿武隈「どうしたの?」
時雨「人影が見える……!」
吹雪「! あれって……!」
阿武隈「!」
不知火「あれは……!」
吹雪「夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」
夕立「ぽいぃ!?」
初霜「え……? その声……吹雪さん?」
吹雪「やっぱりそうだ! 夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」ダッ
阿武隈「初霜ちゃん!」タタッ
吹雪「夕立ちゃん!」
夕立「ぽーい! 吹雪ちゃん! 無事だったっぽい?」
吹雪「うん! 夕立ちゃんも無事でよかった……!」
時雨「元気そうだね。夕立」
夕立「ぽいっ!? 時雨も一緒っぽい!」
阿武隈「2人共無事でよかった……」
初霜「阿武隈さんたちも、ご無事で何よりです」
阿武隈「2人共心配したんだよ! 連絡したときにいるって言ってた階段のところにいないし……」
初霜「申し訳ありません……。実は、私たちも始めはそこで待機していたのですが……」
不知火「何かあったんですか?」
初霜「はい。突然階段の下の方から物音が聞こえてきて……」
初霜「それで、そのまま階段のところにいたら袋小路になると思い、階段を下りて他の通路に逃げ込んだんです」
夕立「ぽいっ」コクコク
時雨「物音?」
初霜「はい……それで地下通路を逃げ回った末に、再びここにきて――」
ガァァァンッ!!
初霜「!」
時雨「!!」
不知火「!?」
吹雪「ひゃあっ!?」
阿武隈「なにっ!?」
時雨「今の音……あの独房から聞こえたけど……」
初霜「あれです……あそこにいるのが、私たちを追いかけ回してきた怪物たちなんです」
阿武隈「なんですって!?」
吹雪「初霜ちゃんたちも怪物に襲われたの!?」
初霜「ええ。それでここまで逃げて来た後、一計を案じて、あそこに怪物たちを誘い込んで……閉じ込めたんです」
夕立「結構ヤバかったっぽい……」
阿武隈「そうだったんだ……」
不知火「お2人が無事でよかったです」
阿武隈「とにかく、2人が無事でよかったわ……。2人共燃料の残りは?」
初霜「殆ど余裕はありません。少ないところをさらにあの怪物たちに追い回されてしまったので……」
不知火「では、すぐに地上に戻り2人の補給を行いましょう」
吹雪「そうだね。夕立ちゃん、歩けそう?」
夕立「大丈夫っぽい!」
阿武隈「えっと……ここから地上に戻るには……」
初霜「そこの通路を通れば、上に上がる階段はすぐです」
時雨「よし。じゃあそこから――」
ズリュッ
阿武隈「え……この音って」
時雨「っ! あそこだ!」ピカッ
怪物「――――」ズズッ...
不知火「あいつ……っ!」
吹雪「そ、そんな……出口にあの化け物が……!」
時雨「アイツ……僕たちの後を追ってきたのか!?」
阿武隈「まずいわ……よりにもよって、あたしたちが出ようとしてたところから……」
初霜「あ、あれは……」
不知火「気をつけて! あれは不知火たちを襲ってきた怪物です!」
時雨「良くない時に良くない所から……まったく、最悪の状況だね」
怪物「――――」ズッ
吹雪「! こっちにきます!」
不知火「どうしますか? 時雨さん、阿武隈さん!」
阿武隈「あたしたちが来た道を戻れば、階段の所まで戻れるけど……」
時雨「遠回りになる……。かといって、あの怪物の横をすり抜けて奥の扉を目指すのは……」
初霜「……いっそのこと、戦いますか?」
時雨「えっ?」
初霜「相手は1体です。私たち全員でかかれば、勝てるかも……」
阿武隈「駄目だよ! 危険すぎる!」
吹雪「っ! どんどん迫ってきます! 早く!」
時雨「くっ……どうする……!?」
行動安価>>248
1 怪物の横を突破して階段を目指す
2 来た道を戻って階段を目指す
3 怪物と戦う
2で!
時雨「っ! 仕方ない、僕たちが通ってきた道を戻ろう!」
阿武隈「で、でも……それじゃあ遠回りになっちゃう。2人の燃料が持つかわからないよ!」
時雨「最悪僕たちで引っ張っていってもいい! とにかく、反対側の出入口に! 急いで!!」
阿武隈「っ! 初霜ちゃん、あたしの手を! 一緒に走って!」
初霜「は、はい!」
吹雪「夕立ちゃん、いこう!」
夕立「ぽいっ!」
不知火「殿は不知火が務めます。みなさん急いで!」
時雨「先頭は僕が。任せたよ不知火!」
不知火「了解。期待に応えて見せます」
時雨「大丈夫? みんなついて来てる?」
阿武隈「大丈夫だよ!」
吹雪「はいっ!」
時雨「っ! 分かれ道……僕たちが来た道はたしか……」
行動安価>>252
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
2
時雨「右だ! みんなこっちに!」ダッ
阿武隈「不知火ちゃん! 大丈夫!?」
不知火「大丈夫です! しかし敵も追ってきています、急いで!」
時雨「次の分かれ道か……」
吹雪「夕立ちゃん大丈夫?」
夕立「ぽ、ぽい……まだ、平気だよ……」ハァハァ
阿武隈「初霜ちゃん!」
初霜「す……すみません」ハァッ…ハァッ…
阿武隈「2人共限界寸前だわ! 早く補給しないと!!」
不知火「時雨さん、早く!」
時雨「っ! この分岐は……」
行動安価>>256
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
真っ直ぐ
時雨「真っすぐだ!」ダッ
阿武隈「えっ、ちょっと、時雨ちゃん!?」
時雨「……えっ」
阿武隈「時雨ちゃん! 違うよ! こっちに来たらっ!」
吹雪「っ!? そ、そんな……行き止まり!?」
時雨「し、しまった……ここは、オフィス!?」
時雨(曲がる所を……間違えた!?)
阿武隈「急いで戻ろう!」
不知火「っ!? 駄目です! あの化け物がもうそこまで!」
吹雪「そ……そんな……」
阿武隈「あっ……あぁぁ」
時雨「なんて……こと……僕は……最後の最後で……」
Bad End
流れが流れだったので遅れましたが
あけましておめでとうございます
山風ちゃんとIowaが晴れ着じゃないですかぁぁ(発狂
確認しましたがたぶん間違ってない(はず)
>>188はオフィスから出た吹雪たちから見た視点での分岐(後ろはオフィス)なので
もしかしたらそこで齟齬が出てるのかも…
やっぱ地図ないと駄目っぽいですね
前スレのときは極めて正確に伝わってたので慢心してしまいました
分かり辛い説明で申し訳ないです…
>>188訂正
吹雪「オフィスを出て、さっきの分岐の所まで戻ってきましたね」
不知火「左の通路は不知火たちがさっき通ってきた所。階段へ続く通路ですね」
時雨「ってことは、まだ未開の道は、真っすぐか右側の通路だね」
阿武隈「それにしても……初霜ちゃんたち、いったいどこにいるのかしら?」
時雨「そういえば2人が連絡してきたときは、階段を上がった所にいるって言ってたんだよね?」
阿武隈「うん。そう言ってたわ」
時雨(どうして2人はあの階段のところに居なかったんだ? あの入り口以外にも別の出入口でもあるのか……?)
吹雪「とりあえず、どちらに進みます?」
>>245の選択肢で
「2 来た道を戻って階段を目指す」
が選ばれた状態から再スタート
作者側の不手際ですので>>249~>>257まではなかった事とし、
バッドエンドも無効とします
描写不足により混乱を招いてしまい申し訳ありません…
前スレで作った地図更新した方がいいですか?
>>279
お願いしてもよろしいでしょうか?
地図製作試みたのですが、どうも上手くできないので
時雨「っ! 仕方ない、僕たちが通ってきた道を戻ろう!」
阿武隈「で、でも……それじゃあ遠回りになっちゃう。2人の燃料が持つかわからないよ!」
時雨「最悪僕たちで引っ張っていってもいい! とにかく、反対側の出入口に! 急いで!!」
阿武隈「っ! 初霜ちゃん、あたしの手を! 一緒に走って!」
初霜「は、はい!」
吹雪「夕立ちゃん、いこう!」
夕立「ぽいっ!」
不知火「殿は不知火が務めます。みなさん急いで!」
時雨「先頭は僕が。任せたよ不知火!」
不知火「了解。期待に応えて見せます」
時雨「大丈夫? みんなついて来てる?」
阿武隈「大丈夫だよ!」
吹雪「はいっ!」
時雨「っ! 分かれ道……僕たちが来た道はたしか……」
時雨「右だ! みんなこっちに!」ダッ
阿武隈「不知火ちゃん! 大丈夫!?」
不知火「大丈夫です! しかし敵も追ってきています、急いで!」
時雨「次の分かれ道か……」
吹雪「夕立ちゃん大丈夫?」
夕立「ぽ、ぽい……まだ、平気だよ……」ハァハァ
阿武隈「初霜ちゃん!」
初霜「す……すみません」ハァッ…ハァッ…
阿武隈「2人共限界寸前だわ! 早く補給しないと!!」
不知火「時雨さん、早く!」
時雨「っ! この分岐は……」
時雨「右だ!」ダッ
阿武隈「初霜ちゃん頑張って……もう少しだから!」
初霜「は、はい……」ハァッ…ハァッ…
時雨「3つ目の分岐……ここを真っすぐいけば階段だ!」
阿武隈「もう2人が持たないわ。初霜ちゃんはあたしが背負っていくから、吹雪ちゃんは夕立ちゃんを!」
吹雪「は、はい! 夕立ちゃん、私の背中に……」
夕立「ぽ……ぃ」ゼェ…ゼェ…
阿武隈「時雨ちゃんはこのまま先導を!」
時雨「了解。先にいって上から階段を照らすよ」
-階段の果て シャワールーム-
時雨「……よし。扉は開いたままだ」ギィィ
時雨「阿武隈さん! 吹雪! 大丈夫!?」
阿武隈「はぁ……はっ、よし……出口に着いたわよ、初霜ちゃん!」
初霜「は、はい……」
時雨「吹雪!」
吹雪「こっちも、大丈夫!」
時雨「あとは不知火……不知火は?」
不知火「……時雨さん! 扉を閉める準備を!」タッタッタッ
時雨「不知火急いで!」
不知火「~~~っ!!」ダッ
時雨「よし……! 今だっ!」グイッ
バタンッ!
時雨「あとはこの仕掛け扉だけど……閉めるときはおそらく、開けたときと逆の順で……」キュッキュッ
時雨「……どうだ!?」グッ
ガチン!
不知火「……! 仕掛け扉から音が」
時雨「よし……成功したみたいだ」フゥー
阿武隈「助かった……」ハァハァ
吹雪「ふぅ……夕立ちゃん、もう大丈夫だよ」
不知火「2人共燃料が限界です。急いで補給地点に」
時雨「そうだね。それにここも安全とは言い難い……このままドックを出て、倉庫まで行こう」
阿武隈「初霜ちゃんはこのままあたしが背負っていくわ。吹雪ちゃんは平気?」
吹雪「は、はい。大丈夫です!」
不知火「夕立を運ぶのは不知火が代わります。吹雪さんは休んでください」
吹雪「で、でも……不知火ちゃんだって……」
阿武隈「吹雪ちゃん無理はしないで。不知火ちゃん、いける?」
不知火「お任せください」
吹雪「……わかった。夕立ちゃんをよろしくね」
不知火「はい」
時雨「引き続き僕が先導するよ。ついてきて」
-第3倉庫-
時雨「……着いた。倉庫だ」
阿武隈「初霜ちゃん、こっちに……急いで燃料を補給するわ」
不知火「夕立もこちらに……」
吹雪「なんとか……間に合ったね」
時雨「うん。ギリギリだったけど、間に合ってよかった」
吹雪「でもこれで6人全員揃ったよ。あとは……ここから脱出するだけだね」
時雨「……そうだね」
前から気になってたけど燃料切れ=身体活動停止な感じ?
>>291
はい
阿武隈「危機一髪って感じだったね」
時雨「阿武隈さん。初霜たちの様子は?」
阿武隈「うん。2人共燃料切れ寸前で危なかったけど、なんとか間に合ったわ」
吹雪「よかった……」
阿武隈「あとは少し休んで息を整えれば、すぐに回復するはずだよ」
時雨「……そうか」
阿武隈「これで隊の全員と無事に合流することは出来た。あとはここから脱出するだけなんだけど……」
時雨「それに関しては問題ないよ」
吹雪「えっ?」
阿武隈「どういうこと?」
時雨「本庁舎で海域図を見たから、この島から僕たちが元々通っていた航路までのルートは判明してる」
時雨「唯一の不安は燃料だったけど、それもここで十分に補給が出来てるから問題ない」
吹雪「そ、それじゃあ……」
時雨「うん。あとは海に出さえすれば、帰れるんだ」
時雨「僕たちの……鎮守府に」
吹雪「ほ……本当に?」
時雨「もちろん。こんな状況で嘘は言わないよ」
阿武隈「あ……あはは……」
吹雪「帰れる……私たちの、鎮守府に」ヘタッ
阿武隈「吹雪ちゃん!?」
吹雪「す、すみません……安心したら……力が抜けちゃって」
時雨「まだ安心はできないよ。あの怪物が地下を抜けてまた来るかもしれない」
吹雪「!」
阿武隈「……そうだね。最後まで油断しちゃ駄目だわ」
時雨「夕立たちの体力が回復するまで、気を抜かずに周囲を警戒しよう」
吹雪「う、うん!」
~~~~~~~~~~~~
不知火「2人が回復しました」
阿武隈「!」
吹雪「夕立ちゃん!」
夕立「えへへ……心配かけてごめんね」
初霜「お手数をおかけしてしまいました……阿武隈さん、吹雪さん、時雨さん、不知火さん。本当にありがとうございました」
阿武隈「謝る必要なんてないよ。2人共無事で本当に良かった!」
不知火「あとはここから脱出するだけですね」
吹雪「そうだね。2人も回復したことだし、これで海にも出られるよ!」
時雨「……」
阿武隈「時雨ちゃん?」
時雨「……あ、いや。なんでもないよ」
不知火「……結局、この鎮守府で起きたことは……あの地下で行われていた研究や実験とは、何だったのでしょうか?」
時雨「……わからない。それにもう地下へ行くことが出来ない以上、それを知ることも不可能だろうね」
阿武隈「真相は謎のまま……解らずじまい、か」
吹雪「でも……生きて帰ることが出来れば、それ以上の事はないですよ」
吹雪「それに帰ってからこの事を司令官に伝えれば、万全の態勢で調べ直しに来ることも出来ます!」
阿武隈「うん。今はみんなで生きて帰ることが最優先だよ」
時雨「そうだね……じゃあ、皆で埠頭に行こう」
-埠頭-
吹雪「あの怪物は地上に出てきてないみたい……今なら大丈夫だよ!」
阿武隈「よし……じゃあここから海に出よう。みんな、艤装を展開して!」
不知火「展開に問題なし。航行機能にも支障はありません」
時雨「こっちも問題なし。でも弾薬がない以上、道中で敵と遭遇したらまずいね」
阿武隈「出来るだけ交戦は避けて索敵を厳に。ここまで来て普通に戦死なんて……冗談じゃないわ」
吹雪「初霜ちゃんたちも大丈夫?」
初霜「ええ。問題ありません」
夕立「ぽいっ!」
阿武隈「じゃあ出発するよ! あたしと時雨ちゃんを先頭に複縦陣を組んで!」
不知火「了解しました」
阿武隈「時雨ちゃん。航路の指示お願いできる?」
時雨「了解。任せて」
阿武隈「よし……それじゃあ、出発!」
時雨(結局、あの廃墟と化した鎮守府の秘密を解き明かすことは出来なかった……)
時雨(でも吹雪の言う通り……生きて帰れさえすれば。再びここにきて、今度こそ真相を解き明かすことが出来るかもしれない)
時雨(そう……必ず解き明かしてみせる)
時雨(あの鎮守府に隠された秘密を……この手で)
【全滅エンド】
お疲れ様でした
これで物語は1つのエンディングを迎えました
しかしまだ真相は明らかになっていません
時間を巻き戻して、異なる結末を選び直すことも出来ます
時間を巻き戻し、皆さんの力で物語の真相を目指しますか?
1 自力で真相を目指す
2 すべての真相を自動的に明らかにする(解答ルート)
自力で真相を目指す場合、攻略のヒント入りますか?
>>303
1、あり
『自力で真相を目指す』が選ばれたので再び時間を戻します
ヒント:「この結末は全滅エンドでした」
先ほどの結末は謎が残ったから、真相が明らかにならなかったからBadという訳ではありません。全滅エンドです。
この意味をよく考えてみてください。
また、先ほどの状況ではまだ全滅エンドを回避するためのギミックを時雨たちは発見することが出来ていません。
そのギミックとは「地下施設」のある2つの部屋のことです。
上に挙げたギミックに関する伏線だけは、既に時雨たちは発見し読むことに成功しています。
ちなみに弾薬の補給は物語の結末に影響しません。
※最終ルートではBad Endによる再スタートの回数制限は設けません。制限を気にせず攻略を目指してください。
という訳でそろそろ限界なので寝ます
途中とんだグダグダで雰囲気をぶち壊してしまい本当に申し訳ありませんでした…
今後はより描写に気を配って書いていきたいと思います
本日もお付き合いありがとうございました
>>220(資料室探索直後)より再スタート
※この再スタートにより失われる情報・アイテムはありません
時雨「これに書かれているのは、僕たち艦娘が生まれた経緯……」
阿武隈「こんなこと……始めて知ったわ」
不知火「不知火もです……」
吹雪「……」
阿武隈「これでみんなが見つけたものは全部ね」
時雨「うん……。ここの探索はこれくらいにしておこう」
吹雪「次はどうします?」
時雨「そうだね……」
行動安価>>325
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 奥にある左側の扉を調べる
4 来た道を戻る(オフィスの方へ)
2
ちなみにこの研究区画の扉の位置の描写のみ、
初めて区画内に入ったところから見た位置(オフィスを背後に)からの描写に統一しています
時雨「もう少しこの辺りを調べよう」
不知火「残る部屋はあと2つですね」
吹雪「じゃあ、次は隣の部屋を見てみますか?」
阿武隈「えーと、隣は……『検体保管室』って書いてあるわ」
吹雪「! ここってたしか」
時雨「うん。オフィスで見つけたこの鍵が使えるね」カチャ…
カチン!
時雨「開いたよ。中に入ろう」ギィィ
-検体保管室-
阿武隈「っ!?」
吹雪「きゃあっ!?」
不知火「こ、これは……」
時雨「部屋中に大きなガラス管……中に入ってるこれは、人間……?」
阿武隈「これって……生きてるの?」
時雨「いや、既に死んだものを溶液に漬けて保存してるんだ……それにしても、なんて数だ……」
吹雪「し……時雨ちゃん」ブルブル
時雨「どうしたの……!」
吹雪「こ、この管の中に入ってるのって……」
時雨「……艦娘だ」
不知火「こちらをみてください。ここに入ってるのは、深海棲艦の残骸です」
阿武隈「艦娘に深海棲艦まで……。これも全部、実験や研究っていうのに関係があるの……?」
時雨「……」
時雨「こっちに机がある……資料類も何枚か置きっぱなしだ」ゴソゴソ
時雨「この資料は……『深海細胞に関する記録』?」ペラッ
『採取した深海×艦の細胞はま×に神秘の結晶。我々×類が長く知り得なかった全く未×の×報が無数に詰まっている。』
『これら深海細胞が持つ強×な力は、深海××が持つ因子で×る強力な「負」が×係してい×と思われ、以降これを「負の力」と呼称する。』
『深海細胞は我々の常識を遥かに超越した能×を持ち、一部は自然をも捻じ曲げる程の×を持つ。こ×を完全に解析する××は今の科学では不可能と言わ×るを得な×。』
『×かし、既にこの×胞を用いた一部の実験では一定の成果を挙げることに××しており、深海細胞を基に生成した試×品の開×と研究も順調である。』
『当初の×的である「×海棲×に××る××」に×しても、先日この細胞を基に生成した試作γ17が××××に対して強×な××××を×××ることが確認された。』
『打ち×れぬ盾を破×するには、盾を××する×質を調べそれと×じ×を用いた×を作れば×い。』
『××に近い無謀な賭けであったが、×は私の味方をしてく×て××ようだ。神といっても死神か×しれないが……』
時雨「…………」
時雨「もう1枚。こっちはまた別の形式みたいだけど」ペラッ
時雨「計画書か……『第3次強化実験』」
『3回目となるこの実験では、最終×験の実×前に×妹艦×を使い前段試×を××。』
『艦×の対××××戦××力の向×及び×化を目×とし×「Z計×」であるが、』
『第1次実験における×題点を分析、改善し×結果、第2次実験×は×概ね試算×りの結果を出すこ×に成功×た。』
『しか×未だ実験後の検体××率は60%程に止まっ××り、今回の実験ではそれの改善及び最終実験に向けた調整を行う。』
時雨「この実験……今までに見てきた資料のとは、何かが……」
時雨「第3次、か……」
時雨「これで机にある資料は全部か。部屋の中もこれ以上は調べる所はないかな」
阿武隈「吹雪ちゃん、大丈夫?」
吹雪「すみません……少し、気分が悪くなっちゃって」
不知火「ここはもう出たほうがいいですね。正直、不知火もこれ以上ここにいたくはありません……」
時雨「わかった。別のところに行こう」
行動安価>>333
1 先に進む
2 奥にある左側の扉を調べる
3 来た道を戻る(オフィスの方へ)
2
阿武隈「吹雪ちゃん調子はどう?」
吹雪「あ、はい。あの部屋を出たら少し落ち着いてきました。ご心配おかけしてすみません……」
不知火「これでこのフロアで残るのはあそこの1部屋だけですね」
阿武隈「ここまで来たら全部調べておこっか?」
時雨「そうだね」
不知火「この部屋は……『実験室』と書いてあります」
吹雪「っ!」
時雨「……やっぱりあったね」
阿武隈「じゃあ、この部屋で……」
時雨「おそらくこの施設でも最も闇が深いところかもしれない……どうする?」
不知火「……入ってみましょう」
阿武隈「……吹雪ちゃんは平気そう?」
吹雪「……大丈夫です。調べてみよう、時雨ちゃん」
時雨「……よし、鍵は掛かってない。開けるよ」ギィィ
-実験室-
時雨「っ、この臭い……!」
不知火「うっ……」
阿武隈「だいぶ薄れてるけど……血生臭くて、酷い臭い……」
時雨「部屋中に臭いが染みついてるんだ……換気扇もあるみたいけど、電気が止まって動いてないから臭いが籠ったんだろう」
吹雪「床や壁がところどころ変色してるけど、これってまさか……」
時雨「たぶん血の跡だ」
阿武隈「っ!」
不知火「ではやはりここで、様々な実験が……」
時雨「間違いないね……。とにかくみんな、出来るだけ手早く室内を調べよう」
吹雪「そうだね。早くここから出ないと……臭いで吐き気がしそう」
阿武隈「みんな無理しないで。無理だと思ったらすぐに部屋から出ましょう」
不知火「部屋の真ん中にあるこれは、手術台ですね」
阿武隈「奥の方の……ガラスで仕切られた向こうの空間は何なのかしら……?」
時雨「……高圧実験室って書いてある。何かの実験に使う部屋なんだろうね」
不知火「この棚は……」ガチャッ
不知火「……! 時雨さん、来てください」
時雨「どうしたの?」
不知火「棚の中にこんなものが」
時雨「ファイルだね。中に綴じてあるのは……レポート?」
不知火「ここで行われていた実験の記録ではないでしょうか?」
時雨「……当たりだ。タイトルは『実験記録E-5』」ペラッ
『13´12.17』
『この日は3名の健常な×娘に対する「深×棲×細×移植実験」を実行。その経過観察と結果に××て記載。』
『検体A:腹部に戦×ル×の細胞を×植 検体B:左上腕部に×母ヲ級の××を移植。 検×C:××棲艦のD×Aから生×した試製α11を注射に×り体内に投×。』
『経××察にお×ては、より正×な観察の×にβⅢ型は×いず、検体の自×を残した××で観察を行っ×。』
『 術後6時間を経過し×××ろで、2体の×体(AB)は一様に移×箇所の激×を訴え×め、絶え×ない絶叫や自傷××を始×る。』
『この時点から検体A、Bには××箇所周辺の侵×現象(×海化)が見×け××、特に検×Aの侵食は著しく×い。』
『検体Cに関し××、身体への××化は見受けられ××が精神×染が××しているも×と見られ、異常×動や発狂、錯×な××他、幻覚×状も出て×ると推測さ××。』
『 ×後17時間が経過す×と、検体×は身体の7割が深××し、×神面でも自我を××。周囲に×する激××攻×衝動が確××れた。』
『検体Bは××を移植した左××部を中心に×腕全×と左胸××までの深海×が確認×××が、それ以降の×××は著×く遅×。』
『××箇所に×る違××も考えられ××、それ××にも検体×身が××化に対××抵抗し×××様×が見×××れ、個体によ×適性が存××る×能性も否定××ない。』
『 術後24時間××時点で、検体A×完全××海化。検体Bも一部に艦×の痕跡を残××い××のの精神は×××××化した。』
『検体×のみ、術後13時間経過後から一切の××を示さ×くなり、生命活動は停×していな×が精神が××され廃×と××た。』
『この××のみ身体の深海×は見受けられ××ったが、実験後の生体×剖の結果、内部に未知の変質×象が起こっている事が××した。』
『以上の実験結果を×に、今後の研究×針を×××の××に着目した××××××とする。』
時雨「間違いない。これは……ここで行われた人体実験の記録だ」
不知火「なんてことを……」
時雨「でも、一応これも収穫だよ。おかげでここで行われていた研究について、少しずつだけど見えてきた」
阿武隈「……あれ? この手術台の上に何か置いてある」ゴソゴソ
阿武隈「計画概要書? どうしてこんなところに」
時雨「阿武隈さん?」
阿武隈「あ、時雨ちゃん。この台の上にこんな物が置かれてたんだけど」
時雨「これ……『第4次強化実験』概要書。さっきの部屋で見た作戦書の続報だ」ペラッ
『前回の××の結果を受け、一部の修正点を×整し「Z×画」は完成に×った。』
『最大の問題であった強×出力と××への負担軽減の両立。そして実験後の××生存×の改×も前回の実験により成功し×。』
『これにより当初の予×通り×計画最××階。×への対深××××闘能××化実験を×う。』
『この××に失敗は決して×××ない。万×を期す為、実験は設備の××た地下実験場にて実×する。』
時雨「…………」
阿武隈「なにかわかりそう?」
時雨「うん……あ、いや……うん、どうだろう……何とも言えないかな」
阿武隈「な、なんだか煮え切らない感じだね……」
時雨「ごめん……僕自身まだ整理がついてなくて。もう少し時間が欲しいかな」
阿武隈「そっか。ごめんね、急かす様なこと言っちゃって」
時雨「ううん。気にしないで」
時雨「さて……この部屋の探索はこのくらいにしよう」
阿武隈「そうね。あたしももう限界……」
吹雪「……」
不知火「どうしました? 吹雪さん」
吹雪「あ、不知火ちゃん。部屋の奥の壁についてる、この小さな扉みたいな物なんだけど……」
不知火「……? なんでしょうね。壁に備え付けられてるようですが」
時雨「これは……」
吹雪「わかる? 時雨ちゃん」
時雨「うん。たぶん……この取っ手のような部分を引けば……」グッ
ガシャン!
阿武隈「きゃっ! びっくりしたぁ……」
不知火「これは……ダストボックス?」
時雨「うん。おそらくここで実験に使った後の廃棄物とかを、どこかに流す為の設備だろうね」
時雨「……ほら、中を照らしてみると下の方にベルトコンベヤーみたいな物も見える」
吹雪「廃棄物って……そういうこと、だよね……」
時雨「……うん」
不知火「……」
阿武隈「……みんな。そろそろ出ましょう」
吹雪「……はい」
行動安価>>342
1 先に進む
2 来た道を戻る(オフィスの方へ)
1
時雨「これでこの通路の部屋はすべて調べたし、先に進もう」
阿武隈「賛成。初霜ちゃんたちを探さないと」
不知火「ではあの通路から先に進みましょう」
-地下施設 通路-
吹雪「あれ? また3つに分かれてる」
時雨「地下の通路は網目状になってるのかな……」
不知火「今度はどうしますか?」
行動安価>>345
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
1
阿武隈「真っすぐ行ってみよう」
吹雪「あっ、行き止まりですね」
不知火「みたいですね。ですが扉も見えますよ」
阿武隈「えーっと……『配電室』って書いてあるわ。鍵も開いてる」
時雨「配電室か……。入ってみよう」
少し休憩します
また夜頃から再開予定
乙
今のところ地下はこんな感じか?
http://i.imgur.com/KtzqgO5.jpg
>>340訂正
ダストボックス ×
ダストシュート ○
-配電室-
吹雪「大きな機械がありますね」
時雨「これは配電盤だよ。おそらく地下施設の電気はここから各部屋に通ってるんだ」
阿武隈「でも通路の電灯や部屋の電気は点かなくなってたし、壊れてるのかな?」
時雨「……いや、ブレーカーが落ちてるだけみたいだ。この配電盤を操作すれば復旧も出来ると思う」
阿武隈「!」
時雨「この配電盤は、部屋ごとに電源を操作できるみたいだ」
時雨「今は非常電源と『特別区』って名前のところ以外は全てブレーカーが落ちてるね」
不知火「電気が回復すれば探索もし易くなるかもしれません」
時雨「リスクになる可能性もあるけどね」
自由安価>>370
ksk
阿武隈「とりあえず、全ての電源を回復させてみよう」
時雨「でも、何が起こるかわからないよ?」
阿武隈「承知の上だよ。それに暗闇のままのほうが、あたしたちにとってリスクが大きいだろうし」
時雨「……わかった。やってみるよ」
時雨「この下に落ちてるレバーを上にあげれば……。まずは『廊下』を」ガチャッ
パッ パッ パッ パッ パッ
不知火「! 廊下の電灯が点きました!」
時雨「よし。電源は壊れてないみたいだね」
時雨「次はフロアごとの電源か……『研究区画』、『独房区画』」ガチャッ ガチャッ
時雨「最後は個別の部屋……『オフィス』、『開発室』、『廃棄物処理室』、『冷凍室』、『出撃ドック』」ガチャッ
時雨「これで全てのフロアと部屋の電気は回復したはずだ」
不知火「これで探索もし易くなりますね」
阿武隈「初霜ちゃんたちも、どこかで電気が回復したことに気が付いてるかな?」
時雨「これ以上ここに用はなさそうだ。別の場所に行こう」
-地下施設 通路-
吹雪「廊下の電気が点いてるとなんだか安心するね。ここに来てから初めてライト以外の灯りを目にしたからかな?」
阿武隈「たしかに安心感が違うね。灯りってこんなにありがたいものだったのね」
不知火「先ほどの分岐のところに戻ってきましたね」
時雨「真っすぐ行くと『研究区画』。右と左はまだ未開の通路だね」
不知火「どこに行きます?」
行動安価>>376
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
2
時雨「右に行ってみよう」
不知火「おや、少し通路が広くなりましたね」
吹雪「灯りのおかげで奥までよく見えるね……。あっ、奥の方に扉があるよ。それに通路の左右にも部屋があるみたい」
阿武隈「どうする?」
行動安価>>379
1 先に進む
2 右側の扉を調べる
3 左側の扉を調べる
2
時雨「少し部屋を見てみよう」
吹雪「えーっと、右側の部屋は……『冷凍室』って書いてあるよ」
阿武隈「冷凍室?」
不知火「こんな施設の事ですから……おそらく実験に使った素材などを保管する為の場所でしょう」
時雨「そうだろうね。吹雪、鍵はどう?」
吹雪「掛かってないみたい。入れそうだよ」
時雨「じゃあ、入ってみようか」
-冷凍室-
阿武隈「あれ? この部屋は既にうっすらと灯りがついてるね」
時雨「たぶん非常電源の電灯だね。どこかに部屋の明かりを点けるスイッチが……あった」パチッ
吹雪「明るくなった! さっきの操作で電源は回復したみたいだね」
不知火「それにしても……冷凍室という割には、室内は普通の部屋のように見えますが」
阿武隈「部屋の奥にある頑丈そうな扉の向こうが『冷凍庫』なんじゃない?」
時雨「ちょっと視てみるよ」
吹雪「この部屋の中にも、机や棚とか箱も置かれてるけど……あまり役に立ちそうな物はなさそう」ゴソゴソ
阿武隈「この空間は、冷凍庫に物を搬入する前の作業スペースってところかしら?」
時雨「……うん。どうやらこの扉の向こうが冷凍庫で間違いないみたいだよ」
吹雪「本当?」
時雨「ほら、扉の近くに操作盤がある。これで冷凍庫内のファンの操作や温度調整が出来るみたいだ」
時雨「今まで主電源が落ちて非常電源だけで動いてたから、今は低出力モードで運転中って表示されてる」
吹雪「冷凍庫の中に何かあるかな……?」
阿武隈「不知火ちゃんの言った通りなら、実験に使われた検体とかが冷凍保存されてたりするかも……」
不知火「長い間非常電源だけで動いていたのなら、中身も溶けてたりするかもしれませんね」
吹雪「うぇぇ……」
時雨「いや、おそらくは低出力でも冷凍機能は最低限維持されてるだろうから、大丈夫だとは思うけど……」
阿武隈「どうする?」
時雨「……」
行動安価>>383
1 入ってみる
2 やめておく
文月
時雨「入ってみようか」
不知火「大丈夫でしょうか?」
時雨「たぶん平気だと思うよ。僕が入ってみるから、みんなはここに居て」
阿武隈「待って、あたしも入るわ」
吹雪「私も!」
不知火「では不知火も」
時雨「いや、何人かはここに居たほうがいい。万が一全員が中に入った状態で扉が閉まったりしたらまずい」
阿武隈「そうか、こういう冷凍庫って内側からだと開けられないって事もあり得るもんね」
時雨「うん。だから念の為、ここに人を残しておいた方が良い」
時雨「冷凍庫の中は僕と阿武隈さんで調べるから、吹雪と不知火は外で待機しててもらってもいいかな?」
吹雪「なるほど……うん、わかったよ」
不知火「了解しました」
時雨「じゃあ、操作盤でロックを解除して……と」ピッピッ
ガチン!
時雨「よし、ロックが解除されたみたいだ」
阿武隈「じゃあ、開けるね……」ガチャッ
ビュゥゥゥ
阿武隈「ひゃっ! 寒ぅっ!」ブルブル
吹雪「すごい冷気が……!」
不知火「時雨さんの言った通り、どうやら冷凍機能は生きていたようですね」
時雨「……入ってみよう。吹雪、扉を押さえて開けたままにしておいてくれる?」
吹雪「うん、任せて」
時雨「じゃあ、阿武隈さん。いこう」
阿武隈「うん……」ブルブル
-冷凍庫内-
阿武隈「中は結構広い空間になってるね……さっきまでいた部屋の倍くらいあるかしら?」ブルブル
時雨「壁沿いに設置された棚に、箱や布で包まれた資材とかが並んでる……まさかあの中に」
阿武隈「うぅ……寒ぅ……。時雨ちゃん、ここって今も低出力のままなんだよね?」
時雨「うん。非常電源のままいじってないからね。操作して主電源に切り替えれば本来の機能に戻ると思うけど」
阿武隈「低出力でこんなに寒いなんて……っ、きゃあっ!?」ツルッ
時雨「だ、大丈夫!? 阿武隈さん!」
阿武隈「痛ったぁい……。床の一部が凍ってて、滑っちゃった」
時雨「長い間低出力だったから霜が発生してるみたいだ……。よく見れば天井や床はあちこちが霜だらけだ」
阿武隈「うぅっ……足元にも気をつけないと」
阿武隈「どう時雨ちゃん、何か気になる物はあった?」
時雨「うん……この布で包まれた資材を見て」
阿武隈「……これ、ガラスケース?」
阿武隈「っ! こ、これの中身って……」
時雨「実験に使われた後の検体の身体だね。不知火の予想した通りだ」
阿武隈「じゃあ……この辺りの同じような資材も全部」
時雨「艦娘か深海棲艦か……とにかくかなりの量があるみたいだ」
阿武隈「……」
時雨「他に役立ちそうな物もないし……そろそろ出ようか? 阿武隈さん」
阿武隈「……うん」
吹雪「お疲れ様、2人とも」
時雨「っ、流石に結構冷えたよ」ブルル
阿武隈「艦娘の服装って冬季向けじゃないからね……寒かったぁ」ブルブル
不知火「それで、冷凍庫の中は?」
時雨「特に何もなかったよ。冷房機能は未だに現役みたいだけど」
不知火「そうでしたか……」
吹雪「じゃあ、もう扉は閉めちゃうね」ギィィ
ガチャン! ガチン!
時雨「扉を閉めると自動的にロックも掛かるのか」
吹雪「時雨ちゃんの言う通り。みんなで入ってたら大変なことになってたね……」
阿武隈「あんな中に閉じ込められたりしたら……うぅっ、考えただけでも寒気がするよ」ブルルッ
本日はここまで
また明日も進めていきたいと思います
遅れましたが地下のマップを作ってくれた方に感謝を
>>352様のマップですがほぼ正解です。非常に忠実に再現されております
では本日もお付き合いありがとうございました
◆現在の所持アイテム
◇未使用
なし
◇使用済み(繰り返し使用可能品のみ)
・寮部屋のマスターキー
・本庁舎東側出入口の鍵
・入渠ドックの鍵
不知火「特に役立ちそうな物はないみたいですし、移動しましょう」
阿武隈「そうね。次の場所に行きましょう」
吹雪「先に進むか……もう1つ部屋もありましたね」
行動安価>>397
1 先に進む
2 もう1つの扉を調べる
2
時雨「どうせだ、あの部屋も調べておこう」
不知火「『廃棄物処理室』とありますね」
吹雪「!」
阿武隈「……嫌な響きね」
時雨「ここも鍵は掛かってない。入ろう」ガチャ
-廃棄物処理室-
時雨「部屋は真っ暗だ。電灯のスイッチ……これか」パチッ
吹雪「これ、なんだろう? 何か大きな機械が設置されてるけど」
不知火「部屋の左側の壁と繋がっていますね」
阿武隈「この機械って、もしかして……」
時雨「……廃棄物処理用の大型処理機か」
吹雪「!」
阿武隈「……」
時雨「高圧圧縮に焼却、金属融解、解体分別。あらゆる処理が行える専用の大型処理機みたいだね」
阿武隈「やっぱり、ここで処理されていた廃棄物って」
不知火「! この機械が繋がっている部屋の左側にあるのは、確か……」
時雨「あのダストシュートは、そういうことだったのか……」
吹雪「それじゃあ……ここは……」
時雨「機械以外には特に何もない……。ここの探索はこれくらいでいいかな」
阿武隈「うん……。早くここを出ましょう」
不知火「……」
行動安価>>403
1 先に進む
2 別の場所に行く(場所を指定)
開発室
阿武隈「さて、次はどうする?」
不知火「そういえば、先程配電室で電源を操作した際に『開発室』という部屋もありましたよね?」
時雨「あったね。でもまだ未発見の部屋だから場所がわからない」
吹雪「ここに来るまでに幾つかまだ見ていない通路があったよね? そこじゃないかな」
阿武隈「ってことは……開発室を探す為には来た道を戻らなきゃいけないわね」
時雨「……」
行動安価>>407
1 先に進む
2 1度道を戻って開発室を探す
2
少し休憩
今夜の早いうちから再開して一気に進めます
時雨「やっぱり気になるね。一度戻って開発室を探してみないかい?」
阿武隈「別にいいけど……初霜ちゃんたちを探すのはどうするの?」
不知火「居場所が分からない現状では、まずこの施設内の構造を把握する。というのも手かと」
吹雪「運が良ければその間に2人を見つけられるかもしれませんね」
阿武隈「うーん……。わかったわ、一度戻ってみましょう」
時雨「この分岐だけど……左は配電室。右は研究区画があって、正面はまだ未探索か」
吹雪「灯りが復活したから大分奥まで見えるけど……先に何があるかは分からないね」
阿武隈「どうする?」
行動安価>>422
1 真っすぐ進む
2 研究区画の方に行く
1
-地下出撃ドック-
阿武隈「あれ? なんだか広い空間に出たけど、明かりが点いてないね」
吹雪「……潮の匂いがしませんか?」
不知火「そう言われれば……確かに」クンクン
阿武隈「見て! 向こう側は水が浸食してきてるよ」
時雨「そうか、ここは配電盤に名前があった『出撃ドック』か」
吹雪「こんな地下にドックが?」
阿武隈「灯りを点けられれば全容を把握出来るんだけど……それらしい物は見つからないわね」
時雨「ライトの灯りのみだからはっきりしないけど、そこまで大掛かりなドックじゃないのかな?」
吹雪「どうする? ここはあまり調べられそうな所もないけど……」
時雨「……仕方ない。戻ろうか」
行動安価>>425
1 真っすぐ進む
2 研究区画の方に行く
1
不知火「また分岐のところに戻ってきましたね」
吹雪「今度はどうするの?」
時雨「通って来た通路であと未探索なのは、オフィスがある分岐の一角だけど……」
阿武隈「考えてみれば、さっきまでいた冷凍室とかがある通路の先って可能性もあり得ない?」
不知火「たしかに……そうですね」
吹雪「じゃあ、このまま真っすぐ行きましょう」
時雨「なんだかバタバタ動き回ってるね、僕たち……」
吹雪「再び冷凍室の通路に戻ってきたね」
不知火「正面に見えるあの扉ですね。他の扉に比べてかなり頑丈そうですが」
阿武隈「とりあえず、近くまで行ってみましょう」
不知火「おや? 扉が僅かに開いてますね」
時雨「こっちに何か書いてある」
吹雪「小さな黒板? 何か書いてあるみたいだけど……」
時雨「『独房』って書いてあるね」
阿武隈「……独房」
不知火「実験に使った艦娘を閉じ込めておく為の場所でしょうか」
吹雪「そんな……」
阿武隈「どうする? 入ってみる……?」
時雨「……」
行動安価>>429
1 進む
2 戻る
1
時雨「いってみよう」
阿武隈「扉が既に開いてるなら、このまま進めるわね」
不知火「元々開いていたのでしょうかね? それとも、何者かがここを開けた……?」
吹雪「もしかして、初霜ちゃんたちが?」
時雨「あり得るね。とにかく中に入ってみよう」
不知火「では、不知火が先頭に立ちます」
阿武隈「灯りは復活してるから大丈夫だと思うけど……独房だし何が起こるかわからないわ。気をつけて」
不知火「了解」
-地下施設 独房区画-
不知火「……ん? 広い空間に出ましたね」
時雨「左側はまだ先が――あれ?」
阿武隈「どうしたの?」
時雨「あそこにいるのって……!」
吹雪「! あれって……!」
阿武隈「!」
不知火「あれは……!」
吹雪「夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」
夕立「ぽいぃ!?」
初霜「その声……吹雪さん?」
>>432訂正
初霜「その声……吹雪さん?」×
初霜「吹雪さん! それに皆さんも!」○
吹雪「よかった、無事だったんだね! 2人とも!」ダッ
阿武隈「初霜ちゃん!」タタッ
吹雪「夕立ちゃん!」
夕立「吹雪ちゃん! 無事だったっぽい?」
吹雪「うん! 夕立ちゃんも無事でよかった……!」
時雨「元気そうだね。夕立」
夕立「ぽいっ!? 時雨も一緒だったんだ!」
阿武隈「2人とも無事でよかった……」
不知火「これで6人全員が合流できましたね」
初霜「皆さんも、ご無事で何よりです」
阿武隈「2人共心配したんだよ! 連絡したときに言ってた階段のところにいないし……」
初霜「申し訳ありません……。実は、私たちも始めは階段のところで待機していたのですが……」
時雨「何かあったの?」
初霜「突然階段の下の方から物音が聞こえてきて……。初めは皆さんかと思い声を出したんですが、返事もなくて……」
初霜「それで変だと思って、そのまま階段のところにいたら袋小路になると判断して、階段を下り他の通路に逃げ込んだんです」
夕立「ぽいっ」コクコク
時雨「物音?」
初霜「はい……それで地下通路を逃げ回った末に、再びここにきて――」
ガァァァンッ!!
初霜「!」
時雨「!!」
不知火「!?」
吹雪「ひゃあっ!?」
阿武隈「なにっ!?」
時雨「今の音……あの独房から聞こえたけど……」
初霜「あれです……あそこにいるのが、私たちを追いかけ回してきた怪物たちなんです」
阿武隈「なんですって!?」
吹雪「初霜ちゃんたちも怪物に襲われたの!?」
初霜「ええ。それでここまで逃げて来た後、一計を案じて、あそこに怪物たちを誘い込んで……閉じ込めたんです」
夕立「結構ヤバかったっぽい」
阿武隈「そうだったんだ……」
不知火「お2人が無事でよかったです」
阿武隈「とにかく、2人とも合流出来たことだし。あとはここから脱出するだけね!」
時雨「2人とも燃料の残りは?」
初霜「殆ど余裕はありません。少ないところをさらにあの怪物たちに追い回されてしまったので……」
吹雪「じゃあ、すぐに地上に戻って2人とも補給を!」
初霜「補給……出来るんですか?」
不知火「はい。不知火たちは今まで地上を探索していましたので、補給可能な燃料も発見済みです」
夕立「!!」
阿武隈「すぐに補給に戻りましょう」
吹雪「夕立ちゃん、動くのは大丈夫?」
夕立「うん。大丈夫っぽい!」
阿武隈「えーと……ここから地上に戻るには……」
初霜「そこの通路を通れば、上に上がる階段はすぐです」
時雨「よし。じゃあそこから――」
ズリュッ
時雨「……この音!」
不知火「っ! 扉のところです!」
怪物「――――」ズズッ...
阿武隈「あの化け物だわ!?」
吹雪「そ、そんな……階段に向かう出口が……!」
時雨「アイツ……僕たちの後を追ってきたのか!?」
不知火「まずいですね……よりにもよって、我々が出ようとしてたところから……」
初霜「あ、あれは……」
阿武隈「気をつけて! あれはあたしたちを襲ってきた怪物だよ!」
時雨「最悪のタイミングで最悪の所から……まったく、泣けてくるね」
怪物「――――」ズッ
吹雪「! こっちにきます!」
不知火「どうしますか? 時雨さん、阿武隈さん!」
阿武隈「あたしたちが来た道を戻れば、階段の所まで戻れるけど……」
時雨「遠回りになる……。かといって、あの怪物の横をすり抜けて奥の扉を目指すのは……」
初霜「……いっそのこと、戦いますか?」
時雨「えっ?」
初霜「相手は1体です。私たち全員でかかれば、勝てるかもしれません!」
阿武隈「駄目だよ! 危険すぎる!」
吹雪「っ! どんどん迫ってきます! 早く!」
時雨「……」
行動安価>>449
1 怪物の横を突破して階段を目指す
2 怪物と戦う
1
時雨「……こうなったら、イチかバチか。アイツの横を突破して最短ルートで階段を目指そう!」
阿武隈「あいつの横って……無茶だよ!」
時雨「そうしないと夕立たちの燃料が持たない」
時雨「それにアイツの動きはそこまで俊敏じゃない……この広い空間で散開すれば、強行突破も不可能じゃないはずだ!」
阿武隈「っ! わかったわ……イチかバチか。やってみましょう!」
時雨「燃料の少ない初霜と夕立には誰かが付いたほうがいい。初霜には僕が付く!」
不知火「では夕立には不知火が」
時雨「阿武隈さんは僕たちと、吹雪は不知火たちと同時に、左右からあいつの横を一気に突破しよう!」
阿武隈「わかったわ!」
吹雪「了解!」
時雨「いくよ……散開!」ダッ
怪物「――――!」
阿武隈「みんな! 止まらずに走って!!」
吹雪「~~~~!!」
怪物「――! ――!」ズッ ズッ
時雨(予想通り左右から同時に動かれて動揺してる。やはり知能は低いみたいだ……)
時雨(これなら……いける!)
阿武隈「っ、よし! 突破出来たわ!」
時雨「このまま出口を抜けて階段まで! 阿武隈さんは先にいって脱出路の確保を!」
阿武隈「わかったわ! みんなの事をお願いね、時雨ちゃん!」タッタッタ…
初霜「不知火さんたちは……!」
吹雪「よしっ! 突破できるわ!」
不知火「夕立、頑張ってください!」
夕立「ぽいっ! ……!?」フラッ
不知火「っ!?」
吹雪「! 夕立ちゃん!?」
時雨「夕立っ!?」
夕立「あうっ、足が……」
吹雪「夕立ちゃん! 早く起き上がっ――」
怪物「――――」ズズッ
夕立「ぅぁ……」
吹雪「夕立ちゃん!」
時雨「夕立っ!」
不知火「っ! 夕立!!」グイッ
夕立「うわっ!」グッ
不知火「早く! 走って!」
夕立「ぽ、ぽいっ!」ダッ
時雨「不知火! 後ろだっ!!」
不知火「っ!?」
怪物「――――」ブンッ
グチャッ!
不知火「ぐっ……!」
時雨「不知火っ!!」
不知火「ぐっ、ぁぅ……」
怪物「――――」ズズズッ
時雨「不知火! 今助けに――」
不知火「だめ…です! 時雨さん!」
時雨「っ!」
吹雪「不知火ちゃん!?」
不知火「不知火の事はいいです……皆を連れて早く、外へ!」
時雨「なにを、馬鹿な……」
不知火「状況を見て、成すべきことを! 時雨さんっ!!」
時雨「……っ」
時雨「……いくよ。吹雪、初霜っ!」
夕立「ぽいっ!?」
吹雪「そ、そんなっ!? 不知火ちゃんを見捨てていくなんて!!」
時雨「もう間に合わない! 今は……1人でも多く生き残ることを考えるんだ!」
初霜「吹雪さん早く!」
吹雪「でもっ!」
時雨「行くんだっ!」グイッ
不知火「……そうです。それが正解です」
不知火「最後まで……足手纏いのまま……申し訳ありません」
不知火「……ごめんなさい、陽炎」
グシャッ!
-階段-
時雨「……」タッタッタッ
吹雪「どうして……こんな……っ」
阿武隈「みんな! 出口は開いたままだったわ、早く脱出を――」
阿武隈「……みんな?」
時雨「……」
吹雪「うっ……ぐすっ、うぅぅ……」
初霜「夕立さん、しっかり……」
夕立「……っ」
阿武隈「みんな、どうしたの……不知火ちゃんは?」
吹雪「っ!」
時雨「……不知火はやられた」
阿武隈「うそでしょ……時雨ちゃん」
時雨「……」
吹雪「うっ、くぅぅ……っ」
阿武隈「そ、そんな……」
夕立「夕立のせい! 夕立が……転んだりしたからっ!」
初霜「夕立さん……」
時雨「……夕立のせいじゃないよ」
夕立「でもっ!」
時雨「あんな手段を選んで実行した……僕の責任だよ」
時雨「もっと良い方法はあったはずなのに……焦った挙句に最悪の選択をして、皆を危険に晒してしまった」
時雨「その果てに不知火を死なせた。見殺しにしてしまった……」
時雨「全部、僕の責任だ」
夕立「っ!」
初霜「……」
吹雪「……」
阿武隈「……状況はわかったよ。時雨ちゃん」
時雨「……」
阿武隈「時雨ちゃんのせいじゃないよ。時雨ちゃんは、間違った判断なんてしてない」
吹雪「阿武隈さん!?」
阿武隈「あの状況で何が最良の選択肢だったかなんて誰にもわからない……。時雨ちゃんを責める資格のある人なんて、誰もいないよ」
阿武隈「不知火ちゃんの事だって……時雨ちゃんは状況を見て的確な判断を下した。見殺しなんかじゃないよ」
時雨「……」
阿武隈「責を負うべきはあたし。時雨ちゃんにも、夕立ちゃんにも……責任なんてないよ」
吹雪「……」
夕立「……」
阿武隈「さあ、あの怪物が来る前に……急いでここを出よう」
阿武隈「不知火ちゃんが命を賭けて作り出してくれた時間。絶対に無駄にすることは出来ないわ」
時雨「……そうだね。急いでここから脱出しよう」
吹雪「……はい」
初霜「わかりました……」
夕立「ぽい……」
-入渠ドック 入り口前-
阿武隈「全員出たわね……。時雨ちゃん、ここの鍵を閉めてくれる?」
時雨「うん」ガチャッ
阿武隈「よし、これでひとまずは安心ね」
吹雪「夕立ちゃん……あまり自分を責めないで」
夕立「……」
初霜「これからどうしますか?」
阿武隈「初霜ちゃんたちの燃料を補給する為に、一度倉庫のところまで行こう」
阿武隈「2人の補給が終わったら……海に出てこの島から脱出する」
-倉庫への道-
吹雪「2人とも、もう少しだから頑張って」
初霜「はい……大丈夫です」
夕立「夕立も、大丈夫っぽい」
阿武隈「……時雨ちゃん」
時雨「……ごめんなさい。僕は……阿武隈さんから皆のことを任されてたのに……」
時雨「僕は……また、守れなかった」
阿武隈「……そんなことないわ」
時雨「ごめんなさい……許して……不知火っ」
阿武隈「時雨ちゃん……」
バシュッ
阿武隈「……!」
吹雪「なに? この音」
ヒュゥゥゥゥッ
カッ!
Bad End
やばいこのスレで終わるって言ったけど終わらないかも……
Bad Endになったのである場面から再スタートします
攻略に関するヒントはいりますか?
1 いる
2 いらない
>>483
安価なら1
ヒント:「ギミックは既に解除されています」
前回のヒントで述べた全滅エンドを回避する為のギミックは解除されました。
あとは的確な選択肢を選ぶだけです。
ちなみに今回のBad Endでも吹雪や初霜たちは全滅しました。
あくまで道中でのBad Endであり、エンディングではないので全滅エンドにはあたりません。
再スタートにあたり
スタートする場面を選択できます
【ルートA】>>428
『独房区画』へ進むか、戻るかの選択場面
【ルートB】>>446
『独房区画』内で怪物と相対した状況での選択場面
安価>>490
ここはAで。
【ルートA】>>428より再スタート
吹雪「再び冷凍室の通路に戻ってきましたね」
不知火「正面に見えるあの扉ですね。他の扉に比べてかなり頑丈そうですが」
阿武隈「とりあえず、近くまで行ってみましょう」
不知火「おや? 扉が僅かに開いてますね」
時雨「こっちに何か書いてある」
吹雪「小さな黒板? 何か書いてあるみたいだけど……」
時雨「『独房』って書いてあるね」
阿武隈「……独房」
不知火「実験に使った艦娘を閉じ込めておく為の場所でしょうか」
吹雪「そんな……」
阿武隈「どうする? 入ってみる……?」
時雨「……」
行動安価>>495
1 進む
2 戻る
フミィ
時雨「いや、やっぱり戻ろう」
吹雪「ええっ! また!?」
阿武隈「戻ってどこに行くの?」
時雨「研究区画とオフィスの間にあった分岐のところ。あそこにまだ未探索の通路があったはずだ」
不知火「そこに行くと?」
時雨「うん……どうしても気になってて」
阿武隈「……わかった。いこう」
不知火「なんだか同じところを往ったり来たりしてるような……」
時雨「ごめん……さっきから少し頭が混乱しちゃってるみたいだ」
-地下施設 通路 2つ目の分岐-
時雨「ここだね」
阿武隈「真っすぐ行くとオフィスだったわね」
吹雪「右側は階段に向かう通路ですね」
不知火「ということは、必然的にここは左に行くという事ですね」
時雨「うん。ほら、通路に灯りが点いてるから奥が見えるよ」
阿武隈「行き止まりだけど……扉があるわ」
吹雪「ということは、あれが『開発室』?」
時雨「とにかく行ってみよう」
-開発室-
不知火「やはりここが開発室でしたね」ギィィ
時雨「鍵も掛かってないし、ラッキーだったね」
阿武隈「えーと、部屋の電気は……あった、これね」パチッ
時雨「!」
吹雪「武器や砲弾、弾薬類がたくさん……」
不知火「なるほど。開発とは、武器や弾薬の事のようですね」
阿武隈「ひょっとして、ここならあたしたちの弾薬も補給できるんじゃない?」
時雨「……いや、見たことも無いタイプの武器や弾薬ばかりだ。たぶん使えないと思う」
不知火「では、ここにある武器を持っていけば?」
時雨「それも難しいね。僕たちが装備する武器は艤装とリンクさせる必要があるだろう?」
阿武隈「あっ」
時雨「ここにある武装では、艤装が認識せずリンク出来ないだろうから……どれも使えないよ」
不知火「そうですか……」
時雨「とりあえず、室内を色々と調べてみよう」
吹雪「見た感じは私たちの知ってる武器とよく似てるけど、改造されてるのかな?」
不知火「ここにある物は駆逐艦用の連装高角砲のようですが……確かに、口径等が違ってますね」
阿武隈「戦艦の主砲や砲弾もあるわね」
時雨「ん? この机の上にあるのは……設計図?」ガサガサ
時雨「やっぱりそうだ。名称は分からないけど『試作兵器の設計図』みたいだ」ペラッ
時雨「……砲弾の設計図か。××式特殊弾?」
時雨「砲弾内部に大きな空白があるけど……三式弾の改良型かな?」
時雨「……この資料だけじゃ、詳しいことは解らないな」
時雨「机の中には何か……」ゴソゴソ
時雨「おっと、やっぱり何か入ってた」
時雨「報告書か……『特殊弾特効実証実験 結果報告』?」ペラッ
『特殊弾特効実証実験 結果報告』
『5回目となるこの実験では、先の実験によって得られた××××に関する仮説を基に試作した特殊弾の効能試験を目的とし、』
『「×-8号弾」を特別任務部隊として編××た艦隊の戦艦に搭載し、××海域××××点での交戦で使用。実証×験が行われた。』
『結果は、観測班として秘かに派×し本×隊から離れた位置にいた艦娘1名を除く敵味方×艦が××する結果となった。』
『××弾による効××囲は当初の予×よりも広大に×ぶとみ×れ、生き×××観×班の艦娘も×還直×から身体の不××訴×、』
『翌02:00(実×12時×後)に容体が急×し××した。』
『この艦娘の遺体を××し検××た結果、艦娘を構成する細××織に重大××壊が生××いることを×認。』
『特××の効能が理論通りに××した事を証×する結果となった。』
『しかし、艦娘を巻××んだ事を×けば、××××に対する××は極め×××といえ、実験としては成功×結××けて良い××う。』
『さらに興味×いこ××、帰×後に××した艦娘の解剖の際、×間とし×の×胞にも未知の変×が見受×ら××こ×が確×××た。』
『この詳細に×しては別の研究報×に記載する。』
時雨「…………」
もうだめ寝ます
明日でもう1つくらいエンディングを迎えさせたい
本日もお付き合いありがとうございました
吹雪「うーん……。使えない武器や弾薬ばかりで、役立ちそうな物は何も無いですね」
阿武隈「そうだね。時雨ちゃんは何か気になるところあった?」
時雨「うん。こんな報告書があったんだけど」
不知火「……これは」
吹雪「新型兵器の実験報告ですかね?」
阿武隈「みたいだね。けどこの内容って……」
不知火「この鎮守府では、艦娘はただの実験材料としか見られていなかったようですね」
吹雪「新兵器の開発も他の実験や研究と何か関係があるのかな……?」
時雨「……」
時雨「とりあえず、ここで調べられそうなところは大方探した。これくらいにしておこう」
不知火「このあとはどうしますか?」
吹雪「まだ探してない場所は、あの独房くらいかな?」
阿武隈「あと1つあるよ」
吹雪「えっ、どこかありましたっけ?」
阿武隈「あたしたちが階段を下りてきて最初に当たった分かれ道。そこの左右もまだどこと繋がってるか不明だわ」
吹雪「そういえば……」
不知火「あそこを、階段から見て左にいくと……地理的には独房の方に繋がるのでは?」
時雨「そうだね。右のほうは、また何か別の部屋や区画があるのかもしれない」
阿武隈「ちょうどその分かれ道なら、ここを出て真っすぐ進めば行けるけど。どうする?」
行動安価>>528
1 真っすぐ進む
2 『研究区画』方向に曲がり、独房に向かう
1
吹雪「真っすぐ行ってみましょう」
不知火「そうですね。調べられるところは見ておくべきかと」
時雨「よし。じゃあ、行ってみようか」
-地下施設 通路 1つ目の分岐-
阿武隈「着いたわね。正面にあるのは階段だわ」
吹雪「問題は右と左のどちらに進むかですね」
不知火「灯りのおかげである程度先まで見えますが……右の通路は間隔が少し狭くなってますね」
阿武隈「左は今までの通路と同じだけど、先の方までは見えないわね」
時雨「さて、どうするかな……」
行動安価>>533
1 右に曲がる
2 左に曲がる
2
吹雪「たしかにこの構造なら不知火ちゃんの言う通り、右側の通路の先はさっきの独房の方に繋がってるかもしれないね」
時雨「ってことは、ここを右に曲がっても独房へは行けるかもしれない、か」
不知火「ならば、ここは左に行きましょう。もし駄目でもそのまま反転して真っすぐ行けば独房に向かえます」
阿武隈「それがいいわね」
時雨「よし。ここは左に曲がろう」
ズズッ...
吹雪「あっ、行き止まりだ」
不知火「扉のようなものもありませんね」
阿武隈「えっ、じゃあここはただの行き止まりってこと?」
時雨「……いや違うよ。よく見て」
吹雪「えっ?」
時雨「奥にあるこれは壁じゃなくて扉だよ。おそらくシャッター状で上にスライドするタイプだ」
阿武隈「ほんとだ! かなり頑丈そうな扉ね」
吹雪「見てください。扉の横のところに何か四角い機械みたいな物もあります!」
時雨「これは……もしかして、電子ロック式の扉なのか?」
吹雪「電子ロック?」
時雨「たぶん間違いない。センサーも生きてるみたいだし……強引に開けるのは不可能だ」
不知火「では、ここを開けることは出来ないのでしょうか?」
時雨「……機械を見るに、おそらくここの開閉には専用の『カードキー』みたいな物が使われてたんだと思う」
時雨「それが見つかれば、ここを開けることも出来るかもしれないけど……」
吹雪「どちらにせよ今の私たちでは、この先に進むことは出来ないみたいだね」
阿武隈「どうしてここだけ、こんなに厳重になってるのかしら?」
時雨「……」
不知火「ここから先へ行けない以上、仕方ありません。戻って独房のほうに行きましょう」
阿武隈「そうしようか」
時雨「残るは独房だけか。初霜たちはそこにいるのかな?」
吹雪「じゃあ、このまま道を引き返せば――」
ズズッ...
阿武隈「えっ……?」
怪物「――――」ズッ
吹雪「!?」
不知火「あの化け物!? 不知火たちを追って!?」
時雨「しまった! 袋小路のところで……!?」
怪物「――――」ズズズッ
不知火「何とか、強引に突破を!」
吹雪「か、怪物と通路の間が狭すぎて、とてもすり抜けることなんて……」
阿武隈「そ、そんな……」
時雨「なんて……ことだ……」
Bad End
Bad Endになったのである場面から再スタートします
最終ルート攻略に関してこれ以上ヒントはありません
再スタートにあたりスタートする場面を選択できます
【ルートA】>>526
『開発室』を出て、分岐で真っすぐ進むか『研究区画』方面に曲がるかの選択場面
【ルートB】>>531
階段下の分岐で右に曲がるか、左に曲がるかの選択場面。
安価>>547
右に曲がって独房に入るとどうなるか気になるから2
【ルートB】>>531より再スタート
-地下施設 通路 1つ目の分岐-
阿武隈「着いたわね。正面にあるのは階段だわ」
吹雪「問題は右と左のどちらに進むかですね」
不知火「灯りのおかげである程度先まで見えますが……右の通路は間隔が少し狭くなってますね」
阿武隈「左は今までの通路と同じだけど、先の方までは見えないわね」
時雨「さて、どうするかな……」
行動安価>>551
1 右に曲がる
2 左に曲がる
上
吹雪「たしかにこの構造なら不知火ちゃんの言う通り、右側の通路の先はさっきの独房の方に繋がってるかもしれないね」
時雨「ってことは、ここを右に曲がっても独房へは行けるかもしれない……行ってみようか」
阿武隈「賛成。右に行きましょう」
時雨「よし。右に曲がろう」
ズズッ...
吹雪「こっちの通路は本当に狭いですね……2人並んで歩くのがやっとの幅」
不知火「横の壁に扉などもなし。一本道ですね」
阿武隈「ここは照明の間隔が遠いから、薄暗くて奥の方までは見えないわね」
時雨「……! 何か見えてきた」
吹雪「扉だね」
阿武隈「あれって……さっき見た独房の扉と同じじゃない?」
不知火「ということは、やはりこちら側も独房に繋がっていた。ということですかね?」
時雨「……そうみたいだ。ここの扉には『独房区画』って名前が書かれてる」
阿武隈「それじゃあ……今度こそ、入ってみよう」
時雨「! ここも扉が開いてる」
不知火「元々開いていたのでしょうか? それとも、何者かがここを開けた……?」
吹雪「もしかして、初霜ちゃんたちが?」
時雨「あり得るね。とにかく中に入ってみよう」
阿武隈「灯りは復活してるから大丈夫だと思うけど……独房だし何が起こるかわからないわ。気をつけて」
時雨「了解」
夕食作るので一旦休憩します
19時か20時頃から再開
再開
ちなみに夕食はハンバーグとサラダでした
-地下施設 独房区画-
時雨「中も灯りは点いてる。結構広い空間になって――!」
阿武隈「どうしたの? 時雨ちゃ――!」
吹雪「! やっぱり……無事だったんだ」
吹雪「夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」
夕立「ぽいぃ!?」
初霜「吹雪さん! それに皆さんも!」
吹雪「よかった……無事だったんだね! 2人とも!」ダッ
阿武隈「初霜ちゃん!」タタッ
吹雪「夕立ちゃん!」
夕立「吹雪ちゃん! 無事だったっぽい?」
吹雪「うん! 夕立ちゃんも無事でよかった……!」
時雨「元気そうだね。夕立」
夕立「ぽいっ!? 時雨も一緒だったんだ!」
阿武隈「2人とも無事でよかった……」
不知火「これで6人全員が合流できましたね」
初霜「皆さんも、ご無事で何よりです」
阿武隈「2人共心配したんだよ! 連絡したときに言ってた階段のところにいないし……」
初霜「申し訳ありません……。実は、私たちも始めは階段のところで待機していたのですが……」
時雨「何かあったの?」
初霜「突然階段の下の方から物音が聞こえてきて……。初めは皆さんかと思い声を出したんですが、返事もなくて……」
初霜「それで変だと思って、そのまま階段のところにいたら袋小路になると判断して、階段を下り他の通路に逃げ込んだんです」
夕立「ぽいっ」コクコク
時雨「物音?」
初霜「はい……それで地下通路を逃げ回った末に、再びここにきて――」
ガァァァンッ!!
初霜「!」
時雨「!!」
不知火「!?」
吹雪「ひゃあっ!?」
阿武隈「なにっ!?」
時雨「今の音……あの独房から聞こえたけど……」
初霜「あれです……あそこにいるのが、私たちを追いかけ回してきた怪物たちなんです」
阿武隈「なんですって!?」
吹雪「初霜ちゃんたちも怪物に襲われたの!?」
初霜「ええ。それでここまで逃げて来た後、一計を案じて、あそこに怪物たちを誘い込んで……閉じ込めたんです」
夕立「結構ヤバかったっぽい」
阿武隈「そうだったんだ……」
不知火「お2人が無事でよかったです」
阿武隈「とにかく、2人とも合流出来たことだし。あとはここから脱出するだけね!」
時雨「2人とも燃料の残りは?」
初霜「殆ど余裕はありません。少ないところをさらにあの怪物たちに追い回されてしまったので……」
吹雪「じゃあ、すぐに地上に戻って2人とも補給を!」
初霜「補給……出来るんですか?」
不知火「はい。不知火たちは今まで地上を探索していましたので、補給可能な燃料も発見済みです」
夕立「!!」
阿武隈「すぐに補給に戻りましょう」
吹雪「夕立ちゃん、動くのは大丈夫?」
夕立「うん。大丈夫っぽい!」
阿武隈「ここから地上に戻るには、今あたしたちが通ってきた道を行くのが最短ね」
時雨「うん。すぐにここから――」
ズリュッ
時雨「……この音!」
不知火「っ! 後ろです!」
怪物「――――」ズズッ...
阿武隈「あの化け物だわ!?」
吹雪「そ、そんな……階段に向かう出口が……!」
時雨「アイツ……僕たちの後を追ってきたのか!?」
不知火「まずいですね……よりにもよって、我々が出ようとしてたところから……」
初霜「あ、あれは……」
阿武隈「気をつけて! あれはあたしたちを襲ってきた怪物だよ!」
時雨「最悪のタイミングで最悪の所から……まったく、泣けてくるね」
怪物「――――」ズッ
吹雪「! こっちにきます!」
不知火「どうしますか? 時雨さん、阿武隈さん!」
阿武隈「向こうにあるもう1つの扉。あそこが冷凍室の方と繋がってるなら、階段の所まで戻れるけど……」
時雨「遠回りになる……。かといって、あの怪物の横をすり抜けて奥の扉を目指すのは……」
初霜「……いっそのこと、戦いますか?」
時雨「えっ?」
初霜「相手は1体です。私たち全員でかかれば、勝てるかもしれません!」
阿武隈「駄目だよ! 危険すぎる!」
吹雪「っ! どんどん迫ってきます! 早く!」
時雨「……」
行動安価>>572
1 怪物の横を突破して階段を目指す
2 下側の出口から階段を目指す
3 怪物と戦う
下側の出口って冷凍室の方だよね
それなら別の化物と出会う覚悟で2?
時雨「っ! 仕方ない、下の出口から階段を目指そう!」
阿武隈「で、でも……それじゃあ遠回りになっちゃう。2人の燃料が持つかわからないよ!」
時雨「最悪僕たちで引っ張っていってもいい! とにかく、反対側の出入口に! 急いで!!」
阿武隈「っ! 初霜ちゃん、あたしの手を! 一緒に走って!」
初霜「は、はい!」
吹雪「夕立ちゃん、いこう!」
夕立「ぽいっ!」
不知火「殿は不知火が務めます。みなさん急いで!」
時雨「先頭は僕が。任せたよ不知火!」
不知火「了解。期待に応えて見せます」
以下、>>296の結末へ……
【全滅エンド】
Bad Endになったのである場面から再スタートします
>>570より再スタート
時雨「……この音!」
不知火「っ! 後ろです!」
怪物「――――」ズズッ...
阿武隈「あの化け物だわ!?」
吹雪「そ、そんな……階段に向かう出口が……!」
時雨「アイツ……僕たちの後を追ってきたのか!?」
不知火「まずいですね……よりにもよって、我々が出ようとしてたところから……」
初霜「あ、あれは……」
阿武隈「気をつけて! あれはあたしたちを襲ってきた怪物だよ!」
時雨「最悪のタイミングで最悪の所から……まったく、泣けてくるね」
怪物「――――」ズッ
吹雪「! こっちにきます!」
不知火「どうしますか? 時雨さん、阿武隈さん!」
阿武隈「向こうにあるもう1つの扉。あそこが冷凍室の方と繋がってるなら、階段の所まで戻れるけど……」
時雨「遠回りになる……。かといって、あの怪物の横をすり抜けて奥の扉を目指すのは……」
初霜「……いっそのこと、戦いますか?」
時雨「えっ?」
初霜「相手は1体です。私たち全員でかかれば、勝てるかもしれません!」
阿武隈「駄目だよ! 危険すぎる!」
吹雪「っ! どんどん迫ってきます! 早く!」
時雨「……」
行動安価>>579
1 怪物と戦う
2 怪物と戦う
3 怪物と戦う
1
時雨「イチかバチか……やってみるか」
阿武隈「時雨ちゃん!?」
時雨「暗闇のままなら、距離を離せればあいつの目から逃れられたかもしれないけど、電気を回復させた現状じゃそれも無理だ!」
時雨「この状況ではあいつの横を突破することも、遠回りで逃げるのも極めて難しい」
時雨「なら……ここであいつと戦って、倒すしかない!」
吹雪「で、でも! 倒すっていったいどうやって!?」
阿武隈「そうだよ! 今のあたしたちには弾薬も使える武器もないのに!」
時雨「大丈夫」
時雨「僕に、ちょっと考えがあるんだ」
阿武隈「か、考えって、いったいどうするの!?」
不知火「時雨さんっ!」
時雨「っ! 説明してる暇はなさそうだ。とにかく今は僕を信じて! こっちに!」ダッ
吹雪「そっちって、下側の出口?」
阿武隈「そこから逃げるんだと遠回りになっちゃう! 2人の燃料が持つかわからないわ!」
時雨「いや、逃げるんじゃないよ。とにかくみんな僕についてきて! 早く!」
不知火「了解っ!」ダッ
阿武隈「っ! 初霜ちゃん、あたしの手を! 一緒に走って!」
初霜「は、はい!」
吹雪「夕立ちゃん、いこう!」
夕立「ぽいっ!」
-地下施設 通路-
時雨「みんな、ついてきてる?」
阿武隈「大丈夫だよ。初霜ちゃんは?」
初霜「は、はい。私も大丈夫です」
時雨「あの化け物は?」
吹雪「ま、まだ追いついてはきてないみたい」
不知火「独房の扉を閉めてきましたが、鍵がなかったので――」
ガアァァンッ!!
怪物「――――」ズリュッ
阿武隈「!!」
吹雪「と、扉が……!」
時雨「破られたか……みんな、こっちに!」
初霜「えっ? ここって」
吹雪「れ、冷凍室!?」
阿武隈「そんな……この状況で部屋の中に隠れるなんて、自殺行為だよ!」
夕立「そうだよ! それならいっそのこと全員であいつに飛びかかったほうが断然勝てるっぽい!」
時雨「あいつをやり過ごすにはここしかないんだ! お願い、僕を信じて!」
不知火「阿武隈さん、時雨さんを信じてください」
阿武隈「! 不知火ちゃん」
不知火「現状で他に有力な方法はありません。ならば、不知火は時雨さんの判断に賭けるべきかと」
初霜「で、でも……」
阿武隈「……わかったわ。みんな、急いで冷凍室に!」
初霜「阿武隈さん!」
阿武隈「初霜ちゃん急いで! 吹雪ちゃんたちも!」
吹雪「はいっ! いこう夕立ちゃん!」
夕立「ぽ、ぽい……」
-冷凍室-
時雨「全員入ったね」
吹雪「う、うん……」
阿武隈「それで、いったいどうするの?」
時雨「……ここであの怪物を倒す」
阿武隈「えっ!?」
吹雪「ど、どうやって?」
時雨「不知火、操作盤を使って冷凍室のロックを解除して」
不知火「はい」ピッピッ
ガチン!
時雨「よし……」ガチャッ
ビュゥゥゥッ
吹雪「っ!」
初霜「!」
夕立「ぽいっ!?」
阿武隈「時雨ちゃん、もしかして……」
時雨「そう……ここに閉じ込めるんだ」
阿武隈「で、でも……どうやってあの怪物を中に?」
時雨「囮を使うのさ。あいつがこの部屋に入って来たら、囮役が追い込まれたふりをしながら冷凍庫の中に入り、奴を中に誘い込む」
時雨「その後、この部屋に隠れていた他の皆が扉を閉め、外から扉をロックしてしまうんだ」
時雨「幸いこの部屋には空き箱や棚なんかもあるから、隠れることも不可能じゃない」
吹雪「そ、そんな!?」
不知火「しかし、そう上手く敵が引っかかってくれるでしょうか?」
時雨「今までのあいつの行動を見てもあまり知能が高いようには思えないし、一度獲物を見るとそれを追うことしか考えないみたいだ」
時雨「目の前に獲物を晒せば、それを追ってくる可能性は高いはずだ」
阿武隈「……」
不知火「わかりました。しかし、囮役はいったい誰が……?」
吹雪「っ!」
夕立「ぽい……」
初霜「……」
阿武隈「……あたし――」
時雨「僕がやるよ」
囮役はもちろん俺以外が行く
阿武隈「時雨ちゃん!?」
時雨「この策を提案したのは僕だからね。言い出しっぺのなんとやら、だよ」
阿武隈「でもっ!」
時雨「阿武隈さん隊長だ。あなたを失わせる訳にはいかない……ここは僕が行くよ」
吹雪「でも、やっぱり危険すぎるよ!」
時雨「大丈夫だよ吹雪。他のみんなは怪物が中に誘い込まれるまで、部屋のどこかに隠れてて」
阿武隈「……わかったわ。だけど、約束して。絶対に無茶はしない、必ず戻ってくるって!」
時雨「……約束するよ。必ず戻ってくる」
夕立「……!」ピクッ
夕立「外に……あいつが近づいてくるっぽい!」
阿武隈「!」
時雨「時間がない……阿武隈さん!」
阿武隈「みんな、急いで隠れて!」
吹雪「は、はい!」
初霜「夕立さん、こっちに!」
夕立「ぽいっ!」
不知火「時雨さん、どうかご無事で」
時雨「……不知火。静かに僕の話を」
不知火「えっ」
ズッ...ズズッ...
時雨「……」
ガチャッ…ギィィ
時雨「……きたか」
怪物「――――」ズリュッ
時雨「こうやって面と向かって見ると、本当に気味の悪い姿だね……」
怪物「――――」ズズッ
時雨「追い詰めたつもりかい?」
時雨「悪いけど……まだ、諦めるつもりはないよ」ガチャッ
ビュゥゥゥッ
怪物「――――!」
時雨「ここに逃げ込めば……!」グイッ
怪物「――――!」ズズッ
ガシッ
時雨「っ!」ググッ
怪物「――――!」グググ
時雨「うわっ!」パッ
ガチャンッ!
怪物「――――!」ズズズッ
時雨「っ、くっ……」タタッ
怪物「――――ッ!」ズッ...
時雨「……凄い馬鹿力だね。おっと、寒いのかい?」
時雨「ふふっ……冷凍庫の中は苦手かな?」
怪物「――――ッ」ズッ
時雨「この僕を、ここまで追い詰めたつもりかい? そう思っているのなら……」
時雨「君には失望したよ」
時雨「今だっ! 不知火!」
不知火「了解! 冷凍庫の出力を最大に上げます!」ピッピッ
ヴゥゥゥゥゥゥンッ
怪物「――――!」
時雨「さすがに凄い出力だね。どんどん温度が下がっていく」
怪物「――――!」ズズッ
時雨「逃げるつもりかい? でも、もう手遅れだよ」
怪物「!」グッ...ググッ
時雨「君の身体の大半が液体化していると知った時から、幾つかの対処法については考えていたんだ」
時雨「そしてこの場所――冷凍庫を見つけたとき。具体的な方法まで考えついた」
時雨「液体が君の本質なら、凍らせてしまえばいい。ってね」
怪物「――ッ!」ググッ...バキッ
怪物「――!!」
時雨「床に触れている足元は、もう凍り付き始めたみたいだね」
時雨「予想通り。凍ってしまった部分は君の意思で制御することも出来ない」
時雨「これで君は、室温が下がり続ける冷凍庫の中。もう逃げることも動くことも出来ないってわけさ」
怪物「――ッ」
時雨「残念だったね」
不知火「時雨さん! 扉を閉めます、早く!」
時雨「それじゃあ、僕はそろそろ失礼するよ」
時雨「さよなら」
怪物「――ッ」ピシッ パキ…パキッ
怪物「――」パキ…パキキッ
怪物「」
不知火「時雨さん!」
時雨「不知火。よくやってくれたよ」
阿武隈「時雨ちゃん!」
吹雪「無事でよかった!」
時雨「みんなも……無事に見つからなくてよかった」
初霜「一時はどうなることかと思いましたけど……」
夕立「でも、見つからなかったし。時雨も無事でよかったっぽいっ!」
阿武隈「それにしても時雨ちゃん、あの怪物は……」チラッ
怪物「」
吹雪「冷凍庫の中で凍りついてますね……」
阿武隈「よく気付いたわね。あの怪物の弱点が低温だって」
時雨「資料室で見たレポートの記述さ」
時雨「おそらくあの怪物を指しているレポートの内容に、怪物の本質が液体であることを匂わせる記述があったんだ」
時雨「本質が液体なら、凍結させることで無力化も可能かもしれない。そう思ったんだ」
吹雪「とにかく、これであの怪物は倒せたって事だよね?」
時雨「うん。ああなってしまえば奴はもう動けないだろうし、もしかしたら生命活動すら止まったかもしれないね」
阿武隈「じゃあ……これで一安心って事ね」フゥゥ
初霜「一件落着ですね」
夕立「ぽいっ」
吹雪「怪物に怯える必要もなくなったことだし、あとはこの鎮守府から脱出するだけだね!」
阿武隈「そうだね。とりあえず、まずは地上に戻って初霜ちゃんたちの補給をしないと」
初霜「それじゃあ、そろそろ冷凍庫を閉めて、あの怪物を完全に封じてしまいましょう」
夕立「こっちの部屋にまで冷気がきて、そろそろ寒くなってきたっぽい……」ブルブル
吹雪「そうだね。たしか冷凍庫の扉は閉めれば自動的に――」
時雨「……やっぱり、そうか」
阿武隈「えっ?」
時雨「君たちには、失望したよ」
時雨「ふっ――!」ドカッ
夕立「ふぎゃっ!?」ドザザッ
吹雪「ゆ、夕立ちゃん!?」
阿武隈「時雨ちゃん! なにを!?」
時雨「不知火っ!」
不知火「はあぁっ!」ドガッ
初霜「ぎゃっ!」ドザザザッ
阿武隈「し、不知火ちゃんまで……なんで2人を、冷凍庫の中に……!?」
夕立「ぐっ、うぅ……」
初霜「痛ぁっ、っぅ……」
阿武隈「いったい何の真似!? 2人ともっ!!」
吹雪「夕立ちゃん! 初霜ちゃん! い、今助けに――」
時雨「駄目だっ! 吹雪!!」
吹雪「し、時雨ちゃんっ!!」
時雨「違う、あれは僕たちの仲間じゃない!」
時雨「あの2人は偽物だ!」
吹雪「ふ、2人が偽物って……!?」
阿武隈「どういうこと!?」
時雨「答えは、あの2人を見れば分かるよ」
夕立?「うっ……ぐぅぅ……」ズルルッ
初霜?「おの……れぇ」グチャッ
吹雪「なっ、2人の顔が……!?」
阿武隈「崩れてく……じゃあ、あれは……」
時雨「2人に化けた偽物。あの怪物と同じ液体化能力を持った怪物たちだ」
阿武隈「いったい、どうして……」
時雨「おそらく、僕たちがこの地下施設を見つけ出すまでの間に、本物の初霜たちを襲って成り代わったんだ」
吹雪「じ、じゃあ……本物の夕立ちゃんたちは!?」
時雨「こいつらに吸収されたか、或いは既に殺された……」
阿武隈「そんな……」
時雨「でも、蹴飛ばした衝撃で変化が解けた辺りをみると……吸収して融合を図った訳じゃないようだ」
吹雪「吸収……融合……?」
時雨「これもあの資料に書かれていた記述さ。この怪物たちは、他の艦娘を襲って融合する性質を持っているらしい」
時雨「資料の情報に則って呼称するなら、地上で僕たちを襲った最初の怪物は『個体A』。初霜たちに化けていたのは『個体B』と『個体C』ってところか」
阿武隈「個体BCってたしか……」
不知火「この施設で、艦娘を素材に作りだされたという人工の怪物……」
時雨「資料によれば、この2体は素の艦娘並の知能を持ち、見た目も中身もかなりの精度で化けれるらしい。正直、危ないところだったよ」
阿武隈「いつから気付いていたの? この2人が偽物だってこと……」
時雨「最初に違和感を持ったのは、独房で個体Aに襲われた時さ」
時雨「あの時、僕たちは皆どうやって逃げるかを考えていたのに、初霜だけ勇敢にも迷いなく戦うことを提案していたよね?」
吹雪「そ、そう言われれば」
不知火「しかし、それだけでは……」
時雨「もちろんそれだけじゃないよ。その時はまだ、ちょっと気になったくらいの違和感だった」
時雨「本格的に疑い始めたのは、冷凍室に入ることを提案した辺りからだ」
阿武隈「どういうこと?」
時雨「僕が冷凍室に入ると言って阿武隈さんたちが了承したあとも、明らかにあの2人は入るのを渋っていた」
時雨「決定的だったのは、囮役を選ぶ時だ」
吹雪「えっ?」
不知火「あれで不審な行動でも?」
時雨「あの時、僕は敢えてすぐに名乗り出ず、みんなにも名乗り出れる僅かな時間を与えた」
時雨「そのときに初霜は名乗り出ようとしないばかりか、一切異論も唱えなかった。それがとても気になったんだ」
不知火「名乗り出ないことが?」
阿武隈「……たしかに、変だわ」
吹雪「?」
阿武隈「初霜ちゃんは、何よりも仲間が傷付いたり危険な目に遭うことを嫌がるわ。その為なら、自分すら犠牲にしようとするくらいに……」
時雨「うん。本物の初霜ならあの場で真っ先に名乗り出るか、そもそも囮役というリスクある作戦そのものに異論を唱えてたはずだ」
吹雪「たしかに……初霜ちゃんなら」
不知火「そうしていたでしょうね……」
時雨「そうして一層不信感を抱いたところで思い出したんだ。読んだ資料の中に、高い精度で変化出来る怪物がいるって書かれていたことを」
時雨「もしかしたら……と思った瞬間、全てが結びついた。この2人は怪物が変化した偽物なんじゃないか。って」
吹雪「夕立ちゃんは、どうして偽物だって分かったの?」
時雨「夕立に関しては、初霜ほど大きな根拠があった訳じゃないけど、初霜と行動していたのなら夕立もまた偽物である可能性が高い」
時雨「強いて言えば、僕の不意打ちをまともに受けた辺りかな。あれくらいの不意打ち、本物の夕立なら簡単に捌いてるよ」
時雨「だから、それを確かめる為に2人に不意打ちを試みたんだ。不知火にも協力してもらってね」
阿武隈「不知火ちゃんも知ってたの?」
不知火「いえ。不知火はあの怪物を冷凍庫に閉じ込める作戦を聞いた際に時雨さんから、『合図で初霜と夕立を冷凍庫に突き入れろ』と指示を受けただけです」
時雨「阿武隈さんも吹雪も優しいからね。本物だと思ってる2人をいきなり蹴飛ばせ、なんて話をいきなり受け入れてくれるとは思えなかったから」
時雨「さて、そんな話をしているうちに……すっかり変化も解けたみたいだね」
怪物2「――ッ」ピシッ…パキ
怪物3「――アァ、ッ」パキ…パキッ
吹雪「凍り始めてるけど、この2体は……なんか」
阿武隈「どんどん人の姿に戻ってる……? この姿ってまるで……」
不知火「艦娘、ですね……」
怪物2「――」パキッ…
怪物3「――」ピシッ…バキッ
時雨「……そろそろここを閉めよう」
時雨「怪物の呪いから解かれて……せめて安らかに」ギィィ
ガチャン!
切りのいい場面にならないけど限界なのでここまでにします
不知火「これでひとまずは安心ですね」
時雨「いや、そうも言ってられない。早く本物の初霜と夕立を探さないと」
阿武隈「! 2人は生きてるの!?」
時雨「まだわからないけど……あの怪物たちが2人を吸収してないなら、まだどこかで生きてる希望はある」
吹雪「2人はいったいどこに……?」
時雨「……心当たりはある。急いでそこに向かおう」
-独房区画-
時雨「ここだ」
阿武隈「さっきの独房……? まさか、ここに初霜ちゃんたちが?」
時雨「あの偽物たちがいたのはこの場所だった。それにあのとき、偽物たちが言ってたよね? 怪物を独房の中に閉じ込めた。って」
不知火「まさか……」
時雨「そう。あいつらによってこの中に閉じ込められたのが本物の2人だ」
吹雪「この独房の中に!?」
阿武隈「っ! 急いで探そう!」
時雨「さっき僕たちがここにきたとき、暴れてるような物音がした独房があった。そこを調べれば……」
時雨「確か音がしたのは……この独房だったはず」
不知火「『独房3』と書かれていますね。鉄格子付きの小窓がありますが……中は暗くてよく見えませんね」
時雨「くっ、鍵が掛かってる……」ガチャガチャ
吹雪「ど、どうしよう……独房の鍵なんて持ってないのに!」
時雨「仕方ない……強引だけど、なりふり構ってられないね。不知火!」
不知火「はっ。皆さん下がって」
不知火「……ッ!」ガンッ メキッ
不知火「よし、鍵の部分が壊れたようです。もう1発……ッ!」ガンッ! バキンッ
阿武隈「開いた!」ギィィ
時雨「……! 夕立っ!」
夕立「」
吹雪「夕立ちゃんがいたの!?」
不知火「お待ちを。独房は狭くて何人も入れません。我々はここに」
阿武隈「時雨ちゃん! 夕立ちゃんの様子は? 大丈夫なの!?」
時雨「……息はある。とりあえず、外に出すよ」ズリュッ
阿武隈「!?」
吹雪「っ! 夕立ちゃん!?」
不知火「夕立の身体が……粘液で覆われて……」
時雨「おそらく、あの怪物の一部と同じ液体だ。頭はむき出しのまま、口と身体だけ……もしかしたら」
吹雪「それじゃあ……夕立ちゃんは……」
時雨「いや、これは身体を拘束してるだけかもしれない。まだ……間に合うかも」
時雨「みんな、急いで他の独房を探して! 初霜もどこかに閉じ込められてるはずだ!」
阿武隈「『独房5』……ここにはいないわ!」
不知火「『独房6』も空っぽです」
時雨「『独房2』は空。『独房1』は既に開けられてる? ということは……」
吹雪「えぇいっ! ……よし、開いた」ガンッ! ギィィ
吹雪「……いました! 初霜ちゃんです!」
初霜「」
吹雪「意識がある! しっかりして、いま出してあげるから!」ググッ
時雨「初霜!」
阿武隈「初霜ちゃん!」
吹雪「初霜ちゃんも身体中を粘液で包まれてる……。手で取り除こうとしても……全然取れないっ!」
時雨「2人を冷凍庫に連れていこう」
阿武隈「そうか! 冷凍庫で粘液を凍らせれば……!」
不知火「初霜さんは不知火がおぶって行きます」
吹雪「夕立ちゃんは私が連れていきます!」
阿武隈「よし、急ぎましょう!」
-冷凍室-
時雨「よし……すぐ冷凍庫のロックを解除するよ」ピッピッ
阿武隈「あの怪物たちは大丈夫かしら……?」
時雨「心配はいらないはずだよ……」ガチン!
時雨「よし。阿武隈さん、冷凍庫の扉を」
阿武隈「任せて」ガチャッ
ビュゥゥゥッ!
阿武隈「あの怪物たちは……」
怪物「」
怪物2「」
怪物3「」
阿武隈「完全に凍り付いてるわ。これなら大丈夫そう」
時雨「吹雪、不知火! 2人を冷凍庫の中に!」
吹雪「夕立ちゃん、少し寒いけど我慢して……」
夕立「」
不知火「失礼します。初霜さん」
初霜「」
時雨「これで……あとは冷気で粘液が凍り始めるのを待つだけだ」
阿武隈「初霜ちゃんは意識があるみたいだけど……夕立ちゃんは動かないわ」
時雨「息はしていたけど……。あんな状態にされても尚、独房内で暴れてたようだし、既に体力も限界にきてるんだと思う」
阿武隈「2人とも燃料の残りもかなり危険だわ……早く地上に戻って補給しないと」
吹雪「見て! 2人を包む粘液が……!」
時雨「凍り始めた……! よし、これなら取り除けるはずだ」
不知火「……! ええ、凍った部分を砕くことで剥がせますね」バキッ
阿武隈「手分けして2人から粘液を取り除こう! あたしは不知火ちゃんを。時雨ちゃんは吹雪ちゃんを手伝ってあげて」
時雨「わかった。吹雪、僕は身体の方を剥がす。君は口を塞いでる粘液を……」
吹雪「うん! 待ってて夕立ちゃん。すぐ助けるから!」バキッ
時雨「これで身体に付いた粘液は大方取り除けたね」
夕立「ぽ……ぃ」
吹雪「夕立ちゃん!」
時雨「夕立、僕がわかるかい?」
夕立「しぐ……れ。それに……吹雪……ちゃん、も……」
時雨「!」
吹雪「気が付いた! 阿武隈さん、夕立ちゃんが!」
阿武隈「こっちも初霜ちゃんが喋れるようになったわ。平気? 初霜ちゃん」
初霜「はい……申し訳、ありません……」
不知火「だいぶ衰弱していますが、すぐに命に影響は無さそうです。ですが早急に燃料を補給する必要があるかと」
阿武隈「急いで地上に戻ろう!」
時雨「うん。まずは2人の事が最優先だ」
不知火「2人は自力で動くことは難しそうです。補給地点までは我々が背負っていきましょう」
吹雪「夕立ちゃんは私に任せてください!」
阿武隈「初霜ちゃんはあたしが。時雨ちゃんと不知火ちゃんは扉の開け閉めをお願いできる?」
不知火「了解しました」
時雨「わかった。任せてよ」
阿武隈「初霜ちゃん、しっかり掴まっててね。もう少しの辛抱だから」
初霜「はい……本当に、すみません……阿武隈、さん」
阿武隈「謝らないで。絶対に助けるから……少しだけ頑張って」
初霜「はい……」
吹雪「夕立ちゃんも、もう少しだからね!」
夕立「ぽぃ……」
時雨「冷凍庫を閉めるよ。不知火、先に行って進路の確保を。僕もすぐに追いつくから」
不知火「了解。では不知火に続いてください」
吹雪「お願い、不知火ちゃん」
阿武隈「急ごう!」
時雨「……」
怪物「」
怪物2「」
怪物3「」
時雨「完全に凍り付いてる……あの資料の情報が正しければ、おそらくこれで……」
時雨「初霜たちに化けていた2体は……2人とは別の艦娘の姿になってる」
時雨「こっちのは……凍り付いた姿は変わらず異形のまま。でも、これは……」
時雨「……まあいいか。念の為に冷凍庫の機能はそのままにしておこう。あとはこの扉を閉めれば」ギィィ
時雨「……」
ガチャンッ!
-シャワールーム 隠し扉前-
阿武隈「時雨ちゃん!」
時雨「遅れてごめん。不知火たちは?」
阿武隈「入渠ドックの入り口を開けに行ったわ。時雨ちゃんも早く!」
時雨「うん。この扉は……このままでいいか」
阿武隈「初霜ちゃん……あとちょっとだから、頑張って」
初霜「……」コクッ
時雨「まずいね……急ごう!」
-第3倉庫-
吹雪「ようやく、着いた……」ハァ…ハァ…
不知火「夕立の様子は?」
吹雪「夕立ちゃん……夕立ちゃん……?」
不知火「反応が薄い……吹雪さん、夕立を倉庫の中に!」
吹雪「うん! 夕立ちゃんすぐに補給してあげるから……!」タッタッタッ
阿武隈「倉庫に着いたわ!」
時雨「不知火、吹雪と夕立は?」
不知火「中で補給を。初霜さんも早く」
阿武隈「着いたわよ初霜ちゃん!」
初霜「ぅ……」
時雨「阿武隈さん、すぐに初霜の補給を」
阿武隈「うん。ここはお願いね、2人とも」
不知火「2人は大丈夫でしょうか?」
時雨「衰弱してるのは燃料切れの影響だと思うけど……あの怪物に襲われてた以上、油断は出来ないね」
不知火「しかし、2人が無事で何よりでした」
時雨「そうだね……。でも、どうして2人は無事だったんだろう?」
不知火「え?」
時雨「2人の状況からみて、怪物は2人を襲ったあと殺さずに独房に閉じ込めた……。あの怪物たちの目的は、僕たちを殺すことじゃなかったのか……?」
不知火「不知火たちも本庁舎で襲われかけましたが、あの様子は明らかに殺意を感じました……」
時雨「うん、僕も同感だよ。だからこそ不思議なんだ」
時雨「初霜たちを襲った怪物は、どうして2人を生かしたんだろう……?」
阿武隈「補給が終わったわ」
不知火「2人の様子は?」
阿武隈「何とか完全に燃料がなくなる前に間に合ったわ。あとは少し休めば、動けるくらいには回復するはずだよ」
時雨「……よかった」ホッ
不知火「ともあれ。これで6人全員が合流出来ましたね」
阿武隈「うん。初霜ちゃんたちも無事に見つけられたし、あの怪物も倒せた。ようやく一息入れられるよ……」
時雨「……」
不知火「まだ何か気がかりがあるので?」
時雨「あ、いや……。少なくともあの怪物たちに関しては、ひとまず心配はいらないと思う」
時雨「でも怪物が他にもいる可能性はあるから、油断は禁物だ」
不知火「あんなのが他にも……」ゾクッ
阿武隈「そうだね……。最後まで慢心しないで、みんなで無事に鎮守府に帰ろう」
阿武隈「残る問題は、ここから脱出することね」
時雨「それに関しては問題ないよ。僕と不知火で本庁舎にあった海域図を確認して、この島から僕たちが通ってきた航路までのルートの特定は出来てるんだ」
阿武隈「それじゃあ……もしかして」
時雨「うん。初霜たちも見つけられたし燃料も心配ない。あとは海に出れば、ようやく帰れるよ」
時雨「僕たちの……鎮守府に」
阿武隈「……」
不知火「帰れるんですね……不知火たちの、鎮守府に」
時雨「うん。あとは初霜たちが航行できるくらいまで回復すれば、この島からの脱出は問題なく行えるはずだ」
阿武隈「あと少し……ここまで来たんだから、絶対にみんなで生きて帰りましょう」
時雨「うん……」
不知火「……? 浮かない顔ですね」
時雨「この鎮守府のことさ……」
時雨「あの怪物たちは倒したけど、まだこの鎮守府の謎はわからないままだ」
不知火「たしかに、ここで行われていた実験や研究とやらに関する資料は発見しましたが……」
時雨「断片的な情報ばかりで核心に至るまでには及ばない。まだまだ真相は闇の中だ」
時雨「ここには、まだ何か見落としている事があるような気がする……」
不知火「見落とし……」
阿武隈「時雨ちゃんの言う通り、この鎮守府の謎も気になるけど……」
阿武隈「でも今は、みんなで生きて変えることだけを考えたほうがいいと思う。初霜ちゃんたちだって……あの怪物に襲われたんだから、いつ何が起こるか分からないわ」
不知火「そうですね。2人は帰還後すぐに明石さんに診て頂く必要がありそうです」
阿武隈「それに鎮守府に戻ることが出来れば、改めてここを調べることも出来るわ。万全の状態でね」
時雨(阿武隈さんの言う通り……初霜と夕立の事も心配だ)
時雨(今ここで調べることに固執しなくても、後日改めて……それこそ、提督にここの事を伝えて本格的な調査をお願いすることも出来る)
時雨(…………)
時雨「そうだね……ここで危険を冒すことはない。今は帰還することだけを考えよう」
吹雪「みんな! 夕立ちゃんたちが回復したよ!」
時雨「!」
不知火「!」
阿武隈「夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」
初霜「皆さん。ご心配をおかけしました……」
夕立「お腹いっぱいになって、元気になったっぽい!」
時雨「夕立……身体は大丈夫かい?」
夕立「まだ本調子じゃないけど、大丈夫っぽい……じゃなくて、大丈夫!」
時雨「そう……本当に無事でよかった」
不知火「初霜さんも、お身体の具合は大丈夫ですか?」
初霜「ええ。強引に拘束されていたので、まだちょっと身体が痛いですけど……問題はありません」
時雨「少し聞いてもいいかな?」
初霜「何でしょうか? 時雨さん」
時雨「2人は通信で阿武隈さんたちと連絡を取って、あの階段の上で待機してたと聞いてるけど……何があったの?」
初霜「正直、よくわからないんです。阿武隈さんとの通信が途切れたあと、階段の下から足音が聞こえてきて……」
阿武隈「足音?」
初霜「はい。最初は時雨さんか不知火さんかと思ったのですが……」
夕立「足音も気配も、時雨のものじゃないってすぐわかったっぽい!」
初霜「と、夕立さんが警戒し始めて……私もすぐに危険を察したのですが、残りの燃料も乏しく、しかも行き止まりの状況では成す術もなく……」
不知火「それで怪物に襲われた?」
初霜「はい。足音がすぐ近くまで迫ったと思ったら、暗闇の中からいきなり手が伸びてきて、首を絞められ……」
初霜「次に気が付いた時には、口と身体を不気味な粘液で拘束された状態で、あの独房の中に押し込まれていました」
夕立「夕立も同じっぽい」
吹雪「そんなことが……」
不知火「その時に2人を襲ったのが、後に2人に化けてきたあの怪物たち。ということでしょうか?」
時雨「たぶんそうだ。2人を襲ったときに何らかの情報を読み取って、2人に変化したんだ」
夕立「化ける……変化?」
初霜「あの、どういうことでしょうか?」
阿武隈「話せば長くなるんだけど……」
初霜「怪物……それにここは、そんな酷い研究や実験が行われていた場所だったなんて……」
夕立「ぽいぃ!?」
初霜「それに……そんな怪物が私たちに化けて、皆さんの中に紛れ込もうとした……」
阿武隈「姿も言動も2人とそっくりで……あたしもあれが偽物だなんて見抜けなかったんだ。時雨ちゃんが気付いてなかったら今頃は……」
吹雪「もし偽物って気付かずにあの怪物たちと一緒に行動していたら……うぅっ、寒気がする」ブルブル
時雨「僕も地下施設で怪物に関する資料を読んでなければ、あれが偽物だったと見抜けなかったと思うよ」
初霜「私が不覚を取ったせいで危うく皆さんまで……本当に申し訳ありません」
吹雪「そんな、謝る必要なんてないよ! 初霜ちゃん!」
不知火「あの状況では誰であっても同じ結果になっていたでしょう。初霜さんの責任ではありません」
時雨「そんな状況になるまで2人を見つけられなかった僕たちにだって責任はある。それに、君が居てくれたから夕立は今ここにいる。お礼を言いたいくらいだよ」
阿武隈「そうだよ。だからそんなに気に病むことはないんだよ、初霜ちゃん」
初霜「はい……ありがとうございます、皆さん……」
【本物の初霜・夕立の救出に成功しました】
【阿武隈・吹雪・時雨・不知火・初霜・夕立の6人全員が合流しました】
【6人の情報が共有されました】
阿武隈「さぁて……。2人も回復したことだし、あとはここから脱出するだけね」
時雨「初霜も夕立も、航行に出ることは大丈夫そう?」
初霜「はい。弾薬こそありませんけど、燃料は十分に補給できましたし、艤装にも問題ありません」
夕立「いつでも行けるっぽい!」
不知火「それでは……阿武隈さん」
阿武隈「うん。準備は整ったわ。すぐにこの島から脱出するよ! みんな!」
-埠頭-
阿武隈「少し波はあるけど……海に出るならここが一番確実ね」
阿武隈「みんな、艤装を展開して!」
吹雪「……よし。無事に展開できました! 航行機能にも問題ありません」
不知火「こちらも展開に問題なしです」
夕立「気のせいか身体が少し軽いっぽ~い」
初霜「弾薬が0ですからね……。航行だけなら問題ないけど、道中で敵と遭遇してしまったらまずいわ」
時雨「可能な限り会敵と戦闘は避けるよう、索敵を厳重にしていこう」
吹雪「不知火ちゃん、電探は使えそう?」
不知火「……いえ。駄目そうですね。起動すら出来ない状態です」
時雨「電探なしで行くしかないね。夜が明ける前になんとか制海権内まで到達できれば……」
阿武隈「そうね。出来るだけ速度を上げて行きましょう」
阿武隈「陣形は複縦陣。あたしと時雨ちゃんを先頭に、初霜ちゃんと夕立ちゃんには万一に備えて他の2人が隣に付いてあげて」
吹雪「じゃあ、夕立ちゃんには私が付きます」
夕立「吹雪ちゃんと一緒なら心強いっぽい!」
不知火「初霜さんには不知火が」
初霜「はい。よろしくお願いします、不知火さん」
不知火「阿武隈さん、陣の後列には不知火たちが付きます」
阿武隈「わかったわ。時雨ちゃん、航行中の航路指示をお願いできる?」
時雨「うん。任せて」
阿武隈「よし……それじゃあ、出発するよ!」
-海上-
阿武隈「もうあの島からだいぶ離れたところまで来たわね……。進路はこのままでいい?」
時雨「しばらくはこのまま。元の航路までの到達予想時間は、およそ40分ってところかな」
阿武隈「あと少し……ここを越えれば皆のところに帰れるのね……!」
時雨「うん。必ず生きて帰ろう。みんなで……絶対に」
ザザッ ガガガッ
阿武隈「っ!? なに? 急に無線にノイズが……?」
不知火「!」
初霜「どうしました、不知火さん?」
不知火「電探が、突然起動を……」ザザザッ
初霜「えっ?」
不知火「しかし、ひどい乱れで……これはいったい?」ガガッ ピーッ
吹雪「……えっ」
吹雪「夕立ちゃん、いま私に何か言った?」
夕立「ぽい? 夕立何も言ってないっぽい」
吹雪「そう……じゃあ、聞き間違えかな……?」
阿武隈「ノイズが治まってきたわ……。いったい何だったのかしら?」
不知火「阿武隈さん! 電探が回復しました!」
阿武隈「えっ?」
時雨「壊れていたんじゃなかったの?」
不知火「それが……つい今しがた急に回復しまして」
阿武隈「それで電探は使えそうなの?」
不知火「まだ少し不安定ですが、だいたいの機能は回復を――」
不知火「! 電探に感あり! これは……飛行体です!」
時雨「っ!」
阿武隈「まさか敵機!?」
吹雪「左20度! 機影です!」
ブゥウゥゥゥゥゥンッ...
時雨「……夜間偵察機か」
不知火「我々の位置を知られる前に、撃ち落としますか?」
阿武隈「待って! あれってまさか……」
ブゥウゥゥゥゥゥンッ...!
初霜「あれは……味方の夜間偵察機です!」
吹雪「夜間偵察型の水上機……ってことは、まさか……」
阿武隈「……っ! 来るのが遅いのよ。あの夜戦馬鹿!」
時雨「夜偵が戻っていく方向にうっすらと艦影が。間違いない……味方の艦隊だ!」
吹雪「やった……私たち助かったんだ!」
夕立「ぽ~いっ!」
――
――――
―――――――
~事件から2日後~
-柱島鎮守府 執務室-
コンコン
時雨「提督、入るよ」
提督「ご苦労様。疲れてるなか呼び出したりしてすまない」
時雨「ううん、いいさ。僕も提督と話したかったから」
提督「さて……まずは時雨。他のみんなと共によく無事に帰ってきてくれた。本当に……よかった」
時雨「あれくらい、扶桑たちと行ったスリガオ海峡の時に比べたら……って言うのは冗談。結構危ないところだったよ」
提督「阿武隈からも話を聞いたが、今回の一件は時雨がいたからこそ皆で生還出来たんだ。皆を救ってくれたこと、改めて礼を言いたい……ありがとう」
時雨「僕の力なんて些細な物だよ……皆が居てくれたから、僕もこうして提督の元に帰ってこれたんだ」
提督「時雨ならそう言うと思ったよ」ハハハ
時雨「初霜たちの様子はどう?」
提督「ああ。初霜と夕立は帰還後すぐに明石の元で精密検査を受けたが、異常は見られないそうだ」
提督「一応大事を取ってあと1週間は入院予定……だったが、夕立が早くも退屈でブーブー言いだしたのであと2~3日に短縮だそうだ」
時雨「そう……よかった」
提督「とにかく、あんな事に巻き込まれたんだ。皆にはしばらく休養期間を与えるから、その間はゆっくり休んでくれ」
時雨「それで提督、僕をここに呼んだのは……あの鎮守府のことだよね?」
提督「ああ……。そのことだが」
提督「皆から報告を受けたあと、明石に命じて化学防護機能を持たせた艦隊を編成した。時雨の報告通りなら未知の化学兵器による影響も危惧されるからな」
提督「そして編成した化防艦隊を当該海域に派遣。つい先ほどその報告が入ってきた」
時雨「! 何か見つかったの?」
提督「……」
時雨「……提督?」
提督「単刀直入に言おう」
提督「当該海域上に、時雨たちの言っていた鎮守府は見つからなかった」
時雨「えっ?」
時雨「そ、そんな……そんなわけないよ! だって僕たちは――」
提督「すまない、言い方に語弊があった。正確に言うと『鎮守府の跡地があったと思わしき痕跡は発見できた』とのことだ」
時雨「……ごめん。意味がよくわからないよ」
提督「まあ、そうだろう。実際に見てもらったほうが早いか……」
提督「これは先ほど艦隊から送られてきたデータを現像した写真だ。偵察機が捉えた上空写真だが……」
時雨「……これって」
提督「確かに時雨の言った通り、海域図にも載っていない謎の島の存在は確認できた」
提督「しかし、その島にあったのは鎮守府の跡地とでもいうべき僅かな痕跡のみで、建物などは一切確認できない」
時雨「そんな……」
時雨(提督の言う通り……写真には、辛うじて港湾が存在していたって分かるくらいの痕跡しか写っていない)
時雨(僕たちが彷徨っていた、あの本庁舎も、寮もドックも……全て消えている!?)
時雨「そんな……馬鹿な……」
提督「偵察写真だけでなく、実際に艦隊も同島に上陸し跡地周辺の探索を行ったが、建物や資材の残骸……時雨が言っていた地下施設も、確認することは出来なかった」
時雨「どこか他の島と間違えてるってことは?」
提督「無論、その可能性を真っ先に疑い周辺海域も含めて捜索を続行させてはいるが、この島以外にそれらしい島は未だ発見されていない」
提督「君たちの情報が誤りでない限りは、この島以外には考えられないだろう……」
時雨「……」
提督「君たちが嘘を言ってるとは到底思えない。その施設で起きたという出来事もそこで見た物も、全て事実だろう」
提督「しかし、その施設は忽然と消えてしまった」
提督「我々が見つけた島と時雨たちが流れ着いた島が異なるのか、それとも本当に消えてしまったとでもいうのか……それはわからない」
提督「だが現状では、これ以上の捜索は難しいと言わざるを得ない……」
時雨「……」
時雨「それじゃあ……僕たちが見た物は……あの鎮守府はいったい、何だったんだ……」
提督「それはわからない。だが、私としては――」
時雨「?」
提督「私としては皆が生きて帰ってきてくれた。それだけで十分だし、それ以上の喜びはない。それが正直な気持ちだ」
時雨「提督……」
提督「とりあえず、今はゆっくり休むといい。この件については、また後で全員から詳しい話を聞くことになるだろうからな」
時雨「……わかった。お言葉に甘えさせてもらうよ」
提督「そうだ、一度扶桑たちのところにも行ってあげてくれ。あの2人が一番時雨の事を心配していたのに、帰還してからはゴタゴタで顔を合わす暇もなかったからな」
提督「さっきもここにきて、早く時雨に会わせろって恨み節を言われたよ……主に山城から」
時雨「ふふっ……そうだね。せっかく休みも貰えたことだし、扶桑たちとゆっくり過ごすのも悪くないかな」
提督「そうしてやってくれ」
時雨「うん……。じゃあ、僕はそろそろ失礼するよ」
提督「ああ、呼び出して悪かった」
時雨「ううん。それじゃあ」ガチャッ…バタン
提督「……」
大淀「失礼します。提督」
提督「……大淀。どうだ、艦隊からの続報は?」
大淀「化防艦隊は探査の結果、当該海域上に化学的汚染の痕跡は見られず。島周辺と島内の詳しい探索を行いましたが……」
提督「何も見つからず、か」
大淀「はい。残念ながら……」
提督「そうか……」
大淀「提督。時雨ちゃんたちが見つけた施設というのは、やはり……」
提督「ああ……。時雨の証言を聞く限りでは、間違いない」
大淀「それでは……まさか、本当に……」
提督「だが時すでに遅し。何が起こったのかはわからないが……おそらく本当に消えてしまったのだろう」
大淀「そんな……」
提督「せめて時雨たちが何らかの証拠でも掴んでくれていたら、状況は変わっていたかもしれないが……」
提督「最後の証人と証拠が纏めて失われてしまった以上、全ては闇の中。結局は彼らの願い通りになってしまった訳だ」
提督「悔しいが……我々の負けだな」
大淀「……」
提督「唯一の救いは吹雪たち全員が無事だったこと。それだけでも十分、と思うしかないだろうな」
-病院棟-
夕立「うぅ~、やっぱり入院なんて退屈っぽーい!」ジタバタ
初霜「夕立さん。そんなに暴れちゃだめですよ」
夕立「んむぅ……でもやっぱり退屈っぽい」
吹雪「夕立ちゃん、初霜ちゃん。頼まれてた雑誌と本、持ってきたよ」ガララ
夕立「わぁ~! ありがとう吹雪ちゃん!」
初霜「すみません。使い走らせるような真似をさせてしまって……」
吹雪「ううん、気にしないで。はい、初霜ちゃんはこの本だったよね?」
初霜「ありがとうございます。吹雪さん」
吹雪「ふぅ……。鎮守府中のみんなが心配してくれてたから、どこに行っても大忙しだよ。特にあの鎮守府に関する質問攻めが……」
初潮「もう噂になってるんですね」
吹雪「うん。青葉さんなんて目をキラキラさせちゃって……。はい、夕立ちゃん。この雑誌でよかったよね?」
夕立「ぽいっ! ありがとー吹雪ちゃん!」ピョンピョン
初霜「夕立さん、そんなにはしゃいだら……」
ガチャン!
初霜「きゃっ!」
夕立「うわわっ! 花瓶を倒しちゃったっぽい! 大丈夫、初霜ちゃん?」
初霜「うん。私は大丈夫だけど……あまりはしゃいだら駄目ですよ、夕立さん」
夕立「ぽぃ……ごめんなさい」
吹雪「……えっ?」
初霜「……? どうかしました?」
吹雪「あっ、ううん。何でもない!」
吹雪「すぐ拭く物を持ってくるね」
夕立「ごめんね! 吹雪ちゃん」
吹雪(あのとき……島から脱出したときに聞こえた、あの声)
吹雪(聞き間違い……だったのかな? それとも……何か意味が……?)
吹雪(でも……だったら、あの声はいったい……)
―― って ごめんなさい を てあげて……―――
【ノーマルエンド】
ノーマルエンドまで到達したので一部に分岐の選択肢を追加し、最後のルートに入ります。
最後のルートでは、地上地下含め今までに探索した全ての進入可能箇所を6人で再探索するチャンスがあります。
今までに比べて危険は大幅に減少していますが、いつまでも行動できる訳ではありません。
攻略に関する最後のヒントはいりますか?
>>752
いらない
>>701から再スタート
阿武隈「……」
不知火「帰れるんですね……不知火たちの、鎮守府に」
時雨「うん。あとは初霜たちが航行できるくらいまで回復すれば、この島からの脱出は問題なく行えるはずだ」
阿武隈「あと少し……ここまで来たんだから、絶対にみんなで生きて帰りましょう」
時雨「うん……」
不知火「……? 浮かない顔ですね」
時雨「この鎮守府のことさ……」
時雨「あの怪物たちは倒したけど、まだこの鎮守府の謎はわからないままだ」
不知火「たしかに、ここで行われていた実験や研究とやらに関する資料は発見しましたが……」
時雨「断片的な情報ばかりで核心に至るまでには及ばない。まだまだ真相は闇の中だ」
時雨「ここには、まだ何か見落としている事があるような気がする……」
不知火「見落とし……」
阿武隈「時雨ちゃんの言う通り、この鎮守府の謎も気になるけど……」
阿武隈「でも今は、みんなで生きて変えることだけを考えたほうがいいと思う。初霜ちゃんたちだって……あの怪物に襲われたんだから、いつ何が起こるか分からないわ」
不知火「そうですね。2人は帰還後すぐに明石さんに診て頂く必要がありそうです」
阿武隈「それに鎮守府に戻ることが出来れば、改めてここを調べることも出来るわ。万全の状態でね」
時雨(阿武隈さんの言う通り……初霜と夕立の事も心配だ)
時雨(今ここで調べることに固執しなくても、後日改めて……それこそ、提督にここの事を伝えて本格的な調査をお願いすることも出来る)
時雨(…………)
行動安価>>755
1 もう1度この鎮守府を調べてみる
2 帰還を優先する
1
基本的にノーヒントでいきたいと思いますが、進行を考えて1つだけ
最後の鍵の入手は非常に分かり辛い仕掛けになっています。ご注意ください
【extraルート】
時雨「……やっぱり、もう少し調べたい」
不知火「えっ」
時雨「阿武隈さん。お願いがあるんだ」
阿武隈「なに? 時雨ちゃん」
時雨「もう少しだけ……この鎮守府を調べさせてくれないかな?」
阿武隈「!」
時雨「我儘を言ってるのはわかってる。だけど、どうしても気になるんだ」
時雨「この鎮守府には、まだ何か大きな秘密が隠されてる。あの研究っていうのが行き着く先……。そこにある物の正体を突き止めたい」
時雨「これは完全に僕の我儘だ。僕の勝手な好奇心を満たしたいが為であって、今の状況に相応しくない提案だっていうのは重々承知の上だよ」
時雨「それでも、もし僕の我儘を聞いてくれるのなら……もう少しだけここを調べてみたい」
阿武隈「……」
時雨「お願い……阿武隈さん」
阿武隈「……とりあえず、初霜ちゃんたちが回復してから。その様子を見て判断することにしよう」
時雨「……わかった。2人のことの方が何よりも優先すべきことだからね」
吹雪「みんな! 夕立ちゃんたちが回復したよ!」
~~~~~~~~~~~~
阿武隈「2人も無事に回復したみたいだし……そろそろ決めようか」
吹雪「決めるというと?」
阿武隈「全員揃って燃料の補給も万全。今ならこのまま海に出て鎮守府への帰還を目指すことも十分に出来るけど」
時雨「でも、僕はもう少しだけこの鎮守府を調べてみたいんだ」
吹雪「ええっ!?」
初霜「何か理由があるのですか?」
時雨「いや、僕の我儘だよ。堅実な選択をするなら脱出を優先した方が良いと思う」
夕立「じゃあ、なんで?」
時雨「正直な気持ちを言えば好奇心……。尤もらしい理由をつければ、手ぶらで帰るより何か証拠になる物を手に入れて帰りたい。ってとこかな」
不知火「証拠?」
時雨「こんな話、手ぶらで帰っても信憑性に欠けるからね。帰還してから提督に調査をお願いするにしても、物証があった方が信じてもらえるだろう?」
時雨「まあ、提督なら僕たちの話だけでも動いてくれるだろうから……無理矢理な理屈だけどね」
初霜「……」
時雨「皆に迷惑をかけてるのは分かってる。その上で僕の我儘に付き合ってくれるなら……もう少しだけここを調べてみたい」
時雨「どう、かな……?」
阿武隈「……」
吹雪「……」
不知火「……」
夕立「……」
初霜「……」
不知火「……僭越ながら。不知火は時雨さんの提案に協力してもいいと思います」
時雨「! 不知火……」
不知火「軍人としては不適切な判断だとは思いますが、不知火個人の気持ちとしては時雨さん同様、なにか手土産の1つでも回収してから戻りたいところです」
吹雪「私は……無理をしない範囲でなら」
夕立「夕立も賛成っぽい!」
阿武隈「あたし的には……旗艦として皆を預かっている以上、必要以上のリスクを負う選択は出来ないわ」
時雨「……うん」
阿武隈「でも時雨ちゃんの言う通り、ここでの出来事が本当だって証明できる物を確保しておくっていうのは、ありだと思う」
時雨「!」
阿武隈「その代わり安全の確保が絶対条件だよ。あたしが危険だと判断したら即座に探索はお終いにして、すぐにここから脱出する。それでいい?」
時雨「うん。ありがとう……!」
初霜「……」
時雨「初霜はどうかな?」
初霜「……わかりました。でも絶対に無茶はしない。それだけは約束してください」
時雨「うん。それはもちろんだよ。約束する」
阿武隈「なら……決まりだね」
阿武隈「それで、この鎮守府の探せそうなところは粗方探し終えてると思うけど。どこを探す?」
時雨「そうだね……地下も含めて、もう1度各所を周ってみようと思う」
初霜「ここで行われていた事を裏付ける証拠になりそうな物を探すんですよね?」
不知火「本庁舎や地下で見つけた資料などを持っていけばいいのでは?」
時雨「いや、あれだと断片的過ぎて駄目だ。もっとはっきり内容が解るような物があれば……」
阿武隈「となると……1から探し直しだね」
夕立「とにかく、気になるところに行ってみるっぽい!」
行動安価>>770
本庁舎を探索
時雨「夕立の言う通り、まずは色々と動いてみよう」
初霜「では、まずはどちらに?」
時雨「本庁舎にもう1度いってみよう」
不知火「あそこにはまだ未探索の部屋もいくつか残ってましたね」
時雨「それもあるけど、他にもちょっと気になる所もあってね……」
夕立「気になるところ?」
吹雪「とりあえずいってみよう。本庁舎なら東側の出入口から回る必要があるから、まずはそこに」
-本庁舎東側-
時雨「着いたね」
夕立「正面からは入れないっぽい?」
吹雪「うん。正面の扉は内側から塞がれちゃってるの。西側は途中でコンテナが崩れて回れないから、出入りはここからしか出来ないの」
初霜「風化してるけど立派な建物ですね」
阿武隈「それで、本庁舎のどこから当たってみる?」
行動安価>>774
わからんので取り敢えず事務室のとなりの名称不明の部屋
不知火「見取り図に名前が表記されていなかった部屋が幾つか存在してましたよね?」
時雨「鍵が掛かってた名前のない部屋だよね」
不知火「はい。まずはそこから探してみては?」
阿武隈「さっきあたしたちと一緒に行った部屋は、確か2階だったよね。そこ以外にもあるの?」
不知火「ええ。1回に4つ、2階に3つ。計7部屋存在しています」
夕立「確かにちょっと気になるかも」
時雨「じゃあ、いってみようか」
不知火「2階の部屋の内2つは行ったことがありますので、今度は1階の部屋を見てみましょう」
>>776訂正
不知火「ええ。1回に4つ、2階に3つ。計7部屋存在しています」 ×
不知火「ええ。1階に4つ、2階に3つ。計7部屋存在しています」 ○
-本庁舎西館1F 名前のない部屋前-
不知火「確か事務室の北側に……ありました。ここです」
吹雪「鍵が掛かってるね」ガチャガチャ
初霜「見たところ、特に変わったところも無さそうな部屋ですけど……」
時雨「どうします? 時雨さん」
時雨「ここに合う鍵は見つかってないし……燃料がある今なら強引に開けることも出来なくはないか……?」
阿武隈「何度も言うけど、あまり荒っぽい事は……」
初霜「そうですよ。万が一怪我でもしたら!」
不知火「ご安心を。これくらいで怪我をするほど間抜けではありませんので」
阿武隈「いや、そういうことじゃなくて……」
時雨「……鍵が見つかる確証もないし、一度部屋の中を確認してみたくもある」
時雨「阿武隈さん。1度だけやらせてもらえないかな?」
阿武隈「うーん……わかったよ。でもくれぐれも怪我はしないようにね」
時雨「うん。じゃあ、不知火」
不知火「はい。お任せ――」
夕立「ぽーいっ!」ドガシャァン
不知火「!?」
夕立「あれ? 案外簡単に開いたっぽい」
吹雪「と、扉が……」
時雨「開いたというより、扉ごと吹き飛んだ。が正解だね」
阿武隈「やりすぎだよ! 夕立ちゃん!」
夕立「で、でも……ちょっとしか力入れてないっぽいのに」
時雨「ともあれ、扉は開いたし。中を見てみよう」
不知火「……」
-名前のない部屋-
吹雪「あれ? 部屋の中はガランとしてるね」
時雨「他の部屋以上に埃が多いし、段ボール箱が積まれてる……。もしかして、空き室だったのかな?」
初霜「黒板のような物に……奥には机も積まれてますね」
阿武隈「本当だ。もう長いこと使われてないみたいだけど」
夕立「けほっ、埃が待ってて咽るっぽい」ゲホゲホ
時雨「主に君のせいだよ、夕立……」
不知火「特に気になる所もなさそうですが、どうしますか?」
時雨「うーん……。他の場所に行ってみようか」
行動安価>>784
あ、踏むならもう一つの名前の無い部屋に
不知火「どうせですから、他の名前のない部屋も調べますか?」
夕立「鍵が掛かってても夕立が開けてあげるっぽい」
阿武隈「悪いけど、今後ああやって扉を破るのは禁止」
夕立「ええ~! どうしてぇ!」ブゥー
阿武隈「いくらなんでもやりすぎだよ! この建物だってどれ程劣化してるかわからないのに、あんな力で扉を破ってたら……」
初霜「よく見ると、ところどころ壁や天井にひびが入ってます……。何かの拍子に崩れてしまうかもしれませんね」
阿武隈「さっきは運が良かったけど、次は崩れるかもしれない。だから今後はああいう方法は禁止だよ」
時雨「確かに迂闊だったね……。わかった。もうああいう真似はしないよ」
夕立「ぽーい……」
吹雪「それで、次はどうする?」
不知火「扉を破らない方針ならば、他の名前のない部屋は探索出来ませんが……」
時雨「思うに、名前が書かれてない部屋はこういう空き室になってるのかもしれないね」
初霜「使われてなかったから、見取り図にも名前が書かれていない。ということでしょうか?」
時雨「おそらくね」
阿武隈「なら、見取り図に書かれてる部屋でまだ探してない部屋にいってみようよ」
時雨「うん。それが良いと思う」
行動安価>>787
蔵書室
初霜「他にはどんな部屋があるんですか?」
不知火「調べていない部屋に限れば、『食堂』とその隣の『調理場』。1階と2階の『会議室』3つ。『蔵書室』『視聴覚室』ですね」
時雨「結構探し回ったつもりだったけど、まだそんなに部屋が残ってるんだね」
阿武隈「うーん……その中で何かありそうな所となると」
初霜「蔵書……本を調べれば、なにか分かるかもしれませんね」
吹雪「蔵書、かぁ」
時雨「いいね。次はそこにいってみよう」
-西館2F 蔵書室前-
吹雪「ここだね。蔵書室」
初霜「どんな本が保管されてるんでしょう?」
時雨「あくまで表の空間……艦娘たちも入れる所だからね。そこまで重大な機密に触れるような本はないだろうけど……」
阿武隈「鍵は掛かってないわ。入りましょう」ギィィ
-蔵書室-
阿武隈「結構本が残ってる。閲覧用のスペースと机なんかもあるわ」
初霜「本の状態も比較的良好そうですね」ペラッ
吹雪「歴史書や図鑑、軍関連の教本、語学本……あれ、小説や漫画まであるよ」
夕立「三国志だぁ! ブラックジャックに火の鳥もあるっぽい!」キャッキャッ
不知火「怪談レストランシリーズ……児童文学系まであるようですね」
時雨「艦娘向けの本も多いみたいだね。とりあえず、手分けして調べよう」
初霜「どの本棚も埃を被ってますし、長い間出し入れされた形跡はなさそうですね」
阿武隈「床も埃だらけで、あたしたち以外に踏み荒らした痕跡はないみたい」
不知火「漫画や文学本を除くと軍用の本が半数以上を占めますが……これといって気になる本もないですね」
吹雪「本の貸し出しとかはしてなかったみたいだね。あくまでここで読むこと限定だったのかな?」
吹雪「夕立ちゃん、そっちは何か……って、夕立ちゃん!」
夕立「ぽいっ!?」ギクッ
吹雪「ブラックジャック読んでないでこっちも手伝ってよぉ!」
夕立「あはは……ごめんごめん」
時雨「これは閲覧用の机か。これも埃を被ってるけど……」
時雨「机の上の小棚にも何冊か本が置かれてる机もある……。何冊も纏めて読んでた人向けの置き場所かな?」
時雨「……? 机の上に1冊だけ本が置きっぱなしになってる……呉軍港の歴史? 変わった本だな」ペラッ
時雨「……特に気になるところもないみたいだけど」ヒラッ
時雨「あれ? 何か紙切れが落ちた……?」
時雨「これは……『メモの切れ端』か」
『●ア×ノ×ンに関する重要証×』
『艦隊で唯一アンノウンの姿を見たという羽×さんの証言によると、』
『・深×棲艦のような容姿。人型で大きさは×逐艦の艦娘並みくらい。』
『・砲などの××はなかったように見えた。』
『・こちらが威嚇×撃を行うまでは襲ってくる気配はなく、深海棲艦にしては好戦的では××った。』
『・行動がどこか不×然。×××ん曰く、機械的で意思がない印象だった×の×と。』
『また個人的に気になった×として、取材の最後×羽×さんが言って×た×とが気××った。』
『アンノ××を見たのは照明弾が炸×した直後ほんの一瞬だけ×××が、その際に××相手の×は1ヶ月前に失踪した××ちゃんと重なったと××のだが 』
時雨「例のアンノウンとかいう噂に関する内容か……」
時雨「走り書きのメモみたいだけど……なんでこんな本の中に挟まってたんだろう?」
時雨「さて……色々探してみたけど、見つかったのはあのメモくらいか」
不知火「時雨さん、そちらはどうでしたか?」
時雨「こんなメモの切れ端くらいしかなかったよ」
不知火「……例のアンノウンとかいう噂のメモですね」
時雨「不知火たちのほうは?」
阿武隈「本棚を中心に調べてみたけど、変な所はなかったよ」
初霜「証拠になりそうな本や資料もありませんね」
時雨「そう……。まあ、ここは表向けの場所だからそこまで期待もしてなかったけど」
吹雪「私と夕立ちゃんも、役立ちそうなものは何も……」
時雨「特に成果といえるものは無しか……。どうするかな」
行動安価>>797
風呂を調べる
不知火「そういえば提督の私室の隣に風呂もありましたね」
夕立「お風呂?」
阿武隈「提督向けのお風呂かしら?」
時雨「うん。入り口は提督の私室にしかなかったけど、扉の鍵穴が塞がってて中には入れなかったんだ」
不知火「もう1度いってみますか?」
時雨「そうだね。ちょうど同じ階だし、いってみようか」
-提督の私室-
時雨「ここだよ」
初霜「……確かに鍵穴が何かで塞がってますね。これでは鍵があっても開けることは難しそうです」
吹雪「どうしよう?」
不知火「……ここは蹴破ってみても」
時雨「……いや、止めたほうがよさそうだ」
不知火「え?」
時雨「扉の上の壁に大きな亀裂が走ってる。さすがにこれは、安全とは言えなさそうだ」
不知火「! こんな亀裂、最初に来たときには無かったはず……」
時雨「たぶん、あの怪物に追われてここに籠城した時だ。あの時入り口を破ろうとした衝撃でこっちの方まで歪んじゃったんだ」
吹雪「じゃあ、お風呂場を調べるのは……」
時雨「手段がない以上、諦めたほうがよさそうだね」
行動安価>>801
視聴覚室
初霜「他の部屋だと、視聴覚室とかはどうですか?」
阿武隈「視聴覚室か……」
吹雪「私たちの鎮守府だと、映像資料を見たり……時には司令官が映画とか上映してくれたりする所ですね」
夕立「じゃあ映写機とかがあるっぽい?」
不知火「視聴覚室は東館の2階ですね。ここから近いですし、行ってみますか?」
時雨「うん。いってみようか」
-視聴覚室-
時雨「ここも鍵は掛かってないね」ガチャッ
阿武隈「教壇にスクリーンが下りてるわ……長い間放置されてたからか色が黄ばんじゃってる」
不知火「教壇上の机に置かれているのは映写機ですかね?」
時雨「そうみたいだ……でも中にはなにも入ってないし、映写機自体壊れちゃってるみたいだ」
夕立「じゃあ、使えないっぽい」
初霜「室内には机もいくつかありますけど……何も入ってないですね」
阿武隈「ここも役立ちそうな物はないみたいだよ、時雨ちゃん」
時雨「そうみたいだね……。別の場所に行こうか」
行動安価>>810
近場の第一3会議室
時雨「すぐ近くに未探索の会議室があったはずだ。今度はそこにいってみよう」
吹雪「会議室か……もしかしたら何か資料とかが残ってるかも」
阿武隈「確かこの庁舎内には会議室が3つあるんだよね?」
不知火「ええ。2階に1つ、1階に2つ。どれもこの東館にありますね」
阿武隈「じゃあ、その会議室を見ていこうよ」
初霜「その方が効率的ですね」
時雨「わかった。じゃあまずは最も近い『第3会議室』からいってみよう」
-第3会議室-
時雨「鍵は開いてたけど……なかなか豪華な内装の部屋だね」
初霜「大きな円卓がありますね。照明の器具などもかなり凝った品が使われてます」
阿武隈「室内で調べられそうなのは、あの円卓の中くらいね。皆で調べよう」
吹雪「うわぁ……椅子も豪華だけどさすがに埃だらけだ」
不知火「机の中も埃ばかりで何もありませんね」
夕立「こっちも何も入ってないっぽい」
初霜「……あら? これは何かしら」ゴソゴソ
阿武隈「初霜ちゃん何か見つけたの?」
初霜「はい。机の中に何か……クシャクシャの紙のようですけど」
阿武隈「これって……あの新聞のだわ。『××新聞2013年9月号』……」
時雨「確か、後任の提督に関する内容の記事だったかな」
初霜「ご存じだったのですか?」
阿武隈「うん。あたしたちは寮でこの新聞のバックナンバーを見てるんだ」
初霜「では、これはあまり役に立ちそうにないですね」
不知火「その新聞以外には何も無いようですね」
時雨「だね。それじゃ……今度は1階に下りて他の会議室を調べてみよう」
-東館1F 第1会議室-
夕立「鍵は開いてるっぽい」ガチャッ
時雨「……あれ? 会議室なのに机も椅子も……何も置かれてないね」
阿武隈「本当だわ……ホワイトボードが残されてるくらいで他には何も無いわ」
不知火「かなり埃が多いですね……廃墟になる前から使われてなかったのでしょうか?」
吹雪「んー……」
夕立「吹雪ちゃん何してるっぽい?」
吹雪「ホワイトボードに何か書いてないかなーって思ったんだけど、何も書いてないね」
阿武隈「そういえば、寮で倉庫の鍵を見つけたときはホワイトボードが手掛かりだったもんね」
吹雪「はい。それを思い出して一応確認してみたんですけど……長い間使われてないみたいですね」
初霜「皆さんあちらを。向こうに扉があります」
不知火「これは……構造的に隣の部屋と繋がってるんでしょうか?」
時雨「隣ってことは、第2会議室か。ここは会議室同士で行き来できる造りになってるんだ」
阿武隈「鍵は掛かってない……このまま第2会議室にいけるよ」ガチャッ
-第2会議室-
阿武隈「こっちは会議室って感じね。机や椅子もたくさん残ってるわ」
吹雪「机の中に紙が残ってますね」ゴソゴソ
吹雪「会議の資料かな? 艦隊運用に関する協議みたいな内容だけど……うーん……あまり役には立たなそう」
初霜「こちらにもホワイトボードがあるけど、ここも真っ白で何も書かれてないわ」
不知火「……駄目ですね。何も無いみたいです」
時雨「じゃあ、また別の場所に行く?」
行動安価>>816
踏んだなら来賓室
阿武隈「さっきチラッとエントランスの見取り図見たけど、来賓室ってところは見た?」
時雨「来賓室?」
不知火「その部屋は既に時雨さんと不知火で調べていますね」
時雨「うん。豪華な調度品が残ってたけど、それ以外には何も無かったね」
阿武隈「うーん……そっか。じゃあ別の場所だね」
行動安価>>819
踏み台、或いは「もう一度よく考える」を選択。
時雨(本庁舎でまだ探してない場所は……『食堂』と『調理場』くらいか)
時雨(でも、正直そういう場所――艦娘たちも頻繁に出入りするような所に、この鎮守府で行われていた研究に関する情報があるとは思えない)
時雨(となると……この庁舎内で怪しいところは粗方探し終わったことになるけど……)
時雨(唯一気になるのは、提督の私室にあった金庫。あれには強引にこじ開けようとした痕跡が残ってた)
時雨(誰があの金庫をこじ開けようとしたのか……それは恐らく後任の提督だ。提督の部屋に入れる人物は限られるし、艦娘の仕業って可能性は考えにくい)
時雨(という事は、あの金庫を管理していたのは前任の提督ってことになる)
時雨(後任の提督は前任提督に関して色々と調べていたみたいだし、あの金庫の中にはかなり重要な物が保管されている……?)
時雨(それがもし、僕たちが探している『この鎮守府で行われていたことに関する証拠』になり得る物なら……)
時雨(でも、肝心の金庫を開ける鍵の行方がわからない……。後任の提督もそれを入手できず、止む無くこじ開けようとしたみたいだし)
時雨(地下施設も探してみたけど、そんな鍵は見つからなかった。見落としているとは思えないけど……)
時雨(『金庫の鍵』まずはこれを見つける必要がありそうだ)
行動安価>>822
別のエリアを探索
時雨「……これ以上この本庁舎を探しても得られる物は無さそうだね」
吹雪「じゃあ、どこか別の場所に移動する?」
時雨「そうだね。ここ以外だと……『艦娘の寮』『演習場』『工廠』『入渠ドック』『地下施設』ってところか」
阿武隈「一応全部調べた場所だけど……まだ見逃してる所とかもあるかもしれないわね」
時雨「うん。だからこの辺りをもう1度調べてみてもいいと思う」
時雨「もちろん、今言った場所以外でどこか気になる所とかがあったら言ってほしい」
初霜「気になる場所、ですか……」
行動安価>>825
工廠
初霜「工廠とか……どうでしょう?」
時雨「工廠?」
阿武隈「工廠ならあたしと吹雪ちゃんが見たところだったわね」
吹雪「はい。色々な機械とか工具とかが置かれてて……管理人さんの部屋なんかもありましたね」
夕立「へぇー」
不知火「不知火たちはまだ行ったことはない場所ですね」
時雨「そうだね……どうせなら自分の目で一度見ておきたいかな」
阿武隈「じゃあ、工廠に行くって事で決まりね」
-工廠-
吹雪「着いたよ。ここが工廠」
初霜「この辺りは特に薄暗いから不気味ですね……」
時雨「吹雪の言う通り、機械や工具が散乱してるね。ここにあるのは、旋盤とか工作機械のようだけど……」
不知火「こっちの部屋は?」
阿武隈「そこは管理人の私室だよ。向こうにある扉は保管庫だけど、中の燃料とかは劣化して駄目になってるわ」
夕立「こっちにはドラム缶がたくさん積まれてるっぽーい」
吹雪「そのドラム缶の中に阿武隈さんが閉じ込められてたんですよね……あの時はびっくりしたなぁ」
時雨「閉じ込められてた?」
阿武隈「あの怪物に追われてここに逃げ込んだ時に……ね。吹雪ちゃんが来てくれてなかったらどうなってたか……」
初霜「そんなことがあったんですか」
吹雪「うん……。それで、ここに何か手掛かりになりそうな物とかありそう?」
時雨「うーん……どうだろうね」
時雨(見たところ、ここにある機械は劣化して駄目になってるようだし……役立ちそうな道具はなさそうだ)
時雨(さて……どうしようかな?)
自由安価>>830
保管庫を調べる
時雨「保管庫の中を見てみてもいいかな?」
不知火「劣化した燃料や弾薬が保管されてたという部屋ですよね?」
時雨「うん。それ以外にも何か残ってたりしないかなって思って」
阿武隈「んー、役に立ちそうな物は残ってないと思うけど……」
時雨「まあ、一応確認のためにね」
阿武隈「わかった。じゃあもう1度見てみようか」
吹雪「保管庫……」
-保管庫-
時雨「なるほど。確かに燃料の入ったドラム缶や弾薬類が保管されてるけど……どれも劣化してて使い物にはならないね」
夕立「この中身は補給したくないっぽい~」
不知火「しかし不思議ですね……曲がりなりにも保管庫の中身がこれ程劣化してしまうとは」
阿武隈「うん。あたしもそれは気になったんだよね」
時雨「……」
初霜「でも……本当に燃料と弾薬意外には、役に立ちそうな物もありませんね」
不知火「ええ。時雨さんは何か気になる所とかは?」
時雨「いや……特にないね」
阿武隈「じゃあ、そろそろ出て別のところを見てみようよ」
初霜「そうですね」
吹雪「……あれ?」
初霜「どうかしましたか、吹雪さん?」
吹雪「やっぱり……何か、変な感じが……?」
阿武隈「そういえば、初めてきた時も何か気になってたよね?」
時雨「吹雪、何が気になるんだい?」
吹雪「それが……上手く言えないんだけど……」
吹雪「保管庫から工廠に戻って来る時に、何か変な感じがするって言うか……うーん、何が気になるんだろう……」ウーン
時雨(保管庫を出た時に違和感……?)
時雨「……」
夕立「時雨? また保管庫に戻ってどうするの?」
時雨(保管庫を出る時に違和感……工廠に何かある……? いや、でも僕はそんな感じは……)
時雨(…………あれ?)
阿武隈「時雨ちゃん?」
時雨「……もしかして」
初霜「時雨さん? 保管庫と工廠を行ったり来たりして……いったいどうしたんですか?」
時雨「……そういうことか、吹雪。君が感じた違和感って言うのは」
吹雪「えっ?」
時雨「確かめたいことがある。不知火、僕についてきてくれる?」
不知火「はっ。わかりました」
時雨「他の皆はちょっとここで待ってて」タタタ
阿武隈「えっ、ちょっと……時雨ちゃん!?」
-工廠裏-
時雨「……」
不知火「時雨さん、工廠の裏に来て……いったい何を?」
時雨「……やっぱりそうだ」
不知火「?」
時雨「もう1度工廠の中に戻るよ。これで違和感の正体がわかった」
不知火「ええっ?」
-工廠-
阿武隈「時雨ちゃん! いったいどうしたの?」
時雨「吹雪の言う違和感の正体がわかったよ」
吹雪「えっ?」
初霜「どういうことです?」
時雨「不知火。保管庫の隣にあるドラム缶の山を退かそう。奥の壁が見えるようにしたいんだ」
不知火「了解」
夕立「夕立も手伝うっぽい!」
阿武隈「ドラム缶を退かして、どうするの?」
時雨「これを退かせば、違和感の正体が見えてくるはずなんだ」
初霜「……?
不知火「これでだいたいのドラム缶は退かせましたね」
時雨「うん。奥の壁が見えるようになった……あとは」コンコン
夕立「時雨、壁を叩いてどうするの?」
時雨「……」コンコン…コンッ
時雨「! ここか」
時雨「夕立、この部分を軽く蹴飛ばしてみてくれる?」
夕立「ぽいっ!」ガンッ!
バコンッ!
阿武隈「!!」
初霜「こ、これって……!」
吹雪「壁の一部が外れた!?」
不知火「まさか……」
時雨「隠し部屋だよ」
阿武隈「まさか……ここにも隠し部屋があったなんて」
初霜「どうしてわかったんですか?」
時雨「保管庫を出たときの違和感だよ。保管庫の中はそこそこ奥行きもある部屋になってるけど、横幅はさほど広くはない」
時雨「工廠から保管庫のある壁を見るとわかるけど、横に広い壁のうち保管庫に使われてる部分は1/3程度。残る2/3に不自然な空間があるんだ」
時雨「裏に回って確認したけど、この工廠は全体的に長方形型。今見てる壁も奥に引っ込んだ部分等もないから、この壁――保管庫の横の部分には変な空間が存在するんだ」
時雨「吹雪が感じた違和感はこれだったんだよ」
吹雪「!」
時雨「さらに妙なことに、その壁の部分を覆い隠すようにドラム缶が積まれてたからね。何か隠されてるだろうとは思ったけど……」
不知火「この中には、いったい何が……?」
時雨「……入ってみよう」
-工廠 隠し部屋-
時雨「……えっ」
阿武隈「あれ……?」
不知火「これは……」
初霜「空っぽ……ですね」
夕立「ぽいぃ!?」
吹雪「ど、どういうこと……?」
阿武隈「保管庫よりも広い空間になってるみたいだけど……何も置かれてないよ」
不知火「どうして……わざわざ隠す程の部屋が、空っぽなんて……?」
時雨「……」
吹雪「まだ何か仕掛けがあるのかな? 床に地下へ続く階段があるとか……?」
不知火「……いえ、見たところそのような仕掛けは無さそうですね」
初霜「壁も……おかしなところは見られませんね」
吹雪「じゃあ、いったい……どういうこと?」
阿武隈「ねぇ、これを見て」
吹雪「何かありましたか?」
阿武隈「床の部分……ところどころに染みみたいのが残ってる」
不知火「本当ですね。何の痕でしょう?」
夕立「……」クンクン
夕立「……油の臭い……これって燃料がこぼれた痕かな?」
初霜「燃料……ということは、ここにも燃料が貯蔵されていたのでしょうか?」
阿武隈「でも、それならどうして隠す必要があるんだろう?」
夕立「……他の臭いもするっぽい」クンクン
夕立「油の他に……微かにだけど……血の臭いも混じってる」
吹雪「!!」
阿武隈「血……ってことは、まさか……ここも何かの実験に関係がある場所?」
時雨「地上の施設で人の出入りがある以上、艦娘に知られたくない事をこんな場所で行っていたとは考えにくい……」
時雨「地下での研究に使う資材か何かを保管していた場所……とかかな?」
初霜「でも……この場所にも、証拠になりそうな物はありませんね」
時雨「そうだね……。悪くはないと思ったんだけど」
阿武隈「これ以上探せそうな箇所もないし、そろそろ出ようか」
吹雪「そうですね」
夕立「……あれ?」ガサガサ
時雨「どうしたの、夕立?」
夕立「これ。部屋の隅に落ちてたっぽい」
時雨「ボロボロの紙……? 何か書かれてる」
時雨「何かの『手記の切れ端』かな?」ペラッ
『××営××惑の×が×××てきた。』
『××××い偽の××××げることで××の目××らす予定×××が、大きく×××狂った。』
『×の死を×××せ×為に偽の×××で用意×××失敗××××た。予想以上に××は神経質に×××い××うだ。』
『×のままでは、×××新たな守り×とな×××を×××くるか、それと×××的な×××まで××出して××××しれない。』
『×××完成にはどう××てもあ×数年×××る。××までこ××を隠し××のは×××不可能×。』
『×悪の事態に××て新た×××を考え×おく必×がある。』
『少々強×だがつい最近××した×××を使う手もあ×。だが、その場合は×××××娘たちを××にすることに 』
夕立「なんだろう? ボロボロで殆ど読めないっぽい~」
時雨「……」
-工廠-
阿武隈「さて、次はどうする?」
初霜「まだ工廠の中を探してみるか、それとも他の場所に行ってみるべきでしょうか?」
不知火「誰か、当てなどがある方はおられますか?」
行動安価>>852
艦娘の寮
夕立「じゃあ、艦娘の寮に行ってみよう」
初霜「寮ですか……確かにそこなら、得られる情報は多そうですね。でも既にそこは皆さんが探索済みなのでは?」
阿武隈「探索はしたけど、全ての部屋を見回った訳じゃないよ」
時雨「秘書艦とか艦隊の運用に関わって他と思われる人の部屋はだいたい探してるね」
吹雪「じゃあ、次は寮に行ってみようか」
行動安価>>856
艦娘の寮のどこを調べる?
踏んでたら羽黒の部屋
燃料備蓄倉庫の他の2つの倉庫って何か有るんかな
-艦娘の寮 エントランス-
初霜「ここが艦娘の寮ですか」
夕立「なんだか植物の蔓とかが茂ってて、気持ち悪いっぽーい……」
不知火「それで、この寮のどこを調べます?」
時雨「蔵書室で見たメモには羽黒の名前があった……。彼女の部屋にいってみよう」
不知火「羽黒さんですね。彼女の部屋は…………ん?」
時雨「どうかした?」
不知火「いえ……見取り図には……無いですね。羽黒さんの名前」
時雨「えっ、そんなはずは……」
不知火「重巡だから3階に部屋があるはずですが……やはり羽黒さんの名前はありませんね」
時雨「名前がない……?」
初霜「この鎮守府に羽黒さんはいなかったのでしょうか?」
時雨「いや、そんなはずはない。あのメモには確かに……」
阿武隈「もしかして、そこに書かれている人って……」
時雨「……!」
時雨「そうか……なら、電の部屋は……」
時雨「やっぱり……2人部屋だけど、電の名前しかない」
吹雪「それって……つまり」
時雨「うん……どうやら、羽黒の部屋を探すのは不可能そうだ」
行動安価>>860
>>853を回収したいな
これ安価はどうすればいい感じ?
無難に再安価とします
再安価>>883
やはりヒントが欲しい
進行に支障が出ると判断したので攻略のヒントを出します。
ヒント:「最後の鍵の入手に必要なのは『細かな探索』と『自由安価での行動』です」
最後の鍵は、ある場所に隠されていますが容易に発見されないよう分かり辛い仕掛けになっています。
その場所は既に作中で描写してあります。
さらに、そこに辿りついても普通に探すだけでは鍵は見つかりません。
この鍵さえ手に入ればあとはゴール一直線になるので、よほど問題が起きない限りこれをラストヒントとさせて頂きます。
行動安価>>887
本庁舎の木の下に行く。多分まだ艦娘の寮に行っても手がかりなし。本庁舎を徹底して調べるべきだが、その前にこちらを調べる。
寮は大淀のとこが若干怪しいが、後回しで。まだ時間に余裕はあるはずなので、その上で。
不知火「羽黒さんの部屋が探せないとなると、どうしますか?」
吹雪「寮内の他の部屋を探す……って言っても、特に当てもないし。どうしよう」
阿武隈「当てがないんじゃ、他の場所にいってみる?」
夕立「えーっ、せっかく来たのに……まだ全然探してないっぽい」
初霜「しかし、探す当てもないのに適当に探していても時間を浪費するだけになってしまいますね。他に有力な所があるならそこに行くのもいいと思いますよ」
吹雪「でも、他に気になる所って何かある?」
時雨「うーん……」
行動安価>>899
1 艦娘の寮の中を探す
2 他の場所に行く
※いずれの場合も探す場所を指定してください
また、再スタートの際に情報が失われている場所はピンポイントでの指定はできません
1で。
全員で探せばまた違う発見があるかもしれない。
寮内の探す場所の指定をお願いします
時雨「そうだ。もう1度電の部屋を調べてみたいんだけど、どうかな?」
阿武隈「電ちゃんの部屋を?」
不知火「あの部屋は既に探索済みですが……何か気になることが?」
時雨「いや、あの時は僕と不知火の2人だけだったけど、他の皆が揃ってる今なら、何か別の発見もあるかなと思って」
初霜「電さんはここで秘書艦を務めていたんですよね?」
時雨「うん。一応前に行ったときに隈なく探したつもりだけど……見逃してる点とかもあるかもしれない」
阿武隈「わかったわ。行ってみよう」
-艦娘寮2F 電の部屋-
吹雪「あれ? ここって2人部屋なんだね」
不知火「ええ。見取り図には電の名前しかありませんが、雷と同室だったようです」
初霜「先ほどの時雨さんの口ぶりからすると、雷さんは既に……?」
時雨「うん……。少なくともこの鎮守府が廃墟になる前には、艦隊から除籍されてたみたいだ」
阿武隈「部屋の中に2人分の家具が残ってるけど……意図的にそのままにしてたのかな?」
不知火「おそらく……雷がいなくなったことを、電は受け入れられなかったのかもしれませんね」
時雨(長門さんの手記では、後任の提督――少将が着任した辺りから電の様子が変わったらしいけど、雷の喪失が原因なのか……?)
行動安価>>905
全員で電の日記を読み直す。
時雨と不知火が見つけられなかった何かを他の四人が見つけるかもしれない。
続いて室内の探索。
天井裏やベッドの下まで調べてみる。
阿武隈「それで、どうする? 時雨ちゃん」
時雨「全員で部屋の中をもう1度調べ直してみよう」
不知火「これだけ人手があれば細部まで徹底的に探せますね。手分けして室内を探索してみましょう」
阿武隈「よぉし、じゃああたしと初霜ちゃんはクローゼットや本棚を調べましょう」
初霜「はい。ご一緒しますね」
時雨「僕と不知火は、床や壁に仕掛けとかが無いか見てみるよ。吹雪と夕立はベッドや押し入れ付近をお願い」
吹雪「うん。任せて」
夕立「ぽいっ」
阿武隈「クローゼットは共用だったみたいね。2人分の衣服が収納されてるけど……」ゴソゴソ
初霜「一方は殆ど出し入れされた形跡がありませんね」
阿武隈「うん……。この中は衣服以外には何も無いみたいね」
初霜「本棚の中身も……変わった物は見られません」
阿武隈「じゃあ、この2つは何も無し、っと」
吹雪「二段ベッドはどちらとも綺麗に布団も畳まれてるね」
夕立「どっちが電ちゃんの使ってたベッドなんだろう……?」
吹雪「わからないけど……とりあえず、両方隈なく探してみよう。私は下の段を調べてみるよ」
夕立「じゃ、夕立は上の方を見るっぽい」ゴソゴソ
吹雪「うーん……枕元や敷布団の下には何も無い。ベッドの下とかは……何も落ちてないなぁ」
夕立「こっちにも何もないっぽーい」
吹雪「となるとベッドは違う……押し入れの中は……」ガラッ
吹雪「予備の布団が仕舞われてる……でも、ここにあるのも布団だけだね」ゴソゴソ
夕立「じゃあ、ここはハズレっぽいね」
吹雪「そうだね。他の場所を見てみよっか」
不知火「床や壁に仕掛けが成されてる痕跡はありませんね……そちらはどうですか?」
時雨「何も無いね……。寮部屋で上下左右すべてに他の部屋が存在してる訳だから、そこまで大規模な仕掛けも作りようがないか……」
阿武隈「時雨ちゃん。あたしたちの方は何も見つからなかったよ」
吹雪「私たちも何も……」
時雨「そうか……。どうやらこの部屋にこれ以上の何かは無いみたいだね」
不知火「そういえば、机には電の日記もありましたね」
初霜「電さんの日記ですか?」
時雨「うん。だけど、少し妙な日記でね……」
阿武隈「妙って、どういうこと?」
不知火「実際に読んでもらった方が早いのでは?」
時雨「そうだね。あれも1回皆にも読んでもらおう」ガララ
時雨「これだよ」
阿武隈「……普通の日記帳ね。暁ちゃんが夕ご飯のピーマンをこっそり響ちゃんのお皿に移してた。とか、日常の事が綴られてるみたいだけど」ペラッ
吹雪「雷ちゃんと髪型を同じにして司令官さんを騙そうとしたけど一目で見破られた――毎日の秘書艦業務は大変だけどすごく楽しい――なんだか幸せそうですね」
初霜「でも、この辺りからは何だか雰囲気が変わってますね……」
阿武隈「8月……後任の提督が着任した頃ね。たしかに、他の姉妹や前の提督の話が全然書かれなくなってる……」
夕立「……?」
初霜「前の提督は失踪したそうですけど、それに関する記述も全然ないですね」
吹雪「そういえばちょっと変だね……。それまでの内容を見ると、電ちゃんは前の司令官のことを相当慕ってたみたいだけど、それを心配する記述も無いなんて……」
初霜「後任の提督に関する記述も見られませんね。聞くところではかなり苛烈な行いをしていたらしいですけど……それの不満なども書いてないですね」
阿武隈「9月からは……淡々とした記述になってきてるわ。毎日の業務で何をしたかとか……個人的な感想が全く書かれてない」
初霜「電ちゃんらしくないですね。それまでの明るさが欠片も無いような……」
夕立「……」
吹雪「9月以降はずっと淡々とした内容のまま……最後の日付は2014年の2月半ばで終わってる」
阿武隈「時雨ちゃんの言う通り、たしかにちょっと変な日記ね……」
吹雪「夕立ちゃん? さっきから黙ってるけど、何か気になるの?」
夕立「うーん……この日記、本当に電ちゃんが書いてたのかな?」
初霜「えっ?」
時雨「……夕立も気付いたか」
阿武隈「どういうこと?」
時雨「その日記、時系列を追うごとに内容が変化していくこと以外にも、微妙に書き手の印象が異なるような節がみられるんだ」
夕立「うん。最初の方の――姉妹の皆や提督さんと遊んでた。って内容のところの書き方も、日によって何か違うっていうか……」
吹雪「……私にはよく分からないけど」
阿武隈「あたしも……わかんないなぁ」
夕立「うーん……夕立の気のせいっぽい?」
初霜「……私は、ちょっと分かるような気がします」
阿武隈「えっ?」
初霜「例えば――この日は、暁さんたちの事を大切な姉妹という感じで触れていますが、別の日では少し距離感が違うような……姉妹というより、親しい友人の事を書いているような印象を受けます」
夕立「そうそう! そんな感じっぽい!」
時雨「そうだ……僕が感じたのは、正にそういう感じだよ」
阿武隈「そう言われると……そんなような気もするけど」
吹雪「うーん……やっぱり、ちょっと解らないです」
不知火「電以外の人物もこの日記を書いていたということでしょうか? 例えば、同室だった雷も一緒に書いていたとか」
時雨「いや、文字の癖は終始すべて同じで1人分に見える。いくら姉妹でも文字の癖まで同じになるとは思えないよ」
初霜「では……この違和感はいったい何なのでしょうか?」
時雨「……わからない」
阿武隈「なんだか……不気味な感じがする日記だわ」
時雨「さて……これでこの部屋の探せそうな所は全て調べたね」
不知火「では移動しますか?」
時雨「そうだね。まだこの寮を探すか、他のところに行くかだけど……」
阿武隈「誰か提案とかはある?」
行動安価>>915
冷凍漬にされた艦娘の姉妹艦の部屋、時雨の記憶を頼りに
まさか電って合成された・・・・考えすぎか
>>858
時雨「やっぱり……2人部屋だけど、電の名前しかない」
>>912
時雨「いや、文字の癖は終始すべて同じで1人分に見える。いくら姉妹でも文字の癖まで同じになるとは思えないよ」
電が実は2人いたとか?
安価なら下
夕立「そういえば……夕立たちに化けてたっていう怪物って、ここにいた艦娘だったんだよね?」
時雨「うん。地下で見つけた資料にはそれを裏付けるような記述もあったし、冷凍室で凍らせたときには元の艦娘の姿に戻ってたよ」
夕立「じゃあ、その娘たちの部屋を調べたら何か見つかるっぽい?」
阿武隈「なるほど、いい案かもしれないわね」
吹雪「でも……私が見たときは、姿こそ艦娘みたいになってたけど……誰なのかは判らなかったな」
阿武隈「時雨ちゃんは覚えてる?」
時雨「ううん……冷凍庫を閉めるときに凍り付いた姿を見てるけど、誰なのかまでは判別出来なかったよ」
初霜「そうなると、現状ではその方たちの部屋を見つけ出すのは難しいですね」
夕立「じゃあ、諦めるしかないっぽいね……」
行動安価>>920
現状「では」か……
安価だったら>>919で
流石に冷凍庫に確認しに行くのは怖すぎる
せめて衣服の一部でもわかれば何型かわかるとは思うんだけど
全裸だったらわからんなww
不知火「青葉さんの部屋にあった暗室などは?」
夕立「暗室?」
吹雪「そういえば暗室の中までは見てなかったね」
阿武隈「ついでだから行ってみようか?」
阿武隈「そうね。行ってみましょう」
>>922訂正
阿武隈「ついでだから行ってみようか?」 ×
時雨「ついでだから行ってみようか?」 ○
-青葉の部屋-
初霜「すごい部屋ですね……青葉さんらしいっていうか」
不知火「部屋の隅にある黒幕が暗室ですね」
阿武隈「小さなスペースだから、いっぺんには入れなさそうね。1人が限界かしら?」
夕立「夕立が入ってみるっぽい!」バサッ
吹雪「どう?」
夕立「んー……変な瓶とか、紐に掛かって吊るされた写真とかがあるけど……」
時雨「夕立、ちょっと詰めてくれる……?」
夕立「ぽいっ」
時雨「……この瓶の中身は、写真の現像に使う薬品みたいだね。吊るされてるのは、現像途中の写真かな?」
夕立「でも、何も映ってないっぽい」
時雨「時間が経って劣化しちゃったのかも……。これじゃあ判別は出来ないね」
夕立「んー、残念っぽい」
時雨「これ以上は何もなさそうだね」
行動安価>>926
朝潮型の部屋
時雨「青葉さんの部屋は……もうこれくらいでいいかな」
吹雪「じゃあ、次はどうしようか?」
阿武隈「この部屋で思い出したんだけど……ここで読んだ新聞のバックナンバーの中に、神隠しにあったっていう娘の名前が書いてある新聞があったよね?」
不知火「ちょうどここにバックナンバーがありますので、確認してみましょう」ガラッ
不知火「……これですね。2013年10月号、神隠しに関する記事で『駆逐艦朝潮さんの姉妹艦満潮さんと霰さんが、突然姿を消した。』とあります」
初霜「神隠し……」
時雨「それはおそらく、地下で行われていた実験に使う艦娘を秘密裏に誘拐していたんだろう」
夕立「ってことは、それに書いてある消えた2人って……」
初霜「……その2人の部屋があれば、何か手掛かりが残されているかもしれません」
不知火「……いえ。残念ながら朝潮型は既にこの寮の見取り図から名前が消えていました」
吹雪「朝潮型って、消えた2人以外も全員?」
不知火「はい。全員実験に使われたのか、それ以外の事で除籍されたのかはわかりませんが……」
阿武隈「そんな……」
時雨「……仕方ない。他の場所を探そう」
行動安価>>930
>>909時系列のミスがあったので訂正
不知火「そういえば、机には電の日記もありましたね」
初霜「電さんの日記ですか?」
時雨「うん。だけど、少し妙な日記でね……」
阿武隈「妙って、どういうこと?」
不知火「実際に読んでもらった方が早いのでは?」
時雨「そうだね。あれも1回皆にも読んでもらおう」ガララ
時雨「これだよ」
阿武隈「……普通の日記帳ね。暁ちゃんが夕ご飯のピーマンをこっそり響ちゃんのお皿に移してた。とか、日常の事が綴られてるみたいだけど」ペラッ
吹雪「雷ちゃんと髪型を同じにして司令官さんを騙そうとしたけど一目で見破られた――毎日の秘書艦業務は大変だけどすごく楽しい――なんだか幸せそうですね」
初霜「でも、この辺りからは何だか雰囲気が変わってますね……」
阿武隈「8月……たしかに、他の姉妹や前の提督の話が全然書かれなくなってる……」
夕立「……?」
初霜「前の提督は失踪したそうですけど、それに関する記述も全然ないですね」
吹雪「そういえばちょっと変だね……。それまでの内容を見ると、電ちゃんは前の司令官のことを相当慕ってたみたいだけど、それを心配する記述も無いなんて……」
阿武隈「9月からは……淡々とした記述になってきてるわ。毎日の業務で何をしたかとか……個人的な感想が全く書かれてない」
吹雪「電ちゃんらしくないですね。それまでの明るさが欠片も無いような……」
初霜「後任の提督に関する記述も見られませんね。聞くところではかなり苛烈な行いをしていたらしいですけど……それの不満なども書いてないですね」
夕立「……」
吹雪「9月以降はずっと淡々とした内容のまま……最後の日付は2014年の2月半ばで終わってる」
阿武隈「時雨ちゃんの言う通り、たしかにちょっと変な日記ね……」
この鎮守府の時雨はどうだったんだろうか
白露型の部屋へ
吹雪「この鎮守府には、時雨ちゃんや夕立ちゃんもいたのかな?」
夕立「ぽい?」
時雨「ここでの僕たち、か……。見つけた資料に名前は出てこなかったけど」
不知火「……確か白露型なら、白露さんの名前がありましたね」
時雨「白露か……他に名前はなかったの?」
不知火「はい。見取り図に名前があった白露型は白露さんだけでした」
初霜「行ってみますか?」
時雨「……そうだね。見てみよう」
-白露の部屋-
時雨「079号室……ここが白露の部屋か」ガチャッ
阿武隈「2人部屋だね。二段ベッドや机とかは残されてるけど、電ちゃんの部屋と違って片付けられてて何も残ってない」
時雨「姉妹ごとに部屋を割り振られていたのなら、同室だったのは他の白露型だと思うけど」
吹雪「その娘も除籍されたのかな……」
初霜「なんだか少し寂しい部屋ですね……。殆ど私物が置かれていないですし」
時雨「うん。僕たちの鎮守府にいる白露の部屋とは対照的だ」
夕立「白露姉の部屋はもっとごちゃごちゃしてるっぽい」
阿武隈「とりあえず、部屋の中を調べてみようよ」
時雨「そうだね。といっても、これだけ殺風景な部屋だとあまり探す場所は無さそうだ」
阿武隈「みんな、何か見つかった?」
吹雪「いえ、特になにも……」
時雨「机の中も見たけど、必要最低限の物しか入ってなかったね」
初霜「クローゼットも予備の制服や下着とかが収納されてるくらいで、他には何も」
不知火「これ以上探す場所は無さそうです」
時雨「そうみたいだね……」
行動安価>>934
オフィスにあった写真立てを調べる
阿武隈「他にどこか、探してみたいところとかはある?」
吹雪「……そういえば」ボソッ
夕立「吹雪ちゃん?」
不知火「何か心当たりが?」
吹雪「あ、ううん。そういうのじゃないんだけど……」
時雨「この状況だ。どんなに些細なことでも手掛かりが欲しい。気になったことがあったら遠慮なく言って、吹雪」
吹雪「うん……あの地下で見た写真の事なんだけど」
初霜「写真?」
阿武隈「写真って……ああ、あのオフィスにあったやつ?」
吹雪「はい。あの写真は何だったのかな、って……」
阿武隈「相当古い写真だったよね?」
不知火「ええ。写っていたのは私服姿の男性と少女の2人でしたね」
初霜「男性と少女……」
時雨「顔の部分も含めて殆どの部分が色あせてて詳しくは解らなかったけど……男性の方は大人だったね」
阿武隈「女の子の方は10代前半か……もしかしたら1桁くらいの年齢かも。結構小さかったから」
夕立「それって、ここの提督さんと艦娘の記念写真とか?」
吹雪「ううん。たぶん違うと思う。それに記念写真っていうより日常の写真みたいな……はっきりとは解らなかったけど」
夕立「ふーん」
吹雪「誰の写真だったのかな? あれって……」
行動安価>>937
本庁舎の周辺を調べる
阿武隈「うーん……もう心当たりになりそうな所は出尽くしちゃったかなぁ……」
吹雪「他に調べてない場所とかは、ないですかね?」
時雨「……」
不知火「ここまで調べて、残るのは地下……演習場……しかしどちらも不知火たちや阿武隈さんたちとで調べていますからね」
阿武隈「……重要な物があるとしたら、やっぱり地下か本庁舎くらいしか考えられないかな?」
時雨「でも地下はかなり細かい所まで探してるから、見落としがあるとも思えない」
吹雪「ということは、やっぱり本庁舎?」
夕立「でもそこはさっき調べて何も無かったっぽい!」
吹雪「だよねぇ、うーん……」
不知火「とにかく寮の探索はそろそろ打ち切って、別の場所に移動しませんか?」
時雨「……そうしようか」
阿武隈「じゃあ、どこにいく?」
時雨「とりあえず、もう1度本庁舎の方に戻ろう。動いているうちに何か思いつくかもしれない」
初霜「でも……これ以上探して何も無いなら、そろそろここから脱出することも考えたほうがいいかもしれません」
阿武隈「そうね。これだけ探し回って何も見つからないなら、素直に諦める決断をしてもいいと思う」
阿武隈「この鎮守府のことは気になるけど、今のあたしたちに出来ることにも限界はある。時雨ちゃんも……それでいいよね?」
時雨「……わかった。もともと無理を言って皆を引き留めてた訳だし、これ以上我儘は言えないね」
時雨「次で駄目なら……そこが潮時と諦めることにするよ」
-本庁舎 正面入り口前-
時雨「再び本庁舎のところまで戻ってきたね」
夕立「こうして正面から見ると、結構大きな建物っぽい」
初霜「そうですね。建物前の左右には植栽も植えてあったみたいですけど……すべて枯れてしまって、木の幹しか残ってないですね」
吹雪「薄暗いなかに浮かぶ幹だけの木っていうのも、結構不気味だね……」
阿武隈「……あれ?」
不知火「どうかしましたか?」
阿武隈「そこの木の下……なにかあるな、って思って」
時雨「木の下……?」
初霜「本当ですね。薄暗くてよく見えないけど……」
夕立「近くに行ってみるっぽい!」タッタッタ
夕立「これって……石?」
時雨「大小色々な石を組むように積まれてる……何だろうね、これは?」
阿武隈「何かのモニュメントかな?」
不知火「見たところ誰かの手作り、という感じがしますが……」
初霜「もしかして……これって石碑じゃないですか?」
夕立「石碑?」
時雨「そういえば…………なるほど。たしかにそう見えなくもないね」
不知火「しかし、碑というわりには文字などは何も書かれていませんが」
吹雪「うーん……何なんだろうね、これ?」
阿武隈「誰かが遊びで作ったのかしら?」
自由安価>>944
↑
時雨「気になるね……この石を退けられないかな?」
不知火「見たところ石を組んで積み上げただけのようですから、退かすことは難しくないですね」
初霜「で、でも……もし石碑だったら、動かしたり壊したりするのは罰当たりですよ……」
吹雪「たしかにあまり気は進まないね……」
夕立「でも時雨の言う通り、気になるっぽい!」
不知火「背に腹は代えられません。やってみましょう」
阿武隈「大丈夫かなぁ……」
時雨「よいしょ……っと。これで石は全部退かせたね」
夕立「でも、なにも無いっぽい」
不知火「組まれた石の中にも、特に何も入ってなかったですね」
時雨「……」
自由安価>>947
↑
時雨「この石碑があったところ……掘ってみよう」
阿武隈「えっ?」
不知火「掘るといっても、道具などはありませんが……」
夕立「石があった場所は土も湿ってるっぽいから、手で掘れるっぽい!」ザッザッ
吹雪「夕立ちゃん! 素手でそんな……」
時雨「僕も手伝うよ」ザッザッ
初霜「時雨さんまで!」
阿武隈「指を怪我しちゃうよ、2人とも!」
時雨「……」ザッザッ
夕立「穴が出来てきたっぽ……い?」ガッ
時雨「!」
夕立「? 何か硬い物に当たったっぽい」ザッザッ
時雨「これは……箱だ」
阿武隈「えっ?」
このスレで完結と言いましたが
どう頑張っても残り50レス程で完結は不可能ですね(白目)
時雨「……よし、掘り出せたよ」
不知火「『小さな箱』ですね。何か入ってるのでしょうか?」
時雨「開けてみるよ」パカッ
時雨「紙が入ってる……手紙かな?」ペラッ
『忘れません あなたたちの犠×を どうか安らかに眠って ××××を許してあげて』
時雨「書かれているのはこれだけだね」
初霜「どういう意味でしょうか?」
時雨「わからないけど……ん、まだ何か入ってる」
時雨「これは……『黒い鍵』だ」
吹雪「ちょっと短めだけど、真っ黒の鍵だね」
阿武隈「何処かの部屋の鍵かしら?」
時雨「まさか……」
夕立「箱の中身はこれで全部っぽい?」
時雨「うん。収穫はこの『謎の手紙』と『黒い鍵』の2つだね」
初霜「忘れません……許してあげて……。内容の意味は分からないですけど、気になりますね」
不知火「ええ。しかしそれ以上に気になるのは、その黒い鍵の用途ですね」
阿武隈「そうね。どこで使う鍵なんだろう……?」
行動安価>>956
鍵を提督室の金庫で使う。
時雨「その鍵……1つ、試してみたいところがあるんだ」
吹雪「心当たりがあるの?」
不知火「何処かの部屋ですか?」
時雨「いや、それはたぶん部屋の鍵じゃない」
初霜「部屋の鍵じゃないとなると……」
夕立「?」
時雨「行けば分かるよ。とりあえず、みんな僕についてきて」
-本庁舎2F 提督の私室-
阿武隈「ここって、提督の私室?」
初霜「この部屋の中にその鍵を使って開けられる物が……?」
不知火「! まさか、その鍵は……」
時雨「うん。これの鍵じゃないかって思うんだ」
吹雪「それって……金庫?」
時雨「そう。今までどこを探してもこの金庫を開ける為の鍵が見つからなかったから気になってたんだけど」
時雨「とりあえず試してみよう……」カチャッ
ガチンッ! ギギッ…
時雨「!」
不知火「開いた!」
時雨「やっぱり……この黒い鍵が、金庫の鍵だったんだ」
吹雪「中に何が入ってるんだろう……?」
時雨「書類がたくさん入ってる」
阿武隈「新しめの紙から古い紙まで色々あるわ……」ゴソゴソ
吹雪「これは……何かのリストかな?」ペラッ
初霜「苗字と名前……全て人の名前ですね」
吹雪「名前の横の欄に日付が書かれてるけど、10年以上前の日付だ」
初霜「住所や年齢、性別……色々な情報も記入されてますね。全員10代の子供のようですが……」
吹雪「うーん……何のリストだろう?」
不知火「こちらの紙もリストですね。『6月:43/51』『7月:47/58』『8月:50/52』月別に何らかのデータを纏めた物のようですが」
阿武隈「これの日付も10年位前だけど……あっ、後ろの方の紙はまた別のリストだね」ペラッ
阿武隈「……『月別××者 7月 47/58』。その下には人の名前が並んでるわ」
時雨「これは……『実験記録 死亡者:死因内訳』」ペラッ
時雨「『実験中のショック死:79 失血死:51 適合不可による廃人化:87――』」
時雨「『健常者と身体障碍、脳死などで分けた場合、健常の方が成功率は31.4%程高く――』」
時雨「これは……実験中の死因を纏めた記録か」
時雨「これって、もしかして……でも、そうだとすると……」ブツブツ
阿武隈「金庫の中身は、すべてこのリストや書類みたいね」
初霜「時雨さん、これってもしかして」
時雨「うん。この施設で行われていた実験の記録だ」
吹雪「やっぱり……」
夕立「じゃあじゃあ! これが時雨の言ってた『証拠』になるっぽい!?」
時雨「地下の資料に比べて詳細まで記載されてるし、中には責任者と思われる人のサインも残ってる物もある。これなら……」
不知火「では、これを持って帰れば……!」
時雨「この鎮守府で行われていた事を裏付ける、確たる証拠になる。ようやく見つけた……」
初霜「でも、これだけの資料をどうやって持って帰るんですか?」
時雨「そうだね……これをそのまま抱えて海に出るわけにもいかないし。何か入れる物があればいいんだけど……」
不知火「……! ちょっとお待ちを」
阿武隈「不知火ちゃん?」
不知火「確か……このクローゼットの近くを調べたときに……」ゴソゴソ
不知火「ありました。これは使えないでしょうか?」
時雨「鞄?」
阿武隈「それって確か、提督が書類とかを持ち運ぶときに使う専用の鞄だわ」
時雨「そうか……ここの提督が使っていた鞄か」
不知火「これなら気密性や防水性も高いはずですし、持ち運びにも適します。これに書類を入れれば」
時雨「良い案だよ。これなら……」ガサガサ
スルッ...
吹雪「あれ、書類の間から何か落ちたよ?」
時雨「えっ?」
時雨「これ……カードキーだ」
初霜「もしかして、そのカードキーって……」
阿武隈「あの地下施設の扉を開ける為の物じゃない!?」
時雨「たぶんそうだ……。まさか金庫の中に入っていたなんて」
【『地下実験場のカードキー』を入手しました】
不知火「その束で金庫の中の書類は全部です」
時雨「よし、なんとか全部、鞄の中に入れられそうだ」パチン
時雨「これで証拠の書類を持ち帰る用意は出来たよ」
不知火「その鞄はどうしましょう。不知火が持ちましょうか?」
時雨「元々これを探そうって言い出したのは僕だからね。僕が責任を持って鎮守府まで持ち帰るよ」
初霜「でも、ずっとそれを持っているのは……」
阿武隈「そうね……。それを持ったまま海に出て航行するのは、さすがにキツいと思うけど」
吹雪「皆で交替しながら行くというのはどうですか?」
初霜「そうですね。それが良いと思います」
夕立「夕立も手伝うっぽい!」
不知火「もちろん。不知火も手伝います」
阿武隈「皆で持って帰ろう。それでいいよね、時雨ちゃん?」
時雨「うん……ありがとう、みんな」
阿武隈「さぁて、証拠になる書類は回収したし、もうこの鎮守府に用はないけど……」
吹雪「時雨ちゃん、やっぱり気になってるよね?」
時雨「……うん」
時雨「このカードキー。あの電子ロックで閉ざされた地下施設の、最後の部屋を開ける鍵だと思うけど」
初霜「でも当初の目的だった証拠になる書類の回収は出来た訳ですし、これ以上危険を冒す必要は……」
時雨「うん……ここまで我儘に付き合ってもらったんだ。これ以上贅沢を言うことは出来ないね」
阿武隈「……」
行動安価>>977
1 地下施設に向かう
2 鎮守府から脱出する
当然1
阿武隈「わかったわ……あの扉のところに行こう、時雨ちゃん」
時雨「えっ」
不知火「よろしいのですか、阿武隈さん?」
阿武隈「本来なら間違った選択だろうけど……ここまで来たんだもん。どうせなら最後までやってみようよ」
吹雪「阿武隈さん……」
阿武隈「他のみんなはどう?」
不知火「不知火は賛成します。不知火も、あの扉の奥に何があるのか気になりますので」
夕立「夕立も賛成っぽい!」
吹雪「私も……ここまで来たなら最後までやり通したいです!」
阿武隈「初霜ちゃんは?」
初霜「……」
初霜「わかりました。行ってみましょう」
時雨「初霜……」
初霜「もし、そこで皆さんの身に危険が迫るようなことが起きても」
初霜「私が……皆さんを護ります」
阿武隈「決まりね。それじゃあ、皆で行こう。地下施設の最後の扉のところに」
吹雪「はいっ!」
夕立「なんかドキドキしてきたっぽい!」
初霜「でも、皆さん無茶はしないでくださいね」
不知火「行きましょう、時雨さん」
時雨「……ありがとう。みんな」
【廃墟と化した鎮守府の夜明け】に続く
このスレで完結と言っておきながら続いてしまいました。本当に申し訳ありません
次回からは解答編を書いていき、今度こそこのSSを完結させたいと思います
お付き合いありがとうございました
このSSまとめへのコメント
ノーマルエンドか、そういえば牢屋だったかなあれって全て見回ったのか……………怪物2と怪物3は襲わないという性格なら話し合い出来たかもしれない。他のエンドを期待してます
読んでるなとも一緒に考えれるからとても面白い!次早よ(`・ω・´)
これ読んでたらアドベンチャーゲームやりたくなってきた()