女「お前は本当に変わった奴だな」(25)

男友「よし、告白しよう!」

男「………………え?」

男友「俺、今から告白してくる」

男「ちょっと待て、誰に告白するんだ?」

男友「女さんに決まってんだろ!」

男「誰だ?」

男友「は?」

男「えっ?」

男友「お前、軽音部の女さん知らないのか?」

男「へぇー、軽音部なのか?」

男友「………何の為に学校来てるんだよ」

男「勉強しに来てるんだよ」

男友「真面目かっ!」

男「あぁ、真面目だ」

男友「とにかく俺は告白しに行くぞ」

男「いきなりしたって断られるぞ」

男友「いきなりじゃない」

男「?」

男友「これで16回目だ!」

男「………………………」

男友「よし、行くぞ!!」

男「いやいやいや、ちょっと待て!」

───
──


男友「今度こそ結ばれてみせる!」スタスタ

男「全部断られてんのにか…」

男友「今度こそ行ける気がするんだよ」

男「………頑張れよ」

男友「おぅ!!」

男友「ん、あそこにいるのは…!」

女「───────」

男友「女さぁぁぁんん!!」タッタッ

男「急に気持ち悪いな!」

女「ん?また、お前か」

男友「好きです!付き合って下さい」バッ

女友「ひゅーひゅー、モテる女は大変だねー」

女「茶化すなよ、女友」

男友「お願いします!!」

女「はぁ、何回も言うけど私は付き合うつもりないから」

女「だから、ごめん」

男友「…そ、そうですかぁ」ハァ

女友「16連敗かー、流石にキツイんじゃない?」

男友「いえ、俺は諦めません」

女友「流石、若き青年!青春してるねー」

女「いや、いい加減諦めてくれよ」ハァ

女「ん?」チラッ

男「あっ…」

女「お前は、この変わった奴の友達?」

男「一応、そうだな」

女「一応って何だよ」クス

女「友達なら私のことは諦めるよう説得しといてくれよ」

男「あれを説得するのは、大変だぞ」

女「期待してるよ」トン

女「じゃあ、また」スタスタ

女友「ちょ、置いてくなよ!」タッタッ

男「………………」スタスタ

男「ジュース奢るぜ」トン

男友「サンキュー………」

男「どこが好きなんだ?」

男「男勝りでお前のタイプじゃないだろ? 」

男友「お前も女さんの歌を聴けば分かる」

男「歌?」

男友「あぁ、一回聴けば女さんのこと好きになるさ」

男「へぇー、そんなに良い曲なのか」

───
──

男友「ぷはぁ、失恋の後のジュースは上手い!」

男「いや、それどうなんだ?」

男友「あー、女さん素敵だなー」

男(これは、説得なんて無理そうだな)

男「俺は先に帰るぜ」

男友「おーう」

男「ちゃんと帰れよー」スタスタ

次の日

男「お前ちゃんと寝たのか?」

男友「次の告白を考えていた」

男「…もう諦めたらどうだ?」

男友「いいや、諦めない!!」

男「そ、そうか」

男友「次はもっとシチュエーションを…」ブツブツ

男(放って置こう)スタスタ

男「ふぅ………」ピッ

ガチャン

女「朝から辛気臭い顔だな」

男「朝から酷いこと言うな」

女「なら、言わせるなよ」クス

男「何か飲むか?」

女「じゃあ、コーヒーで」ピッ

ガチャン

女「サンキュー」ゴク

男「ブラックコーヒー、良く飲めるな」

女「甘いのは苦手だからな」

女「それで、変わった友人の説得はどうだ?」

男「すまん、無理だ」

女「おい、早くねーか?」

男「アイツの愛は本物だ、受け入れてくれ」

女「断る」

男「早くねーか?」

女「そもそも私は恋愛とか興味ないんだ」

男「今まで付き合ったことは?」

女「ないな」

男「じゃあ、何に興味があるんだ?」

女「歌うこと、それしか私は興味ないよ」

男「歌うのが好きなんだな」

女「私の彼氏みたいなもんだな」

男「………………そうなのか?」

女「お前は付き合ったことあるのか?」ゴクゴク

男「いや、ないなー」ゴクゴク

女「何か興味のあるものは?」

男「これといって…ない」

女「無個性だな」

男「ハッキリ言うなよ!」

女「放課後に体育館来なよ」

男「何かあるのか?」

女「私達、軽音部がゲリラライブやるからさ」

男「何でゲリラなんだ?」

女「教師が演奏する場所をくれないからな」

女「だから、強行突破する」

男「そんなことして、大丈夫なのか…」

女「音楽って自由だろ?」

女「私の歌は誰にも縛らせない」

女「私は好き勝手にやらせてもらうよ」ニコ

男「格好いいな」

女「まぁ、とにかく来なよ」

女「後悔させないからさ」

男「じゃあ、行かせて貰うよ」

女「ライブ前には辛気臭い顔直しときなよ」

男「………おう、わかった」

女「じゃあ、行くよ…コーヒーありがとう」スタスタ

男「また、放課後な」

女「…………」ヒラヒラ

放課後

男友「よし!」ガタッ

男「行くか」ガタッ

男友「おっ?何だ、お前も行くのか」

男「誘われたからな」

男友「なにぃぃ?!女さんに直接誘われたのかよ!」

男「そこは気にすんなよ、ほら行こうぜ」スタスタ

男「ゲリラライブって結構やってるのか?」

男友「今回で三回目だなー」

男友「本当はもっとやる予定だったんだけど」

男友「生徒会と風紀委員に止められてな」

男「風紀委員って本当にいるんだな」

男友「いないと思ってたのか?」

男「活動してるとこなんて見たことないぞ」

男友「まぁ、ここは元々お嬢様高校で問題なんてほとんど起きないからな」

男「共学になったのは数年前くらいらしいな」

男友「共学になっても偏差値は高いまま、本当に苦労したぜ」

男「何でお前みたいな奴が受かるんだろうな」

男友「いや、お前もな!」

男「それで、最近は風紀委員は活動してるのか」

男友「スルーかよ…」

男友「お堅い風紀を女さんがぶち壊してるから大忙しいなんだよ」

男友「ただ、いつも止めにくるのは風紀委員長と生徒会長だけ」

男友「どの生徒が風紀委員なのか分からないのさ」

男「それじゃあ、ライブの情報だって風紀委員に漏れるんじゃないか?」

男友「だから、皆適当に探してるんだよ」

男「えっ?」

男友「誰も今日ゲリラライブやるなんて知らない」

男友「俺はお前から聞いたけどな」ニッ

男「なるほどな…」

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