朋「まゆちゃんとユニットを組むかもしれない」 (59)

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まゆ「まゆの運命の人は朋さんだった」
まゆ「まゆの運命の人は朋さんだった」 - SSまとめ速報
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朋「おはようございまーす」

まゆ「おはようございます」

ちひろ「あら、二人ともおはようございます」

ちひろ「一緒に来るなんて珍しいですね」

朋「……というか、たぶんはじめてよね」

まゆ「そうですねぇ」

まゆ「まあいろいろありましたから」

朋「……そうね」

ちひろ「……?」

もばP「あ、二人ともおはよう」

まゆ「……プロデューサーさん」

朋「おはよ」

まゆ「おはようございます」

モバP「ちょっと二人に話したいことあるから来てくれるか?」

朋「話したいこと?」

モバP「ああ」

まゆ「……わかりました」

朋「何の話かしら?」ヒソヒソ

まゆ「なんでしょう……?」ヒソヒソ

朋「……やっぱり、昨日の話?」ヒソヒソ

まゆ「この流れだとやっぱりそうなりますよね」ヒソヒソ

朋「……どうなったのかしら?」ヒソヒソ

まゆ「……きっと、これからわかりますよ」ヒソヒソ

もばP「さて」

もばP「二人に話したいことがあるんだ」

まゆ「……」

もばP「実は――いや、実はってほどでもないんだけどさ」

朋「……」

もばP「二人にユニットを組んでもらうかもしれない」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……へ?」

もばP「いや、だから二人でユニットを組んでもらうかもしれないんだ」

まゆ「ユニット、ですか?」

もばP「ああ」

>>3 修正

朋「何の話かしら?」ヒソヒソ

まゆ「なんでしょう……?」ヒソヒソ

朋「……やっぱり、昨日の話?」ヒソヒソ

まゆ「この流れだとやっぱりそうなりますよね」ヒソヒソ

朋「……どうなったのかしら?」ヒソヒソ

まゆ「……これからわかりますよ」ヒソヒソ

モバP「さて」

モバP「二人に話したいことがあるんだ」

まゆ「……」

モバP「実は――いや、実はってほどでもないんだけどさ」

朋「……」

モバP「二人にユニットを組んでもらうかもしれない」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……へ?」

モバP「だから、二人でユニットを組んでもらうかもしれないんだ」

まゆ「ユニット、ですか?」

モバP「ああ」

モバP「昨日、二人で占いしてただろ?」

朋「……まあ、してたわね」

モバP「それで気づいたんだ」

モバP「そういえば、二人は共通点があるってな」

まゆ「共通点……?」

モバP「ああ」

モバP「二人とも、運命を信じてるだろ?」

朋「あたしは……まあ」

まゆ「まゆは……」

朋「……」

モバP「共通項があるなら、ユニットにしてみたら面白いんじゃないかと思ったんだ」

モバP「それに……まあ、ティンと来たっていうのもあってな」

朋「ティンと……ねぇ……」

モバP「……まあ、まだ確定事項じゃないんだけどさ」

朋「さっきも言ってたわよね、『かもしれない』って」

モバP「俺の一存だけでは決められないからな」

モバP「だからまだ確定してるわけじゃない」

モバP「……もし、二人が嫌だって言うなら止めることだってできる」

朋「……」

まゆ「……」

まゆ「まゆは、やってみたいです」

朋「!」

まゆ「ちょうど、朋さんともっと仲良くなりたいと考えていましたから」

まゆ「それに……運命を信じてますから」

朋「……」

朋「あたしも、やってみたい」

朋「理由はほとんどまゆちゃんと同じだけど……」

朋「……だから、ユニットを組んでどうなるかなんてぜんぜん考えてないしわかんないけど」

朋「でも、組めるのなら、組んでみたいわ」

モバP「……まあ、提案した俺が言うのもなんだけど、確かにどうなるかはわからない」

モバP「だけど、二人って結構愛称がいいと思うんだ」

朋「そう?」

モバP「主観だけどな」

モバP「だから失敗には終わらないはずだ」

まゆ「……」

モバP「それじゃあ、組む方向性で進めるな」

朋「わかった」

まゆ「わかりました」

モバP「じゃ、話はこれで終わりだ」

モバP「また話が進展したら伝えるな」

まゆ「はい」

モバP「それじゃあ――」

朋「――あ、ちょっと待って!」

モバP「ん?」

朋「えっと……」

朋「……」

モバP「どした?」

まゆ「……」

朋「……えっと」

朋「……」

朋「……あのさ」

朋「ユニット名とかもあたしたちで考えたほうがいいの?」

モバP「ん、いや考えろとは言わないけど」

モバP「ただ、これがいいとか案があるなら考慮はするよ」

朋「考慮なのね」

モバP「仮に変な名前だったら採用できないだろ?」

朋「……それもそうね」

モバP「他には何もないか?」

朋「……あたしは、もう」

まゆ「……まゆもです」

モバP「わかった」

モバP「じゃ、そういうことで」

朋「ん」

まゆ「お仕事頑張ってくださいねぇ」

モバP「ああ、ありがとう」

朋「……」

まゆ「……」

まゆ「あの、朋さん?」

まゆ「さっき聞こうとしたのって、やっぱり昨日の……」

朋「……うん」

朋「どうなったのかって聞こうと思ったんだけどね」

朋「……聞けなかったわ」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「どうだったんでしょうか」

朋「ちひろさんも普段どおりみたいだったし……聞かなきゃわかんないわよね」

朋「だけど……」

朋「……あたし、弱虫なのかしら」

朋「聞く勇気がぜんぜん出てこないの」

まゆ「……」

朋「……」

朋「……そういえばまゆちゃん、この後は?」

まゆ「まゆは午後までは何もありませんねぇ」

朋「そうなの?」

朋「じゃあ、もっとゆっくりしててもよかったんじゃない?」

まゆ「せっかくなので朋ちゃんと一緒に事務所に来てみたいと思ったんです」

朋「……そっか」

まゆ「はい……」

朋「ありがと、ふふ」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「……あと」

まゆ「やっぱり、プロデューサーさんに早く会いたくて」

まゆ「今までずっとそうしてましたから……」

まゆ「でも……今日だけは、ちょっと違う理由だったかもしれません」

まゆ「今日、早く来て、まゆは……」

まゆ「……」

まゆ「……まゆも、聞こうと思ってました」

まゆ「思ってはいたんです」

まゆ「……」

朋「……あたしたち、本当に似たもの同士だったのかもね」

まゆ「かもしれません」

まゆ「プロデューサーさんの相性がいいっていう言葉も間違ってないかもしれませんね」

朋「そうね……」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「……朋さんは……午前からですか?」

朋「そうね、レッスンが――」

ちひろ「――朋ちゃん」

朋「ひゃっ!」

朋「ち、ちひろさん……?」

ちひろ「そこまで驚かれるとは思いませんでした……」

朋「あはは……ごめんなさい」

朋「それで、何ですか?」

ちひろ「いえ、そろそろレッスン場に向かわないとまずいんじゃないでしょうか?」

朋「えっ……あ!」

朋「本当だ、遅れちゃう!」

朋「ごめんまゆちゃん、もう行くね!」

まゆ「頑張ってくださいねぇ」

朋「ありがとっ、じゃ!」

まゆ「……」

まゆ「……」

ちひろ「まゆちゃんはしばらくここにいるんですか?」

まゆ「はい」

まゆ「本でも読んで時間をつぶすつもりです」

ちひろ「そうですか……じゃあ、何かあったら呼んでくださいね」

まゆ「……わかりました」

まゆ「……」

まゆ「……」

まゆ「……」

まゆ「……」

まゆ「……ぁ」

まゆ「……」

まゆ「あの……ちひろさん」

ちひろ「……呼びました?」

まゆ「はい……あの、少し聞きたいことがあって」

ちひろ「聞きたいことですか?」

まゆ「はい」

ちひろ「ちょっと待ってくださいね……キリのいいところまで終わらせるので……」

ちひろ「……っと、終わりました」

ちひろ「それで、なんでしょう?」

まゆ「えっと……」

まゆ「……」

ちひろ「……?」

まゆ「……」

まゆ「……ちひろさんは、まゆ達がユニットを組むかもってことを知ってますか?」

ちひろ「はい、プロデューサーさんから聞きましたから」

まゆ「そうですか……」

ちひろ「いいユニットになると思いますよ」

まゆ「ありがとうございます……うふ」

まゆ「……」

ちひろ「……」

ちひろ「……ええと」

まゆ「あ……」

まゆ「……」

まゆ「……」ギュッ

まゆ「……うん」

まゆ「……あの、ちひろさん」

ちひろ「はい?」

まゆ「……」

まゆ「……」

まゆ「……プロデューサーさんと」

まゆ「……」

まゆ「プロデューサーさんと……その……」

まゆ「……」

ちひろ「……」

ちひろ「……プロデューサーさんが言ってました」

ちひろ「二人が後押ししてくれたって」

まゆ「……」

ちひろ「まゆちゃんが聞きたいのはその話ですよね?」

まゆ「……はい」

ちひろ「……」

まゆ「……」

ちひろ「……結論だけ言うなら」

ちひろ「私は、彼からのプロポーズを受けました――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


朋「はぁ~……今日も疲れたぁ……」ゴロン

朋「本当にベッドって気持ちいい……」

朋「……」

朋「まゆちゃんとユニットかぁ……」

朋「どうなるんだろう……」

朋「どんなユニットになるのかな……」

朋「……」

朋「……」コンコン

朋「……ノック?」

朋「誰かしら……はーい!」

朋「なにー?」ガチャ

まゆ「こんばんは、朋さん」

朋「あ、まゆちゃん、こんばんは」

朋「どしたの?」

まゆ「ちょっとお話したくて……」

まゆ「来ちゃいました、うふ」

朋「来ちゃったのねー」

朋「じゃ、とりあえず中に入って」

まゆ「ありがとうございます」

朋「どうぞ」

朋「昨日と違って炭酸はないから冷たいお茶だけど」

まゆ「ありがとうございます」

まゆ「んくっ……ふぅ」

まゆ「やっぱり冷たいお茶のほうが飲みやすいですね」

朋「まあそりゃあね」

朋「……それで」

朋「何のお話しましょうか?」

まゆ「ああ、それなんですけど」

まゆ「……」

朋「……?」

まゆ「……あの後」

朋「あの後?」

朋「……あ、私がレッスンに行った後?」

まゆ「はい」

まゆ「あの後、まゆ、ちひろさんに聞いたんです」

朋「!」

まゆ「どうなったのかって聞きました」

まゆ「……色々と話してましたけど」

まゆ「要点だけまとめるなら、プロデューサーさんのプロポーズは成功したみたいです」

朋「……そっか」

まゆ「はい……」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……まゆちゃんは強いわね」

朋「あたしにはできなかったのに」

まゆ「そんなことありません」

まゆ「まゆも、まゆだけだったらできませんでしたから」

朋「……まゆちゃん以外に誰かいたの?」

まゆ「いえ、そうじゃなく――」

まゆ「――朋さんがいたからできたんです」

朋「あたしが?」

まゆ「はい」

朋「あたしはその場にいなかったけど……」

まゆ「確かにそうですけど」

まゆ「朋さんが聞きたいと思ってたことを、朋さん自身から聞きました」

まゆ「知りたかったって思いを受け取ってました」

朋「……」

まゆ「朋さんの知りたかったって思いを」

まゆ「まゆの知りたいって思いにのせて」

まゆ「……二人分のその思いがあったから」

まゆ「まゆは聞くことができたんだと思います」

朋「……」

まゆ「まゆも、一人だったら絶対に聞けなかったから……」

朋「……」

朋「それでも、聞けたって事はすごいと思うわ」

朋「だって、辛かったでしょ?」

まゆ「……」

朋「……ありがとう、まゆちゃん」

朋「それとごめんね、まゆちゃん」

まゆ「いえ……」

まゆ「……」

朋「……」

朋「……それにしても」

朋「やっぱり成功したのね」

まゆ「はい」

まゆ「ちひろさん……すごくうれしそうに話してました」

朋「……」

まゆ「……いずれみんなにも伝えるつもりとも言ってました」

朋「……あたしたちはもう知ってるから、ある意味ラッキーなのかしら?」

朋「伝えられたときのショックはみんなより弱くなりそうだし……」

まゆ「……すでにそのショックを経験してますからね」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……まあ、これで」

朋「確かに二人は運命の人同士だったってことがわかったわね」

まゆ「……そうですね」

まゆ「運命のつながりが実際にあるってわかりました」

朋「そうね」

朋「あたしたち二人のつながりも実際にあるんでしょうね」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「まゆたち二人のつながりはどうなるんでしょうか?」

朋「……とりあえずはユニットって形になるみたいだけど」

まゆ「そうですね」

まゆ「うふ……どんなユニットになるんでしょうか?」

朋「楽しみね」

朋「どうする、ユニット名とかも考えちゃう?」

まゆ「そうですね……また今度、ちょっと考えてみたいです」

まゆ「今日は……ちょっと、できそうにないですから」

まゆ「悲しい言葉ばかり出ちゃいそうで」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……ね、まゆちゃん」

朋「明日暇?」

まゆ「明日ですか……?」

まゆ「えっと……まゆは何もなかったはずです」

朋「そっか」

朋「じゃ、明日二人でどこか遊びに行かない?」

まゆ「遊びに……」

朋「せっかくユニットを組むなら親睦を深めたいじゃない?」

朋「どうかしら?」

まゆ「……はい」

まゆ「一緒に遊びに行きましょう」

朋「……さて、もうそろそろ就寝時間になっちゃうけど」

朋「まゆちゃん、今日はどうする?」

まゆ「今日は……」

まゆ「……」

まゆ「……部屋に戻ります」

朋「そう……」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「いつまでも、朋さんの迷惑になるわけにはいきません」

朋「あたしは迷惑だなんて思ってないわよ」

朋(実際、あたしだって助かってたわけだし……)

まゆ「……それでも、ずっと頼るわけにはいきませんから」

まゆ「今日は、戻ります」

朋「わかったわ」

まゆ「……」

朋「……」

朋「……ねぇ、まゆちゃん」

まゆ「はい?」

朋「まゆちゃんって何座だったっけ?」

まゆ「乙女座ですけど……」

朋「乙女座ね……えっと……」

朋「今月の運勢は……っと」

まゆ「……占いですかぁ?」

朋「うん、雑誌の占い欄見てるだけだけどね……えっと……ラッキーアイテムは……」

朋「ぬいぐるみ……ねぇ」

朋「……そこにおいてるのでいいかしら?」

まゆ「……?」

朋「はい、まゆちゃん、これ貸すわ」

まゆ「……このぬいぐるみを?」

朋「うん」

朋「……これ、今月のまゆちゃんのラッキーアイテムだし」

朋「あと……まあ、ぬいぐるみがそばにいれば寂しくないかと思って」

まゆ「……」

朋「……子供扱いしすぎかしら?」

まゆ「いえ……ありがとうございます」

まゆ「明日返しますねぇ」

朋「それじゃあ、また明日」

まゆ「はい、また明日」

まゆ「……明日、楽しみにしてますね」

朋「あたしも楽しみにしてる」

まゆ「では……」

朋「……」

朋「……」バタン

朋「……そっか」

朋「やっぱり、結ばれたんだ」

朋「……プロデューサーさんも」

朋「ちひろさんも」

朋「幸せになるといいわね」

朋「……」

朋「……あたしも」

朋「あたしも……」

朋「……」

朋「……」

朋「……」

朋「明日、楽しみね」

朋「うん……明日」

朋「……」

朋「早く寝て明日に備えよ」

朋「……」

朋「……」

朋(……あたしも)

朋(結ばれたかったな……)

朋「……」

朋「……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「……」

まゆ(プロデューサーさんは、もうまゆを見てくれない)

まゆ(プロデューサーさんの1番は、もうちひろさんになっちゃって)

まゆ(だから、どれだけ頑張ってもまゆは1番にはなれなくて)

まゆ「……」ギュゥ

まゆ(……ぬいぐるみがあってよかったかも)

まゆ(ぎゅって抱きしめると、ちょっとだけ気持ちが楽になる……)

まゆ(朋さん、ありがとう……本当に今月の……少なくとも今日のラッキーアイテムだったみたいです)

まゆ(……でも、楽になるのはちょっとだけ)

まゆ(本当にちょっとだけ……ほんの少し……)

まゆ(ちょっとでも気を抜くと、悲しみで溢れそうで……)

まゆ「……」ギュゥゥ

まゆ「……」

まゆ「……」

まゆ「……」ギュゥゥゥ

まゆ「……」

まゆ「……」

まゆ(……まゆも)

まゆ(結ばれたかった……)

まゆ「……」

まゆ「……」

まゆ「……」

とりあえず今日はここまで

続きは近いうちに

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ(……結局昨日はあまり眠れませんでした)

まゆ(朋さんと遊ぶのも楽しみだったのもありますが)

まゆ(それ以上に……悲しくて……)

まゆ(今だって……)

まゆ「……」

まゆ「……このままじゃいけませんよね」

まゆ「切り替えなきゃ……」

まゆ「……」

まゆ「……」

朋「おまたせ、まゆちゃん」

まゆ「いえ、ぜんぜん待ってませんよ」

まゆ「……朋さん、昨日は……あの、ぬいぐるみ……ありがとうございました」

まゆ「その……恥ずかしいですけど、すごく役に立ちました」

朋「よかった」

朋「なんだったらずっと使っててもいいわよ」

まゆ「いえ、それは……」

朋「あれってラッキーアイテムになってたから買っただけの奴だしね」

まゆ「それなら、またラッキーアイテムになったときに必要じゃないですか?」

朋「そのときはまた買えばいいし」

まゆ「……」

まゆ「わかりました、大切にしますね」

朋「うん」

朋「……さて、ここで立ち話しててもなんだし、行きましょうか」

まゆ「そうですね」

まゆ「……でも、どこに遊びに行くんですか?」

朋「あー、それなんだけどね」

朋「ゲーセンに行こうかなって」

まゆ「ゲーセン……ですか?」

朋「そ、ゲーセン」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「ゲームセンターなんて……来るの初めてです」

朋「まあ、そんな気はしてたわ」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「……ええっと、何して遊ぶんですか?」

朋「そうねぇ」

朋「とりあえずエアホッケーでもしましょ」

まゆ「エアホッケー……」

まゆ「……テレビで見たことはあります」

朋「その見たことのある奴と同じよ、たぶん」

朋「えっと……あったあった」

朋「それじゃ、やりましょ」

まゆ「……できるでしょうか?」

朋「これをパーンって打つだけだから簡単よ」

まゆ「……」

朋「ま、とりあえずやってみましょ」

まゆ「えっと……これを打つんですよね」

朋「そうよ」

朋「どこからでもかかってきなさい!」

まゆ「……」

まゆ「え、えいっ!」カコン

まゆ「わっ、早――」

まゆ「――ひゃっ!」カラン

まゆ「……壁にぶつかってまゆのところに帰ってきたんですけど……」

朋「……ある意味見事だったわ」

まゆ「びっくりしました……」

まゆ「まゆが想像してるよりずっと早く動いて……」

朋「あはは……でも、だいたいどんな感じかわかったでしょ?」

まゆ「はい……心してかからないとですね」

朋「いや、そこまで意気込まなくてもいいんだけど」

まゆ「それじゃ、行きますね、朋さん」

まゆ「えいっ!」カコン

朋「来たわね!」カコン

まゆ「きゃっ!」カコン

朋「それっ!」カコン

まゆ「やっ!」カコン

朋「あっ!」カラン

まゆ「あ……やった……!」

朋「くっ……負けないわよ!」

朋「それっ!」カコン

まゆ「えいっ!」カコン


………………

…………

……

朋「せやっ!」カコン

まゆ「あっ!」カラン

朋「やった、あたしの勝ちっ!」

まゆ「……むぅ」

まゆ「悔しいです……」

朋「ふふっ、さすがに始めてやった子には負けないわよ!」

まゆ「……」

まゆ「熟練の朋さんから何点か取りましたし……」

朋「や、あたしは別に熟練ってわけでもないけど」

まゆ「……」

まゆ「……あの、朋さん」

まゆ「もう一回やりましょう?」

朋「もちろんいいわよ!」

朋「次も負けないから!」

まゆ「まゆだって負けません……!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「や、やった……勝ちました……!」

朋「あー、負けちゃった……」

まゆ「うふ……うれしい……!」

まゆ「やった……やった……!」

朋「……」

朋「……でも、これ以外はあたし全部勝ってるし」

まゆ「う……」

まゆ「……」

まゆ「……もう一回やりましょう?」

まゆ「まゆが勝ち越すまで……!」

朋「後何回やるつもりなのよ……」

朋「そんなにやってたら日が暮れちゃうわ」

まゆ「うぅ……」

朋「……まあ、今日はもう終わりだけど」

朋「今度来たときにまたやりましょ?」

まゆ「……そうですね」

まゆ「次はまゆが勝ちますから……!」

朋「ふふっ」

朋「じゃ、次行きましょうか」

まゆ「次は何するんですか?」

朋「何しましょうか……」

朋「んー、ガンシューティングゲームとか?」

まゆ「ガンシューティング……?」

朋「ほら、あれとか」

まゆ「……」

まゆ「……あの、怖そうなのはパスで……」

朋「あ、まゆちゃんってホラーとか苦手?」

まゆ「……はい」

朋「そっか……じゃ、違うのにしましょうか」

朋「えーっと……うーん……」

まゆ「……」

まゆ「……あ」

朋「ん?」

朋「何か気になったのあった?」

まゆ「いえ……あのぬいぐるみ可愛いなって」

朋「ん……あ、UFOキャッチャーね」

朋「せっかくだから挑戦してみる?」

まゆ「そうですね……」

まゆ「せっかくですし……このぬいぐるみも可愛いですし」

まゆ「えいっ」チャリン

朋「操作方法はわかるわよね?」

まゆ「やったことはないですけど……書いてますから」

まゆ「ええっと……これで横に動かして――」ポチッ

まゆ「あ、押しちゃった……!」ピクッ

朋「……しかもすぐ離しちゃったわね」

まゆ「……」

朋「……ドンマイ」

まゆ「うぅ……1回分無駄にしちゃいました……」

まゆ「もう一回……」チャリン

まゆ「えっと……横がこの辺で……」ポチー

まゆ「縦が……ここでしょうか……?」ポチー

まゆ「よし、取ってください……!」

まゆ「……あ!」

まゆ「……」

まゆ「あ……」

まゆ「……持ち上がっただけでした」

朋「よくある奴ね」

まゆ「これ本当に取れるんでしょうか……?」

朋「きっと取れるんだろうけど……」

朋「よっし、次はあたしが挑戦するわ!」

朋「だめだった……」

まゆ「まゆと同じような感じでしたね……」

朋「あたしもあまりやったことないから……」

朋「……でも見て、まゆちゃん」

まゆ「?」

朋「ちょっとだけ穴に近づいた気がしない?」

まゆ「……」

まゆ「近づいてますか……?」

朋「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ!」

まゆ「……」

朋「つまり、何回かプレイすればいつかとれる……!」

まゆ「えぇ……」

朋「だって、このまま取れなかったらすごい悔しいじゃない!」

朋「まゆちゃんだって悔しいでしょ?」

まゆ「……」

まゆ「……悔しいですけど」

朋「よね!」

朋「じゃ、頑張りましょ、これ取るために!」

まゆ(……いくらかかるんでしょう)

朋「よっし、行くわ!」チャリン

朋「ここで……ここで……行けっ!」

朋「……あ、見て!」

朋「掴んで運ぶのは無理だったけど……でもだいぶ近づいたわ!」

まゆ「!」

朋「この調子ならいけるわね!」

まゆ「……はい」

まゆ「行けそうですね……!」

朋「ねっ!」

まゆ「じゃあ、次はまゆが……!」

朋「いけーっ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「……」ドキドキ

朋「……」ドキドキ

まゆ「!」

朋「!」

まゆ「やった、取れました!」

朋「やったわね!」

朋「イェイ!」パン

まゆ「いぇいっ!」パン

朋「いやー……後ちょっとからが本当に長かったわね」

まゆ「ですね……」

まゆ「何回もあきらめようかと思いましたけど……でも、あきらめなくてよかったと思います」

まゆ「ちゃんと取れましたから……うふ」

朋「そうね」

朋「やっぱり今日の運勢はバッチリだった!」

まゆ「今日運勢よかったんですか?」

朋「うん、テレビの星座占いで1位だったの」

朋「ちゃんとラッキーアイテムも持ってきてるしね」

朋「ほら、かざぐるま」

まゆ「……かざぐるまだったんですか」

朋「うん」

朋「用意しやすいやつでよかったわ」

まゆ「……」

朋「さて、じゃ、次は――」

まゆ「――あ、その前に」

まゆ「朋さん」

朋「ん?」

まゆ「このぬいぐるみ、どうぞ」

朋「……」

朋「……へ、あたしに?」

まゆ「はい」

まゆ「昨日のぬいぐるみはいただきましたから……そのお返しです、うふ」

朋「や……でも、まゆちゃん欲しかったんじゃないの?」

まゆ「確かに可愛いですけど」

まゆ「まゆはもう朋さんからぬいぐるみもらっちゃいましたから」

朋「……」

まゆ「二人でとったものですからプレゼント……とはちょっと違いますけど」

まゆ「受け取ってくれませんか?」

朋「……」

まゆ「……」

朋「わかった」

朋「ありがとう、まゆちゃん」

朋「大切にするわね!」

まゆ「うふふ……」

朋「で、じゃあ次なんだけど……」

朋「ね、あっちにプリクラあるみたいなんだけどさ」

朋「一緒に撮りましょ」

まゆ「いいですよ」

まゆ「……プリクラの中って狭いですねぇ」

朋「二人だけだったらまだ広い方だと思うけどね」

朋「あ、ほら、ポーズだって」

朋「イェイっ!」

まゆ「え……い、いぇいっ!」パシャッ

朋「……」

まゆ「……」

朋「……見切れちゃってるわ」

朋「もうちょっと近づかなきゃ、まゆちゃん」クイッ

まゆ「きゃっ!」

朋「ほら、次来るわよ」

まゆ「あ、え、えっと……」

まゆ「ピースっ」

朋「ピースっ!」パシャッ

朋「いい感じね」

まゆ「……あと、あとどんなポーズ――」

朋「変に頑張らなくても、いつものまゆちゃんみたいな感じでもいいと思うわよ」

まゆ「いつものまゆ……」

朋「えへっ!」

まゆ「うふ……」パシャッ

朋「……」

まゆ「……」

まゆ「この写真だとまゆの方がお姉さんみたいですねぇ」

朋「思ったけど言わないでおこうと思ったのに!」

まゆ「うふふ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


朋「ふぅ……ゲーセン楽しかったぁ」

まゆ「はい、とっても……」

まゆ「また今度来ましょうねぇ」

朋「もちろん!」

まゆ「……次はエアホッケー負けませんから」

まゆ「勝ち越しますから……!」

朋「……まゆちゃんって結構負けず嫌いよね」

まゆ「朋さんも人のことは言えないと思いますけど……」

朋「……」

まゆ「……」

朋「ふふっ」

まゆ「うふふ」

朋「……さて」

朋「そろそろいい時間なんだけど、どうしよっか?」

朋「何食べる?」

まゆ「それなんですけど」

朋「ん?」

まゆ「実は……まゆ、お弁当作ってきたんです」

朋「あ、そなの?」

朋「じゃ、あたしの分だけどこかで――」

まゆ「――朋さんの分も作ってきましたよぉ」

朋「……へ?」

まゆ「だから……そうですね、そこの公園で食べましょう?」

まゆ「はい、どうぞ」

朋「本当に作ってきてくれてる……」

まゆ「まゆの分だけ作るなんて意地悪なことしませんよぉ」

朋「ありがとう……」パカッ

朋「わっ、美味しそう……!」

まゆ「はい、お箸です」

朋「ありがと」

朋「じゃ、いただきます!」

まゆ「いただきます」

朋「あむ……」

朋「んーっ、おいしいっ!」

まゆ「……うん、うまくできてるみたいです」

まゆ「よかった……うふ」

朋「まゆちゃんって、料理上手なのね」

まゆ「昔からママのお手伝いしてまして」

まゆ「その頃から、ずっと好きだったんです」

朋「料理が?」

まゆ「はい」

まゆ「それと美味しいって言ってもらえるのが」

まゆ「……うふふ、ありがとうございます、朋さん」

朋「や、お礼を言うのはこっちよ」

朋「これ本当に美味しいわ」

朋「お箸が止まらないんだもん……あむっ」

まゆ「うふふ」

朋「ごちそうさまでした!」

朋「いやー、本当ごちそうだった……本当に美味しかった!」

まゆ「……そこまで褒められると照れますね」

朋「さて……」

まゆ「……あ」

まゆ「すいません、急いで食べますねぇ」

朋「別にいいわよ、のんびりで」

朋「この後も予定があるわけじゃないんだから」

まゆ「そうですか……」

朋「むしろ、一気に食べてむせたりお腹が痛くなったりしたほうが困るわ」

まゆ「……じゃあ、このままのペースでいただきますねぇ」

朋「うん、待ってるわ」

まゆ「……もぐ」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「……ごくん」

まゆ「あの、朋さん」

朋「ん?」

まゆ「待っててくれるのはうれしいんですけど……ずっと見られるのは恥ずかしいです」

朋「あ、ごめん」

まゆ「ごちそうさまでした」

まゆ「ふぅ、お待たせしました」

朋「ううん、別に待ってないわ」

まゆ「次はどこに行きますか?」

朋「んー……まだ考えてないのよね」

朋「まゆちゃんは行きたいところとかある?」

まゆ「まゆは……」

まゆ「……」

まゆ「ど、どこでも……?」

朋「一番困る奴ね」

まゆ「ですよね……ごめんなさい」

まゆ「でも、本当に特に行きたい場所があるわけじゃないので……」

朋「そっか……」

朋「んじゃ、次の目的地が決まるまでここでのんびりしましょ」

まゆ「のんびり……」

朋「そうそう、ずっと立ってて疲れたしね」

まゆ「そうですね」

まゆ「天気がよくてよかった……うふ」

朋「雨だったらこんなにのんびりできないだろうしね」

まゆ「それどころかたぶん外に出てないかもしれません」

朋「あ、確かに、ふふっ」

朋「……しかし、やっぱりまゆちゃんがお姉ちゃんっぽいよね」

まゆ「あ、さっきの写真ですか?」

朋「そうそう」

朋「……まゆちゃんの方が小さいのに」

まゆ「うふふ」

まゆ「朋さんははしゃいでましたから」

朋「逆にまゆちゃんは落ち着いてたしね」

まゆ「朋さん見たくはしゃいだことってあまりなかったので……」

まゆ「……もっとはしゃいだ方がよかったでしょうか?」

朋「や、まあ無理してはしゃぐよりこっちのほうがまゆちゃんっぽくていいと思うわ」

まゆ「そうですか……よかった」

朋「……あたしももっと落ち着いたらまゆちゃんよりお姉ちゃんに見えるかしら?」

朋「最近いろんな人に実年齢よりも若いとか言われるし……」

まゆ「試してみますか?」

朋「……誰に判定してもらうのよ」

まゆ「……その辺を通りすがった人とか?」

朋「いや、ダメでしょ」

まゆ「ですよねぇ」

まゆ「……でも、朋さん」

まゆ「まゆは朋さんのことをお姉ちゃんだと思ってますよ」

まゆ「傍から見たら、っていうのはともかくとして」

朋「そう?」

まゆ「はい」

まゆ「今日だってリードしてくれてるのは朋さんですから」

まゆ「まゆはお姉ちゃんだと思ってます」

朋「そ、そう……」

朋「……なんか、照れるわ」

まゆ「うふ、朋お姉ちゃん♪」

朋「だからやめてってば、それ!」

まゆ「うふふっ」

朋「もう……」

朋「……でも、ありがと」

朋「子供っぽく見られること気にしてるわけじゃないけど……でも、うれしいわ」

朋「……」

まゆ「……」

朋「ねぇ」

朋「あたしたちのユニット、どうなるのかしら?」

まゆ「……どうなるんでしょう」

朋「まあ、まだ何も決まってない状態だから答えなんて出ないわよね」

まゆ「そうですね……」

まゆ「どんな歌を歌うかもわからないし……」

朋「そうね」

朋「……やっぱりまゆちゃんらしい可愛らしい恋心を歌った曲かしら?」

まゆ「朋さん要素は……?」

朋「あたしの要素……?」

朋「んー……占い?」

まゆ「つまり、占いがモチーフの可愛らしい恋心を歌った曲ですね」

朋「……わりと想像できそうね、それ」

まゆ「きっと占いで見つけた運命の人へ告白する歌――」

朋「――告白」

まゆ「あ……」

朋「……」

まゆ「……」

朋「話を切り替えましょ」

まゆ「ですね」

朋「じゃあさ、せっかくだからユニット名とか考えない?」

まゆ「ユニット名……プロデューサーさんは考慮してくれるって言ってましたねぇ」

朋「やっぱり、自分たちで決めたユニット名のほうが愛着もわくんじゃないかなって」

まゆ「……確かにそうですねぇ」

朋「どうせ暇だし、考えましょ?」

まゆ「はい」

まゆ「んー……」

朋「うーん……」

朋「……やっぱり、あたしたち二人に言える共通項から取ったほうがいいわよね?」

まゆ「プロデューサーさんが言うには運命を信じてるって点ですね」

朋「そうね……何かうまく言葉に表せないかしら」

朋「うーん……」

まゆ「……」

まゆ「あ」

朋「何か思いついたの?」

まゆ「はい」

まゆ「まゆ達……もうひとつ共通項……いえ、つながりがあります」

朋「……ああ、そうね」

朋「……運命の人同士っていう」

まゆ「はい」

まゆ「これを使うのはどうでしょうか?」

朋「んー……いい考えだとは思うけど」

朋「……その運命の人同士っていうのをどうユニット名っぽくすればいいかしら」

まゆ「……」

まゆ「……確かにこのままだと使えませんねぇ」

朋「日本語のユニット名だってあるとはいえ……ねぇ」

朋「単純にこのままだと何かかっこ悪いわ」

まゆ「そうですね……まゆもこのまま使うつもりはありませんでしたけど」

朋「とりあえず英語に変換してみましょうか」

朋「ええっと……Man of Destinyかな?」

朋「とりあえずスマホで翻訳してみただけだから実際は違うかもしれないけど」

まゆ「Manですか」

朋「人ってManとも訳せるしね」

まゆ「……でも、このままだとソロみたいですよね」

朋「そうね」

朋「……それに、Manって言うとどうしても男の人想像しちゃうわよね」

まゆ「ですねぇ」

朋「仮にWomanとかGirlとかにしてもやっぱりソロみたいだし」

まゆ「……Girls of Destinyみたく複数系にしたらどうでしょう?」

朋「さっきよりはよさそうね」

まゆ「でも、これだと運命の少女達なんですよね」

朋「……いろいろ意味合いが変わりそうね」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……あ!」

まゆ「何かいい案が?」

朋「うん!」

朋「運命の人ってつながりを持ってるじゃない」

朋「運命の赤い糸ってつながり」

まゆ「あ……」

朋「それ使ったらどうかしら?」

まゆ「……さっきのよりよさそうです」

朋「よね」

朋「じゃ、とりあえず翻訳……っと」

朋「えっと……The red thread of fateだって」

まゆ「ザ・レッドスレッドオブフェイト……」

朋「……長いわね」

まゆ「じゃあ、ちょっと削ってみて……」

まゆ「レッドスレッド……赤い糸?」

まゆ「それか……レッドオブフェイト……運命の赤?」

朋「あとは、スレッドオブフェイト……運命の糸とか?」

朋「後はthreadをstringに置き換えてもいいみたいだけど……そうなると、レッドストリングとか、ストリングオブフェイトかしら」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「この中から選ぶならレッドオブフェイトが、まゆは好みです」

朋「あたしも」

朋「まゆちゃんのイメージカラーも入ってるしね」

まゆ「はい」

朋「あとは……そのままカタカナでアカイイトとか?」

まゆ「それは怖いので嫌です」

朋「……しばらく考えてみたけど、あまり思いつかないわね」

まゆ「まゆも……」

まゆ「……さっきのは、まゆ達のつながりを端的に表せてるからすごい素敵な名前だと思います」

朋「うん」

朋「じゃ、これで決定かしら?」

まゆ「はい……!」

まゆ「まゆたちはこれからレッドオブフェイトです……!」

朋「ええ、がんばりましょう!」

朋「……まあ、もしかしたらプロデューサーさんに却下されるかもだけど」

まゆ「そんな変な名前でもないですし……大丈夫だとは思いますけど……」

朋「代案も用意しとかないとかな?」

まゆ「……さっきからずっと考えてましたけど……ぜんぜん思いつきませんでしたよね」

朋「まあ、そうだけど」

朋「でもほら、レッドの代わりにクリムゾンとかスカーレットにしたり、フェイトの代わりにデスティニーにしたり……」

朋「ほら、代替案がいっぱいできたわ!」

まゆ「それは代替案ってことでいいんでしょうか……?」

朋「スカーレットオブデスティニーとかすごいわよ」

まゆ「強そうですね」

朋「……さて!」

朋「無事ユニット名も一応決まったことだし!」

朋「そろそろどこか行きましょうか!」

まゆ「……次はどこに行くんですか?」

朋「決めてないわ!」

まゆ「えぇ……」

朋「何よ、まゆちゃんだって行きたいところ特にないんでしょ?」

まゆ「……はい」

朋「じゃ、いいじゃない」

朋「適当に歩いて、興味を持ったところに行く!」

朋「それで、どう?」

まゆ「……そうですね」

まゆ「一緒に散歩しましょう」

朋「……あ、確かにこれただの散歩ね」

まゆ「うふふ」

朋「ま、いいわ」

朋「じゃ、行きましょ、まゆちゃん!」

まゆ「はい……!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「……寮につきましたね」

朋「そうね」

朋「はぁ……今日は楽しかったわね」

まゆ「はい」

まゆ「朝から日が暮れるまで遊ぶのなんて久しぶりでした……」

朋「あたしも!」

朋「……だからか、今日はぐっすりと眠れそうね」

まゆ「まゆも……」

まゆ「ふぁ……」

朋「ふふ、あくびまで出てる」

まゆ「……あぅ」

まゆ「恥ずかしい……」

朋「ふふっ……」

まゆ「……」

朋「……」

朋「ね、まゆちゃん」

まゆ「なんでしょう?」

朋「気分転換にはなったかしら」

まゆ「……!」

朋「たぶんまゆちゃんもあたしと同じでさ」

朋「まだ……まだ、たくさん悲しい気持ちが残ってると思うの」

まゆ「……」

朋「だから、少しでもそれを取り除こうと思って……いっぱいはしゃいじゃおうと思ったんだけど」

まゆ「……」

朋「……あ、もちろん、親睦を深めたかったのも本当よ!」

朋「まゆちゃんの知らない一面もたくさん知れたしよかったと思うわ!」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「……ありがとうございます」

朋「!」

まゆ「本当に、今日楽しかったです」

まゆ「本当に……!」

朋「……」

まゆ「……まゆ、今日の朝だって、悲しくて、悲しくていっぱいだったのに」

まゆ「でも本当に、今日楽しかったんです……!」

まゆ「朋さんと一緒に遊んで、朋さんのことをもっと知って……本当に楽しかった……」

まゆ「楽しくて、楽しくて……」

まゆ「全部が消えたわけじゃないけど……でも、悲しさでいっぱいのまゆはいなくなっちゃいました」

朋「……よかった」

朋「誘ったかいがあったわ」

まゆ「……遊びに誘ってくれてありがとうございました、朋さん」

まゆ「最高の一日でした」

朋「……うん、あたしも最高だった」

朋「一緒に遊んでくれてありがとね、まゆちゃん」

朋「これからもよろしく」ギュッ

まゆ「まゆこそ……よろしくお願いします」ギュッ

朋「ユニットとしても……友達としても」

まゆ「……運命の人としても」

朋「……」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「……」

まゆ「……いつまで握手するんですかぁ?」

朋「いや、やめどきがわからなくて……」

まゆ「……」

朋「……」

まゆ「じゃ、せーので離しましょう」

朋「そうね」

朋「せーのっ」パッ

まゆ「せーのっ」パッ

朋「……」

まゆ「……」

朋「……じゃ、食堂に夕飯食べに行きましょうか」

まゆ「そうですね……」

朋「……」

まゆ「……」

朋(……ちょっとだけ名残惜しいなんて)

まゆ(……ちょっとだけ名残惜しいなんて)

朋(たぶん、思ってるのはあたしだけよね……)

まゆ(たぶん、思ってるのはまゆだけですよねぇ……)

朋「……」

まゆ「……」






おわり

担当二人で何か書きたかったのとネタが思いついたので
どうかふじともとまゆに清き一票を

多分後2回で終わります


誤字脱字コレジャナイ感じはすいません、読んでくださった方ありがとうございました

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