夏の日 (24)
とある夏の日だった。
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僕は、歩いていた。
大学の夏休み、特にすることもなく田舎の真夏の中を歩いていた。
ここがどこなのか正確には分からなかったが、僕には見当がついていた。
いつも乗る電車を、いつもの駅で降りない。
ただそれだけのことをしただけで、僕の目の前には大きな世界が広がった。
見たこともない山々の風景と、虫たちの鼓動。
間違いなく、僕は僕が望む夏の日の光景の中にいた。
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