響「え……?」
担任「キャロルさんは短期留学生として短い間ですが皆さんと授業を受けます、仲良くするように」
響「嘘……キャロル、ちゃん……」
未来(響……)
担任「キャロルさんの席は……あら、立花さんの隣が空席ですね。そこにしましょう」
キャロル「ああ、わかった」
響(キャロルちゃん……?何でッ?キャロルちゃんはもう……)
担任「……日本語が流暢なのは結構ですが目上の人には敬語を使いましょうね」
キャロル「わかっ……コホン、わかりました」
担任「よろしい。では立花さん、キャロルさんのことをおねがいしますよ」
響「……」
担任「タァチバナサァン!?……って、貴女泣いて?」
響「……ッ!い、いえっ、これは目にゴミが!」
担任「そうですか?それなら構いませんが返事はきちんとするように」
響「はい」
担任「はい、それでは今日はここまで。明日からは授業が始まります、いつまでも夏休み気分で居ないこと」
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詩織「留学生とはナイスですね」
弓美「なんかアニメみたい!」
創世「ねえ、どこから来たの?」
キャロル「すまない、これから学校を案内してもらうことになっていてな。質問は又の機会とさせて貰おう」
詩織「あら、そうなんですか」
キャロル「ああ、さあ行くぞ響」
響「へっ?」
キャロル「ほら早くしろ」
響「う、うん」
詩織「行ってしまいましたね」
弓美「何で案内響なんだろ、知り合いだったみたいだけど」
創世「ヒナ、知ってる?」
未来「うん、一応は」
未来(響、大丈夫かな……)
キャロル「ふん、この辺りならば人は来まい」
響「キャロルちゃん……だよね?」
キャロル「違うならオレは何者だと言うんだ」
響「……良かった」
キャロル「何がだ?」
響「エルフナインちゃんから話を聞いて、消えちゃったと思ってたから……生きてたんだね」
キャロル「違うな、オレの想い出は確かに燃え尽き体はエルフナインにくれてやった」
響「えっ……ならどうして」
キャロル「オレの体がエルフナインの物となった後、エルフナインが辛うじて僅かに残ったオレの意識の残滓を保護して回復させたのだ」
キャロル「奴の想い出はオリジナルであるオレの転送複写、出来ぬ道理は無かろう」
響「まさかエルフナインちゃんを……」
キャロル「この体は錬金術で新しく用意した物だ、奴の物ではない」
響「そっか……」
キャロル「良かったな、エルフナインが無事と分かって」
響「うん、凄く嬉しいよ。エルフナインちゃんが無事で、そしてまたこうしてキャロルちゃんと話せて」
キャロル「お前……オレが何をしたか忘れたのか?」
響「私の手を握ってくれた」
キャロル「……」
響「よし!そうと分かれば案内してあげる!だけどうちの学校広いから、ちょーっと飛ばすよッ!」
キャロル「なっ、急に手を掴むな!おい、離せッ!」
つづく
キャロル「まさか日が暮れるまで連れ回されるとはな」
響「えへへー」
キャロル「褒めて無いからな?」
響「わかってるよう、それより大分遅くなっちゃったけどまだ大丈夫?」
キャロル「時間は問題ない」
響「じゃあ晩御飯も一緒に外で食べて行こうよ」
キャロル「食事、か」
響「あ……もしかしてホムンクルスってご飯とか食べれない?」
キャロル「いや、不要だったからもう長い間食事は取っていないが機能自体は持っている」
響「なら大丈夫だね、あそこのハンバーガーでいい?」
キャロル「ああ」
響「いっただっきまーす!」
キャロル「い、いただきます」
響「んー、美味しいッ!」
キャロル「ふむ……」
響「どう?キャロルちゃん」
キャロル「美味いな」
響「でしょ!?」
キャロル「何故お前が得意気なんだ、全く」
響「そう言えばキャロルちゃんってどこに住むの?」
キャロル「お前の部屋だ」
響「へー、そっかあ」
キャロル「そうだ、だからこれからよろしくな」
響「って、えええっ!?」
響「た、ただいまー……」
キャロル「邪魔するぞ」
未来「おかえりなさい」
響「あっ、あのね未来!お願いがあるんだけど……」
未来「え?どうかしたの?」
響「キャロルちゃん、うちに泊めても良いかな?あっ、世話は私がちゃーんとするからッ!」
キャロル「オレは捨てネコか何かか」
未来「ああ、そのことなら弦十郎さんから聞いてるから大丈夫。よろしくねキャロル」
キャロル「世話になる」
響「え?あれぇー?」
キャロル「おい、いつまでも突っ立って無いで中に入れ」
響「あ、うん……ってそうじゃなくて!何で未来は知ってるの!?」
キャロル「お前のところの司令から聞いたとさっき言っていただろうが」
響「確かに言ってたけどそういう意味じゃないんだよぉ、なあんで未来だけ……」
キャロル「だけでは無いぞ、他の装者達も既知のはずだ」
響「じゃあ知らなかったのは私だけ!?何で!?」
キャロル「オレに聞くな」
響「何でなのさぁ、キャロルちゃんー」
キャロル「ええい、纏わり付くなッ!」
未来「そう言えばキャロルは何も荷物無いの?」
キャロル「無理矢理着せられたこの制服以外は何も無いな」
未来「そっか、じゃあ今夜の着替えは私か響のを使ってもらおうかしら」
響「それじゃ私のあげるよ!じゃーん、お揃いっ!」
キャロル「お前センス無いな」
響「酷い!?」
未来「あはは……」
キャロル「仕方がないからこれは貰ってやる、次はもっとマシなのを選ぶんだな」
響「へ?着てくれるの」
キャロル「何だ、着てほしくないのか?」
響「いやっ、着て欲しい!着て欲しいよッ!」
キャロル「ならば着替えの問題は解決したな」
未来「響に連れ回されて疲れたでしょう?お風呂の支度出来ているから先に入ると良いわ」
キャロル「何から何まで準備させてすまない」
未来「良いのよ、一人も二人もそう変わらないから」
キャロル「ふっ、確かにそうかもしれん」
響「ちょっと!?それどういう意味ッ!?」
未来「そのままの意味よ」
キャロル「だな、ではオレは一番風呂を頂くとしよう」
未来「ごゆっくりー」
響「ううー、私の扱いが酷い気がする……」
未来「そんなことないよ、響。それにしても今日は一段とテンションが高いのね」
響「うぇ?そうかなぁ?まあ確かにキャロルちゃんとまた会えて舞い上がっちゃってるのかも」
未来「そっか……キャロルと、仲良くね?」
響「言われなくてもそうするよーっと、そうだ!折角だからキャロルちゃんの背中流して来るよ!」
未来「はいはい、行ってらっしゃい」
響「行ってくる!」
キャロル(……温かいな)
キャロル(パパがいなくなる前を思い出す……)
響「キャーロルちゃんッ!」
バンッ
キャロル「なっ、響か!?」
響「えへへー、そうだよっ」
キャロル「何故お前がッ」
響「いやいや、背中を流してあげようと思ってね」
キャロル「ひっ、必要ない、出て行けッ」
響「そんなこと言わずにー」
キャロル「ひあっ!?」
響「おぉー、キャロルちゃん肌すっべすべ!」
キャロル「おい馬鹿ッ、やめっ」
響「良いから良いから私に任せてッ」
キャロル「クソッ、この体では力が出ないか……ってお前、どこを触っ、やめろぉおおおッ」
キャロル「酷い目にあった」
響「いや~、キャロルちゃんもちゃんと女の子なんだねえ」
キャロル「だから無性のままで良いと言ったのに、エルフナインの奴め……」
キャロル「だいたい背中を流すだけじゃなかったのかッ!」
響「キャロルちゃんとお風呂に入れるのが嬉しくてつい……」
キャロル「……」
響「ごめんッ、もうしない!もうしないから許して欲しいなって」
キャロル「次一緒に入る時はもうするなよ」
響「次一緒に……?」
キャロル「オレはもう出る」
響「あっ、待ってよキャロルちゃーん!」
響「キャロルちゃんとお揃い~」
キャロル「くっつくな!」
響「なーんでさー」
キャロル「暑苦しいからだッ!」
響「ちぇー」
未来「響?もう遅いからそろそろ寝ないと明日学校に遅れるわよ」
響「あー、もうそんな時間かあ」
キャロル「オレはどこで寝ればいい?」
未来「二段ベッドしかないから、誰か二人が同じ布団で寝ることになるけど」
キャロル「そうか……」
未来「キャロルが一人が良ければ私と響が一緒に寝るから大丈夫よ」
響「えー、キャロルちゃんも一緒に寝ようよー」
キャロル「すまないが今夜は一人にして貰っても良いか?」
未来「ええ、それじゃあベッドの下の段を開けておくから好きに使って」
響「むう、残念だ……おやすみキャロルちゃん」
キャロル「ああ」
未来「キャロル、寝たみたいね」
響「そうだね」
未来「さ、私達も寝ましょう」
響「うん、おやすみ未来」
未来「おやすみ響」
つづく
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