日向「大変だ！！！」


伊勢「わっ！　びっくりした……。日向、急にどうしたのさー」


日向「伊勢、これを見てくれ」


伊勢「あ、今日発売の週刊青葉じゃん。んー何々……『巻頭グラビア葛城。フルフラットの魅力』」


日向「違う、次のページだ」


伊勢「えーっと……『高速戦艦の会結成　鎮守府に広がる課外活動ブーム』　へー金剛たち面白いことやってるんだね」


日向「龍驤たちも何やら『フルフラット会』たるものを立ち上げたと聞くし、妙高型は密かに『足柄応援団』の結成を企んでいるとも耳にした」


日向「そこでだ！我々も同好会を立ち上げる必要があると思うんだ」


伊勢「なるほど、じゃあ『低速戦艦の会』ってことね」


日向「伊勢……君は何を聞いていたんだ……単なる戦艦の時代は終わったんだぞ、時代は航空戦艦だ！」


伊勢「あっ……やっぱり」


日向「となれば善は急げだ！　人員を集めるしかあるまい！！」

ーーーー
ーー扶桑姉妹の部屋


山城「嫌です」


日向「な、何をいうんだ不幸型の妹！　ついに血迷ったか！！　その飛行甲板は何のためのものだ！！」


伊勢「ごめんねー山城、実はさー……」


山城「伊勢さん、説明は結構です。この人の考えそうな事は大凡わかりますから」


扶桑「山城、何もそうズケズケと言わなくても……」


日向「やはり航空戦艦同士考える事は共通というわけか。それなら尚の事！」

山城「ふー……いいですか？そもそも私達航空戦艦はたった4隻です。一方高速戦艦は7隻でうち3隻が海外艦。土地になれない海外艦が寮での生活を円滑に送れる様結成するという大義名分があります」


山城「『フルフラットの会』も噂になっている『足柄応援団』も、提督が憐憫の感情故に認可をくだしたそうです。大義名分も同情していただくような点も私達にはありません」


日向「いや、哀れみなら不幸型。君たちが全部背負い込んでるじゃないか」


山城「あ゛？！」


扶桑「山城！　落ち着いて！！」


伊勢「はいはい！　ストップ！　そこまで！　山城ごめんねー、あとで日向にはきつく言っとくからさ」


山城「……」

伊勢「……でも、あながち無い意見ではないと思うんだよね」


扶桑「え？」


日向「『航空戦艦の会』…最初は私も日向がまた暴走してると思ったんだけどさー……私達って艦種が少ないし、同時出撃する海域が多くないじゃん？」


山城「そりゃあ…」


日向「だからそういう意味でも情報共有や団結って大事だと思うんだよね」


扶桑「たしかにそうね　どうしても姉妹二人で居ることが多いですしー……」


伊勢「そそ、それに同じ航空戦艦で二人姉妹で、共通点は多いんだから仲良くして損はないと思うんだよ」


扶桑「そうね。私も賛成です」


山城「扶桑姉様がそういうのなら……」


日向「よし！満場一致だな！」

日向「……とは言え、やはり大義名分が必要だな」


山城「だから言ったのに……」


扶桑「水上機の運用技術向上の為……とかかしら？」


日向「それじゃあ弱いな。それにここの鎮守府の戦力的に気がついたら『航空巡洋艦の会』になっていそうだ」


山城「否定出来ない……」


伊勢「じゃあさ、署名を集めるってのは？　賛同者が多ければ提督もケチつけづらいし」


日向「それだ！」

ーーーー
ーー駆逐艦寮　


日向「吹雪！ここに判を押せ！！」


吹雪「え？！　きゅ、急にどうしたんです？」


伊勢「ごめんねー、実はかくかくしかじかで……」


吹雪「なるほど！　それは楽しそうですね、私も作っちゃおうかなー。特型駆逐艦の会」


日向「やめておけ、吹雪。巨大勢力すぎる。まぁ何にしても協力的で助かるよ。さすがは扶桑に憧れているだけはあるな！」


伊勢「あっ……日向それ以上は……」


吹雪「いやー実はですね……」


伊勢「いいから！　早く押して！じゃあ次行こう次！！」


日向「伊勢、そんなに慌ててどうしたんだ？」


扶桑・山城「不幸だわ……」

駆逐艦寮　廊下


扶桑「それにしても中々居づらいわね……」


山城「駆逐艦寮なんて滅多に来ませんものね。視線が痛いです……」


？？？「スゲェ！見たことない戦艦だぁ！！」


日向「君は……清霜か。いいことを教えてやろう、私達は戦艦ではない」


日向「航　空　戦　艦　で　あ　る　！　！」

清霜「航空戦艦？　戦艦じゃないの？」


日向「清霜よ、先頭は航空戦、砲雷撃戦、夜戦に分別されるのは知っているか？」


清霜「うん。当たり前でしょ。戦艦になるために私だってそれくらい覚えてるよ。ふっふーん」


日向「戦艦は砲雷撃戦と夜戦にしか参加できないな。だが私達は違う、航空戦にも参加できるんだ」


清霜「！？」


山城（この娘……チョロい！）


山城「そうよ、制空権を確保し、砲雷撃戦では大口径砲を放ち夜戦に入るまでもなく敵を蹂躙する。それが私達航空戦艦」


清霜「すげぇ……」


日向「絶対数は少ないが、それは私達のレベルまで到達できる戦艦が少ないからと言える。つまり戦艦を超えた戦艦こそが航空戦艦」


山城「清霜さん、あなたは見どころがあります。今度一緒に出撃しましょうね」


日向・山城「時代は……？」


清霜「航空戦艦！」


日向「じゃあここに判をしてくれたまえ」


伊勢「……第二の吹雪ちゃんをにならないことを願うわ」


扶桑「伊勢さん、それ以上言わないで……」

ーーーー
ーー軽巡洋艦寮


日向「夕張ー！　いるかー！！」


夕張「な、急にどうしたんです？」


日向「判を押せ！」


夕張「え、何？　ちょ、わけわかんないですよー」


扶桑「実はですね、かくかくしかじかで……」


夕張「……なるほど、そういうことだったんですね。でも今日は夜警明けで貯まったアニメ見てもう寝ようかな～って……明日でもいいです？」

＼いつまでふたりでいるのかな～♪／


日向「いつも潜水艦哨戒をしている仲じゃないか！それに君だけが水上機をつめない」


夕張「何がいいたいんです……？」


日向「我々が航空戦艦の会を結成し発言権を手にした暁には、君に水上機を積めるようにする！」


＼おいしくできたらいただきます♪／


夕張「別にいまのままの自分で満足していますし気に入ってますから！」


日向「いつも私の瑞雲をウットリした目で見ていたじゃないか！」


＼しらないままでもいいのかな～♪／


夕張「気のせいです！」


日向&BGM『本当の気持ちは』


夕張「秘密でも何でもありません！わかりました！押しますからー！！」


日向「素直でよろしい」

ーーーー
ーー提督執務室前


扶桑「結構集まりましたね」


伊勢「戦艦はLittorioが『扶桑型の艦橋は素晴らしい！Artです！』って言って喜んで署名してくれたよー併せて高速戦艦の会のメンバーも署名してくれたよ」


扶桑「こちらは加賀さんが快く署名してくれました。何やら『イベント海域で突っ立ってるのは嫌ですから』とか言ってましたけど」


山城「重巡・航巡の分も結構集まりました。最上が『一二型かぁ～日向さんにおねだりしようかな～』と言っていたのが気になりますけど……」


日向「よし！これで有無は言わせないぞ！いざ勝負！！」