早苗「かんぱーい!」 (16)
瑞樹「かんぱーい!」
菜々「……」
早苗「ぷはー! やっぱり仕事の後に飲むルービーはたまんないわねー♪」
瑞樹「あ、この唐揚げ美味しい」
菜々「……」
早苗「プロデューサー君も呼んだほうがよかったかしら」
瑞樹「女子会しようって言ったのは早苗ちゃんでしょ」
菜々「……」
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早苗「どうしたの菜々ちゃん?」
瑞樹「ドライのほうがよかった? ごめんなさいね。この店キリンしか置いてないみたいなの」
菜々「いや銘柄の問題じゃなくて! なんで私まで……」
瑞樹「あ! 菜々ちゃんひょっとしてハイボール派?」
早苗「かー! まったく最近の若いもんは!」
菜々「じゃなくて! 私一応17歳のJKっていう、その、あれじゃないですか!」
瑞樹「もー。こんなときくらいその設定忘れなさいよ」
菜々「設定って言わないでください!」
早苗「じゃあソフトドリンクにする?」
菜々「……」
菜々「……」
菜々「生で」
早苗「^^」
瑞樹「ナナで……ふふっ」
早苗「楓ちゃんでももっと面白いこと言うわよ」
瑞樹「えーそうかしら」
菜々「……もしファンやマスコミに見つかったらどうしましょう」
瑞樹「17歳設定なんて、どうせバレバレだから大丈夫よ」
菜々「うそぉ!?」
瑞樹「って言うのは冗談で、変装してるから大丈夫よ」
早苗「もーいいから飲め飲めー!」
早苗「すみませーん! 瓶ビール2本とグラス3つください!」
菜々「瓶? ジョッキじゃなくてですか?」
早苗「なーんか、瓶ビールってジョッキとはまた違った感覚で飲めて好きなのよねー」
瑞樹「わかるわ」
菜々「グラス空けるとすぐ注がれちゃうから、ジョッキのときより多く飲んじゃうんですよ~」
瑞樹「わかるわ」
早苗「……」
早苗「この中だったら私が一番美人よね」
瑞樹「わからないわ」
早苗「そこは『わかるわ』って言うとこでしょ!」
……
早苗「みんなビールの銘柄ってなにが好き?」
菜々「プレミアムモルツですかねー」
瑞樹「ギネスかしら」
早苗「お洒落ぶってー! やっぱドライでしょドライ! ドゥルルルルルァァァァイ!」
瑞樹「ほかのお酒だとどう? 例えばカクテルとか」
早苗「カクテルぅ~? ……シャンディガフとか、レッドアイとか?」
瑞樹「ビールばっかりね」
早苗「あいらぶびあーの精神よ! 生が一番だけどね。――あ、お兄さん。瓶ビール3本追加で」
瑞樹「菜々ちゃんは?」
菜々「飲んだことないですけど、XYZが飲んでみたいです」
早苗「なにそれ? なんだー? 菜々ちゃんもお洒落ぶってるのかー!?」
瑞樹「珍しいの知ってるのね。見た目よりそこそこ強いわよあれ」
菜々「あの……シティハンターで見ました」
瑞樹「あー」
……
瑞樹「女子会と言えば恋バナよ、恋バナ!」
瑞樹「菜々ちゃんは誰が好きなの?」
菜々「いや! 私はアイドルですから! 恋愛は御法度ですから!」
瑞樹「私たちもアイドルなんだけど」
早苗「じゃあじゃあ! みんな知ってる人だと、誰がタイプ?」
菜々「えー!」
瑞樹「それってだいぶ絞られるんじゃあ……」
早苗「共通の知り合いじゃなくて、みんなが知ってる人ね。男性アイドルとか居るじゃない」
瑞樹「ああ、なるほど。因みに早苗ちゃんは誰がタイプ?」
早苗「あたしはやっぱり天ヶ瀬冬馬かなー。格好いい」
瑞樹「315プロの? 以外ね。ああいう軟派な感じは駄目なのかと思ってたわ」
早苗「天ヶ瀬冬馬は硬派も硬派! ド硬派よ! 軟派なのは伊集院北斗ね」
瑞樹「Jupiterって、元は961プロに居たのよね?」
早苗「社長と馬が合わなくてケンカ別れしたらしいわよ」
早苗「それからの頑張りとか知ってると、応援したくなっちゃうのよね~」
瑞樹「わかるわ。私たちも頑張らないとね」
早苗「そうね」
早苗「……」
早苗「今日が最高のスタート!」
瑞樹&早苗「だぜっ!」
早苗「あはははは! ハモった!」
瑞樹「くふふふふ! だって振りだったでしょ」
菜々「……」
瑞樹「菜々ちゃん?」
早苗「ひょっとしてよく知らない話題だった? ごめんね」
菜々「プロデューサーさん」ボソ
早苗「え?」
菜々「気になる人……」
瑞樹「……」
早苗「……」
瑞樹「この話はやめましょうか」
早苗「そうね」
菜々「そんな、なんでですか! お二人も教えてくださいよー!」
瑞樹「……」
早苗「……」
菜々「ふえぇぇ~ん!」
……
瑞樹「あら、もうこんな時間」
菜々「そろそろお開きですかね」
早苗「なにー! まだ飲み足りないぞー! 二軒目だー二軒目ー!」
瑞樹「はいはい。明日も仕事でしょ」
菜々「すみませーん! お会計お願いしまーす!」
男店員「はーい! あれ、君……」
菜々「えっ!?」ギクッ
男店員「君可愛いねー! 俺そろそろバイト上がるんだけど、二軒目とかどう?」
菜々「は、はぁ……」ホッ
瑞樹「ちょっとぉ! この美人を差し置いて!」
早苗「そうだそうだ! 菜々ちゃんは渡さないぞー!」ギュ
菜々「ちょ、ちょっと! この状況で名前呼ばないでくださいよ!」
早苗「えー! じゃあウサミ――」スパーン!!
早苗「いったぁ……どこから出したのそのハリセン……」
菜々「まったくもう!」
男店員「あ、あのぉ……」
菜々「お兄さんも! 仕事中なんですから、お客さんナンパしちゃだめでしょ!」
菜々「もう遅いんですから。バイトが終わったらまっすぐ家に帰って、お風呂入って、歯磨きして寝る!」
菜々「わかりましたか!?」
男店員「は……はい」
瑞樹(まるでお母さんだわ)
……
菜々「では私はここで。早苗さん、大丈夫ですか? ちゃんと帰れます?」
早苗「うぅ~……頭痛い」
菜々「もう。飲み過ぎですよ」
早苗「この頭痛は本当にお酒だけなのだろうか」
瑞樹「早苗ちゃんは私が送っていくわ」
早苗「かたじけない」
瑞樹「今日はありがとね。また明日」
菜々「はい! ありがとうございました!」
早苗「バイバイ~イ」ヒラヒラ
……
◆翌日◆
菜々「おはようございますぅ……」
瑞樹「いたたた……」
P「二人ともどうしたんですか? 風邪?」
菜々「二日酔いです……」
瑞樹「昨日、早苗ちゃんの三人で飲んで……」
P「はぁ……まったく、なにやってんですか社会人が……」
P「あれ、そう言えば早苗さんがまだ来てないな」
トゥルルルルルル
P「はい、もしもし」
早苗『あぁ~、プロデューサー君? ごめん。今日二日酔いで無理……』プッ
ツー ツー ツー …
P「」
翌日、3人はこっぴどく怒られました。
おしまい。
以上。山なし落ちなしの三人の日常でした
読んでくださってありがとうございました
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