男「クラスメイトはシャチ娘」 (43)
【注意】
世界観が謎です。
男の娘要素があります。
それでもよろしければおつきあいください。
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男「今日から2年生か。」
友「たりーなー。」
男「あはは、友らしいね。でもまあ、悪いことばかりでもないんじゃない?」
友「お前のそーいうとこ、羨ましいぜ。俺はすげぇ美人な娘でもクラスにいないと、やる気になれねぇな。」
男「じゃあ、そうなるようにお祈りしといたら?」
友「ん、そーするわ。」
クラス分け掲示板
友「お、また同じクラスだな!よろしく頼むぜ!」
男「うん。よろしく。」
友「……おい、見ろよ。見慣れない名前があるぜ。海原薫だってよ。」
男「本当だ。学校中の女の子の名前は最低限知ってる友が言うなら、間違いないだろうね。」
友「おいおい、いきなり俺のお祈り効果出ちゃった!?」
男「あはは、だといいね。」
始業式を終えて、ホームルーム
担任「気づいた者もあるかもしれないが、今日から君たちとクラスを同じくすることになった転校生がいる。」
担任「海原、入ってきなさい。」
シャチ娘「はい。」ガラガラ
シャチ娘「今日から皆さんと同じクラスになりました、海原薫と申します!どうぞよろしくお願いします!」
ガヤガヤ
友「うっひょー!すげぇ美人さんじゃん!」
男「……」キリリッ
友「おい、どうしたんだよ?」
男「あの娘……シャチだ。」
友「はぁ?訳わかんねえこと言ってんなよ!」
担任「はい、皆静かに。海原は……ちょうどいい、柏崎――後ろの方の彼の隣に座りなさい。」
友(くっ……!海原さんが訳のわからんやつの隣になってしまった!)
シャチ娘「はい!」スタスタ
シャチ娘「よろしくね。」ニコッ
男「よろしく。」ニコ
友(畜生っ!)
ホームルーム終了後
男「僕は柏崎一男。よろしくね。」
シャチ娘「うん。改めてよろしく!」
男「ねぇ、つかぬこと訊くんだけど……シャチ、好きかな?」
シャチ娘「え?あぁ……っと……」キョドキョド
シャチ娘「うん!シャチ、可愛いよね!」ギクシャク
友「おーい、変なこと聞いてビビらすなよ。」
男「あ、そうだよね!ごめんごめん……。」
友「あ、俺は大木友則。よろしく!こいつ無類のシャチ好きでさ。急にあんなこと訊く奴いないよな、普通。」
シャチ娘「あはは、そうかも。でも嬉しかったよ、すぐ話しかけてもらえて。私ちょっと授業の準備してくるね。」タタタッ
友「おう。」
友「お前ががっつくなんて珍しいなぁ?ちょっとは考えねえとダメだぜ?」
男「だってシャチだもん……。海原さん。」
友「お前のシャチ好きは解るけどよ、もっと話しかけ方ってもんがあんだろ?」
男「あのカラーリング、髪留め!そのものだよ!」
友「じゃあ、ああいう格好してたら誰でもシャチだな?」
男「そうじゃないんだけど……なんて言ったらいいか……」
同じ頃
シャチ娘「どうしよー!いきなりばれちゃったかも!」
シャチ娘「うーん、シャチ好きってことで話し合わせとこうかなー……」
シャチ娘「でも、ボロが出る気がする……うーん……」
シャチ娘「かといって、ヒト型のシャチです!とか言ったら完璧にアレな人だよね……」
キーンコーンカーンコーン……
シャチ娘「とりあえず後で考えよ!」
昼休み
男「海原さん、お昼一緒に食べない?友も一緒に中庭でさ。」
シャチ娘「あー……うん!」
友「完璧に警戒されてるじゃねえかよ。」
シャチ娘「ううん、そんなことない!中庭行こ!場所教えてね。」
男「うん。こっちの方ね。」
中庭
ワイワイ ガヤガヤ
男(やはりお弁当は鯨づくし……)
男「それで、シャチの話なんだけどさ……」
友「おいおい、そこから離れるって発想はないのかよ。」
シャチ娘「いいのいいの!私もシャチ好きだもん!」
男「やっぱりトランジェント?僕あの子達が一番シャチらしいと思うんだ!」
シャチ娘「わかるなぁー。狩りしてるとことかかっこいいよねぇ。」
シャチ娘(やっぱりバレてるのかなぁ?)
男「それから……」
数十分後
友「良かったなぁカズ、可愛いシャチ好き仲間ができてよぉ。」
友(こんなことならこいつのシャチ講義、まともに受けとくんだったぜ。ちっとも会話の輪に入れねえ……。)
男「えへへ」
友「俺は食い終わっちまったから、ちょっと先に失礼するぜ。」スタスタ
男「うん。」
シャチ娘「あ……大木くん……。どうしよ、私嫌な思いさせちゃったかな?」
男「平気だと思うよ。友は食べるの早くて、最後まで一緒に食事するのは珍しいくらいだから。」
シャチ娘「そうなんだ。……ねぇ、柏崎くん。」
男「なに?」
シャチ娘「二人きりだね……。」
男「あ、そういえば。」
シャチ娘「正直、大木くんが席はずして良かったなって思っちゃった。」
男「えっ……?」
シャチ娘「柏崎くんにしか言えないことだから……。」
シャチ娘「私ね、シャチなんだ。シャチそのものなの……。」
男「……」パアアァ
男「やっぱりそうだったんだ!」
シャチ娘「柏崎くんなら、ビックリしないで聞いてくれるかなって……。」テレッ
男「むしろ大歓迎だよ! 」
シャチ娘「ありがと。」//////
シャチ娘「それとね……急なんだけど――」
男「ん?」
シャチ娘「――私の彼氏になってくれない?」
男「ええっ!?僕としては……その、うれしいけど……海原さんは、いいの?」ドキン
シャチ娘「私にはもったいない位だと思うよ。シャチ好きって言うのは私にとってポイント高いけど、普通に見ても丁寧で優しい人だと思うし……。」
男「でも……シャチだから好きっていうのと、海原さんが好きっていうのは違わないかな……?」
シャチ娘「ヒトさん同士ならそうかもしれないけど……そんなの後から一緒になるよ、きっと。」
男「じゃあ、よろしく……!」
シャチ娘「よろしくね!一男っ!」ギュウウウウウッ
男「海原さん、やっぱり力あるね。」ギュッ
シャチ娘「恋人同士でそんな呼び方ダメだよ?」デコピン
男「いてて……わかったよ、薫。」頬チュッ
シャチ娘「よろしい。」チュッ
男「ははは……。」//////
シャチ娘「ふふっ。」//////
放課後
シャチ娘「一男、私の家来ない?」
男「嬉しいけど、急に大丈夫?」
シャチ娘「全然平気だよ!むしろお母さん喜ぶと思う。ヒトでもシャチでもいいから男の一人や二人さっさと落とせ!ってうるさかったから。」
男「へぇ……。」
シャチ娘「それで急に告白しちゃったりもしたんだけどね……。」シュン
男「いやいや!凄く嬉しかったよ!薫……可愛いしさ。」//////
シャチ娘「もうっ!」//////バシッ
男「ぐえっ……」
シャチ娘「あっ……ごめん、つい……。」
男「全然いいよ!想定の範囲内!むしろシャチさんとお付き合いするなら、このくらいの刺激ないとね。」
シャチ娘「一男……」キュン
シャチ娘「頼り甲斐あるぅ!」キャピキャピギュウッ
男「もう……人見てるよっ……!」
男「早く薫の家行こう。」//////
海原宅
シャチ娘「ただいまー!」
男「お邪魔します。」
シャチ母「あら、おかえりー。そっちの子は?」
シャチ娘「えへへー。カレシ、だよ。」
シャチ母「あらそう……新学年早々めでたいわね!ごめんなさいね、急だからお祝い用のマッコウクジラ、用意がないの。」
男(日本のヒトでいうお赤飯かな……海の王者シャチも命がけの獲物らしいから納得だな。)
シャチ娘「いいよ、気にしなくて。あ、一男も上がって。」
男「あ、失礼します。」
シャチ母「一男くんは晩御飯、普通のものがいいわよね?」
男「えっ、いや、晩御飯をご馳走になるなんてとんでもない!」
シャチ母「そんなこと言わないで、ね。私頑張るわよ?」
男「えぇ……」
シャチ娘「私からもお願い!一男と晩御飯食べたいなぁ。」
男「……じゃあ、お言葉に甘えて……。」
シャチ娘・母「やったね!」
シャチ母「ふふ、それじゃ、若いお二人は薫の部屋で待っててねー。」ルンルン
シャチ娘「うん。こっちね。」
薫の部屋
シャチ娘「はーい、入って入って!」ガチャ
男「お邪魔します……」ソロソロ
シャチ娘「やだ、そんなかしこまらないでよ。」
男「いや……女の子の部屋って、初めてで。」キョドキョド
シャチ娘「えっ!?本当に!?」
男「嘘ついても仕様がないでしょ……。」
シャチ娘「じゃあもしかして、私が初めてのカノジョ、とか!?」
男「」コクッ//////
シャチ娘「――」キラキラ
シャチ娘「――なにそれ!すっごく嬉しい!」パアアァ
ギュウウウウッ
男「うぐっ……僕も、薫が最初で嬉しい。」ギュ//////
シャチ娘「えへへ。」ニパ
ガチャ
シャチ母「薫、お茶とお菓子持って……」
シャチ母「……あらまあ、若いっていいわねぇ。ここ、おいておくからごゆっくりー。」
バタム
男「」アゼン
シャチ娘「……ごめんね、なんか」//////
男「ううん、全然」ギクシャク
シャチ娘「お茶とお菓子、どうぞ。」
男「あ、ありがとう。」ズズッ……
シャチ娘「お母さん、変わってるでしょ。」ズズッ……
男「そうかな?」
シャチ娘「絶対変わってるよ!春休み海に狩行ったときなんか、話に夢中で何かの漁の網に引っ掛かってたし!」
男「ええっ!?」
シャチ娘「ちょっと破ったりして逃げ出してたけど……もう、漁師さんごめんなさいって感じ!」
男「それは災難だったね……。」
シャチ娘「それからね……」
……
シャチ娘「……って感じで、ほんと、同じ雌として恥ずかしいよ!」
男「あはは、でも薫の家族は皆仲良さそうだね。」
シャチ娘「まあ、そうじゃないと狩もやってられないしね。」
男「そうかぁ。でもそういうの、なんかいいね。」
シャチ娘「そうかなぁ?」
コンコン
シャチ娘「誰ー?」
シャチ弟「姉さん、ご飯できたってよ。」
シャチ娘「んー。」ガチャ
シャチ娘「一男、行こ。」
男「うん。……あ、お邪魔してます。」
シャチ弟「貴方が姉さんのカレシさんですよね?……へー、結構ハンサムじゃん?姉さんやるねぇ。」
男「どうも……。」
男(薫が言ってた弟さん……だよね。話の通り、パッと見女の子っぽいな。)
シャチ娘「こら、一男困ってるでしょ。」
シャチ弟「別にいいですよねぇ?いずれ僕たちも兄弟になるんだしぃ。」スリスリサワサワ
男(おぉ……これがかの有名な疑似交尾か……?)ヒヤアセ
シャチ娘「もう……お母さんも勝也も気が早いんだから……。」
シャチ娘「一男は知ってると思うけど、えっちい感じでくっついて来るのは習性だから多目に見てあげてね。」
シャチ弟「さ、義兄さん♪ご飯食べましょ♡」耳ペロ
男「ひゃっ!……ウン、ソウダネー。」
シャチ娘「あ、ちょっとぉ!」
リビング
シャチ父「お、勝也に薫、ただいま。」
シャチ娘・弟「おかえりー。」
シャチ父「それから一男くんで間違いないかい?」ギロッ
男「……ハイ。」
男(親愛なる薫さん。ごめんなさい。私は貴方とのお付き合いに一片の後悔を抱いてしまいました。お父さん怖すぎです。)ガクガクブルブル
シャチ父「いやー。薫もずいぶんいい男を捕まえたなぁ!嬉しいねぇ!」ガッハッハッ
シャチ父「一男くん、よろしく!」アクシュ
男「はい。こちらこそ!」ホッ
シャチ父「いやー、賑やかで佳いねぇ!」
シャチ弟「はい義兄さん、あーん母さんのクジラの大和煮は太平洋一ですよ!」
シャチ娘「一男!クジラの唐揚げも美味しいよ!あーん♡」
男「……」ハグッ、モグモグ
シャチ弟「義兄さんひーどーいー!僕のも受け取ってくださいよぉ!」
男「……」ハグッ、モグモグ
シャチ弟「やったっ♪」
シャチ父「勝也もすっかりなついて微笑ましいなぁ、香織?」
シャチ母「そうですねぇ。はい一男くん、あーん♡」
男・シャチ父・娘「えっ、ちょ……」
シャチ母「冗談ですよ、劉一さん。ほら、あーん♡」
シャチ父「あーん♡」
シャチ娘(ちょっと冗談に聞こえないけど!)
男「ふぅ……ごちそうさまでした。」
シャチ父・娘・弟「ごちそうさま。」
シャチ母「お粗末様。」
男「ありがとうございました。本当に美味しかったです。」ペコ
シャチ母「いいのよぉ。はい、お茶。」コト
シャチ母「みんなもね」コト コト コト コト
男「あ、ありがとうございます。」ズズッ
シャチ父「一男くんは泊まっていくのか?」ズズッ
男「!?」ゴホッゴホッ!
男「失礼しました……。あまりに急な話で……。」
シャチ娘「急と言えば、今日来ること自体そうだったし、それもいいんじゃない?」
シャチ弟「そうですよぉ。僕と兄弟愛を育みましょ?」デレデレ
男「いや、でも……。」
シャチ父「男とはいっても、近頃物騒だ。このまま帰して何かあっては君の親御さんに悪い」
男「割に近くですし、それほど……」
シャチ父「なら、薫、送ってあげなさい。」
シャチ娘「うん!じゃあ、お茶飲み終わったら行こうか!」
シャチ弟「僕もお供しますよぉ♪」
シャチ母「勝也、二人にしてあげたら?」
シャチ弟「はーい……。」
玄関
男「お世話になりました。ごちそうさまです。」ペコ
シャチ父「こちらこそ楽しかったよ。また来てくれ。」ニカッ
シャチ弟「義兄さん、待ってますよぉ♪」
シャチ母「またね。」フリフリ
シャチ娘「じゃ、行こ。」
一男の帰路
テクテク
シャチ娘「なんかごめんね。あんまりゆっくりできなかったよね。」
男「あはは、そうかも。でも凄く楽しかったよ。あ、まあお父さんにはちょっとびっくりしたけどね。」
シャチ娘「うん。思いっきり顔に出てた。笑いそうになっちゃったよ、ふふっ。」
男「そうだった?気を付けないと……。」
柏崎宅前
男「あ……僕の家、ここね。」
シャチ娘「お、確かに結構近いね。」
男「わざわざありがとう。気を付けてね。」
シャチ娘「うん、ありがと!じゃあね!」
男「あ……!ちょっとだけ待って。」
シャチ娘「なあに?」
男「なんか忘れてると思ったら、これだ」チュ//////
シャチ娘「ん……」//////
シャチ娘「今日はイチャイチャし足りなかったもんね……。」//////
男「今度はもっと、ね?」
シャチ娘「うん、じゃあね!」タタタッ
数日後 学校
男「なんか順番違う気もするけど……デート、しない?」
シャチ娘「うふふ、そうだね。」
男「ちょっと急だけど次の土曜に遊園地行こうよ。知り合いがチケットあるけど行けなくなったっていうから。」
シャチ娘「いいねぇ。」ニコニコ
友(や、やつらいつの間に)ギリギリ
デート前日 海原宅 薫の部屋
シャチ娘「フンフンフーン♪」
シャチ娘「お洋服、どっちにしようかなー♪」
コンコン
シャチ娘「なーにー?」ルンルン
シャチ弟「姉さん、借りてた本返しに来たよー」
シャチ娘「はーい」ガチャッ
シャチ弟「おや、義兄さんとデート?」
シャチ娘「あ、バレた?勝也は連れてかないわよ。」
シャチ弟「義兄さんは好きだけど、そのくらい弁えてるよぉ。ふふ、頑張ってね。本ありがと。」
シャチ娘「ふふ、ありがとね。」
デート当日
男「お、かーおーるー!」
シャチ娘「おまたせ!」
男「いつものシャチカラーもいいけど、今日のも綺麗だね。」
シャチ娘「えへへ、ありがと。ちょっと張り切っちゃった♪一男もかっこいいよ!」
男「ありがと。」//////
男「お、来たね。この電車で暫く移動ね。」
シャチ娘「待ち遠しいなー♪」
遊園地
シャチ娘「着いたーっ!」バンザイ
男「どこから行こうか?」
シャチ娘「やっぱりジェットコースターでしょ!」
男「ん、そうだね。」
男(ここの大丈夫かな……。)ドキドキ
スタッフ「はーい、じゃあこちらにお願いしますねー。」
スタッフ「では、行ってらっしゃーい」
カタカタカタカタ……
男(えっ……ちょ……高っ……)ガタガタ
シャチ娘「おー、高いねー!いい感じだよ!」
男「ソウダネー!」
シャチ娘「あ、そろそろだよ!」ワクワク
男(天にまします我らの父よ願わくば……)
ヒューン!
シャチ娘「おおおっ!すっごく速いよこれ!」キラキラ
男「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!な゛ん゛でだよ゛お゛お゛!」
シャチ娘「ループもあるよ!」
男「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!目゛があ゛あ゛あ゛!」
シャチ娘「カメラってあれかな!?」ピース
男「ん゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛っ」白目
スタッフ「お疲れ様でしたー。」
シャチ娘「ふぅー、スッキリ!」ノビー
男「……」チーン
シャチ娘「あ、もしかして絶叫系ダメだった?言ってくれても良かったのに。」
男「いや……完璧にダメじゃないんだけど、ここのはなかなか……」ゲソッ
シャチ娘「そっかー。確かにすごかったよね。写真みてみよっ♪」
シャチ娘「一男……なんか、凄いことになってるね。買わないでおく……?」
男「いやいや、折角だから買っとこうよ。」
シャチ娘「確かにこんな一男、なかなか見られないかもね。ふふっ。」
シャチ娘「次は?」
男「なんか平和なのないかなー?」
シャチ娘「お化け屋敷とか?」
男「平和かな、それ……でもどんなのかは気になるし、試しに行ってみようか。」
シャチ娘「そうしよ!」
スタッフ「ではどうぞー」
男「結構本格的だね。」
シャチ娘「確かに……」
ドンッ
男「おおっ……。岩がひとりでに。」
シャチ娘「へぇー。なるほどこういう仕組みね。」マジマジ
スウーッ
男「うおっ、幽霊っぽいのがとおった……。」
シャチ娘「すごーい!スクリーンもなにもないのに、どうやってるのかな?」キャッキャッ
男「分かれ道だね。」
シャチ娘「……」キューキュー
シャチ娘「……左はすっごく狭いけど殆どなにもなくて、右は今までと広さは変わらないけど仕掛けがいっぱいって感じかな。どっちにしろ合流するみたい。」
男(エコーロケーション……なんたるチート……)
シャチ娘「どっちがいい?個人的には右!」
男「じゃあそっちで。」
シャチ娘「オッケー!」
シャチ娘「面白かったね!右で正解だったよ。」
男「それは何より。……と、また分かれ道。」
シャチ娘「……」キューキュー
シャチ娘「左は行き止まり、右が出口だね。」
男「じゃあ出口でいいかな?」
シャチ娘「うん!私は満足だよ。」
シャチ娘「すごかったねー!」キャッキャッ
男「うん!なかなか面白かったよ。」
スタッフ「……。」ポカーン
スタッフ(割に怖いって評判なんだけどなー?)
男「結構いい時間だね。お昼食べようか。」
シャチ娘「ごめんね。私があんまりお化け屋敷の観察に時間かけたから……」
男「全然。むしろ怖いはずのアトラクションが楽しいのになったのはビックリだよ。エコーロケーションも見られたし。」ニコニコ
シャチ娘「あ、聞こえてた……?」
男「そりゃ、まあ。」
シャチ娘「あの声聞かれるのちょっと恥ずかしい……。なんか媚びてるみたいで嫌じゃない?」//////
男「そんなことない。むしろ可愛かったよ?」
シャチ娘「もうっ!」バシッ
男「あうっ」
男「それで、お昼はどうする?クジラ料理は無さそうだけど。」
シャチ娘「特に食べられないとかはないよ?お母さんがクジラ以外作るのが苦手なだけで。」
男「そうなの?じゃあ、行きたいお店をエコーロケーションで――」
バシッ
男「オウフ」
シャチ娘「恥ずかしいってばー!もう!」
男「ごめんごめん。」ニヤニヤ
何だかんだで園内の名物レストラン
男「んー。すでに美味しそうな匂い。」クンクン
シャチ娘「ほんと!いい香りだねー!」
男「どれにしようかなー……」
男「僕はこのジャンバラヤかな。」
シャチ娘「じゃあ私は……カルボナーラで。」
男「オーダーするね。」ピンポーン
……
男「ふう、お腹いっぱいだよ。結構量あったね。」
シャチ娘「でもあの量と味であの値段はすごいね。」
男「うん。また来たいな。」
男「さてお昼あと、どうしようか?」
シャチ娘「うーん……。悩むなぁ……。」
シャチ娘「観覧車にはまだ早いしね……」
男「食後だし適当にゲームでもどう?」
シャチ娘「あっ、賛成!」
ゲームコーナー
シャチ娘「おおっ、クレーンゲームのプライズにシャチのぬいぐるみが!」
シャチ娘「これはやるしか……!」チャリン
ウィーン ウィーン……
シャチ娘「……!」ドキドキ
ポロ
シャチ娘「ぐぬぬ……」チャリン
ポロ
シャチ娘「……。」チャリン
キューキュー
男「ははっ、エコーロケーションしても取るのはアームだよ。」ニコニコ
シャチ娘「知ってるし!」//////
ポロ
10クレジット目失敗
シャチ娘「むううぅ……。」
男「なら、今度は僕が……」チャリン
ウィーン ウィーン……
ゴトン
シャチ娘「おお……!」パアアッ
男「折角だからもうひとつ」チャリン
ゴトン
シャチ娘「一男すごいっ……!って、できるなら最初からやってよぉ!」プクー
男「ごめんごめん、薫が夢中だからつい。」ニヤニヤ
男「ジュース一本おごるからさぁ。」
シャチ娘「そんなに安い雌じゃないもん!一男にはDANCE EV○LUTIONをやってもらうよ!」
シャチ娘「私の後にねっ!」
男「!」ドキッ
男(やな予感しかしない……。)
一男の証言と述懐
私の嫌な予感は――当然と言うべきでしょうか――的中してしまいました。まず薫さまは私にブラウスをお渡しになって、キャミソールに
ミドル丈のスカートという格好になられました。この時点で、薫さまが彼の遊戯に慣れ親しんでいることを私は悟りました。薫さまの肌の
多くが私以外の者の目にさらされることに、些かの不快感を覚えましたが、そうした私の愚劣な思いはすぐに思考の彼方に追いやられまし
た。
何故ならそのとき薫さまは曲を選び終えられ、軽妙ながらも大胆に舞い始められたからです。舞は筐体の画面に映し出される模範のものと
寸分違いません。通りすぎる人々はみな薫さまの舞に見とれておりました。そして薫さまご本人は、あたかもそれが当然であるかのように
観衆へなんとも品よく愛想を振りまくのでした。二曲を終えると一連の遊戯はおしまいになり、薫さまは筐体の前を退かれました。すると、
私の方へ歩み寄り、頬に優しく口づけて「頑張って、一男の番だよ。」とおっしゃいます。観衆の内の不届きなものは、その様をみて悪態
をついておりました。
私の恥辱の舞台は整いました。私は強張った面持ちで筐体に向かい、選曲をし、薫さまの舞とは比較にならぬほどだらしない舞をしたこと
を覚えております。しかし、その間の詳細のことは、もう朧でございます。
シャチ娘「なんだ、振り付け知ってるんじゃん。」プクー
男「十二分に恥ずかしかったよっ!薫より全然下手だし……!」
シャチ娘「よしよし。えらいえらーい」ナデナデギュッ
男「あっ、やめてよぉっ……!人目があるでしょっ!」//////
シャチ娘「はーい、これで帳消しね。一男がもっと下手だったらナデナデとハグは要らなかったんだけどね。」ニヤッ
男「意地悪……。」ムスッ
シャチ娘「あ、こんなことやってたらいい時間だよ!観覧車行こっ!」
男「んー。」
シャチ娘「ごめんね。やり過ぎたよ。」テヘヘ
男「……」
男「観覧車の前にちょっと寄り道……。」
シャチ娘「ん?いいけど……」
男「……」チャリン ピッ ゴトッ
ゴクゴクゴクゴク
男「ぷは……。間接キス。これでほんとにチャラ……。」//////
シャチ娘「ぷっ……あははははっ!」
男「何だよぉ……急に笑いだして。」
シャチ娘「一男、案外可愛いとこあるねっ!ありがと!いただきまーすっ♪」ゴクゴクゴクゴク……
男「観覧車、行こうか。」ニコ
観覧車
スタッフ「では、行ってらっしゃーい」
……
シャチ娘「わ……綺麗……!」キラキラ
男「本当にね。」ニコ
シャチ娘「綺麗な景色で、好きな人がいっしょで……素敵だよね。」
男「……」コク
シャチ娘「隣、行くね。」
ギュッ
男「……!」//////
シャチ娘「どうしたの?急に黙っちゃって。」//////
男「あんまり幸せだから……何て言っていいか……」//////
シャチ娘「一男……好き……大好き。」ベロチュー
男「……!」
シャチ娘「んちゅ、ちゅぱっ……」
男「んっ……んーっ……ちゅっちゅっ……」
シャチ娘「ふふっ。こういうの、初めて?」
男「そりゃ……もちろん……。」
シャチ娘「ちょっとヤな話かもだけどさ。私は初めてではないんだ……。」
男「そう……」
シャチ娘「いい雰囲気になれた男の子、何人かいたの。でも……私、あんまり力あるから怖がられちゃって。シャチだなんて隠してたし、余計にね。」
男「……」
シャチ娘「でも一男はさ『シャチさんと付き合うなら、これくらいの刺激ないと』って言ってくれたでしょ。」
男「うん。」
シャチ娘「それが凄く嬉しかったんだ……。」//////
シャチ娘「だから、一男のこと……大好き……。」チュッチュ
男「僕も薫のこと……大好きだよ……」
ベロチュー……
……
男「そろそろ終わっちゃうね。」
シャチ娘「うん……。」
スタッフ「お疲れ様でしたー。」
帰り道
シャチ娘「本当に楽しかったなー。一男の可愛いとこ見つけちゃったし!」
男「もう、それは言いっこなし!」
シャチ娘「だって本当に可愛かったんだもーん♪」
シャチ娘「じゃあ……今日はありがと。またね。」
チュッ
男「……またね。」//////
とりあえずここで大丈夫そうな書き溜めはここまでです(大人のキスも怪しいような気もしますが……)。
お付き合いくださいました方には篤くお礼申し上げます。
何かお題を頂ければ喜んで書かせていただきます。
>>37
えなにお前逆にシャチかわいいと思えないの
人外娘に釣られて
いいねえ最高だよぉ
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