モバP「しざーはぁと」 (19)
心「じょきーん☆ じょきーん☆」
P「………」カタカタカタ
心「じょきーん☆ じょきーん☆」
P「………」カタカタターン!
心「プロデューサー君、プロデューサー君」
P「なにかね佐藤君」
心「最近、髪が伸びてきたんじゃないかい~?」
P「それがなにか」
心「ここに天才美容師がいます」
P「どこに」
心「んもう♪ あなたの目の前にいるせくすぃーな美女だぞ☆」
P「ああ……まあ見た目は……うん」
心「中身は?」
P「あはは」
心「あははー」
心「あとで校舎裏な☆」
P「どこのスケバンですか」
心「あはは☆」
P「もしかして、昔はマジでそうだったとか」
心「………」
心「あはは☆」
P「なにその反応!?」
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心「というわけで、髪切ってあげる♪」
P「スケバンの話が気になるんですが」
心「大丈夫だって! この前はぁとの卒業アルバム見ただろ?」
P「確かに、不良って感じではなかったですけど……」
心「それより、ほら! はぁとがヘアスタイル整えてあげるって言ってるんだから、そっちに食いつけよ♪」
P「はあ……まあ、カット行くのもタダじゃないし、せっかくだからお願いしましょうか」
心「んじゃ、8010円な☆」
P「カット行くより高い!」
心「カット代500円、シャンプー510円、サービス料7000円となっております♪」
P「しかもカットにほとんど値段ついてない! まったく質が保証されてない!」
心「逆に言うと7000円ぶんのサービスが保証されているぞ♪ うっふーん☆」
P「風俗じゃないんだからカットで勝負しましょうよ……というか端数の10円はなんなんですか」
心「8(は)0(ぁ)10(と)だぞ☆」
P「うまいともうまくないとも言えない……」
心「さ、とりあえず髪洗える場所に移動!」
心「じゃ、まずはシャンプーからね♪」フンフーン
P「あの、本当に金とるんですか」
心「冗談冗談☆ 日頃の感謝も込めて、タダでやったげる!」
P「感謝?」
心「そ♪ いつも一生懸命はぁとのために頑張ってくれてるから!」
心「これからもじゃんじゃんはぁとの魅力を引き出してね☆」
P「心さん……はは、ありがとうございます」
心「じゃ、シャンプーするね」
P「お願いします」
心「じょきーん☆ じょきーん☆」
P「刃物の出番はまだ早くないですか!?」
心「あ、そうだった」テヘペロ
心「いやー、この前の職場体験以来、定期的になんでもいいから切り裂きたくなっちゃって☆」
P「おっそろしいセリフ飛び出してますよ」
心「ほんと、まいっちんぐー?」
P「古っ」
心「じゃばじゃばー☆」
P「………」
心「わしゃわしゃー☆」
P「………」
P「うまいですね。普通に」
心「でしょー? 美容師の人にも筋がいいって褒められたんだぞ?」
P「手先器用ですもんね。服も作れるし、あの……エスプレッソに模様書くやつできるんですよね」
心「ラテアートのこと? ふふ、スウィーティーだろ♪」
P「スウィーティー……まあ、そうですね。女子力高いです」
心「えへへー」
P「……やっぱり女の人の指って細いですね。自分の指と結構感覚が違うっていうか」
P「繊細で、優しく洗われてる感じがします」
心「やーん、照れちゃう☆」ワシャワシャワシャ!
P「ちょ!? 強い強いっ、首が!?」
心「かゆいところはございませんかー?」
P「特にないです」
心「鼻とかかゆくないですか?」
P「その泡まみれの手で俺の鼻に何をするつもりですか」
心「……なんだと思う?」ニヤリ
P「たぶん小学生のいたずら並のことだとは思います」
心「ちっ、ばれたか!」
P「今でのバレたことになるのか……」
心「プロデューサーは、はぁとのことならなんでもわかるんだね♪ きゅんときたぞ☆」
P「いや言うほど回答絞れてないし」
心「相性ばっちりだな☆ なっ☆」
P「あの」
心「なっ!」
P「あの」
心「なっ!」
P「無限ループだこれ」
心「髪も洗い終わったところで、いよいよカットに入りまーす☆」
P「丁寧にお願いしますよ。基本に忠実に、変なアレンジ加えないでくださいね」
心「任せとけって☆ バットの芯を外すのが基本だろ☆」
P「誰がカットボールの使い方を言えと言った」
心「髪型はどうする?」
P「そうですね……普通に、伸びてるところをそのまま短くしてくれれば」
心「スキンヘッドにする? リーゼントにする? それともぉ……モ・ヒ・カ・ン?」
P「なにその世紀末三択」
P「普通にやってくださいよ普通に」
心「はーい」
心「……チッ☆」
P「本気の舌打ち!?」
心「ちょきちょきちょきーん☆」
心「フンフンフフーンしゅがーはぁとー♪」
P(若干強引な鼻歌だ……)
心「お客さんお客さん」
P「はい」
心「世間話しましょうよ♪」
P「世間話?」
心「そ! 定番でしょ?」
P「俺、いつも二言三言話すくらいなんですけど……まあいいか」
心「あ、首ちょっとこっちに向けて」
P「ああ、はい」
心「よしよし♪」
P(ボケてくるけど、腕は普通にあるんだよなあ……やっぱりこの人器用だ)
心「最近暖かくなってきましたねー」
P「そうですね。そろそろ朝晩もコートが必要ないくらいかな」
心「とまあそれは置いといて」
P「話の進め方雑だな」
心「最近シュガーハートっていうアイドルの名前をよく聞くんですけどぉ、人気なんですかね? かね?」
P「いやシュガーハートはあなた」
心「今のはぁとは天才美容師、シザーハートだぞ☆」
P「ゲームの敵キャラで出てきそうな名前ですね」
心「あっ! ひょっとしてあなたは、シュガーハートちゃんのプロデューサーでは!」
P「続けるんですかこの茶番」
心「たまにはいいでしょ? ねー」
心「ほらほら。プロデューサーから見て、シュガーハートってどんな子なのか、教えてくださいよー♪」
P「はあ……仕方ないですね」
心「やったぁ♪」
心「かわいい子? スウィーティーな子? 若い子?」ウキウキ
P「そうですね……」
P「すごく魅力的な人だと思いますよ」
心「……え」
P「いろいろと、器用な人です。自分で服作れるし、髪も切れるし、かわいい衣装もかっこいい衣装も似合いますし」
P「ただ……根本的なところで不器用なんですよね。素直なようで素直じゃないし、26になってあんな痛いキャラをやりきろうとするし」
P「でも、そういうところが放っておけなくて。だから俺は、彼女と一緒に行けるところまで行ってやろう、一緒にがんばろうって思えるんです」
P「だから俺にとって、佐藤心さんは魅力的な人……これでいいですか?」
心「………」
P(ちょっと素直に言い過ぎたか……さすがに照れる)
P(でもまあ、こんな歯の浮いたようなセリフを言えば、心さんも少しはおとなしくなるだろう)
心「………」
心「け」
P「?」
心「……けっこん、する?」カアァ
P「どんな発想の飛躍したんですか!?」
心「だ、だって、すごく魅力的だって」
P「言いましたけど! それで結婚まで飛ぶのおかしいでしょう」
心「い、一生ずっと離さないって」
P「そっちは言ってない、間違いなく」
心「あ、ごめん。これ、はぁとが思ってることだった……間違えた」
P「さらっととんでもないことカミングアウトされた!」
心「と、とりあえず髪を切りますですよ?」
P「ライラさん? 仁奈ちゃん?」
心「ちょきん、ちょきん……」
心「貯金、貯金……資金、貯金……」
P「なんの資金!?」
P「というかそのおぼつかない手つきで髪切られると怖――」
じょきん☆
心「あっ」
P「あっ!? ちょっと、今どこを切ったんですか!」
心「………」
心「ふ、二人っきり、だね?」
P「今さらな指摘の上にまったく関係ないですよ! 後ろの髪は鏡じゃ見えないからどうなってるか気になるんですけど!」
心「だ、大丈夫大丈夫! 他を短くして合わせればなんとかなるから!」
P「そのフォローの仕方が余計に不安を煽ってます!」
心「ちゃ、ちゃんとやるから、ちゃんと!」
心「明窓浄机、明窓浄机!」
P「明鏡止水って言いたいんですか?」
心「ちょきんちょきん貯金貯金貯金……」
P「そのイメージから離れて!」
心「あーっ!」
P「今度はどうしたんですか!?」
心「間違えてはぁとのアホ毛の先っちょ切っちゃった……」
P「どんな間違え方したんですか……」
心「あっ……バランスが保てない……」フラフラ
P「外付けの三半規管ですか! ああもう、とりあえずハサミは預かります!」
心「ぷ、プロデューサー……ひとつだけ、聞いてくれる?」
P「なんですか。というかアホ毛の先端なくなっただけでなんで衰弱してるんですか」
心「はぁと、子供にキラキラネームつけるタイプじゃないから、安心して……」
P「関係ない! 今の状況と一切関係ない! ちょっと気になってたけど!」
心「がくっ」
P「心さん! ちょっと、なんですかこの茶番!」
ちひろ「………」
ちひろ「今日も平和ですねー」ズズーッ
おしまい
おわりです。おつきあいいただきありがとうございます
いろんな仕事を楽しみながら懸命に前に進んでいく佐藤心さんにぜひ一票をお願いします
あのハイテンションをぜひボイス付きで味わいたい
過去作もよければどうぞ(今回のSSとは別の世界線です)
二宮飛鳥「………」 佐城雪美「………」
的場梨沙「寒い」 佐藤心「もうすぐ春だぞ☆」
佐藤心「ねえ、手伝って☆」 二宮飛鳥「………」
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