法子「時子さんがすっごいトレーニングしてる?」 (23)




モバマス・椎名法子のSSです。




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時子「フッ、フゥ、ハッ、……ハァッ!!」ダン

マストレ「いいぞ財前! 椎名もだ! 今日はそこまでにしよう!」

法子「ハッ、ハイ、終わりー! お疲れ様でーす!」

時子「ハッ、ハァ、……まだよ! レッスンの時間はまだあるでしょう!!」

マストレ「おいおい、何の意図があるのか知らんが無茶をするな。クールダウンクールダウン。今日はもう終わりだ」

時子「……フンッ」

マストレ「ストレッチはちゃんとしろよ」

時子「わかってるわよ」

マストレ「ふふっ、随分と気合いが入っているな」

時子「……気のせいよ」





法子「はぁーっ、疲れたぁ〜もうダメ……ドーナツ食べたい……」グター

マストレ「ほらほら、椎名も倒れてないでストレッチしろよー」



時子「法子、ドリンク」ポイッ

法子「うぁ? わっ」パシ



時子「ちゃんと水分補給しなさいよ」

法子「あ、ありがとー……」



時子「着替えに行くわ」

マストレ「うむ、お疲れ様」



ガチャ バタン



法子「……時子さん体力すごーい」

マストレ「最近の気合の入りっぷりはなかなかすごいな」

法子「何かあったのかな?」

マストレ「さあな。まあ案外、いいとこ見せたいだけかもしれんがな」

法子「……?」



マストレ「はいはい! そっちで死にかけてる二人もクールダウンだぞ!」パンパン



杏「うおお……終わり……だっ、ゲホッ」グダー

比奈「……ケホッ」デローン

法子「比奈ちゃんたち、何日か放置されたチョコドーナツみたいになってる」

マストレ「普段からもう少し体力づくりに積極的であってほしいんだがなぁ」



< 何やってんのこの豚ァ!

< おほうっ!



マストレ「……時子は元気だな」

法子「……」



* * * * *



法子「何かあったの?」モグモグ

時子「何がよ」モグ…

法子「昨日今日とすっごい必死に練習してるよね?」

時子「別に……そんなことないわよ」

法子「ねぇねぇ、何か予定あるの? ライブとかイベントとか!」

時子「何もないわよ。たまには集中して練習しておきたい気分だっただけ」

法子「へぇ……」モグモグ



にゅっ



亜季「ところがこれが、ここ数日に限った話でなく! 時子殿は少し前からかなり練習に、しかも基礎トレーニング系の練習に精を出しておられるんですよ」

法子「そうなの?」

亜季「そうです。このあいだ私も少しトレーニング中の時子殿を見かけましたが、なかなかに勇ましい姿でしたからね」

時子「亜季、黙りなさい」

亜季「まあまあそう言わず」

法子「時子さんカッコイイ!」

時子「法子、そんなに食いつかなくていいから」





亜季「ちなみに、私と一緒に特訓しませんかと誘ったのですが、断られました」

法子「そうなんだ、なんで?」

時子「私は亜季みたいにサバイバルをしたいわけじゃないの」

亜季「まあ、求めるものが違うのでしょう。時子殿は……スタイル維持の為にトレーニングをしているようですから」チラッ

時子「何」

亜季「ふふっ、いやいや別に何も」



亜季「ただそのー、何故そんなスタイル維持にご執心になる必要があるのでしょうか……と」ニヤ

時子「……」

法子「……?」



亜季「ま、そんな気にされずとも。時子殿はじゅうぶんにスタイル抜群ですからな」

時子「嫌味かしら」

亜季「いやいや本当に」

法子「そうだよ、時子さん美人だよ! 脚スラッとしててキレイだし! カッコイイよね!」

時子「……もういいわ。私で雑談を広げるのはやめなさい」

法子「えへへー、いいじゃん! 時子さんステキ!」

亜季「やはり今度ぜひ一度、私と一緒にオススメのトレーニングを」

時子「やらないって言ってるでしょバカなの貴方は」

亜季「えー」





比奈「(時子さんと亜季さん仲いいの意外っスね)」

杏「(まあ、同い年だからね)」

比奈「(えっ、あっそっか……ええっ、いや、意外)」



* * * * *



ガチャッ



法子「お疲れさまでーす!」



柚「あ、おつかれー」

裕子「お疲れ様でーす!」



法子「あれっ、今日時子さんいないの?」

裕子「ムムーン? 時子さん……そういえばどこかに出かけたままですね」

柚「さっきジャージ姿なの見かけたけどね」



ガチャッ



時子「ふぅ」

柚「おっ、ウワサをすれば帰ってきた」

法子「時子さんお疲れ様ー! 自主練?」

時子「……まあ、少しね」



バーン!



茜「おっつかれ様でーっす!!! ランニング終了です!!!」

時子「……もう少し静かに入れないの貴方」



裕子「あ、茜ちゃんもお疲れ様です!」

柚「おつかれー。茜ちゃんまた走ってたの?」

茜「ええ!!! ちょっと時間が空いていたので!!! 今日は時子さんと一緒に!!!」



柚「えっ」

裕子「えっ」

法子「えっ」

時子「……茜、余計なことを喋らないの」

茜「あっ、すみません!!! これ秘密の特訓でしたね!!! ではみなさん、今のは秘密で!!!」

柚「何それ気になる」

裕子「時子様と茜ちゃん……ちょっと不思議な感じありますね」





時子「法子、着替えてくるから少し待ってなさい」

法子「えっ」

時子「ドーナツを用意していたんじゃないの?」

法子「……あ、そうだった! 時子さんお疲れさま! ドーナツしよ!」

時子「毎回よく飽きないわね……まあいいわ。着替え終わったらね。コーヒーも淹れておきなさい、ブラックよ」

法子「はーい!」



裕子「……時子様と法子ちゃん、仲いいですね」

柚「そだね。なんか当たり前みたいになってるけど、ちょっとおもしろい」

茜「熱い友情の、なんというか、その、それって感じですね!!!」

柚「茜ちゃんもまず汗拭こう。あと着替えてこようね」



法子「時子さん、ホントに大丈夫? 最近ちょっと頑張りすぎじゃない?」

時子「全く問題ないわよ。ケアは十分しているし、余計なこと心配しなくてもいいの」

法子「え、あ、うん」

時子「それより今日の話は何?」

法子「あ、えっとね! プロデューサーがこの間のライブ褒めてくれてね! ……」



* * * * *



清良「よく頑張ってますねぇ。筋肉の疲労もこうして残さないようにして、栄養もきちんと取って」グイグイ

時子「……助かるわ、ありがとう」

清良「いえいえ、いつでも言ってください。それにしても……ふふっ」

時子「……」

清良「体型維持の相談を受けた時は何事かと思ったわ。現に時子さんはスタイルもばっちりで何も問題ないのに」

時子「私は万全を期したいだけよ」

清良「もっと素直になったらどうかしら。法子ちゃんとの毎日のドーナツタイムは楽しいけど、ちょーっとだけ、カロリーが気になるって」

時子「……」ジロリ

清良「でも、後輩たちの手本として、だらしないところは見せたくないし」

時子「清良」

清良「……何より、法子ちゃんに弱音は吐きたくない、と」

時子「ありがとう、もう行くわ」

清良「ダメよ、まだマッサージ終わってないんだから」ギュ

時子「……」

清良「法子ちゃんとの時間を大切にしてるんだって言ってあげれば、きっと喜ぶでしょうに」

時子「そんなんじゃないわよ。これは私の為のこと」

清良「本当に?」

時子「そうよ」

清良「……そ。じゃあそういうことにしといてあげるわ」

時子「……早く終わらせて」

清良「はーい」



* * * * *



ガチャ



杏「お疲れー」

比奈「お疲れっスー」



法子「あ、お疲れさまー!」モゾモゾ

杏「おー法子、なにしてんの」

法子「今日のドーナツ! いっぱいあるから分けてるの! 一ついる?」

杏「あ、うん、もらっていいなら」

法子「いいよー! はいこれ!」

杏「ありがと」

法子「比奈ちゃんもどうぞ!」

比奈「あ、ありがとっス」



杏「残りのそれは、ゆかゆかと食べるの?」モグモグ

法子「そうだよ! 今日も新作見つけてきたの!」

比奈「……そっちの袋は?」モグモグ

法子「あ、こっちは時子さんとのドーナツタイム用!」

杏「時子用……何か最近どんどん増えてない?」

法子「えへへ! 時子さん、前より美味しそうに食べてくれるようになったから、あたしもうれしくて!」

杏「しかめっつらのイメージしかないけど」

法子「えー? よく見たらちゃんと笑ってるよ! 時子さんカワイイもん!」

比奈「笑って……るんスか?」

法子「笑ってるよー! ホラこの写真見て!」パッ



比奈「(これ笑って……るっスか?)」

杏「(さあ……?)」



杏「(……というか、あの時子が写真とか撮って許してくれるのスゴイな)」

比奈「(たしかに)」



杏「……」

比奈「……」

杏「ふふっ」

比奈「素敵っスね」

法子「でしょー!」ニコニコ



* * * * *



かな子「みんな、マドレーヌあるけど食べる?」

法子「食べよー! じゃあドーナツも!」

みちる「パンもありますよ! フゴフゴ!」

時子「……暑っ苦しいわね、まったく」



輝子「フヒ……甘いものに飽きたらキノコもあるよ……どうぞ……フフ」モゾッ

時子「……」



亜季「相変わらず皆から慕われていますね。カリスマですなぁ」

時子「ぶっ飛ばすわよ」





ザッ



真奈美「どうしたどうしたー!! 時子、運動を欲しているそうじゃないか! 私と一緒にトレーニングするか? 私は厳しいぞー?」

時子「……相変わらず騒々しいわね」

真奈美「少女の笑顔を大切にする為に頑張るお姉さん、という感じか?」

時子「何の話」

真奈美「心当たりはあるだろう」

時子「……余計なお世話よ」

真奈美「いやいや、素敵じゃないか! 自信を持っていこう! ハッハッハ!!」

亜季「ハッハッハ!!」



比奈「(真奈美さん、体育教師姿気に入ったんスかね)」

杏「(まあ、似合ってるよね)」



* * * * * 



時子「どいつもこいつも……いい度胸ね。やってやろうじゃないの、そのトレーニング」

真奈美「ほう」

亜季「おっ」



時子「でも」



法子「時子さーん! コーヒー入ったよ!」

時子「……ティータイムが終わってからね。それまでどっか行ってなさい」



みちる「ベーグルもありますからね!」

かな子「これは輝子ちゃんの分ね」

輝子「おおぅ、あ、ありがとう……じゃあエリンギここ置くね……」

法子「かな子ちゃんはチョコと黒糖どっちがいいー?」



ワイワイ



真奈美「……ふふ、承知した」

かな子「真奈美さんたちもどうぞ。みんなで食べましょう?」

時子「居なくていいわよ」

真奈美「光栄だね。では私たちも休憩としようか」

亜季「そうですね。ありがとうございます」

時子「聞きなさいよ私の話を」






法子「時子さん、今日のドーナツだよ!」のそっ…

時子「ありがとう。でもちょっと多いわよ」

法子「大丈夫、いけるいける!」

時子「……」

法子「あたしも一緒に食べるからあっという間だよ!」



亜季「あちらはティータイムというより、ドーナツタイムですな」

真奈美「うむ。トレーニングの需要も高まるな!」

亜季「なんといいますか、乙女は大変なのであります」

真奈美「時子はかわいい女の子だからな」フフッ

亜季「そうですね!」アハハ



時子「ぶっ飛ばすわよ」



* * * * *



時子「それで、今日は何の話?」

法子「えへへ、あのね……」







* * * * *

以上です。

他に
・みちる「もぐもぐの向こうの恋心」
・法子「恋するドーナツ、ハート型」
などがあります。
よろしければどうぞ。

ありがとうございました。


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