真姫「……その練習いる？」

にこ「何がよ」

真姫「ピザの出前が来た時の対応の練習みたいになっちゃうけど」

にこ「一人暮らししたら親はいないんだから自分で対応することになるのよ？」

真姫「それはそうだけど……」

にこ「細かいことは気にしないにこ♪」

真姫「分かったわよ……」

にこ「じゃあ始めるわよ」

真姫の家（一人暮らし）

真姫「まったくピサ遅いわね……もう一時間もたってるじゃない」

「ピンポーン」

真姫「やっと来たわね」ｶﾞﾁｬ

にこ「お待たせしました！ピザーワです！」

真姫「遅すぎでしょ！一時間もたってるわよ！何してたのよ」

にこ「すいません迷っちゃって……」

真姫「迷うって道一本でしょ」

にこ「行くかどうかで迷ってたんです」

真姫「何してんのよ！？迷う余地なんかないでしょ！すぐ来なさいよ！」

にこ「迷った挙句すぐ行こうと思ったんだけど」

真姫「うん？」

にこ「中々タクシーがつかまらなくて……」

真姫「何でタクシーで来てんのよ！？普通バイクで来るでしょ！何か免許持ってないの？」

にこ「私って美容師の免許しか持ってないのよ」

真姫「じゃあもう美容院で働きなさいよ……」

にこ「お待たせしました！ピザーワです！」

真姫「……さっき聞いたわよ！何で二回言うのよ」

にこ「一応言っとこうと思って」

真姫「さっき聞いたし、もうあなたが何者か分かってるんだから良いわよ、私だって馬鹿じゃないんだから」

にこ「そうですか」

真姫「それでいくらなの？」

にこ「お会計18000円になります」

真姫「馬鹿じゃないの!?何でピザ一枚に18000円もすんのよ！」

にこ「タクシー代が入ってるので」

真姫「知らないわよそんなの！あなたが勝手に乗って来ただけでしょ」

にこ「じゃあ2000円で大丈夫です」

真姫「そのことなんだけどね？」

にこ「はい？」

真姫「一時間以上待ってるのよ？ちょっとまけなさいよ」

にこ「いやあ、そんなこと言われても私今日バイト初日なので許してほしいにこ♪」

真姫「そんなこと言っても結構な時間待ってるのよ？少しくらいまけないさよ」

にこ「いやあ、1000円にしかできないです」

真姫「出来んじゃないのよ！？半額で良いの？」

にこ「1000円以下は無理だけどね」

真姫「以下は求めてないわよ！じゃあ1000円で良いの？」

にこ「1000円だったら」

真姫「なんか逆に悪いわね……はい丁度1000円」

にこ「お預かりします、あとこのサービスチケットもし宜しければ次回お使いください」

真姫「サービスチケット？」

にこ「お客様全員に渡してるんだけど、5万円分のクーポン券です」

真姫「5万円分！？設けるきゼロじゃない」

真姫「ちょっとこれ！時間立ちすぎてピザ冷たくなってるんじゃない？」

にこ「いや……まだ温かいからそんなに遠くには行ってないと思うわね」

真姫「誰がよ！？殺人事件みたいになってるじゃない」

真姫「もう良いわよ……レンジでチンして食べるから」

にこ「食べ終わったら箱を外に出しておいてくださいね」

真姫「……え？これ使いまわしなの！？」

にこ「はい」

真姫「これ紙で出来てるのよね！？」

にこ「後でとりに来ますので」

真姫「汚いわよ……」ﾊﾟｶ

真姫「ちょっとこれ……」

にこ「はい？」

真姫「何かピザ箱開けたら箱の中に葉っぱしか入ってないんだけど……」

にこ「ご注文はハーブ＆ハーブですよね？」

真姫「ハーフ＆ハーフよ！？」

にこ「ハーフ!?」

真姫「ハーブ＆ハーブってただのハーブでしょ！誰がお昼にこんな薬草食べるのよ」

真姫「私はシーフードピザのハーフ＆ハーフ頼んだのよ」

にこ「あ！だったらこっちのやつかもしれないわね」

真姫「何でピザを本を挟むみたいな感じで脇に挟んでんのよ！」

にこ「その方が持ちやすくて良いじゃない」

真姫「挟んでる時はピザが縦になるんだから箱の中のピザがグチャグチャになっちゃうじゃない……」

真姫「あ、これはちゃんとピザが入ってるわね……いやちょっと待ちなさいよ」

にこ「はい？」

真姫「私はシーフードピザ頼んだのよ？」

にこ「はい」

真姫「これベーコンとかピーマンとか入ってるけど、ミックスピザじゃないのこれ？」

にこ「あ！シーフードピザは死んで間もない魚介類がたくさん入ってるピザね」

真姫「死んで間もないとか言わないでよキモチワルイ！新鮮って言いなさいよ」

真姫「これシーフードじゃないじゃない！あなたじゃ話にならないから上の人呼びなさいよ」

にこ「分かりました……すいませ～んちょっと降りてきてもらっていいですか？」

真姫「違う違う！何で上の階の人呼ぶのよ！」

にこ「だって上の人呼べって」

真姫「上の人降りてきても何も解決できないでしょ！店長とか呼びなさいよ」

にこ「じゃあちょっとお店の方に確認してみるわね」

にこ「あ……」

真姫「どうしたのよ？」

にこ「ちょっと携帯忘れちゃったので電話借りてもいいですか」

真姫「まったく何やってるのよ……はい」

にこ「ありがとうございます」

電話「プルル　プルル」

にこ「はい！ピザーワです！」

真姫「何で出ちゃうのよ！それ私の電話よ！ピザーワじゃないわようち」

真姫「はいもしもし、あ！井沢さん？ゴメンね今立て込んでるからまた今度にしてもらえる？じゃ～ね」

にこ「……イザーワさんですか？」

真姫「井沢よ！ピザーワみたいに言わないでよ」

真姫「ほら早くかけなさいよ」

にこ「ピッピッピ　　もしもしお疲れ様です、ピザーワの電話番号お願いします」

真姫「104でしょそれ！104！ここに電話番号書いてあるでしょ！」

にこ「あ、ホントね」

真姫「104にお疲れ様ですとかいらないのよ」

にこ「もしもしお疲れ様です、ヤザーワです」

真姫「あなたヤザーワっていうの！？タザーワとか、そういう人しか雇ってないのかしら」

にこ「今お客さんの所にピザ持ってたらピザが違うって言われまして」

真姫「全然違うわよ」

にこ「はい……はい……私ちゃんと「お待たせしました！ピザーワです！」2回言いましたよ！」

真姫「めんどくさいわね、そのシステム」

にこ「じゃあ今から作り直して持ってくるってかたちに」

真姫「今から作り直すってまた一時間とかかかるんじゃないの？」

にこ「はい」

真姫「何でかかんのよ！そうだこれトマトはいってるの？」

にこ「はいピザにプチトマトが入ってます」

真姫「じゃあもういいわよこれで」

にこ「そうですか」

真姫「あと一緒に頼んだウーロン茶置いて帰りなさいよ」

にこ「あと烏龍茶も一緒に頼んだそうなんですけども」

真姫「烏龍茶も忘れたの！？頼んだの何も持ってきてないじゃない……」

にこ「あ、そうですか」

にこ「あの烏龍茶なんですけど」

真姫「うん」

にこ「ピザにはいってるそうです」

真姫「なんで入ってるの！？」

にこ「ミックスしちゃった！」

真姫「ミックスしちゃった！じゃないわよミックスピザは頼んでないのよ！」

真姫「絶対美味しくないでしょこれ」

真姫「あなたふざけてるわね、さっきから」

にこ「う～ん……いやふざけてないです」

真姫「何でちょっと考えたのよ！スッと言いなさいよスッと」

真姫「もういいから店長とか呼びなさいよ！」

にこ「分かりました、店長お願いします……あ、そうですか」

にこ「あの店長なんですけど」

真姫「うん？」

にこ「ピザにはいってるそうです」

真姫「店長トッピングにされちゃった！？」