赤城みりあ「赤ずきん」 (33)
昔々、ある村にそれまで誰も見たことがないくらい天使のような可愛い可愛い女の子がいました
その女の子はおばあさんが作った真っ赤な頭巾を被っていたので、村の人たちから赤ずきんちゃんと呼ばれていました
ある日、おかあさんは赤ずきんちゃんに言いました
早苗「おばあちゃんが風邪ひいちゃったらしいから。どんな具合だか見てきてくれない?」
みりあ「うん、わかった!」
早苗「はい、これはお見舞いのパンと果物」
早苗「あと、これは何かキケンがあった時に使いなさい。森には悪い狼やピンク髪のギャルや少女好きの17歳がいるから」
みりあ「はーい!」
赤ずきんちゃんは、隣村のおばあさんのところに、すぐさまお見舞いに出掛けて行きました
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みりあ「ふんふんふふ~ん♪」
赤ずきんは鼻歌を歌いながら森を歩きました
みりあ「~♪…あれ?」
美嘉「はぁ~…どこかに可愛い子はいないかな?」
みりあ「ねぇお姉さん、何してるの?」
美嘉「…はっ!」ビクッ!!
みりあ「?」キョトン
なんということでしょう!赤ずきんは狼に見つかってしまいました!
美嘉(か、かわいい…!この赤い頭巾…まさか村で噂になってた赤ずきん!?)
美嘉(想像以上の可愛さだよ!食べちゃいたい!ふひひ★)ジュルリ
どうしましょう!このままでは赤ずきんは食べられてしまいます
美嘉(はっ!いけないいけない!今騒ぎを起こしたらまずい!)
森には狼だけではなく猟師も潜んでいます。このまま襲ってしまったら騒ぎが猟師にバレて狼も危なくなります
みりあ「お姉さん、大丈夫?」
美嘉「え?あ、う…うん!大丈夫だよ!」
どうやら赤ずきんは狼を狼だとは思っておらず、ただのお姉さんだと思っています
食べられないならせめて仲良くなろうと思った狼は
美嘉「ねぇ、赤ずきんちゃん?これからどこいくの?」
みりあ「あのね、おばあちゃんのお見舞いに行くの!ママのお使いでパンと果物を持っていってあげるの」
美嘉「おばあちゃんって、結構遠くにいるの?」
みりあ「そうでもないよ、森を抜けて左の道に進んだ丘の赤い屋根の上がおばあちゃんの家だからわかりやすいし近いよ!」
美嘉「そっか!(これはいい情報聞いちゃったね!)」
赤ずきんは相手が狼だと知らず、ついついおばあさんの個人情報を漏らしてしまいました
美嘉「そうだ!こっちの道に綺麗なお花畑があるの知ってた?」
みりあ「え!?そうだったの!」
美嘉「うん!色とりどりのお花があるからそこで花を摘んでおばあちゃんに渡そうよ!きっと喜ぶと思うな!」
みりあ「うん、わかったよ!ありがとうお姉ちゃん!」
美嘉「どういたしまして、ふひひ★」
赤ずきんは狼の口車に乗せられてお花畑に向かいました
美嘉「…さてと」ニヤリ
狼の不気味な笑みで牙が口から見えました
お花畑についた赤ずきんはお花を摘みに行きました
そこには動物たちがお花畑で遊んでいました
夕美「こんにちは!あなたも花を摘みに来たの?」
みりあ「こんにちはうさぎさんたち!うん!私、おばあちゃんのためにお花を摘みに来たんだ!」
夕美「そうなんだ!きっとおばあちゃんも喜ぶね!」
みりあ「うん!」
こずえ「こずえ…おはなで………かんむりつくるー…」
みりあ「あっ!みりあもつくるー!」
赤ずきんはしばらくお花畑で遊びました
一方ここはおばあちゃんの家
美嘉(ここで間違いないわね、ふひ…)
美嘉(よぉし…)
トントン
菜々「はい、どちらさまですか?」
美嘉「おばあちゃん!アタシよ!パンと果物を持ってお見舞いに来たよ!」
菜々「お見舞い?もしかしてみりあちゃん?」
美嘉(みり愛ちゃんって言うんだ!覚えておこっ!)
美嘉「そうだよ!みりあだよ!いつも真っ赤なずきんをかぶっているみりあだよ!」
菜々「あのずきん今日もつけてくれたのね。ありがとう、でも…ちょっと…今は……その顔見れそうにない」
美嘉「え?どうして?」
菜々「ちょっと腰を痛めて…動けないの……鍵は開いているから、そのまま入ってきて」
美嘉(チャンス!)
菜々「うう~…腰が痛い…やっぱ激しい運動はするものじゃ…な………イテテ」ズキンズキン
ガチャ
美嘉「おばあちゃん、お見舞いに来たよ」
菜々「あ……あれ?みりあちゃん、なんか声変わった?」
美嘉「しばらく聞いてないから忘れてるだけだよ」
菜々「いや、そうだとしてもトーンがちょっと…ってイテテ!」
美嘉「おばあちゃん、大丈夫!?」
菜々「うぅ…なんで私がこんな目に…」
菜々「腰が痛くてかわいい孫の顔が見られないなんて…うぅ…情けない…」
美嘉「アタシが手伝ってあげるから、ほら、しっかりして。よいしょっと」
菜々「ありがとうみりあちゃん。本当にあなたは天使…」クルッ
美嘉「やっほー★」
菜々「は?」
ぱくっ
美嘉「ん~…やっぱり相応の年だと味が落ちるな…」
美嘉「ここは口直しにちっちゃい子の肉を…ふひひ★」
美嘉「そのためにはまず赤ずきんに悟られないように…っと」
狼はタンスにあったおばあさんのパジャマを着てベットに寝ました
みりあ「えへへ!こんなにお花取っちゃった!おばあちゃん喜ぶかなぁー?」
満足そうな赤ずきんはおばあちゃんの家にやってきて戸を叩きました
トントン
美嘉「どちらさま?」
みりあ「孫のみりあだよ!ママのお使いでパンと果物を持ってきたの」
美嘉「ありがとうみりあちゃん!鍵はかかってないからそのままはいっていいよ!」
みりあ「はーい!」
赤ずきんはそのまま入りました。おばあさんの正体は狼だということを知らずに
みりあ「おばあちゃん腰痛めたって聞いたけど大丈夫?」
美嘉「う~ん…あんまり大丈夫じゃないかも…」
美嘉「みりあちゃんの顔を見れば元気になるかもしれないな★」
みりあ「わかった!」
赤ずきんは狼の前にやってきました
美嘉「ああみりあちゃん…もっと顔をよく見せて!」
みりあ「ねぇおばあちゃん、なんで髪がピンク色なの?」
美嘉「それは、アタシがカリスマ狼ギャルだからだよ★」
みりあ「おばあちゃん、なんでおなかが膨らんでるの?」
美嘉「それは、さっきたくさんご飯を食べたからだよ★」
みりあ「おばあちゃんはなんで目をそんなにキラキラさせてるの?」
美嘉「それは、目の前にみりあちゃんがいるからだよ★」
みりあ「おばあちゃん、なんでそんなに歯が鋭いの?」
美嘉「それは…」ギラッ
美嘉「みりあちゃんをおいしくいただくためだよ!」ガバッ!
狼は本性を現し赤ずきんにとびかかりました
美嘉「いっただっきまあああああああああああす★」フヒヒィィィィィィ!!!
ターン!
美嘉「…がはっ!」
バタリ
みりあ「フッ……」
みりあはお母さんからもらった護身用の麻酔銃で狼を眠らせました
美嘉「ZZz…ふひひぃ……」
みりあ「みりあ、やったよ!」
狼を仕留めて赤ずきんは得意げです
モガ!モガ!モガガー!
みりあ「え?この声は…!」
みりあはまさかと思いはさみを持って狼の腹を切りました
すると…
菜々「ぷっは!ぜぇ…ぜぇ…うぅ、死ぬかと思った…」
みりあ「おばあちゃん!無事だったの!?」
菜々「あれ?赤ずきん…どうして?」
みりあ「あのね、かくかくしがじかだよ!」
菜々「そういうことなのね、この狼め…」
美嘉「ふひひぃ…」
このままでは腹の虫がおさまらないおばあさんは復讐を思いつきました
菜々「さっきびっくりしたショックで腰の痛みが治ったからもう大丈夫!」
菜々「さてと、狼がぐっすり寝ている間に石をたくさんつめましょっか!」
みりあ「わーい!」
お婆さんと赤ずきんは狼が寝ている隙に石をありったけ詰め込みました
そして詰め込んだ後お婆さんが裁縫のように狼の腹を縫い付けました
菜々「これでよしっと、さて、目を覚ます間にどこか隠れていましょっか。私たちは食べられたことになってるから」
みりあ「うん!」
二人は狼に見つからないように身を潜めました
美嘉「ん…ん~!ああ、よく寝た…」
美嘉「うぅ…さすがに二人まとめて食べるのは酷だったかな?おなかがごろごろする…」
美嘉「しかもなんかとてつもなく喉が渇くんだけど…えっと…水…水は?」キョロキョロ
狼は水を探してあたりを見回すと、外に大きな井戸を見つけました
美嘉「あそこならたくさん水が飲めそう!」
そう考えた美嘉は井戸のところに行きました
美嘉「はぁ…はぁ…体が…動きにくい…」
石を大量に腹の中に詰め込まれたのです、動きにくくて当たり前です
そしてやっと井戸にたどり着いた美嘉は水を飲もうとしました
美嘉「や、やっと…ついたわ…さて、水を…」
しかし体が重すぎたせいでつい体のバランスが崩れ…
美嘉「ああ!!!」
ドボン!
狼は井戸に落ちてしまいました
しばらくは溺れる音が聞こえましたがやがてそれが静まり返りました
みりあ「やった!!!」
こうして悪い狼は始末され、赤ずきんは無事お見舞いも済んで家に帰りました
しかしあの時は護身用の銃があったもののもしなかったらどうなっていたのやら
そう考えると赤ずきんは今でもゾッとします
みりあ「知らない人の言うことは聞かないようにしよ…」
赤ずきんはそう決意し
みりあ「それじゃあママ!いってきまーす!」
今日もまた赤ずきんはおばあさんの家に遊びにいきましたとさ
こずえ「ふわぁー…こずえ…のどかわいた」
こずえ「おみず…どこー?」
コエ…チッチャイオンナノコノコエ…
こずえ「こえ…する?どこから?」
フヒ…フヒヒ…★
井戸
こずえ「いど…みず…のめるー…」
こずえ「でも…こえが……きこえる…なんで?」
フヒ…フヒヒ…フヒヒヒヒ!
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こずえ「!?」
バシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!
みりあ「う~ん!お婆ちゃんのパイ、おいしいね!」
菜々「まだまだあるからじゃんじゃん食べてね!」
みりあ「はーい!」
赤ずきんは今日も元気に過ごしましたとさ
おしまい
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