姉「なにいってんのあんた」
弟「変かなあ」
姉「変もなにも、…。いや、どういう意味」
弟「そのまんまの意味だよ」
姉「…」
弟「…」
姉「多分まずいと思うよ?」
弟「雑食の動物は美味しくないって言うしね」
姉「…」
弟「なんかお腹すかない?」
姉「やだぁああああああああああああもおおおおおおおおお」
弟「うわ」
姉「なになになになに怖い怖い怖いよおおおおお前どうしたのおおおお」
弟「え、うるさいよ」
姉「なんなのマジで!え?なに?真顔で何言ってんの怖すぎ!」
弟「…」
姉「なにキョトンとしてんだよやべーよお前」
弟「耳がキーンってなるからやめて」
姉「…」
姉「いや、ネタ?」
弟「ねた?…お寿司の?」
姉「なんか、怖がらせようとして言ったの?」
弟「ううん」
姉「…あ、お姉ちゃんのこと好きすぎて食べちゃいたい的なやつ?」
弟「うん」
姉「なあんだ、そういうことかあ」
弟「うん」
姉「いやーびっくりしたよ。まじで食べたいとか思ってるかと」
弟「思ってるよ」
姉「ん?」
弟「え?」
姉「…」
弟「なに?」
姉「私を?」
弟「うん」
姉「なんで」
弟「…」
弟「可愛いから」
姉「…」
姉「…なんか変な漫画とか見た?」
弟「え?ううん」
姉「某巨人漫画とか、グール漫画とか」
弟「…」キョトン
姉「…」
姉「ハンニバルレクターって知ってる?」
弟「誰それ」
姉「…」
弟「お腹すいた」
姉「…」
姉「ふっ…」
弟「なに?」
姉「からかってんだろ」
弟「え?」
姉「そうはいかないよ。夏だからってちょっとヒンヤリするいたずら仕掛けたんだろ」
弟「…??」
姉「いやもういいから。はいはい、怖い怖いでちゅねー」
弟「変な顔」
姉「おい」
姉「まあそういう時期ってのもあるけどさー」
弟「なにが」
姉「あれでしょ、人とはちょっと違う自分…みたいなのを演出したいんでしょ」
弟「演出?…うーん」
姉「そういうの、ちゅうにびょーって言うんだよ。病気なの」
弟「へえ、そっか」
姉「そうそう。…そろそろお昼ご飯食べるか」
弟「うん」
姉「今日は素麺な」
弟「えー、またぁー?」
姉「嫌なら食べなくていいでーす」
弟「…もう。いいよ。あ、ネギ切って」
姉「へいへい」
姉「んーふふー」
弟「…」ジー
姉「なに」
弟「お姉ちゃん、体脂肪率は?」
姉「いきなり何聞いてんだ」
弟「わかんないの?」
姉「…分かってるけど何であんたに教えないといけないのよ」
弟「いいじゃん、別に」
姉「やだね」
弟「…」
ムニ
姉「ひゃっ!!」
弟「あ、やわらかい」
姉「ななななにしてんの!!!」
弟「ごめん。つい」
姉「なに!?太ももに肉がついたねとか言いたいの!?気にしてるのに」
弟「そうじゃなくて、」
弟「…美味しそうだなって思って」
姉「…」
弟「沸騰してるよ」
姉「あ、うん」
姉「いただきまーす」
弟「いただきます」
姉「さすがに4日連続素麺は飽きるね」ズゾゾ
弟「んー」ズゾゾ
姉「…」
弟「…」チュル
姉「ねえ」
弟「んー?」
姉「あんた肉嫌いだよね」
弟「うん」
姉「魚もあんまり好きじゃないよね」
弟「あんまりね」
姉「だよね」
弟「ん」チュルチュル
姉「…」
弟「でも、最近食べてみようかなって思ってる」
姉「へー」
弟「好き嫌い、良くないし」
姉「それは偉い」
弟「へへ」
姉「…」
姉(…んん…?)
カナカナカナ
姉「…」ウト
「では鶏肉の下処理の方法を…」
弟「…」ジー
「まず料理酒につけこみ臭みを取り除き…」
弟「…あ、くさいのか」ボソ
弟「…」スクッ
弟「…」スタスタ
姉「…」スー スー
弟「…おねーちゃん」
姉「…」
弟「…」クン
弟(いいにおい)
姉「…んー、」
弟(本当にくさいのかなー。でも、家畜じゃないしな)
姉「…」ゴロン
「さらにショウガ、ニンニクで味を調え…」
姉「…」ゴシゴシ
姉「…ふぁ」
姉「…」
姉「げっ、もうこんな時間」バッ
弟「おはよ」
姉「おはよ、ごめん今夜ご飯…あれ」
弟「作ってみた」
姉「え、まじ?」
弟「うん。カレーだけど」
姉「…」チラ
弟「…」ニコニコ
姉「あ、ありがとう」
弟「いいよ。僕も料理やってみたかったし」
姉「あ、そう…」
弟「もう食べる?」
姉「うん…」
弟「よそってくるから待ってて」
姉「…」
姉(…んんん…??)
弟「はい」
姉「どーも」
弟「いただきまーす」
姉「…」
弟「どうかした?」
姉「肉入ってるよ、あんたの」
弟「ああ、平気。食べてみる」
姉「そ、そう」
弟「…」
姉「…」
弟「何みてんの」
姉「いや、弟が好き嫌いを克服する瞬間を見ておこうと」
弟「変なの」パク
弟「…あ、おいしい」
姉「おお」
弟「うん、美味しいよ。お肉ってこんな味だったんだ」
姉「お、おお」
弟「へー…」
姉「…」
弟「おいしいね、お姉ちゃん」ニコ
姉「…お、おお…」
姉「…」
姉「…」
姉(ねむ)ゴロン
姉(そろそろ寝るかー)
姉(電気消して、…)
姉「…」ピタ
姉「…」クル
姉(ドアに鍵、かけとこ)カチャン
姉(いや別に、いつもかけてないけど。念のため。うん)
姉「…」
姉(念のため)ピッ
姉「…」ポチポチ
姉「お、レアキャラ…」
姉「っしゃ…」
コンコン
姉「」ビクッ
姉「…」バッ
姉(え、今ノック…。いや、気のせいか)
ガチャ
姉「!」ビクッ
ガチャガチャ
姉(ノブが、…回ってる…)
「あれ…」
姉(え、え、え)
「…はぁ」
ガチャ
バタン
姉「…」
姉(あ、これヤバいやつだわ確信したわ)
姉「肉入ってるよ、あんたの」
これどういうこと?
姉「…」
弟「あ、おはよー」
姉「おう」
弟「朝ご飯できてるよ。食べよう」
姉「ん」
弟「いただきまーす」
姉「いただきます」
弟「ちょっと卵焦がしちゃったけど。難しいね」
姉「弟よ」
弟「ん?」
姉「昨日、私の部屋に入ろうとした?」
弟「…」ピタ
姉「夜、…2時くらいに」
弟「…」カチャ
姉「…気のせいだったら、いいけど…」
弟「うん」
姉「…」
弟「でも鍵かかってたね」ニコ
姉「……」
弟「あ、卵半熟なんだよ。すごくない?」
姉「いやそんな話してる場合じゃないでしょ!!!」バン
弟「ひゃ」ビク
姉「え、ちょっと待って。何しに?何しに入ろうとしたの?ねえ?」
>>14
肉嫌いの弟のカレーに肉が入ってた
弟「どうしたのお姉ちゃん」
姉「何で入ろうとしたの!」
弟「…」
姉「なんで!」
弟「寝てるかな、って思って」
姉「ね、…寝てたらなんなの」
弟「…」
姉「ねえ」
弟「ちょっとだけ、貰おうかなーって」
姉「…」
弟「でも、やめた。痛いだろうし」
姉「待って…」
弟「痛いのやだもんね。僕、お姉ちゃん傷つけたいわけじゃないし」
姉「待てって…」
弟「なに?」
姉「これドッキリだったら大賞あげたいレベルで怖いんですけど…」
「あんたの(器に)」ってことか理解した
話の流れ的に「あんたの(人肉が)」と錯覚したわ
弟「え、なんかごめん」
姉「なんかごめんじゃねーよ。どうしたの本当」
弟「…」
姉「人間が人間食べるのはおかしくない?」
弟「おか、…しいかな」
姉「じゃあやめよ?」
弟「うん…」
姉「ね?」
弟「そうだね。ごめん」
姉「…うん」
弟「なんか、気味悪いこと言ってごめん。クラスの人が、人肉は美味しいとか言ってて」
姉「どんな子だよ」
弟「それで、ちょっとだけ興味わいた。ってだけ」
姉「うん、まあ、それもおかしいけどね」
弟「なんか、気になったら何でも試してみたくなっちゃうんだよね」
姉「そういうとこあるよね」
弟「ごめん」
姉「いや、いいんじゃない?ほどほどだったらね」
弟「そっか」
姉「まあ、とにかく…。変なことはもうしないでね」
弟「分かってる。怖がらせてごめん。ちょっとイタズラっていうか」
姉「んだよもー。いや、分かってたけどね?分かってたけどね?」
弟「めっちゃ怖がってたじゃん」
姉「いや怖いから!お前想像してみ、家族に食料として見られるの」
弟「嫌かもなー」
姉「嫌っていうか恐怖だって。もうやめてマジで」
弟「あはは」
姉「んだよー…あー、びびった…」
弟「…」カリカリ
姉(お、勉強してんな)
弟「…」
姉(感心感心)
弟「…」
姉「…」チラ
弟「…」
姉(ん?)
「BMI計算式 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」
「姉 体重50kg 身長158cm」
「BMI指数 20」
姉「…」
弟「20か…」
姉「…なにしてんの」
弟「え?宿題」
姉「姉のBMIを計算するのが宿題なのか?」
弟「うん。体育の」
姉「んなわけないだろ」
弟「そうだもん。自分のはやったから、あと1人データとりなさいって先生が」
姉「ほーーーーーーん」
弟「何」
姉「何で私の身長体重知ってるの?」
弟「健康診断の紙、リビングに散らばってたよ」
姉「うおおおお」ダッ
弟「あはは」
弟「…」
弟(やせ形なのかー)
弟(あ、でも筋肉ないからそのぶん脂肪多いのかな)
弟(体脂肪率ってどう計算すんだろ)
姉「…」ピッ
「あ、もしもしー姉-?」
姉「もしもし。友」
「なんか用ー?てか夏休みどう?暇じゃね?」
姉「んー暇暇。あのさあ」
「なに」
姉「えーと」
「なによ」
姉「弟にさあ、」
「うん」
姉「…食われるかもしれない」
「は?」
姉「いや冗談。ごめん」
「いや意味分からんし。てかさ、数学の演習問題のことなんだけどー…」
姉「はいはい」
姉(…)
姉(あー、どうしよう…)
弟「お姉ちゃん、マリカーやろ」
姉「やだ」
弟「なんで」
姉「今いそがしい」
弟「…」ムス
姉「負けたらアイスおごってくれるんならいいよ」
弟「えー、やだよお」
姉「じゃあやんない」
弟「もお」
姉「…」
弟「暇なのに…」
姉「おい」
弟「なに?」
姉「ちょっとこっち来い」
弟「なになに」
姉「いいから」
姉「…」
弟「え、なに」
姉「えーと」
弟「…?」
姉「あーんして」
弟「何で」
姉「何でも」
弟「嫌だよ」
姉「アイス買ってやるから」
弟「えー…。なんか怖いんだけど」
姉「はやく」
弟「…こう?」
姉「ん」
弟「なんれこんなことするの?」
姉「…」
姉「…」ゴクッ
弟「おへーひゃん?」
姉(…間違いであってくれよ…)スッ
弟「ねえ、らに…」
弟「…んぅっ!」グプ
姉「…」
弟「…」
姉「…」
弟「ゆび、…」
姉「うん」
弟「…」
弟「…」ゴクリ
姉「…」バッ
弟「!げほっ、…げほっ」
姉「……」
弟「もう、いきなり何すんの」
姉「……」
弟「びっくりした…」
姉「…」
弟「どうしたの、お姉ちゃん」
姉「美味しそうだった?」
弟「へ?」
姉「唾、飲んでたから」
弟「何言ってるの」
姉「…」
弟「…」
姉「…」
弟「お姉ちゃん…」
姉「…なに」
弟「もっかいやって、って言ったら怒る?」
姉「…」
弟「…」ジッ
姉「食べるでしょ」
弟「食べないよぉ」
姉「…嘘だ」
弟「本当。ね、もういっかいやって」
姉「無理。…あんたヤバそうだし」
弟「…できないもん。歯で指を噛みちぎるなんて」
姉「…」
弟「それに、お姉ちゃんが痛いのやだし」
姉「本気?」
弟「んー?」
姉「本気で食べたいの?」
弟「…」
弟「うん。少しだけでもいいから」
姉「…」
弟「怖い?」
姉「…病院、いこっか」
弟「病院行っても治らないよ、こういうの」
姉「…パパに帰ってきてもらお。ね?」
弟「パパには内緒にして。お願い」
姉「…でも」
弟「言っても、何の解決にもならないよ」
姉「…」
弟「それより、もういっかいやって」
姉「嫌」
弟「口に入れるだけでいいから。絶対、噛んだりしない」
姉「嫌だ」
弟「…お願い、お姉ちゃん」
姉「無理だって!」
弟「これでやめるから。変なこともう言わないから」
姉「…」
弟「おかしいの分かってるよ…。でも、…」
弟「…ちょっとだけ…。これで最後にするから」
姉「…」
弟「駄目?」
姉「…絶対、噛んだりしない?」
弟「しない」
姉「保証は?」
弟「…お姉ちゃん、スマホ握りながらやったら?何か変なことしたらすぐ警察呼んで」
姉「…」
弟「ね、いい?」
姉「…うん」
姉「…変なの、本当」
弟「ごめん」
姉「…本当に、これだけだからね」
弟「うん」
姉「えと、じゃあ…どうしよ」
弟「手、貸して」
姉「…」
弟「…口に含んでいい?」
姉「…ちょっと、まって…」
姉「…」ハァ ハァ
弟「怖いよね、ごめん」
姉「いや、…なんかしたらぶん殴るから、…。私のほうが強いし…」
弟「そうして」
姉「…よし、…いい。いくよ」
弟「うん」
姉「…」ソッ
弟「ん、ぅ」グプ
姉「……」ゾワ
弟「…っ」
姉「…」
弟「はあ、はぁ」
姉「…き、…気持ち悪い。なんか。なまぬるい」
弟「ねーちゃん」
姉「な、なに」
弟「もっと、奥まで…いれて」
姉「……」
姉「こ、う?」
弟「ん。ね、あのさ」
姉「なに」
弟「ちょっとらけ、…なめていい?」
姉「はあ?…いやそれは…」
弟「ちょっと、れろってする…それらけ、だから」
姉「…あー、はいはい。分かった分かった」
弟「ありがと」チュ
姉「うわ、…」
弟「…ん、ふ…。はぁ、」チュプ
姉「うわぁ…」
弟「はぁ、はぁ」チュプ
姉「……っ」
弟「…きもちわるい?」
姉「うん」
弟「ごめん…」
姉「そう思ってるなら早く終わらせてよ…」
弟「もう、ちょっと。…」レロ
姉「…」
弟「ん、っ。は、…はぁ、…」
姉(…)
姉(なんだこの状況…)
姉(なにこれ…もうあれじゃん……いや何考えてんだよ…違う…いやでも…)
弟「ん、ふっ」カリ
姉「!!!」ビクッ
弟「ねえちゃん…ねえちゃん…っ」カリ
姉「…」
姉「…あ、…噛んでる…?」
弟「ごめんなさい。ちょっとだけ、おねがい。ちょっとだけカプってさせて」
姉「…あのね」
弟「あと3回だけ。おねがい。ぜったい痛くしないから」カリ
姉(神様…)
弟「はぁ、ねーちゃん…」
姉(死にたくない…)
弟「…っ」
姉(こわい…)
弟「…っ、も、…いいよ…」
姉「え!う、うん!」ズッ
弟「はぁ、はぁ」
姉(うわ、…すっげーびしょびしょ)
弟「ごめんね、汚して。…拭くもの、もってこようか?」
姉「あー、うん…そうして」
弟「…んしょ」
姉「…」
姉「はあ…」
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