花丸「善子ちゃん、今日もきてないね」ルビィ「うん……」 (18)

ルビィ「マルちゃんは今日もノート届けに行くの?」

花丸「うん、善子ちゃんは幼稚園の頃のお友達だったし折角同じ高校に入れたんだから一緒に進級して卒業したいから」

花丸「善子ちゃん、根はいい子だからノートを届ければ勉強するはずずら!」

ルビィ「……今日はルビィも行っていい?」

花丸「っ! きっと善子ちゃんも喜ぶずら!」

ルビィ「迷惑じゃないかな?」

花丸「うん! 迷惑なわけないよ!」

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花丸「でも善子ちゃん出てきてくれないんだ……」

ルビィ「そうなの?」

花丸「うん、始めてノートを届けに行ったとき善子ちゃんのお母さんが出てきて『あの子学校で何かあったの?』って聞かれたんだ」

ルビィ「……原因ってあれだよね?」

花丸「うん。自己紹介の後の空気に耐えられなくなっちゃったんだと思う」

花丸「ルビィちゃんはあの自己紹介をどう思った?」

ルビィ「ルビィは――」

――――
――


善子「えいっ、あまぁいっ!」カチカチッ

善子「ふん、その程度じゃヨハネの相手は務まらないわ!」カチカチカチッ

善子「……ん、そろそろ学校が終わる時間じゃない」

善子「まあ、あの学校はヨハネを閉じ込めておくには狭すぎたのよ」

善子「……あの子、今日も来るのかしら」チラッ

善子「こんなに綺麗に板書して、しかもかわいい絵で注釈まで入れてある」ペラペラ

善子「……。幼稚園で一緒だっただけなのにどうしてここまでしてくれるのかしら」

ピンポーン

善子「っ! きた!」

「善子、お友達がノート届けに来てくれたわよ!」

善子「いいっ! 帰ってもらって!」

「そんなこと失礼でしょ!? 毎日毎日届けに来てくれてるのに!」

善子「会いたくない!」

善子「……花丸にはあのいきなり叫んだツインテールの友達がいるじゃない」

善子「なんで私なんて気にかけるのよ……」

花丸「友達だからだよ」

善子「は、なまるぅっ!?」ビクッ

花丸「お母さんが入れてくれたんだ」

善子「だからって人の部屋に勝手に――」

ルビィ「お邪魔します……」ソロソロ

善子「っ! ピギ子!?」

ルビィ「ピギ子!?」

ルビィ「私ピギ子じゃなくてルビィって名前あるのに……」

善子「あっ、ルビィって名前だったのね」

ルビィ「善子ちゃんよりも前に自己紹介したよね!?」

善子「自己紹介――」

花丸「ルビィちゃん!」

ルビィ「あっ……」

善子「何よ、わざわざ笑いに来たの?」

ルビィ「ち、ちがっ――」

善子「善子なんて古臭い名前のくせにヨハネだなんて笑えちゃうって?」

ルビィ「そんなこと思ってないよ……」

善子「帰って」

花丸「え?」

善子「帰ってよ、ヨハネは孤独が似合う堕天使なんだから!」グイグイ

花丸「ちょ、善子ちゃん押さないで!」

ルビィ「――った」ボソッ

善子「何よ?」

ルビィ「かっこよかった!」

善子「は?」

ルビィ「善子ちゃんの自己紹介、すっごくかっこよかった!」

ルビィ「キラキラ輝いてたもん!」

善子「え……?」

ルビィ「クラスのみんなは、ちょっとだけ戸惑っちゃったかもしれないけど」

ルビィ「ルビィには輝いて見えたよ」

ルビィ「まるで、ルビィが大好きなアイドルみたいに!」

善子「あ、いどる……?」

ルビィ「善子ちゃんも、アイドル好きなんでしょ?」

善子「だ、誰がそんな低俗な人間が好むものを――」

ルビィ「沼津の駅前でやってたアイドルイベントで見かけたことあるよ」

善子「っ!」

ルビィ「その善子ちゃんの堕天使とかいうの、アイドルになったらすっごく人気が出ると思う!」

善子「で、でもアイドルなんてそう簡単になれるものじゃないじゃない」

ルビィ「なれるよ」

善子「へ?」

ルビィ「スクールアイドル、2年生の先輩たちが始めるって、善子ちゃんも聞いてたよね?」

善子「あなたが叫んだときね」

ルビィ「そ、それは忘れてくれると嬉しいかな」アハハ

善子「で、でも――」

ルビィ「ねえ、一緒にスクールアイドルやってみない?」

花丸「っ! る、ルビィちゃんはダイヤさんが――」

ルビィ「お姉ちゃんをぎゃふんって言わせるスクールアイドルになる!」

ルビィ「善子ちゃんや、あの先輩たちと一緒ならできる気がするんだ」ニコッ

花丸「ルビィちゃん……」

善子「でもヨハネ、しばらく学校に行ってないし、今更どんな顔で学校いけばいいのよ……」

ルビィ「ルビィが一緒に教室に入ってあげる」

花丸「マルも――」

花丸「……」

花丸「マルも一緒にスクールアイドルにも、教室にも入ってあげる」

花丸「そうすれば全然怖いことなんてないよ?」

ルビィ「マルちゃんもスクールアイドルやってくれるの!?」

花丸「ルビィちゃんの決意に心打たれちゃったずら」エヘヘ

善子「……でも」

ルビィ「善子ちゃん」セナカポンッ

花丸「オラたちがついてるずら」セナカポンッ

善子「……花丸、ルビィ」

花丸「一緒に学校で勉強して、一緒に進級して――」

ルビィ「一緒にスクールアイドル」

マルビィ「「がんばルビィ!!」」ポンッ

善子「わっ、っと、っと!」ステン

ルビィ「転んじゃった……」

花丸「だから背中押すのはやめようって言ったのに……」

善子「――μ'sの逸話ね」ムクッ

ルビィ「っ! やっぱり知ってるの!?」

善子「小泉花陽がμ'sに入るときに星空凛と西木野真姫が背中を押した話でしょ?」

善子「ファンの間では有名な話よ」

ルビィ「やっぱり、善子ちゃんもアイドル大好きだったんだね」ニコッ

善子「それなりに知ってるだけよ、べ、別にμ'sが好きとかじゃないんだから」

善子「……スクールアイドルね、ヨハネにはちょっと力不足かもしれないけど、やってやろうじゃない」

花丸「それを言うなら多分役不足だと――」

善子「――っ!」カアアアアアアアアアア

善子「い、いいのよ! 意味が伝われば!!!」

ルビィ「っ! マルちゃん、善子ちゃん一緒にやってくれるって!」

花丸「うんっ! よかったずら!」

善子「あなたたちがどうしてもって言うからやってあげるんだからね?」

ルビィ「そうだ! 善子ちゃん、腕をこうやって」グッ

善子「え? こ、こう?」

花丸「そうそう、うまいずら」

ルビィ「じゃあ、いくよ! せーのっ!」

マルビィ「「がんばルビィ!!」」

善子「が、がんばるびぃ……!」

ルビィ「やった!」

花丸「きまったね!」

善子「何これ」

ルビィ「ルビィの挨拶! ずっと考えてたの!」

花丸「マルも一緒に考えたんだよ!」

ルビィ「善子ちゃんも友達だし、教えておこうって思って」エヘヘ

善子「とも……っ! そ、そんなのよりヨハネの方が盛り上がると思うけど?」

ルビィ「善子ちゃんのはどんな感じ?」

善子「おはヨハネ! どう?」

花丸「それよりおはよしこの方がいいと思うけど」

ルビィ「おはよしこってかわいい!」

善子「だから善子じゃなくてヨハネ!」

おわり

こんな1年生回があってもいいんじゃないかなって思うんだ

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