南条光「球と隠し事と知りすぎる罠」 (21)
アイドルマスターシンデレラガールズ、南条光のR-18ssです。地の文注意
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ある日の昼下がり、日が高くなってきた頃。
アタシ、南条光は及ばずながらファンの夢とために戦うアイドルとして、友達のテニスボールを回収するべく木に登っていた。
ひょいひょい身体を持ち上げて軟球を確保し、木の上から持ち主の成宮由愛ちゃんの目の前へと身を投げた。
「だ、大丈夫ですか、光さん……!?」
土煙を起こしながら、全身をバネにして着地する。
「大丈夫! 鍛えてるからっ!」
驚き混じりの彼女の感謝に、びっくりさせたことを内心詫びながらサムズアップした。
それから彼女と共に、同じく友人で同僚の佐城雪美ちゃんが待つ社内公園に向かった。
いわく、彼女たちはそこでテニスを楽しんでいて、ゲームに夢中になった雪美ちゃんの必殺スマッシュが運悪く炸裂したのが、今回の事件の真相だそうだ。
それにしても、二人がテニスか。
雪美ちゃんはお人形のように物静かな子で、由愛ちゃんは森の妖精みたいに控えめな子なので、少し意外に感じられた。
「光も……テニス、する……?」
「あー……ごめん、人を待たせてるんだ。誘ってくれてありがと、それじゃっ!」
雪美ちゃんの誘いを断って、社内公園から少し遠く、事務所の第一棟に向かった。
エントランスから巨大な社屋に入り、十階・二十階とゆっくり登ってくエレベーター内で息を整える。
渡り廊下を通過して、アタシを呼ぶ人が待つ部屋に入った。もちろん、社会人の端くれとしてノックは忘れていない。……はず。
部屋の名前はプロデューサールーム。
入り口から見て真正面、デスクの背の壁に貼られた大きなガラス窓によって、自然光を多く取り入れてる部屋だ。
そしてアタシを呼んだのは、アタシの担当プロデューサー。
多くの困難を共に乗り越えてきた戦友で、些細なことでも話せる大切なパートナーで、……お付き合いをさせてもらってる人だ。
彼のことは信頼できる職場の相棒だと思っていて、そのままでいいとずっと思っていた。
しかし仕事を重ねて彼のことを知るうちに、尊敬する大人に向けるべきでない気持ちを抱くようになってしまった。
きっかけは、LIVE前の緊張に悶えていた時、彼が隣に座ってくれただけで安らいだときか。
それとも、アタシに向けられた視線がみんなに対してのそれと違うと気付いたときか。
日ごとに膨らむ想いを気取られたくなくて、アタシは気持ちを隠すことを覚えた。
アイドルが恋愛なんて言語道断、誰かを想う資格なんかない。
言い聞かせる言葉の繰り返しで張り詰めた緊張は簡単に崩れ、心よりも先に体に限界が来た。
目が覚めた時、彼の家の一室にいた。仕事の帰りに熱を出しながら意識を失ってしまい、その時一番近くにあった休める場所に運ばれたのだ。
同僚とはいえ男の人のお部屋に上がって、もしこんな姿をパパラッチされてたら――当たり前の想像が胸をよぎった時、感謝と同時に、彼に怒りをぶつけていた。
なんで必死に秘密にしてたことを台無しにするんだ。バレたらどうするとか思わないのか、アタシの苦しさなんかどうだっていいのかと弱々しく叩き、泣きつき、すがりつく。
そんなみっともないアタシを、彼は何も言わず抱き締めて、お互いの気持ちを話し合おうと言ってくれた。
その中で、彼もまたはちきれそうな想いをアタシに抱いてたのだと知って、論点は制御不能な感情をいかに飼い慣らすかに移行していた。
そういう紆余曲折があったのがだいたい四ヶ月前。
今では彼の肩にもたれかかりながら、衣装の資料を一緒に読む関係に落ち着いてる。
……お仕事中に『シたい』なんて約束をして、それに応えてしまう茹だった関係も、兼ねている。
アタシは何度も嫌と言った。けど、彼がどうしてもと聞かないし、尊敬する年上の男の人にそこまで求められる優越感が無いと言えば、たぶん嘘、かもしれない。
「右から順に由愛ちゃん、雪美ちゃん、アタシのか。色違いの衣装は戦隊っぽくてカッコいいな。……けど、これを見せたいだけで呼んだワケじゃない、よな?」
視線の交錯が合図になって、どちらからもなく唇を重ね合った。
軽くくっ付けるだけのキス、ぷるっとした感触を楽しむ押し付けるキスと移り、肌と肌とをこすり合わせる。
頬に触れる無精ヒゲの感触が、父さんに昔されたジョリジョリ攻撃のようで安心が生じた。
けど彼はスキンシップだけでは満足出来ないみたいで、湿り始めた口腔にぬめった舌を差し込んできた。
上顎に張り付いて柔軟に舐め回すそれに、アタシもいやらしく舌を絡め返す。
みだらな水音を立てて吸い合ったせいで、口の周りがべたべたに汚れる。
それを構いもせず、頭を抱き抱えて唇に密着させると、欲しい欲しいと舌で返事したお陰で、太い腕にアタシの腰を窮屈なぐらい抑えられた。
温かい舌を巻き付け合うと、唾がハチミツみたいにどろっとしてくる。
彼はそうなった唾が美味しい、舌ごと飲み干そうと吸いついてきた。
喜んでいる恋人を見ると、もっとよだれを飲ませてあげたいって気持ちが膨れて、『こんなことをしてる姿を誰かに見られたら』なんて理性がほどけていく。
座る彼に身体をすりつけると、下腹に堅いモノが当たって、首筋の毛が逆立った。
名残惜しさを感じつつも唇を離し、デスクの下に潜り込む。
詰めれば三人ぐらい入れそうなスペースがあるそこには、キノコの苗木や編み棒など、生活の跡が残っていた。
(輝子さん、まゆさん、ごめんね。秘密基地を借りるぞ)
アタシの場所では無いことを心に刻むほど、イケナイことをしてるドキドキが何処までもエスカレート。
キノコを蹴飛ばさないよう気をつけながら、出来るだけ奥に座り込む。
机の下は入り口から見たら死角に位置してるので、仮に誰かが━━例えば事務員の千川ちひろさんとかが━━訪れたとして、アタシの所在をある程度隠せるのだ。
お座りしてるアタシに対し、彼は何をどうしろと言ってこない。それが以心伝心って感じがして、ちょっとだけ楽しい。
外からでも分かるほど苦しそうに膨らんでるズボンの隆起を見ると、早く助けてあげたいって気持ちが沸く。
必死になってるのがちょっと可愛いかもと思い、下着の中に閉じこめられてたそれを自由にしてあげた。
窮屈に閉められたズボンの中から、ケダモノみたいに張り詰めたおちんちんがぶるんっ、と我慢汁をまき散らして飛び出した。
鼻先ですえた汗の臭いがむわぁ、ともや混じりで立ち昇る。
赤黒い竿にはビキビキの血管が浮き出てて、カウパーでぬめったテカテカの亀頭にはアタシの顔が反射してる。
アタシみたいなチビに興奮して暴走寸前に変身したんだと思うと、お腹の奥が熱く疼いてきた。
これからご奉仕するおちんちんに、唇を突き出して甘くキス。
先端でぷっくりしてる透明な雫をちゅるっと舌先で舐めとって、ぽってりしたタマは空いた手でくにゅくにゅマッサージ。
ここで今ネバネバな精子が増産されてると思うと、ショーツの湿りが無視できなくなってくる。
いつもホテルとかでしてるみたいに、おしゃぶりしながら思いっきり弄りたくなるけど、あくまで我慢出来ない彼の為仕方なくという名目だからと自制した。
誰が来るかわからない職場で、必要以上にみだらなことをしたくないと良心が咎めたのもある。
もっとも、こんなことをしてる時点で良心の程度は知れてるし、もしもの時の余罪が減るだけに過ぎないけど……
そうは言っても始まらないので、いやらしく火照ったぶっとい竿をぐちゅぐちゅの口で頬ばった。
雄臭すぎてむせそうな臭いや、汗っぽい味にはもう慣れたけど、下顎が外れそうなぐらい大きなモノを飲み込むのには骨が折れる。
けど、その苦労を理解してくれてる掌がわしゃわしゃ撫でてくれるので、どんなに苦しくてもお口奉仕には力が入る。
手で褒めてくれた人の表情を見つめたくて前髪を・き上げると、あんなにボッキしてたのに更にカタくパワーアップ。
ちょっとエッチっぽい仕草で喜ぶ瞳を見つめながら、丸めた舌を巻き込むように、頭を捻って咥え込みむ。
頬肉で傘をこするみたいに口をすぼめて頭を引くと、彼の腰も一緒に浮いた。
自分の表情は鏡が無いのでわからないけど、荒立つ息がAVの女優さんでもしない顔だと教えてくれた。
そのまま彼は腰を少し上げ、口蓋のくすぐったい所に擦り付けてきた。
隙だらけになったカリ首の裏側に舌を這わすと、じゅっぱじゅっぱいう音が机の下に響く 。
本気を出して深く飲み込むと、喉の奥まで彼でいっぱいになった。
最初は奥に触れるだけでむせていたけど、今ではココでも感じられるのだから、アタシは彼好みのえっちな女子に改造されているのかもしれない。
正義を歌う為に磨いた自慢の商売道具を、気持ちよくなるために使う後ろめたさが、身体に条件付けされた疼きにどんどん塗り潰されてる。
顎の下まで涎まみれになりながら往復し、食道の入り口付近をぐぽぐぽ犯されるのが、おかしくなりそうなぐらい気持ちいい。
シフトアップしてく彼の興奮に同調し、亀頭を舌の粒々でブラッシングするように激しく責め立てる。
舌先を尿道口に差し込んでこじると、背筋をぴんとして逃げようとするので、ここを弱点と見定めてチロチロといじめまくった。
亀頭が膨らみ、竿が細かく揺れ、彼の両手がもう限界だと後頭部をつかむ。
首を捻りながら唇から頭を引いて、傘の裏側を左右から前歯と下唇で甘噛みすると、ぶるっ、と震えて射精された。
重たい精液を放出するためか、下顎が揺さぶられるぐらいポンプ運動が繰り返される。
次々打ち出されてびちゃびちゃ跳ねる音にくらくらしながら、竿なら搾り取るように包み込む。
拍動のように力強い響きを感じながら、奥に残ったのを全部吐き出させるつもりで全力バキューム。
律動は息苦しさと気持ちよさに反比例して大人しくなり、落ち着いたところでちゅぽんっ、と引き抜いた。
口の中が粘液でいっぱいで、試しに手の平に出したそれには、いかにも精子がウヨウヨ泳いでそうな黄土色の欠片が幾つも浮いていた。
こんなに濃厚な精子、安全日以外で中に出されちゃったら絶対に赤ちゃんがデきちゃう。
ううん、安全日だって孕んじゃうかも、こんなにドロドロでネバネバでおいしくてクサくてみてるだけでしきゅうがナカダシされたがってよだれたらしちゃうぐらいエッチな見た目で……。
はっ、いけない。うっとりしてる場合じゃなかった。というか、こんなのでうっとりしてはダメだ。
意識も呼吸も不安定で辛いけど、手皿で精液を口に含む。
ぐちゅ、とぶよぶよのゲルを何度も噛みしめて、食感がさらりとするまで咀嚼を繰り返す。
たっぷりの唾液と混ざってなお粘ついてる液体でぶくぶくうがいしたら、彼の目が血走った。
汚いとはいえ赤ちゃんの素。
大事にするべき物を子作りではなくオモチャとして使い潰すことに、罪悪感が無いわけではない。
それでも彼の喜ぶ顔を見たいという欲望に抗えなくて、喉を鳴らして精液を飲み下した。
ヨーグルトみたいに喉に絡む精液を飲み干して、ぷはぁ、と大きく深呼吸。
鼻から肺へ精子の残り香が一気に流れてくるし、胃が何だかずっしり重い。
顎を伝って落ちた精液を舐めとろうと下を見たら、ズボンがすっかり変色していた。
身体の中まで彼ので汚されて、床にツユが残るほど濡れていたのだ。
想像以上に出来上がってることに驚くアタシに対し、彼はこれが乾くまで外に出られないなとにやにや笑ってる。
仕方ないなんて後ろ向きなことは言わず、机の下から這い出て、キーボードを寄せて作ったスペースにお尻を落ち着かせた。
内股の色が濃いズボンを引きずりおろされ、愛液が滲んで半透けのショーツを剥き出しにされる。
女の子を裸にするのが好きな指が下着に触れないのは、自分で脱げという無言の指示だ。
『太ももまで濡らしちゃったじゅくじゅくのおまんこを自分から見せつけろ』なんてハレンチすぎる命令の言いなりになったら、それこそ本当に変態になってしまう。
けれど、彼の為にも早く済ませなければという考えが恥ずかしさを上回り、湿ったショーツを机の下に放り込んだ。
外気に触れてヒクヒクしてる熱い割れ目に、骨ばった手があてがわれる。
まだ生え揃ってなくてピッタリしてる、ちょっと山になってて恥ずかしい大陰唇を、二本の指がぷにぷにと持ち上げた。
彼はそのつるつる感が好きらしいけど、ぐちゅっと左右から揉まれたり、豆みたいな先端を弄ばれる側は堪らない。
新しい変身ベルトに夢中になったみたいに遊ばれる度に手足ががくがく震え、太股の付け根が痺れてくる。
声を上げないよう口を抑えても、指が膣内の手前を押すだけで我慢にヒビが入り、漏れ出た液体がデスクを汚した。
喘がされ続けてて隙だらけになったシャツに彼の手がかかったけど、それだけは止めてくれと制止した。
下は隠そうと思えばデスクなどで隠せるが、上を隠すのは簡単ではない。人と話すときは顔と顔を付き合わせるからだ。
シャツは着ていて下は丸出しなんて、エッチをする部分だけ強調されててむしろ変態っぽいかもしれないけど、上まで裸になりたくない意地があった。
服を捲れなくて寂しい指が、同年代の子より大きいお胸をむぎゅっと覆った。
アタシの意に反して膨らんできたおっぱいは、シャツに乳輪がぷっくり浮き出るほど充血している。
その様が彼にはたいそう美味しそうに映ったらしく、乳房は捏ね回すように揉まれ、乳輪はなぞるように刺激された。
こんなに揉まれたらまた大きくなっちゃって、ブラを買い換えなければいけないかも。
もっともそのブラ自体、今日みたいに億劫で着けてないこともあるが。
走るのに邪魔になってきた部分を、指の間から肉がはみ出るぐらい揉みしだかれるのは、ハッキリ言って恥ずかしい。
乳房から乳輪に向けて乳絞りみたいに愛でられると、出もしない母乳が出てしまいそう。
女子にしかない部分をいじめられて身を捩ってる割れ目に、彼のモノがぴたぴたくっついた。
猟犬みたいにギラついてる彼を見ると、これから自分たちは絶対にセックスをするんだと思い知らされる。
腹をくくるとやるべきことが次々と浮かんできた。
例えばパソコンを壊すといけないのでデスクから降りるとか、座ってた場所の愛液を拭いとっておくとか。
机に突っ伏すようにしてシャツで愛液を拭いてると、尻たぶをがっしりと掴まれた。
目の前で準備万端なハダカのおまんこがフリフリ動いてるのは、彼からすれば目の前で餌が遊んでるのと同じだから、辛抱堪らなかったんだろう。
掴むだけでその先に至らないのは、彼が不意打ちを嫌ってるからではない。
アタシにAVを見せたりして教え込んだたえっちな言葉を喋らせて、おねだりをされたいからだ。
淫らな言葉で彼を誘うのは、口が燃えて溶け落ちそうなぐらい恥ずかしくて嫌。
けど、彼にとってそれはヒーローの名乗りのように不可欠だそうなので、決して無碍には出来なかった。
一応彼に生理周期は教えてる。最初は仕事を円滑に進めるための工夫だったそうだが、今はもっぱら安全日の確認のために使われてる。
もっとも、体温とか日数の計算とかはよくわかってないので、基本的には彼に任せっきりで、あとは経験則だ。
今日呼ばれたのだって、彼なりに計算を繰り返し、タイミングを選んでるんだと信じてる。
なら……いいよね。一人納得し心を決めて、彼と見たビデオの内容をリフレイン。
猫じゃらしみたいにお尻を振って、背中の彼にとろとろの流し目を向けて、切ない声色で誘い文句を述べた。
「アタシの……熱くてどろどろの悪い子まんこにっ、生チンポでお仕置きセックス、いっぱい、してくださいっ!」
返答は、アタシの七分の一ほどもある熱の塊がメリメリいいながら入り込んでくる感触だった。
カリ首が気持ちいい所を全部抉って、ぐいぐいっと奥を突いてくる。
まだ小手調べのストロークなのにお尻がパンパン鳴ってるのは、濡れすぎて反響しやすくなってるからか。
甘い痺れで腕が脱力しそうになるけど、バックの姿勢を保つために口を『イ』にして歯を食いしばる。
快感を堪えて身体を硬直させてる女の子を犯すのが大好きとわかる乱れ突きが、内臓の位置ごと思考をかき回す。
子宮口の側面、指だと長さが足りなくて触れないあたりを、ハンマーみたいな亀頭が容赦なく押し潰した。
最初はぜんぜん感じられなかったけど、執拗に責められて今では敏感になりきってる、調子が良いときはずーっとイきっぱになれるお気に入りの性感帯。
快感の言いなりになる服従回路みたいな弱点を傘でゴシゴシ往復されると、それだけで頭で火花がバチバチと散った。
その火花もだんだん大きくなって、限界へと接近していく。
周囲の音が全部遠退いていくあの感覚を甘受しようと決めたとき、コンコン、と扉からノック音が響いた。
彼がアタシを抱いて後ろに倒れ込みながらイスに座ったのと、プロデューサールームの重い扉が音を立てたのは丁度同時。
ノックの主が部屋に入り込んだのと、結合部に腰布のようにスーツが巻かれたのでは、タッチの差で後者が先だった。
「……P……けんかしてる……?」
来客の雪美ちゃんの声を聞いて、アタシの脳はやっと緊急事態を悟った。
(まずい、見られてる。……隠せてるけど見られてる……!?)
ドアからデスクまでは十歩以上距離があるので、彼女からは『プロデューサーのお膝に座って遊んでるアタシ』しか見えてない。はず。
しかし何も履いてない下半身は隠せても、何かを隠そうと大慌てになってた瞬間は見られてしまっただろう。
床に散々まき散らした液体の匂いも隠せないし、そもそもお膝の上に人が載ってるのは不自然だ。
もし彼女に、今何をしてたかがバレてしまえば――まだ性教育を受けてない『こんなこと』が『どんなこと』か分からないかもしれないけど、彼女の心に悪影響を残してしまうだろう。
色々進んでるらしい少女マンガの影響で『わかってる』ならもっと最悪で、アタシはアイドルを続けられなくなり、彼もプロデューサーの職を追われ、破滅へ向かって一直線だ。
「あは、あはは、ヒーローごっこが楽しすぎてさっ! 心配ご無用、だよっ!」
慌てて取り繕う言葉を並べ立てるけれど、無理があるに決まってる。
運動で出た汗に悪い汗が混じり、背筋は液体窒素を骨髄注射されたみたいに動けない。
しかしイく寸前まで昂ぶった身体ではマグマが行き先を求めて燻っていて、彼女がデスクに近付くに比例するかの如く熱い乾きは増大していった。
もしかしてアタシは、隠し事をしながらするえっちに興奮してしまうタイプなのだろうか。
彼女の目に見られてると、罪を隠せるか恐れてる心臓がデッドヒートに向かってしまうのに。
その脈動で血が行き渡った身体は、アタシの意思を無視して動き出しそうなほど、力が有り余ってうずうずとしてるのだ。
「P……面白かった……」
雪美ちゃんはマンガを数冊取りだし、デスクに重ねて置いた。
少女マンガとは別の意味で先鋭的な、テニスが題材の有名なマンガだ。
「うわぁ、面白っ、そっ、ううんっ!?」
あくまでいつも通りの風体を装うつもりだったのに、勝手に声が上ずった。
机の上の物を見るために、重心を少し動かしただけで快感が走ったのだ。
「……光……かぜ、ひいた……?」
勝手に悦んでる女の子の部分を気合いで抑えつけるアタシの目を、雪美ちゃんが怪訝そうに覗いた。
明らかに、怪しまれてる。上気した顔が、きっと熱が出たみたいに赤いのだろう。
「心配させちゃって、……ひっ!」
急に奥を円を描くみたいに撫でられた感触がして、目玉の裏に白いインクがバラまかれた。
その快感はほんの一瞬でしかないけど、目が明滅するような感覚は焦燥を煽る。
勘違いであって欲しいけれど、身体が少しだけ揺れてる気がする。
もしかして彼はこんな緊急事態なのに、腰を動かして状況を楽しんでるのだろうか。
「光……?」
「ごめんね。でもっ、だ、だいじょうぶっ……だからっ!」
もしそうだとしたら、いくら何でも勝手すぎだ。
職場でエッチするだけでも非常識なのに、バレたら終わりの分水嶺で興奮に流されるまでしたら、もう狂ってしまってるのと同じだ。
彼が欲望ばっか刺激されて思考停止してしまってる場合、気を抜いた瞬間にアタシの身体を持ち上げて、粘液を撒き散らしながら往復する性器を見せつけようとするかもしれない。
絶望に等しい恐れを表向き隠し通せたのは、想いに蓋する経験を積んだお陰か。
マンガの返却だけでこの部屋でのお仕事は終わったみたいで、偶に鼻をスンスン鳴らしながらも、雪美ちゃんは入り口に戻っていった。
ドアノブに雪美ちゃんの手がかかった時、アタシは安心しきって息を吐いた。
その瞬間に合わせたみたいに彼女がクルッと一回転し、惚けたアタシの目を見つめた。
一瞬が永遠に引き伸ばされて、カンフー映画の如く全てがスロー。
ゆっくりと雪美ちゃんが口を開き、小さく、しかし通るクリアな声でアタシに話しかけた。
「Pのお膝……そこ……私の場所……けど……今日は貸す……」
それだけ言って、彼女は部屋を出て行った。
どうやら何をしてるかには、最後まで気付かないでくれたみたい。
扉がバタンと音を立てて閉じて、今度こそ安心して胸を撫で下ろした。
それから彼に文句を言おうとした時、彼がスーツを取って下半身を露わにした。
暴かれたのは、くちゃくちゃになった二人の生殖器。
挿入する方の性器は、上に乗ったアタシに固定されて動きようがなく押さえつけられていた。
じゃあ――さっきの上下運動を発生させられるのは誰か。
腰を使う自由を持ってるのは、アタシしかいない。
彼は動いてなんかいなかった。無意識に腰を使って勝手に気持ちよくなってるのは、アタシの方だったのだ。
アタシは、彼に喜んで欲しいと言いなりになってるうちに、無意識に理性より性欲が優先される身体になっていた。
年下の女の子が目の前で見てるのに腰を使って、おまんこで気持ちよくなること以外考えられなくなって。
彼に見せられたAVの女優さんでも、こんな犯罪じみた真似はしないだろう。
いいや、彼女はお金を貰ってるけど、アタシはそんなもの貰ってなんかいない。
すっかり快楽の虜になっていたアタシの身体は、身を滅ぼす危険を掛け金にしてでも、生活の為に淫乱の真似をしてる彼女達以上の性感に身を委ねたかったのだ。
そもそも、『職場でエッチしたい』なんてお願いを、恋人だからって聞かなくていいのに、何で聞いてしまっているのか。
恋人なら寧ろ咎めるべきなのに、どうしてアタシは彼のおちんちんを咥えてよがり、子どもで無くてもご法度な避妊具無しのエッチを許したのか。
ブラを着けてなかったのだって、本当にただ面倒だっただけだろうか。
ノーブラで大人の男を本気にさせて、いっぱい気持ちよくなりたかったから。
そんな思いが心の何処にも無いと、胸を張って言えるのか。
流されてここにいる。流されること意味は、さっきまで散々教えられた。
自分がどんな人間か気付いた時、不思議と涙は流れなくて、気付けばシャツを自分から脱ぎ捨てていた。
ぷにょっとしたおっぱいも、その先でピンと勃ってる乳首も、桃色めいてきた首の下の肌も彼に見せつける。
エッチのし過ぎでおかしくなった女に相応しい格好になって、一言「脱がしたかったのにごめんね」と謝罪した。
それで彼の脳内の糸もぷっつり切れたみたいで、やわいお乳を鷲掴みにされた。
服越しなんかとはぜんぜん違うダイレクトな熱、ざらざらの指、強い刺激が、ボルテージの針が折れそうなぐらい赤へと倒す。
期待で濡れた視線を送ると、腰を掴んで持ち上げて百八十度回転させられた。
真正面からキスしやすい体位に変えられて、アタシも彼の背後に脚を回す。
我慢できない、我慢したくない、焦らされた分愛し合おうと、互いの気持ちが言葉も無しに通じ合う。
もう、彼なしでは生きてけない身体になったんだ。心に身体が追いついただけだ。
なら、振り切ろう。
雪美ちゃんが見てる間は絶対出来なかったコト――竿の長さの全てを活かしたピストンをすると、背筋に雷が数え切れないほど落ちた。
浅くイって声が漏れ出て、快感を貪るためらいは木っ端微塵。
長時間ぴったり張り付き合った粘膜は半ば溶け合っていて、今までがお遊びに思えるほど気持ちいい。
張り出たカリ首に弱いところをエグられる度に、日本語を忘れそうなぐらい脳細胞が焼き付く。
打ち上げるようなピストンが脳天まで突き抜けて、名前を叫ぶ彼の声と一緒に衝撃がこだまする。
無理とか限界とか喋れなくなって、振り回されながらあんあん喘ぐオモチャにされてよがり狂う。
抑え込んでた衝動が全裸の開放感のせいで解き放たれてて、制御不能になった身体はつがいの両方が焼き尽くされたって止まれない。
情緒もためらいもはぎ取られた下半身をぶつけられてイッて、支配欲剥き出しの腕でお尻を上下されてじゅっぽんじゅっぽんオナホみたいに犯されてまたイッて。
白目を剥きかけながら向いた彼の背中の方、ガラス窓に女の顔が映っていた。
そいつの顔は涙と涎でめちゃくちゃで、目は半開きで舌は放り出ていて、そんか最低の表情で幸せそうにえへえへ笑ってる。
もし次部屋に誰かが入ってきたとして、それが由愛ちゃんだったら、この表情を隠さず見せつけてしまおう。
おちんちんを美味しそうに咥え込み、ぐちゅんぐちゅんかき回されて喜びまくる結合部をおっぴろげ、気が狂ったみたいに腰を振ってる下品な女は彼女だって見下すかな。
恐怖に叫んで事務所のみんなを呼ぶかもしれないが、その時は見てくれる人が増えたことを喜ぼう。
罵倒の雨に肌を晒し、これまでもこれからも台無しにしながらよがり狂うのは、きっと廃人になっちゃうぐらいキモチイイ。
そんな退廃的な妄想を、何十回と捏ねられて訪れたスパークの炸裂がかき消した。
成層圏を飛ぶ飛行機から突き落とされたような浮遊感。
あ、あ、んあ゛あ゛っ゛、と腹から絞り出された下品すぎるアクメ声。
深すぎる恍惚で現実感を吹き飛ばされて、自分が今誰かなんて夢の中。
脳がぐらぐら揺れてても、ずっとマッハな抽送が更に荒くなることの意味はわかる。
何回もアタシの膣内でコスってもう限界になって、最高に気持ちよくなろうと急いでるんだ。
彼の挿入はついに最奥にたどり着き、それだけで子宮がトびっぱなしで大喜び。
変形するぐらいおっぱいを密着して、下半身だけは壊れたみたいに大きく踊らせて。
イった回数を数える力を手放した時、尻たぶに指が食い込み、子宮口に入り込みそうなぐらいごちゅんと深く挿入されて動きが急に止まってビクビクしてイかされた。
ナカダシしちゃったんだ。
おなかのおくにナマちんぽぎゅうっておしつけて、イきまんこにきゅうきゅうされて、どろどろなせーえきドクドクしてきもちよくなったんだ。
べろちゅーされながらネバネバしたあのせーしがいっぱいのあかちゃんはらませるきまんまんなあっついざーめんがそそがれてあたしもまたいった。
しきゅうのじんじんがぜんしんにどかーんってひろがってく。
せーしびちゃびちゃちんちんぶるぶるのたびにすっごいキモチイイがずーっとずーっとでもういっしょうわすれられない。
今日があんぜんびじゃなかったらぜったいニンシンしてるにきまってる。
こんなのぜったいダメなのに、こどもがせっくすなんてまずいはずなのに。
あたしに種付けしておちんちんと全身でびくびく喜んでるオスがいとしくて、それだけでまた子宮がメロメロになってまた繰り返しイきまくっちゃう。
のけぞるみたいにずっと痙攣するあたしを、彼が強く抱き支えてくれてる。
あたまがぶすぶす焼き焦げてる感覚に力を奪われながら、あたしももまた射精が終わるまで脚を絡めてしがみついた。
ナカダシのきもちよさに震え合い、逞しい腕に抱れてると、もう何もかもどうでもよくなってくる。
おちんちんの動きが落ち着いて、互いの絶頂感もゆるくなって、何も言わずに見つめ合う。
ふーっ、ふーっと肩が上下し、波にさらわれた意識が少しずつ戻ってくる。
マラソン以上の消耗で鼓動は乱れきり、全身は汗でぐっしょぐしょ。
どちらのものともつかない荒い呼吸は何時までたっても整わなくて、手足には痙攣する力も残ってない。
そんな無力で情けない有様で有り続ければ、むしろもっと愛してくれるかも、なんて思うのは、女の子の幸せで脳がダメになったからだろうか。
重い身体を無理やり引きずって、勢い任せに身体をぐるっ捻る。
それで余力を使い切って、逞しい胸板に背中からくたっと倒れ込んだ。
繭みたいに身体を包んでくれるぬくもりが、安らかな気持ちにさせてくれてとても心地いい。
ゆるく後ろ抱きしてくれてる腕をお腹に運び、指に指を重ねてクニュクニュと触らせてあげた。
あったかい指がベビーパウダーを馴染ませるみたいに動き、じわぁ、と心地よさが全身へと広がってく。
それからグっと指圧させると、タプタプと液体が躍る感触が伝わってきた。
その音源をクイっと二本指で開かせて、ここでいっぱい泳いでるんだぞ、とにっこり笑って教えてあげる。
征服されちゃったお部屋で遊ばせながら、好き、好きって啄むみたいに何度もキス。
甘い余韻にまどろみながら、ねとねとに汚れたお尻をクイクイと押し付けた。
他の女の子に盗られないように、アタシの匂いをマーキングしてやるんだ。
アタシが君の物であるように、君も他の女の子に目移りしないでねって、混ざり合ったお汁が肌に染み込むように塗りつけた。
死んじゃうぐらいスゴかったね、とか、ボッキちんちんカッコよかったぞ、とか、まだ入ってるのわかるよ、なんて裸のまんまでじゃれ合ってると、彼のがまたムクムクと膨らんでく。
ちょっと元気が過ぎるけど、アタシのカラダで大っきくなってるのが実感できて嬉しいかも。
もうへとへとで意識も既に途切れ途切れだけど、好きって言って貰えるだけでまた頑張れそう。
フワフワ夢見心地の頭は、彼を本気で発情させられる誘い文句を考え始めていた。
数日後。
予定通りに完成した衣装を着込み、由愛ちゃんと雪美ちゃんと共にLIVEステージに参加した。
「雪美ちゃん、由愛ちゃん、カッコよくキメよう!」
今日はアタシがリーダー。楽屋で作戦を立て、方針を決めるのが最大の役割だ。
「カッコよく……ですか? 私は……やさしくて、カワイイLIVEにしたいかも……」
「私も……カッコよく……難しい……」
「そういうことなら……了解!」
「それと……光さん、可愛い顔、似合ってたから……ファンのみんなに、見せたい……ダメ……?」
「え、え? そうなのか?」
雪美ちゃんの言う可愛い顔とは、もしかして、アタシが『シていた』時の顔だろうか。
嫌な想像が連鎖し、LIVE前の緊張とは別の圧力が胃にかかった。
そんなプレッシャーに振り回されそうになりながらも、今回のLIVEバトルは勝利した。
次のLIVEではカッコいいパフォーマンスでする約束を取り付けることにも成功したので、この結果じたいには大満足だ。
ただ、光〝さん〟ってどういうことなんだろう。
雪美ちゃんが人をさん付けしてるところをあまり見たことがないので、正直言って気が気でない。
アタシ達の番が完全に終わり、楽屋で待機をしてる内に、雪美ちゃんと由愛ちゃんは全力を出し切った疲れで轟沈していた。
スゥスゥ寝息を立ててる二人に毛布を掛けて、ページが折れぬよう二人の読んでたマンガを取り上げた。
開かれていたページの内容から察するに、次に雪美ちゃんが挑戦するのは、ボールが審判の座るポールの間を通って相手のコートに入る技だろうか。
(夢中になれることがあるのは素晴らしいことだし、今度時間を作ってアタシもテニスに混ぜてもらおうかな)
寝静まった二人を眺めながら他愛のないことを考え、タイマーをセットして毛布を借りた。
目が覚めたら、また次の現場に直行だ。
ヒーロー暇なし、未来なんか何も見えないけれど、アタシの戦いは、愛する人と共に続くのだ。続けなければならない。
以上です。雪美がバーニング連呼しながら波動球を乱射し、幸子を多段階加速させて月に打ち上げる夢を見たので書きました。依頼出してきます。
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