モバＰ「なんだろうな、機能するまでが遅すぎるっっていうか」

友人Ｐ「いやいや、今のままで充分だろ。どんだけ急いでんだよお前は」




お、遅い？

確かに私は割と、ほんの少し、のんびりしてる方かもしれないけど……　

モバＰ「あと、愛梨自身がもっと軽くても良くない？」

友人Ｐ「今でも充分軽いだろ……これ以上軽くしたら壊れるぞ？」




プロデューサーさん……

いつもは私に「愛梨は軽すぎるくらいなんだから、ちゃんとご飯食べろよ」とか笑って言ってくれてたのに……

本心では太ってるって、思ってたのかな……　

モバＰ「いや、まぁでもコスパはいいと思うよ？　コスパは」

友人Ｐ「コスパしか取り得がないみたいな言い方するなよ……」





コスパ……コスト・パフォーマンスはいい、ですか

そ、そうですよね

アイドルっていっても、この事務所の商品みたいなものですもんね

あはは……そういう評価されても仕方がないのかなぁ……　

友人Ｐ「愛梨さんはなんだかんだ言ってレジェンドだぞ？」

モバＰ「そうは言ってもなぁ……これくらいのレジェンドなら世に溢れてるだろ」





レジェンド……伝説？　あ、シンデレラガールのことかな？

うん、そうだよね……私みたいな、ううん、私よりすごいアイドルはいっぱいいるもんね……　

モバＰ「どうせレジェンドなら、凛くらい環境を支配してもらいたいもんだが」

友人Ｐ「あいつはやりすぎだろ。凛が出たら勝ちみたいな空気あっただろうが」




あ、やっぱりシンデレラガールのことだったんだ

うん、そうだよね

凛ちゃんは事務所の看板アイドルだし、ファンの人もいっぱいいるしなぁ　

モバＰ「レジェンドであるがゆえに使いにくい、ってのもある」

友人Ｐ「それはまぁ……考えなしに突っ込んだら腐るしな」



うぅ……なんだろう、私自身のことを使えないって言われるのもいやだけど

プロデューサーさんが私たちのことを道具みたいに思ってるのが、なんだか悲しいな……

モバＰ「……売るか」

友人Ｐ「マジか」

モバＰ「必要としてる人間のところに行った方が愛梨も幸せだろ？」

友人Ｐ「うーん、じゃあどうせなら俺にくれない？」




……えっ

え？

わ、私売られちゃうんですか！？

もうみんなと、プロデューサーさんと一緒に……アイドル出来ないってことですか！？

そんなの……そんなの……ッ　

　
　

愛梨「イヤですっ！！」　ﾊﾞｰﾝｯ!!



モバＰ「！？」

友人Ｐ「！？」　

愛梨「私はみんなと!　プロデューサーさんと一緒にアイドルやりたいです！！」

モバＰ「ぁ、愛梨！？　お前、泣いて……」

愛梨「私の努力が足りなかったのなら、もっと、もっと頑張りますから！！」

モバＰ「ぉ、落ち着け愛梨」

愛梨「ダイエットもします！！」

モバＰ「ぇ？　ぉぅ？　おう……？」

愛梨「だから――だからお願いします！　私を売るなんて言わないでください！！」

友人Ｐ「……あー……これってもしかして」

愛梨「お願い……しますっ」

モバＰ「う、うん、そうだな、愛梨。ちょっと落ち着こう、な？　俺には一体何がなんだか――」　

　
ちひろ「――おやぁ？　アイドルの泣く声がしますねぇ……？」





モバＰ「！？」

友人Ｐ「！？」





愛梨「ぐすっ……あ、ちひろさん……」

ちひろ「どうしたんですか愛梨ちゃん？　涙でぐしょぐしょじゃないですか」

愛梨「うぅ……」

ちひろ「あらあら。どうやら随分ひどいことをされたようですね？」

愛梨「ち、違うんです。私が、私が悪くて……」

ちひろ「もう大丈夫ですよ。さ、顔を拭いて。あっちで暖かいものでも飲んで落ち着きましょう？」

モバＰ「あの」

ちひろ「プロデューサーさん達は正座してお待ちください」

――――

―――

――

―　

―

――

―――

――――


モバＰ「申し訳ございませんでした」

友人Ｐ「申し訳ございませんでした」

ちひろ「はぁー……まったく、何事かと思えば……」

愛梨「あ、あの。すみません。私が勘違いしちゃって……」

ちひろ「いえ、愛梨ちゃんは何も悪くありませんよ」

モバＰ「本当にごめんな、愛梨。紛らわしい話をした俺達が悪かった」

友人Ｐ「すみませんでした十時さん。こちらの配慮が足りないばかりに……」

愛梨「い、いえいえ！　こちらこそ勝手に勘違いして大騒ぎしちゃって！」

モバＰ「いや、そもそも職場で遊んでた俺達がだな……」

愛梨「いえ、それに、聞き耳を立ててた私も……うぅ、なんだか恥ずかしくて熱くなってきちゃいました……」

友人Ｐ「俺、外の空気吸ってくるわ」

モバＰ「ちょ」













ちひろ「ふぅ……【永代巡礼者、アイリ】ですか」

ちひろ「私はいいカードだと思いますよ？」





おわり　

最近のＭｔＧを知らない人にとっては何が何やらサッパリだったと思います
その意味も込めて閲覧注意としました


次回

かな子「小枝チョコを踏み折れば、骨を折ってあがないとする」