妹「風邪。ごほっげほっ……ずずずっ……」(55)

兄「風邪? おい妹、大丈夫か?」

妹「大丈夫。ずずっ、ご飯作、げほっごほっ……」

兄「ふらふらしてるし、声がらがらだし、何言ってるんだ。ほら、ご飯はいいから寝な。」

妹「何言ってるの? ずずっ、お兄ちゃんはご飯つくれない。ごほっ……」

兄「うるさい。」

妹「あぅ……げほっごほっ、お兄ちゃんのお姫様抱っこ……お兄ちゃんのおでこ……」

兄「おま、凄い熱じゃないか。まったく……無理しなくて良いのに。」

妹「お兄ちゃん、待って……げほっ、ちょっと私の部屋、掃除してないし恥ずかしい……」

兄「ん? 俺は別に気にしないけど、入っちゃ駄目なのか?」

妹「その、あの、し……下……げほっごほっ……」

兄「下?」

妹「き、昨日脱いだ下着が……ぅう……は、恥ずかしい……」

兄「……はぁ。ちゃんと洗濯籠に入れろよな。でも、どうする? お前の部屋に入らないとベッドはないぞ?」

妹「あの、げほっげほっ、お兄ちゃんの部屋が良い。ずずずっ……」

兄「俺の部屋か。今日は日曜日だけど出かける予定も、あー、なかったかな? うん、ないな。ないし、ゲームもやるし、うるさいけど良いか?」

妹「良いよ。寂しいから……ずずっ……お兄ちゃんとずっと一緒にいたい。」

兄「ははっ、ずっとは無理だな。……妹は可愛いな。」

妹「んっ、ごほっ、お兄ちゃんに頭撫でられたの久しぶり……」

兄「小さい頃はお兄ちゃん、お兄ちゃん、うるさかったもんな。懐かしいな。俺の事、大好きだったよな。」

妹「へへっ、今でも好きだよ。ごほっごほっ……ずずっ……」

兄「そうか、そうか、ありがとな。ほら、いつまで抱き着いてるんだ、横になれ。楽になるぞ。」

妹「やぁ……」

兄「やぁ、じゃないの。お粥作ってやるから、寝てな?」

妹「やだやだぁ。お兄ちゃんいかないで。ぐすっ、ずずずっ、寂しいの……」

兄「お兄ちゃんは逃げたりしないから。な? 妹だって、お腹空いてるだろ?」

妹「うぅ……本当にどこにもいかない? ちゃんと帰ってきてくれる?」

兄「心配するなって。ほら、妹は良い子だからな。我慢できるよな?」

妹「ぅ……ぐすっ……ごほっごほっ、う、うん。我慢する。」

兄「お利口さん。じゃあ、待ってろよ? 絶対に帰ってくるから寝てないと駄目だぞ?」

妹「……はぁーい。」

兄「おっと、ストーブ点けてるから寒くないように、扉、ちゃんと閉めないとな。行ってくる。」

妹「ずずずっ……行ってらっしゃい……」

兄「閉めてっと、よし。料理は久しぶりだな。昨日のご飯か冷凍してあるご飯があると良いけど……」

兄「にしても。今日の妹は甘えん坊だったな。いつもだったらもっと冷たいのに。」

兄「あっ、風邪薬……あったかな? 塗る風邪薬の方が苦くないから妹は喜ぶけど……」

妹「……ぅう。お兄ちゃん……げほっげほっ……」

妹「お兄ちゃん……お兄ちゃん……」

妹「うぅー! ずずずっ……ひっく……うぅ……お兄ちゃん……」

兄「ははっ、妹は泣き虫だなぁ。」

妹「お兄ちゃん……ごほっごほっ、本当に、すぐ帰ってきた……えへへっ……」

兄「まだ、お粥は作れてないけどな。妹、こっちとこっち、どっちが良い?」

妹「……? 何それ。片方は、げほっごほっ、お胸に塗る風邪薬? もう片方は……」

兄「座薬です!」

妹「座薬? げほっげほっ……お尻に入れる奴? ごほっごほっ……」

兄「そうそう。痛いけど、直ぐに効くから楽になるよ。普通の風邪薬はなかったし、これが一番効く。」

妹「うーん、ずずずっ……痛いのやだなぁ……」

兄「まぁ、そうだよね。じゃあ、塗るのにする? 痛くないし、すっとして気持ち良いよ。」

妹「痛くないならそれに、ごほっごほっ、する。」

兄「わかった。よし。塗る前に汗だけ拭かないといけないから、服脱いで。」

妹「うん、おいしょっと。あっ、着替えは大丈夫?」

男「あ、どうしよう。まだ洗濯してないし、妹の部屋には入れないし。」

妹「お兄ちゃん、げほっ……脱げたよ。拭いて」

男「ん。背中向けて。」

妹「んっ……ずずずっ……ぅ……げほっげほっ……」

男「妹の背中小さいなぁ。よし、両手挙げて、ばんざーいして。」

妹「ばんざーいって、ごほっごほっ……もう子供じゃないよ。」

男「お兄ちゃんから見れば、いつでも、いつまでも妹は子供だよ。ちょっとくすぐったいかも。我慢してね。」

妹「あ、あははは! お兄ちゃん腋はくすぐったい! あはは、げほっ、ぁぅ……あっ! ……お兄ちゃん……」

兄「んー、よし。これくらいで良いかな? 前向いて。」

妹「……」

兄「妹?」

妹「あっ、前ね。ずずずっ、はい、拭いて。」

兄「風邪だから、頭、ぼーっとしちゃうよな。よし、早く終わらせて風邪薬塗らないとな。って、お粥もか。」

妹「う、うん。げほっげほっ。」

兄「……妹……成長した?」

妹「うるさい馬鹿! げほっげほっ……」

兄「こんな薄いタオル越しですら、感じないとは。情けない。」

妹「うわぁぁあああ! ずずずっ……大きくなる! 大きくなる! げほっごほっ……」

兄「ごめんごめん。よし、拭けた。じゃあ、風邪薬塗るぞ。」

妹「ぶーっ。」

兄「頬を膨らませるとリスみたいだぞ。うぐぐ……、キャップが外れない……!」

妹「お兄ちゃん、寒い。ずずずっ……早くして……ごほっげほっ……」

兄「おっ。おし、外れた。よしよし、塗るぞ。」

妹「ひゃっ、んぁっ! げほっ、げほっ」

兄「!? ご、ごめん! 冷たかったか?」

妹「う、ううん。 違う違う……ごほっごほっ……塗って。」

兄「? 大丈夫なら良いけど、何かあるなら無理しなくても良いからな?」

妹「……うん。……っく……ずずずっ……ぅぁ……ぁ……ごほっごほっ……」

男「おし、寒かっただろ? 塗り終わったから、服、着てもいいぞ。」

妹「ありがとう、ずずずっ……お兄ちゃん。……げほっげほっ。」

男「さっきよりも顔赤いぞ? 大丈夫か? あっ、体温計で熱も測らないとな……妹。」

妹「やだっ。」

男「……抱き着くな。お粥と体温計持ってきたら、今日一日、ずっと一緒にいてやるから。」

妹「本当!? げほっごほっ……」

男「……トイレ……とゲーム以外? 痛い、痛い! ゲームはなしで良いから!」

妹「早く帰ってきて……お願い……ずずずっ……」

男「おう。あっ、泣かないで待ってたらご褒美あげるからな? 苺ミルク喉飴。」

妹「飴じゃ、いや。ごほっ……して欲しい事がある……ごほっ……」

男「ん? まぁ、あんまり無理なのは駄目だけど、何とかしてみるよ。じゃ、待ってて。」

妹「うん……げほっげほっ……お兄ちゃん……えへへっ。」

兄「どうした? 楽しみなの? あっ、行ってくる。」

妹「ずずずっ、うん!」

兄「よいしょ。ただいま、って!?」

妹「う、うぅ、うぅ……泣いてない。……げほっごほっ……泣いてないよ……うっ……」

兄「そんなに目に涙溜めて……我慢しなくて良いよ。ほら、ぎゅー。」

妹「ぎゅ、ぎゅー! お兄ちゃん、ずずずっ、お兄ちゃん! もっと、ぎゅーっ! して! ごほっ、ぎゅーっ!」

兄「よしよし。ごめんね、寂しかったね。」

妹「ひっく……うっ……げほっごほっ……お兄ちゃん……暖かい……えへへっ……」

男「ほら。お粥冷めちゃうから、早く食べるよ。離して。」

妹「やー!」

兄「妹、もう中学生だよね? どうしてこんなに幼くなっちゃったの? 風邪の所為?」

妹「お兄ちゃんの所為……」

兄「? 意味が分からん……」

妹「ずずずっ、起き上がるから、お粥、食べさせて。一人じゃ、げほっげほっ、何にもできない。」

兄「わかった。結構久しぶりに料理したけど、結構、自信あるんだぞ?」

妹「うん。楽しみ。ごほっ……」

今日はもう寝る。まだ頑張る方も、もう頑張ってる方も、頑張って。
俺はお先に、失礼する。

それじゃあ、また、今日の朝か昼にお会いしましょう。
見てくださっている方、どうもありがとうございました。

今、起きた。書く。

兄「ほら、あーんして。」

妹「あ、あーん。」

兄「ん。どうだ? 美味しいかな?」

妹「げほっごほっ、美味しいよ。お兄ちゃんの料理だから心配してた。」

兄「ひ、酷いな。そんなに。ほら、あーん。俺の料理酷かった?」

妹「あーん。んぅ、うん、げほっげほっ、お兄ちゃんのご飯は人を殺せる。」

兄「そんなに酷かった……? ほら、水。」

妹「へへへっ、ごほっげほっ……あっ! 冷たい……ごほっごほっ、零しちゃった。」

兄「あー、ズボンが零れただけ? じゃあ、俺のジャージ、大きいけど貸してやるから脱いで。」

妹「お兄ちゃんのジャージ……あ、げほっげほっ、上もちょっと濡れちゃったかも。だから、上も替える。」

兄「ん。わかった。ほら、その前に足って言うか、濡れたのは腰の辺りか。まぁ、拭くからな。」

妹「……わ、わかった。優しくしてね……?」

兄「? そうだ、妹。熱は良くなったか? 辛くないか?」

妹「ふぁ……、ぅ、うん。ずずずっ……、ぅあ、ひゃぅ、辛くないよ。ごほっごほっ……」

兄「よし。拭き終わりっと。ほら、ジャージ穿いて。」

妹「ぁ、やだ。げほっげほっ、穿かせて……?」

兄「はぁ。本当に今日は甘えん坊だな。仕方ない。ほら、脚あげて。」

妹「げほっげほっ、お兄ちゃん。お兄ちゃん。」

兄「んー?」

妹「えへへ……何でもないよ!」

兄「そうかそうか。ほら、上の服も脱いで。着せてあげるから。」

妹「へへっ、お兄ちゃん、ごほっごほっ、お兄ちゃん。」

兄「はい、お兄ちゃんですよ。あらら、俺のジャージはやっぱり大きいかな。」

妹「良いよ、これで。げほっごほっ、お兄ちゃんの匂いがして安心する……」

兄「……本当、可愛いな。」

妹「あっ、ずずずっ……もっと撫でて。」

兄「駄目。お粥冷めちまってるから、早く食べるぞ。あぁ、温め直す?」

妹「ううん。良いから、げほっ、食べさせて。」

兄「わかった。ほら、あーん。」

妹「あーん。むぐむぐ。やっぱりお兄ちゃんのお粥、げほっげほっ、美味しい。」

兄「隠し味に愛が入ってるからな。……とか? あーん。」

妹「あーん。むぐっ、それはどうかと思う……でも、私も入れてる。愛。げほっげほっ。」

兄「真心とか言う人もいるな。ほら、あーん。」

妹「あーん。むぐむぐっ。お水、頂戴。げほっげほっ。」

兄「焦らなくて良いから、ゆっくり飲めよ。ほら。」

妹「ん、ごくごくっ、ぷはぁー。美味し、げほっごほっ。」

兄「風邪は大変だな。俺は高校になってからすっかり引かなくなったけど。」

妹「インフルエンザもあるから、げほっげほっ、お兄ちゃんも気を付けてね。」

兄「そうだな。ほら、あーん。」

妹「あーん。んぅ。もうそろそろ、ごほっ、お腹いっぱい。」

兄「ん、結構食べたな。よし、じゃあ、お椀置いてくるから寝て良いぞ。あっ、この体温計で熱測って。」

妹「やだぁ……ずずずっ、一緒に寝よう……?」

兄「でも、洗物……」

妹「お兄ちゃん……げほっごほっ。お願い。」

兄「……まぁ、お母さんがやってくれるか。良いよ。一緒に寝よう。」

妹「本当!? げほっごほっ、やった。ほら、お兄ちゃんここ。ずずずっ……」

兄「待って待って。俺は寝れないから、本取ってくる。」

妹「えへへっ……ごほっごほっ……お兄ちゃんとお昼寝……」

兄「久しぶりに探偵ナナメでも読むか。」

妹「あっ、げほっごほっ、お兄ちゃん。体温計鳴ったよ。」

兄「どれどれ。んー、結構あるな。やっぱり風邪薬買ってきた方が……」

妹「やだっ……げほっげほっ。」

兄「目が覚めても下がってなかったら買ってくるか、座薬だからな?」

妹「げほっげほっ、えー、どっちもやだよぅ。」

兄「お前の為だからな、ほら。寝ろ。よいしょっと。」

妹「ぁ……ふふっ……お兄ちゃんの体、げほっげほっ、大きくて暖かい……」

兄「……」

妹「……げほっごほっ。」

兄「……」

妹「……ずずずっ……お兄ちゃん。」

兄「ん? どうした?」

妹「えへへっ……抱き着いても良い?」

兄「良いけど、暑くないか? まぁ、いいや。ほら、おいで。」

妹「……ずずずっ……」

兄「……」

妹「……ごほっ。」

兄「……」

妹「……ずずずっ……すりすり。」

兄「あふっ。って、おい。胸に頭擦り付けるのやめろ。くすぐったい。」

妹「すりすり。」

兄「……ぁぅ、本読めないからやめろって。」

妹「えへへ、ごほっごほっ、お兄ちゃん可愛い。」

兄「まったく……早く寝ないと風邪、治らないぞ?」

妹「でも、お兄ちゃんにもっと甘えたい。げほっげほっ……」

兄「はぁ。しょうがないなぁ。ほら、ぎゅってしててやるから。早く寝な。」

妹「……ふぁ、お兄ちゃん……」

兄「……はい、お兄ちゃんですよ。」

妹「……ねえ、お兄ちゃん。ずずずっ……」

兄「ん? どうした?」

妹「……ちゅ、げほっげほっ、ちゅ、ちゅーしたい。」

兄「……えっ? おま、何言って……むぐぅっ!?」

ちゅぅぅぅ……

妹「……ぷはっ。お兄ちゃん……げほっげほっ。」

兄「はぁ。はぁ。妹……?」


妹「大好き。」

妹「風邪は治ったし、気分も好調。でも、今日は月曜日だし……学校行かないと……」

妹「ふふっ、昨日はお兄ちゃんにたくさん甘えたし、ちゅ、ちゅーもしたし。その後、寝ちゃったけど……」

妹「……」

妹「えへへっ……お兄ちゃん……」

妹「さて、お兄ちゃんの事、起こしに行かないと。」

妹「~♪」

妹「あっ、お兄ちゃん! お早う!」


兄「風邪。ごほっげほっ……ずずずっ……」

end

閲覧して頂いた方、どうもありがとうございました!
妹物を久々に書いて見ましたが、如何だったでしょうか?

ちょっと短めでしたが、あまりだらだらしていると、
ssが得意じゃないと言うボロが出そうだったので、早めに切りました。

ではでは、それではまた!

>>45
そーゆーあとがきはvipならコピペにされてバカにされる危険物



>>46
なん……だと……? ありがとう……!

乙!

探偵ナナメってことは
後輩「先輩、ナニしてるんですか?」 男「っ!」の人?

>>52
正解。

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