ギャリー「ねぇイヴ」
イヴ「?」
ギャリー「最近はお父さんやお母さんとどこかに出かけたの?」
イヴ「……」ブンブン
ギャリー「……そう、出かけてないのね」
イヴ「……」コクリ
ギャリー「……」
イヴ「……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468238415
ギャリー(基本『はい』か『いいえ』で答えられる限りの質問は首を振るか頷くかぐらいしかしないのよね)
ギャリー(だから『はい』とか『いいえ』以外で答えられる質問じゃないとこの子の声を聞くことができないのよね)
ギャリー「……」
イヴ「……」
ギャリー「……」パクパク
イヴ「……」パクパク
ギャリー(『何食べたい』って聞いたら店を指差したわ)
ギャリー「……」
ギャリー(何も喋らないってどういう気持ちなのかしら)
ギャリー(アタシも黙ってみたらこの子の気持ちも分かるかもしれないわね)
ギャリー「……」
イヴ「……」
ギャリー「……」
イヴ「……」
ギャリー「……」
イヴ「……」
ギャリー「……」
イヴ「……」
ギャリー「……」
イヴ「……」
ギャリー(このままじゃ何も始まらないわ)
ギャリー(せめて何をするかだけでも言いましょ)
ギャリー(久しぶりに会えたのに何もしないってのはダメよね)
ギャリー「イヴ」
イヴ「?」
ギャリー「何したい?」
イヴ「……」
ギャリー(いけない、喋らせちゃったわ)
ギャリー(……待って、いけないことじゃないわ。 何言ってんのよアタシ)
イヴ「……ギャリーの好きなこと」
ギャリー「……アタシの好きなこと?」
イヴ「……」コクリ
ギャリー「……優しいわね、イヴは」
ギャリー「じゃあアタシ……散歩がしたいわ」
ギャリー「いいかしら?」
イヴ「……」コクリ
ギャリー「ありがとう……じゃあ行きましょうか」
イヴ「……」コクリ
ギャリー「……」スタスタ
イヴ「……」スタスタ
ギャリー(……歩いてる時、何を考えてるのかしら)
ギャリー「……」スタスタ
ギャリー(あーもう駄目だわアタシ。 喋りたくて仕方がない)
ギャリー(折角久しぶりに会えたのに全然喋らないって悲しいじゃない)
ギャリー「イヴはそうじゃないの?」
イヴ「……?」
ギャリー「あらやだ、声に出てたわ」
ギャリー「……なんでもないわ、ごめんなさい」
イヴ「……」
ギャリー「ええ、本当になんでもないの」
イヴ「……」コクリ
ギャリー(自分の気持ちを他人に押しつけちゃいけないわね)
ギャリー「……あのベンチで休憩しましょうか」
イヴ「……」コクリ
ギャリー「……」
ギャリー(イヴは今、どんな気持ちなのかしら)
ギャリー(……実は楽しくなかったりとか?)
ギャリー(だって……好きな人といたら……いっぱい喋りたくなるじゃない)
ギャリー「……ねぇイヴ」
イヴ「zzz……」
ギャリー「……あら、寝てるのね」
ギャリー(……疲れちゃったのかしら)
ギャリー(そういえば今日は一日中外を歩いていたものね)
ギャリー「……」
イヴ「……ギャリー」
ギャリー「!!」
ギャリー(いつもはアタシをツンツンして呼ぶイヴが……アタシを呼んでくれた!!)
イヴ「……一緒にいて」
ギャリー「!!!!」
イヴ「zzz……」
ギャリー「……!」
ギャリー(……寝言?)
イヴ「zzz……」
ギャリー(……だったみたいね)
ギャリー「……」
ギャリー(そうよね……アタシ、まだこの子のことを何も分かってなかったわ)
ギャリー(一緒にいるってだけで……幸せじゃない……楽しいじゃない)
イヴ「……」ムクッ
ギャリー「よく寝た?」
イヴ「……」コクリ
ギャリー「そう……ならよかったわ」
ギャリー「イヴ……時間は大丈夫?」
イヴ「……」ブンブン
ギャリー「そう……もう帰らないといけないのね」
ギャリー「じゃあまた……今度会いましょ」
イヴ「……」コクリ……
ギャリー「バイバイイヴ」
イヴ「……」ノシ
ギャリー「……」
ギャリー(手を振ってる姿も可愛いわね)
ギャリー(そうよね……あの子はあの子の性格があるもの)
ギャリー(それにしても礼儀正しくて大人しくて大人びて……ご両親がしっかりしてるからかしらね)
イヴ「……」
イヴ(ギャリーがかっこよすぎて緊張してまともに話せなかった)
~終わり~
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません