佐天「私は……喰種だ」 (10)

佐天「ふぐぅっ……ぁ……ぁが……ごふっ」

佐天「あづい、熱いあぢゅいあづぅい熱ぃいいいーーー誰がだずげ」

喰種「……ふふ、助けなんてこないわよ」ゴゴゴ

ドゴッッッ!!

佐天「がフッ……がぁ……ぁ……も……」

佐天(逃げなきゃ……逃げなきゃ……嫌だ……死ぬ……逃げたい……死にたくない……やだ……御坂さん……白井さん……初春……皆……助けて)

喰種「あら、もう逃げるのはおしまい? じゃあそろそろーーーいただきま」

佐天(やだ!やだやだ!やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだーーーーー!!!)

ヒュン……ドスンッッ!!

喰種「っな!? がフッ……ゲホッ……そんな……嘘……なんで……」どさっ

佐天「……ぁ……ヒュー……が……ヒュー」

佐天(なにが……起きて……いやもういいや……だってもう私はーーー)

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初春「ーーーえっ!? 佐天さんが!? そんな……」

黒子「佐天さんがどうかしたの、初春」

初春「……そんな」

黒子「初春?」

初春「佐天さんが……佐天さんが……」

黒子「初春!」

初春「っ!」びくっ

黒子「しっかりなさい!」

初春「あ、白井さん……あの、その、佐天さんが……鉄骨の下敷きになって……」

黒子「!」

初春「まだ意識も戻らずに危険な状態が続いてるって……ぐすっ……佐天さんが……」

黒子「初春、あなた今日はもう仕事はいいから佐天さんのところへ向かいなさいな」

初春「で、でも」

黒子「いいから!」

初春「白井さ……ありがとうございます!」タッ

黒子「……」

黒子(私もはやくこの仕事を片付けて佐天さんのもとへ……、その前に一応お姉様にも連絡いれておきましょう)

初春「ーーー佐天さん!」

嘉納「君、ここは病院だ。あまり騒ぐものではないよ」

初春「っ! す、すいません! それであの佐天さんはどこですか!?」

嘉納(佐天……? 成程、この子はあの患者の知り合いか)

嘉納「落ち着きなさい。まだ危険な状態ということには変わりはない。だから今は会わせることはできない」

初春「っ! そ、そうですよね」

嘉納「ただ、安心していい。必ず私は彼女の命を救う。死なせたりはしないよ」

初春「あの、佐天さんのことをお願いします」

嘉納「ああ、任せなさい」ニコッ




病院の待合室

初春「…………」

初春「………………………………佐天さん」じわっ

初春「っ……」ごしごし

美琴「初春さん」

初春「!? み、御坂さん」

美琴「佐天さんは?」

初春「……お医者さんはまだ危険な状態が続いてるって言ってました」

美琴「そっか……初春さんは大丈夫?」

初春「なにがですか?」

美琴「顔色悪いけど少し寝た方が」

初春「……怖いんです。寝て起きてその時に佐天さんが……もう」

美琴「佐天さんならきっと大丈夫よ」

初春「っ! そんなの……」

初春(分からないじゃないですか)



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