双葉杏「起きたらステージ上にいた」 (45)



ワー! ワー!


杏「…………はぇ?」ボケー




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杏「は、え? あ、ぁ???」


杏(ベッドの上、おふとんの中でぬくぬくと惰眠を貪っていた杏は)

杏(気がつけば一人、ベッドまるごとステージ上に、ぽつんと置かれていた)

杏(おふとんにくるまって身を起こすと、観客席から大勢がサイリウムを振っている)

杏(目覚まし代わり耳に響いてきた歓声は、どうやら夢ではなかったらしい)



杏「いやいやいやいやいや!!! どーなってんのこれ!!??」




『やりました!! サイキックニートアイドル召喚、成功です!!』

杏「成功です!? じゃないだろぉ!!」

杏「杏、今日のライブのメンバーに含まれてなかったでしょ!?」

杏「完全にお休みだったでしょぉお!!」


杏(コンビニでおしっこをもらし、きらりに足を拭いてもらっている写真がネットに流出し炎上した杏は、騒ぎにならないようと大事をとって、今回のライブは欠席になっていた)

杏(はずだった……のに…………)




杏「待って待ってほんとに待って! 髪もぐちゃぐちゃのぼさぼさだしさ、目やにとかよだれとか酷いし! やめろカメラ寄るな映すな!!」

杏(この間のように、起きぬけにおもらししていなかったことは、唯一の救いか)

杏(ちなみに双葉杏おもらし炎上騒ぎ自体は、いろいろな協力者のおかげで)

杏(撮影したコンビニ店員が特定され、そいつを叩く流れに)

杏(杏のおもらしも『ジュースこぼしちゃっただけ』ということにされ社会的な死は免れた)



杏(ツ○ッターには未だ、「僕にもかけてくれ」「直接飲みたい」「むしろ飲んでくれ」とか変態性の高い言葉が飛んでくるけれど)

杏(それも杏が毎回、顔を真っ赤にして布団の中でじたばた悶えるだけの被害で済んでいる)

杏(……たぶんファンレターにも、いろいろ書かれているだろうけれど)

杏(それはプロデューサーがきちんと処理してくれているようだ)



杏(ちひろさんは何か、スタドリエナドリ以外に、なにやら怪しげな聖水を売り始めたと言うが……真相はさだかではない)


杏(……この観客の中にも、SNS上で杏に変態的な言葉を投げかけた人がいっぱいいるんだろうなぁ…………)

杏「っ……」ゾクゾクッ


バサッ

杏「え? なにこれ? なんかベッドの上に投げ置かれたけど」


杏「…………衣装だ」



杏「えっここで着替えるの? えっ」




杏「いや確かに部屋着のままだけどさ……これじゃ布団から出られないけど……」

杏「ほんとにここで着替えるの? ステージのド真ん中で?」

杏「…………途中で巨大扇風機で布団飛ばすとかないよね。そーいうのは幸子でやってね」


モゾモゾ……モゾモゾ……

杏「って!! これパンツ! パンツまで置かれてる!!」

杏「なんでこれから穿く下着をこんな大勢に見られなきゃいけないんだー!」

杏「く、くっそぅ……こんなのセクハラだ。業務なんたら違反だ。絶対に事務所を訴えてやる……」モゾモゾ


杏「……ぃしょっと」モゾモゾ

杏「脱いだスパッツ欲しい人ー?」




杏「あげないよ」

杏「あげるわけないだろ!! ばーかばーか!」

杏「……はぁ」


きらり「杏ちゃん! 終わったぁ?」

杏「げっきらり!」

きらり「一緒に歌おうにぃ☆」ヒョイッ

杏「あわわ持ち上げるなっ、まだくつ下が途中!」

きらり「んゆ? あ、ほんとーべろーんってなっちゃってる」

きらり「きらりがぁ、履かせてあげゆ☆」

杏「ちょちょ、い、いいって」

きらり「よい、しょっと」スルスル……

杏「ん……っ!」


杏(きらりの手……指が、足に……うちももをなぞられて……なんか)

杏(ぁ……だめだ、足拭いてもらってる時のこと、思い出しそう)

杏(顔、あつい……多分今、耳まで真っ赤になっちゃってるや)




きらり「でーきた! うん、杏ちゃんかわうぃーよぉ」

杏「ぅ、うん」

きらり「髪の毛もぉ、やってあげるね」シャッシャッグイッキュッキュッ

杏「いいってば……うあー」

きらり「お顔も拭いて、簡単にだけどメイクもしちゃうにぃ」スッスッ

杏「むぅ……」

きらり「うきゃー! 杏ちゃん、とーってもかわうぃー☆」

杏「……ほんと? ちょっと装飾過多じゃない?」

きらり「そんなことないよぉ! おっすおっす☆ばっちし!」

杏「ばっちしかぁ……」




きらり「? 杏ちゃん、大丈夫?」

杏「……だいじょーぶなわけないじゃん。こんないきなり……」

きらり「……ごめんね」

杏「きらり……?」

きらり「きらりが、お願いしたの。やっぱり……一緒にステージに立ちたい。一緒に歌いたいって」

きらり「これまでずっと、ずぅーっと、杏ちゃんと……みんなと頑張ってきたから」

きらり「誰にも、欠けてほしくないって、きらりのわがまま、でも」

杏「あー……わかったわかった。もういいから」

きらり「杏ちゃん……!」

杏「さ、……歌おう」


ワー! ワー!






きらり「ねぇ今 もらしているよ 眠っていても」

幸子「Piddle for you おしっこはずっと溜まっているよ」

乃々「もう尿をぬぐって 微笑って 一人じゃない どんな時だって」

輝子「放尿することは生きること 悲しみを超える力」



うさぎのぬいぐるみ「……」

杏(カエダーマ……!)

うさぎのぬいぐるみ「うたって、はよ」



杏「もらそぉー果てない尿」

杏「こぼそぉートイレ越えて」

杏「オムツが届くように おもらししよう パンツぬぐこと」


杏「Thank you for Pee」


ワー! ワー!



ジョバーーー





……





……


杏「…………という夢を見たんだ」

きらり「……にょわ」





おわり。





幸子「ところがどっこい……夢じゃありません……! 現実です……! これが現実!!」ビショビショ

幸子「水もしたたるカワイイボクですよ!!」

杏「なんでちょっと楽しそうなの幸子」ビショビショ

幸子「いえ、炎上したネタを開き直ってしまうなんて、かえって清々しいじゃないですか」

杏「すがすがしくなんかないよ……上から降ってきた水でびしょぬれのぐちゃぐちゃじゃんか……」

幸子「この水はおもらしで炎上したものをさらなるおもらしで鎮火! という演出なんですかね?」

杏「知らないよ。というか火を消すどころか、さらに騒がれそうだけど大丈夫なの……この事務所。替え歌とか……」

乃々「うぅ……下着まで濡れたんですけど……むぅーりぃー……」ビショビショ

輝子「フヒ……じめじめは、きのこには、い、いい……」ビショビショ

幸子「みんな一緒だとこんな芸人さんみたいなライブも楽しいですね! あはは! ……え? なんですか? 責任をとって熱湯風呂?」

幸子「ちょ、ちょっと待って下さいなんでボクがいえいえ濡れて寒いからちょうどいいとかじゃなくてちょっ」



ドボーン


ガボゴボガボッ……アツゥイ!!





おわろ。





杏「……」



杏「それきらりも入れどーん!」

きらり「うきゃー! じゃあ杏ちゃんも道連れだにぃ!」

輝子「ヒャッハー! ゴートゥヘェエエエエル!!」

乃々「ひぃい! 離してくださっはなしっ」



ドボーン

ドボーン

ドボーン

ドボーン


な、なんですか全員入るには狭いですよつぶれっフギャアアアアアア!!






おふろ。




大変失礼致しました。


双葉杏「起きたらなんかはえてた」

双葉杏「起きたらベッドに縛りつけられてた」

双葉杏「起きたらもらしてた」


では。


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