ある日、都内のとある薬局にて____、
ウィーーン
本田未央「ここが最近新しくできた薬局かぁ~」
島村卯月「あっ、いらっしゃいませーー!」
未央「店員さん?」
卯月「はい、店員の島村卯月です」ニコッ
未央「えっと、薬を買いに来たんですけど」
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卯月「あっ、ごめんなさい。うちの薬局では"コッチ系のドラッグ"は置いてないんですけど」
未央「普通の風邪薬を買いに来たんだけど!? 私そんな風に見える?」
卯月「ちなみに向かいにある『ドラッグストア シブヤ』さんはそういったドラッグまで品揃え豊富です!」
未央「すぐそばにそんな危ない店あるの!? 大丈夫かなこの薬局……」
卯月「大丈夫です。うちの薬局は普通の薬局店ですから」
未央「やって来たお客さんに向かいの薬局を勧める時点で店員としてはアウトだよね。いや、その向かいもアウトだけどさ」
卯月「えっと、確か風邪薬を買いに来たんですか?」
未央「そうそう。弟が熱出して寝ちゃっててさ」
卯月「弟がケツ出して寝てる?」
未央「熱だして! ケツ出して寝てたら余計風邪ひくわ!」
卯月「熱ということは風邪ですかね」
未央「多分ね。それに今の時間病院やってないし、だから応急処置に風邪薬でもと思ってさ」
卯月「なるほど、わかりました。私に任せてください。弟さんの症状を教えていただけますか?」
未央「えっとね、喉が痛くて頭痛もして、あと寒気もするとか言ってたかな」
卯月「ふむふむ」
未央「それと咳、くしゃみ、鼻水に……」
卯月「鼻ピアス?」
未央「鼻ピアスなんてしてないよ! それ風邪の症状じゃなくて非行の症状だから! 鼻づまりだよ」
卯月「鼻づまりですか、なるほど……。なら、咳にはこのお薬が効きますよ」っ
未央「お、咳止めの薬だね」
卯月「そしてくしゃみにはこのシロップがおすすめですよ」っ
未央「へぇ~、シロップもあるんだ」
卯月「それから鼻水と鼻づまりにはこのカプセル錠剤が効きます」っ
未央「なるほど、この三つがあれば大丈夫だね」
卯月「はい。あっ、ちなみにその三つのお薬のせいぶんが一つになったのがこちらにあります」っ
未央「あったんかい!? いや、最初からそれがあるならはやく言ってよ!!」
卯月「ミッツノオクスリノセイブンガヒトツニナッタノガ____」ペラペラ
未央「早口じゃないよ! 誰が薬局で店員さんに早口言葉求めるの!?」
卯月「あっ、そういう意味じゃないんですか」
未央「うん。普通はそういう意味じゃな捉えないよね」
卯月「せっかく買い物かごに入れた三つのお薬を棚に戻してこの薬を買いますか?」
未央「店員さんがお客にそういう言い方やめてくんない? まあ、三つをわざわざわけて買うよりそれ一個で足りるよね」
卯月「はい、お買い上げありがとうございます」ペコリ
未央「あれ? この薬やけに大きくて重たくない?」
卯月「ええ、一回二百錠ですから」
未央「多い!? なんで一度にそんなに飲むの!? もはやもう一食だよねそれ!!」
卯月「ちなみに二百錠分が一錠になったお薬がこちらにあります」っ
未央「早く言えよッ!!」
卯月「ニヒャクジョウブンノセイブンガ____」ペラペラ
未央「そこじゃないよだから!! 誰が早口求めてる!? もうっ、これ買うから」
卯月「はい、ありがとうございます」
未央「あとマスク置いてある?」
卯月「マスク……弟さんプロレスラーですか?」
未央「いや違うから、マスクって普通の風邪予防のマスク?」
卯月「はい、ありますよ」っ
未央「そうそうこれだよこれ。あと熱冷ますシートってある?」
卯月「シートは……栄養ドリンクの棚の横にあります」
未央「栄養ドリンク? ……えっと、栄養ドリンクはどこにあるの?」
卯月「のど飴の横にあります」
未央「……のど飴はどこにあんの?」イラッ
卯月「……栄養ドリンクの横にあります!」ムッ
未央「なんでそっちが怒ってんの!?」
卯月「お買い物は以上でお揃いですか?」
未央「う、うん……」
卯月「それじゃお品をレジまでお持ちしますね」ササッ
未央「ありがとう……」
未央(さっきから変な店員さんだなぁ……。ここはさっさと買い物済ませて家に帰ろうっと)
\シマムラウヅキ~~♪/
未央「えっ!? 」
未央「あの、店員さん?」
卯月「はい。どうかされました?」
未央「今店内に流れたのって……」
\シマムラウヅキ~~♪/
未央「ほら、これこれ!」
卯月「あっ、これお店の名前なんですよ」
未央「そうなの!? この薬局『シマムラウヅキ』っていうんだ」
卯月「そうです」
未央「いきなり流れたからさ、ちょっと驚いちゃって……」
卯月「あはははっ……お大事に~!」
未央「なんで今言ったの!?」
卯月「えっと、ナプキンは紙袋に包みますか?」ガサゴソ
未央「買ってないよね!? 弟に買ってくんだからいらないよ」
卯月「それと、サービスでコンドーム入れておきますね」ニコッ
未央「笑顔でそんなサービスしないでくれる!? 家族に変な誤解されるじゃん!!」
卯月「そうですか……。それじゃ、この島村卯月最新写真集も抜いておきますね」シュン
未央「…………それはいる!」
卯月「それではお会計ですけど、3800円になりますね」
未央「3800円ね……はい、ちょうど」っ
卯月「ありがとうございます。800円のお返しです」っ
未央「じゃあ3000円じゃん!? どうして多く取ったの?」
卯月「ポイントカードお作りしますか?」
未央「ポイントカード? そうだなぁ……この際だし作ろうかな」
卯月「3時間かかりますけどよろしいですか?」
未央「うん、よろしくないねッ!! なんでポイントカード一枚作るのにそんなかかるの!?」
卯月「細かなところまで丁寧にするよう努めてますから」ニコッ
未央「丁寧にする部分を間違えてるよ! ポイントカードいらないよ、弟待たせてるし」
卯月「そうですか。あっ、こちら3000円以上お買い物をされた方に渡してるのでよかったらどうぞ」っ
未央「何これ、チケット?」
卯月「はい。幸●苑の割引チケットです」
未央「なんでラーメン屋の割引チケットが薬局にあんの!? しかも今幸●苑って何かも問題になってるし!!」
卯月「ならこちらの映画チケットと交換しましょうか?」
未央「太っ腹だね!? そっちは普通に欲しいけど……」
卯月「どうぞ。『ファインディングニモ』の映画、楽しんできてくださいね!」
未央「古っ!? もう上映してないよねそれ!? いいよ、チケットいらないから」
卯月「はい、準備が出来ましたよ」っ
未央「うぅぅ……なんだか私まで頭痛くなってきたよ」
卯月「ええ、大丈夫ですか!? ひょっとして弟さんの風邪が移ったのかも」
未央「いや、多分別の理由だと思うよ……」
卯月「そうですよね。馬鹿は風邪ひかないって言いますもんね!」
未央「失礼だろッ!? もう、なんなんだよこの店、二度と来るかァ!!」テクテク
卯月「あっ、行っちゃった……」
未央「ったく、変な薬局に入っちゃったよ。さっさと帰ろう」
未央「……あっ、飲み物買うの忘れちゃったよ! どうしようかな……あの店に戻るのは嫌だし、この辺にコンビニあるかな」キョロキョロ
未央「おっ、あんなところにも薬局がある! 灯りもついてるしまだやってるかな?」
ウィーーン
高垣楓「こんばんは、『カエデ薬局』へようこそ」
未央(さっきの女の子とは違ってまともそうなお姉さんだ。よし、ここなら安心して買い物できそう)
楓「こんな時間にどうされたのかしか?」
未央「えっと、弟が風邪ひいちゃって」
楓「そうですか。なら弟さんはなにかお薬のおにぎり…………ふふっ」
未央「えっ」
楓「……ごめんなさい。お薬のアレルギーはないかしら?」
未央「…………お邪魔しました」
その後、ちゃんみおの弟は症状が悪化して入院しましたとさ。
END
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