市原仁奈「せんむのきもちになるですよ!」 (50)


都内某所 ○Kストア



常務「うーむ……今日の夕飯は何にしよう……」

常務「お肉ばかりというのもアレだし……」

常務「いや……だが栄養のバランスを考えると……」

常務「うーむ……」



常務「仁奈ちゃんは、なにか食べたいものはあるかな?」

仁奈「仁奈はなんでも大好きでごぜーますよ!」







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市原仁奈「じょーむのきもちになるですよ!」
市原仁奈「じょーむのきもちになるですよ!」 - SSまとめ速報
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常務「そ、そうか? ふふっ」

仁奈「じょーむと一緒に作ったものなら、なんでもおいしいでごぜーます!」

常務「仁奈ちゃん……!」




常務「では今日はカレーにしようか?」

仁奈「わーい! カレーだー!」

常務「ふふふっ」



???「何やら騒がしいと思ったら、珍しい人物がいるではないか」




常務「そ、その声は!」

仁奈「?」

常務「く、黒井社長!!」



黒井「ウィ」




黒井「久しぶりだな。美城のところの小娘よ」

常務「お久しぶりです。どうしてこちらに?」

黒井「ふんっ。ここはセレブな私の馴染みの店だからな」

仁奈「この黒い人は誰でごぜーますか?」

黒井「!?」



黒井「お、お前……いつの間に子供が……!」




常務「あ、あの……」

黒井「最近ニューヨークに行ったと、話には聞いていたが……いつの間に……」

常務「いや、この子の年齢を考えてください」

黒井「そうだったのか……美城のやつも喜ぶだろう……」

常務「く、黒井社長……?」




黒井「…………」

常務「…………」

仁奈「?」



黒井「話は変わるが、随分お前のところのアイドルが調子に乗っているそうではないか!」

常務「変な気遣いはやめてください。誤解です。ですが褒め言葉として受け取っておきましょう」

黒井「ふんっ」




黒井「お前のところの事務所も高木の事務所同様、我が961プロが潰してやるから、覚悟しておくんだな!ハーハッハッハ!」

常務「ふふっ、望むところです」

黒井「では私はセレブなパーティがあるので失礼する! 貴様と違って忙しいのでな!」

常務(……大量のもやし?)

黒井「それではさらばだ! アデュー!」



黒井「あっ、我々の料理研究会の仲間が何人か増えたので、あとでメール送っておくぞ」

常務「はい。わかりました」



─────
───





都内某所 MJハウス



仁奈「わー! やっぱりお外がピカピカだー!」

常務「いまお風呂を沸かしているからな。最近は暖かくなってきたとはいえ、まだまだ寒い。風邪をひく前に入るんだぞ」

仁奈「今日はじょーむも一緒に入りやがりましょー!」

常務「え!? 私もか!?」

仁奈「前に事務所のみんなと一緒に入ったときは、すげー楽しかったですよ!」




仁奈「それとも……仁奈と入るのは嫌でごぜーますか?」

常務「そんなわけないだろう!! もちろん一緒に入るぞ!!」

仁奈「わーい! じょーむと一緒にお風呂でごぜーます!」

常務「ふふふっ」





──



仁奈「体がポカポカだー!」

常務「湯冷めしないようにな」

仁奈「はーい!」

常務「料理は下ごしらえをしておいたから、すぐに出来るぞ」

仁奈「あっ、仁奈……お手伝いしてねーです……」




常務「ふふっ、仁奈ちゃんには仕上げを頼もうと思っていてな」

仁奈「仕上げでごぜーますか?」

常務「このカレールーを一緒に入れよう」

仁奈「なんだかチョコレートみたいな形をしてやがります!」

常務「これを鍋に入れるとな……」

仁奈「わー! あっという間にカレーになったー!」




仁奈「すげーですよ! じょーむはまるで魔法使いでごぜーます!」

常務(魔法使い……か……)

常務「いや、私は魔法使いというより、シンデレラに登場する意地悪な姉の方が似合うかな」

仁奈「?」

仁奈「じょーむは全然、いじわるじゃねーです! みんなをお姫さまにしてくれる、優しい、いい魔法使いですよ!」

常務「仁奈ちゃん……」



仁奈「それより、お腹がペコペコでごぜーます! 早く食べやがりましょー!」

常務「ふふっ、そうだな」





仁奈「わー! やっぱり美味しいー!」

常務「ふふっ、いっぱいあるからな」

仁奈「じゃあ、おかわりするでごぜーます!」

常務「ちゃんとサラダも食べるんだぞ?」

仁奈「これはクミンとグレープフルーツでごぜーますか? カレーにすげー合うですよ!」

常務「仁奈ちゃん!?」




常務「今日もアイスを買ってあるぞ」

仁奈「えへへー♪ アイスだー!」

常務「ベルギーのチョコレートを使った、最高級のアイスクリームだ!」

仁奈「わーい! ペンギンのきもちになって食べるんだー!」

常務「ペンギンはアイスは食べないぞ? ふふふっ♪」



─────
───





──事務所──



常務「…………」カツカツ



夏樹「~♪」



常務(あそこにいるのは……確か木村夏樹といったな……)

常務(ふむ……)




──



部長「ユニット?」

常務「はい。私主導で、何個かプロデュースしてみようかと」

部長「部門の統括が直接プロデュースするのかね?」

常務「……はい。私もみんなをお姫様にする魔法使いですから」

部長「?」






──



夏樹「それで、話というのは?」

常務「キミには、私が厳選したメンバーで音楽をやって貰おうと思っている」

夏樹「面白そーじゃん! 早速セッションといきたいところだな!」

常務「その必要はない」

夏樹「え?」

常務「ある程度はこちらのプランに従ってもらう」

夏樹「…………」




常務「すべてこちらで一流スタッフを用意するつもりだ」

夏樹(そんなの全然ロックじゃねぇ……いい機会だと思ったけど……)



夏樹「せっかく誘って貰ったけど、アタシは……!」

常務「ちなみに、プロデュースは氷○京介に
……」

夏樹「え?」

常務「作詞作曲は布○寅泰だ」



常務「どうする?」

夏樹「やります!! やらせてください!! お願いします!!」






常務「ふふっ、決まりだな」

夏樹「常務さん……」

常務「何かな?」

夏樹「好きなのか?」

常務「ああ」



常務「…………」ガシッ

夏樹「…………」ガシッ




──



部長「やあ、例のバンド、大成功みたいじゃないか」

常務「彼女達なら出来ると信じていましたから」

部長「ふむ。ところで、また新しくプロジェクトを立ち上げるそうじゃないか」

常務「はい。部署の垣根を超えた“プロジェクト・クローネ”です」

部長「ほう?」

常務「最初こそは戸惑いもあるかもしれませんが、彼女達なら必ず……!」

部長「うん。いい企画だと思うよ」

常務「それともう一つ……」

部長「?」



───





幸子「あの~? ボクはどうしてここに?」

常務「…………」

幸子(こ、怖い! 知らない間に何かやらかしてしまったんでしょうか!?)



ガチャ



楓「お待たせして、すみません」

幸子「へ? 楓さん?」



仁奈「じょーむ!」

幸子「仁奈ちゃん?」



常務「やあ、よく来てくれたね!」

幸子「え? え?」




常務「──というわけで、キミ達には“プロジェクト・クローネ”とは別で、私直々プロデュースのユニットを組んで貰おうと思っている」

仁奈「わーい! じょーむと一緒だ!」

楓「ふふっ、喜んでやらせていただきます」

幸子(え? 即決ですか!?)



常務「幸子くんは……どうかな?」

幸子「え、えーと……そのぉ……」

仁奈「幸子おねーさんは、仁奈たちとやるのはイヤでごぜーますか……?」

幸子「……うっ!」

楓「私も幸子ちゃんと一緒なら、楽しそうな気がするんですが……」

幸子「うぅ……」



幸子「わ、わかりましたよ! やります!」

仁奈「やったー!」

幸子「フフーン! カワイイボクとユニットが組めるなんて、皆さんは幸せものですね!」

楓「ふふっ、よろしくね仁奈ちゃん、幸子ちゃん」

仁奈「よろしくおねげーします!」





常務「幸子くんには、特にバラエティ部門の活躍も期待しているぞ」

幸子「え?」

常務「765プロの天海春香……! 彼女を倒せるのはキミしかいない……!」

幸子「え? あの、どういうことでしょうか?」



常務「さて、ささやかながら結成記念のパーティを用意をしている。是非楽しんでくれたまえ」

仁奈「パーティだー!」

楓「ふふっ、お酒はあるんでしょうか?」

常務「未成年もいるからな。少しだけだぞ?」

楓「はーい♪」



幸子「あ、あの~! ちょっと~!」




──新年──



常務「やぁ、遅れてすまない」

幸子「もう! 遅いですよ!」

常務「仕事が長引いてしまってな」

楓「ふふっ、お疲れさまです」

仁奈「じょーむ、見てくだせー! 幸子おねーさんにおみくじを貰ったんだー!」

常務「おお、そうか。よかったな仁奈ちゃん」




仁奈「今年もみんなで仲良しだー!」

常務「ふふふっ、そうだな」

楓「でも、こんな時にお仕事なんて大変でしたね」

常務「実はだな。皆の頑張りが評価されて、季節外れの辞令がきたのだよ」

幸子「辞令?」

常務「昇進して“専務”になることが決定した」

楓「あら、おめでとうございます♪」

幸子「おめでとうございます! 新年早々、おめでたいですね!」

専務「ふふっ、ありがとう」




仁奈「じょーむじゃなくなるんでごぜーますか?」

専務「ひとつ偉くなるんだよ」

仁奈「おお! すげーです!」

専務「ふふっ、仁奈ちゃんたちのおかげなんだよ」

仁奈「?」



専務「さて、私の家におせちを用意してある。皆で食べるとしよう」

仁奈、楓、幸子「はーい♪」



─────
───





──事務所──



P「あっ、美城常務」

専務「先日の人事で専務へ昇進したのは発表しただろう? そういう事は、きっちりしたまえ」

P「は、はい! 失礼いたしました!」

専務「全く……」




ガチャ


仁奈「じょーむ!」トテテ

専務「おお! どうした仁奈ちゃん?」

仁奈「あっ、せんむだったんだー! ごめんなさい」

専務「そんなのは、全く気にする事はないぞ! それよりもどうしたのだ?」

仁奈「えへへー♪ 一緒に新しいキグルミの気持ちになりやがりましょー!」

専務「うむ。そうだな!」




──



ありす(私は美城専務の選んでくれた“プロジェクト・クローネ”で充実した毎日をおくっています)

ありす(そして、私は美城専務のような、素敵な女性になりたいです)

ありす(そうなる為に、直接お話を聞いてみましょう)



コンコン



ありす(あれ? 留守でしょうか?)




ガチャ



ありす「あの失礼します。美城専務はいらっしゃいますか? 私も美城専務のようなかっこいい女性になりた……」



仁奈「うっきっきー♪」

専務「うっきっきの……き!?」



ありす「あ、あの……失礼しました!!」



終わり







読んでいただき、ありがとうございました。

黒い人は多分お察しの通りです。

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