花陽「凛ちゃんは歌わない」 (17)
こんにちは、小泉花陽です。突然ですが、私には大切な幼なじみがひとりいます。それは…
花陽「凛ちゃん」トントン
凛「?」
花陽「日直の仕事終わったから、部活行こう?」
凛「」コクリ
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彼女は星空凛ちゃん、とある事情で喋れない女の子。
花陽「真姫ちゃんは先に行っちゃったの?」
凛「」つスマホ
[作曲のことで海未ちゃんと話し合うんだって]
花陽「そっか」
凛ちゃんはスマホに文字を打ち込んで会話します。一見、テンポ悪く見えちゃうかもしれないけど、私が喋るのが遅くて、凛ちゃんが打つのが速いので、結構成立します
部室
花陽「こんにちは」
凛[こんにちはー]
希「やっほ、おふたりさん」
凛[あれ?副会長]
花陽「どうしたんですか?」
希「生徒会の取材をしにきてるんよ」
希「ふたりもきたし、行こうか」
穂乃果「あれ?にこ先輩はいいんですか?」
希「にこっち?まあいいやろ。そのうちくるよ」
海未「なんて雑な」
ことり「あはは…」
希「じゃあ、うちがナレーションするから、穂乃果ちゃんは好きに動いて」
凛[凛がカメラで撮りましょうか?]
希「あ、ありがとね凛ちゃん」
凛[いえ、マネージャーですから]
そう、凛ちゃんはアイドル研究部のマネージャーなんです。飲み物を作ってくれたり、怪我の手当をしてくれたり、花陽にはダンスのお手本を見せてくれます。でも、私としては…
真姫「ほら、花陽、私たちの番よ」
花陽「あ、ごめんね。ぼーっとしちゃってた」
凛[どんまい]
真姫「ほら、凛。あなたもよ」
凛[え?]
希「凛ちゃんもアイドル研究部なんだから映らないと、ほら、カメラかして」
凛[凛はいいよμ'sの取材だし、それに映るより撮る方が凛はすきだな]
花陽「…凛ちゃん」
帰り道
花陽「ねえ凛ちゃん」
凛「なあにかよちん」
凛ちゃんは花陽とふたりきりの時はお話してくれます。お母さんともおしゃべりしてるし、決して声が出ないわけじゃないんです。ただ、私たち以外の人がいるだけで急に声が出なくなるみたいなんです。
花陽「凛ちゃんはスクールアイドルやりたく、ないの?」
凛「やりたくないわけじゃ…ないよ」
凛「でも、声が出ないスクールアイドルなんて聞いたことないにゃ」
花陽「そうか…そうだよね」
違うでしょ、
凛「それにマネージャーもすっごく楽しいよー」
花陽「そうなんだ…よかった」
よくない、
なにもよくない
それでも、花陽が馬鹿でどうしようもない子だったから、凛ちゃんが結局これからのSomedayを歌うことはなかった。ゲームセンターのダンスエボリューション、凛ちゃんは誰よりも上手かった。決して美しいわけじゃないけど本能的に魅せるダンス、凛ちゃんにしかできないダンス。そして、歌声だってきっとそうなのだ。
そんな中の、ある日
花陽「廃校!?」
真姫「それって…」
凛[凛達でこの学校が終わっちゃうってこと!?]
にこ「そうなるわね」
穂乃果「とにかく、オープンキャンパスでライブをやろう」
穂乃果「それで、入学希望者を増やすしかないよ」
その言葉は穂乃果先輩の必死の決意だった。そして、私たちもその決意に賛同した。
それでも、私たちには感動させるダンスを持っていませんでした。だから海未先輩がある提案をしたんです。
まきぱな『えっ生徒会長に!?』
穂乃果『うん、海未ちゃんがダンスを教わろうって』
海未『はい…あの人のバレーを見て思ったんです、私たちはまだまだだって』
にこ『話があるってそんなこと?』
花陽『でも、生徒会長、私達のこと…』
海未『はい…でも、あんなに踊れる人が、私たちを見たら、素人みたいなものだっていう気持ちも分かるのです』
「潰されかねない、怖い、きっと楽しくなくなる」という意見の中「ダンスがうまい人がいるんだから教わろうって話」だと穂乃果先輩が言って「ちょっと見てみたい」という意見がでてきて、生徒会長に頼むことになりました
『どうなってもしらないわよ』
電話を切ろうと思ったとき、にこ先輩のつぶやきが聞こえました
今日はこれで終わります
ごめんなさい
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