響子「家事の裏技」 (28)
響子「五十嵐響子家事代行サービスです!」
響子「五十嵐響子家事代行サービスです!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479980411/)
の続き、になるのかもしれません
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480069158
朝 6時
P「すぅ……」
響子「ふわぁ……」
P「Zzz……ふがっ」
響子「ふふっ。可愛い寝顔……」チュッ
P「ぽひぃ……すぅ」
響子「さてと! 旦那様が起きちゃう前に朝ごはん作らなきゃ」
響子(皆さん、おはようございます。元アイドルの五十嵐響子です。今は結婚して苗字も変わっていますが……まぁ、それは置いておい)」
響子「お嫁さんの最初のお仕事は朝食作り……なんですが、昨日から準備していたトイレ掃除を先にやりましょう」
響子「ちょっとここを見せるのは恥ずかしいですけど……実は昨日の夜の寝る前に便器の中にコーラを入れていました」
響子「どうしてそんなことをするかといいますと、コーラの弱酸性成分はトイレの掃除にも役立つんです」
響子「汚れにコーラをかけて翌朝まで置くと、酸が汚れを分解してくれるので水で流すだけでも汚れはきれいに落ちます」
響子「しつこい汚れはコーラを温めてみたり、ブラシや家庭用洗剤と併用する必要がありますが、普段からちゃんとしているので今はこれで大丈夫ですね」
響子メモ
・コーラはトイレ掃除にも役立ちます!安いものなら100円以下でも買えて効果的で経済的なんです
響子「旦那様の朝はトースト派です。昔はトースターを使っていたんですが、一度壊れたことがあって。その時にフライパンで作ってみたところ」
P『! いつもと食感が違う……! サクサクってして、フンワリとしていて……こっちのほうが好きだ』
響子「ということがあったので、以降私はトーストもフライパンで作っています。どうするかというと……」
響子「まずフライパンを強火で熱します。そこにバターを入れて……」
響子「次に食パンを置きますが、真ん中はどうしても焼きにくいので軽く手で押さえるといいと思いますっ」
響子「あーなたにたにっ♪と1分くらい焼くと薄く焦げ目がつきますので、ここでパンを裏返して」
響子「弱火で45秒ほど焼けば……」
響子「はい! 響子流トーストの完成です!」
響子「普通にトースターで焼くよりも短い時間で焼けるので、パンの水分も抜け切らないんです」
響子「つまり中はしっとり、外はカリッとした理想のトーストができちゃいますっ。バターを使うことで香ばしさもいい感じですね」
響子「次は目玉焼きを作ります。旦那様はふんわりとした食感が大好きなんです。だから夜も……コホン!」
響子「ふんわりとした目玉焼きを作るためのコツは2つです。まずは卵を割る時ですが、低いところで割ります」
響子「高いところから落とすと黄身の中の卵黄球と呼ばれる……えーと、分かりやすく言うとお肌のキメのようなものがあるんですけど、それが壊れて固まっちゃうんです」
響子「それを壊さずにわることで、口の中でふわーと広がるふんわりとした目玉焼きが作れちゃいます」
響子「これだけでも旦那様好みの食感になりますが、ここで響子のワンポイント! どうせなら新鮮な卵を使いたいけど手元に無いって時にはこうしましょう」
響子「割った卵の黄身だけをスプーンですくって、それをフライパンに乗せます。勿論この時も卵黄球を壊さないように低いところから優しく……」ジュー
響子「どうしてそんなことをするかというと、黄身だけを先に焼くことで中の水分が飛ばされて生まれたての状態に戻っていくんですっ」
響子「残った白身は混ぜ混ぜして注ぎます。この2つの方法を使うことでふんわり目玉焼きが作れちゃうんですよ!」
響子「後はサラダとウインナーとコーヒーを用意してと……コーヒーにはこれを入れちゃいましょう」
響子「朝ごはんの完成ですっ。では寝ぼすけな旦那様を起こしに行きましょう」
響子メモ 朝ごはん編
・フライパンでトーストを焼くとふんわりカリッとした食感で焼きあがります!
・卵を割るときは低い位置から優しく割りましょう
・黄身をスプーンですくって先にフライパンに入れて後から白身をいれるとふんわりとした目玉焼きができますよ!
・出来上がったコーヒーにあるものを適量入れると……(難易度高め)
P「すぅ……」ジリリリリリ
響子「旦那様は毎日お仕事でお疲れ様なのに、嫌な顔せず私にも構ってくれる素敵な人ですが……ちょっと寝ぼすけさんなんです」
P「うぃ……」ジリリリリリ
響子「目覚まし時計が鳴っているのに、起きる気配はありませんね。そんな時ですが……」
響子「ンーンー(高音)」
P「むっ……」
響子「ンーンー(高音)」
P「ぬあぁ!!」
響子「おはようございます、旦那様っ」
P「お、おはよう響子……」
P「起きられない俺が悪いんだけど、嫁の声とは言え毎回毎回蚊の羽音みたいな音を耳元でやられると結構、来るな……」
響子「目覚ましを沢山鳴らしても中々起きないのは旦那様じゃないですか」
P「だって昨晩は響子が寝かせ……」
響子「はいはい! その話は忘れましょう! それより、朝ごはん出来ていますよっ」
P「あ、ああ」
響子メモ
・朝起きれない人に蚊の羽音を聴かせるといやでも起きますよ!(ちょっと可哀想ですが……)
響子&P「「いただきます」」
P「ズズ……」
響子「どうですか? 今日のコーヒーは」
P「いつもより苦味があるよね。コーヒー変えた?」
響子「ううん、いつもと同じインスタントコーヒーですよ。ただ、麦茶を入れてみたんです」
P「麦茶?」
響子「はい。出来上がったコーヒーに適量の麦茶を入れると苦味と香ばしさが増えるんです」
P「ほへー……」
響子「それともうひとつの隠し味は……」
P「は?」
響子「愛情です!」
P「か、かわええ……」
響子メモ
・インスタントコーヒーに少しの麦茶を入れると、インスタントに不足しがちな香ばしさが増しますよ! 苦味も生まれるので目覚めたばかりの朝にはオススメです
響子「はい、今日のお弁当ですっ」
P「いつもありがとうな、響子。俺にはもったいなさすぎるくらいの奥さんだよ」
響子「感謝されるようなことじゃないですよっ。私お料理大好きですし、外食でお金を使うよりも経済的で栄養もありますから!」
P「さてと、今日もお仕事行ってきます」チュッ
響子「行ってらっしゃい」チュッ
響子メモ
・お弁当の中身が偏ってしまうのを防ぐ方法は簡単です。ご飯とおかずを詰めたらラップを敷き詰めて密着させます。そうすることで真空パックのような状態になり、偏らなくなりますよ!
響子「旦那様がお仕事に行ったからといって、ぐぅたらしていたら奥さん失格です。掃除洗濯と家事はきっちりしないといけませんよね!」
響子「トイレ掃除はさっきやったので、まずはフローリング。今日は気合を入れて頑張ってみますね」
響子「いきなり掃除機を使うとホコリを吸っているようで実は風圧で飛ばしている、ってこともあるんです」
響子「なので手間にはなりますがまずはモップでホコリを絡め取ります。大変ですが、私がキレイにしたお部屋で旦那様と過ごす時間ほど素敵なものはありませんよ!」
響子「次に掃除を使います。フローリングだと溝の部分にゴミがたまりやすくてモップだと取りにくいんですよ」
響子「最近の掃除機は吸引力も強いので、力を入れすぎなくても大丈夫です。却って入れすぎるとフローリングが傷ついちゃいますから、優しくゆっくりと掃除機をかけます」
響子「それが終わると掃除機じゃ取れない皮脂汚れを綺麗に拭いちゃいましょう。食器洗い用の中性洗剤を水2リットルに対して小さじ1,2配分入れて雑巾を木目に沿って拭きましょう」
響子「結構大変ですが、もう少しで終わりですよ! 有名なお話ですが、お米のとぎ汁はワックスの代わりにもなって床をピカピカに磨いてくれます。私はお米を研ぐたびにとぎ汁をストックしているんです」
響子「バケツにとぎ汁を入れて雑巾を浸します。それを強く絞って木目に沿って拭いていきましょう」
響子「雑巾が汚れたら当然水で洗う必要がありますけど、とぎ汁で洗うと汚れちゃうので別の水で洗うようにしてくださいね!」
響子「はい! どうですか? すっごく綺麗になりました! お部屋が綺麗だと、心も綺麗になった気分です!」
響子メモ
・いきなり掃除機をかけるとホコリが飛んじゃうからまずはモップなどでホコリをとっていきましょう!
・お米のとぎ汁はワックスの代わりにもなります!
一方その頃旦那様
後輩男P「わぁ!」
P「おい、どうした……ってあれま。Yシャツにコーヒーこぼしたのか」
後輩女P「後輩男さんこれからクライアントに会いに行く予定なのに、気を付けないからそうなるんですよ」
後輩男P「手厳しいなぁ……でもクリーニングに行く時間はないし、かと言って俺のサイズにあったシャツの代わりはなさそうだし」
後輩女P「ハンカチで拭こうものなら余計広がりそうですしね」
P「ああ、それくらいなら応急処置できるぞ」
後輩男P「えっ、マジですか?」
P「こういうのは濡れたティッシュでシミを軽く濡らして……後輩男、ハンカチ持ってるか?」
後輩男P「それくらい社会人として……忘れていた」
後輩女P「何やっているんですか。ちゃんとこれ洗濯して返してくださいよ」
P「サンキュ。シミの裏側にハンカチを当てて、ティッシュでシミを抑えるように移しとって……最後は乾いたティッシュで水分を拭き取れば」
後輩男P「おお! 目立たなくなりました!」
P「言っておくけど、これは応急処置だからな。帰ったらちゃんと洗濯するんだぞ?」
響子メモ
・外出先で服に水溶性のシミが着いた時は濡れたティッシュでシミを軽く濡らし、裏にハンカチを当ててティッシュでシミを抑えるように移し取ることで応急処置ができますよ!
後輩女P「奥様の影響ですっかり家事上手になりましたね」
P「それはもう、鍛えられているからな」
後輩女P「アイドルのみんなも言っていましたよ。プロダクションで一番家庭的な人はプロデューサーさんだって。まるでおばあちゃんだって」
P「それ、褒められているのでいいのかな」
後輩女P「良いんじゃないでしょうか。今日も愛妻弁当ですか?」
P「上げないからな」
後輩女P「別に食べたいなんて一言も言っていないじゃないですか」
P「おっ、昨日作っていたミニクレープ入っている。中身はいちごかな」
後輩女P「一つ、私にくださいな」
P「おい橘」
戻って奥様
響子「さて、洗濯しなきゃ。旦那様は営業職なのでTシャツやYシャツをよく着るわけですが……」
響子「使っていくうちに、襟の部分からヨレヨレになっていきます。というのも、着脱衣する時も洗う時もここの部分に負担がかかるから、というのが理由なんです」
響子「旦那様には格好よく着こなして欲しいですから、ヨレないように洗濯してみましょう」
響子「襟ぐりを輪ゴムで縛ってから洗濯するだけで、少しは予防できるんですよ!」
響子「あとパジャマは……」スンスン
響子「旦那様に包まれちゃっている……。昨日の夜は旦那様も素敵で……」
響子「……コホン」
響子メモ
・襟がヨレヨレになるのを防ぐには輪ゴムで襟ぐりを縛ってから洗濯しましょう!
・私は、所謂そういう変態的なあれではありません!
仕事終わり!
P「お疲れ、さて帰るかな」
後輩男P「先輩Pのお金で焼肉食べたいです」
後輩女P「右に同じくです」
P「あのなぁ……俺は響子のご飯が待っているから、また今度な」
後輩男P「前もそれ聞きましたよー。たまには後輩Pと情報交換するのも大事な仕事ですよ」
後輩女P「響子さんのご飯を食べていいので、お金だけ置いて帰っていただけたら。私は一人焼肉に行きますので」
P「橘ァ!」
P「ただいまー」
響子「おかえりなさい旦那様! ご飯にします? お風呂にします? それとも……」
P「響子ー!」
響子「きゃー!」
P「って言いたいところだけど、まずはご飯を食べようか」
響子「はいっ! もう準備来ていますよ!」
今日の晩御飯 響子の愛情たっぷりハンバーグセット
響子「それじゃあここで特別に、私特製の肉汁たっぷりハンバーグレシピを公開しちゃいます! 家事えもん? なんのことでしょう?」
食材 2人分
・新玉ねぎ(みじん切り):1/2
・ひき肉:200g
・卵:1個
・高野豆腐:8個
・ナツメグ:少々
・塩:少々
・粗挽きコショウ:少々
コンソメ氷
お湯:150ml
コンソメ粉末:小さじ1
響子の特製ソース(りんごベース)
響子「まずはコンソメ氷を作ります。お湯で溶かしたものを小さめの製氷機で凍らせるんです」
響子「次に玉ねぎをみじん切りにしてレンジで加熱、大体1分半くらいで甘味が引き出せますよ!」
響子「お次はこれ! 高野豆腐を卸金ですります。これがパン粉の代わりになるんですっ」
響子「さっきすった高野豆腐と卵、ナツメグ、塩、粗挽き胡椒、玉ねぎとひき肉を入れて混ぜ混ぜするんですが、手を使わないでスプーンを使います」
響子「どうしてかといいますと、手でやると手の温度で肉の脂が溶けてきて、せっかくのタネもダレてしまうからなんです。なのでしっかりとスプーンでこねましょう!」
響子「成形する際に中にコンソメ氷を4つ入れてハンバーグを成形します。そのときはできれば手を氷水で冷やした方がいいですね」
響子「氷を入れて火が通るか心配になる気持ちも分かります。フライパンに油を敷いて温めるわけですが、この時点で側面も温まるようにLの字を意識しておきます。ハンバーグの側面とフライパンのふちが当たるよう端っこに置くことで効率よく焼けるんです」
響子「この時に両面こんがりと焼き色がつくように1分ほど焼いた後にお湯を入れて8分ほど蒸し焼きにしましょう。この時にソースもかけて一緒に煮込むと肉汁と混ざって旨みが増えます! 4分くらいの曲を2曲歌えば終わっていますよ!」
響子「最後に火を止めて4分蒸らせば出来上がりです!! 勿論愛情を入れ忘れちゃめっ! ですよ」
P「肉汁とりんごの甘味のソースが絡み合って……たまりませんわ!」
響子「ふふっ。美味しそうに食べてくれるのを見ているだけでも、主婦冥利に尽きますね。はい、あーん」
P「おいちぃ……」
響子「あさりのコンソメスープもちゃんと食べてくださいね!」
響子(ちなみに。あさりはせいのつく食べ物、って言われています。この意味は……キャッ///)
P「ほら、響子も」
響子「あーん///」
お風呂上がり
響子「いいお湯でしたね」
P「いつも響子が綺麗にお風呂を掃除してくれているからだよ。疲れも取れる気がするしな。響子がいればその手のお店に行く必要もいてて! 足踏まないで!」
響子「ダメですよ、奥さんがいるのにそういう話したら。ただでさえ旦那様のお仕事の都合上可愛い女の子が沢山近くにいて気が気でないんですから」
P「今のはすまなかったけど、俺は響子以外の女性をそういうふうに見れないから安心してくれよ」
響子「本当ですか? ありすちゃん……今はPって言ったほうが良いかもしれませんけど、久しぶりに会いましたがすごく美人になっていましたよ?」
P「橘は信頼できる後輩だよ。でも最初にあったのが小学生の頃だったし、今でも時々そういうふうに見てしまうから。仮に、仮にだぞ? 響子がいなかったとしても、恋愛とかそういうのはなかったと思うな」
響子「私がいなかったら、ですか……」
P「まぁそんなことはないんだけどな。どこにいても、俺は響子を見つけてアイドルにしていた自信がある。まぁ、正直なところスカウトしたときは結婚するまでは思ってなかったけど……」
響子「今から私が家出しても、見つけてくれますか?」
P「どんな裏技を使ってでも見つけてやる。そんでもって家出したら公衆の面前でハグしてやる。どこにも行かせたくないから」
響子「こんなに強く、ですか?」
P「もっと強いのがよければそうするけど?」
響子「それじゃあ……行きましょっか」
翌朝
響子「んん……」
P「すぅ……」
響子「流石に昨日の夜のは録画して……ませんよね」
響子(実は昨日やけに説明口調だったのは、ビデオに家事を録画していたからでした。私が何らかの事情で家事ができなくなったときに旦那様が引き継げるように、ということで撮っていたんです。本当に、真面目な人だなぁ)
P「響子ぉ……しゅきだぁ」
響子「ふふっ。私が家事できなくなる日は、案外直ぐに来るような気もしますよ?」
終われ
美穂Pですが響子ちゃんに家事の世話をしてもらいたいのは僕だけじゃないと思います、家事の参考になれば嬉しいです。
読んでくださった方、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません