矢澤にこは希がスキスキ (19)


強くなりたい。強くありたい。

   ~矢澤にこ~


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にこ「にこぉ……ごっほごほ///」ゴホゴホ


風邪ひいたにこ

なんて弱いカラダなのだろう

自分で自分に少し苛立ってきたわ


にこ「そーしん、っと」ポチポチ



――LINE(μ's)――

にこ:ひとりで静かに療養してるから見舞いとか来ないでよね

ほのか:え? でも

にこ:ひとりで静かに療養を! してるから! 来ないでね!

真姫:じゃあ医者の娘として私がひとりで

にこ:部長命令! 訪問禁止!

にこ:絶対来ないでね もし来たら一生口きいてやらないから

花陽:わかりました……せめて、お大事に


にこ「これでよし、と」フラッ


頭がくらり、ベッドにぼふり。

ああまったく、こんなみっともない姿

誰にも見せたくないのよ


にこ「わたしはつよい子、あなたはつよい子、にこはつよい子……」


矢澤にこはとっても強い子

だからひとりで平気なの。


にこ「あーったま、いたぁい……」ゴホゴホ


……寝ましょ。

…………
……






――ピンポーン


にこ(ん……?)ムニャ


――ピンポーンピンポーン


にこ(セールスかしら? まったくこんなときに)ゴホッ

にこ(居留守しよ)ゴホゴホ




――ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン




にこ(……)


にこ「――るっさいわねぇ!」ガチャ!



希「やっほー」ノゾミピース

にこ「っ!?///」


急いで扉を閉じ……


希「そうは問屋がおろさんよー」ガッ


がっ、と隙間に足をはさんで

するり、と隙間から身をすべりこませ

がちゃり、と後ろ手にドアを閉じる希。

どんなセールスマンだ、おまえ


希「おっと」カチャリ


あらあらカギまで閉めてくれちゃって

まあまあご丁寧なことで。


希「にこっちー、プリンふたつ買ってきたよー」ガサゴソ

希「いっしょに食べよ?」ニコニコ


にこ「……」ツーン


希「あれ? にこっち怒ってるん?」

希「さみしくて死んじゃってると思って来たんやけど」


にこ「……」スッ ポチポチ


――LINE(希)――

にこ:口きかないって言ったでしょ

にこ:それと、うさぎはさみしくても死なない



希「……ほーん?」ポチポチ


にこ:絶対来るなって言ったじゃん

希:そこはホラ、てっきり『来るなよ、絶対来るなよ!』ってノリかと

にこ:都合よく関西人みたいなツラしないで!

希:っていうのは嘘でね

にこ:はぁあ???

にこ:[スタンプを送信しました]←怒り

希:ウチが来たのはね

希:ウチがにこっちに

希:会いたかっただけ

希:きゃっ、言ってしもた♪

希:[スタンプを送信しました]←照れ




希「なーんちゃっ……」



にこ「……っ///」カァァッ


希「……て……///」カァ


にこ「……///」スクッ


だめだ

コイツと話してると、なんていうかダメだ

無視だ。無視しよう

にこはつよい子

ひとりでベッドに潜りこんで、ひとりおふとんをかぶる。

完全がーど。


にこ「(……っ///)」モゾモゾ


やっぱ駄目だ

さっきの希のひとことが 笑顔が 駆けつけてきてくれたことが

にこのハートにクリティカルヒットしてる


希「にーこっち」ガバッ


なんとそこに

そいつは 希は コイツは

ベッドダイビングをかましてきやがるものだから




にこ「――ぐえっ」


流石に重いっつーの!


希「えへー、にこっちー」ギュゥゥ


おふとんの上から伝わる重み

布団一枚へだてて抱きしめられるカラダ

それでも肌が、締め付けられて

うずううず ぴりぴり してしまう


希「にこっち、ほんとはさみしかったんでしょ?」モッギュー

にこ「……」


黙秘権。


希「ほっぺに涙のあと、ついてたよ」


うそっ!?

にこは震えた指先で、あわてて目元を確認する


希「ふふっ、うーそっ♪」ギュギュッ


コイツ、東京湾に沈めてやろうか


にこ「……もぃ」

希「え?」


にこ「重いっつってんのよっ!」

希「お」

にこ「え?」



希「やっと口、きいてくれた」にへら


やめてくれ希

その笑顔はにこに効く

やめるにこ




にこ「……っ///」プイッ

希「あらぁ、まただんまりはないんじゃないんー?」


もぞもぞと、おふとんの中へ

拒絶の意思表示。


希「じゃあ、しゃあないなぁ……」イソイソ


そう言って 希は

にこの被ってるふとんを 引き剥がして めくる

さ、寒いにこ……


希「ダイレクトもっぎゅー!」ムギュッ


!?


にこ「(な……な……っ!?///)」


希「にこっちが、口、きいてくれないんやったらぁ……」ボソボソッ


あたたかい肌と肌が 触れ合って

希の口から 湿った熱い吐息とともに

にこの耳に 脳の芯まで届く声で


希「ぼでぃ、らんげーじ。するしかないやん?」ギュムギュム


ひぃぃぃぃぃっ!


希「ウチがにこっちのこと、たくさんたぁくさん、あっためたげるね?」もぞもぞっ……!




このあとめちゃくちゃポカポカした


おわり

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