金剛「ココに居たんデスネ…」提督「…金剛か」 (168)

初SSです。

頑張ります。

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─堤防


提督「……」ボー


金剛「ヘーイ!テートクゥー!」


提督「うわっ!?なんだ…金剛か」


金剛「ナニしてるんデスカー?」


提督「え、ああ…釣りだよ」


金剛「フィッシング!楽しいデスか?」


提督「まぁね、釣れないけど」


金剛「ワタシも御一緒してイイデスか?」


提督「え…やだ…金剛うるさいし」


金剛「なっ!酷過ぎマース!ワタシに対シテ!」


提督「事実じゃん…」


金剛「良い雰囲気になった所でテートクに告白しようと思ったノニー」


提督「またそれか…何十回目だよ…」


金剛「こんなにテートクの事を愛シテ止まないというノニ…」


提督「はいはい」デコピーン


金剛「ぎゃんっ」






─執務室


提督「もう、春だなー…」


金剛「デスネー」


提督「春は、出会いの季節とも言うし別れの季節とも言う」


金剛「新しく入ってくる艦娘達が楽しみデスネ」


提督「…そうだな」


金剛「それに春と言えば…新しい事にチャレンジしてみたくもなりマース」


提督「あー確かに、新しい事に挑戦する季節でもあるもんな」


提督「金剛は何したい?」



金剛「ソウデスネ~…」


金剛「ン~…」


提督「まぁいざ考えるとパッとは出てこないもんだよな」


金剛「お嫁サン?」


提督「…え?なんだって?」


金剛「だから~!テートクとケッコンする事デース!」


提督「あ、そうなの」


金剛「エー!段々反応が薄くなってきましたネー!」


提督「懲りないね金剛も」


金剛「エヘヘ~」


提督「褒めてないし」


金剛「…テートクは何かしたい事あるんデス?」


提督「そうだなぁ…」


提督「…新しい海域の解放…とか?」


金剛「真面目デスカ!」



提督「そんな…」


提督「まぁ半分くらいは嘘だけど、旅行とかしたいね」


金剛「旅行デスか!イイデスネー!北の方に行ってみたいデース!」


提督「え、何で金剛と行く事になってんの」


金剛「酷い!連れてって下さいヨー!」


提督「考えておこう」


金剛「モー!」プンスカ


提督「それにしたって…ポカポカしてて…散歩でもしたくなるな」


金剛「ワタシはいつも提督の事を考えてるからポカポカしてマース」テレテレ


提督「さて、仕事仕事…」


金剛「エー!そこは反応シテ下サイヨー!」


提督「金剛、うるさい」デコピーン!!


金剛「ぎゃんっ」






─執務室


提督「…っつい…くそ暑い…」


金剛「デース…」


提督「れ、冷房…冷房…あ…壊れてるんだった…」


金剛「コノ時期に壊れるとは…信じられないデース…」


提督「ぐぅ暑い…暑すぎる…」


金剛「テートク直せないんデースか…」


提督「無理だ…それに明石や夕張は今日は帰らん…」


金剛「オーゥ…」


コンコン


提督「どうぞぉ~…」


吹雪「失礼しまーす…ってうわっ!この部屋暑い!どうしたんですか!?」


提督「へへへ…気が付いてしまったか…精神を鍛えてるんだよ…」


吹雪「えぇ…」



金剛「何言ってるんデスか…クーラーが…壊れてしまっているのデース…」


吹雪「ああ…それで…」


提督「それで…吹雪…どうしたんだ…」


吹雪「ああえっと…スイカの差し入れなんですけど…」


提督「最高かよ…」


金剛「今ワタシには…ブッキーが天使に見えマース」


吹雪「お二人とも……そ、そうだ!仕事が済んだら皆で海に行きましょう!」


提督「その手があったか…」


金剛「大賛成デース…」


吹雪「私、皆を誘ってきますね!そのスイカ食べてお仕事頑張ってください!それでは!」


提督「へへ…海か…楽しみだなぁ…」


金剛「何考えてるんデスか…」


提督「何ってお前…海だよ…」


金剛「ワタシにはわかりマース…水着が目当てデショウ」


提督「…違うし、そんなんじゃないし…」


金剛「ワタシの…」


提督「……」デコピーン!


金剛「ぎゃんっ」






─提督自室


提督「……」ペラ


バンッ


金剛「ヘイ!テートクゥ!」


提督「……」ペラ


金剛「無視しないで下サーイ!」


提督「…今読書中だから、静かに」


金剛「読書とワタシどっちが大事なんデスカー!」


提督「読書」


金剛「即答!薄々わかっては居ましたケド!」


提督「で、何の用だ?」


金剛「イエス!えっとデスネ、皆さんでBBQするのでテートクも一緒にと思いまシテ」


提督「おー、バーベキューか!良いな!行くぞ行くぞ」


金剛「イエス!決まりデース!」






─広場



天龍「オラオラオラァ~!」シュバババ


吹雪「お~!天龍さん凄~い!私はそんなに早く刺せないや~…」サクサク


天龍「へへっ慣れだよこんなもん!」シュババ


提督「肉ばっか刺してんじゃねーよ」ゴツン


天龍「ってぇ!何すんだ提督!」


提督「何で野菜刺して無いの、偏っちゃうだろ」


天龍「俺は肉が好きなんだ!野菜なんて食わねーぞ!」


提督「ほぉ~…だからそんなにデカイのかぁ~?」ジロジロ ワキワキ


天龍「なっ!?ど、どこ見てんだ変態!その手つきやめやがれ!」バッ


提督「だったらちゃんと野菜も刺せよ?」


天龍「ぐぅ…わ、わかったよ…!」


提督「よし…」サクサク


金剛「~♪」



提督「…ん?機嫌良さそうだな金剛?」


提督(というか、いつの間に隣に居たんだ)


金剛「え、そう見えマス?」


提督「まぁ見えたけど…」


金剛「フフ、何でデショウネ♪」


提督「変な奴」


金剛「なっ!だからそういう事は言うんじゃないデース!」ムキー




ジュー ジュー




天龍「おー、いい匂いじゃねぇか!」


吹雪「美味しそう~!」


金剛「はい、テートク~!アーン!」


提督「え、やだ」


金剛「エー!?女の子からアーンして貰えるんデスヨ!」


提督「別に金剛じゃなくても」


金剛「ワタシくらいしかやってあげないデスヨ!」


提督「初耳だ」


金剛「むぅ…」シュン


提督「あ…」


提督「し、仕方ないな…ほら金剛」


金剛「…ハイ?」


提督「…」アーン


金剛「…!!はい、アーン…」


提督「モグ……お、これは美味いな!」モグモグ


金剛「エヘヘ…はい、アーン…」


提督「2度目は無い」デコピーーン


金剛「ぎゃんっ」







─執務室



提督「あーさむさむ…はー」


金剛「…も、もーすぐ…クリスマスデース」


提督「あー…そうだな。まぁ…いつもと変わらないけどな」


提督「仕事して、寝て終わりだ」


金剛「あ…あのデスネ…」


提督「どうした?」


金剛「こ…今年ハ…その…テ、テートクと一緒に…」


提督「うん」



金剛「す…過ご…」


提督「うん」




金剛「スゴロクしたいデス!」




提督「え、スゴロク…?まぁ…別にいいけど」


金剛「え、その…あぅ…アリガトウ、ゴザイマス……」


金剛(間違えたァァァァ!)


提督「何で落ち込んでるんだ?」


金剛「イエ、別に…」


提督「そうか。駆逐艦の子達と遊ぶ用にあったと思うんだよなー、探しておくよ」


金剛「…オネガイシマスゥゥ…」


提督(…何だ何だ)


金剛(まぁデモ…一緒に過ごせる事には変わりありマセン…結果オーライデース)






─提督自室


コロコロ


提督「あ、一マス足りねー!」


金剛「ワタシの番デース!」


コロコロ


提督「あ!」


金剛「イエース!ワタシの勝ちデース!」


提督「あちゃぁ~、負けちまったか~。あと一マスだったのに…」


金剛「エヘヘー、思ったより楽しかったデスネ」


提督「そうだな、久々にやってみると面白いもんだ」


提督「…ってもう結構良い時間だな、金剛そろそろ戻れよ」


金剛「エー!テートクはワタシと一緒に居たくないんデスカー!?」


提督「仕事終わってからずっと同じ部屋に居るじゃん、飯も食ったし遊んだし、十分だろ」


金剛「そ、そんな…ずっとだナンテ…」テレテレ


提督「照れる所ないけど」



金剛「残念デスガ!今日の所は退いてあげマース!」


提督「宜しい」


金剛「それじゃテートク!オヤスミデース!」


提督「あ、待て金剛」


金剛「?」


提督「えーとだな…」


提督「…今日はありがとう」


金剛「えっ」


提督「お礼と言っちゃ何だが…」ゴソゴソ


提督「これ」スッ


金剛「…コレハ……」


提督「俗に言うクリスマスプレゼントってやつだな、気に入ってくれると良いんだが」


金剛「テートク…」


金剛「アリガトウ、ゴザイマスゥ」ニヘー


提督「…!ま、まぁ好みとか知らないから適当になっちまったけど…」


金剛「ワタシは、テートクから貰えれば何でも嬉しいデース!」


提督「そうか…そりゃ助かる」



提督「…ところで、俺にはないの?プレゼント」


金剛「えっ!?」


提督「無いのか…」


金剛「や!あ、あるにはあるんデスガ…!」


提督「ほんとに?」


金剛「で、でもその…チョット失敗したとイウカ…その…」


提督「どれ?見せて見せて」


金剛「あ…ハイ……コレ…」スッ


提督「おっ、マフラーじゃん。……長ッ!」


金剛「む、夢中になり過ぎてデスネ…!その…使いにくいデスヨネ…」


提督「まぁ一人で使うには余り過ぎるなこれは…」


金剛「デスヨネ…やっぱり…」シュン


提督「でも」スッ


金剛「え…」



提督「こういう風に2人で使うってんなら、丁度良いかもな」


金剛「テ、テートク…」ドキドキ


提督「ありがとうな、金剛」


提督「大事に使わせてもらうよ、これ」


金剛「…ハイ」


金剛「…ネー……テートク?」


提督「ん?」


金剛「大好きデス」ニコ


提督「…全く……飽きないなお前も」


提督「早く寝ろよ」デコピン


金剛「…ハイ」オデコサスサス


バタン


提督「……まぁ…人の事言えねー…か、俺も」


提督「…!……くっ!」ギュッ







─神社への道中



提督「ひ、ひぃぃぃさぶい…」


金剛「まだ冬デスからネー」


提督「は、初詣行くのやめようぜ…さみぃ…」


金剛「ダメデース!ちゃんと行ってこの一年の幸せを祈願するデース!」


提督「俺そういうの信じてない性質なんだよなぁ…」


提督「て…ていうか金剛寒くないの、着物じゃん」


金剛「寒いデスヨ!ワタシも耐えてるんデス!だからテートクも耐えるんデース!」


提督「横暴だぁぁ~…」


金剛「それより!ワタシに対して何か言う事無いんデスカ!?」


提督「は…?」


金剛「いつもと違う服を着ているんデスヨ!」


提督「あ、あ~……良い着物だな!」


金剛「ソコじゃなくて!」


提督「え…違うの…」



金剛「ワザトやってるんデスカ?テートクは」


提督「そりゃそうだ」


金剛「性質が悪いデース!」


提督「ははは…まぁ冗談はさて置き、似合ってるよ金剛」


金剛「…!エヘヘ…急に言われると恥ずかしいデース…」ニヘー


金剛「これ、鳳翔に着付けて貰ったんデスヨ」クルクル


提督「ほー、そうなんだ」


提督「まぁ冗談──」


金剛「え…」ガーン


提督「…冗談だ」


金剛「性質悪いデース!」





─境内


ガランガラン パンパン


提督「……よし」


金剛「……イエース」


提督「さてと…どうする?このまま帰るか?それともどっか寄るか?」


金剛「おみくじ引きマショー!」


提督「おお良いな、引こう引こう」





─おみくじ処



提督「さてさて……何が出るかなぁ…」


金剛「イエース!見て下サイ!大吉デース!」


提督「おおまじか!俺は…」


金剛「どうデース?」


提督「…凶だ、ついてねぇなぁ」


金剛「普段ワタシに冷たいからデース!罰が当たりましたネ!」


提督「そんな事ないのに!」


提督「まぁ……とりあえず結んでおくか」


金剛「イエース!」





金剛「…ここを…こうして…出来マシタ!」


提督「お、ちゃんと結び方知ってるんだな」


金剛「鳳翔に教えて貰いマシタ!」


提督「なるほどなー、流石鳳翔さん…あっ」ビリッ


金剛「あ…」


提督「あちゃぁ…破れちまったか、こりゃ縁起が悪そうだ」



金剛「大丈夫デース!」ギュ


提督「なっ!何故急に手を握る…」


金剛「ワタシの運勢をテートクに分けてあげマース!」ギュゥ


提督「金剛…」


金剛「…テートク…」


提督「そろそろマジで痛いから離してくれ…!」


金剛「エッ!ゴ、ゴメンナサイ!」


提督「く、砕けるかと思った…!ありがとうな金剛…気持ちだけ貰っておくよ」


金剛「でもでも…これではテートクに運勢を分けてあげられて無いデース!」


提督「いや十分だって、もう十分!」


金剛「あ…」


提督「な、何だ…?」


金剛「テートクゥ…」チュー


提督「え…何してんの金剛」


金剛「コッチの方が分けてあげられると思いマシテ…さぁ」チュー


提督「そう」デコピーーン


金剛「ぎゃんっ」

ひとまずここまでです。
またある程度書き溜めてから来ます、多分夜。

大吉は持って帰ります。

少し溜まったので投下します。






─神社の帰路


提督「そういやさ」


金剛「ハイ?」


提督「何で大吉を結んだんだ?普通は持って帰る物だと思うんだけど…」


金剛「ア~……大吉って…全部が全部良い事が書いてある訳じゃないみたいデスネ」


提督「ん…まぁそうであってほしくない事も書かれてるかもなぁ……何か書いてあったのか?」


金剛「これはヤダ…ってものが一つだけありマシテ…だから結びマシタ」


提督「ふーん…そういうもんか」


金剛「そういうものデス」


金剛(……そうであってほしくはナイ事…)


金剛(例え他全てが良い事だとしても…ワタシは…)


金剛(【待人:来ず】……イヤデス…)





─執務室


バーン!!


金剛「ヘーイ!テートクゥ!」


金剛「…あれ……?テートク?」


金剛「居ない…デースか」


吹雪「…あれ?金剛さんどうかしましたか?」


金剛「ブッキー…テートクは何処に行ったか知りマセンかー?」


吹雪「あー司令官ですか、確か結構前に病院に行ったと…」


金剛「What!?何か病気なんデスか!?」


吹雪「や…!ただの風邪って聞きましたけど…!」


金剛「オー…風邪デスか…」


吹雪「最近は新しい海域解放の為に頑張ってましたし、大丈夫かなぁ…」


金剛「心配デース…」




提督「…ん、何してんだお前達?」


金剛「テ、テートク!?大丈夫なんデスか!」


提督「おいおい大袈裟だな…大丈夫だよ」


吹雪「それなら良かったです~。では私はこれで」ペコ


提督「ああ、心配掛けたな。すまんすまん」


提督「で、何か用があったんじゃないのか?金剛」


金剛「イエース!今日は何の日か知ってマスかー!」


提督「チョコが貰える日だな」


金剛「イエス!ハイ!どうゾ!」


提督「お~…なんとも…凄く…お、大きいね…」


金剛「エヘヘ~…ワタシの愛情を表現してみマシタ」テレテレ


提督「あ~…こりゃ重くて持てないなぁ」


金剛「ソンナ!チョコなんデスからそんなに重くないデース!」


提督「そうか、金剛の愛情は軽いなぁ~」


金剛「モー!」ボカボカ


提督「いだっ!いだだっ!嘘です!有難く頂戴します!」


金剛「イエス!それでイイんデース!」


金剛「ンー!ホワイトデーが楽しみデスネー!」


提督「まぁ…返せたら良いんだがな」


金剛「エー!ちゃんと下サイヨー!」


提督「ああ…そうだな」


提督「というかチョコめっちゃ貰ったんだよ~、これ皆に返すのキツイ」


金剛「ワタシにはテートクの愛があればイイデスヨ」


提督「ほう、例えば?」


金剛「テートク自身とか」


提督「ふんっ」デコピン!


金剛「ぎゃんっ」





─病院


医者「正直申し上げますと…よくここまで生きてこられましたね…」


提督「ははは…」


医者「…そして…非常に誠に申し上げにくいんですが…今の医学では…」


提督「まぁ…何となくそうなんじゃないかなって思ってました」


提督「自分の事は自分が良くわかって…わかってるつもりですから」


提督「だから…」


医者「申し訳ない…ただ一つ…余計なお世話ですが…」


提督「…何ですか?」


医者「もう貴方はいつ倒れてもおかしくありません」


医者「悔いは残さないで下さい、今出来る事で…やり残した事があるなら────


提督「ああ、大丈夫ですよ」








「…そんなの、無いですから」









─執務室


提督「いやぁ~…疲れたなぁ…まじで」


金剛「オツカレサマデース」


提督「はぁ~…ホワイトデーってこんなに疲れるイベントじゃないでしょ~…」


金剛「律儀に返すテートクも流石デスネ」


提督「……まぁな」


金剛「テートク、その…えっと……」モジモジ


提督「ん……何モジモジしてんの」


金剛「ワ、ワタシまだ貰ってないデース……ナンチャッテ…」


提督「ああ、忘れてた」


金剛「な…!忘れてたって…!酷過ぎマース!」



提督「嘘だよ、金剛のはちゃんとココにあるよ」


金剛「!」


金剛「テートクは焦らすのがホントに好きデスネ~…」


提督「好きな子はいじめたくなるだろ?」


金剛「えっ!?」


提督「冗談だ」


金剛「ソレハ冗談じゃなくて良いデスヨ!!」


提督「ほら、お返しだ」スッ


 カランカラン コロコロ…


金剛「ン…?何か机から落ちましたヨ?」


提督「あ…やべ」ボソッ


金剛「何デスか?これ?指輪みたいデスけど…」ヒョイッ


提督「さ、さぁ~?何だろうなぁ…俺も良く知らないなぁ…」アセアセ



金剛「キレイデース…これもお返しデスか?」


提督「い、いや…!それは違う…!」


金剛「でも、よくワカラナイ物なんデスヨネ?」


提督「んェッホン!…ん~!とりあえずソレは返して…?」


金剛「むぅ…」


提督「こ、このクッキーで我慢してくれ!」


金剛「む~…仕方ないデスネ」


提督「うんうん!物分かりが良い子は好きだぞ~!」ナデナデ


金剛「…!えへへ…」ニヘー


提督(……こんな事でも、喜んでくれるんだよなぁ…)


提督「…なぁ……金剛はさ」ナデナデ


金剛「~♪…ハイ?」


提督「…ああいや…何でもない…」


金剛「エー!気になりマース!」


提督「何でもないの」デコピーン


金剛「ぎゃんっ」





─執務室


提督「……春…か」


金剛「出会いと別れの季節デスネー!」


金剛「と言ってもテートクの指揮で轟沈もナシ!出会いしかありませんネ!」


提督「だな~」


提督(出会いと…別れ…か)


金剛「ン?……テートク?元気ナイデスカー?」


提督「考え事」


金剛「何か悩み事があるならワタシがイツデモ!」


提督「新しい海域について」


金剛「……ワタシには無理そうデスネ」


提督「だろう」



金剛「それはさて置き、今年こそ」


提督「今年こそ?」


金剛「テートクとケッコンシマース!覚悟して下サイネー!」


提督「はっはっは   無理だな」


金剛「急にマジトーンにならナイデ!見てて下サイ!鈍感テートクでもワタシの魅力に気付かせてあげマース!そして後悔させマース!」


提督「後悔ねぇ……そりゃぁ楽しみだ」


金剛「イエス!」


提督「金剛……仮にさ」


金剛「ハイ?」


提督「仮の話な、もし俺がここから居なくなったら…どうする?」


金剛「どうして…そんな事を聞くんデスか?」


提督「興味本位だ」


金剛「ン~…そうデスネ…」



金剛「もしソレがどうしようも無い事なら…ワタシは……テートクの意思を尊重シマス」


提督「そうか…」


提督「それは俺が居なくなっても平気って事かなぁ~?」


金剛「な!もしもの話デスヨネ!?テートクと離れるのは絶対にイヤデース!」


金剛「皆さんもきっと同じ気持ちネ!」


提督「へいへい、俺は艦娘に愛されて幸せ者だなぁ~」


金剛「モー…すぐ茶化す…」


金剛「でもデスネ……ワタシはテートクの事本当に…」


金剛「いえ…誰よりもテートクの事が」


   ああ…


金剛「大好きデスヨ」ニコ


   やめてくれ…


提督「……何度でも同じ事を言うな、金剛は」


金剛「何度だって言いマス!」



   そうやって何度も…



提督「…冷たくあしらってるのにねぇ~」


金剛「テートクからは温かさを感じマース!」



   お前に想い伝えられると…



金剛「愛情を感じマース!」



   俺は…



提督「そんなの…無いよ」


金剛「…アリマスヨ?」



   前に進めなくなる…



提督「……からかうな」デコピン


金剛「ぎゃんっ」


金剛(アレ…いつもより弱い…?)






─執務室


提督「うおぉ…結構掛かっちまったなぁ…」


提督「金剛先に帰らせないでもう少し手伝って貰えばよかった…」


提督「もう遅いし…俺も部屋戻って寝よ…」


ドクン


提督「…!」


ズキズキ


提督「ぐ…!ぐあっ…!」バタンッ


ズキズキ


提督「く、くっそ…!!がぁ…!」


スー


提督「ハァ…!ハァ…!…クソ…」


提督「今のは……結構…ヤバかったな…ハァ…ハァ…」


提督「ハァ~…こりゃ……本格的に…行動に移さないとな……」


提督「金剛……」


提督「………ごめんな」





─海岸・夜


球磨「大車輪だクマ~!」ブンブン


天龍「オオオイ!花火振り回しながら走ってくんな!!」


提督「食らえ!マキビシ!」シュッ



シュルルルル パン!パパパパン!



天龍「ギャー!ただのネズミ花火だろが!!あぢっ!」


球磨「こっちにも被害が出たクマー!」


提督「まだまだ甘いな、天龍・球磨よ」


天龍「テ、テメェ…!」


球磨「もう怒ったクマ!」


天龍「こっちも仕返しだ!食らえ!」シュゥゥゥ


球磨「爆ぜるクマ!」シュゥゥゥ


提督「うわっ!ロケット花火かよ!あぶねっ!」


天龍「避けんじゃねぇ!」


提督「いや!それは無理!無理!」


球磨「逃げるかクマァ~!」


天龍「待てコラァァァ!」







吹雪「…あっちは元気ですね~」


金剛「元気なテートクを見てると癒されマース…」ニヘヘ


吹雪「あはは…金剛さんて本当に司令官の事が好きなんですね」


金剛「イエース!気持ちなら誰にも負けないネー!」


吹雪「…でも、何で司令官は受け入れてくれないんですかね?」


吹雪「満更でもなさそうなのに…」


金剛「………ねぇブッキー…ワタシって…魅力がないデースか?」


吹雪「えぇ!?そんな事ないですよ!」


金剛「ホントに…?」


吹雪「本当です!私が男だったら絶対金剛さんお嫁さんにしますもん!」


金剛「そ、ソッカ…」


吹雪「自信持ってください!絶対司令官も振り向いてくれますから!」


金剛「……デスヨネ…!そうデスヨネ!」


吹雪「そうです!」


金剛「何だか今年こそイケル気がしてキマシタ!」


金剛「アリガトウネ!ブッキー!」


吹雪「いえいえ!」






提督「はっ…はっ…」タッタッタ


吹雪「あ、おかえりなさい司令官」


金剛「オツカレサマデスヨー!」


提督「あいつら…本気で追い回しやがってぇ…」


吹雪「あはは、司令官だって同じ事してたじゃないですか」


提督「ぐぅ…その通りです…」


金剛「ヘイ!テートク!こっちで一緒に花火やりまショー!」


提督「あぁ…良いぞ」


吹雪「じゃあ私は球磨さん達と遊んで来ますね!後はお二人でごゆっくり!」


提督「お…?おう…」


金剛「アリガトウネー!ブッキー!」


提督「ん…?何故お礼?」


金剛「ブッキーは相談に乗ってくれたんデース」



提督「お前が悩み事か?珍しい」


金剛「ワタシだって悩み事くらいありマスヨー!」


提督「ふ~ん…そっか」


提督「お、線香花火余ってんじゃん。これやろう」


金剛「風情がありマスネ!」


提督「意味わかってる?」


金剛「……」


提督「まぁ合ってるからいいか」


金剛「モー!なら突っ込まないで下サーイ!」


提督「悪い悪い…どれ…」


カチャッ 


提督「おーついたついた」




金剛「火の玉が大きくなってきましたネ」


提督「この状態は蕾って言うんだよ」


金剛「ホーゥ…」


提督「んで…」


パチッ パチッ


提督「火花が少しずつ出て来たな、これを牡丹と言う」


金剛「オー…」


パチパチパチパチッ


金剛「強くなりましたネ!」


提督「この激しいのは松葉」



パチッ…パチッ…


金剛「あ、弱くなってしまいマシタ…」


提督「これが散り菊」


提督「以上。線香花火の解説でした」


金剛「凄いデース!」


提督「無駄に覚えた知識がここで役に立つとは…」


提督「知ってるか?金剛」


金剛「ハイ?」


提督「線香花火って、火をつけた時に命が宿るんだ。そして消えたら…死ぬ」


提督「………線香花火の一生って…短いよな」


金剛「ソウデスネ……ちょっと悲しいデス…」


提督「コイツはさ、表情をコロコロ変えて、そして儚く消えて…それこそ人の人生のような…そんな気がするんだよね」


金剛「…デスカ……」


提督「まぁ……俺も線香花火みたいなもんか…」


金剛「…?どういう意味デスか?」


提督「さぁ…どういう意味だろうね」


提督「…あ」







提督「落ちた…」





一旦ここまでです。
寝るまでに続き書けたら投下します。
書けなかったら後日投下します。

Wifi繋いだり外したりでIDコロコロ変わるから酉つけますね。

気を取り直して投下。





─グラウンド


天龍「うぃ~~っし、笹竹はこんなもんでいいか?」


提督「お~良いじゃん」


球磨「見てないで手伝うクマ…」


提督「ほら、俺非力でさ」


天龍「男のクセによォ~…ったく…」


球磨「去年もおんなじ事言ってたクマ…」


提督「面目ない!」


提督「だが飾りつけは任せてくれ!」


球磨「それまでやらせてたらブチ切れるクマ」


提督「ひぃ、怖い怖い」






提督「んじゃ、天龍達が休憩してる間にパパッと終わらすぞ~」


金剛「イエース!」


吹雪「はい!」


提督「駆逐艦の子らに作って貰ったコレを飾ります!」ジャーン


提督「とりあえず確認な」


吹雪「は~い」


金剛「ワタシはまだ、良く覚えられてないデース…」


提督「まぁそうだろう、どれ…」


提督「紙衣に投網~…」


提督「巾着と屑籠~…」


提督「吹き流しとちょうちん…」


提督「千羽鶴と織姫と彦星…」


提督(……これは…今更だな)


金剛「…?ドウかしましたか?」


提督「いんや、何でもない」


提督「確認完了!それじゃ飾ろうか!」


金剛「イェース!」






提督「よーし、良い出来じゃないか」


吹雪「やったー!」


金剛「後は短冊に願い事書いて飾るデース!」


提督「だな。吹雪、皆を呼んできてくれるか?」


吹雪「わかりました~!」


天龍「…お、出来てんじゃん!やるじゃねーか!」


球磨「ご苦労だクマ!さてさて、今年は何をお願いしようかクマ~」


提督「色々大きくなるようお願いしておけ、色々とな」


球磨「これは喧嘩売ってると捉えて宜しいかクマ?」


提督「まっさかぁ…」


天龍「ある意味セクハラだよな」


提督「天龍は色々とデカイもんな」ジロ


天龍「だからその目つきやめろ!殴るぞ!」バキッ


提督「っでぇ!殴ってから言うなよ!」


提督「大体なぁ~…」


提督「俺は球磨の為を思ってだなぁ~…」


球磨「あ、キレたクマ。覚悟しろクマ」


提督「え、何で!?お、おい馬鹿…やm──」






提督「あ~いたたた…少しは手加減してくれよ…」トボトボ


金剛「ウーン…」


提督「お…金剛じゃん、どうした?」


金剛「ワァッ!急に後ろから声かけちゃノー!デース!」ビクッ


提督「そんな驚く事ないだろう…短冊はもう飾ったのか?」


金剛「まだデース、何にしようか迷ってしまってイテ…」


提督「去年とは違うんだ?」


金剛「それはヒミツデース!」


提督「あ、そう…」


金剛「興味無さそうデスネ!?もう……テートクは何をお願いするんデス?」



提督「ん、ひみつ」


金剛「むー」


提督「そう睨むなって……あ、そうだ金剛」


金剛「ハイ?」


提督「それ書き終わったらさ執務室…来てくれないか?」


金剛「…?ハイ、イイデスけど…」


提督「んじゃそゆことで、待ってるよ」


金剛「……」


金剛(も、ももも、もしかしてこれは…!!)


金剛(あのテートクが…!初めてお誘いしてくれマシタ!!)


金剛(こ、これは…期待してイイデスカー!?)


金剛(お、落ち着くデース!ワタシ!)


金剛(期待のしすぎは良くありマセン!!)


金剛(テートクの事デス!きっとまた冗談めいた話デース!)


金剛(ヤァ…!ドキドキが止まりマセン…!!)




提督(今日で…終わらせるんだ…)





─執務室


コンコン


提督「どうぞ」


金剛「し、失礼シマス!!」


提督「お、おう…どうした…?」


金剛「い、いえ!ナンデモ!?」


提督「そ、そうか…」


提督「それで大事な話なんだが…」


金剛「ハイ!!」


提督「その……」


金剛「……」ドキドキ


提督「……」



提督(何してんだよ…言えよ…)


提督(ここで金剛を突き放さなきゃ……駄目なのに……)


提督(どうして…言えない…)


金剛「…?テ、テートク?」


提督「…!!あ、ああ何だ」


金剛「思いつめたような顔をしてましたケド…大丈夫デスか?」


提督「え、そんな顔してたかな…」


金剛「ええ…」


提督「と、ところで金剛はさ、今年は何て短冊にお願いしたんだ?」


金剛「え、アー…えっと」


提督「去年と同じで【今が続きマスように…】とか?」


金剛「こ、今年は違いマース!」


金剛「その…チョット…恥ずかしいデスケド…」テレテレ


提督「うん?」



金剛「えと…テートクと…ずっと一緒に居たい…と」モジモジ


提督「!!!」


   やめろ…


金剛「ワタシは…テートクと一緒に居られるだけで…シアワセデス…」


   やめてくれ…


金剛「また…同じ事って言われるかもしれませんケド…何度だって言いマス」


   本当に前に進めなくなる…


金剛「ワタシ…テートクが大好きデス」


   言うんだ…


金剛「これからもずっと…ずっと一緒に…」


  金剛の為に…


金剛「テートクの傍に…居させて───


   突き放せ─。



提督「あのさ…金剛」


金剛「…ハ、ハイ?」


提督「…お前の好きだのとかさ」


提督「もう…飽きたんだよ」


金剛「え…」


提督「毎度毎度同じような事言ってさ…」


金剛「て…テートク…?」


提督「俺の気持ちとか…考えた事あんの?」


金剛「ドウシタンデスカ……?」


提督「どうもしてないよ」



提督「正直さ、金剛…目障りなんだよね」



   嘘をつけ



金剛「…!!!」



提督「くだらない事で喜んで…」



   小さいな事でも喜んでくれた



金剛「そ…そんな…」



提督「優しくすりゃ調子に乗って…」



   嫌われたくなかった



金剛「…ウソ…デスヨネ……?」ポロポロ



提督「俺を…苦しめて…」ツー



   俺は金剛に救われてた



金剛「いつもみたいに…ウソだと…冗談だと…言って…」ポロポロ



提督「もう……うんざりなんだよ…」ツー



   俺は知ってる



提督「い、イヤデス…イヤデス…」ポロポロ



金剛「……テートクは…ワタシがキライ……デスカ…?」ポロポロ


   この感情を


提督「何言ってんだよ……わかるだろうが…!」ツー


   今まで言えなかったけど


提督「俺はな!」ツー


   素直になれなかったけど、俺は


提督「金剛の事が──!


   金剛の事が







    大好き
            だよ!!」
    大嫌い






──


ここまでです。
書き溜めが無くなったのでまた溜めます。
また後日に~。

思ったより早く続きが浮かんだので夜のどこかで投下出来そうです。
それまで書き溜めしてます。
読んでくれてる方しばしばお待ちを。





─執務室


提督「……ふぅ…」


提督「……ははは…」


提督「……言えないと思ってたんだけどなぁ…」


提督「……結局最後まで金剛に助けられちまったな…」


提督「………」


提督「……もう」


提督「……後戻りは出来ないぞ…」


提督「後は……俺の代わりが来て、俺は退役して…」


提督「…そして…」


提督「……」


提督「…良いシナリオじゃないか…」


提督「…俺は最善を選んだ…はずだ…」


提督「…覚悟だって出来てた…」


提督「…そのはずなのに…」


提督「なのに…!」


提督「何でこんなに苦しいんだよ…!」


提督「わかってた事だろ…!」


提督「くそ…!」ガンッ


カランカラン コロコロ…


提督「あ……」


提督「…」ヒョイ


提督「…ケッコン……」


提督「…俺には必要の無いものだったな…」


提督「はぁ……代わりが見つかるまで…持ってくれよ…俺の身体…」






─堤防


吹雪「んぅ~・・・ん~!」ノビー


吹雪「早起きのランニングは気持ちが良いですね~」


吹雪「あれ、金剛さんだ」


金剛「……」


吹雪「あの~…金剛さん?」


金剛「……」チラッ


吹雪「うわっ!目真っ赤じゃないですか!どうしたんですか!?」


金剛「…ブッキー…」


吹雪「え、えぇと…!」ワタワタ


金剛「…う…うぅ…ブッキィ…!」ギュ


吹雪「ちょ、金剛さん!?一体何があったんですか!」アタフタ


金剛「わぁぁぁぁん…!」ボロボロ


吹雪「お、落ち着いて…!」


金剛「てぇぇぇとくにぃ…!てぇぇとくに…!嫌われマシタぁぁ…!」


吹雪「えぇ!?」


金剛「わぁぁぁん…!」


吹雪「一体何が……金剛さん…」





─吹雪の部屋



吹雪「もう…落ち着きましたか?」


金剛「ハイ……ゴメンナサイデース」グスッ


吹雪「そうですか、良かった…」


吹雪「それで…その…さっきの話は本当なんですか…?」


金剛「ハイ…信じたくないデスケド…」


金剛「昨日の夜…目の前で…ハッキリと言われマシタ…」グスッ


吹雪「そうですか…司令官が…そんな…」


金剛「…でもネ」


吹雪「はい?」


金剛「テートク……泣いてマシタ…」


吹雪「え…」


金剛「とても辛そうに…苦しそうに…」



金剛「…でも」


金剛「…あの時、頭がゴチャゴチャして考える余裕も無かったデスが……」


金剛「…同じなんデス」


吹雪「同じ…?」


金剛「テートクがワタシの事をあしらった時と同じ…」


金剛「優しさが…」


吹雪「優しさ…」


金剛「なんて…ワタシの勘違いかもしれまセン…」


吹雪「う~ん…」


吹雪「…もしかして…金剛さんを遠ざける理由があったとか…?」


金剛「理由…?」


吹雪「憶測ですけどね、でも…」


吹雪「あれだけ傍に居た金剛さんが、司令官から優しさを感じたというのなら…」


吹雪「それは本物のはずです。私には…理由がある気がしてならないです」


金剛「ブッキー…」



金剛「でも…あくまでソレは憶測で…本当はずっと前から嫌われていたと思うと……」


吹雪「ワタシは…怖いデス…」


吹雪「…金剛さん…」


金剛(あ…)



『もし俺がここから居なくなったら…どうする?』



金剛(そっか…)



『もしソレがどうしようも無い事なら…ワタシは……テートクの意思を尊重シマス』



金剛(きっと昨日のアレは……)


金剛(どうしようも無い事なんだ…)


金剛(だとしたら……テートクは…)


吹雪「金剛さん?」


金剛「…そういう事…デスか…」


金剛「…ワカリマシタ…」


吹雪「え…?」


金剛「ワタシは……テートクの意思を…尊重シマス」


吹雪「は…?意思…ですか?」



金剛「ハイ…ワタシを遠ざけるのには理由があって…」


金剛「…昨日の事には…テートクの意思が…思いが……」


金剛「…だったら…ワタシはそれを受け入れマス…」


金剛「いや…受け入れなければならないデス…」


吹雪「意思って…金剛さん……」


金剛「もう…良いんデス。わかったから…」


金剛「あ~あ…色々と…楽しかったんデスケドネ…」


金剛「テートクとの事…思い返せば…楽しい思い出ばかりデスネ…」


金剛「一緒に笑って、悩んで、戦って、遊んで…」


金剛「本当に…本当に…楽しかったデース…」


吹雪「もしかして……金剛さんは…」


吹雪「司令官の事を…諦めるんですか…?」


金剛「……諦めマス…」


吹雪「!!」



金剛「これが…ワタシに出来る───


パシーンッ!


金剛「っ…!?…何を…!」


吹雪「…ふざけないでください…」


金剛「…何が…ふざけてるんデスか…?」


吹雪「司令官の意思とか…そういうのじゃなくて・・・金剛さんの意思は…?」


金剛「え…」


吹雪「金剛さんの意思は!本当にそう思ってるんですか!?」


金剛「だから…」


吹雪「嘘です!嘘です嘘です!!金剛さん…本当はそうは思ってない!!」


金剛「………ブッキーに何が……何がわかるって言うんデスか…」


金剛「ワタシは!テートクの為を思って諦めようとしているんデス!!」


吹雪「司令官の為…?どこがですか…!そんなの…!自分を隠してるだけじゃないですか!!」


金剛「…!何も知らないで…!ワタシの気持ちもわからないクセに!」


吹雪「確かに私は何も知らない!気持ちもわからないです!」


吹雪「でも、嘘をついてるのはわかります!!」



金剛「嘘なんて…!ついてないデス…!」


吹雪「じゃあ何で泣いてるんですか!」


金剛「えっ」


吹雪「ほら…」


金剛「あれ…何で……?」ツー


吹雪「諦めたくないんですよね…?」


金剛「ワタシは…!」


吹雪「だから…!」



吹雪「何で嘘をつくんですか!」



吹雪「何で諦めるんですか!」



吹雪「何でそんな辛そうな顔をするんですか!」



吹雪「本当に諦めているならそんな顔しないですよ!!」



吹雪「金剛さんは!司令官が好きなんでしょッ!?」



吹雪「その気持ちまで…嘘って言うんですかッ!?」



「ワタシの………キモチ…」



吹雪「貴女は!誰ですか!」


金剛「……」


吹雪「金剛型1番艦の金剛さんです!!」


吹雪「誰もが認める司令官の事が大好きな人です!!」


吹雪「私の知ってる金剛さんは…!皆が好きな金剛さんは…!」


吹雪「簡単に司令官の事を諦めるような人ではありません!!」



吹雪「誰よりも司令官と一緒に居る事も!」



吹雪「誰よりも司令官の傍に居る事も!」



吹雪「誰よりも司令官が大好きな事も!」



吹雪「皆知ってるんです!!金剛さんがどれだけ提督の事を好きで好きで仕方がないのか!!」



吹雪「そんな金剛さんが司令官を諦めるのは!絶対に許さない!!」



吹雪「私が許さないです!!」



「…ブッキー…」



吹雪「……ごめんなさい…」


吹雪「…もう一度聞きます…」


吹雪「…金剛さん……本当に良いんですか?」


金剛「……」


金剛「…ノー」


金剛「良い訳…ないじゃないデスか…」


金剛「ワタシは……テートクから…離れたくないデス」


金剛「…一緒に居たいデス!」


金剛「好きという気持ちに…嘘はつきたくないデス…!」


金剛「ワタシは…テートクが…大好きデス!」

吹雪「…はぁぁ……良かったです…諦めたんじゃなくて…」


吹雪「ほんとに良かった…」


金剛「フフ…思ったより強引デスネ…ブッキーって」


吹雪「あ、あははは…」


金剛「ワタシの中にあったモヤモヤが…無くなりマシタ!」


吹雪「それは良かったです!」


吹雪「でしたら、やるべき事は…」


金剛「ハイ…真実を聞きたいデス」


金剛「例え……どんな事であっても…」


吹雪「いつもの金剛さんですね」


吹雪「もう…大丈夫」


金剛「イェス!アリガトウネ…。またブッキーに助けられマシタ」


吹雪「またって…そんなんじゃないですよ。私は…引き戻しただけ…」


吹雪「道を踏み外そうとしてるから止めた、ただ…それだけの事です」


金剛「それだけの事で…ワタシは…」


吹雪「だって私達…仲間である前に友達じゃないですか」ニコ


金剛「そうデスネ……ワタシは本当に良いフレンドを持ちマシタ…」


吹雪「あはは、ありがとうございます。……頑張って下さいね、金剛さん」


金剛「…イェース!」




─執務室


提督「……」カキカキ


提督(一人で仕事するの…久しぶりだな)


提督(いつもなら、くだらない会話をして…金剛をいじって…)


提督(笑って…)


提督「……」パンッパンッ


提督「…いてて」


提督(だが…もうそれはない……)


提督「んー…引継ぎ資料作るのも楽じゃねぇなぁ……」カキカキ


提督「お…?」


提督「これは…もう代わりが見つかったのか、早いな」ピラ


提督(なっ!?……代わりは……来年!?まじかよ……!)


提督(大本営……俺の状態の事知ってるだろうに…)


提督(だが…もっと掛かると思っていたしな…これだけ早く見つけてくれたのは有難い)


提督「……もってくれよ……」


コンコン



提督「ん、どうぞ」



金剛「失礼シマス……」




提督「なっ……」


提督(なんでだよ…)


提督(来るなよ…)


提督「……何だ?くだらない用ならさっさと帰───


金剛「テートク」


提督「…!な、何だ…?」


金剛「…本当の事、教えて下サイ」


提督「は…?急に何言ってるんだよ…意味がわからない…」


金剛「テートク……」


提督「俺は忙しいんだ…訳のわからん事言ってないで、戻れ」


金剛「あのネ…どれだけワタシが…」


金剛「テートクと…一緒に居たと思うんデスか?」


金剛「ワタシには、わかりマスヨ」



提督「さっきから何の事だよ…」


金剛「…どうしてワタシを遠ざけたんデスか?」


提督「…!」ピクッ


提督「言っただろ…お前の事が…き…嫌いなんだよ…」


金剛「それ、嘘…デスヨネ?」


提督「…何の根拠があってそんな事言うんだよ…?」


金剛「言ったじゃないデスか、わかるって…」


提督「…馬鹿馬鹿しい……」


金剛「…話して」


提督「話す事なんて…」


金剛「話して」


提督「だから…!」


金剛「話して!!」グイッ


提督「なっ…!」



金剛「いい加減にして下サイ!!」


金剛「理由も話さないで突然突き放シテ!!」


金剛「納得出来る訳無いデース!!」


金剛「ワタシが!!」


金剛「何年貴方の事を見てたと思ってるんデスか!!」


金剛「貴方の嘘なんてお見通しデス!!」


金剛「秘書艦ナメんじゃないデース!!!」


提督「……はは…」


提督(馬鹿だなぁ…俺は……大馬鹿野郎だ…)


金剛「…?」


提督「………離してくれるか…?」


金剛「あ……ご、ゴメンナサイ」パッ


提督「いや、良いんだ。ありがとう…」


提督「……あーあ」


提督「……敵わないな…金剛には…」


金剛「…テートク?」



提督「金剛の言う通りだよ、俺はお前を突き放してた」


金剛「…!元に…!」


提督「別におかしくなった訳じゃない…悪かったな、一方的に…」


金剛「イエ……!」


提督「最初からこういう風にすれば良かった……」


提督「余裕が無かった…ってのは言い訳だな…ごめん…」


金剛「やっぱり理由が…?」


提督「ああ…あるよ」


提督「でも…教えられない…」


金剛「え…」


提督「ただ…これだけは知っていてくれ」


金剛「…なん…デスか?」


提督「もうすぐ……俺は、ここから居なくなる」



金剛「……」


提督「すぐじゃない、少なくとも今年中は居る」


金剛「そう…デスか…」


金剛(やっぱり…ずっと一緒には…)


提督「あんまり驚かないんだな」


金剛「何となく…そうなんじゃ無いかッテ…」


提督「…そうか」


提督「…金剛は凄いな……それなのに俺は…」


提督「…あんなに一緒に居て、全然金剛の事わかってなかった」


提督「自分の勝手な思い込みで…これが最善だって決め付けて…」


提督「それで結局金剛には見破られて…情けない…」


提督「…最低だな、俺」


「…」



金剛「…そうデス…テートクはサイテーデス。かっこ悪いデース」


提督「あ、あはは……」


金剛「でも…そんなサイテーサイアクなテートクの事を」


金剛「…まだ…好きなワタシは…」


金剛「変デスか…?」


提督「…変だよ…あんな酷い事言ったのに…」


金剛「あれは傷つきマシタ…辛かったデス…」


提督「あぁいや…ごめん」


金剛「…でも、あの言葉達は嘘で」


金剛「テートクと過ごした時間…」


金剛「思い出…」


金剛「想い…」


金剛「そしてこの気持ち…」


金剛「これは…テートクがワタシにくれた…」


金剛「ホンモノ達デス」


提督「本物……」


金剛「ネー…テートク…ワタシの我侭…聞いてもらえマスか?」


提督「なんだ?」



金剛「…今年のクリスマス…ワタシと一緒に…過ごして下サイ…」


金剛「…最後のクリスマス…デスから…」


提督「最後……」


提督「ああ、もちろん良いぞ…」


金剛「ヨカッタ…」


提督「それにしたって随分と先のお願いだな、まだ数ヶ月くらいあるぞ」


金剛「…そこまでの時間を…テートクとの時間を…大切にしたいデス」


金剛「忘れられなくなるくらいに…」


提督「おいおい、大袈裟な……」


提督「ああ…大袈裟でもないか…」ボソッ


金剛「大袈裟…デスか。でもそうデスヨネ…」





金剛「だって、二度と会えなくなる訳じゃ無いデスもんネ!」


   ああ…


提督「ああ……」


   ごめんな…金剛…


提督「そうだな…」


   どうやら俺は…


提督「最後まで…」


   最後まで…


提督「最後まで……思い出を沢山作ろうな」


   お前に正直になれない…


金剛「もちろんデース!」

ここまで。
あとはラストまで駆け抜けるのみ。




─執務室


コンコン


提督「どうぞー」


吹雪「失礼します!そして、トリックオアトリ~ト~!」


提督「お…?あーそうだったか、ちょっと待ってろ」


吹雪「あ、金剛さん!今は…ティータイムですか?」


金剛「イェース!テートクと一緒にネ!」


提督「……お前がどうしてもって言うからだろう」


提督「ほら吹雪、こんな物しか無かったけど」


吹雪「わぁ!ありがとうございますー!」


提督「それにしても…もうすっかりハロウィンか…」


金剛「ハロウィンパーティーでもシマスかー!」


吹雪「おー!良いですねー!」


提督「何故そうなる…」


金剛「え~…ダメデスか?」ウルウル



提督「そんな目で見ても駄目だぞ、そんな事をする暇は──


吹雪「うぅ…」シュン


提督「ある…」


吹雪「えっ…!」パァッ


金剛「チョットォ!ワタシとブッキーの扱い違い過ぎ無いデスか!?」


提督「そんな事はない」


金剛「悪意しか感じられないデース!」


提督「ほらあれだ、思い出に…な」


金剛「…!」


金剛「…モー…そう言えば良いってワケじゃ無いデスからネ!」


提督「それじゃ吹雪、今夜楽しみにしててな?」


吹雪「はーい!」


金剛「チョットォ!聞いてるんデスか!」


提督「聞いてるよ」


金剛「尚更性質悪いデース!」



吹雪「あははは、相変わらず仲が良いですね」


金剛「それはもうワタシとテートクの相性はバッチリデース…」ポッ


提督「おいおい、まだしてないだろう?」


金剛「…?何をデスか?」


提督「あ、いや……何でもないです」


吹雪「司令官…最低です…」


提督「ジョークだよジョーク…」


金剛「…?ブッキーは今の意味わかるんデス?」


吹雪「え、えぇ!?い、いややや!わからないですよ!?」カァァ


提督「吹雪は勉強熱心だね」ニコォ


吹雪「もう!!」プンスコ



金剛「ブッキー顔が赤いヨ?大丈夫?」


吹雪「だ、大丈夫です!何でもないですから!私はこれで失礼しますねーー!」


金剛「アララ…」


金剛「どうしたんデスかね?ブッキー」


提督「知らないってのは時に罪となる」


金剛「ハイ…?」


提督「気にするな、それじゃパーティーの手配だ。時間が無いから急ぐぞ」


金剛「よくわからないケド、了解デース!」






─食事処・間宮



ガヤガヤ


間宮「急にハロウィンパーティーするから料理作ってくれって言われてビックリしましたよ~」


提督「急な事ですいません…」


間宮「いえいえ、良いんですよ」


提督「それにしても、よくこれだけの料理作れましたね。流石です」


間宮「鳳翔さんにも手伝ってもらったので何とかなりましたよ。ただ簡単な物が多いですが」


提督「いえいえ十分です、有り難う御座います」


間宮「ふふふ…提督の最後のお願いくらいは聞いてあげないとね?」


提督「あはは…そう言って貰えると助かります」


間宮「ふふ…あら?そういえば金剛さんは?いつも提督の傍に居るのに」


提督「向こうで姉妹の相手をしてるんじゃないですかね、流石にこういう場で俺に付きっ切りって訳にもいかないですしね」



間宮「成程…そうですか。寂しくありませんか?」


提督「え…いえ、そんな事は」


間宮「私で良かったらお傍に居ますよ?」


提督「ちょ、からかうのはやめてくださいよ…」


間宮「あらあら、からかってないのに」


提督「き、気持ちだけ…じゃあ俺は別の所行ってきますね」


間宮「はーい。行ってらっしゃい」フリフリ





ガツガツガツガツ…


提督「よ~、おつかれ。凄い食いっぷりだな」


天龍「ングング……あ?…なんだ提督じゃねーか」モグモグ


提督「なんだとは何だ、皆の提督だぞ」


球磨「その皆の提督が居なくなるのに黙ってるのは、どういう了見クマ」モグモグ


提督「うぐっ…!…それは……すまん」


天龍「全くだぜ、その上会場の準備も手伝わされたしなぁ」


提督「それは、ありがとう。助かった」


天龍「ま、美味いもん食えてるから別に良いけどな」


提督「そうか。そういえばお前たちは仮装しないのか?皆してるぞ?」


天龍「オレはガラじゃねーし」


球磨「めんどくさいクマ」


提督「ブレないな…」


球磨「球磨は誰かのせいで疲れてるクマ~肩が~」



提督「はは~っお揉みします」モミモミ


球磨「ん~♪気持ちいクマ~♪」


天龍「お、じゃあ次オレな」


提督「えっ…どこ…そこ揉んで良いの?」ジロ


天龍「ん?そこって……」


天龍「ば、馬鹿!どこ見てんだ!!」バッ


提督「そこだけど…」


天龍「マジマジと見るんじゃねぇ!話の流れでわかりやがれ!!殴るぞ!」ドガッ


提督「いだぁっ!だから殴ってから言うのやめろォ!」


球磨「今のは提督が悪いクマ~~。あ~極楽クマ~」


提督「…言ったなぁ、こいつぅ…」


提督「ふんっ」モミンッモミンッ


球磨「ギャー!痛いクマ!やめろクマー!」ジタバタ



提督「おいおい、もう良いのか?遠慮するなよ~」モミンッモミンッ


球磨「痛いクマー!ごめんなさいクマ!ごめんなさいクマーー!」ジタバタ


提督「はい」パッ


球磨「…ハァ……ハァ…何で…球磨が謝ってるクマ…」ピクピク


提督「はて…何でだろうな」


球磨「さっさと退役しろクマ…」


提督「酷過ぎない!?」


天龍「でも…提督居なくなるんだよな…此処も少し寂しくなっちまうなぁ」


提督「天龍…お前…」


天龍「…はっ!…ちげーよ!深い意味もねーし!それに少しだけ!少しだけだからな!別に居なくなった所で大して変わんねーし!」


提督「素直じゃないなぁ、天龍ちゃん」


天龍「ちゃんはやめろ!それに隠してた提督よりかはマシだろ!」


提督「うぐぉっ!!」グサァッ


天龍「な、何だよ…大袈裟だな」


提督「い、いやぁ…心に来るなぁ…って」


球磨「今後もそうやってネチネチ苛めていくクマ」


提督「勘弁してくれ…」


提督「じゃ、俺そろそろ他の所行ってくるわ」


天龍「おう!」


球磨「ばいば~いクマ~」





吹雪「あ、司令官!」タタタ


提督「お、吹雪じゃないか。楽しんでるか?」


吹雪「はい!とても!ありがとうございます!」


提督「そりゃ良かった、やった甲斐があるってもんだ」


吹雪「えへへ…でも去年はやらなかったのにどうして今年は?」


提督「だってふb…じゃなくて、ほら、だって今年で俺…」


吹雪「あ……そう、でしたね…」


吹雪「司令官が普段通り過ぎて、何だか実感が湧かないです…」


提督「そうかな?まぁあまり気負いはしないようにしてるけど」



吹雪「思い出をたくさん作ってしまうと、別れが辛くなりませんか?」


提督「…辛いよ。でも、金剛のお願いだからな」


吹雪「金剛さんの?」


提督「そう。思い出を沢山作って、お別れしようって…ね」


吹雪「……そう…だったんですか…」


吹雪「司令官は…」


提督「ん?」


吹雪「司令官は…良いんですか…?その…金剛さんの事」


提督「……はは、吹雪は優しいな。…心配してくれて」ワシャワシャ


吹雪「なっ!……もう…子供扱いして…」


提督「悪い悪い…でも大丈夫だ。心配するような事は無いよ」パッ


吹雪「そうなんですか…?」


提督「ああ、任せてくれ」


吹雪「…なら…良いんですけど」


提督「うんうん……んじゃ、そろそろ俺は行くね」


吹雪「あ、はい!また!」






─間宮・外


提督「……ふぅ」


提督(任せてくれ……か)


提督(良く言えたもんだなぁ……笑えてくる…)


提督(…俺がこれ以上金剛との関係を近づけたら……)


提督「…辛いな」


金剛「テートク?何してるんデスか?」ヒョコ


提督「おわぁっ!?」ビクッ


金剛「そんなに驚かなくテモ」


提督「び、ビックリした…金剛かよ…」


金剛「かよ、とは失礼デスネ!」


提督「言葉のアヤだ…さて置き…どうしてここに?」


金剛「テートクが外に出たのが見えたのデ」


提督「成程…良いのか?姉妹達放っておいて」



金剛「それは大丈夫デース!イッパイお話したデース!」


金剛「それより…」


金剛「辛いな…ってテートク今言ってましたケド…?」


提督(声が出てたか…)


提督「それはだな──


金剛「退役の事デスか?」


提督「そ…そうだ」


提督(助かった…)


金剛「やっぱりそうデシタか…」


提督「段々と終わりが見えてきたしな、寂しくなるなぁ…って」


金剛「テートクが退役する理由は…まだ、教えてくれないんデスか?」


提督「…言っただろ?どうにもならない理由…って。それに話すような事じゃないからさ」


金剛「そうデスか…」


金剛「でも、いつかは聞かせて貰いマース!」


提督「ああ……いつかな」


金剛「あ、というか見て下サイヨ。どうデースこの衣装!」


提督「馬子にも…」


金剛「…」ジッ


提督「とても可愛いです」



金剛「最初からそう言えば良いのに、素直じゃないデース」


提督「金剛見てると、からかいたくなっちゃうんだよね」


金剛「何かの病気デスか!?」


提督「それはもう、重症だよ」


金剛「早く治して下サイヨ!」


提督「これはもう治らない病だからね、仕方ないね」


金剛「モー!」


提督「ははは……はぁ…楽しいなぁ、本当に…」


   怖い…


金剛「…?テートク?」


提督「こんなに楽しいのに…どうして、俺は……俺はまだ…!」


   おい…


金剛「だ、大丈夫デスか…?」サスサス


提督「………なぁ、金剛…」チラッ


   怖い…


金剛「テートク…?」クイッ


提督「トリックオアトリート」スッ


   後悔するぞ…



金剛「どうしたんデスk────んんっ!?


提督「……」


金剛「…ん……!」


金剛(テ、テテテテートク!?)


提督「…………!」サッ


金剛「……………」ポカーン


提督「……すまん…!」


金剛「…………」ワナワナ


提督「どうかしてた…!今のは忘れてくれ…!」


金剛(い、今……ワタシはテートクと…キスを…?)ボンッ


提督「お、俺戻るな…!」スタスタ


提督(やっちまった…!やっちまった…!)


ガシッ


提督「──!?」


金剛「…待って……下サイ…」


提督「は、はい…」



金剛「今のは……思い出として…デスか…?」


提督「…!あ、ああ…!そういう事になる…かな?」


金剛「そう、デスか…」


提督「こ、金剛…?」


金剛「……」プルプル


提督「お、おい…大丈夫────」


金剛「ノーーー!!」ガバッ


提督「うおっ!?」


金剛「大丈夫のワケないデース!!」


提督「ムードも何もあったもんじゃ無いデース!!」


金剛「せっかくのキス…!」ボンッ


金剛「キス…だったのにーー!」プンスコ


提督「す、すまん…!」


金剛「あんなんじゃすぐ忘れてしまいマース!」


金剛「だからもう一度して下サイ!!」ビシッ


提督「え……えぇ!?」


金剛「イヤ…なんデスか!?」


提督「いや…いやいやいや…!嫌じゃないけど…!」




金剛「だったらして下さいヨ!」


提督「あれぇ…!何か違う…!」


金剛「何がデスか!」クワッ


提督「いえ!何でもないです…!」


提督「……じゃ…じゃあ……するぞ!」


金剛「…!は、ハイッ!」


提督「……」ガシッ


金剛「…!」ビクッ


提督「………行くぞ」


オイバカ!オスナヨ! ホラホラ!シチャイマスヨ!! クマァァ!!


提督「………」チラッ


提督(……うっすらと戸が開いている…まさか…)


金剛「……ア、アレ…?テートク…?」




提督「……」スタスタスタ


ガラッ バターン!


金剛「……!!?」


天龍「ぎゃっ!」


吹雪「わぁっ!」


球磨「クマッ!」


提督「……何してんの君達…」


天龍「い、いやぁ…これはその……なぁ?」


吹雪「あ…あははは…あは…」


球磨「(口笛)~♪♪」


提督「…見てたのか?」


天龍「え!?何の事だ!?オレ達は何も知らねーぞ!?」


球磨「そうクマ!球磨達は何も見てないクマ!偶々そこに居ただけクマ!」


吹雪「ご、ごめんなさい…!私達…見ちゃいました!」ワナワナ


天龍・球磨「「おぉぉい!!」」


提督「…そうか…見てしまったのか……そうかぁ…」


天龍「あ、あれ…?提督どうしたんだよ…?」


球磨「…何で顔隠してるクマ?」


吹雪「司令官……?」




提督「…ちょ…あんま見ないで……はずいから…」シッシッ


3人「「「!?」」」


天龍「…オ、オレ、こういう提督…初めてみたぜ…」


球磨「悔しいけどちょっとキタクマ、何とは言わないけどクマ」


吹雪「……」ボケー


天龍「や、やべぇ…!あまりのギャップに吹雪がショートしてやがる…!」


球磨「たしかに大打撃だったクマ。しょうがないクマ」


天龍「そ、そういう訳だから!俺達は吹雪連れてくから!後はごゆっくり!!」ダダダ


提督「お…おう……」


球磨「…」


球磨「クマッ!」スパーン


提督「…いでっ!ケツを叩くな!」ピーン


球磨「しっかりしろクマ。いつまでも縮んで無いで、お姫様が待ってるクマ」スッ


提督「えぇ…?お姫様って……」チラッ


金剛「……」パクパク


球磨「そういう事クマ」


提督「あぁ…」


球磨「茶々入れて悪かったクマ。もう安心して出来るクマ」


提督「安心てなぁ…」


球磨「ほら、さっさと行くクマ、女の子を余り待たせるなクマ」


提督「はいはい……わかったよ」タタタ



球磨「……ばいばいクマ」








提督「お、おーい金剛…?」


金剛「み、見られてマシタ……?」


提督「残念ながら…」


金剛「うわぁ~……スゴク…恥ずかしいデース…」カァァ


提督「だよなぁ…」


金剛「不覚デース」


提督「時間と場所が大事…だな。それじゃ……」


提督「戻るか」


金剛「えっ」


金剛「してくれないんデスか?」


提督「だってもう…そういう雰囲気…じゃないだろ…?」


金剛「エ~!じゃあ今度絶対して下さいヨー!?」


提督「はいはい、今度な」


金剛「ノー!そういう感じのダメデース!」ブーブー


提督「今度、な」デコピーン


金剛「ぎゃんっ」




─金剛の部屋


金剛「んん……」ゴソゴソ


金剛「ンモー!」ガバッ


金剛「今日の事が気になって全然眠れないデース…」


金剛「……少し、夜風にでも当たりマスか…」





─通路


金剛「それにしても…夜の鎮守府って結構怖いデスネ…」


金剛「早く出ない……と?」


金剛(おや?テートクの部屋が明るいデース)


金剛(今なら……今日の続き、出来るかもしれないデスネ!)


金剛(そうと決まれば!)サササ


金剛(何してるんデショウネ~…)ソー…


ガタンッ!


金剛(え…)


提督「ぐぁっ…!!くそ…!!」ギュッ


提督「っつぁっ!ハァ…ハァ…!」


提督「ハァ…ハァ…」


金剛(何…?)


提督「持ってくれよ…、まだ俺には時間が必要なんだ…」


金剛(…時間…?持ってくれ…?)


金剛(テートクは一体何を…)


ギシ…


金剛(…!隠れなきゃ…!)サッ



提督「…!誰か居るのか!?」バッ


提督「……」キョロキョロ


提督「…気のせいか…?」


金剛(……テートク…)


金剛(何を…隠してるんデスか…?)





─病院前


金剛「…ココが…テートクの通っていた病院デスか…」


金剛「昨日のあアレは、普通じゃ無かったデス…きっとここでなら何かわかるはずデス」


金剛「待っていてネ…テートク…」






─病院


医者「──鎮守府で、そこの提督さんの秘書官…金剛さんですね?」


金剛「イェス」


医者「そうですか…彼の事はどこまで?」


金剛「ドコマデ…とは?」


医者「ん……何も聞かされてないのですか?」


金剛「え……もうすぐ退役するとかは、聞きましたケド…」


医者「退役……成程…」


金剛「…?どういう事…デスか?」


医者「…これは、お話しするべきか迷いますが…」


金剛「教えてください…!テートクが…何デスか!?」


医者「良いですが、貴女には……彼の意思を…意志を守る事が出来ますか?」


金剛「…!」


医者「これを教えるという事は、貴女は貫かなければなりません。彼の想いを」


金剛「……ワタシは、テートクの意志を貫き通しマス」


医者「そうですか…では、貴女を信じてお話します───」




─帰路


金剛「………」


『良いですか?率直に言いますと、彼は』


金剛「………」


『時期に亡くなります』


金剛「………」


『心筋梗塞・心不全等・狭心症…等種類はありますが、どれに当て嵌まらず、どういった病気かさえ…』


金剛「………ワタシは」


『申し訳ない…今の医学では…解りかねます…』


金剛「………バカデスネ」


『きっと彼は……それを知って最善を選んだんだと思います』


金剛「………思い出何て」


『彼の意志を守ってあげてください。そして…』


金剛「………テートクを苦しめるダケなのに」


『これを知った貴女にしか、出来ない事があります』


金剛「………ワタシに出来るコト…」


金剛「………わかってマスヨ」


金剛「テートクの事は…」


金剛「ワタシが守りマス──」





─堤防


提督「……」ボー


カツン カツン


提督「……ん?」チラッ


提督「なんだ、金剛じゃないか。どこ行ってたんだ?」


金剛「少し…」


提督(ん?聞かれたくないのかな?)


提督「そっか、元気ないな?どうした?」


   どうして…


金剛「そうデスか…?疲れてしまっているのかも…」


提督「疲れてるって…もしかして昨日の事とか…?な、なんてな!あははは…」


   どうして笑っていられるの?


金剛「…イヤ…違いますケド…」


提督「あ、違うのか…そうか」


   辛くないの?


金剛「隣…良いデスか?」


提督「あ、ああ!別に良いけど…」


   怖くないの?


金剛「アリガトウゴザイマス…」


提督「今日はいつにも増して元気ないな…大丈夫か?」


   無理しないでよ…


金剛「テートク…」ギュッ





提督「お、おわっ!どうしたんだよ金剛…」


   優しくしないでよ…


金剛「…今は、こうさせてください…」


提督「…ここ堤防だおぞ…、誰かに見られちまう…」


   遠くに…


金剛「…テートク…」


提督「…な、なんだ…?」




  いかないでよ…




金剛「大好きデス」ニコ








─12月


─執務室


提督(なんだかんだで12月…案外行けるもんだな)


提督(もしかしたらまだまだ生きれるんじゃないか?……な訳ないか…)


提督(もう…動悸も息切れも不整脈も間隔が短くなってきた…)


提督(もって来年の何処か…或いは…)


提督(だー!何考えてんだ!今年は乗り切る!乗り切らなきゃダメなんだ!)


金剛「ヘイ!テートクゥ!ティータイムにしまショー!」


提督「ん、ああそうだな。一旦休憩するかー」


提督(あの件から大分日も経ったが、金剛は元気だ…)


提督(元気なんだが…何だろうなぁ…)ズズズ


提督「ん…?何だ今日の紅茶…いつもと違うな?」


金剛「流石テートクデスネ!That's right!今日は新しいのを淹れてみたんデース!」


提督「ほぉ~…美味しいな…何て紅茶なんだ?」


金剛「えっとデスネ~…これは『ルイボスティー』というある地域でしか取れない葉なんデース!」



提督「ルイボス…何処かで聞いたことあるような気もするんだが…思い出せないな」


提督「まぁ美味しいから別に良いか…」


金剛「お茶受けとして…これもドウゾ!」


提督「これは…?ブルーベリーと、何だろうこれ」


金剛「クランベリーデース!」


提督「クランベリーか!聞いたことはあったが食べるのは初めてだな!」


金剛「たくさん!たくさん…食べてくださいネ」


提督「この紅茶とも結構イケるな……色々準備してくれてありがとうな、金剛」


金剛「イイエ……テートクが喜んでくれるならソレで!」


提督「そうか…なぁ金剛さ。俺がここに居れるの、あと少しの間だろ?だからそれまでに俺…」


金剛「無理しなくてイイデスヨ!それにテートク覚えてマスか?」


提督「ん?」


金剛「クリスマス」


提督「あ~クリスマス…。もちろん覚えてるぞ、忘れるわけがない」


金剛「ヨカッタデース!ワタシはそれだけ……それだけがあれば良いデース」


提督「ん…そうか?まぁ~…金剛がそう言うんなら俺は別に構わないんだが…」


金剛「良いデスヨ。あ、テートク空いてますヨ」


提督「ん?おぉ…ほんとだ。これ美味しいからグイグイ飲んじゃうよ」


金剛「沢山ありマスから…もっと、もっと…飲んでくださいネ」





─金剛の部屋


「………」


「…無駄…だとわかってるんデスケドネ……」


「ドクターに治せない物がワタシに治せるワケ…無いのに…」


「…テートク…」


「思い出を作っちゃいけないのに…」


「まだクリスマスを楽しみにしてるワタシが……」


「・・…ワタシは…弱い…」


「ゴメンナサイ…」グスッ






─12月23日


─射手場前


提督「うーむ…」


提督「やっぱり最近の金剛少し…変…だよな?…いや、絶対に変だ…うーむむ…」


提督「あれ…考え事してたら射手場に来ちゃったな…」


赤城「──あら、提督。悩み事ですか?」


提督「ん…?おぉ…赤城さん…ちょっと金剛の事で…何か変わった事ありませんでした?」


赤城「金剛さんですか…そうですねー…。あ…」


提督「お!何か知ってるんですか?教えてください!」


赤城「まぁまぁ落ち着いて…ね?せっかくなので上がってください」


提督「あ、はい」





─射手場


提督「あれ、誰も居ないんですね」


赤城「加賀さんは今日翔鶴さんとお出掛けしてますよ」


提督「なるほど…」



赤城「あ、そこに座って下さい」


提督「では失礼して…」


赤城「それじゃ、本題に入りましょうか。あくまで私の予想なんですけど…良いですか?」


提督「大丈夫です、何でも良いので教えてください」


赤城「では…」


赤城「提督もお気付きかと思いますけど、金剛さん最近…正確には12月に入る直前くらいですかね」


赤城「急に元気になりましたよね、空元気というのでしょうか。でも私には何かを誤魔化しているように見えました」


提督「何か…とは…?」


赤城「自分の気持ち…ですかね。でも、それは提督が良く知っているんじゃ無いですか?」


提督「えっ…な、何を言ってるんですか赤城さん…」


赤城「まぁ良いです、もっとわかりやすく言います。そうですね…金剛さんが悩むのは提督か姉妹の事くらいだと、私は思います」


提督「悩み…?もしかして…姉妹同士で何か…」


赤城「提督?」


提督「……はい」



赤城「薄々は解っているのでしょう?金剛さんが自分の事で悩んでいるって事」


提督「それは……俺は…どうしたら良いんでしょうか…」


赤城「知っているのに、目を逸らすのは駄目ですよ。目を背けないでください」


赤城「それに…提督がやろうとしている事は、正しい事なのか悪い事なのかは私にはわかりません。ですけどね」


赤城「あのままの金剛さんとお別れが出来ますか?…出来ませんよね」


提督「……」


赤城「提督に残された時間はもう僅かです」


赤城「黙って後悔するくらいなら、吐いて後悔しなさい」


トン


赤城「……提督はね…ちょっと無茶するくらいが格好良いんですよ」


提督「赤城さん……ありがとうございます。俺、行きます」ダッ


赤城「はい、行ってらっしゃい」


赤城「頑張れ、男の子──」





─執務室


金剛「テートクは何してるネー…」カリカリ


金剛「もう就業の時間だって言うの───


ガチャ


金剛「あ、テートク!遅いデスヨー!」


提督「金剛…ちょっと良いか?」


金剛「テートク?どうかしましたか?」


提督「…何を隠してるんだ…?」


金剛「え……隠してないヨ?急にどうしたんデスか…?」


提督「…それ、嘘だよな…?」


提督「話してくれ、一体何があったんだ?何で急にそんな風になっちまったんだ?」


金剛「何って……」


提督「金剛…?」


金剛「テートクが、良く知ってるんじゃないデスか…?」トントン


提督(胸を…まさか…?)


提督「お前…もしかして…」


金剛「イェス」


提督「それで…まじか…」




金剛「でもネ…テートクの気持ちも分かりマス。もしワタシだったら、きっと同じ事を言ったと思いマス」


提督「金剛…」


金剛「最初は許せませんでしたヨ?どうして言わないのかって…」


金剛「でも…テートクは考えて…一人で考えて…一番良い方法を見つけて…」


金剛「誰も傷つかない……仲良く別れる術……」


提督(くそ…まただ…何やってんだ俺は…また金剛にだけ…!)


金剛「…辛かった、デショ?」


提督「…え?」


金剛「思い出…沢山作って…」


金剛「…辛かったデスヨネ…」


金剛「知らなかったとはいえ…残酷な……」ポロポロ


提督「!! そんな事は無い!お前、言ったじゃないか!忘れたくないって!」


金剛「それ……もう…良いデスヨ…」ポロポロ



提督「なっ…!」


金剛「…約束……忘れてください…」ポロポロ


提督「何…だと?」


金剛「楽しみ、だったんデスケドネ……」ポロポロ


金剛「これ以上、テートクを苦しめたくないデス──




提督「金剛ッ!!」




金剛「えっ…」


提督「勝手に決めつけるなッ!!」


提督「お前が罪悪感を背負ってるならッ!!」


提督「俺も背負うッ!!!」グイッ


金剛「なっ…何を…」


スッ


金剛「え…コレって…指輪…?」




提督「金剛!お前の事が好きだ!!ずっと俺の傍に居てくれ!!」




金剛「──!!」」



提督「……やっと…言えた。俺の気持ち」


金剛「テ、テートクゥ…」ポロポロ


提督「…これで俺もお前も同罪……とことん最低だな、俺」ギュッ


金剛「本当に…本当にサイテーデス…、サイアクの告白デス…」ポロポロ


金剛「でもサイアクなのにネ…嬉しくて…涙が止まらないデス……」ポロポロ


提督「そうか…」ナデナデ


提督「お前一人に背負わせはしない……最期まで一緒だ」ナデナデ


提督「今作ってる思い出は…辛いけど、幸せなんだ…」


提督「変だけどな…俺、死ぬのは怖くないんだ。金剛に想いを伝えずに別れる方がずっと…怖かった…」


提督「でも、良かった…最後までに気持ちが伝えられて…」


金剛「……」グスッ


提督「好きだよ、金剛」


金剛「ワタシも…大好きデース…」




ドクン ドクン ドクン…




提督「───!!」


提督(あ………時間切れ……)


提督(…まだまだ…これからだってのに……)


提督(もう少し…もう少しでいい…持ってくれよ…)



   金剛…



提督「…なぁ…金剛…」



   今までありがとう…



提督「…ハイ?」グスッ



   こんな俺を好きでいてくれて…





提督「…俺…お前の笑った顔が好きなんだ…」



   何も返してやれなくてごめん…



提督「一回で良い…笑ってくれないか…」ウツロ目



   貰ってばっかりでごめん…

   

金剛「──!テ、テートクゥ…!!」ポロポロ



   生まれ変わったら…



金剛「グスッ…良いデスヨ… 最期 デスから…」ポロポロポロ



   また会えるかな…?



金剛「テートク……大好きデスヨ」ニコ ポロポロ



   その時は…



提督「…は……は……」



   またよろしく…



「変な……顔…」デコピン




   大好きだよ、金剛










金剛「………」



   貴方と出会えて良かった



金剛「後は……任せてください…テートク…」



   沢山の思い出…貰ったね



金剛「貴方の想いは……ワタシが…」



   沢山の気持ち…教えてくれたね…



金剛「だから…」ツー



   忘れない…貴方から貰った物…



金剛「今だけは…」ポロ



   忘れない…貴方から教えて貰った事…



金剛「泣いても良いデショ…?」ポロポロ






   ねぇ、いつかまた会えるかな?








    …会いたいな。



     ・

     ・

     ・


─堤防


   



「ココに居たんデスネ…」







「…金剛か」







「……待ちくたびれたよ」ニコ







END

お疲れ様でした。

次は明るいの書きたいですね。

最後まで読んでくれた人、ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月21日 (土) 14:08:51   ID: fc07PKLN

良いぞ、オチは何となく予想出来るな

2 :  SS好きの774さん   2015年11月27日 (金) 07:17:47   ID: JN6SOzie

良い話でした!

暗くてもこういう話は意外と好きですね~♪

3 :  SS好きの774さん   2015年11月27日 (金) 12:19:20   ID: sQ_ps5eB

完結乙
次作も楽しみにしてる

4 :  SS好きの774さん   2015年11月27日 (金) 18:45:53   ID: mggeR5O8

ブワッ(´;ω;`)

5 :  SS好きの774さん   2015年12月02日 (水) 09:47:27   ID: lTP6TwYW

青臭いなぁ

6 :  SS好きの774さん   2015年12月03日 (木) 06:08:44   ID: eynPp0OV

めっちゃ泣いた
金剛嫁の俺には涙腺に来る話や…
次回作も書いてくれ、楽しみにしてる

7 :  SS好きの774さん   2015年12月20日 (日) 18:35:34   ID: iuLRgz3E

この作品は凄く良かったです
自分は感動しました。

8 :  SS好きの774さん   2017年09月27日 (水) 12:44:38   ID: kgc3rYjS

二年後からきたよ、楽しませてくれてありがとう

9 :  SS好きの774さん   2018年10月31日 (水) 00:47:32   ID: hgUm3n9q

3年後から来たぞ。本当に良い話だった。
ありがとう

10 :  SS好きの774さん   2019年01月02日 (水) 11:37:01   ID: twyoAFJl

年明けてから来たぞ。いい話をありがとう。

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