P「みちるの手って、思ったより小さいな」

みちる「……そうですか？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

P「うん。や、別に特別そんな小さいってわけじゃないけど、少し」

みちる「あはは。そうですかね」

P「そう思うよ」

みちる「プロデューサーの手がおっきいんですよ、ホラ」ﾊﾟｰ

P「うん？」



ギュ



みちる「……えへへ。あったかいですね、プロデューサーの手」

P「大きさの話じゃなかったのか」

みちる「いいんじゃないですか。えへへ」

P「まあ、うん」



ニギニギ

みちる「……えっと、パンいります？」

P「今は大丈夫」


みちる「……」ｼｭｰﾝ

P「……わかったよ、ひとつ頂くよ」

みちる「！」ﾊﾟｱｧｧ



むりっ



みちる「はいどーぞ、はんぶんこです！」

P「うん、ありがとう」

みちる「フゴフゴ！　プロデューサーと一緒だから、いっそうおいしいです！」

P「そりゃよかった。確かにこのパンもおいしいな」

みちる「でしょ！」

P「相変わらずだな、みちるは」

みちる「そうですか？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ



じっ



P「物怖じしないし。まっすぐに見つめてくるし」

みちる「ふふ」

P「そのおっきな瞳で」

みちる「え、えへ」

P「……ちょっと笑ってみて」

みちる「え」

P「にぃーって。ほら」

みちる「えっ、えと……にっ……」

P「いつももっとはっちゃけてるよな？」

みちる「えっ、でっ、ムリですよ急に！　しかもこの距離で」

P「ダメ？」

みちる「ダメというか……その……もう！」ﾌﾟｲｯ

みちる「……」ﾌﾟｲｯ

P「えー」

みちる「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

P「（でも食べるんだ）」

みちる「……フゴッ？」

P「えい」ﾑﾆ

みちる「ムッグ！」

P「ふふ」

みちる「（ごっくん）……なっ、なんですかーもー」

P「ごめん、かわいかったからつい」

P「みちるはモチモチのパンみたいだな」

みちる「白玉粉使った感じの」

P「白玉粉使った感じの。かわいらしくて、やわらかそうで」

みちる「じゃあ食べどきは今！　みたいな」ｱﾊﾊ

P「お、食べちゃうぞー」

みちる「えっ、あ、えへへ」///

P「（自分で言って照れるのか）」

みちる「……プロデューサーの手」

P「ん」

みちる「あったかいですね」

P「さっきも聞いたぞ」

みちる「そうですね……でも、その今は」



じっ



みちる「気持ちもあったかく、なってますから……なんて！」ｴﾍﾍ

P「……」

みちる「……何か言ってもらえるとうれしいです」

P「ん、ああ、ごめん。ちょっと浸ってた」

みちる「へ？」

P「みちるかわいいなーって」

みちる「……あ、あはは！　ありがとうございます。何というかその」

P「みちるはモチモチのパンみたいだな。白玉粉使った感じの」

みちる「さっき聞きましたよそれ」

P「いいじゃん何回でも言う。かわいいし、肌もちもちだし」ﾑﾆﾑﾆ

みちる「あは、もー、そんなにほっぺつつかないで」ﾑｺﾞ

P「ふふっ」

みちる「えへへ」

みちる「……プロデューサーは、フランスパンみたいですね」

P「硬いってこと？」

みちる「しっかりしていて、頼もしくて」

P「お、おう」

みちる「いろんな料理と合わせられて。バゲットなんかがそうですけど、いろんな素材を活かせるんです」

P「……」

みちる「きらびやかな料理の陰にバゲットあり、みたいな」

P「それは嬉しいな」

みちる「だけど、ムリはダメですからね」ｽｯ



バガッ！！！



P「うわっ」ﾋﾞｸｯ

みちる「ホラこんなかんじで、硬そうなパンも、ときには割れます。砕けます。強そうな人もきっと」

P「それはみちるが強」

みちる「最近また残業いっぱいしてましたよね」

P「まあ、うん」

みちる「いつもありがとうございます。でも、ムリはほどほどに」

P「……うん」

みちる「はい！　半分どうぞ！」

P「……ありがとう」

カリッ



P「おいしい。しっかりしたパンの歯ごたえ」

みちる「でしょ！　えへへ、今朝に家で焼いてたパンの一番おいしそうなのをもらってきましたから！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

P「いいのかそれ」

みちる「大丈夫です！　おいしいですから！」

P「みちるはかわいいなぁ」

みちる「フランスパンといえば、ボガディージョっていう、えっとたしかスペインだったかな、サンドイッチ料理があってですね」

P「ほう」

みちる「サンドイッチなんですけど、パンはフランスパンなので、硬い感じなんです」

P「へー」

みちる「で、パンの真ん中を切って、中に生ハムとかチーズとか、まあ好きにいろんな具材を挟んで食べるのがあるんです」

P「おいしそうだな」

みちる「でしょう！　今度作ってきますね！　で、ですね」

P「うん」

みちる「ボガディージョは家でもお店でも食べられますが、持ってでかける人も多いんですって」

P「まさにピクニックのサンドイッチって感じか。パン生地こそ違えど」

みちる「そうです！　だから」

P「……」

みちる「……どこかおでかけ、しませんか？」

P「なるほど、そういう話か」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

みちる「あ、あはは」///



P「みちるお手製のボガディージョ、ぜひ食べたいな」

みちる「ほんとですか！」

P「どこ行こうか」

みちる「それならですね！」



ワイワイ

＊　＊　＊　＊　＊　



心「おーっす☆そばできたぞー」

杏「Zzz」

比奈「Zzz」

心「おいおいこたつで寝んなよ、このまま年越す気かー？　起きろ起きろ、さっさと食って初詣行くぞー」

杏「んぁ……おつー。いま何時？」

心「あと2時間くらいで新年だな」

比奈「ふぁぁ……」

杏「そっか……やっぱ出かけるのなしにしようよー寒いよー」

心「ばっかオメーイベントは大事にしろよ、そば食って、煩悩マッハで除夜の鐘聞いて初詣すんぞ☆」

杏「なんでそんな元気なのさ……」

比奈「でもそばいいっスよね、ありがとっス」

杏「そうだね、いただきまーす」

心「はぁとも食べるぜ☆おら場所空けろ空けろ」ｺﾞｿｺﾞｿ

杏「あ、おいしい」

心「そりゃよかった」

比奈「……」ｳﾄｳﾄ

心「あっコラ食べながら寝んな、おーい」ﾍﾟﾁﾍﾟﾁ

比奈「うあ、ごめんなさい……」

杏「比奈は今日まで忙しかったからなぁ」

心「アイドル活動じゃないけどな」

比奈「まあ、本業っスから」ｴﾍﾍ



杏「まあ、今年も一年おつかれさま」

比奈「あ、はい。お疲れさまっス」

心「来年はもっと売れるぞー！」

杏「……」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

比奈「……」ｽﾞﾙｽﾞﾙ



心「オーって言えよ！　そこは乗ってこいよ！」

＊　＊　＊　＊　＊



みちる「来年も、おいしいパンと笑顔いっぱいの一年だといいですね！」

P「そうだな」

みちる「あとプロデューサー、ひとついいですか」

P「ん？」



みちる「あたし……」