千川ちひろ「私はお金が好きなんです」 (47)


※モバマス、ゲームの方の小さなプロダクションの設定です。
ちひろさんお誕生日おめでとうございます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448716110

ちひろ「今日からあなたのアシスタントをつとめます千川ちひろです、モバPさんよろしくお願いしますね」

モバP「こちらこそ、今日からこのプロダクションで働くことになったモバPです」

ちひろ「今日からアイドルのプロデューサーとして活躍、してくださいね」

モバP「いろいろ分からないことがあると思いますので教えてください」

ちひろ「わたしも精一杯サポートしますから一緒に頑張りましょうね、とっても期待してますよ!!」

モバP「はい、期待に応えられるようにしたいと思います」

ちひろ「それでは他のプロデューサーさんを紹介しますね」

ちひろ「こちらからCuPさん、CoPさん、PaPさんです。それぞれ数名ずつのアイドルを担当されているんですよ」

CuP「やあ初めまして」

CoP「ふーん、キミが新しいプロデューサー?」

PaP「よろしく!!これから一緒に頑張ろう!!」

モバP「はい、これからよろしくお願います」

ちひろ「他にも何名かスタッフがいますけど、おいおい紹介しますね」

モバP「はい、それじゃあ早速仕事に取り掛かりますね」

ちひろ「はいそれではデスクの方で説明を…」

プルルル…

ちひろ「あら、電話が…」

モバP「それじゃあ先に席に行ってますよ」

ちひろ「はい、お願いします」

ポンポン

モバP「はい?」

CoP「最初にこれだけは言っておく」

CoP「ちひろさんには気をつけろよ」

モバP「それはどういう…?」

CoP「話はそれだけだ。じゃあ頑張れよ」

モバP「え、あの…ああ、行っちゃった…」

ちひろ「お待たせしました、それで仕事の内容なんですが…」

~数日後~

モバP「ちひろさんこの書類なんですけど」

ちひろ「これなら、こことここにサインをお願いします」

モバP「なるほど、ありがとうございます」

ちひろ「あとここの数字間違ってますよ、訂正しておいてくださいね」

モバP「あ、本当だ。ちひろさんって本当によく気が付きますよね」

ちひろ「ふふ、褒めても何にも出ませんからね」

CuP「ああ、ちょっと今いいですか?」

モバP「はい」

CuP「今日はみんな仕事が早めに終わるから、プロデューサーたちでささやかながら歓迎会をしようと思うんだけど都合はどうかな?」

モバP「今日の帰りですか、大丈夫ですよ」チラ

CuP「…」

ちひろ「え、私は今日は用事が…プロデューサーさんの集まりなんですから男同士気兼ねなく行ってきてくださいよ」

CuP「それじゃあモバPさんには帰るときに声をかけるから、また後で」

PaP「それではー!!モバPくんの入社をー!!祝しましてー!!かんぱーい!!」

CuP「かんぱーい」
CoP「かんぱーい」
モバP「かんぱーい」

ワイワイガヤガヤ

CuP「どうモバPさんは、仕事には慣れた?」

モバP「いやーいろいろ覚えることが多くて大変ですよ。営業にレッスンにライブにオーディションに衣装…。アイドルを育てるのは大変なんですね」

CuP「まあそうだよね、特にうちは個性的なアイドルが多いから」

モバP「そうそうアイドルのプロフィールや特徴なんかも覚えないといけないし」

PaP「まあいろいろ振り回されることも多いけどな」

モバP「でも、ちひろさんがいろいろ親切に教えてくれるから助かってますよ」

CuP「…」
PaP「…」

CoP「ああ、コホン。いつかちゃんと説明しようとは思っていたんだがちょうどいい。モバPくんに話しておこう」

モバP「何をですか?」

CoP「緑色の悪魔の話だ…」

CuP「それじゃあまずは僕の話からしようか…」

CuP「あれは僕が担当している島村卯月が売れ出したころ」

CuP「同期の子たちが先に注目されていた彼女にもCDデビューが決まりようやく注目を集めてきた矢先の出来事だった…」

~回想~

ちひろ「あら、CuPさん。卯月ちゃんのブルマ姿、この前の運動会ですね」

CuP「ええ、卯月にもだいぶ待たせてしまいましたがようやく大きな仕事をもって来ることができましたよ」

ちひろ「おめでとうございます」

CuP「はい、これまでのプロデュースは無駄じゃなかったんだって思うと感無量ですよ」

ちひろ「ところでですね…、物は相談なんですけど」

CuP「なんですかちひろさん。僕はこの卯月の尻を眺めながら塩むすびたべるんですから」

ちひろ「卯月ちゃん、せっかくですから特訓させてみませんか?アイドルとして輝いた彼女はもっと魅力的になると思いますよ」

CuP「な、なにを言うんですか。僕はこの卯月のかわいらしいお尻が見れればそれで充分ですから」

ちひろ「でも…特訓しないとフロント入りはちょっときついんじゃないですか」

CuP「いいんですよ、僕は戦力としてよりも彼女の可愛らしさを求めているんですから」

ちひろ「それならばなおのこと…」チラ

CuP「あ、それは…特訓後の衣装」

ちひろ「どうですか、卯月ちゃんの可愛いおへそだって見られるんですよ」

CuP「ごくり…へそ…卯月の…へそ」

ちひろ「卯月ちゃんがこれを着たらとっても可愛いですよね、きっと満面のえへ顔ダブルピース決めてくれますよ」

CuP「し、しかし今月はもうカードの限度額が…」

ちひろ「それならば私がCuPさんに特別にいいことを教えちゃいます」

CuP「いいこと?」

ちひろ「ええ、CuPさん"リボ払い"ってご存知ですか」

CuP「リボ払い?」

ちひろ「ええ、今月ちょっと使いすぎちゃったなー、ってことが…」

CoP「やめろーやめるんだ。可愛らしいイノシシの赤ちゃんなんか大っ嫌いだー」

CuP「あの時はすぐに返せると思っていたんだ、こんな便利はシステムを教えてくれるちひろさんはまるで天使のような…」

PaP「はい、この話はもうやめやめ!!」

モバP「(なんか聞いちゃいけないような話題みたいだな…)」

CoP「ちなみに俺はプリペイドシステムのクレジットカードを使っている」

モバP「今はそんなサービスもあるんですね」

CoP「ネットの支払いもできるしポイントも溜まってお得だぞ」

モバP「はぁ…」

PaP「じゃあ次は俺の番だが…あれはある秋の夜のイベントだった…」

~回想~

PaP「今回のイベントはお月見かぁー」

日野茜「はいっ!!頑張ってお団子配りましょうね!!」

PaP「よし、一生懸命に走るぞ!!」

………

PaP「ぜぇ…はぁ…」

茜「プロデューサー、大丈夫ですか!?」

PaP「前半は良かったんだが、後半になると消費がきついな…ここで休んでスタミナの回復を待つか。ちょうど夕美も合流したし」

茜「はい、休息も大切ですよね」

ちひろ「PaPさん、調子はどうですか?」

PaP「あ、ちひろさん。いやもうスタミナないんで少し休もうかと」

ちひろ「いいんですか、それで?」

PaP「と、いうと?」

ちひろ「PaPさんが休んでいる間に他のプロデューサーさんはどんどん先へ進んでしまいますよ」

PaP「そ、それはそうですが…」

ちひろ「ここで差をつけられたら追いつくのが大変になりますよ」

PaP「しかしもう体力が…通常の仕事を進めていないのでドリンクが枯渇しているんですよ」

夕美「プロデューサーさんはあまりスタミナに自信がないんだっけ?」

PaP「こんなことなら衣装取られるの気にせず守に配分するんじゃなかった…」

ちひろ「そんなPaPさんにおすすめの超得ショップがこちらです。今ならスタドリ10本買えば2本おまけを付けちゃいますよ!!」

PaP「え、いやしかし…いうほどお得でもないような…」

ちひろ「ほらほら、夕美ちゃんの浴衣姿見たくありませんか?」

PaP「わ、分かりました。とりあえず3セットください」

ちひろ「毎度ありがとうございます♪」

茜「プロデューサー、たくさんのファンが押し寄せて来ました!!」

ファン「ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

ゴクゴクゴク

PaP「よし行くぞ茜!!夕美!!」

茜「はい、燃えてきましたああ!!」

夕美「あー、ちょっと待ってー」

PaP「あの時は勢いで買ってしまったけど、考えたらウサ耳つけてライブした方が効率良かったんだよな…俺も若かった…」

CoP「わかる。走ってるときはランナーズハイっていうか、夢中になって判断力が鈍るんだよな」

CuP「スタミナ無駄にしないために夜中に起きて寝不足だったりするしね」

モバP「(アイドルのプロデュースってマラソンもやるのかな?)」

CoP「それじゃあ次は俺の話だな」

CoP「これはうちの岡崎泰葉が新春の隠し芸番組に出演した時の話なんだが…」

~回想~

コン、コンコン…

泰葉「ああ、また…もう少しなんですが…」

CoP「(さっきから惜しいところでミスを繰り返している)]

CoP「(泰葉が自分から志願して、最初に予定したのよりも難しいコマ回しの技に挑戦しているのだが)」

泰葉「もう一度…こんどこそはちゃんとやって見せます」

CoP「(ものすごい真剣な表情で集中している、泰葉なら近いうちに技を完成させるだろう。しかし…もう時間がない)」

CoP「(リハーサルは明日、そしてレッスンスタジオ利用時間はもう終ろうとしている…)」

CoP「(残念だが、技のレベルを落として明日のリハに臨むか…それとも一発勝負にかけるか…)」

ちひろ「お疲れ様です、CoPさん。泰葉ちゃんの様子はどうですか?」

CoP「ああ、ちひろさん。あと一歩といったところなんですが…あの技を完成させるにはちょっと間に合わないようです」

ちひろ「と、いいますと?」

CoP「途中で難しい技に挑戦したので…もう少し時間があればいいんですが」

ちひろ「寮では練習できませんか?」

CoP「ステージをいっぱいに使う大技ですからね、イメージトレーニングは出来るかもしれませんが」

ちひろ「そうですか…」

ちひろ「ねえ、CoPさん。良かったら、このスタジオ延長できるように私が話をしてきましょうか?」

CoP「ええ、施設の利用時間はもういっぱいですよ。時間ギリギリまで借りているんですから」

ちひろ「そんなもの…私が交渉すればなんとでもなりますよ。ただし…」

CoP「なんですか」

ちひろ「ただし…CoPさんにもちょっと協力していただかないといけませんけれど」

CoP「(う、あの目つきは…どこかで見たような気が)」

ちひろ「残念でしたね…でもまだ時間は残されてますよ…」

CoP「(あれはそう、リーナがサマーライブに出演した時の記憶…)」

ちひろ「マニーを払ってチャレンジレッスンを続けますか?」

CuP「いっさい悪びれるそぶりを見せずマニーを要求するその姿勢、いっそ清々しくさえある」

PaP「あれなー、最初は少額でもだんだんと金額が上がっていくんだよな」

モバP「(会社の経費だよね?まさかポケットマネーで支払ったわけじゃあ)」

CuP「まあそういった訳で」

CoP「あの緑色の悪魔は手を変え品を変えこちらの弱みに付け込んで商売をしてくる」

PaP「しかも恐ろしいことに、彼女は強要してくるわけじゃないんだ」

CuP「そう、向こうから働きかけてくるのはあくまで提案」

CoP「最終的に決断するのは俺たちプロデューサー…なにがあってもあくまで自己責任だ」

PaP「悪魔だけに」

CoP「お、うまいこと言ったつもりかコノヤロー」

ワッハッハ

CuP「でもさぁ…クリスマスとかバレンタインとかにプレゼントくれるとちょっといい人かもって思っちゃうんだよな」

CoP「わかるぞ。いつものように出社しようとしたらいきなりサンタ姿で出迎えてくれた時は正直嬉しかった」

PaP「夏になるとプールで水遊びに付き合ってくれるしな」

モバP「けっこう可愛いとこあるじゃないですか」

CuP「うん、だから余計にたちが悪い」

CoP「こっちが気を許して財布の紐が緩んだところでいきなり仕込んでくるからな」

PaP「まったく、商売上手だよ」

ワイワイガヤガヤ

モバP「(うーん先輩たちの言う通りにちひろさんとの付き合い方を考えた方がいいのかな?)」

~数日後~

CoP「おうモバP、どうしただ?そのアンパン」

モバP「ああ、これですか。今日の昼飯なんですよ」

CoP「おいおい、それだけで足りるのかよ?」

モバP「実は今日家に財布を忘れてきてしまいまして…机の中の小銭でようやくこれを買って来たんですよ」

CoP「とか言って、本当はスタドリの飲みすぎじゃないのか」

モバP「違いますよ、そういうCoPさんはお昼どうするんですか」

CoP「俺か?これからテレビ局行くんで誰かから余った弁当を分けてもらうんだ」

モバP「そうですか…大変ですね」

ちひろ「……」

ちひろ「モバPさん」

モバP「はい、どうかしましたか?」

ちひろ「あの、今友達から連絡が来て…これから一緒にランチを食べに行くことになったんです」

モバP「ああ、留守番はしておくから平気ですよ」

ちひろ「それでですね、私お弁当を用意してきたんですけど…よろしかったら代わりに食べてもらえませんか?」

モバP「え、いいんですか」

ちひろ「はい。無駄になってしまいといけませんし。お口に合うかどうかわかりませんけど」

モバP「ちょうど良かった。ありがたくいただきますよ」


ちひろ「ふう、たまには外でランチもいいものね。気分転換になったし」

ちひろ「モバPさん、お弁当食べてくれたかな。今度から男の人が好きそうなおかず、調べてみようかな…」

ちひろ「あら?あれは社長…」

ちひろ「深刻そうな顔をして事務所に帰ってきたみたいだけど…?」

CuP「あ、社長。おかえりなさい」

社長「ああ、今事務所に居るのは君たちだけかな、ちょうど良かった先に話しておこう」

……

CuP「え…企画していた…」

CoP「コンサートツアーが…」

PaP「中止…?」

社長「メインスポンサーに内定していた企業が降りてしまったんだ」

社長「この不景気ではやむを得ないことではあるが…」

CuP「うちの事務所のアイドル全員で…」

CoP「日本全国を巡る大規模なツアーを予定していたのに…」

PaP「一体どうなるんですか!!」

社長「まあ、完全に中止にはしないで…数か所の主要都市だけでも。残りのスポンサー候補にできるだけ働きかけてはみるつもりだが…」

CuP「そんな…」

CoP「このツアーでCDデビューする予定の子もいるんですよ」

社長「残念だが…それらも含めて企画は全面的に見直さなければならないだろう」

PaP「なんてことだ…」

社長「一両日中には正式に通達がくるだろう。それが来てからアイドルの諸君には私から直接説明することにする」

CoP「もう決定なんですか?」

社長「大財閥の娘さんか福の神の化身でもウチにいれば話は違ったんだろうが…あいにくこのプロダクションにはそんなツテがないもんでね」

CuP「どうしよう…アイドル達がこのことを知ったら…」

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卯月「え…ツアーが中止になったんですか…?」

卯月「仕方…ありませんよね…そういう事情でしたら…」

卯月「あのプロデューサーさん…私頑張りますから、今よりももっと頑張りますから…」

卯月「頑張って、頑張ったら…きっとまた…みんなでステージに立てますよね」

卯月「そうですよね、プロデューサーさん…」

卯月「頑張ります、頑張ります、ガンバリマス…ガンバリマス…ガンバリマス…」

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CuP「もういい、もういいんだ卯月ー!!」

CoP「ツアーが中止になったなんて言ったら…」

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泰葉「え、コンサートツアー中止ですか…?」

泰葉「…」

泰葉「ええ、分かってます。芸能界はそういうところだって…」

泰葉「私たちは大人の言いなりになるお人形…作りものの笑顔を浮かべるドール…」

泰葉「飾り物のアイドルは用が済んだらしまわれてしまう…」

泰葉「すべては虚構…偽りの輝き…」

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CoP「ま、また笑顔が失われてしまう…」

PaP「うう、予算がないからツアーができないなんて知られたら」

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茜「え、お金がないからツアー出来なくなったんですか?」

茜「…」

茜「大丈夫です!!自転車で回りましょう。これなら交通費を浮かせることができます!!」

茜「泊まる場所も心配いりませんよ。みんなでキャンプしましょう!!」

茜「さあ行きますよプロデューサー!!全国のファンが私たちを待っています!!」

茜「遅れないようについてきてください!!ボンバー!!!!」

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PaP「スーツ着たまま自転車で日本縦断とか無理だー!!」

モバP「うう…入社して早々…大変なことになってしまった」

CuP「もういい、そんなに頑張らなくてもいいから」ブツブツ

CoP「また最初の頃の冷たい視線を向けられるのか…」ゾクゾク

PaP「今から鍛えるか…まずは動きやすいスーツを探すところから…」

モバP「あー先輩たちが混乱している。今日は仕事にならないかな…」

コンコンコン…

社長「入りたまえ」

ちひろ「失礼します」

社長「なんだ千川くんか、どうしたんだい?」

ちひろ「社長、今度のツアー中止になるかもしれないというのは本当ですか」

社長「なんだ聞いていたのか。まあ私から発表するまでは他の人には漏らさないでおいてくれ」

ちひろ「社長、これを見てください」

社長「なんだいこれは、通帳のようだが…千川くんの口座かい?中は…ひゃく、せん、まん…………」

社長「おいおい、物凄い額じゃないか」

ちひろ「私が副業で稼いだ利益を投資に回して増やしました。どこに出しても恥ずかしくない私のお金です」

社長「ふん…キミは採用の時おかしな条件を付けたね」

社長「『仕事はちゃんとやりますから、会社での副業を認めてください』と」

社長「まあ、この業界は変わり者が多いから優秀な人材なら多少のことは構わないと認めたが…これだけの才能があるならなにもウチみたいな小さな会社に居なくたって…」

ちひろ「社長」

社長「うん、ああすまない」

ちひろ「私がスポンサーになります。そのお金でツアーを実施してください」

社長「なんだって!?」

ちひろ「こ、これは差し上げるんじゃないんですからね」

ちひろ「投資、そう先行投資です。私は毎日アイドルの子たちを見てますから。あの子たちがどれだけ魅力に溢れて…どんなに努力しているかよく知っているんです」

ちひろ「こんどのコンサートツアーが成功すればアイドルたちがもっと売れるのは間違いありません。今より大きなお仕事がもっとたくさん来て…みんながキラキラと輝いて…」

ちひろ「お、お金に煩い私がこんな確実な儲け話に乗らない訳ないじゃないですか」

社長「ふん…」

社長「まったく、この業界は変わり者が多いな。だからやめられない」

社長「本当にいいんだね」

ちひろ「はい。あ、でも…」

社長「なにか条件でも?」

ちひろ「プロダクションのみんなには私が出資したことは…内緒にしてください」

社長「……ああ、分かった」

社長「ありがとう、千川くん」

~翌日~

CoP「おい聞いたか例の話」

CuP「ああ、スポンサーが見つかってツアーが予定通りにできるらしいね」

PaP「まったく捨てる神あれば拾う神ありだな、よーしツアーに向けて頑張るぞ!!」

モバP「良かった…」

社長「ではこれで契約成立だな」

ちひろ「はい、グッズの売り上げのこれだけと…入場料の利益の配分がこれで…」

社長「まったく、しっかりしてるな」

ちひろ「私もこの事務所でたくさん契約書見てきましたけど、自分の印を押す日が来るとは思いませんでしたよ」

社長「はっは、出資者様のご期待に沿えるよう最高のステージにするからね」

ちひろ「期待してますよ」

ちひろ「ふう…さすがに疲れたなぁ…お茶でも入れようかしら」



ワイワイガヤガヤ

ちひろ「ふふ、みんな元気になったみたい。給湯室にまで声が聞こえてきて…」



CuP「それにしても急に大金用意できるなんて、そんな人いるもんだね」

CoP「社長はあれで結構、顔が広いからな」

PaP「そんな神様か天使みたいな奇特な人が実在するなんて信じられないな」

CoP「まあ神様がいたって不思議じゃないな、なんせウチには悪魔がいるんだから」

CuP「ははは、そうだね。鬼や悪魔がいるんだから世間には神様くらいいるかもね」

PaP「あーあー俺もそんな天使の居る職場が良かったなー」

CoP「おいおいそんな大声出したら本人に聞こえるぞ」

PaP「平気だよ、さっき社長室に呼ばれていったから」

ハッハッハ

ちひろ「…聞こえてますよ…」

ちひろ「だって私は地獄耳ですからね…」

ちひろ「いいんです…私は金の亡者…お金大好きなんだから…」

ポタッ

モバP「ちひろさん」

ちひろ「うわっ!!」

モバP「ああ驚かせちゃいましたか?すみません」

ちひろ「いえ、大丈夫です。それで何か御用ですか?」

モバP「あのこれ、お弁当ありがとうございました」

ちひろ「ああ、洗ってきてくれたんですね。気を使わないで良かったのに」

モバP「本当においしかったです、助かりました」

ちひろ「ふふ、どういたしまして」

モバP「それでですね…」

ちひろ「はい?」

モバP「お礼に良かったら食事でもどうですか、この雑誌に載ってる店なんですけど」

ちひろ「どれどれ…ディナーコース5000円から…」

モバP「どうでしょうか、悪くない店だと思うんですけど…」

ちひろ「うーん、そうですね…」

ちひろ「モバPさん、こっちですよー!!」

モバP「お待たせしました。買ってきましたよ。はい、レシート。きっかり千円でした」

ちひろ「ありがとうございます」

モバP「それじゃあさっそく食べましょうか」

ちひろ「はい、じゃあささやかながら…カンパーイ」

モバP「かんぱーい」

カチン

ちひろ「うーん、この海苔巻き、とっても美味しいですよ」

モバP「どれどれ、それじゃあ一つ…」

モグモグモグ…

モバP「それにしても変わってますよね」

ちひろ「何がですか?」

モバP「高級レストラン行く代わりにスーパーで半額になった寿司と発泡酒にしてくれだなんて」

ちひろ「ふふ…こうやって公園のベンチで二人で夕暮れを見ながらのディナーもいいじゃないですか」

モバP「それで浮いた分を現金でくれなんて本当にしっかりしてますよ」

モバP「はい、差分の九千円ですよ」

ちひろ「毎度ありがとうございます」

モバP「いったいどうして…こんな提案をしたんですか?」

ちひろ「ふふ…実はですね…」

ちひろ「今の私は一文無しなんです」

モバP「はぁ?」

ちひろ「本当ですってば。モバPさんには嘘をつきませんから」

モバP「またまたご冗談を」

ちひろ「本当の本当ですよ、だって私は…」

「お金が大好きなんですから」


終わり

無料の10連でパーフェクトスター引いたので、ぷちでポジパが結成できるようになりました。

やち天

ご覧いただきありがとうございました。

それでは依頼出してきます。

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