冬馬「節分終わったし安価で行動するか」 (590)

冬馬「恵方巻も食ったし何かいいこと起きるといいな」


北斗「冬馬は何を願いながら恵方巻を食べたんだい?」


冬馬「当然、↓2だぜ!」


北斗「そうか、叶うといいね」


※グロ、ホモ類の安価は安価下にさせていただきます

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冬馬「当然、玲音のハリウッドデビューだぜ!」


翔太「あれ?トップアイドルじゃないんだ」


冬馬「トップアイドルに関しては七夕や初詣とかでもうたくさん願い事したしな」


冬馬「それに自分の力でなるものなのに願うというのはなんか他人任せのような感じがしてな、だから別の願いにしたんだ」


北斗「なるほどね、確かに毎回同じ願い事をしてもきっと神様もうんざりしているだろうからね」


冬馬「でもなんで自分の願い事ならまだしも玲音さんの願い事なの?」


北斗「確かに、冬馬がほかのアイドルの願い事をするなんて珍しいね、しかもハリウッドデビュー、つまり映画スターか」


北斗「なんでなんだい?」


冬馬「願い事の理由か?そりゃあ↓2だからだ」

冬馬「プロデューサーになりたいからさ」


北斗「!?」


翔太「ええええええええ!?」


冬馬「い…いきなり大声出すなよ、びっくりするだろ」


翔太「いや突然意味わからないこと言われたら誰だってびっくりするよ!」


冬馬「意味わからないってなんだよ!意味わからないって!」


北斗「つまり…ハリウッドデビューというのは映画俳優じゃなくてプロデューサーとしてなのかい?」


冬馬「当たり前だろ、そもそも一度も映画俳優って言ってないぞ」


翔太「いや普通そう考えるでしょ」

北斗「しかしまたどうして急にプロデューサーになりたいと…」


冬馬「さらなるステップだって言ってたぜ、目をつけたアイドルを育てて玲音チルドレンを作るためだとよ」


翔太「玲音チルドレン…すごく強そうなチームだね」


冬馬「765のプロデューサーやアイドルと出会って、自分の夢が変わったんだ」


冬馬「たくさんの玲音を量産して世界中に轟かせるのが夢なんてでかいよな!俺たちもやってみるか?」


北斗「いや、俺たちは三人のままでいいよ。今もこれからも」


冬馬「そ、そうか…」シュン……


翔太(作りたかったんだジュピターチルドレン)

北斗「でもなんで彼女のためにそこまで?」


翔太「そkまでといってもただ願うだけだったけどね」


冬馬「それは↓2」

冬馬「恩人だからだ」


翔太「恩人?」


冬馬「ああ、俺は彼女に世話になったことがあったからな」


北斗「それは初耳だな。そのこと詳しく聞かせてくれないか?」


冬馬「ああ、少し長くなるけどいいぜ」


冬馬「そうだな…あれは確か今から↓2前の出来事だったな」

冬馬「俺が小学校に入学したころだったな…」


翔太「前すぎるよ!10年前じゃない!」


北斗「そのころからコンタクトがあったのか…」


冬馬「ああ、当時はまさかあの彼女があんなになるなんて思わなかったぜ」


冬馬「で、話を戻すぜ…あれは俺が小学校に入学したころ…」


――――
―――――――――
――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――
―――――――――
――――


冬馬父「今日から新入生、忘れ物はないか?」


とうま「ばっちりだぜ!」


冬馬父「迷子になると悪いから送りに行こうか?」


とうま「は、はずかしいからいらないよ!」アセアセ


冬馬「そうか、じゃあ母さんに行ってきますを言うんだぞ」


とうま「うん!」

チーーーーーン

とうま「ナムアミダブツナムアミダブツ…」ブツブツ


とうま「…いってきます」



ガチャ


とうま「それじゃあいってきまぁす!」


冬馬父「知らない人にはついていくなよ!」


とうま「わかってるって!」


冬馬父「迷ったら近くの公衆電話かお店で電話貸してもらうんだぞ!」


とうま「わかったってば!しつこいよ!」

とうま「とうさんはしんぱいしすぎだぜ、このおれがまようはずないだろ!」トテトテ


とうま「いつまでもこどもあつかいするなよな!ったく!」トテトテ



十分後



とうま「ここ…どこ?」オロオロ

とうま「えっと…さっきあっちをとおったから…」


とうま「あっちかな?」トテトテ


とうま「それともこっちかな?」トテトテ


とうま「どっちだっけ……わすれちゃった…」


とうま「おみせもない…でんわもちかくにない…どうしよう…」オロオロ

――――――ねぇ、どうしたの?


とうま「…え?」


玲音「見たところ迷子みたいだけど…その黄色い帽子…新入生かな?」


とうま「…(だれ?しらない人だ)」


玲音「よかったらアタシが案内してあげようか?学校に?」


玲音「見たところアタシと同じ学校みたいだから」


とうま「…」


とうま「↓2」

とうま「ゆ、ゆうかいするつもりだろ!」


玲音「誘拐!?」


とうま「おれおねえさんのことしらないもん!おとうさんがしらない人についてっちゃダメっていってた!」


とうま「きっとゆうかいしてみのし…みの…えっと…お金を手にいれるつもりだろ!」


玲音「ちょっと!確かに初対面の人を疑うその反応は正しいけど、アタシは身代金を要求する不審者じゃないよ!」


とうま「うそだ!どこからみてもあやしいよ!なんか目もいろがちがってちょっとかっこいいし!」


玲音「これは元からだよ!…しかしまいったなぁ。話が一向に進まないなぁ…」


とうま「うぅ~~~~~~~」フシュー!


玲音「…そうだ!」ピコーン

玲音「アタシの名前は玲音、今年で三年生になるんだ」


とうま「ら、らいおん?」


玲音「れおんだ!れ・お・ん!」


とうま「れ、れおん」


玲音「そう、それで君の名前は?」


とうま「しらない人になまえをおしえちゃダメって…」


玲音「キミはアタシの名前は知ってる?」


とうま「…れおん」


玲音「そう、名前を知っているということはもう知らない人じゃないよね、違う?」


とうま「…」

とうま「…」


とうま「…」ウーン


とうま「…!」ピコーン


とうま「ほんとうだ!知っている人だ」


玲音(チョロいね、所詮は6歳児だ)


玲音「それで、君の名前は?」


とうま「とうま!」


玲音「それじゃあとうま、一緒に行こうか」


とうま「うん!」


玲音「離れないでよ」


とうま「わかってるって!」

冬馬「…とまあ、これが俺と玲音との初めての出会いだったわけだが…」


北斗「その頃からあっていたんだ」


翔太「ていうかチョロすぎでしょ、いくらなんでも」


翔太「もし玲音さんじゃなくて相手が不審者だったらどうするのさ?」


冬馬「…ああ、今考えるだけでゾッとするぜ…」ブルブル


北斗「はぁ…、で、それで終わりというわけじゃないよね?」


冬馬「ああ、あの後無事に学校について俺の小学生の生活の始まりというわけだ」


冬馬「だがこれ以外にも玲音には世話になったぜ、確かあれからしばらく経った後だったな」


冬馬「年下の後輩が欲しかったのか、俺に目を付けたんだ。あんときはいろいろやったな」


北斗「例えば?」


冬馬「そうだな…確か…」

ワイワイ ガヤガヤ


生徒A「帰って何する?」


夕美「お花つみに行こうよ!」


生徒B「いいね!いこういこう!」




冬馬「~~~♪」トテトテ


「やあ、冬馬じゃないか」


冬馬「…?」

玲音「入学してから早々、迷子になった時以来だね」


とうま「あ、れおんだ!」


玲音「ちょ…呼び捨てはないじゃないか!せめて玲音さんとか玲音姉さんとか!」


玲音「もう少し呼び方に気を使ってほしいな!」


とうま「じゃあ↓2!」

とうま「じゃあ…れお…れお、れおねぇ!」


玲音「ふーん、玲音姉か…まあ、悪くないかな」


玲音「それじゃあこれからは玲音姉で呼ぶこと、いいね?」


とうま「わかったぜ!」


とうま「…ところで、おれになにかようか?」


玲音「そうだねぇ、一緒に↓2でもどうかなって思ったんだけど、どうする?」


とうま「↓2?なんだかおもしろそう!」

玲音「アイドルごっこしようよ!」


とうま「アイドルごっこ?なんだかおもしろそう!」ピョコピョコ


玲音「だろ?」


とうま「ところでアイドルって何?」


玲音「え?」


玲音(そこから説明するのかぁ…、まあまだ6歳だしなぁ、馴染みないかもしれないし)


玲音「…よし、お姉さんがアイドルについて教えてあげよう!心して聞くように!」


とうま「うん!」



玲音「アイドルというのは、体育館にあるステージの上に立って」


玲音「とても派手でキラキラした服を着て、みんなの前で歌とダンスを同時にやるんだ」


玲音「それがアイドルだよ」


とうま「あ、テレビで見たけどあれがアイドルだったんだ」


玲音「今回するのは遊びだけどやってみるかい?」


とうま「う~ん…おれにできるのかな?」


玲音「ものは試しだ、やってみようよ!」


とうま「…わかった!」

翔太「ふ~ん、この頃からアイドルについて考えていたんだね」


冬馬「あの頃の俺に今の俺はアイドルやってるぜって言ったら信じてくれるかな?」


北斗「きっと信じるだろうね、話聞く限り冬馬は単純だから」


冬馬「単純ってなんだよ!そこは純粋だろ!」


北斗「同じじゃないか」


翔太「それで、その後は?」


冬馬「ああ、アイドルごっこをすることになったのはいいんだが…」

とうま「ねぇ、アイドルってお客さんがひつようなんでしょ?」トテトテ


玲音「ああ、アイドルにはファンがつきものだからね」スタスタ


とうま「それで、ごっこやるにはお客さんがいるんだよね」トテトテ


とうま「だれがお客さんなの?」トテトテ


玲音「客は…↓2だ」

玲音「着いたらわかるよ」


とうま「着いたら?」


公園


玲音「えっと…いた!あの子だ!」


とうま「あの子?」


はるか「…」


とうま「あのリボンの女の子?」


玲音「ああ、去年アタシが公園で歌の練習をしていたところを見られてね、それ以来の付き合いなんだ」


玲音「差し詰め、子分1号かな?」フフン!


とうま「子分?」


玲音「そう、ちなみに君は3号だ」


とうま「2号じゃないんだ」

はるか「あ、おねぇさん!」


玲音「やあ、待っててくれたんだ。ありがとう」


はるか「…そこの男子は?」


玲音「ああ、紹介するよ、冬馬だ」


とうま「あまがせとうまだ、よろしくな!」


はるか「…」


はるか「…↓3」

はるか「お姉ちゃんの恋人?」


玲音「!?!?!?!?!?」ズコーーーーッ!?


とうま「こいびと?」キョトン


玲音「天海!いきなり何を言い出すんだ!」


はるか「だってお姉さんが男をつれてやってくるなんてめずらしいなぁって」


玲音「違う!アタシと彼はそんな関係じゃない!」アタフタ


はるか「ふーん」ジトー


玲音「信じてないな…そのジト目は…」


はるか「で、実際どうなの?恋人?」


とうま「ううん、子分だよ!」


はるか「子分?」


とうま「うん!」

はるか「すきとかそんなかんじはないの?」


とうま「すき…?ないけど」


玲音「そ、そうなんだ…」


はるか「そうなんだぁ…(よし!どうやらオジャマ虫じゃないみたいだね!)」


はるか(まあもとからあなたみたいなうまのほねにお姉さんはわたさないけどね!)

玲音「それじゃあアタシが歌ってみるから、そこで見ててくれ」


とうま「わかった!」


はるか「…」ぺきっ


とうま「木のえだなんかおってなにやってるの?」


はるか「これをサイリウムの代わりにするの」


とうま「さいりうむ?」


はるか「ファンはアイドルをこれでおうえんするんだよ」


とうま「へー」キョロキョロ


とうま「…あった」ぺきっ


玲音「いいかい?」


二人「うん!」


玲音「よし、すぅーーーーーはぁぁぁぁ…すぅうぅううううう…!」

女子高生A「どう?神奈川にはもう慣れた?」


菜々「うん、同じ関東なのに街の雰囲気が全然違うね。憧れの横浜ももう庭みたいになっちゃった」


菜々「あ~あ、このままここに住み着いちゃおうかな~」


女子高生A「何言ってるの、実家の近くに神奈川には負けないくらいのいい建物があるくせに」


菜々「近いからって毎週行けるわけじゃないよ、…ってあれ?」


女子高生A「どうしたの?」


菜々「あそこ」



玲音「ニッポンの未来は!」


はるとう「ウォウウォウウォウウォウ!」


玲音「世界がうらやむ」


はるとう「イェイイェイイェイイェイ!」


玲音「恋をしようじゃないか! 」


はるとう「ウォウウォウウォウウォウ!」




女子高生A「なんだろあれ、アイドルごっこかな?」


菜々「なんだか微笑ましいね」

玲音「ダーンス、ダンシンオールオブザナ~イト‼‼‼」


はるか「わああああ!!!」パチパチパチ


とうま「すごい!れおねぇうまい!」パチパチパチ


玲音「ふぅ、やっぱりギャラリーがいると盛り上がるね」


玲音「そこのお姉さん方も見てくれてありがとう」


はるか「え?」クルッ


女子高生A「あははは」


菜々「あまりに激しかったからちょっと見惚れちゃいました」


菜々「まだ小っちゃいのにとても上手だね」


玲音「そりゃあ、毎日のように練習しているからね」

玲音「それで、どうする?もう一戦いっちゃう?」


はるか「今度はわたしがやる!」


玲音「よし、それじゃあ見せてもらおうか天海」


はるか「うん!」



はるか「あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ~♪」


はるか「夜空のむこうには 明日がもう待っているぅ~♪」



一同「・・・」しーん


はるか「あれ?」

はるか「えっと…何かはんのうちょうだいよ」


女子高生A「あっ、うん!とっても上手だよ!上手!」


菜々「まだ小さいのに歌が上手いんだね!」


玲音「これからが期待できそうだ、きっと君なら誰もが認めるトップアイドルになるに違いない!」


はるか「な、なんだかおせじに聞こえるけど…そこのきみはどうなの!?」


とうま「え?う~ん…」


とうま(れおねぇとくらべると体うごかしてなかったしうたもはげしくなかったしなんていうか…)


とうま「…↓2?」

とうま「…でくのぼう?」


はるか「でっ!?」


女子高生A「え!?」


菜々「ちょっ…!」


玲音「それはいくらなんでも…!せめて普通とかにしたほうが…!」


とうま「だってほんとうにでくのぼうだったし」


はるか「………だ…」プルプル


とうま「誰がでくの坊だぁああああああああああ!!!」


ゲシッ


ギャアアアアアアアアアアアアア!!!

冬馬「…とまあ、思いっきり飛び蹴り食らったこともあったな」


翔太「いくら動いてなかったからってでくの坊はないでしょ」


北斗「もう少し言葉を選ばないと、誰だって聞いたら怒るよ、立って歌っただけでも一生懸命やってたんだから」


冬馬「…まあ、一応反省はしてるがな」


北斗「にしてもまさがそれが天海春香ちゃんだったなんてね」


翔太「そのころからあってたんだ、僕知らなかったよ」


冬馬「聞かれてない質問には答えられないからな、それにもう昔の話だ」


冬馬「俺も名前言われるまで全く気付かなかったぜ、だが天海は俺のことを完全に忘れていたみたいだ」


冬馬「まあガキの頃の話だからな、忘れて当然だ」


北斗「それなのに冬馬はよく覚えているね、そんな小さいころの記憶」


冬馬「忘れられないさ、あの頃は今でも鮮明に思い出せる」


冬馬「そうだな、俺が小学↓1年の頃の夏休みの時の話でもするか」


1~4の数字のどれか

とうま「…でくのぼう?」


はるか「でっ!?」


女子高生A「え!?」


菜々「ちょっ…!」


玲音「それはいくらなんでも…!せめて普通とかにしたほうが…!」


とうま「だってほんとうにでくのぼうだったし」


はるか「………だ…」プルプル


とうま「だ?」


はるか「誰がでくの坊だぁああああああああああ!!!」


ゲシッ


ギャアアアアアアアアアアアアア!

小3の夏休み


ぴんぽーん


冬馬父「やあ、玲音ちゃんじゃないか」ガチャ


玲音「こんにちは、冬馬いますか?」


冬馬父「ああ、今上にいるけど上がって待ってなさい」


玲音「ありがとうございます」


冬馬父「しかし冬馬にまさか女子の友達ができるなんて」


冬馬父「あの女性に対してシャイな冬馬が…これも玲音ちゃんのおかげだよ」


玲音「どうも」

数分後


冬馬「あ、玲音姉じゃん、どうしたんだ?」


玲音「やあ、今日は夏休みだからね。せっかくだから↓2でもどうかなって思ったんだ」


冬馬「↓2?」

玲音「海で素潜り漁なんてどうかな?」


冬馬「海?それは別にいいけどさ、素潜りってなんだよ?」


冬馬「漁なんて誰でもできるものじゃないだろ」


玲音「フフフフフ、まあ来たらわかるさ」


冬馬父「二人で海は危険だな、ここは私もついていこうか」


玲音「助かります」


冬馬「まさか、今行くのか?」


玲音「当然、だからこんなに朝早く来たんじゃないか」


冬馬「えぇ…(もうちょっと寝たかったぜ…まあ、海に行けるならいいか)」




ザザーz_ン!


係員『迷子のお知らせをお送りします』


係員『このみちゃんの両親や関係者の方、迷子センターでこのみちゃんが…』


このみ『だからさっきから高校生だっていってるでしょ!何度言ったらわかるの!恥ずかしいからやめなさいよ!』キーーーン!





冬馬「うぅ…耳が痛ぇ…」キーーーン!


玲音「んん~、絶好の漁日和だね」


春香「そうですね!」


冬馬「おいちょっとまて」

冬馬「なんで天海が一緒にいるんだよ」


春香「なに?私は玲音さんと一緒に海に行きたくてついてきただけだよ」キョトン


冬馬「抜け目ないな…」


玲音「仲間はたくさんいたほうがいいからね、天海も一緒に誘ったんだ。そもそも二人で海なんて寂しすぎる」


玲音「やっぱたくさん連れてきて一緒に楽しまないとつまらないだろ。そう思わないかい、子分2号?」


子分2号(↓2)「はい!」

愛「おねえちゃんのいうとおりです!ともだちはたくさんいないとたのしくないです!」


冬馬「昔話してた子分2号って…この子だったのか…」


冬馬「てかちっちゃ!いくつだよ!?」


愛「5さいです!」


冬馬「ということは…玲音姉…、あんた3歳児を子分にしていたのか…」


玲音「彼女は将来立派なアイドルになると思ったからね、血筋関係なく」


冬馬「血筋?」


玲音「あと念のため言っておくけど、アタシはアタシがピンと来た人以外は子分にしないんだ。そこのところよろしく」


冬馬「あ、ああ…」


春香(ピンと来た…やっぱり玲音さんは私のことを…!)パアアアア!!!

玲音「さて、それじゃあ目当ての素潜り漁といきますか!」


冬馬「ああ、そういえばこの海で浅くても魚が捕れるって看板に書いてあったな」


冬馬「何を捕るんだ?」


玲音「↓2だよ冬馬」

冬馬「愉快なサザエさん?」


玲音「ああ、この海では一般人にサザエ漁を開放しているんだ」


玲音「簡単にサザエが捕れるように浅瀬まで持ってきたりしてね、サービスいいと思わないかい?」


春香「思います!」


玲音「そう!それでどうだい、誰が一番サザエを手に入れることができるのか」


玲音「勝負と行こうじゃないか!」


冬馬「勝負か…望むところだ!」


春香「あなたには負けないんだから」


愛「サザエ!サザエ!」


舞「愛、サザエは私と一緒に捕りましょうね」


愛「ぶー」

玲音「それじゃあ試合開始!」


春香「先手必勝!」ダダッ!


冬馬「おい待て!」ダダッ!


舞「今日は誘ってくれてありがとね、玲音ちゃん」


愛「ありがとう!」


玲音「いえ、こちらこそ」


舞「それで、どうなの?」


玲音「ええ、順調です。後一つオーディションに合格すればやっとなれます」


舞「そう、それじゃあ頑張ってね。応援してるわよ!」


玲音「はい」

春香「捕ったどぉぉぉおおおおお!!!」ザパアアアアアアン!


冬馬(なんだよ、ちっちぇえじゃねぇか…まだまだだな)


玲音「アタシも捕ったよ!とびっきりのやつが!」バシャアアアアアン!


冬馬(で、でけぇ!あんなでかいの初めて見たぜ!)


冬馬(負けてたまるか!女子二人に負けたなんていい笑いものだ!)


冬馬「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」バシャバシャバシャ




冬馬「思えばなんであのときあんなに必死になってたんだろうなw」


北斗「過去の自分を見直すと当時の言動が不思議に思えることもあるね」


冬馬「まったくだぜ!」

翔太「で、サザエ捕り大会はどうだったの?」


冬馬「え?ああ、途中までは接戦だったんだがちょっとハプニングが起きてな」


翔太「ハプニング?」


冬馬「ああ、↓1が↓4したんだ」

冬馬「あの時天海がな…」





春香「これで8匹目ェ!」


冬馬「なんなんだよあいつのペースは!?何をそこまで本気にさせているんだ!?」バシャバシャ


春香「ははははは!この天海春香様に不可能はないのよ!」


春香「さあ次いってみよー!」バシャアアアアン!!!


ゴポゴポ


春香(海岸にいたのは小さなサザエばっかだった、だからもうちょっと奥にいけばきっとでかいサザエがあるはず!)


春香(そしてそのサザエを玲音さんと一緒に…ふひ///)


ピキーン!


春香「がっ!?」ガバゴボ

冬馬「これで6匹目か、数が少なくなってきたな」


バシャバシャ


冬馬「ん?」


春香「だれが!!!ちょっど!!!だずげぇ…!」バシャバシャ


冬馬「何やってるんだよあいつは!」


冬馬「待ってろ1今助けに…!」


バシャアアアアアアアアン!!


冬馬「え?」



玲音「――――――――」ゴポゴポ

冬馬「…」


玲音「大丈夫か!天海!?」


春香「」



冬馬「あの時の彼女はかっこよかった、誰よりもな」



玲音「ふー!ふー!」チュウ


春香「げほっ!げほっ!はぁ…はぁ…いったい何が…」


玲音「よかった、気が付いた」



冬馬「勝負どころじゃなかったなぁ、いやマジで」

春香「ええ!?ちょっと…何を…まさか…えぇ!?」


春香(知らず知らずに私…玲音さんと…き、きぃ…///)カアアアア


愛「お姉ちゃん…だいじょうぶ?」


春香「う、うん…私は大丈夫だよ、心配かけてごめんね」ナデナデ


冬馬父「ね、念のため救急車を…」


春香「いいですから!そんなことしなくても!」


玲音「だめだ、ちゃんと見てもらわないとだめだぞ、後遺症とかがあったらどうするんだ!」


春香「…はい、わかりました」


玲音「よろしい」


冬馬「…」

冬馬「あの時は見惚れちまったと同時にゾクッとしたな」


冬馬「いつも笑顔の玲音の目つきがガラリと変わって天海を助けたんだ」


北斗「それで、春香ちゃんは大丈夫だったかい?」


冬馬「脳や体に別条はない、普通だったぜ。見てもらった後すぐに退院したよ」


北斗「ほっ、それはよかった」


冬馬「それでその後はお楽しみのサザエパーティー!」


冬馬「バターと醤油をかけたサザエをじっくり焼いて食ったんだ!」


翔太「聞くだけでおなかが減ってくるね」グゥー

冬馬「とまあ初っ端から波乱万丈の夏休みだったな」


冬馬「その後は一緒にサッカーしたり虫捕ったりアイドルごっこやったりしたな」


冬馬「小3になる間結構練習したんだが、玲音の勢いには敵わなかったなぁ」


北斗「そもそも小学生であの凄みを出せる時点で規格外だろ?」


冬馬「まあな、そして夏休みも後半に突入したある日、玲音が俺を↓2に誘いに来たんだ」

今日はここまで

再開します

祭り

ワイワイ ガヤガヤ


冬馬「すっげぇ人の数だな~…こう人が多いと動きにくいぜ」


玲音「楽しそうでいいじゃないか。ほら、アタシ達も一緒に楽しみに行くよ!」


冬馬「はいはい、わかったよ~」


冬馬(女子と2人で祭りなんて初めてだ…)


冬馬(ん、女子?)


玲音「なにぼーっとしてるのさ、早くいくよ」


冬馬(ああ、そういや女子だった。まあ、どうでもいいか)

玲音(う~ん、まだ来てないのか。それとも人込みで探しづらくなっているのかな?)


玲音(仕方ない、適当に暇でも潰して待とうかな)


玲音「冬馬、近くに↓2屋があるんだ」


冬馬「↓2屋だって!?」キラーン


冬馬「どっちだ!どっちにあるんだ!?」キョロキョロ


玲音「ああ、それならそっちに……って」


ウオオオオオオオオオ!!!


玲音「…いっちゃった。好きなのかな、↓2屋」

射的屋


冬馬「おおおおおおおおお!!!」キラキラ


冬馬「すげぇ!マジすげぇ!それしか言えないけどスゲェ!」


冬馬「俺の欲しいものが並んであるぜ!」


おじさんA「らっしゃい、どうしたんだい兄ちゃん?一発やりたいか?」


冬馬「ああ!」


おじさん「じゃあはい、6発300円ね」


冬馬「さんきゅ!」

おじさんA「はい、コルク銃だ。しっかり狙えよ」


冬馬「ああ!」カチャ


冬馬(狙うは一番上!)


冬馬(この角度ならいける!この俺にかかれば楽勝だぜ!)


ターンターンターンターンターンタアアアアアアアアアアアアン!!!

玲音「はぁ…はぁ……やっと追いついた…」


冬馬「うぅ…」ジワッ


玲音「って一体どうしたんだ?そんな泣きそうな顔をして?」


冬馬「…射的やって、欲しいのが全く倒れなかったんだ。それで…」グスッ


玲音「ああ、大体わかったよ。何があったのか」


玲音「全く仕方ないな、アタシが敵を取ってあげるから任せてよ」


冬馬「や、やめろよそんなカッコ悪い!」


玲音「今でも充分かっこ悪いと思うけど?」


冬馬「うっ!」グサッ


玲音「ふふん、まあアタシに任せてよ」

おじさんA「いらっしゃい」


玲音「一回お願い」


おじさんA「お、べっぴんさんな嬢ちゃんが来たね。坊やの姉ちゃんかい?」


冬馬「あ、姉?」


玲音「まあそんなところかな?」


おじさんA「差し詰め、敵討ちといったところか。まあ頑張りなよ」


玲音「それで、どれが欲しかったんだい?」


冬馬「あれ…」


玲音「あれって…↓2か」

玲音「ペアマグカップ、冬馬にしては乙女チックなものを選んだね」


冬馬「わ、悪いかよ…」


玲音「いや、別に♪」フフッ


冬馬「…」


玲音「しかし見る限り重そうだな、どれ?うまく落とせるかな?」カチャ


おじさんA「はは、精々頑張りなさいな」

玲音「…」


パアアアアアアアアアアアアアン!


カン


玲音「びくともしないね」


おじさんA「まあ重たいからね。さあどうする?」


玲音「…おじさん、もう300円追加でその銃貰ってもいいかい?」


おじさんA「…ほう、そうきたか」

玲音「二挺拳銃!これならいける!」ガチャァァァン!!!


おじさんA(確かに銃が二つあればあのマグカップを動かすこともできる)


おじさんA(だがあのでかい銃を片手で持つことは少女の体では不可能だ)


玲音「…」プルプル


おじさんA(ほら、手が震えているじゃないか。これじゃあ照準も定まらない。一つでやったほうがマシだぞ)


おじさんA(フッ、まあ無駄なことを無駄だと分からせるのにはいい機会か…)


スッ


おじさんA「ん?」


冬馬「狙いが定まってないぜ、俺が銃を支えて合わせるから玲音姉は撃ってくれ」


玲音「助かるよ」


おじさんA(なるほど、共同作業ときたか)

冬馬「…よし、狙いが定まったぜ!撃て!」


玲音「…!」パン!パン!


ググッ


冬馬「動いた!」


玲音「もう一発!」パン!パン!


ググッ


パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!


おじさんA「おお、こいつはおったまげた」

パン!パン!パン!パン!パン!パン!



ググググッ


冬馬・玲音「とどめだァ!!!」


パァン!


ボトッ


冬馬・玲音「………」


冬馬・玲音「ッシャア!!!やったぜ(ね)!」ガッツポーズ


玲音「はい、タッチだ!」スッ


冬馬「イェイ!」パチン!


冬馬・玲音「あっははははははははは!!!」


おじさんA「仲のいいちびっ子達だぜ」

おじさんA「ほら、お望みのマグカップ二つだ」


玲音「ありがとうおじさん」


おじさんA「いやあ今日は面白いものが見れた。また次も来てくれよな」


玲音「ああ、もちろんさ!」


冬馬「なぁ…取れたのはよかったが…すまねぇ…1200円も使わせちまった…」


玲音「うーん、確かに安くはなかったね。これをタダで渡すのは少し気が引けるな」


玲音「というわけでこれ、こっちの片方のマグカップ、アタシが貰ってもいいかい?」


冬馬「えっ!?」ドキッ!


玲音「ダメ?」


冬馬「い、いや…いいぜ。敵を討ってくれた…お礼だから……」ボソボソ


玲音「サンキュ♪」

パチパチパチパチ


冬馬「ん?」


↓2「あんな射撃初めて見ました!」


↓2「すごい面白かったです!」


冬馬「なんだ?」


玲音「↓2!いないと思ってたら今の光景を見ていたのか!」


玲音「やれやれ、探す手間が省けたけど、もっと前に言ってよ。少し心配してたんだよ」


↓2「ご、ごめんなさい…」

雪歩「心配かけさせてごめんなさい…」


冬馬「誰だ?」


玲音「アタシがこの前歌の練習をしていた時に彼女が見に来ていたんだ」


玲音「その時に仲良くなったんだ。シャイだけど芯は強い子だよ」


雪歩「し、芯なんて…私はそんなに…」


冬馬「はぁ…、あんまりめそめそするなよ!やり難いだろ!」


雪歩「ひぃ…!」ビクッ!


玲音「あ、ひとつ言い忘れたんだけどこの祭り…」


ガシッ


冬馬「ん、なんだよ?」クルッ

怖いおじさんA「おお坊ちゃん。女の子を怖がらせるとはいい趣味してるなぁ?」


冬馬「」


玲音「たしか今日はお供の人と付き添いできたんだ。何かあったらまずいからってね」


玲音「だから彼らは差し詰めボディーガードってところだと思うんだ。そうだよね?」


雪歩「は、はい…」


冬馬「あ、あぁ…お、俺は…その…」ガクブル


怖いおじさんB「言い訳はそっちの人がいないところで話そう、な?」ズルズル


冬馬「ちょ…まっ!」


ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!


雪歩「あ…あっ…」ガクブル


玲音「ヒューッ!怖い怖い」

りん「…」モグモグ


りん「わたあめおいしい♪」




冬馬「はぁ…はぁ…はっ……はぁーーーーーっ!はっ!」ハァハァ


玲音「呼吸が乱れているよ、ほら、深呼吸して」


冬馬「すうううううう!はぁぁぁぁぁぁぁぁ…」


冬馬「はぁ…死ぬかと思った…」


玲音「これに懲りて初対面の人相手に強く言うのやめるんだよ。さっきのような目に遭いたくなければ」


冬馬「わかったよ…」

雪歩「あ、あの…」


冬馬「ああ、さっきは悪かった…強く言っちまって…」


雪歩「いえ…そうじゃなくて…その…下///」


冬馬「下?」


ぐっしょり


冬馬「」


玲音「…ぷっ!あっはっはっはっはっは!!!」ゲラゲラ


玲音「そんなに怖かったんだ!あっはははははは!!!」ヒィー!ヒィー!


冬馬「」

コンビニ


店員「ありがとうございましたー」


ヌギヌギフキフキマラヌギヌギ


ウィーン


冬馬「…」


玲音「やあ、もう大丈夫かい?」


冬馬「…大丈夫じゃねえよ…、まだズボン濡れてるよ…。こんなカッコ悪いの初めてだよしかも女子に見られたよ」


冬馬「…死にたい」ショボン


雪歩「あ、あの…私の者たちがご迷惑をかけてしまって…本当に…」オロオロ


玲音「別に謝る必要ないよ、いい教訓さ。ほら、元気出して」


冬馬「こんなことなら俺も二人みたいに浴衣にすりゃよかったか…」


玲音「後悔してももう遅いよ」

冬馬「はぁ…」ズゥゥゥゥン


玲音「もう笑わないし秘密にするから元気出してって!」


冬馬「でもよぉ…」グスン


玲音「じゃあほら!さっき買ってきた↓3があるんだ!」


玲音「これを一緒に食べようよ!それで全部忘れよう!」


冬馬「………」

玲音「チョコバナナだよ!チョコ好きだったよね?」


冬馬「…まあな」


玲音「はい、雪歩の分」


雪歩「わぁ!おっきいですぅ!!!」


玲音「中途半端にチョコがついてない、上から下まで真っ黒だ!」


玲音「チョコが固まって硬くなって、太くて黒くて大きいじゃないか!」ドヤッ


冬馬「ああ、そうだな」


玲音「本当に太くて大きいね!」ドヤッ


冬馬「ああ…?さっきから何だ」


玲音「…いや、わからないならいい…まあ低学年にはわかるわけないか」


冬馬「?」

玲音「萩原、おいしいかい?」


雪歩「は、はい!おいしい…です…」モグモグ


玲音「冬馬は?」


冬馬「……………………………………うまい」モグモグ


玲音「そうなんだ!ならよかった!もう一本あるけど食べる?」


冬馬「いや…、遠慮しておく…玲音姉…が食えばいいだろ……」モグモグ


玲音「でも二本もさすがに入らないよ」


冬馬「一本ずつ食えばいいだろ……」


玲音「…それもそうだね」モグモグ


雪歩(甘いです)モグモグ


冬馬(まだズボンが湿っぽい…)モグモグ

玲音「さて、チョコバナナも食べたことだしどうしようか?」


冬馬(帰りてぇ…)ショボン


雪歩「あ、あの!」


玲音「どうしたの萩原?」


雪歩「せっかくお祭りに来たんですから、↓2に行ってみませんか…?」


玲音「↓2か、わかった。冬馬、行くよ」ググッ


冬馬(もう好きにしてくれ…)タタタ

金魚すくい


金魚たち「~♪」スイーーー


雪歩「金魚さんがたくさんいますぅ!」


玲音「赤金黒出目金その他エトセトラ…見事にそろっているじゃないか」


玲音「おじさん、一回お願いします」


おじさんB「あいよ」つポイ


玲音「よし、それじゃあ誰がたくさんすくえるか競争だ!」


玲音「ビリは罰ゲームなんてどうだい?」


雪歩「ば、罰ゲームですか?」


冬馬「ああ、さっきの屈辱を晴らせるいい機会だ!」


冬馬「この勝負、俺がぜってぇ勝つからな!覚えとけよ!」


玲音「決まりだね、それじゃあ勝負だ!」

バシャァァァァァァァァァァン!


金魚「!?」ピチピチピチピチ


チャポン


雪歩「ふぅ…」


玲音「うまいじゃないか萩原!これで5匹目だよ!」


雪歩「えへへ、家で何度か遊んだことがあったので…」


玲音「そうなんだ、自宅で金魚すくいができるなんて大きな家に住んでるんだね!」


雪歩「は、はい」


玲音「それで、そっちのほうは?」クルッ


ビリッ!


チャポン


金魚「wwwww」


冬馬「………っ」イラッ


玲音「やれやれ、器用じゃないなぁ」フゥ…

冬馬「このっ…!」


玲音「そうやって怒りに身を任せるからポイが敗れるんだ」


玲音「一匹も捕れないまま終わるのは悔しいだろ?ちょっとアタシの言うとおりにしてみてよ」


冬馬「…わかったよ」


玲音「素直でよろしい、まずポイはこう持つ、少し斜めにやるんだ」


冬馬「こうか」


玲音「あと当然だけど水には付けすぎないように入れる、そして金魚を乾いたところに置くようにすくう」


玲音「こんなふうに!」バシャン!


金魚「!!」ピチピチ


玲音「どう?」ドヤッ!


冬馬「おお…」

玲音「さあ、やってみてごらん?」


冬馬「…」スゥ


金魚「wwwww」スィスィ


冬馬「…」バシャッ!


金魚「!?」ピチピチ


冬馬「よし!」チャポン


金魚「…」スィスィ


冬馬「やった…やったぜ!」


冬馬「見たか!やったぞ!このムカつく魚をすくってやったぞ!楽勝だぜ!」


玲音(喜怒哀楽の激しい子だ、でも一回見ただけでうまくいくなんてやっぱり彼には光るものを感じるね)


冬馬「この調子でじゃんじゃんすくうぜ!ここからが本当の勝負だ!」


おじさんB「すまんね、もう値段分のポイはないよ」


冬馬「え?」キョトン

冬馬「ないのか?」


おじさんB「ないよ」


おじさんB「まだやるなら追加料金を払ってもらわないと」


玲音「でもそしたら勝負にならないよね、フェアじゃない」ウンウン


冬馬「おま…!せっかくすくえたのにか!?」


玲音「残念だったね♪まあ一匹だけでもよかったじゃないか」


玲音「アタシが助け舟を出してあげないと一匹もすくえなかったんだから」


冬馬「うぅ…」ググッ…


雪歩「おともだちが増えました♪」

怖いおじさんA「ではこれは私が水槽に入れておきますので雪歩さんは楽しんでください」


雪歩「お、お願いします」


冬馬「なるほど…そういうことか…もう俺が負けるとわかっていてかわいそうだと思ったから俺にあんなアドバイスを…」プルプル


玲音「せめてもの情けだと思ってね、まあ強者の余裕ってやつだよ」フンス


冬馬「うぅ…」


冬馬(漏らしたり舐められたり…祭りって、こんなに悔しいものだったか?)


玲音「じゃあ罰ゲームの↓3、お願いね♪」

玲音「じゃあお姉ちゃんと呼んで、ここにキス、お願いね♪」


冬馬「え!?」ドキッ!



北斗「!!!!!」ブウウウウウウウウウウウウウ!!!


冬馬「うわああああああああああ!!!!!」


北斗「ガハッ!ごほっ!ハァ…げほ…」ポタポタ


冬馬「いきなり何するんだ!きたねぇ!」


北斗「おおおおま…おま…ちょっと…おま…!」ポタポタ


翔太「北斗君鼻からコーヒー垂れてるよ!ほらティッシュ!」


北斗「ああ、すまない」チーン


冬馬「ああもう…ずぶ濡れじゃねえか…」

冬馬「人に向かってコーヒーを吹き出すか普通?なんだよいきなり?」


北斗「はぁ…はぁ…冬馬、いまキスと言ったか?」


冬馬「言ったが?」キョトン


翔太「嘘…」


冬馬「なんだよ、俺がキスしちゃ悪いのかよ?失礼な奴らだな」ムスゥ


北斗(嘘だろ!?頬でも俺はキスなんてしてないぞ!)


翔太(僕だってお姉ちゃんたちにはやったことあるけど他人にはやってないのに…)


北斗(そもそもなんで平然に暴露できるんだ!?こんな誰もが度肝抜く話!)

北斗「な、なあ冬馬…どうして平気にその話を俺たちに言えるんだ?」


冬馬「え?」キョトン


翔太「そんな何を言ってるんだお前みたいな顔されても…」


冬馬「いや、だってお前たちは俺たちジュピターの大切な仲間じゃないか」


冬馬「仲間に隠し事はダメだろ!」ニコッ


北斗・翔太(そんな理由かよ!?)


冬馬「んで話は戻すが…」

冬馬「キ、キスって…」


玲音「ん、もしかしてキスって何か知らない?」


冬馬「いや、知ってるけど…その…」モジモジ


雪歩「キ、キ…キス!?」ボッ!


玲音「おっと。流石にまだお子様には刺激が強すぎるか」


冬馬「おおおおお前だって年上だけどお子様だろ!」///


玲音「う~ん、よし。萩原、ちょっと」


雪歩「え?」


ごにょごにょごにょ


雪歩「え、えええええぇええええええ!?」


玲音「それじゃあよろしく頼むよ♪冬馬、ついてきて」タタタ


冬馬「あ、おい!」タタタ




雪歩「…」ぼーぜん


林の中


玲音「ここなら人目につかないし問題ない、いくらでもキスできるよ」


冬馬「キスって…その…おい!」


玲音「キスの意味わからない?チューだよチュー」


冬馬「そういう問題じゃねぇ!俺はそんな恥ずかしいことできねぇよ!」


玲音「なんで恥ずかしいことだと思うんだい?それはキミの偏見だろ?」


冬馬「…だ、だってキスって…その…」ゴニョゴニョ


玲音「いいかい、キスは欧米欧州、つまりアメリカヨーロッパでは挨拶の代わりにほっぺにチューをする文化があるんだ」


冬馬「ま、マジで!?」


玲音「そう、子供から老人まで全員ね。君さぁ、ほっぺにチューすらまともにできなかったら外人にバカにされるよ。臆病者だって」


冬馬「ぐっ…ぐぅうううう…!」ワナワナ

玲音「罰ゲームを受けたのにやらないなんて言ったら罰ゲームから逃げた臆病者」


玲音「そしてキスを拒むという恥ずかしがり屋の臆病者、二つの意味で臆病者になるよ」


冬馬「ああもう!臆病者臆病者うるせぇよ!」


冬馬「いいぜ!やってやるよ!だからはやくほっぺだせ!」


玲音「よろしい」プイ


冬馬「よし…」


玲音「…」


冬馬(はぁーーっ、はぁーーっ…くっ!はぁーっ…)ドクンドクンドクン


玲音「…」


冬馬「………!」ドクンドクンドクン


ちゅっ♡

カシャ


冬馬「!?」クルッ!


雪歩「と、撮れました!」


冬馬「お前は…!」


玲音「どれどれ?」スッ


玲音「おお!よく撮れてるじゃないか!でかしたよ萩原!」


雪歩「み、見てるこっちが…緊張しました…」


冬馬「いったいどうして…」


玲音「いやだって、思い出が欲しかったからさ。ひと夏の思い出というやつ」


玲音「その思い出を萩原に撮ってもらおうと思ってさっきこっそりカメラを渡したんだ」


冬馬「そ、そんな…それじゃあ…さっきのは…」ワナワナ


玲音「うん、このカメラにバッチリ撮ってあるよ!」


玲音「いやー、アタシもそうだけど目を限界まで瞑っている冬馬もかわいいなぁ~」


玲音「見てみるかい?後で写真渡すから」


冬馬「帰るッ!」

冬馬「まあその後怒って帰ったわけだ」


北斗「そうなんだ、恥をかいたね、はっはっはっ」


翔太(目が笑ってない…自分より進んでいたことに腹が立っているんだ)


翔太(でも数では負けてないから!女性のエスコートの経験は北斗君のほうが断然上だから!)


北斗「それで、その時の写真はあるのかい?」


冬馬「今は手元にないな、次来るとき持ってくるよ」


北斗「そうか…(何をここまで焦っているんだ俺は?冬馬はたった一人の女性としか付き合ってない。数では俺のほうが有利だ)」


北斗(…ってなんで闘争心がでてくるんだ!?)


翔太「他に覚えていることはないの?」


冬馬「まだまだあるぜ!あれはクリスマスの時だ!」


クリスマス


「メリークリスマース!」パンパーン!


玲音「いやー、やっぱり知人同士でクリスマスパーティーをやるというのもいいものだね!」


冬馬「てかなんで俺の家なんだ?」


玲音「父子二人のクリスマスなんて悲しすぎるからせめて可哀想な冬馬くんにはプチハーレム体験を送ってやろうと思ったんだ」


玲音「レオンサンタさんの贈り物、気に入ってもらえたかな?」


冬馬「…まあ、悪くはないぜ。今までの寂しいクリスマスと比べたらな」


春香「…」フンス


冬馬「なんだよ?」


春香「別に…(このキス魔め…)」


愛「ぱーてぃー!ぱーてぃー!」キャッキャッ!


雪歩「あの…いいんですか?私も?」


玲音「もちろん!怖いおじさんたちから聞いたけど今日は君の誕生日でもあるからね」


玲音「今日はこの聖夜、楽しんじゃおうよ!もちろん、君もね!」ポン!


↓2「は、はい!」

↑問題ないです

やよい「は、はじめまして!たきゃ…たかつきやよい…です!」


春香「やよいって言うんだ、私は天海春香!よろしくね!」


やよい「よろしくおねがいします!」


冬馬「おい、玲音姉…彼女…」


玲音「ああ!彼女すっごくかわいいだろ!」


玲音「ほら、ほっぺもぷにぷにしててやわらかいんだ!おまけにポカポカしててカイロの代わりになるんだ!」プニプニ


玲音「こんな人の形をした天使がいると思うかい?」プニプニ


やよい「えへへ♪」


冬馬「まさか…玲音姉あんた…」ゴゴゴゴゴゴ


玲音「どうしたんだい?」


冬馬「ついに誘拐したのか!?」


ドゴッ!

玲音「さあお待ちかねのケーキだ!じゃじゃ~ん!」パカッ!


春香「お、おおきい…!」


やよい「ちょうすけとどっちが大きいのかな?」


愛「おいしそう!!」ジュルッ


雪歩「綺麗なケーキですね、果物がたくさん飾られてます!」


冬馬「痛い…」ズキズキ


玲音「クリスマスケーキとバースデーケーキ、二つのケーキを一つに融合したケーキだから大きさはとんでもないことになってるよ」


玲音「というわけではい萩原!このチョコプレートをどうぞ、ついでにケーキもこんなに!」ドスッ!


雪歩「ありがとうございます!」


冬馬「チョコ…」ズキズキ


玲音「ふぅ…やっぱり夕食とケーキ、立て続けに食べたらおなかが持たないな…」


春香「余っちゃいましたね」ゲプッ


雪歩「もう…これ以上は…」


愛「うぅぅ…」


冬馬(は、吐きそう…)ウプッ!


やよい「あの…その…ケーキ…」


玲音「ん?ああ、確かに残すともったいないからね、高槻にあげるよ」


やよい「え!?本当ですか!」


玲音「もちろんさ!このまま残すともったいないからね!」


玲音「また明日の楽しみとしてケーキが食べられるよ!」


やよい「うっうー!ありがとうございます!(ちょうすけとかすみ、よろこぶかなぁ?)」

玲音「さて、それじゃあお約束のプレゼント交換といきますか!」


やよい「プレゼントこうかんですか?」


玲音「そう、前に話したようにプレゼントを持ってきたよね、みんな?」


全員「ああ(うん!)」


玲音「それを歌に合わせてぐるぐる回すんだ、誰がどんなプレゼントをもらうのか、ワクワクすると思わないかい!」ワクワク


やよい「でも…わたし、プレゼントが…」


冬馬「大丈夫だ、心がこもっていればどんなプレゼントでも絶対に喜ぶさ」


やよい「こころですか、じゃあいままごころこめます!う~~~~~~~ん!」マゴコロチャージ


玲音「はぁ~♡癒されるなぁ~~~」


春香(なるほど…つまり運が良ければ玲音さんのプレゼントが手に入るわけね…だったらなんとしてでも捕るわ!)キラン

玲音「それじゃあ始め!」


「ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る~」グルグル

「鈴のリズムに ひかりの輪が舞~う~」グルグル

「ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る~」グルグル

「森に林に 響きながら~」グルグル


玲音「はいストップ!結果発表だ!」


春香(うげっ!サッカーボール!?マジで!?私サッカーやらないよ!ああもう腹立つ!)


やよい(焼き肉の…無料券!すごい!こんなすごいプレゼント…いったい誰が!?)


愛「りぼんだ!りぼんだ!まっかっかだよーーー!!!」キャッキャッ


雪歩(誰だろう?CDにサインの色紙…このCDの女性、有名なのかな?えっと…ひだか…何だろ?)


玲音「お人形か(ちょっと古いけど、強い真心を感じる。抱いてみると体がポカポカするよ)」ギュウ


冬馬(これは…↓3か)

冬馬「マフラーか、デザインが独特だな」


冬馬(なんていうか…派手だ、黒いマフラーに赤と青が混じったたくさんの蝶の柄)


冬馬(見る限り手作りか?すごい手際がいいな)


玲音「あ、冬馬が捕ったんだ。アタシのプレゼント」


冬馬「え?」


春香「なぬっ!?」ギロッ!


玲音「この手編みのマフラー、作るのに一か月かかっちゃってさぁ。もう大変だったんだよ!」


玲音「プレゼントを受け取ったんだから、ちゃんと大切にしてよね♪失くしてもスペアは用意してないんだからさ」


冬馬「お、おう…」

冬馬(玲音が作ったマフラーだったのか…)


冬馬(とっても…暖かいぜ)ギュッ


春香「ねぇ」ガシッ


冬馬「え?」


春香「そのマフラーとこのサッカーボールを交換して!」グィ!


冬馬「…いやダメだろそれ。第一それ俺のプレゼントじゃん」


春香「交換がだめなら言い値で買うよ!いくらなの!?」ググィ!


冬馬「人のプレゼントを金で買うなよ」


春香「うぅ…玲音さぁ~ん。私にもくださいよ~」


玲音「また来年ね」


春香「うぅ…」グスン

玲音「おっと、まだこれくらいしかたってないのか」


冬馬「クリスマスって一日が長く感じるぜ」


春香「それじゃあ何しますか?」


玲音「じゃあ↓2でもする?」

やよい「ついすたーげーむ?」


玲音「ああ、指定された手足を4つの色がついた丸に置いていきできるだけ倒れないようにするゲームだ」


雪歩「なんだか苦しそうなゲームですね」


愛「おもしろいのー?」


玲音「ああ、面白いけど…まだ君には早いね、身長が足りない」


愛「えー…」ショボン


冬馬「ゲームだったら負けないぜ!どうしたら勝ちになるんだ?」


玲音「簡単さ、先に崩れたら負けだ」


冬馬「シンプルでわかりやすいな。よし、やってやるぜ!」

――――――――――
―――――
――

やよい「うぅ…ぅ…」プルプル


雪歩「次は左足の黄色です」


やよい「ひ…左足の……ってうわぁ!」ドスン!


玲音「やよいアウト!」


やよい「うぅ…そんなぁ…」


冬馬「ぐっ…体が動きにくいぜ…なんで玲音姉はそんなに余裕なんだよ!」プルプル


玲音「これでも年長者だからね。身長はこのなかで誰よりもあるんだよ。もちろん君よりもね」ドヤッ


冬馬「ち…ちくしょう…」プルプル

冬馬「負けて…たまるかぁ!」プルプル


玲音「粘るねぇ、いつまで持つかな?」


春香(いつまで粘ってるのよあいつは!玲音さんと二人で一緒にツイスターできないじゃん!)


春香(なんとかあいつを脱落させて私が玲音さんと二人きりになる環境を作らないと…)


冬馬「ぐ…うぐぐ…」プルプル


春香(…よし、↓3をして妨害しよう)

春香(彼は全身の体重を支えるので限界のはず…。それに比べてまだ私には余裕がある)


春香(ここは天海流奥義、変顔で潰す!)ギロッ!


春香「とうまくぅ~ん、ねぇ冬馬くんったら~」


冬馬「な、なんだ天海?」クルッ


春香(変顔その1!ひょっとこ!)ヒョットコ


冬馬「!?」


春香「あそれ!私はひょっとこ天海ひょっとこひょひょひょのひょー!」ヒョットコーン


冬馬「う…お前…」プルプル


春香「さらに変顔その2、人間福笑い!まだお正月には早いけど一回どう!?」グニャアッ


冬馬「ブフォッ!!!」

グラッ!


冬馬「うぉっ!あぶねぇ!」


春香(効いてる効いてる!早く崩れろ!)


冬馬「き、きたねぇぞ…」プルプル


春香(よし、とどめに↓2の顔をして物まねをやって終わりだよ!)

春香「オッス!オラ悟空!」


冬馬「!!」


春香「おい冬馬、お前タマついてるのに臆病なんだな!」


冬馬「あ、天海…何を…」プルプル


春香「オラ腹減ったぞ…、なあ冬馬。飯作ってくれよ」


冬馬(こんなの…笑うしかないだろ…)プルプル


春香「飯作ってくれたらよ、ブルマのホッカホカのHな生写真あげるからよ!」


冬馬「ぷりぷりだよ~」


冬馬(これ…天海というより中むr…)

春香「オッス!オラ悟空!」


冬馬「!!」


春香「おい冬馬、お前タマついてるのに臆病なんだな!」


冬馬「あ、天海…何を…」プルプル


春香「オラ腹減ったぞ…、なあ冬馬。飯作ってくれよ」


冬馬(こんなの…笑うしかないだろ…)プルプル


春香「飯作ってくれたらよ、ブルマのホッカホカのHな生写真あげるからよ!」


春香「ぷりぷりだよ~」


冬馬(これ…天海というより中むr…)

ぐらっ


冬馬「うぉ!?」


春香(勝った!)


ドン!


玲音「おぅわ!!ちょ…」


ドシャァァァァァァン


春香「ああ!?玲音さんまで倒れちゃった!」

やよい「れおんさん!大丈夫ですか!?」


春香「せっかくの苦労が…」


雪歩「春香ちゃん!あれはいくらなんでも卑怯だよ!」


春香「うぅ…ごめんなさい…」


愛「だ、だいじょうぶ?」オロオロ





冬馬(うぅ…、俺はいったい…、ああそうか…天海の変顔に…)クラッ


冬馬(ちくしょう天海の野郎…)


玲音「ねぇ、冬馬」


冬馬「うっ…すまねぇ…大丈夫か?」


玲音「大丈夫かなぁ?手、アタシの↓2に当たってるんだけど」

玲音「アタシの…ほら、自分の手を見てみてよ」


冬馬「っ!!!」ドキッ!


玲音「やっぱり男の子だからそういうところ好きなのかな?まだ保健の授業には早すぎるよ?」


玲音「しかも横乳とはマニアックだね。で、いつまで触ってるの?」


冬馬「!!!」バッ!


春香「ああ!男子のくせに女子の胸触ってた!変態だよ!へんたーい!(もう許さないよ!)」


冬馬「あっ…ああ…」ガタガタ


雪歩「冬馬くん…私は、その…間違いだってわかってるから…だから…」オロオロ


春香「女子の胸揉んで感じてるなんてやっぱり男は野獣ですよ!野獣!」


冬馬「だ、誰が何を揉んでるんだよ!ないものをどうやって揉めっていうんだ!」

ガシッ


冬馬「え?」


玲音「誰のナニがないだってぇ?」


メキメキメキ


ギャアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ…!!!


やよい「ひぃ…!」ゾッ


愛「あはは!すごいしゅごい!」キャッキャッ!

数十分後


冬馬父「今日はありがとうございました」


春香父「いえ、こちらこそありがとうございました。さあ春香。帰るよ」


やよい父「お別れを言いなさい、やよい」


春香「ありがとうございました」


やよい「たのしかったです!」


舞「それじゃあまた」ペコッ


愛「ばいばーい!」


雪歩「さようなら」


怖いおじさんたち「雪歩さんがお世話になりました。それでは」ペコッ

玲音「全く…誰の胸がないだ。まだこれからだよこれから」


玲音「今はまだあれだけどあと5年たったらすごくなるかもしれないんだぞ」


冬馬「……」ズキンズキン


玲音「ったく、君にはデリカシーというものがないのかい?まああったらあんなこと言うわけないか」


冬馬「……」ズキンズキン


玲音「……」


玲音「実はさ、キミに言っておきたいことがあったんだ」


冬馬「え?」ズキンズキン

玲音「この前、アタシはアイドルのオーディションを受けて合格したんだ」


冬馬「アイドル?」


玲音「ああ」


冬馬「…よかったじゃん」


玲音「それだけかい?」


冬馬「…ずっと前から練習してたんだ。合格しないほうがおかしいぜ」


玲音「まあ、練習するだけで合格できたらどんなに楽か」

玲音「それで、今後はアイドル活動に時間を費やして、今までのように楽しく一緒に過ごせないかもしれないんだ」


冬馬「マジで?」


玲音「ああ、そのことを言いたかったんだ」


冬馬「…その、別にいいけどよ。アイドル、夢を追いかけていくのはいいことだと思うぜ」


冬馬「俺は応援してるぜ。玲音姉が立派なアイドルになれることを」


玲音「ありがと」


冬馬「その…ただ……今までのように楽しく遊べなくなるとなると…」


冬馬「…寂しくなるな」


玲音「…」

玲音「このぉ!」ギュッ!


冬馬「うわっ!」ドキッ!


玲音「何カッコつけて柄にもないことを言っているのさ8歳児のくせに!」グリグリ


冬馬「いでででででででで!それ痛いからやめろって!頭やばい!首締る」イテテテ


玲音「はいはい」パッ


冬馬「ああいてぇ…ったく…」


冬馬「今までのように会えなくなるけど別に滅多に会えないわけじゃないんだろ」


玲音「ああ、まあね。当然学校とかにも行くから」


冬馬「なら大丈夫じゃねえか。ただ一緒にいる時間が少し減るだけだ」

冬馬「俺が寂しくなるかもしれないって思ってるのか?別にそんなんで寂しくならねぇよ!」


玲音「本当に?」


冬馬「俺は寂しい経験を何度もしているんだ。もう慣れっこだぜ!」


玲音「…ふふっ、そうか」


玲音「なら心配ないね。ありがとう冬馬。気が晴れたよ」


冬馬「俺にできることがあれば、いつでも力になるぜ!」


玲音「うん、それじゃあ困ったことがあったら力になってよね!」


冬馬「もちろんだぜ!頑張れよ!」


玲音「ありがとう、それじゃあ、メリークリスマス」


冬馬「おう、メリークリスマス!」

玲音「……」テクテク


玲音(ずいぶん強がってるじゃないか、冬馬のやつ)


玲音(少し目が腫れてたぞ。いや…あれはアタシの攻撃の痛みの涙か)


玲音(まあ、いっか。さて、これからどうなるのかな)


玲音(このままいっきにトップアイドルの道にゴーかな?ふふっ、楽しみだ)


ホーホッホッホッホッ!!!


玲音「ん?」クルッ

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン♪


玲音「あれは…まさか!?」

冬馬「ン…んぅ…ZZz…」


ガラガラ


イブ「ふむ、ぐっすり眠ってるみたいですぅ」


サンタ「よし、いつも通り慎重に。じゃの」


冬馬「んん…」


サンタ「どれ、今度はイヴがプレゼントを置いてみるかい?」


イヴ「はい!」

イヴ「しんちょうにしんちょうに」ソロリ


スッ


冬馬「ZZz…」


イヴ「どうですか?」


サンタ「うむ、見事に起こさず置けたの。将来立派なサンタになれるぞ」


イヴ「えへへ♪」


サンタ「さて、次に行くか。夜は長いからの。それじゃあ、メリークリスマスじゃ」


イヴ「メリークリスマス」


ガラガラ ピシャ


冬馬「…玲音姉」グスン

翌日


冬馬「…んぅ」モゾモゾ


冬馬「朝…なのか…」


冬馬「うぅ…寒い…今日は冷えるなぁ…」


冬馬「…ん?これは…まさかプレゼント?」


冬馬「…マジで?マジで!?まさか本当にサンタが来たのか!?」


冬馬「マジかよやべぇ!マジかよ!いやマジで!?」


冬馬「マジすげぇ!サンタすげぇ!!!何があるんだ!?」ガサゴソ

ぱかっ

冬馬「こ、これは…」ゴゴゴゴ


冬馬「俺がお手紙を書いてサンタに出した欲しいプレゼント。↓2!」

冬馬「アイドルのライブDVD!」


冬馬「マジで届けてくれたのか!間違いない。俺がこれを欲しいって知っているのはサンタだけだ!」


冬馬「これでアイドルって一体どういうものなのかわかるぜ!テレビだとちょっとだけしかやってくれなかったからな!」


冬馬「べ、別にただフリフリでエロい格好をした女たちの姿が見たいってわけじゃないからな!」


冬馬「これも勉強だ勉強!」


冬馬「…でも父さんに見つかったら引かれたり笑われたりするかもな」


冬馬「とりあえず本棚の隙間に入れておこう」ウンショット


冬馬「…さて、ご飯食べよ」

翔太「それが天ヶ瀬冬馬がドルオタになったきっかけでもあった」


冬馬「勝手にナレーションするな!ドルオタにはなってねぇよ!」


北斗「…」


翔太「でも他のアイドルのこと結構詳しいじゃん」


冬馬「情報収集だ!誰がどんなパフォーマンスをしているのか、調べるのはアイドルとして当然だろ!」


翔太「まあ確かにそうだけどね、それであれでアイドルのことわかったの?」


冬馬「あー…。あの時はまだせいぜいキラキラしてたとかうるさかったとかくらいしか感じなかったな」


冬馬「ただ、画面越しから伝わる熱さ、あれは今でも覚えてるぜ」


翔太「ふ~ん」


北斗「…」

翔太「で、その後はどうだったの?会う機会が減ったの?」


冬馬「いや…、どうも駆け出しで仕事が全く入ってなくて」


冬馬「他の駆け出しや先輩アイドルに出番を捕られたりしてなかなか出番をくれなかったみたいだったんだ…」


翔太「…まあ、よくあるよね。そもそもいきなり出番がたくさん貰えるわけないもんね」


冬馬「そのおかげか俺といる時間は前とそれほど変わらなかったな。ただ…」


翔太「ただ?」


冬馬「…あれは俺が確か小4ので↓2の頃だったな」


北斗「…」

冬休み


玲音「冬馬!」バタン!


冬馬「んっ…んぅ…んん?」


玲音「なんだまだ寝ているのか。いつまで寝ているんだ。早く起きろ!」


冬馬「…って、なんで俺の部屋にいるんだよ!」


玲音「なんでって…。冬馬!まさかこの前↓3をする約束を忘れたんじゃないだろうね?」


冬馬「…まさか、↓3のためにわざわざ俺を起こしに?」


玲音「そういうこと!さあ早く起きて!」バサッ!


冬馬「うわっ!寒ッ!わかった…わかったから!ちょっと外に出てくれ、着替えるから」


玲音「早くしてくれよ」

玲音「さて、アタシにとっては小学校生活最後の冬休み!」


玲音「目一杯楽しまないと後悔するからね!」


冬馬「うぅやっぱり寒ぃ…って雪結構積もってるじゃねえか!初めて見たぞこんなの」


冬馬「まるで北海道だ。すげぇな」


ヒュン!


冬馬「あん?」


ボフッ!


冬馬「へぶぅ!?」

玲音「ふふん、どうだい?雪玉の味は?もう一発あげようか?」ニギニギ


冬馬「…っ、てめぇ!よくもやったな!倍にして返し…」ヒュン!


ボフッ!


冬馬「へぶぅ!?」


玲音「ぼさっとしてるからだよ、ほら待ってあげるからかかっておいで!」


冬馬「こんの!もう怒った!ぶっ潰してやる!」


玲音「来い!」

ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!


ウォ!アブネェ!


コノテイドカイ?マダイッパツモアタッテナイヨ?


ウルセェ!マダマダコレカラダ!


ヒュン!


玲音「きゃっ!」ステン!


冬馬「今だァ!!!」


玲音「あ、あれは!?」


冬馬「え?」クルッ


玲音「隙あり!」ヒュン!


ボフン!


冬馬「おごぉッ!!!」

玲音「あっはははは!あー、楽しかった!」


冬馬「はぁ…はぁ…結局…一発くらいしか…当てられ…なかった……」


玲音「ドンマイ、第二ラウンドやる?」


冬馬「いや…いぃ…もう………ヘトヘトだ…」ハァハァ


玲音「あはは、流石のキミも体力が持たなかったか~」


玲音「じゃあ休んだら↓2しに行こうか」


冬馬「ああ、わかった…」

スケート場


ワイワイ ガヤガヤ


玲音「はい靴」


冬馬「わりぃな」


玲音「スケートの経験は?」


冬馬「ローラーはあるけどアイスはないな。こんな靴で本当に滑れるのか?」


玲音「始めはだれでもそう思うよね。まあ物は試しだ。早速滑ってみようか」


冬馬「あ、ああ」

ドスン!


冬馬「うぉ…!おっ…おうくっそぉ…!」イテテテ


玲音「焦っていたらいつまでも滑ることができないよ」


玲音「まず転ぶことに怖がることを克服しないと」


冬馬「俺が怖がってるだって!?別に怖くねェよ!」


玲音「何言っているんだ生まれたばかりの小鹿のように震えていたくせに」


冬馬「っ…」


玲音「ほら立って、もう一度練習だ」


冬馬「ちぇっ…」

玲音「ほら一歩ずつ進んで」


冬馬「…」プルプル


玲音「そろそろ手を放すよ」


冬馬「も、もうちょっと…もう少し…」プルプル


玲音「まだ握っていたいの?冬馬が良ければそれでいいけど…」


冬馬「いや…別にそんなんじゃ…」プルプル

玲音「ほら、周りを見てごらん」


冬馬「え?」



女の子A「やった!滑れた滑れた!」


女の子B「あはは!楽しいね!」スィー


茜「ローラーもいいけど氷の上ですべるのもたのしいね!うんうん!」スィー



玲音「アタシたちより後に来たのにもう綺麗に滑れてるよ」


玲音「このまま負けていいの?あの子たちに負けて」


冬馬「…」

冬馬「手を放してもいいぜ」


玲音「…」パッ


冬馬「…」プルプル


冬馬(一歩ずつ…ゆっくり進んで…)カチッカチッ


冬馬(……もう少し)

数十分後


冬馬「…」スイー


玲音「うまいじゃないか!あんな短時間でここまでやるなんて!」


冬馬「すまん、話しかけないでくれ、転びそうなんだ」


玲音「はいはい、にしても見事な成長ぶりだ」


玲音「将来期待ができそうだ!」


冬馬「…」スイー

玲音「あー楽しかった!」


冬馬(つ、冷たい…なんか温かいものがほしいぜ)ガグカク


玲音「さて、スケートも楽しんだことだし、次は↓2でもしようかな?」


冬馬「ま、まだやるのか…」

玲音「あそこにエアホッケーあるから一回やろうか!」

冬馬「そ、それより何か温かいものをくれよ」ガグガグ

玲音「動かせば体も暖まるよ、さか速く!」


冬馬「わ、わかったよ……」

ちゃりん


玲音「よし、じゃあはじめようか」


冬馬「おい待てよ」


玲音「なんだい?」


冬馬「なんで二つ持ってるんだよ、卑怯だろ?」


玲音「え?」キョトン


冬馬「え?」


玲音「普通一人の場合だと二つ使うだろ、常識じゃないか」


冬馬(そ、そうなのか?初めて知ったぞ?)


玲音「それは置いといて、今回も敗者には罰ゲームなんてどうだい?」


冬馬「またかよ!…まあいいぜ、今度こそ俺が罰を与えてやるぜ!」


玲音「さて、どんな罰にしようかな?」フフッ


冬馬(もう勝った気でいやがる…いいぜ、ならその鼻をへし折ってやるぜ!)

玲音「あそこにエアホッケーあるから一回やろうか!」


冬馬「そ、それより何か温かいものをくれよ」ガグガグ


玲音「動かせば体も暖まるよ、さあ速く!」


冬馬「わ、わかったよ……何もそんなに急がなくてもホッケーは逃げたりしねぇよ」

カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!


玲音「はぁ…はぁ…」


カン!


冬馬「もらったぁ!」カン!


玲音「なんの!」カン!


ガチャン!


テッテレーテー


玲音「よし!また一点ゲット!」


冬馬「チィッ!!!」

冬馬(さっきまで俺が優勢だったのにもう追いつかれそうになってやがる…)


冬馬(やっぱり強ぇ…!)


玲音「さて、今回も罰ゲームかな?」


玲音「今度は何をしようか……な!」カン!


カン!カン!カン!カン!カン!カン!


冬馬(まずい…攻撃が止まる気配すらない…)


冬馬(このままじゃまた捕られちまう…)


冬馬(こうなったら…!)


冬馬「玲音姉!↓2!」

冬馬「今日は一段と美人で俺、惚れちゃったぜ//」


玲音「…っ!」ドキッ!


冬馬「今だァアアアアアアアアアア!!!!!」


カァン!


玲音「しまっ…!」


ガチャン!


テッテレーテー


冬馬「…シャアッ!!!どうだ!俺の必殺技!」


玲音「くっ…!」

玲音「あれが必殺技って…随分と小賢しい技が切り札なんだね」


玲音「しかもあんなことを言うなんて…プライドはないのかい?」


冬馬「悪いな、もう恥ずかしいことはごめんだからな!」


冬馬「罰ゲームを喰らうくらいならプライドなんかいくらでも捨ててやるっつーの!」


玲音「なるほどね…そっちがその気ならこっちだってやってやる!」カン!


冬馬「おっしゃァ!」


冬馬(あと一点取れば俺の勝ちだ!)

カン! カン! カン! カン! カン! カン!


カン…


玲音「はぁ…はぁ…」


冬馬「くっ…うぅ…はぁ…」


冬馬(パックを止めたか…恐らく次で一気に勝負に出るだろう)


冬馬(何としてでも止めねぇと後がもうないからな…いったいどう出る?)


玲音「…」


玲音「↓2」

玲音「…さっきのは冗談?それとも本気?」


冬馬「…は?何が?」


玲音「何がって…さっき言ったことだよ」


冬馬「さっき?はてなんだっけな?」キョトン


玲音「!?…だから!」


玲音「アタシに惚れたって言ったことだよ!」カン!


冬馬「っ!?」


ガコン!


テッテレーテー


冬馬「…」


玲音「どうなのさ、さっき言ったことは…」


冬馬「あれは…あれはぁ…」


冬馬「…その…だから…」ボソボソ


玲音「…まあ、冗談だとしてもキミからそんな言葉を聞けるなんて…アタシも長年面倒を見た甲斐が…」


冬馬「…げぇよ」


玲音「…」


冬馬「ちげぇよ」

冬馬「ちげぇ…そうじゃない…ちがう…ちげぇ…」ブンブン!


冬馬「そんな…つもりじゃ…ねぇ…!」パチパチ


玲音「動揺しているのかい?」


冬馬「ちがっ…ああ、そうだよ!あんなこと言われたら誰だって変になるだろ!」


冬馬「どうしてくれるんだ!こんなモヤモヤ初めてだぞ!」


冬馬(俺だって冗談なのか本気なのかわからねぇのに答えられるわけないだろ!)


玲音「そんなこと言われてもアタシにどうしろというんだい?」


冬馬「次で止めさしてやる!最後の決戦だ!」


玲音「いいよ、受けて立つよ!」


カン!

カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!


冬馬「たぁ!」


カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!


カキン!


玲音「一点集中!そしてシュート!」


冬馬「なんの!ダブルマレットブロック!」


ガン!


玲音「しぶといよ!いい加減沈めよ!」


冬馬「そっちこそ観念しろよ!」


カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!


玲音「はぁ!」


カキン!


冬馬(また止められた!)

玲音「なあ冬馬、アタシは知っているんだぞ」


冬馬「な、なにをだよ?」


玲音「キミが↓2だってことをね」


冬馬「!?」


玲音「隙あり!」ガン!


冬馬「ぐっ!?」

ガァン!


玲音「っ…」


冬馬(あぶねぇ…)フゥ…


冬馬「甘えん坊って…なんだよ!」ハァハァ


玲音「とぼけても…無駄だよ、今はもちろんキミが…小さいころから、アタシを見たら…とてとてと向かって歩いていくのを覚えているよ」ハァハァ


玲音「上級生からキャー!かわいいー!って言われたときの冬馬の真っ赤な顔とアタシの陰に埋めるその仕草、カメラがあったら撮っておきたかったよ!」


玲音「今もあんまり変わってないんじゃないかな?いやそれ以上かな?ツンが強ければ強いほどデレも強くなるらしいし」


玲音「今の冬馬きゅんはどれくらいあまえんぼうでちゅかねぇ^~」


冬馬「て、てめぇ…」ワナワナ

玲音「なんなら今この場でお姉ちゃんに甘えてもいいんだよ冬馬ちゃん?」


冬馬「人をからかうのもいい加減にしやがれ!」


冬馬「そっちだって↓2なんだ…」


冬馬「…ろッ!」カン!


玲音「…!」

ガァン!


玲音(っ…こいつ!)


玲音「このアタシが…寂しがり屋だって?」


冬馬「寂しがり屋じゃないなら何なんだよ!」


冬馬「俺は知ってるんだぜ!夏休み街中で迷子になっていたとき」


冬馬「偶然見つけた玲音姉のもとに行こうと思ったらワンワン泣いていたところをな!」


冬馬「慌てて駆け寄ったら急いで涙を拭いて平気な顔をしていたけどおせぇんだよ!もうこの目で見たからな!」


玲音「あっ…あれは違う!キミを見失ったことにせ、責任を感じていたんだ!」

冬馬「他にもあるぞ、例えば」


玲音「もう黙れ!」カン!


ガァン!


冬馬「どうしたんだ?落ち着きが足りないぞ?」ニヤッ


玲音「くっ…」


冬馬「…例えば帰りに俺たちが別れた後、借りてたハンカチを返すの忘れたから急いで戻りにいったら」


冬馬「そこにいたのはなぜかしょんぼりしてた玲音姉じゃねぇかよ!」


冬馬「そして俺が来たとわかった瞬間一気に笑顔になりやがって!」


玲音「あ…あれは…」オロオロ

冬馬「どうせ俺と一緒にいないと寂しすぎて涙ぐんでるんだ……ろ!」カン!


玲音「甘えん坊のキミだって泣いてるんじゃないの…か!」カン!


冬馬「だ、誰が泣くもんか!寂しさで泣いたことなんか一度もねぇ…よ!」カン!


玲音「アタシだってない…よ!」カン!


冬馬「俺だってねぇよこの…寂しがりや!」カン!


玲音「だから違うって…」


玲音「言ってるだろッ!」カン!


冬馬(隙がでかいぜ!ここを責める!)


冬馬「カウンターアタァァァック!!!」カン!


ガコン!


テーレッテー


玲音「なっ…!?」

冬馬「やった…やったぁ!」


冬馬「やったぜ!ハハッ!どんなもんだい!遂に勝ったぜ!」


冬馬「楽勝っとまではいかなかったが初めて勝った!よっしゃあッ!!!」


冬馬「あっははははははは!!!」


冬馬「はぁ~…疲れが一気に出てきた…でもやったぜ…へへっ!」


玲音「アタシが…負けた…」


玲音「…そっか、負けたんだ」


冬馬「よし、俺が勝ったから罰ゲームな!」


玲音「…いいよ、何するの?」


冬馬「そうだな…。↓2なんてどうだ?」

冬馬「今日一日俺の妹になれ!」


玲音「妹?」


冬馬「そうだ!もう俺が弟のようにからかわれるのはうんざりだ!」


冬馬「一日くらい俺の妹になっても文句はねえだろ!」


冬馬「つーか罰ゲームだからそれくらいやってくれよな!答えは聞かないぞ!」


玲音「…はぁ、やれやれ。随分小生意気なお兄ちゃんが生まれたものだ」


冬馬「なんとでも言え!痛くもかゆくもねぇぜ!」

玲音「わかった。君の妹に今日一日なるよ、冬馬」


冬馬「よろしく頼むぜ」


冬馬(よっしゃあ!立場逆転だ!これで玲音姉は俺の言いなりに…!)


玲音「で、妹ってまず何するの?」


冬馬「え?」


玲音「やっぱりこう…お兄ちゃん///とか言ったりしたらいいのかな?」


冬馬「え…え~と…」


冬馬(まずい…妹って持ったことねぇから何したらいいのかわかんねぇ…)


玲音「?」


冬馬(…まあ適当にやればいいんだよな。ようするに兄のいうことを聞くのが妹だよな)


冬馬「…とりあえず↓2だな」

冬馬「俺に甘えろ」


玲音「え?それでいいの?」


冬馬「ああ、妹が兄にすり寄って懐くのは当然だからな!」


冬馬「だから俺にうううんと甘えるんだ!いいな!」


玲音「ああ、わかったよ!…おっと、そうじゃなくて…」


玲音「うん!わかった!」ニコッ


冬馬「おお…」ドキッ

玲音「えへへ♪お兄ちゃん!」


冬馬「な、なんだ?」


玲音「えへっ、ただ呼んでみただけだよ!」


冬馬「そ、そうか!」


冬馬(やべぇ…いつも姉としての姿しか見てなかったけど妹としての姿も破壊力がすげぇぜ!)


玲音「ねぇお兄ちゃん、お外にいこっか!」


冬馬「あ、ああ!そうだな!」

玲音「~♪」ムギュー


冬馬「そ、そんなに引っ付いて…ちょっと苦しい…」


玲音「えぇ?だってお兄ちゃん暖かいんだもん!」


玲音「レオンもっとこうして抱いていたいなぁ~って!」


冬馬「そ、そうか…なら、仕方ないな」


冬馬「いいぜ、そのまま抱いてて…///」


玲音「わ~い!」ムギュー


冬馬(こんなのも…悪くねぇな…)




ざわざわ…  ざわざわ…


冬馬「…」


玲音「♪」


冬馬「…」チラッ


「まあ何かしら?姉弟?」「小さなカップルね」「兄妹じゃない?」


「かわいいわね~」「随分お似合いね」「最近の子供は進んでるな~」


冬馬(…ハズい)


冬馬「な、なあ玲音。そろそろ離れてくれないか?みんなが見てるだろ?」


玲音「や!もっとお兄ちゃんと一緒にいたい!」ムギュ


「まあ!ずいぶん甘えん坊な妹さんね!」「かわいいわね~」「いいお兄ちゃんだな!」


冬馬(こ、こいつ…!)

冬馬(兄としての威厳を見せるはずが…これじゃあ前より悲惨だ)


冬馬(ペースをなんとか正さないと…)


玲音「お兄ちゃん、アタシ、↓3したいなーなんて♪」


冬馬(クソッ!調子狂うぜ!)

玲音「一緒にパフェ食べたいなーなんて♪」


冬馬「パフェだな、いいぜ!今すぐ食いにいこう!」スタコラサッサ


「パフェだってよ」「アタシたちも食べにいこっか★」「わーい!」


冬馬(ここから離れよう!視線が熱い!)

レストラン


店員「デラックスチョコバナナパフェひとつとデラックスメロンパフェひとつになります」


冬馬「どうも」


店員「ごゆっくりどうぞ」


玲音「♪」ワクワク


冬馬「メロン好きなんだな」


玲音「ああ!アタシの大好物…じゃなかった…



玲音「うん!レオンメロン大好きだよ!」


冬馬「何気に初めて知った気がする」


玲音「えー!?お兄ちゃん、妹の好みを知らないなんてひっどーい!」


冬馬「うっ!」


冬馬(調子に乗りやがって!)


玲音「さっ!速く食べようよ!ね♪」


冬馬「お、おう」

玲音「んん~美味しい!」


冬馬「そうだな」モグモグ


冬馬(甘えるときはこんな顔するんだ、なんか新鮮だぜ)


玲音「…」じーっ


冬馬「…どうした?」


玲音「うーん、メロンも良いけどお兄ちゃんのパフェにあるそれ、美味しそう」


冬馬「え?↓3か?」


玲音「うん!」

冬馬「このチョコレートの人形か?」


玲音「うん!レオンそれ食べたいな♪」


玲音「ねえ、食べさせて?」


冬馬「…」チラッ


冬馬(誰もみてないな)


冬馬「ああ、いいぜ!」


玲音「わーい!お兄ちゃん大好き!」


冬馬(大好き!?)

冬馬(大好き…大好き…ダイスキ…)


玲音「どうしたのお兄ちゃん、チョコ溶けちゃうよ?」


冬馬「あ、ああすまねぇ、ほら。あーんだ」


玲音「あ~ん♪」


ぱくっ


玲音「んー美味しい!」


冬馬(指にチョコ付いちまったぜ)ペロッ


冬馬(…)

玲音「ありがとう!美味しかったよ!」


冬馬「そ、そりゃチョコレートだから、うまいだろ、な…」


玲音「次はレオンがアタシのパフェにある↓2を↓5で食べさせてあげるね♪」

玲音「あい、あ~んして」つチェリー


冬馬(ち、ちえり…いや、チェリーが俺の口の前に)


玲音「ほら、あーんして♪」


冬馬「あ、あーん…」


ぱくっ


玲音「ひゃっ!」


冬馬(やべっ!つい指ごと舐めちまった…!)

玲音「もう、お兄ちゃんったらぁ~」


玲音「指ごと食べるなんてとんだ変態さんだね」


冬馬「……っ」モグモグレロレロモグモグ


玲音「それとも、そんなに妹の指が食べたかったの?」


冬馬「!!!」ブンブンモグモグ


玲音「あははっ♪慌てるお兄ちゃんったらかわいい♪」


冬馬「~~~~~!」ゴックン!


冬馬(うぐっ…!種呑み込んじまった!ちくしょう!)ケホッ


玲音「次は何食べる?メロン?アイス?それともアタシの指?」

冬馬「わ、わるかった…俺が調子に乗りすぎた…だから…もう……妹キャラは…」


玲音「えー?やだ、今日一日妹で居続けるっていったもんね!」


玲音「だから、一日ずっとこの調子でいくよ!」


冬馬(マジかよ…、こんなの知り合いに見られたら…俺は…俺は……校内できっとこう呼ばれる…!)


玲音「ほら、早くしないとパフェ溶けちゃうよ、『変態お兄ちゃん』?」ニコッ


冬馬(あああああああああああああああ!!!)バンバンバン!

北斗「」


冬馬「それから、俺は彼女に振り回されっぱなしになった」


冬馬「パフェ食った後はゲーセン行ったりカラオケ行ったり、いつも以上に遊びまわったんだ」


冬馬「初めは羞恥心が強かったぜ」


冬馬「年上幼馴染を妹にして振り回し…いや振り回されて恥ずかしいと感じないわけがねぇ」


翔太「変態お兄ちゃん」


冬馬「うるせぇ!」


北斗「」


冬馬「…でだ、しばらく振り回されていくうちに慣れたのか羞恥心も薄れた」


冬馬「だがそれと同時に違和感を感じたんだ」


翔太「違和感?」


冬馬「ああ、当時は違和感の原因はなんだったのかわからなかった。まあ答えは後でわかったがな」


翔太「どんな違和感だったの?」


冬馬「…」


北斗「」

玲音「お兄ちゃん!次はどこいこっか?」


冬馬「…あ、うん…え?」


玲音「どうしたのお兄ちゃん?」


冬馬「あ、いや…いつもは大抵玲音が決めてるからちょっとびっくりしただけだよ」


玲音「そういえばそうだったね~、じゃあ今度はお兄ちゃんが決めていいよ!」


冬馬「よし、じゃあ↓2に行くか」

冬馬「そろそろ帰るか」


玲音「え?帰っちゃうの?」


冬馬「ああ、もう日も沈んできたしな」


冬馬「そろそろ帰らないと、ご飯も作らないといけないし」


玲音「そっか…」シュン


冬馬「…来るか?俺の家」


玲音「いいの?」


冬馬「ああ、なんか寂しそうに見えたからな」


玲音「だ、誰が寂しがりやなもんか!」


冬馬「ほら、妹」


玲音「あっ…」

冬馬「ついでにご飯でも食うか?」


玲音「え?」

冬馬「言っとくが遠慮なんていらねぇからな、妹が遠慮してどうするんだっつーの!」


玲音「…はぁ、全く。キミって人は」


冬馬「な、なんだよ?」


玲音「別に、そうだね。それじゃあ」


玲音「お言葉に甘えさせてもらうね、お兄ちゃん!」


冬馬「へいへい」

冬馬家


冬馬「ルー切らしてたらか仕方なくオムライスにしたけど、旨いか?」


玲音「うん、とっても美味しいよ!料理上手なんだね!」


冬馬「へへっ、まあな!と言っても作れるのは少しだけだがな」


玲音「それでもスゴいよ!憧れちゃうな~」


冬馬「あ、憧れる?俺に?」


玲音「うん!お兄ちゃんスゴいよ!」


冬馬「そうか…そうか!ははっ!」


冬馬「よし、たくさん食え!まだおかわりあるからな!」


玲音「はーい!」


冬馬「ははっ!ははは!」


冬馬「ははっ……」

玲音「ごちそうさま!」


冬馬「旨かったか?」


玲音「うん、今日はありがとう!お兄ちゃん♪」


冬馬「ああ、どういたしまして」


冬馬「だからさ、飯代の代わりとなんだけどよ」


玲音「?」


冬馬「話せよ、玲音姉が抱えている何かを」


玲音「…」

玲音「キミには気付かれないと思っていたけど」


冬馬「あんなに何度も振り回されたら流石に違和感に気付くよ」


冬馬「ここ最近俺をあっちこっち振り回していたときのアンタの顔、笑顔と怒った顔と不満な顔でごちゃごちゃだったぜ」


玲音「…あっちゃー、顔に出ていたのか。演技は得意だと、思って…いたけどな」


冬馬「何かあったのか、話してくれないか?」


冬馬「教えてくれないと俺、何もできねぇ。力になりてぇんだ」


玲音「…いいよ、教えてあげる。ま、どうせどうすることも出来ないだろうけどね」

玲音「去年に話したよね、アイドルのオーディションに合格したって」


冬馬「ああ、それでアイドルになれたんだよな。夢の」


玲音「そう、なれたよ。アイドルに」


玲音「まあ、アタシの夢見たものじゃなかった。夢は所詮は夢だ」


冬馬「何があったんだよ?」


玲音「冬馬、去年アタシ言ったよね、アイドルになったから一緒にいられる時間が減るって」


冬馬「ああ、そういってた」


玲音「実際減ったかい?」


冬馬「…変わらない」


玲音「そう、これは何を意味するか。キミはわかるかい?」


冬馬「…仕事がない」



玲音「正解だ」

玲音「アタシはアイドルになったらステージの上でたくさん歌えるものだと思っていた」


玲音「けど違った。実際アタシがやったのは地下で数分だけ歌ったりレッスンをするだけ」


玲音「もちろん今すぐ出来ると思っている訳じゃない、何度も経験を積んでからやるということくらいわかるさ」


玲音「だけど…だけどさ」


玲音「もし後から入った初心者アイドルがアタシより先にステージに上がれるということになったら、キミはどう思う?」


冬馬「そりゃ腹立って馬鹿馬鹿しくなって…」


冬馬「おいそれって…!」


玲音「ああ」

玲音「彼女のボーカル、ダンスは自分で言うのも難だけどアタシより劣って、いや、事務所のアイドルの中でも下から数えたほうが速いレベルだ」


玲音「だのに!アイツはアタシたちより先にステージの上に上がった!」ドン!

玲音「お世辞にも大きいライブ会場じゃなかったけどそれだけじゃない、CDだってアイツのほうが先だった!CMとかの宣伝の出演もアイツのほうが先だった!」


玲音「何故か?コネだよ!アイツの父親は芸能業界を牛耳ってるんだ、それで娘をアイドルにさせアタシより先のステージに進んだんだ!」


玲音「汚いだろ!卑しいだろ!!努力だけではどうにもならない、才能だけじゃ手も足もでない!」

玲音「アタシは、失望したよ。アイドルがステージの上じゃなくてこんな汚いやつらの手の上で踊らされていたなんて」


玲音「アタシの努力が…たかが理不尽なエゴの為に無駄になるなんて…」グスン


冬馬「…」

冬馬「初めて見た、あの時の玲音があんなに涙を流したところを」


冬馬「知らなかった、俺の知らない間に玲音にあんな悩みがあったなんて」


翔太「コネでアイドルを好き放題にするか…人のこと言えないね。僕たちも知らなかったとはいえ、ね?」


冬馬「ああ、今ならわかる、彼女の気持ちが」ギリッ


翔太「それでその後は?」


冬馬「俺はアイツのでかすぎる悩みに、どう返せばいいのか。混乱してうまく言えなかった」


冬馬「だが泣いている彼女を放っては置けなかった」


冬馬「だから俺は、それしか出来なかったが…↓2してあげたんだ」

玲音「なんで…こんな…不公平だ、こんなの…」


冬馬「…」


ぎゅうぅ


玲音「…?」


冬馬「……」


玲音「なんの、真似だい?」


冬馬「すまねぇ、あんなに一緒にいたのに…俺は気づいてやれなかった」


冬馬「すまねぇ、玲音姉の悩み、俺じゃあとても解決してやれそうにもねぇ…」


冬馬「俺には権力も玲音姉のような才能もねぇ、けど」


冬馬「誰かをこう…やって、慰めることはできるから」ギュウ


玲音「冬馬…」


玲音「…」ギュウ

玲音「情けないなぁ、こんな年下にハグされて慰められるなんて…」


冬馬「…」ギュウ


玲音「全く強く抱き締めて、そんなにアタシとくっつきたいのかい?甘えん坊さん?」ギュウ


冬馬「お前だって放そうとしないだろ寂しがり屋」ギュウ


玲音「君が強く抱き締めているから」ギュウウウ


冬馬「お前だって…」ギュウウウ


玲音「…」


冬馬「…」

冬馬「なあ、俺が言ってもなんの意味もないかもしれねぇけどさ」ギュウ


玲音「ん?」


冬馬「…夢、諦めるなよ」


冬馬「見たいんだ、アンタがライブする姿。公園で散々やったあれを、ステージの上でいつかやってくれよ」


冬馬「大丈夫だ、諦めない限り夢はきっと叶うよ」


玲音「他人事だと思って簡単に言って…バカ…」ギュウ

冬馬「…それで、放さないのか?」ギュウ


玲音「キミが放さないからアタシ動けないんだけど」ギュウ


冬馬「いやあんたが先に放さないと…」


玲音「キミが!」


冬馬「アンタが!」


冬馬・玲音「…」


玲音「まあ、暫くこのままでいいか、寒いし」ギュウ


冬馬「ああ」ギュウ

冬馬「そしてそのあと吹っ切れて元気になった玲音を俺はアイツの家まで送ったってわけだ」


冬馬「そのあとはいつもと同じ元気になってさ」


冬馬「何か行動を起こしたみたいで事務所に相談して仕事を貰ったんだ」


冬馬「あの時のアイツの顔、俺と遊んだ時以上にいい笑顔だったなぁ」


北斗「」


翔太「だ…大胆だね冬馬くん!女子に抱きつくなんて!」


翔太「僕でもそんなことしないよ!熱いね!ひゅーひゅー!」


冬馬「ははっ!よせよ照れるだろ!」


翔太(何この反応!?余裕すぎて調子狂う!?)

翔太「そ、それで、そのあとどうなったの?」


冬馬「そのあとは」bbbbbbbb


冬馬「おっと、もうこんな時間か。すまねぇな、これからラジオのゲストにいかねぇと行けないから」


冬馬「続きはまた今度な」


翔太「う、うんわかったよ。またね」


冬馬「おう、また後でな」


バタン

翔太「…いやー、まさか冬馬くんとあのオーバーランクがそんな関係だったなんて…」


翔太「意外すぎて言葉もでないよ。ねぇ北斗君」


北斗「」


翔太「…北斗?」


北斗「…」


翔太「まさかショックがでかすぎて言葉が本当に出なくなった?」

北斗「ははっ!いやー面白い創作話だったよ」


翔太「え?」


北斗「まさに童貞が考えそうな物語だ。なんかのノベルゲームで似たような話を知ってるよ」


北斗「冬馬も俺たちに負けないように一晩かけて考えたな。やるじゃないか」


翔太「あ…え?」


北斗「でももし実際あんなことがあったら、俺嫉妬しすぎておかしくなりそうだよ」


北斗「そう思わないかい?翔太?」


翔太「う、うんそうだね…」

北斗「ははは、全く冬馬のやつは」ポパピ


翔太「何してるの?」


北斗「ああ、今の話をそのオーバーランクに聞かせてあげようと思ったんだ」


翔太「彼女の電話番号も入手してたの?」


北斗「俺の携帯にないエンジェルちゃんの電話番号なんて存在しないよ、出会った女性は全部入れてるから」


翔太「流石北斗君」


北斗「さて、早速待ち合わせを決めて…」


翔太「なら僕は僕なりに調べてみるよ」

765プロ


春香「っと、私に用があるんだっけ?」


翔太「うん」


P「お前が来るなんて珍しいな翔太、一体春香になんのようだ?」


翔太「春香さんは、玲音さんのこと、知ってますか?」


P「玲音?」


春香「知ってるよ、というよりアイドルだったら知らないほうが珍しいんじゃないかな?」


翔太「うん、確かにそうですけど、噂によると春香さん。子供の頃玲音さんと会っていたという話を聞きました」


春香「!?」


P「何!?」


小鳥「!?」ブウウウウウ!

翔太「」

P「音無さん!何するんですか!?」


小鳥「ご、ごめんなさい!そんなつもりじゃ!」


翔太「いやいいんです、大丈夫ですから」フキフキ


春香「な、なんでその話を…それを知っているのはアタシと玲音さんだけのはず…」


P「本当だったのか…なんで俺に言わなかったんだ?」


春香「約束したんですよ、久しぶりにあった時私たちの関係は秘密にするって」


春香「それにプロデューサーさん口が柔らかいし…」


P「ぐっ…!」グサリ

春香「でもなんでそのことを翔太君が知ってるの?」


春香「まさか、玲音さんから聞いたの?」


翔太「いや、冬馬君から聞いたんだ」


P「は?冬馬?」


春香「なんで冬馬君がそのことを?」


翔太「冬馬君、小さい頃玲音さんと一緒に遊んだりしたんだ」


翔太「春香さんと海に行ったりクリスマスパーティーやったり」


春香「海…クリスマス……」


春香「!?」ハッ!


春香「まさか、いやそんな…」ワナワナ

春香「あの時のクソガキご冬馬君だったの!?」


P「クソガキ!?」


春香「そうだ!思い出した、いや、本当は忘れていたんじゃない、思い出したくなかったんだ…」


P「は、はるか?どうしたんだ?顔が青いぞ?」


春香「思い出したくなかったんだ、私たちの思い出を、玲音さんを彼が…!彼がッ!」


春香「はっ!まさか前に一緒に話していた好きな人って!そんな!?」ワナワナ


P「しっかりしろ春香!昔何があったんだよ!?」

春香「私、見たんですよ」


翔太「見たって何を?」


春香「あれは私が小学六年の頃、あのガキと玲音さんが↓3していたところを!!」


P「何!?」

春香「買っちゃった♪新しいリボン~」


春香「家に帰って付けて…あれ?」


玲音「~」


春香「あれは!?変装して眼鏡をかけてもよくわかるあのオッドアイ!」


春香「間違いない、玲音さんだ!そして隣の人は…」


冬馬「…」


春香「あれは冬馬くん!?どうして玲音さんと!?」


春香「一体どうして…まさか、いやそんな、デートだなんて…」


スッ


春香「建物に入った!追いかけないと!」タタタッ


春香「ここがその二人が入った建物」


春香「見たところ↓2みたいだけど」

春香「見たところデパートみたいだけど二人ともこの中に?」


春香「だとしたら速く入ろう、人が多いから見失っちゃうよ!」


春香「おっと、ばれないようにリボンをほどいてっと」スルッ


春香「さて、いこうか」タタタッ

冬馬「!」


玲音「♪」


春香「ターゲット確認、依然としてどこかに入る様子はない」


春香「ていうかなんであんなにくっついてるの!離れてよ!小学生の癖に!」


玲音「…」


カーン ガコン


春香「まずい!エレベーターに!」


春香「急がないと!」

エレベーター


冬馬「…」


玲音「…」


春香(なんで私たち三人しかいないの!)


春香(これ絶体絶命ってやつだよ!絶体絶命!下手に動いたらバレる!)


春香(なんとか顔合わせないようにしているけど見つかったらまずい!)


春香(でもこれだけ近いなら何話しているのかもわかる!)


玲音「ねぇ、どこにいこっか?」


冬馬「そうだな…↓3なんてどうだ?」


春香(↓3?)

冬馬「服買いにいこうぜ、俺が選んでやるからよ!」


玲音「本当かい?嬉しいよ!ありかとう!」


冬馬「おいおい玲音姉、礼を言うなら選んだ後にしようぜ」


玲音「ふふっ、それもそうだね!」


玲音「それじゃあとびっきりのいい服、選んでよね!」


冬馬「おう、任せとけ!」


春香(何カッコつけてるのよ!!てかなんでそんなに信頼される関係になってるの!)


カーン


冬馬「降りようぜ」


玲音「ああ」


春香「…」ササッ

ほんのりとお高い服屋


玲音「どれが似合うかな?」


冬馬「ワンピにドレスにジーンズなんでもあるんだな」


冬馬「さてそのなかで似合うのは…」


春香「…」チラッ


春香「えっと、0がひぃふぅみぃよぉ…ってうえぇッ!?」


店員「お探しですか?」


春香「いえ、見てただけです!」アセアセ


春香「」

玲音「それじゃあ着替えてくるから」


冬馬「おう」


玲音「覗かないでよね?」


冬馬「覗かねぇよバーカ」


玲音「ふふっ♪」


春香「」


春香(何あれ、できてるよね。あれできてるよね!)


春香(私が知らない間、あの二人どんだけ関係縮めたの!?)


冬馬「ん?」クルッ


春香「!」ササッ


冬馬「…」

シャアアア!


玲音「どうかな?似合う?」


冬馬「おう、バッチリだ!」


冬馬「玲音姉のビジュアルに俺のセンス、二つ合わせたら無敵だぜ!」


玲音「そっか、似合っててよかったよ、ありかとう!」


冬馬「おう!」


春香(あの服、↓3だ!)

春香(ゴスロリっぽい黒ワンピ!)


春香(あの姿は文字通り厨二だよ!玲音さんのオッドアイ要素も合わさって厨二らしさがやばい!)


春香(冬馬ったらあんなのが好みだったの!?)


冬馬「黒い傘も買ったらもっと様になるんじゃねぇか?」


玲音「そうかな?」


春香(まだコーディネートするの!?)

春香(なんというマニアックなの!あの年でゴスロリ萌えだなんて!)


玲音「とまあ君の言った通り傘とかいろいろ買ったけど、どうかな?」


冬馬「おう!とっても似合ってるぜ」


冬馬「まるでアニメに出てくる魔術師が現実に現れたみたいだぜ!」


玲音「魔術師ねぇ、こんな風に闇に飲まれよ!とか言ってみたり?」


冬馬「あっ、それすげぇいい。ゾクッときた!」


玲音「ふふっ、それじゃあ今宵は異界の魔術師としてこの現世を堪能しようかな?」


冬馬「おお…なんか背筋が冷えたぜ。なんかかっけぇ」


春香(ああ…あんな笑顔、私一度も見たことないよ。どうしてあんな男に…)

冬馬「…」ボソボソ


玲音「…」ボソボソ


春香(え?何?聞こえない、もっと近づかないと)ササッ


玲音「じゃあ次は↓3にいこうか」


冬馬「おう!」


春香(↓3?)

雑貨屋


わいわい ガヤガヤ


玲音「結構いいものが売られてあるね」


冬馬「どうする?見るだけか?」


玲音「いや、せっかくだから買うよ」


冬馬「そっか」


春香「…」チラッ


春香「えっと… 0がひぃふぅみぃよぉいつ…ひえぇ!」ビクッ!

玲音「で、どれがいいと思う?」


冬馬「今度は玲音姉が決めなよ」


玲音「それじゃあお言葉に甘えて」


店員「何かお困りですか?」


春香「いえ!見てただけですよ!見てただき!」アセアセ

春香(ああビックリした。デパートってこんなに心臓に悪いところだっけ?)


春香(うぅ、速く抜け出したいよぉ…。なんでこんな目に…)ウウッ…


春香(それもこれも全部あの冬馬のやつが!)


玲音「これなんてどうだい?」


冬馬「↓2形の↓5か、いいんじゃねぇか?」


春香(なっ!?)

春香(ハ、ハートの…Heartの形の…イヤリング?)


春香(ハートってそんな!?)


春香(やっぱりあの二人はできて…、いや…嘘だよ、嘘だ)


春香(そう、きっと玲音さんがハートの形が好きだから買ったんだ。きっとそんなラヴな関係じゃあ…)


冬馬「じゃあ会計だな」


玲音「そうだね」


春香(あっ、待って!)

チャラッ


冬馬「似合ってるぜ!イヤリング」


玲音「君だって意外と似合ってるよ」


冬馬「そ、そうか?」


玲音「ああ!キミはこういうチャラチャラしたものが苦手だと思っていたけど」


冬馬「そうでもねぇよ。俺はこういうのは平気だぜ」


冬馬「ただ、こういうピンクでハートのやつは…その、恥ずかしいけどさ…//」


玲音「大丈夫!アタシもつけているから、ほら」チャラッ


玲音「二人で付けていれば恥ずかしくないだろ!」


冬馬「…ああ、二人で付けていれば恥ずかしくないな」


春香(二人で付けているなんて、妬ましい!)キイイイ!

春香(何が恥ずかしくないだ!リア充め!マジ爆発…いや消し飛べ!)


春香(なんで…なんて!私じゃなくてあいつとぉ…)


冬馬「…」


ササッ


春香(!?まずい!見失っちゃう!急がないと!)タタタッ!

春香(はぁ…あ、あれ?)キョロキョロ


春香(おかしい、さっきここを曲がったはず?)


玲音「誰か探しているのかい?」


春香(!?)


冬馬「よかったら俺たちも人探しに協力しようか?」


春香「い、いつの間に…」クルッ


玲音「なんだ、天海じゃないか。リボンしてなかったから気が付かなかったよ」

春香「一体いつから!?」


冬馬「服屋でなんか強い視線を感じてな」


冬馬「後ろを向いたら人影だけが写っててつけられてるなと思ったんだ」


春香(し、しまった!?)


玲音「しかしアタシたちの関係を探る記者かパパラッチかと思ったけど、まさか天海だったのか」


玲音「なんでそんなことを?」

春香「そのあなたたち二人の関係を知るためだよ!」


冬馬「…」


玲音「関係?」


春香「惚けないでください!私は知っているんですよ!」


春香「二人かイチャイチャしていたところ!」


冬馬「フッ…」


春香「な、何笑っているの!?」


玲音「天海、君とはもう小さい頃の付き合いだ、教えてあげようか」


春香「え?」


玲音「私たちは↓2した関係なんだ」

玲音「将来を約束した関係なんだ」


冬馬「///」


春香「は?」ポカーン


玲音「冬馬はアイドルに絶望したアタシを助けてくれたんだ」


冬馬「あの時は珍しく起こったり泣いたり…どうしたらいいのかわからなかったぜ」


玲音「ああ、今思えば懐かしいよ」


冬馬「そのあともアイドルやった後客が少なくて愚痴ったりアイドルなのにスカイダイビングやらされることになって泣きついたり」


冬馬「何かあるたびにアイドルの不満を俺にぶちまけたんだ」


玲音「こら、そんなこと言うなよ!恥ずかしいじゃないか!」プンスカ


冬馬「はは!悪いな!」


春香「そ、それと将来の…あれとなんの関係があるの!?」

玲音「元々アタシは彼に気があったんだ」


春香「へ?」


玲音「彼は実際に気を持ったのはもっと数年後だったけどね」


春香「つ、つまり…りょ、両思い?」


玲音「正解、初めは特に感じなかった関係も、時が経つにつれそれが形になってきたんだ」


玲音「そしてキミが小さい頃に言った通り、彼はアタシの恋人となったんだ!」


春香「嘘だ!」


冬馬「残念ながらマジだぜ」

春香「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!こんなのありえないッ!」


冬馬「お、おい!いい加減現実見ろよ!」


玲音「おかしいなぁ?てっきり祝福してくれると思ったけど…」


春香「は、はは!そうだよ、全部私を騙すための嘘に決まってる!」ハァーーッ!ハァーーッ


春香「でないと未成年同士の恋人ごっこなんかやるはずない!」ハァーーッ!ハァーーッ!


冬馬「な、なんだ!?」


春香「冬馬ァ!もし本当に将来を約束した仲なら↓3やってみせてよ!」


冬馬「は、はぁ!?」


玲音「すごい、顔が真っ赤だ」

春香「ベロチューやってみせてよ!ほらベロチュー!」


冬馬「ちょっ、お前…何言って!?」


春香「あれー?もしかして将来を約束した仲なのにできないの?」ハァーーッ!!ハァーーッ!!


春香「うわなっさけなーい!ヘタレ童貞!」ハァーーッ!ハァーーッ!!


冬馬「誰がヘタレだ!(どうていってなんだ?)」


玲音「まるで小学生男子だな。どうする?」


冬馬「さ、流石にキスとなると…///」


春香「ほらできない!やっぱり私をたぶらかすための嘘なんだ!」


春香「あんたなんか玲音さんと比べれば月とスッポン!だからさっさと別れて…」


玲音「仕方ないなぁ、ほら、顔こっち向けて」


春香「は?」

冬馬「い、いいのか?」


玲音「別にいいさ、見ているのは一人だけだからね」


玲音「アタシとしては観覧車の中や船の上がよかったけどね」


春香「え、ちょっ…」


玲音「ほら、目を積むって」スッ


冬馬「ああ…」スッ


春香「ま、まさか本気で!?」


春香「やめっ!」

チュッ


冬馬「!?」


玲音「んっ、んむ…むっ」チュパ


冬馬「…んむっ!」ギュウウウ!


春香(は、初めは普通のキス。そのあとは見えなくてもわかる舌を互いの口の中に入れる動作)


玲音「んぅ…はむ!」ギュウウウ


春香(唇が離れないように互いに抱き合って唇を固定!)


玲音「むっ…ぷはぁ!」トローッ


冬馬「ハァ///ハァ///」トローッ


春香(互いの舌を繋いでいる唾液の橋…)


春香(これは、大人の…キス!!)

玲音「初めてなのにずいぶん激しいじゃないか//」


冬馬「へへっ、そっちこそ//」


春香「あっ…あ、ああああああ…あああ!」ガタカダガタカダ


玲音「どうする?アタシはまだいけるけど、まだやる?」


冬馬「もちろんだ!」


チュッ


春香「ああああああああああああああ!」


パリーン


春香「」フッ…

玲音「ぷはぁ!とうだ、天海!アタシたちの関係は//」


春香「」


玲音「あれ?おーい、天海?」


冬馬「気絶してやがる…」


春香「」


玲音「あーまーみー?」


春香「はっ!私は一体!?」


冬馬「あ、起きた」

玲音「大丈夫かい?天海?」


春香「あれ?玲音さん!?どうしてここに!?」


玲音「え?どうしてってさっき…」


春香「本当にお久しぶりですね!玲音さんの卒業式以来ですよ!」


玲音「あ、ああ。そうだね、それで」


春香「あ、そうです!玲音さんのCD、私買いましたよ!とても素敵な歌でした!」


玲音「あ、ありがとう。それで」


春香「私も玲音さんみたいにカッコかわいいアイドル目指して頑張りますね!」


玲音「そ、そうか。君もアイドルを目指すのか」


玲音「いつかアタシと一緒にステージの上に立つことを楽しみにしてるよ」


春香「はい!楽しみにしててくださいね!それじゃあ!」タタタッ


玲音「ああっ…いっちゃった」


冬馬「さっきと様子が違うな、俺のことガン無視だぜ」

冬馬「なんだよ散々振り回しておいてさよならって」


玲音「天海って結構変わってるな」


冬馬「そうだな、それでこれからどうする?」


玲音「ウーン…」


玲音「取り敢えず歩きながら考えようか」


冬馬「だな」

春香「…それが、私が思い出したことです」


P「キスだって!?アイツがか!しかも小6で!?」


翔太「やっぱり全部本当のこと…」


小鳥「おっ…おおおおおおっ!?」ポタポタ


春香「忘れていた…。思い出せなかった、いや思い出したくなかった!」


春香「あの男が!あのくそガキが!玲音さんを!玲音さんをッ!」ワナワナ


P「お、おい春香落ち着け!」


春香「これが落ち着いていられますか!」ギロッ


翔太「ひ、ひぃ!」ガタカダ


春香「プロデューサーさん!私出掛けていきます!」


P「待て!どこに行くつもりだ」


春香「決まってますよ!冬馬を↓3しにいくんです!」


P「何!?」

春香「ボコボコにした後祝ってやるんですよ!」


春香「祝福してるのは呪っているのかどっちなんだ!?」


春香「生憎私にはもう心に決めた人がいるから、もう玲音さんを追いかけることはないです」

P「え!?それってまさか…俺?」ドキッ!


春香「いえ千早ちゃんです」


P「あっ、そう…」


春香「私ももう子供じゃありません。潔く諦めます…」


春香「だけどこの忌々しい記憶の封印を解かせたことだけは許さない!」クワッ!


春香「マセガキがァ!グロいもの見せつけやがってェ!一度八つ裂きにしないと気がすまない!」


P「まずい!響!真!春香を止めろ!」


真「わかりました!」


響「大人しくするんだ!」ギュウウウ


春香「はなせえええええ!!!」ジタバタ

春香「~~~~~!」フシュー!!フシュー!!


P「ロープでしばって轡はめて動けなくしたがまだ勢い止まらないな」


P「いいか、しっかり見張ってるんだぞ」


響「自分に任せるさー!」


真「了解です!」


翔太「冬馬くん知らないところで命狙われて可愛そう…」


春香「!!!」ガルルルルルル!


P「恐ろしい執念だ…」

一方


玲音「待たせたかな?」


北斗「いや、時間ぴったりですよ。問題ありません」


玲音「珍しいね、伊集院がアタシにプライベートの電話だなんて」


玲音「このアタシをレストランに来させた訳はなんだい?お食事というわけじゃないみたいだけど?」


北斗「ええ、実は冬馬が貴女のことについて話して…」


玲音「冬馬がアタシのことを?」


北斗(冬馬?天ヶ瀬って名字呼びじゃないのか?まあ、いいか)


北斗「はい、かくかくしかじかということです」


玲音「なるほど」


北斗「全く、アイツにしてはよくできた創作ですよ」


北斗「俺や翔太みたいに対女性対応スキルがないですからね。だから妬んであんな誰もが驚くような話を」


北斗「失礼ですね、貴女が創作の道具に使われるなんて」


玲音「…それで、その愚痴を言うためにアタシを呼んだのかい?」


北斗「…いや、ちょつと確認ですよ。あなたと冬馬は本当に冬馬の言ったような関係なのかどうか?」


玲音「…」

北斗「すいません、失礼でしたか?」


北斗「気を悪くしたなら本当にすいません…」


北斗「ただちょっと気になって」


玲音「アタシと冬馬の関係を?」


北斗「え、ええ」


玲音「…」スッ


北斗(写真?)


玲音「この写真に君のみたいものがあるよ」ポイ


北斗(なんだろ?)スッ


北斗「!?(これは、二人の↓3写真!)」

北斗「二人の写真!?後ろにあるのは、水槽?」


北斗「まさか、水族館か!」


玲音「正解、あれは冬馬が中学生成り立てのときのことだ」


玲音「世にも珍しいマグロが泳いでいる水族館に行ったんだ」


玲音「本当にびっくりしたよ、まったく止まらずグルグル泳いだんだ」


玲音「あの時の冬馬の驚きよう、面白かったなぁ」


北斗「そ、そうですか…」


北斗(本当だった…童貞の創作物ですらなかった)


北斗(そんなことって…ありえない…いや、でも、これ加工とか?いや…)ブツブツ

玲音「本当にマグロが泳いでいるなんて」


冬馬「すげぇ!マグロマジで泳いでる!」キラキラ


冬馬「うお!あっちは鮫か!口でけぇな!」


玲音「まったく、子供みたいにはしゃいじゃって…」フフッ


冬馬「おい!写真撮ろうぜ!」


玲音「はいはい、えーと…」キョロキョロ


玲音「すいません、写真お願いします」


瑞樹「ええ、わかったわ」

瑞樹「はい、チーズ」


カシャ!


瑞樹「どうかしら?」


玲音「はい、綺麗に撮れてます!ありがとうございました!」


瑞樹「どういたしまして、ところで二人とも。もしかしてデート?」


玲音「ええ、まあ」


冬馬「そんなところッス//」


瑞樹「青春してるわね、羨ましいわ」


瑞樹「十代の時間は長いから大切に過ごしてね、それじゃあね、お二人さん!」スタスタ


玲音「はい!」


瑞樹(にしても今の彼女、何処かで見たような…気のせいね。さて、お土産どれにしようかしら?)

玲音「というわけなんだ」


北斗「そ、そうなんですか」ガタカダビチャビチャ


玲音「どうしたんだい?手が震えてコーヒー溢れてるよ?」


北斗「い、いや大丈夫です」


玲音「そうかい?」


北斗「はい、あなたと冬馬の関係があの写真でわかりました」


北斗「だけどなんで冬馬と?どうしてアイツと共に遊んだり付き合ったり!」


北斗「初めて会ったとき、二人の間で何があったんですか!?」


北斗「どうして冬馬のことを…迷子の冬馬を助けたときに何が!?」


玲音「つまり彼に惹かれた理由を知りたいのかい?そうたな…」


玲音「強いて言うなら特にない」キッパリ


北斗「は?」


北斗「それ、強いて言ってないですよ?」


玲音「あはは、それもそうだね!」


玲音「でも本当にないんだ、それだけじゃ不満?」


北斗「当たり前です!何もないならあんな関係になるはずないでしょ!」


玲音「確かに一理あるね、でも、本当に…いやあったかな?」


北斗「本当ですか!一体何ですか!?」


玲音「ウーン、パフェ食べれば思い出すかも?」


北斗「すいません、デラックスメロンパフェ二つ!」

玲音「アタシが彼と初めて会ったとき、何か光るものを感じたんだ」モグモグ


北斗「光るもの?」


玲音「ああ、彼はきっと将来大物になる、そんな感じがね。それを見届けたかった」


玲音「それだけじゃない、新学期最初に出会ったあの時は偶然じゃないと思うんだ」


玲音「この世に偶然はない、あるのは決められた必然のみ。あの時彼と出会ったのは必然だったんだ」モグモグ


玲音「そしてその定められた運命を逃したくない、だから彼と共に過ごした」ゴクン


玲音「とまあ色々あるけど一番の理由は」


北斗「理由は?」


玲音「↓2だね」パクッ

玲音「一目見たとき、アタシの何かがティン!ときてポカポカしたんだ」


北斗「!?」


玲音「これがなんなのか、君にはわかるよね?」モグモグ


北斗「…一目惚れ!」


玲音「そういうこと」ゴクン


玲音「アタシは彼に一目惚れしたんだ。だって可愛かったからね、髪の毛ツヤツヤお肌プニプニ、全部アタシの好みだ」


玲音「性格も真っ直ぐでアタシのために尽くしてくれたりして、本当に良い子だよ。他に話す女子が少ないからアタシになついて、大きくなったらすっかり理想の男子に変身」


玲音「逆光源氏計画大成功だね」パクッ


北斗(そ、そんな…俺は、負けてたのか?)

玲音「しかし長い間過ごしていると今までアタシが彼を支えていたのに、何時しか立場逆転したことあったなぁ」


玲音「懐かしいなぁ、もう数年も前の話か。最近ゆっくり話してないからなぁ、また話してみたいなぁ」カラン


北斗「あなたと冬馬の関係についてよくわかりました」


玲音「ああ、わかってくれたんだ」


北斗「ですが今どこまで二人の中が進んでいるのかわかりません」


北斗「教えてください、一体どこまで進んでるんですか!?」


玲音「下手な好奇心は身を滅ぼすよ?」


北斗「…」


玲音「…なんか今度はふわふわしたものが食べたいな」


北斗「すいません、フルーツケーキ1つ!」

玲音「それで、仮にアタシが言ったらどうするんだい?ネットに公開するのかい?」モグモグ


北斗「俺がそんなことする人間に見えますか?」


玲音「フフッ、いや」モグモグ


玲音「わかった、教えてあげよう。今は立場上会うことは滅多にないけど」


玲音「確か前は↓3した関係だったね」

ほくと「」


玲音「あの時はびっくりしたよ」


玲音「アタシが先に吹っ掛けようと思ったら先に向こうが言い出すなんて」


玲音「正直嬉しかったよ、あのちび助があんなにたくましくなってプロポーズしてくれるなんて!」


ほくと「そ、そうですか」



玲音「本当に可愛いやつだよ、アイツは」


ほくと「そうです…か…」

玲音「まあ当然法律上結婚できないしアイドルもやめられないしいろいろ弊害あるけどさ」


玲音「いつか結婚できるような年になって立派になったらその時は結婚しようって耳元真っ赤になって告白したんだよ!」


ほくと「そ、そうですか…」


玲音「本当に可笑しくて笑っちゃったよ!アッハハハハ!いくつになっても冬馬はやっぱり冬馬だってね、フフッ!」


ほくと「…」


玲音「はぁー、久しぶりに冬馬の話したからなんか楽しかったな」


玲音「今日はありがとう、伊集院」


北斗「いえ、こちらこそお忙しい中ありがとうございました」


北斗「何か冬馬に伝えたいこととかありませんか?」


玲音「そうだなぁ、次の土曜の夕方6時のニュースを見てほしいと伝えておいてくれないか?」


北斗「わかりました、そう伝えておきましょう、それでは」ガタッ


玲音「パフェにケーキ、ご馳走さま♪」




北斗(冬馬、俺はお前を誤解していたよ)


北斗(お前という男は立派だよ、俺のようにたくさんの女性をナンパしたりデートしたりはせず、たった一人のプリンセスのために尽くし、愛しあっていたなんて)


北斗(純粋で真っ直ぐな愛だ、俺には真似できそうにないな)


北斗(そして婚約か…ハグからなんで婚約の話になるのか、その間の時間何があったのかわからないけど、取り敢えずおめでとう)


北斗(…つまり非童貞か?いやまさかそこまではやってないだろ、やってないよな?、うん、やってないに違いない)


北斗(まあ、何はともあれ、これで謎が溶けた)


北斗(おれたちのリーダー冬馬、俺には絶対できないオーバーランクとの婚約を成し遂げた褒美として、俺はお前に↓3してやるよ)

北斗「本気で祝ってやるよ」


北斗「女性に一番縁がない男がまさか結婚まで考えてるなんて、とても信じられない」


北斗「怖いもの知らずなのかそれとも何も考えてないのか、フフッ。だけどとても幸せそうだ」


北斗「さて、そうと決まれば何か祝い事を考えないとな」

一方


司会「というわけで今日のゲストは天ヶ瀬冬馬さんでした!」


冬馬「ゲッチュ!」


司会「それじゃあ皆さん、来週までさよなら~」



スタッフ「お疲れさまでした」


冬馬「お疲れさまてす」


冬馬「さてと、そろそろ連絡を…ってなんだこの着信数!?」ピッ!


プルルルルルルル


ガチャ


翔太「冬馬くん!?やっと繋がった!」


冬馬「翔太、一体どうして!?」


翔太「早くそこから離れて!」


冬馬「は?」

冬馬『何があったんだよ!?』


翔太「春香さんが冬馬君を八つ裂きをしにいったんた!」


冬馬『はあ!?何で天海がんなことを』


翔太「ジェラシーってやつだよ!とにかく早く離れて!」


冬馬『お、おう。わからないけど、わかった』ピッ


P「いつつ…みんな無事か?」


真「なんとか平気です…」


響「なんだあの馬鹿力!?春香とは思えないぞ!うぅ、腕痛いぞ」


P「どれ、見せてみろ」


小鳥「わ、私も腰がやられて…」


P「湿布はってください」


小鳥「はい」

黒井「クソッ!なぜどいつもこいつも私の誘いに乗らんのだ!」


黒井「せっかくの才能を溝に捨てるつもりか!バカどもめ!」


ドドドドドドドドド!!!


黒井「ん?なんだ?地震か?」


春香「殴祝殴祝殴祝殴祝!!!!!」ドドドドドドドドド


黒井「なっ!?き、貴様は天海春…!」


春香「退いて!」


黒井「か…」


プチッ

再開します

冬馬「天海のやつ、なんで俺を八つ裂きにしようとするんだ?」


冬馬「俺が何か悪いことしたのか?」


冬馬「…」


冬馬「…?わからねぇ…」ポカン


冬馬「まあいいか、とりあえず翔太の言う通り身を隠すか」


冬馬「八つ裂きにされるのは嫌だしな」

冬馬「プロデューサーに待ち合わせの場所を変えるって伝えておいてっと」ピピッ


冬馬(さて、避難するか。殴られるのは嫌だしな)


ウィーン






――――――――みーつけた

冬馬「!?」ビクッ!


春香「あ、冬馬くんだ!久しぶりだね♪」


冬馬「あ、天海じゃねぇ…か…、どうしたんだ?」


冬馬(なんでこんなところにいるんだ!?いやそれよりも…)


冬馬(目が笑ってねぇぞ、あんなに笑顔なのに目だけは笑ってねぇ!あれは対象を仕留める野獣の目だ!)


春香「実は、私冬馬くんがこのラジオにいるって噂で聞いてね」


春香「せっかくだから会いに行こうかなって思ったの!会ってお話とかしたいし!」ジリッ


冬馬「お、お話…か……そうか…(翔太め…自白したな…)」ジリッ

冬馬「なあ、話ってなんだ?俺はお前に話すことなんて何もないぞ?」ジリッ


春香「えー?でも玲音さんのこととか?」ジリッ


冬馬「れ、玲音?なんで玲音の話なんか…しなきゃならねぇんだ?なんか関係とか…あっ」


冬馬「まさか…思い出し…」


ブンッ!!!


冬馬「うぉっ!」ヒラッ


春香(ちっ、外したか)

冬馬「いきなり何しやがる!あぶねぇだろうが!」


春香「うるさいなぁ…そのままじっとしてよ」


春香「そうしたら戦闘不能なってもらうけど何もしないからさ」


冬馬「言ってることが滅茶苦茶だぞ!」


春香「うるさい!」ブン!


冬馬「うぉっ!」ヒラッ


春香「よくも私に忌々しい記憶を思い出させてくれたね!」


冬馬「ちょっと待て!いったい何のことだ!?」


春香「とぼけないで!」ブン!


冬馬「ぐっ!(なんつー蹴りだ…、風圧がつえぇ…)」ヒラッ

春香「アンタと玲音さんが私の目の前で…やったこと、忘れたとは言わせない!」


冬馬「え?」


春香「あの記憶さえ思い出さなければ…私は、私は…」


春香「子供のころ玲音さんと過ごした楽しい日々をずっと覚えていられたのに…」ワナワナ


春香「何が悲しくてオジャマ虫まで一緒に遊んだ記憶を持たなきゃいけないの!」


冬馬「誰がオジャマ虫だ!あの時たくさん楽しく一緒に遊んだだろ!」


春香「そうだね!だけど私の望んでいたのは玲音さんとキャッキャウフフしていた思い出であって!」


春香「小僧と夫婦漫才のような喧嘩をしていた思い出じゃないんだ……よ!」ブン!


冬馬「ぐっ!」ヒラッ

春香「アンタが…アンタが玲音さんとアレをしたことを思い出さなければ…」


春香「私と玲音さんの思い出は初々しくて華やかなものになれたはずなのに…!」


冬馬「だからさっきからなんだよ!俺がお前に何したというんだよ!」


春香「忘れたの!?ほら、やったじゃない!ア…アレを…!」


冬馬(アレ?)


冬馬「もしかして↓2のことか?」


春香「そう!↓2!」

冬馬「抱きしめたことか?」


春香「そう!抱きしめたこと!」


春香「互いの両腕が二人の背中をこう包み込むように抱いていちゃいちゃいちゃいちゃ…って!」


春香「ちっがあああああああああああう!!!そっちじゃない!抱きしめるほうはついで!」


春香「抱きしめる前にやったあの行為、ちゅ…チューだよ!」


冬馬「え?ああ、キスか。まさかそれが原因で今まで俺のことを忘れていたのか?」


春香「そう、あの誰もが妬む光景を見せつけられた私は」


春香「アンタを八つ裂きにしたい思いと玲音さんの前で野蛮なところを見せたくない思いがぶつかり合い…相殺し…」


春香「天ヶ瀬…鬼ヶ島羅刹という存在を記憶の奥に封印することになった。アンタを記憶から消すことが、私の怒りを封じる方法だった」


冬馬「すっげぇ恨んでるのは伝わったぜ、名前をわざと言い間違えるほど恨んでるんだな…」

春香「今更全部思い出しても、もう玲音さんが私のもとにやってこないのはわかっている」


春香「もう玲音さんのことは諦める、冬馬くんの勝ちだよ。おめでとう」


冬馬「勝ち負けの基準が分からないが…だったら襲い掛かるのやめてくれねぇか?」


春香「それとこれとは話が別だよ!きれいさっぱり諦めても記憶に残っているオジャマ虫は駆除しないと気が済まない!」ブン!


冬馬「!?」チラッ


冬馬(横縞!!!)


春香「隙ありッ!」ゴォン!!!


冬馬「――――がッ…!」

冬馬「あ…あぁっ……!」ガクッ


春香「お腹に一発きついの与えたよ、もうこれで自由に動けないね」


冬馬「ぐぅ…!うっ!!!」


春香「安心して、適当にぶん殴ったらお祝いしてあげるから」


春香「もっとも、お祝いが始まるまでに意識が戻ればの話だけど」パキポキ


冬馬(こ、これが嫉妬ってやつか…恐ろしいものだ……ぜ…)ハァハァ


春香「それじゃあ、お休み!」ブン!


冬馬(くっ!)


ガシッ!


冬馬「!?」


春香「え…?」


↓2「もうやめようよ」

千早「もう、やめましょうよ…春香」


春香「ち、千早ちゃん…どうして!?」


冬馬「っ…」ハァハァ


春香「放して!放してよ!」ジタバタ


千早「…」ギリッ


春香「いたっ!」


千早「今の話、全部聞いたわ。春香…あなたも大変な目にあったのね」


冬馬(いや一方的な…逆恨みだと思う…)ハァハァ

千早「春香の気持ちもわからなくもないわ」


千早「誰にだって嫌な記憶の一つや二つくらい抱いているわ。もちろん私だってそう」


千早「その怒りや悲しみをどこかへぶつけたいと思ってたこともあった」


千早「けど、だからといって人にぶつけるのはいけないわ」


千早「それに話を聞く限りじゃそれは仕返しでも復讐でもなくただの八つ当たりよ!」


春香「ち、千早ちゃん…」


千早「もうやめましょうよ…こんなこと、仮に冬馬を八つ裂きにしたら、それで本当に春香の気が晴れるの?」


春香「それは…その…」


千早「仮に晴れたとしても、プロデューサーや事務所のみんなは暴力を振るった春香のことを許さないと思う」


千早「私も、春香のことを嫌いになるかもしれないわ」


春香「ひぃ…!」

春香「いや…そんなのいやだよ…」グスン


春香「玲音さんだけじゃなく…みんなも…千早ちゃんも…私の前から離れるなんて!」ウゥ…


千早「だったら、もうそんなことはしないで。こんなことをやっても、誰も幸せにならないわ。冬馬も春香も私も先生も、誰も喜ばない」


千早「それでも怒りが収まらないなら、私の胸の中で泣いて」


千早「春香の気が済むまで…ね?」ニコッ


春香「ち、千早ちゃん!うぅ…ひっく…」ウゥ…


春香「うぇえええぇええぇぇえぇぇえええええん!うぅ…うわあああああああぁぁあぁあぁあああん!!!」


千早「よしよし」


冬馬「…」

春香「ZZz…ZZz…」


千早「泣きつかれて寝ちゃったみたい。まるで子供ね」


P「助かったよ千早、お前があの場にいなかったら俺たち今頃どうなっていたのか…」


P「迷惑をかけたな、冬馬。春香の変わりに謝る…本当にすまなかった」ペコリ


冬馬「いや別にいいぜ。こっちだって蹴られても仕方ねぇくらいちょっと…悪いこと…したし//」


P「え?」


冬馬「いや、こっちの話」


春香「…なさい…」


冬馬「あ?」


春香「ごめん…なさい……」グスン


冬馬「…はぁ、もういいって言ってるのに、ったく」

春香「ZZz…」


P「いろいろすまなかったな、お詫びは後でするから。じゃあな」


千早「それじゃあ」


冬馬「おう、またな」


ブロロロロロロロロロロ…


冬馬「…さて、帰るか。プロデューサーが待ってる」

冬馬「ただいまー」ガチャ


北斗「やあ、お帰り。冬馬」


冬馬「北斗?なんか雰囲気が違うような」


北斗「ああ、ちょっと冬馬にお祝いをしようと思ってね」


冬馬「え?」


北斗「聞いたよ、玲音さんに婚約したんだって?」


冬馬「なっ…!そのことをなんで…まさか直接聞きに行ったのか!?」


北斗「ああ、今までの話がどうも信じられなくてね。ちょっと聞きに行ったんだ」


北斗「あんなに話してくれたけどどうもいまいち信じられなかったんだけど聞いて確信に変わったよ」


北斗「冬馬、リーダーの言うことを信じられなくてゴメン…。あんなに話してくれたのに俺は作り話だと思ってしまったよ。すまなかった…」


冬馬「北斗…」

冬馬「まあ、あの話をはじめから信じるっていうほうがおかしいからな…俺だって北斗の立場なら信じなかったと思うぜ」


北斗(いや、たぶん信じると思う。冬馬だから)


冬馬「まあ、いろいろあったんだが信じるようになったんだろ?あの話」


北斗「まあね、俺たちのリーダーがまさか俺を差し置いて先に結婚を申し込んだというのにはちょっと妬んだけど」


北斗「あの冬馬が将来結婚するなんて…これほど愛でたいことは滅多にないからね、だから俺の精一杯のお祝いの↓3を受け取ってほしい」

冬馬「…って、え?え…赤ちゃん用品?」


北斗「赤ちゃんを癒すおもちゃに赤ちゃんベッド」


北斗「赤ちゃんのパジャマや服に子育てマニュアルその他いろいろ用意しておいたよ」


冬馬「え…ちょっと…おい…」


北斗「どれもこれも一級品さ。これだけあれば子育ても楽になるだろ?」


北斗「もし産まれるのが女の子だったら、俺に名前を決めさせてくれないか?」


北斗「かわいい名前を思いついたんだ。結晶と書いてクリスタルなんてどうだい?」


冬馬「おい、北斗…」

北斗「男の子でもいいよ、それだったら俺が女性のエスコートの仕方をうんと叩き込めるからね」


冬馬「北斗…」


北斗「しかし玲音の冬馬の子か…どんな子が産まれるんだろうなぁ?」


冬馬「北斗」


北斗「どっちも性格が似ているから誠実で純粋で真っ直ぐな心を持った子が産まれると思うな」


冬馬「北斗」


北斗「いっそのこと双子なんてどうかな?もしそれだったら楽しみも倍に増えるし何より同時にいろいろ…」


冬馬「北斗ォ!!!」


北斗「うわっ!?」ビクッ!

冬馬「気持ちはありがてぇが先走りしすぎだぜ」


冬馬「婚約はしたけど結婚なんてまだだし第一子供なんてもっと先だ」


冬馬「マジ何年後になるかわからないぞ。そんないつ起こるのか知らねぇことで一人で盛り上がっても困るぜ」


冬馬「お前がすごく戸惑っていて同時に喜んでいることもわかった。俺にはその気持ちで充分だ」


北斗「と、冬馬…」


北斗「すまなかった…どうやら俺、熱くなりすぎて前が見えなかったみたいだ」


冬馬「気にするなって」

冬馬「つーかクリスタルはないだろ、キラキラしすぎだぜ」


北斗「そ、そうかな?」


冬馬「ああ、ないな。俺が父親ならそんなふざけた名前はつけねぇ」


冬馬「それにもう考えているからな、名付け親になる必要はねぇぞ」


北斗「わ、わかった…だけど玲音って名前もキラキラして…」


冬馬「言うな」


北斗「わかった。あっ、そういえば…」


冬馬「え?」


北斗「玲音が土曜の午後六時のニュース番組を見てほしいって言ってたよ」


冬馬「土曜の六時か…何かあるのかな?」


冬馬「とりあえず見てみるぜ、サンキューな。北斗」


北斗「どういたしまして」

冬馬「んじゃ俺は荷物取って先帰るから、またな」


北斗「ああ、また…」


北斗(…あれ?ちょっと待て、何か変だ…)


冬馬『それにもう考えているからな、名付け親になる必要はねぇぞ』


北斗(………まさか)


冬馬「えっと、たしかここに…」ガサゴソ


北斗「おい、冬馬」


冬馬「なんだ?」ガサゴソ

北斗「お前…まさか…」


北斗「ヤッたのか?」


冬馬「…!」ピタッ


北斗「…」ゴゴゴ


冬馬「…」ゴゴゴ


北斗「…」ゴゴゴゴゴゴ


冬馬「↓3」

冬馬「…あいつがアメリカに出発する前、離れ離れになるから思い出に…な」


北斗「!?」


冬馬「ワザと危険日やったぜ、避妊せずに」


北斗「」パリーン




冬馬『はぁ…はぁ…、わ、わりぃ…中に…出しちまった…たしか今日は…』


玲音『はぁ…はぁ…、何言っているんだ。わかっててやってたくせに…///』


冬馬『…ま、まあ…な…』


玲音『アタシを海外に行かせないためにわざとやったんだろうけど…』


玲音『まったく、もしもできてたらどうするんだい?』


冬馬『…ちゃんと、責任…取るぜ。玲音姉も…子供も…ちゃんと…面倒見るよ…』ギュウ


玲音『そっか、それじゃあよろしく頼むよ、アナタ//』ギュウ



ほくと「」


冬馬「まあ、外れちまったけどな。だがそのほうが結果的によかった、マジ反省してる…」


冬馬「あの時当たってたら…俺も玲音もここにはいないだろうからな」ガサゴソ


ほくと「」


冬馬「なんでも勢いに任せたらダメだっていい教訓になったぜ…おっと、見つけた見つけた」


ほくと「」

冬馬「んじゃ、荷物見つけたから帰るぜ」


冬馬「今日は付き合ってくれてありがとな。結構楽しかったぜ」


ほくと「」


冬馬「おーい?聞いてるのか?」


ほくと「」


冬馬「…ったく、ちゃんと人の話聞けよな…。自分で言ってあれだけど恥ずかしいんだぞ…まあいいか」


冬馬「んじゃな、また次の日に会おうぜ」バタン


ほくと「」


ほくと「」





ほくと「フヒ…」

翔太「ただいまー」ガチャ


翔太「さっき帰り際に顔が真っ赤になってた冬馬君とすれ違ったけど何があった…」


翔太「なっ…!?」


翔太「ほ、北斗君?」ゴゴゴゴ


翔太「何をしているの…?」ゴゴゴゴ


翔太「北斗君、本来は↓3するようなキャラじゃないよね!一体どうしちゃったの!?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほくと「フヒ…フヒヒ……」ずぅぅぅぅぅぅん…


翔太「そこプロデューサーさんの机の下だよ!なんでそんなところに引きこもってるの!」


翔太「見てるこっちが恥ずかしいよ!ねぇ出てきてよ!」


ほくと「ふひ…負けた……俺は…負けたんだ…あいつは……非童貞……俺は童貞……」


ほくと「童貞野郎にはこのジメジメしたデスクで引きこもるのがお似合いさ…フフ……」


翔太「何言っているの!?いったい何があったの!教えてよ!?」


翔太「あとみっともないからでてきてよ!北斗君がでかすぎて机に入りきらないよ!」

北斗「ここは…そう…俺のような朝日を浴びる資格がない男が引きこもるのにふさわしい場所さ…:


北斗「まるで雨の日岩陰に生えるキノコのように…フフ…」ずぅぅぅぅぅぅぅぅん


北斗「そう…俺はキノコだ…食べられないキノコ…そして俺のキノコも食べられたことはない…フヒヒ……」


翔太「なんで!?こんなの…こんなのって!?一体何されたの!?答えてよ!」


北斗「おいしいきのこはホクト…フヒャハァ…!!!」ニタァ


翔太「うわぁぁぁぁぁん!!!プロデューサーさああああああああああああん!」ビエエエエエン!

土曜日


冬馬「おっと、もうそろそろ始まるな」ピッ


翔太「前に行ってた約束の時間?」


冬馬「ああ」


ほくと「…」ずぅぅぅぅぅぅん


冬馬「あいついつまであそこにいるんだプロデューサーも困ってたぞ」


翔太「心が完全に回復するまでだって」


冬馬「それどれくらいかかる?」


翔太「知らない」

ニュースキャスター「こんばんは、六時のニュースをお送りします」


ニュースキャスター「昨日、トップオブトップのオーバーランクアイドルの玲音さんが、アイドル業を休業しハリウッドに行くことを決定しました」


翔太「え?」


冬馬「マジかよ」


ほくと「…」


ニュースキャスター「玲音さんは報道陣の前で『アイドルはしばらく休んでプロデューサー業に集中します』とコメントしました」


翔太「それって…」


冬馬「マジで願いが叶っちまったのか…?まさかそのために俺に?」


ほくと「…」


ニュースキャスター「また、玲音さんは『アタシにプロデューサーの素晴らしさを気づかせてくれた765プロのみんなに感謝するよ、ありがとうと述べました』」


ニュースキャスター「これに対し765プロダクションの高木社長は『かのトップアイドルにこのような素晴らしいコメントをいただき誠に光栄に思い…』」


翔太「なんだか冬馬君の願った通りになっちゃったね」


冬馬「神社や短冊で願い事してもなんともなかったのに恵方巻食うと叶うんだな」


冬馬「マジ恵方巻すげぇぜ」


ほくと「」

ガチャ


プロデューサー「冬馬さん、お手紙です」


冬馬「おう、わりぃな」


翔太「何々?ラブレター?」


冬馬「んなわけねぇだろ」ガサゴソ


冬馬「えっと…何々?14日の午後2時、↓2で待つ。玲音」


北斗「…」ピクッ


翔太「…果たし状?」


冬馬「…そう見えなくもないな。まあ、行ってみるか」


ほくと「…」

とある住宅街


冬馬「………」


冬馬(もうガキの頃だからよく覚えてないな)


冬馬(あっちだっけ?)トコトコ


冬馬(それともこっちか?)トコトコ


冬馬(…完全に迷っちまった…)


冬馬(まいったなぁ…一体どっちに行けばいいんだ…あいつ時間には厳しいからなぁ…えっと…たしか…)

――――――ねぇ、どうしたの?


冬馬「…え?」


玲音「見たところ迷子みたいだけど…その様子だと、誰か待ち合わせている人がいるのかな?」


冬馬「…」


玲音「よかったらアタシも一緒に探してあげようか?その人」


冬馬「…フッ」


冬馬「そんなこと言って、俺を誘拐するつもりなんじゃねえのか?」


玲音「失礼だなぁ、アタシがそんな人間に見えるのかい?」


冬馬「ああ、見た目も目立ちまくって派手で怪しいしな、オッドアイでかっけぇし。ははっ」


玲音「まったく、ほんっっっとうに失礼だな君は、ふふっ!」

冬馬「で、時間は?」


玲音「一分オーバーだ、だから」


ピン!


冬馬「っ!」ズキン


玲音「お仕置きのデコピンだ!」


冬馬「っ…、たまには大目に見てくれよな」


玲音「ダメだ、遅刻するということはそれだけ相手の時間を奪っていることになるからね」


玲音「奪った分それなりのペナルティーも必要だよ」


冬馬「はは、正論過ぎてなんにも言えねぇぜ」




「………」コソコソ

玲音「で、ニュース、見てくれた?」


冬馬「ああ、びっくりしたぜ。アイドル休んでプロデューサーになるなんてさ」


冬馬「俺はまだアンタに勝ってねぇのに卑怯だぜ…」


玲音「すまないね、勝負はひとまずお預けってことで」


玲音「ある程度やることが済んだら、また戦おうよ」


冬馬「…ああ、わかった。約束だからな」


玲音「もちろんさ!」

玲音「それで、約束、覚えているかな?」


冬馬「約束?」


冬馬「…アンタと交わした約束は多すぎてどれがどれだか…こんがらがっちまった…」


玲音「それにどれもまともに果たしたことないな」


玲音「じゃあヒント、空港でアタシが君に言ったこと」


冬馬(空港…?)


冬馬「あ、もしかして↓3のことか?」


玲音「正解」

冬馬「目指せトップアイドル!ってやつか」


玲音「正!、無理難題の約束の中で、これはなんとか成し遂げたと思うよ」


冬馬「成し遂げたどころか、トップを突き抜けて異次元まで吹っ飛んだだろ」


冬馬「いくらトップでもそこまでなるとは思わなかったぜ」


玲音「まあね、でもアタシ一人じゃ、たぶんここまでできなかったと思う:


玲音「キミがアタシを励ましてくれたおかげで、今のアタシがいるんだから」


冬馬「なら半分は俺のおかげか?」


玲音「いや、2割程度かな?」


冬馬「なんだよそれ、辛いな」


玲音「ハハハッ!」

冬馬「だがアンタがトップになったのには驚いたが、俺がアイドルになったことに関してはまったく驚かなかったな?」


玲音「いつかなると思っていたからね、特に驚きはなかった」


冬馬「マジで?」


玲音「マジも何も、キミがアタシのいままでを見てきただろ?それで同じ舞台に上りたいと思わないほうがおかしいだろ」


冬馬「ま、マジでか…」ガクッ


冬馬「確かに…俺はアンタと同じステージに登りたいという思いもあった…まあ今は北斗たちと一緒に登るという目的に変わったが…」


冬馬「こんなところまで計算されていたなんて…」


玲音「でもそのおかげで、キミは今まで体験できなかった楽しさを体験できたんじゃないのか?」


玲音「アタシは、楽しさを気づくのがものすごく遅れたけど」


冬馬「…ああ、俺もあの二人とあいつらと出会うまで、楽しさには気づかなかったな」


玲音「やっぱり、どこか似ているところがあるかもね、あたしたち」


冬馬「まったくだぜ、へへっ!」

「………」


P(すっげぇいい雰囲気)


千早(二人とも、幼さを感じるようですごく大人びてるわ)


翔太(黙ってついてきちゃったけど…やっぱ帰ろうかな…邪魔するのまずい…よね?)


ほくと(…)


春香(やっぱり…名残惜しいよ…はぁ…)

玲音「あっ、そうだ!これを君に」スッ…


冬馬「……ああ、そうか。そりゃこの日と言ったらこれだもんな」


玲音「キミの好物だろ、これは?」


冬馬「ああ、チョコレート…今思えば懐かしい思い出があったな」


冬馬「バナナにつけて食べるのも、パフェに混ぜて食べるのも、唇に塗って互いに舐めあうのにも使ったな」


春香(!)ピキッ


冬馬「これって…手作りか?」


玲音「ああ、もしよかったら食べてみてくれないか?感想が聞きたいんだ」


冬馬「もちろんだ、どれどれ?」パクッ

冬馬「!?」


玲音「どうかな?自信作なんだけど」


冬馬「このチョコ………↓3!」

冬馬「うますぎるぜ!今まで食った中で一番!」


冬馬「しかもただのチョコじゃねぇ…カカオの質も上等だ。だがそれだけじゃねぇ…」


冬馬「何か別の味がするな…。チョコとは違った独特の味…隠し味…いや隠れてねぇ、だがこれがなんなのかわかんねぇ…」


冬馬「なんだ?今まで食ったチョコはこんなのはなかった…」


冬馬「一体…何を入れたんだ?」


玲音「え?そんなの決まっているじゃないか」


玲音「愛だよ、愛。このチョコにはアタシの愛がたっぷり詰まっているんだ!」


冬馬「あ、愛…か……愛だけでこんなに味が変わるのか?」


玲音「もちろん、アタシの愛は最高の隠し味さ!」


冬馬「そうか…そうか!へへっ!愛か……愛……」





P「…液」ボソッ


春香「ふんッ!」ドスッ!


P「あ"ぁ…!」ガクッ

冬馬「ありがとう、マジでうめえぜ!」モグモグ


冬馬「うますぎて…なんだか涙出てきた!」ジワッ


玲音「喜んでくれてアタシもうれしいよ」


玲音「でも食べてるところ悪いけどそろそろ本題に入らないと」


冬馬「本題?」モグモグ

玲音「アタシはハリウッドに行くということは知っているね」


冬馬「あ、ああ。テレビで言ってたしな」


玲音「だから長い間会えなくなる。プロデューサー業に時間を費やすせいでね」


冬馬「どれくらいかかるんだ?」


玲音「そうだな…いろいろな予定を全部入れて…最低でも3年かな?」


冬馬「…え?」


玲音「3年は日本に戻らない。場合によってはそれ以上…それを伝えたかった」


冬馬「そ、そうか…3年以上は戻らないのか…」

P(おい、かなりガッカリしているぞ)ヒソヒソ


千早(恋人と離れ離れになるってかなりつらいことですからね)ヒソヒソ


ほくと「」


春香(ざまあw)


翔太(ちょ、ちょっと押さないで!うっかり外に出そう!)




P(!?あの二人…突然↓2したぞ!)


千早(え!?)

冬馬「!!!」チュウウウウウウ!!!


玲音「!!!?」ビクッ!


P「なっ!?」


千早「うそっ!?」


はるか「」


ほくと「」


翔太(うっ…うわっ…あっ…!)

玲音(と、冬馬…!いきなりそんな…!急すぎ…る……!)ムグッ!


ポロリ


玲音(…え?)


冬馬「んっ…んぅ…」グスン


玲音(泣いてるのか…?)


玲音「んむっ…」ギュッ…


冬馬「うぅ…」チュゥゥゥ

玲音「ぷはっ!…はぁ、うっ…そんなに嫌なのかい?離れ離れになるのは?」


冬馬「…すまねぇな…、俺は誰かさんのおかげでかなり甘えん坊なんだぜ」ハァ…ハァ…


冬馬「3年も顔を見られねぇなんて…ひでぇじゃねぇかよ…」


冬馬「このモヤモヤ…どう発散したらいいんだ…」グスン


玲音「アタシだって同じなんだ。誰かさんのおかげで寂しがりやになったからね」ハァ…ハァ…


玲音「本当は涙流したいほど切ないけど…我慢しているんだよ、馬鹿…」


冬馬「っ………はむっ!」チュゥゥゥ


玲音「んぅ…」チュゥゥゥ

P(おお…すげぇ!これは…すげぇ!)パシャパシャパシャパシャ


千早「…(あんまり見ないほうがいいわね)」


翔太(あんまり見ないほうがいいかもね…)


ほくと「…ヒャハ……」


はるか「」スッ…


千早(だめ!悔しいのはわかるけどここはグッとこらえて!私がついてるじゃない!)グッ


春香「!?」ハッ!

玲音「ぷはっ!ねぇ…約束してくれないか?」


冬馬「や、やくそく…?」ハァハァ


玲音「ああ、もし日本に帰る日が決まったら…前もって連絡する」


玲音「連絡した後、…………してほしいんだ」


冬馬「…」


玲音「君とのあの約束、果たそうじゃないか。ね?」


冬馬「…ああ、もちろんだ。帰って来る時を楽しみにしてろよな」


玲音「ふふっ、もちろんだ!」


チュッ

P(あれからしばらく経ったけど放してはキスし放してはキスしの繰り返し…)


千早(もう目新しいものは見られないわね)


翔太(帰ろっか、これ以上見ても気まずいし、いくよ北斗君)


ほくと「」


春香「………フヒ…」


スタスタスタスタ

冬馬「…行ったか」


玲音「行ったね」


冬馬「まったく…あそこまでついてきやがって…ストーカーなんて趣味悪いぜ」


玲音「まあでも、何度も同じものを見せられたせいか、飽きて帰っちゃったみたいだね」


冬馬「だな、さて…続きはどうする?」


玲音「君の家…なんてどうだい?」


冬馬「そうだな、いくか」


ギュッ

765プロ


春香「~~~~~♪」ヌリヌリ


春香「~~~~~♪」チュパチュパ


千早「春香、鏡の前で何してるの?」


春香「…」クルッ


千早「!?」


千早「は、春香?その唇に塗ってある…茶色いもの…チョコよね…なんで…」


春香「ちーはーやーちゃん!」


千早「ひぃ…!」ビクッ!


春香「↓2!!!」ピョオオオオオオオン!

春香「いただきまぁぁぁぁぁぁぁあす!!!」


千早「きゃああああああああああああああ!!!」


ぶちゅうううううううううう!!!!!




千早「」チーン


春香「えへへ、どうかな?私のバレンタインのチョコ、おいしかった?」


千早「」


春香「そっか!それじゃあ…もっと食べさせてあげるね!」ぬりぬり


チュウウウウウウウウウウウウウウ!!!


千早「」

春香「いただきまぁぁぁぁぁぁぁあす!!!」


千早「きゃああああああああああああああ!!!」


ぶちゅうううううううううう!!!!!




千早「」チーン


春香「えへへ、どうかな?私のバレンタインのチョコ、おいしかった?」


千早「」


春香「そっか!それじゃあ…もっと食べさせてあげるね!」ぬりぬり


チュウウウウウウウウウウウウウウ!!!


春香「はぁ~♥千早ちゃんの唾液とチョコが混じって…とってもおいしい♥」


春香「次は…下のほうの唾液をいただこうかな…♥」ジジジ



伊織(い…イカれているわ…完全に……!)ガタガタ

>>508はミス

×>>508
>>558

ほくと「」


翔太「ねぇ北斗君、いつまでも冬馬君に負けた事実を引きずっても仕方ないよ」


翔太「もうそんな机の下に引きこもってないでさっさとでてきてよ…ね?」


ほくと「」


翔太「…!」ピコーン


翔太「今の北斗君の姿を写真でとって…」カシャ


翔太「twitterで流してやろうっと♪」


ほくと「」

翔太「こんな姿の北斗君をみんなに見せたら、きっとお姉さんたちびっくりするだろうな~」カチカチ


ガシッ!


翔太「ん?」


北斗「…」ゴゴゴゴゴゴ


翔太「北斗君?」


北斗「翔太、確かに俺はあいつに様々な面でボロボロにされた……あまりの羨ましさにもう立ち直れなくなるくらいね」


北斗「だけどだからといって全世界のエンジェルちゃんたちに俺の無様な姿を晒すわけにはいかない!」


翔太「おお!」

北斗「そうだ、俺にはエンジェルちゃんたちがいる!全世界38億人近くの女性たちがいるんだ!」


北斗「たった一人がなんだ!あいつが彼女を愛するなら、俺は全ての女性を愛するだけだ!」


翔太「やった!北斗君が元に戻った!」


北斗「翔太、心配をかけてすまなかった。プロデューサーにも謝らないとね」


翔太「別にいいよ、もう済んだことだしね!」


北斗「さて、復活記念に俺は外に出てデートにでも誘おうかな★」


翔太「うん、いってきてよ!」


北斗「ところで冬馬のやつ、遅いな…何してるんだろ?」


翔太「さあ?」

モゾモゾ


玲音「いいのかい?帰らなくて」


冬馬「別に、俺がいなくてもあいつらならなんとかなるだろ」


玲音「信頼してるんだな」


冬馬「伊達にユニット組んでねえからな」


玲音「ふふっ、それならアタシたちはゆっくりできそうだね」


冬馬「だな」


玲音「今日はとことん付き合うよ」


冬馬「ああ…」


ギュウ

北斗「…!」


北斗「………」


北斗(気のせいか)


北斗「やあ★君たち、以前俺の握手会に参加してくれた子じゃない、元気?」


女性たち「きゃああああああああ!北斗様あああああああ♥」


北斗(うん、やっぱりこっちが一番しっくりくるね!)

そして、玲音がその後ハリウッドに出発し、プロデューサーの勉強を始めることになった


一方日本ではそれぞれのアイドルは己を貫き、765プロは事務所を拡大し、勢力をあげた


そしてアイドル界が765プロ一強となったその数年後、ジュピターの電撃解散が発表された


ファンは驚き、解散の理由を聞いてみると


冬馬「世代交代ってやつだ、俺たちはここで身を引くぜ」


翔太「本当はもっとたくさん踊りたかったけどね」


北斗「ま、リーダーの言うことには逆らえませんから」


などの返事しか返ってこなかった。詳しい解散の理由は、いまだに不明である

5年後


玲音「…」


冬馬「待ってたぜ、この時をずっと…長かった…本当に…」


玲音「準備は…もうできてあるのかい?」


冬馬「もちろんだ!最高の式場を用意したからさ!」


冬馬「ほら、いこうぜ!」


玲音「…」


冬馬「…どうしたんだ?」

玲音「いや、なんか申し訳なく思ってね…」


玲音「アタシのためにアイドルをやめて…アタシと一緒に暮らすことを選ぶことになって…」


玲音「キミだけの人生なのに、せっかくの人生をアタシに合わせてしまって…なんか罪悪感を感じて…」


冬馬「…はっ、なんだそんなことか」


冬馬「別に俺が好きで臨んだことだしいいよ、謝んなくて…それにずっと前に言ってただろ」


冬馬「俺とあの場所で出会ったのも、一緒に過ごしたのも、アイドルになったのも全部必然だって」


冬馬「だったら、これからすることも全部必然だろ。違うか?」


冬馬「アイドルのことなら、次の世代に任せればいいし、たまに俺たちが顔を出して驚かせればいいだろ」


冬馬「きっとびっくりするぞ!全てのメディアが俺たちのことで一杯になるなんてワクワクするじゃねえか!」


玲音「…ふふっ」

玲音「そうだね、キミと出会えたのも運命だったね」


玲音「ありがとう、気が晴れたよ。本当に…ありがとう」


玲音「キミと本当に出会えてよかったよ、冬馬」グスッ


冬馬「玲音姉…それは、こっちのセリフだぜ…」


玲音「フフフッ!」


冬馬「ハハハハハ!」


冬馬「さあ、いこうぜ!北斗たちが待ってる!」


玲音「ああ!」


タタタタタッ!!!

リーンゴーンリーンゴーン



こうして二人の結婚式は終了した。このニュースは大々的に報道された


しかしそれ以降は二人は邪魔をされるのが嫌だったのか、行方を眩ましてしまった


一説では芸能事務所を開いてアイドルを育成しているという噂があるが真相は不明


二人の行方を知っているかつてのユニットのメンバー曰く


北斗「あの二人の邪魔は…しないほうが身のためですよ」


と強く押されてしまった


あの二人はいったいどこでどのように過ごしていたのか、それは二人にしかわからない

16年後


「「「「お疲れさまでした!!!」」」」


春香「いやー、まさかここまでラジオが続くなんて思わなかったですよ!」


千早「これも皆さんの熱い声援とスタッフさんの力のおかげです。ありがとうございました」


スタッフ「いえいえ、お二人が盛り上げてくれたからこそここまで続けられたんです!」


スタッフ「それで、お二人にまたお願いがあるのですが、次の新番組に出演していただけないでしょうか?」


春香「え?つまり…」


スタッフ「はい!新しくお二人のラジオを作るんです!前よりグレードアップしたものを!」


春香・千早「ぜひ!」

春香「あはははははははは!!!いや~、よかったね千早ちゃん!新番組ですよ!新番組!」バンバン


千早「春香、それ電柱よ。まさか酔ってない?」


春香「えええ~?まだはるかしゃんよってませんよ~!」デローン


千早「はぁ…まだ昼なのにこんなになって…ほら、つかまって…タクシー呼んであげるから」


春香「ふぁ~い///」ヒック


「ねぇ」


千早「え?」

「ちょっと…Ahhh…聞きたいこと…ある……」


千早「何かしら?」


春香「ありゃ?かわった目の色してましゅねぇ…赤と青で信号機みたいでしゅ!」ヒック


千早「ちょっと黙ってて!まったく…打ち上げのあと居酒屋なんかに行くから…」


千早「それで、何かしら?」


「Ahhh…Do you know where 765production is?…765プロ…どこにあるか…知らない?」


千早「765プロ?あなた765プロに用があるの?」


「Yes」

千早「765プロならこの先3つ目の信号を左に曲がって、前から三番目のビルにあるわ」


「Thanks、Ahhh…ありがとう」


春香「うっぷ…!」


千早「765プロに用があるということは、あなた、アイドルになりたいのかしら?」


「Yes.ダディ―もママも前はGreatest pop stars!だからアタシもアイドルになりたい!」ピョコピョコ


千早「そう、両親がトップにね…ビジュアルも問題ないみたいだし…頑張って!応援してるわ!」


「Thanks!とっても優しい言葉、ありがとう!」


千早「どういたしまして」ピョコピョコ


春香「……うぐっ!」ウップ


千早「揺れるアホ毛の見すぎよ、まったく…」


「I hope to see you again!By bye!」タタタッ


千早「さようなら!」

千早「さて、タクシー早く呼ばないと服を買い替えないといけなくなるわね」


千早「えっと…タクシー…タクシー…ああもうどこよ!」


春香「…んぅっ…!」ウップ


千早「えっ…ちょっ…」


オロロロロロロロロ!


嫌あああああああああああああああああ!!!!!





「ダディ―、ママ!アタシ、頑張るからね!」タタタッ


あまとうの過去と未来と恵方巻


――――――――終わり―――――――――

たぶんあまとうが一番幸せになって北斗が一番キャラ崩壊したSSだと思います
誤字も目立ちましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました

千早「765プロならこの先3つ目の信号を左に曲がって、前から三番目のビルにあるわ」


「Thanks、Ahhh…ありがとう」


春香「うっぷ…!」


千早「765プロに用があるということは、あなた、アイドルになりたいのかしら?」


「Yes.ダディ―もママも前はGreatest pop stars!だからアタシもアイドルになりたい!」ピョコピョコ


千早「そう、両親がトップにね…ビジュアルも問題ないみたいだし…頑張って!応援してるわ!」


「Thanks!とっても優しい言葉、ありがとう!」 ピョコピョコ


千早「どういたしまして」


千早(…両親にオッドアイに彼に似た髪型…間違いないわ、彼女は…)


春香「……うぐっ!吐きそう…」ウップ


千早「揺れるアホ毛の見すぎよ、まったく…」


「I hope to see you again!By bye!」タタタッ


千早「さようなら!」


千早(近いうちに、また会いましょうね)

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