チノ「ご注文はゾンビですか?」 (33)

チュンチュン

チノ「ふぁー……もう朝ですか。ん?」

ココア「zzz」

チノ「何でココアさんが私のベッドで……」

チノ「ココアさん、朝ですよ。起きてください」ユサユサ

ココア「んー、……もっとごはんが食べたいようー」

チノ「何言ってるんですか、早く起きてください」

チノ「ほら、こんなに天気もいいのに」

チノ「あれ?」


チノ「窓が……割れている?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467216230

ココア「ふあーあ……あ、おはようー……チノちゃん」

チノ「あ、おはようございます。ココアさん、これ」

ココア「ん、どうしたの?」

チノ「窓が……窓が割れているんです」

ココア「窓……」

チノ「いったい誰がこんなことを……」

ココア「割れてないよ」

チノ「えっ」

ココア「窓、割れてないよ。チノちゃん」

チノ「え、でも……」

ココア「も~、チノちゃんったら寝ぼけてるの? 窓なんて全然割れてないよ」

チノ「でも、確かに……」

ココア「ほら、チノちゃん。早く着替えて下降りようよ。顔も洗ってちゃんと目を覚まさなきゃね」

チノ「は、はあ……」

ココア「大丈夫、チノちゃん? しょうがないなあ、それじゃあお姉ちゃんが着替え手伝ってあげるよっ」

チノ「ちょ! いいです! 自分で着替えられますから」

―1階―

千夜「あ、おはようココアちゃん。チノちゃんも」

ココア「おはよう千夜ちゃん。今日も早いねー」

チノ「千夜さん、おはようございま……えっ?」

千夜「どうしたの、チノちゃん?」

チノ「えっと、その……何で千夜さんが家に? 今日、平日ですよね? こんな朝早くに」

千夜「あらあら、どうしちゃったの、チノちゃん。今は夏休みよ。チノちゃんの家でお泊り会をしているんじゃない」

チノ「お泊り会?」

ココア「チノちゃんったら、今日は朝から寝ぼけてて」

千夜「そうなの。チノちゃんにしては珍しいわね」

チノ(お泊り会? 嘘です。そんなことをしていた覚えはないですし、昨日だって学校に行って……)

チノ(昨日だって……)

チノ(あれ? ……昨日のことが、よく思い出せない)


リゼ「おはよう、チノ」

チノ「あ、リゼさん。……も、いるんですか」

ココア「おはようーリゼちゃん」

リゼ「ああ、おはよう」

チノ「え?」

リゼ「ん、どうした?」

チノ「あの、リゼさん。何で……シャベルなんて抱えてるんですか」

リゼ「ああ、モデルガンじゃやつらに対抗できないからな。シャベルはいいぞ。
近接戦闘では打突武器として有用だし、塹壕を掘る道具にもなる。第一次世界大戦時には――」

チノ「あ、あの……リゼさん、聞いていいですか?」

リゼ「何だ?」

チノ「『やつら』って……誰のことですか?」

リゼ「あっ」

千夜「……」

ココア「……」

リゼ「あ、あれだよ。仮想敵国の戦闘員だ。世の中、何が起こるか分からないから、常に最悪の事態を想定して備えることが大事なんだ」

チノ「はあ……」

シャロ「先輩、かっこいい!」

チノ「あ、シャロさん」

シャロ「おはよう、チノちゃん。昨日はよく眠れた?」

チノ「え? あ、はい」

シャロ「そう……ならよかったわ」

チノ「シャロさん?」

千夜「みんな揃ったことだし、そろそろ朝ごはんにしましょうか」

シャロ「そうね」

ココア「もうお腹ペコペコだよー」


「いただきます」

ココア「今日はごちそうだねー」

リゼ「ああ、アメリカのレーションより断然うまい」

千夜「シャロちゃんにはちょっと贅沢過ぎる食卓だったかしら」

シャロ「千夜、それどういう意味ー?」

チノ「……」

チノ(缶詰ばかりの……食卓)

チノ「あの、ココアさん」

ココア「なーに、チノちゃん」

チノ「何も朝から缶詰を食べなくても……」

ココア「あー、だってほら、他に食べ物なんて……」

チノ「え?」

リゼ「あーほら、あれだ! 私達は今、過酷な戦場で生き抜くための模擬サバイバルをやっているんだ。な、シャロ!」

シャロ「え、あっ……そう、そうなのよ。あと……ダイエット込みでみんな食べる量を減らしてるのよ」

チノ「そう……なんですか。でも、せめて飲み物は欲しいですよね。私、コーヒーを入れてきます」

千夜「チノちゃん、戦場ではコーヒーなんて飲めないわ」

リゼ「それに、水は大切だから、少しずつ飲まないとな」

チノ「……」

チノ「わかりました」


「ごちそうさまでした」

千夜「片づけは私が。2人はゆくっりしてていいわ」

ココア「ありがとう、千夜ちゃん。それじゃ、チノちゃん、上にあがろっか」

チノ「は、はい」

スタスタ

千夜「……」

リゼ「……」

シャロ「……」

千夜「チノちゃんね、『お泊り会』のこと忘れちゃってたみたいなの」

リゼ「それで、いろいろと聞いてきたのか。ちょっとヒヤヒヤしたよ」

シャロ「もしかして、記憶……戻ってきたの?」

千夜「でも、思い出してはいないんじゃないかしら。――あの日のことを」

リゼ「ああ。思い出していたら……あんなに冷静でいられないだろう」

―チノの部屋―

チノ「……」

ココア「どうしたのー、チノちゃん。浮かない顔して」

ココア「せっかくお休みなんだからいっぱい遊ぼうよ」

ココア「外は暑いから家の中がいいよね。チノちゃん、インドア派だもんね」

ココア「何する? ボトルシップ作るの手伝ってあげようか。それともパズルやる? それともみんなでトランプとか――」

チノ「ココアさん、もうひとつ、聞いていいですか?」

ココア「……んー、なに、チノちゃん?」

チノ「おじいちゃ……ティッピーは、どこですか?」

ココア「……」

チノ「それと、お父さんは……どこにいるんですか?」

ココア「……」

チノ「ココアさん、答えてください」

ココア「……」

ココア「えっとね、タカヒロさんは……ちょっと街の様子を見てくるって言って……それで」

チノ「街の様子を? どういう意味ですか? 何かあったんですか」

ココア「う、それは……」

チノ「はっきり言ってください。ココアさん」

ココア「……」

チノ「ココアさん!」

ココア「……ごめんね」

チノ「ココアさん、ひどいです」

ココア「チ、チノちゃん」

チノ「ココアさんだけじゃありません。リゼさんもシャロさんも千夜さんも……隠し事をしていますよね」

チノ「どうして隠すんですか。どうして私にだけ教えてくれないんですか」

チノ「私だけ……」

ココア「だって……だって……だって」

ココア「う……うぅ……あぁ……」

チノ「ココアさん!? な、何で泣くんですか……」

ココア「だっで……ほんどのこど……いっだら……チノちゃん……」ぎゅっ

チノ「なっ」

ココア「チノぢゃん……悲しむもん……うう……ひっく……」

チノ「ココア……さん」


リゼ「ココア。話してあげよう、チノにも」

シャロ「……」

千夜「……」

チノ「リゼさん」

ココア「リゼちゃん……で、でも……」

シャロ「ココア。いつまでも隠し通せることではないわ」

ココア「シャロちゃん……」

千夜「でもねチノちゃん。本当のことを知ったら、チノちゃん、凄くショックを受けると思うの」

チノ「……」

リゼ「それでも知る覚悟があるなら、全部話すよ。大丈夫か、チノ」

チノ「大丈夫です」

ココア「チノちゃん……」

チノ「ココアさんがこんなに泣いてしまうようなことを……私だけ知らないなんて」

チノ「そんなの嫌です」

チノ「理由が分かれば、私にもできることはあるかもしれません」

チノ「だから……教えてください!」

ココア「チノちゃん……そんなに私のこと想ってくれてたなんて……お姉ちゃん嬉しいぉよ~」ぎゅううう

チノ「ちょっ……ココアさん、苦しいっ」

リゼ「じゃあ、説明するから。下に降りよう」

千夜「下に?」

シャロ「ここじゃダメなんですか?」

リゼ「ああ。こうなったからには……『実物』を見てもらった方が、分かりやすいだろうからな」

千夜「……」

シャロ「……」

ココア「……」

チノ(……実物?)

―倉庫―

ギィィィ

シャロ「近づいても大丈夫なんでしょうか」

リゼ「鎖で繋いでるから、ある程度距離を取っておけば大丈夫さ」

ガサ……ゴソ……

チノ「物音? 何かいるんですか」

千夜「……」

ココア「……」

チノ(! あの後ろ姿は)

チノ「ティッピー!」

千夜「あ、ダメよ! チノちゃん」

ココア「近づいちゃダメ!」

チノ「ど、どうしてですか? そこにティッピーがいるんですよ。何で止めるんですか」

シャロ「落ち着いて……よく見て、チノちゃん」

リゼ「あれはもう元の毛玉……ティッピーじゃないんだ」

チノ「え……」


ティッピー「ォ・・・ォオ・・・・オォ・・・」ギギギギギギ


チノ「おじい……ちゃん……?」

このSSまとめへのコメント

1 :  京王5000系5731Fゆき   2017年11月28日 (火) 23:01:16   ID: BOx3FvFV

がっこうぐらしネタwwwwwwwww

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom