ショタ提督「金剛お婆ちゃん」【艦これ】 (33)

初めて金剛と出会った日

金剛「英国で産まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!」

提督「わぁ、戦艦だぁ!」

金剛「そうです戦艦デース!」

提督「ところで、金剛って…」

金剛「?」

提督「お婆さんなの?」

金剛「What!?」

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金剛「何言ってるデスか!お姉さんデース!」

提督「あれ?そうなの?ほんと?」

金剛「なんで疑ってるノ!?どこからどう見てもお姉さんデショ!」

金剛「ていうかそれって誰から聞いたんデスか!?」

提督「知り合いのお兄ちゃんから」

提督「金剛って艦娘に出会ったら、そう言えって言われたの」

金剛「誰デスかそんな無礼な人は…あー、横須賀の提督なんデスか。あの人に会ったら物の言い方を教える必要がありそうデス」

金剛と出会って1年

金剛「ファイヤー!」

深海棲艦「イーッ!」轟沈

提督「わー!金剛お姉ちゃん強いー!」

金剛「ふっふっふ。これが戦艦の実力なのデース!」

提督「すごいすごい!強い金剛お姉ちゃん、だいすき!」

提督「僕、大人になったら金剛お姉ちゃんとケッコンするー!」

金剛「オーウ!アリガトデース!」

金剛「でもテートクはまだ子供…これはその時になったら考えてあげまショウ!」

提督「うん!約束だよー!」

金剛「オウイエース!」

金剛と出会って3年

金剛「テートクー」

提督「…ん」

金剛「この資料、ちょっと書き間違いがあるネ。これじゃ大本営から怒られてしまいマスよ」

提督「…」

金剛「聞いてるノ?早く書き直して」

提督「…金剛お姉ちゃんが気付いたんだから金剛お姉ちゃんがやっててよ」

金剛「それはダメデース!提督のミスなんだから、提督が直すべきデース!」

金剛「小さいうちから、責任というものを教えるのもお姉さんの仕事なんデス!」

提督「うるさいっ!このババア!」

金剛「うっ…」

金剛「ちょっと前までは、大好きとか言ってくれたのに…」

金剛「提督も反抗期デース…辛いデス…」ズーン

提督「だからうるさいってば!ベタベタしないで!」

金剛と出会って8年

提督「金剛…」

金剛「なんデース?」

提督「俺、将来どうなるんだろ…」

金剛「どうしたんデスか急に」

提督「俺って海軍で唯一の未成年じゃん…?」

金剛「うんうん」

提督「でもそれって俺は人生経験が少ないことを意味してんだよね」

提督「こんな外界を見てないような人生経験の少ないガキが、このままずっと海軍にのんびり寄生していいのかって思うと、何だかやりきれなくて…」

金剛「フーム…でも心配ありませんヨ」

金剛「テートクは自分で自分なりの答えを見つければいいんデス!そうすればきっと植えも認めてくれるはずデース!」

提督「…そんな年功者みたいなことを…」

提督「でもそうだよな、それが一番だよな」

提督「ありがとう金剛、楽になったよ」

金剛「ドウイタシマシテ!」

金剛「♪~」

金剛(テートク…思春期、デスね)

金剛(今はそっと見守るのが一番デース)

金剛と出会って13年

提督「…大人になった」

金剛「イエーイ!今日はテートクの成人式ネ!」

提督「…うん」カチンコチン

金剛「テートク!そんなに緊張する必要は無いヨ!」

金剛「海軍で成人式を挙げてもらえるなんて楽しそうじゃないデスか!こんなことして貰えるのは、きっと世界中でテートクだけデース!」

提督「だから緊張してるんだよ!?」

金剛「大丈夫。若気の至りってことで何をやらかしても問題ナッシングネー!」

提督「それ俺のこと馬鹿してる!?」

提督「…あぁ、でもまぁ確かにそう考えたら楽だよな…」

提督「うん、金剛のおかげで楽になった。ありがとう!」

金剛「えっへん!」

提督「それじゃ行ってくるよ」

金剛「ンフフー♪ファイトデース!」

金剛「一皮剥けたテートクのこと、楽しみにしてますカラネー!」

金剛と出会って20年

提督「さすがに軍事の仕事も慣れてきたな…」

提督「まだまだ深海棲艦も勢力を増してきているし、対策を考えてなくちゃ」

金剛「ほぉ…」

提督「って、何を見てるんだ?金剛」

金剛「アルバムデース!提督が小さい頃の!」

提督「なんだよ急に。やめろよ恥ずかしい」

金剛「この時期になると思い出に浸りたくなるのデース」

金剛「オーウ!この頃のテートクは私を大好きだと言ってくれたいたいけな時期のテートクデース!」

金剛「あの頃のテートクはちんちくりんで私も不安デシタが…」

金剛「今はだいぶいい男になりましたネ!これなら私も安心デース!」

提督「だから恥ずかしいからやめてくれって!お前は俺のカーチャンか!」

提督「おう、カーチャンと言えば」

金剛「?」

提督「俺、初対面のお前にババア呼ばわりしたことあったよなぁ」

金剛「アッ!それ私も覚えてマスよ!苦い思い出デース!」

提督「あれは今なら無神経だったってわかるよ…」

提督「それにしても、お前はいつまでも老けねえよなぁ。一体どうなってるんだ?」

金剛「そんなの当たり前デース!私は艦娘なんデスからネ!」

金剛「深海棲艦との戦いの為に誕生した艦娘には、老いなんていう概念は存在しないのデース!」

提督「マジか!羨ましいなー!」

提督「じゃあ、俺が死ぬ頃くらいの齢になってもお前はまだまだピチピチギャルってことか!」

金剛「テートク!下心見え見えデース!」

提督「バレたか!はっはっは!」

金剛「HAHAHAHAHA!」

金剛「…」

金剛と出会って25年

提督「おはよう、金剛」

金剛「オハヨウゴザイマース!」

提督「今日は新たなる深海棲艦、ジ級への対策兵器の開発を急ぐぞ」

提督「ジ級は耐久力が高く自動修復機能も持っているから超火力で一撃必殺を狙わなくてはならない」

金剛「それはつまり…ユニコーン大和の建造に乗り切るつもりデス?」

提督「ああ。ユニコーン大和はサイコ・艦フレームを搭載しているからな。これは危険だが非常に強力なシステムだ」

提督「たとえジ級でもユニコーン大和の前には手も足も出ないだろう」

金剛「楽しみデース!」

ユニコーン大和「ユニコーン大和です!信じるんだ、自分の成すべきと思ったことを!」

提督「…ついに完成したな」

金剛「そうみたいデスね」

提督「長かったなぁ、ユニコーン大和の完成まで」

金剛「80連敗くらいしてたデース」

提督「ていうか、思えばここまでたくさんの艦娘を建造してきたんだよな」

金剛「懐かしい思い出デスね」

提督「そして、それと同じようにここでたくさんの艦娘もまた解体されていった」

金剛「うんうん」

提督「だけど金剛…お前だけは解体されるのを希望せずに、ずっと俺の隣にいてくれたよな…」

金剛「そうデスネー」

提督「…ぶっちゃけ聞くけど、なんでなんだ?」

金剛「…女心ってやつデース」

提督「なるほどわからんな」

提督「…でも、ずっと俺の側にいてくれたことは感謝してるぞ」

提督「ユニコーン大和とかこんな訳のわからん艦娘が主流になった今でも、お前は俺の味方だったからな」

金剛「こっちこそアリガトデース!」

提督「お前には子供の頃から世話になった」

金剛「うん、テートクとはずっとずっと長い時間、一緒だったネ」

提督「…金剛、ちょっといいか?」

金剛「ん?どうしマシタ?」

提督「ずっと言おうと思ってた」

提督「金剛、俺はお前が好きだ」

金剛「エッ?」

提督「…その、なんだ。お前とずっといるうちに、愛情が出てきたというか、女として見てしまったっていうか…」

提督「なんていうか、子供が母に恋するみたいですっごい気恥ずかしくて言えなかったんだが…」

提督「お前が好きでたまらない!ケッコンしてくれ!」

金剛「Oh…!テートク、実は私も同じ気持ちだったんデース!」

提督「おお!本当か!?」

金剛「ウン!長い間、ずっとテートクといましたし…」

金剛「…でも…」

提督「え、でも…?」

金剛「…」

金剛「テートク!時間と場所もそうだケド、ムードとタイミングも忘れたらNOなんだからネ!?」

提督「ほっ…な、なんだ、そんなことか」

提督「俺は何もかも間違っていないつもりだぞ。どうか、指輪を受け取って欲しい」

金剛「…!」

金剛「アリガトウ!」

金剛「…」

金剛(テートク、本当にありがとうデス)

金剛(私も貴方のこと、愛してイマス)

金剛(テートクとケッコンできるなんて夢みたいデス。テートクが子供のときに私にしたあの告白をもう一度受けるなんて素敵デス)

金剛(だけど…もう…そこまでが長い間すぎて…)

金剛(タイミングが…遅すぎるのデス…)

こうして、提督と金剛はケッコンした

2人は晴れて夫婦になり、互いに互いの幸せを守ることに努めた

しかし、彼らの幸せは長く続かなかった

ある日、金剛の容態が急に悪化したのである

金剛と出会って33年

金剛「…ぐっ…カハッ!」

提督「金剛、しっかりしろ!」

提督「なんでだよ…昨日まで元気だっただろ!なんで急に血なんか吐くんだよ!」

金剛「テー…トク…」

提督「金剛喋るな!もう少しで医者に…」

金剛「テートク…ごめんなさい…私、嘘をついていました…」

提督「金剛!?だから今はそんなこと…!」

金剛「覚えてイマスか…?私が艦娘の話をした時…」

金剛「艦娘は…老いない…ってコト…」

提督「えっ!?」

提督「金剛!いいからもう…!」

金剛「艦娘は…艦と同じ…寿命は短いのデス…」

提督「っ!?」

金剛「艦娘は老いないのは見た目だけ…身体は急速に衰え、蝕まれていくのデス…」

金剛「だから、艦娘は、生まれてもう20年もすれば、老人と変わりないのデス…」

提督「なっ…そんな馬鹿な!?アメリカのある艦娘は50年以上生きているって話を聞いたぞ!?」

金剛「確かに、世の中にはそういった艦娘もイマス…デスガそれは度重なる改造のおかげデース…」

金剛「そんな艦娘はもはや身体は機械になってしまってイマス…それはもう艦娘ではなく、ただの心無き兵器と同じなのデース…」

提督「そんな…じゃあ、他の解体された艦娘たちは!?」

金剛「艦娘が次々に解体していったのは、艦娘自身それぞれの余生を自分らしく生きるため…」

提督「彼女たちも生物…短い人生を精一杯生きたいのが本望なのデス…」

提督「なっ…なっ…!?」

提督「なっ…ならば、なんでお前は…!」

提督「なんでお前も解体を希望しなかったんだ!解体しておけば余生をお前の好きなように生きていけたのに!」

提督「あの日ケッコンを申し込んだ俺が、お前の人生を奪いとってしまったんだ!あれさえなけりゃ、お前は今ごろ楽しく…!」

提督「俺なんかとケッコンしない方が、お前は幸せだったはずだ!それなのにっ…!!」

提督「なんでだ…!なんでなんだ!金剛!!」

金剛「…!」

金剛「…フフッ、そんなの…当たり前じゃないデスか…」

提督「っ!?」



金剛「私も…テートクのこと、大好きだからデスよ…」

提督「!!」

提督「金…剛…!」

金剛「私も…貴方が子供のときから一緒だったので…テートクのこと好きデシタ…!」

金剛「長い付き合いは、幼子だったテートクに向ける愛情をいつしか愛に変えたのデス…!」

金剛「だけど貴方と私がケッコンしたときは…私がもうすぐ死ぬような時期だった…!」

金剛「だけど私は、私がもうすぐ死ぬというコトをわかっていながら、ケッコンを受けたのデス…!」

金剛「私、我が儘デショ…?だけど貴方のケッコンはそれくらい私にとって嬉しかったから…!」

金剛「絶対に断りたくなかったんデス…!だからごめんなさい…テートク…!」ポロポロ

提督「金剛…!」

提督「すまない…責めてなんかない…!俺だって、自分のことばかりで…!」

提督「だから死なないでくれ!頼む!金剛!」

金剛「…もう私はガタガタの老婆デス…きっと、もうすぐにでも死んでしまいマス…」

金剛「こうなると、テートクの初対面の『金剛お婆さん』を嫌でも思い出してしまいマスね…」

金剛「だけど、貴方の言うこと、本当デシタ…私はあの時からもう生きる時間の短いお婆さんだったのデース…」

提督「待ってくれよ!金剛!そんなこと言うな!きっとまだ生き延びる方法があるはずだ!」

提督「行かないでくれ金剛!お前は俺の親以上にお前の面倒を見てくれた!お前は俺に色んなことを教えてくれた!お前がいなけりゃ俺はどうなってしまうんだ!」

金剛「そう言われると、ますますお婆さんみたいデスね、私…」

提督「違う!そうじゃない!金剛死ぬな!」

金剛「テートクー…お願いがありマス…」

金剛「…一度でいいので、私のこと、金剛お婆ちゃんって言ってください…!」

金剛「あの時の幼いテートクに…一瞬でいいので、まだまだテートクと一緒に居れる時間のあった最初に戻りたいのデス…!」

提督「…!」


提督「…わかった」

提督「死なないでくれ、金剛お婆ちゃん…!!」

金剛「…」

金剛「アリガトウデース…」ポロポロ

提督「金剛…!」

金剛「…えへへ…こんなお婆さんを…私を…愛してくれて…ありがとう…!」ニコッ

提督「金剛…っ!」

金剛「…」

提督「…金剛?」

提督「金剛!?おい金剛!!」

提督「金剛ーーーーっ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」









金剛「…という泣き落とし作戦で、提督にバーニングラブしたいのデスが」

比叡「長期的すぎる作戦ですね…」

榛名「ていうかお姉さま、死んじゃってますし」

霧島「却下」

金剛「shit!」

おわり
湿っぽいのは苦手なんです

艦娘は人間なのかそうじゃないかを色々考えてたら書けました

艦娘は人間派、機械派、新人類派、カード派、色んな説があって面白いですよね
貴方たち提督の艦娘はどれ派ですか?

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年02月07日 (日) 12:48:16   ID: kbLtPU4i

ユニコーン大和って・・・
そうなるとバンシィ武蔵やフェネクス信濃も存在しそう

2 :  SS好きの774さん   2016年02月08日 (月) 12:37:40   ID: kI-L39tW

宇宙戦艦でもいいと思う
面白かった

3 :  SS好きの774さん   2016年02月29日 (月) 16:53:21   ID: d6l_9Hqd

とりあえず提督は18歳からとか言ってみる

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