バードウェイ「責任とってもらおうか」 (29)
禁書ss
上条×バードウェイ
新約14微妙にネタバレあり
短いよ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447428345
上条「えーと、責任っていうのはいったい何のことでしょうか? 上条さんにはさっぱりなんですが」
バードウェイ「おいおいしらばっくれるとはいい度胸じゃないか」
バードウェイ「さすがは年齢国籍人種性別魔術科学人間魔神、誰かれ見境なくフラグを立てては放置するだけのことはあるな」
上条「酷い言われよう! 俺そんな極悪非道じゃないからね!?」
上条「あと性別に見境なくってなんだよ! 上条さんはノンケだよ!」
バードウェイ「可愛ければ男女問わず手を貸すと聞いたが?」
上条「困ってたら力になるってだけですー! 下心とかありませんー!」
バードウェイ「枯れたジジイに手紙貰って喜んでたのはいったいどこの誰だ?」
上条「うほほーい!」
上条「違う違うそうじゃない」
上条「アレは色々誤解があったからなわけで決して僧正からの手紙に喜んでたんじゃなくてだな」
バードウェイ「まあその辺はどうでもいい」
上条「どうでもいいなら人のトラウマ持ち出してんじゃねえよ!」
上条「幸せの絶頂から不幸のドン底に叩き落とすなんてあんな酷い真似……っ」
上条「生まれてこのかた女の子にモテたことのない男子高校生にとって、ラブレター貰うってことがどれだけの一大イベントかよく理解するべきだ!!」
バードウェイ「差出人をキチンと確認しなかったお前が悪い」
上条「達筆すぎて読めなかったんだよコンチクショウ」
上条「つーかバードウェイはなんで事細かく人の不幸事情を知ってんの?」
バードウェイ「知って後悔しないと誓えるなら教えてやるが?」
上条「それ遠回しに後悔するから聞くなって言ってる?」
バードウェイ「まあ嫌なことは忘れてとりあえず落ち着け」
上条「俺はあの悔しさを絶対に忘れない……っ!」
バードウェイ「静かにしないと今この場でそれ以上の忘れられないトラウマ作るぞ」
上条「もう既にお前には結構なトラウマ植え付けられてる気が……?」
バードウェイ「ようし金的に蹴りか腹に風穴か好きな方を選べ」
上条「模倣神器が選択肢にないのは激しいツンの中にあるわずかなデレだと考えさせて貰っても……、あぁごめん余計なこと言わないから銃を大事なところに向けるのやめてぇっ!!」
上条「弾込められてなくてよかった……、ほんとよかった」
バードウェイ「世界の女の為にもこの場で去勢していた方がよかったか……?」
上条「本気で悩まないで。シャレにならねえから」
バードウェイ「なにはともあれ私が弾を込めるのを忘れていてよかったな」
上条「うっかりで助かったの!? まさかのうっかり!? つーか本気で撃つ気だったのかよこのドSロリ!」
上条「うっかりで物理的にタマナシになるなんて上里翔流だってびっくりだよ!」
バードウェイ「新たな天地が開くところだったか……」フッ
上条「まだ性別ネタを引っ張るかコイツ!」
上条「もうなんでもいいから本題入ろうぜ。責任……だっけ?」
バードウェイ「ん? あ、あぁ……」
上条「こないだの件の話だろ? 俺なんかしたっけ? 何か大事なもんぶち壊したとか?」
バードウェイ「そう……だな。うん。大事なことだ」
上条「霊装壊したとかなら謝るけど、できたら弁償はローンでお願いしたいな」
バードウェイ「いや、霊装とかじゃなくて……」
上条「やけに歯切れが悪いな? はっきり言ってくれないと俺もどうしたらいいのかわかんねえぞ」
バードウェイ「……だろ」ボソッ
上条「?」
バードウェイ「私の胸を見ただろっ!!!」
上条「え? えっ? 胸を見たって……パトリシアのアレの?」
バードウェイ「そうだっ!!」
上条「いや確かに見たけどあれはお前から見せてきたわけで俺に非はないんじゃ……」
上条「それにお前肌着見たいなやつ着てたし」
バードウェイ「あれはスリップといってランジェリーの一種だ」
バードウェイ「つまり、うら若き乙女の豊満な胸を下着越しに見たことにかわりはないだろう」
上条「いやいや流石にアレはノーカンだろ。あと自分で無理に誇張して言うのはあとあと恥ずかしくなるからやめた方がいいぞ」
バードウェイ「余計なお世話だ女たらし!」
バードウェイ「それに下着越しうんぬんで言えばお前は一度私の全裸を見ているわけだが、その辺りの弁明はどうする?」
上条「そんなことあったっけ?」
バードウェイ「覚えてすらないだと……っ!? いやそれとも見てきた女の裸の数が多すぎて記憶の奥底に埋もれたとかいうんじゃないだろうな!?」
上条「そんなに裸ばっか見てねえよ!」
バードウェイ「どの口が」
上条「……見てねえよ」
バードウェイ「………」
上条「………」
上条「俺たちが初めて会った時のことは置いといて、ツンデレドSのバードウェイちゃんは下着を見られた恥ずかしさのあまりつっけんどんな態度をとってたってことか」
バードウェイ「色々言いたいことはあるがやっぱり私の全裸を見たこと覚えてるじゃないかクソッタレ」
上条「いやほら、あれは事故だし」
バードウェイ「私の初体験を奪ったことも事故で片付ける気か?」
上条「それはあれだよな。お姫様抱っこの初体験ってことだよな」
バードウェイ「それ以外に何がある?」キョトン
上条「反応が素なのかワザとなのかわからねえ……!」
バードウェイ「ともかくだ。お前は私をキズモノにしてくれたんだ。責任はとってもらうぞ」
上条「キズモノってのは大袈裟な気がするけど、それでバードウェイが満足するなら」
バードウェイ「物分りが良くてなによりだ」
上条「でも出来ればあんまり重いのはやめろよ? 生身で核兵器すら凌ぐ兵器と戦えとか、毛髪で神すら蹴散らす怪物を相手にしろとか」
バードウェイ「お前は私をなんだと思ってるんだ」
上条「部下を捨て駒扱いにしたり信用したら痛い目を見させられたり傍若無人にやりたい放題だったり……」
バードウェイ「ろくな評価がねえ……っ! もういいからツラツラと悪評並べるのをやめろ! いくら私でも結構堪えるから!」
上条「まあ甘えたがりの裏返しだと思えば可愛いもんだけど」
バードウェイ「うぐっ! 最後にそうやって締めるからお前というやつは……///」ゴニョゴニョ
上条「それで、お前が求める責任の取り方ってのは? さっきも言ったけどあんまり重たい話は勘弁な」
バードウェイ「安心しろ。大した話じゃない」
上条「なら安心」
バードウェイ「私と結婚しろ」
上条「めちゃくちゃ重てえじゃねえか!!」
バードウェイ「ーーー冗談だ」
上条「だよな! あーよかった、本気かと思った!」
バードウェイ「なにもそこまで安堵しなくても……」ブツブツ
上条「今度こそ冗談はさておき、何をすれば満足するんだ?」
バードウェイ「逆に問おうか。どうすれば私は満足すると思う?」
上条「………俺も裸を見せる?」
バードウェイ「女の裸と男の裸が等価だと思っているなら早めに考えを改めておくべきだ」
上条「軽いジョークだからそんな凍てつくような眼で睨まないで。金髪ロリに蔑まれて喜ぶ趣味は持ち合わせてないんだ」
バードウェイ「女心をまともに理解できないどころか、世の男どもが羨む環境に身を置いていることも自覚できていないお前に尋ねても無駄か」
上条「言いたい放題言ってくれるなあ」
バードウェイ「とりあえず客人としてもてなして貰おうか。話はそれからだ」
上条「はいはい家主としての義務ですからね」
バードウェイ「素直でよろしい」
上条「いやー、もてなすとは言ったけどなにこの状況」
バードウェイ「何か不満でも?」
上条「コタツの魔力に縛られたバードウェイがミックスジュースを飲みながらあったまるってのはわかるよ?」
上条「わかるけどなんで俺の膝の上に座るわけ?」
バードウェイ「文句でもあるのか?」
上条「文句じゃねえけど、お前の定位置は空いてるんだからわざわざ一緒に座る必要ないだろ」
バードウェイ「……背中が寒いんだ」
上条「薄手の毛布掛けようか?」
バードウェイ「やはりお前は女心がどういうものかわからんか……」
上条「これでも気を使ってるつもりなんだけど」
バードウェイ「そういうことじゃないんだよ」
バードウェイ「」ゴクゴク
上条「………」
バードウェイ「おいおいなんだ急に黙り込んで。私の後ろ姿に見惚れたか?」
上条「……いや、バードウェイはすごいなと思って」
バードウェイ「本当になんだ急に」
上条「凄い努力家で、一生懸命で、小さいのにでっかい組織を率いて、慕われて、信用されて」
上条「そんな奴だってことは知ってたつもりだったけど」
上条「自分を犠牲にして妹のためにあそこまで身体張ってる姿を見ると、改めて考えちゃってさ」
バードウェイ「最愛の妹のためだ。それくらい当然のこと」
バードウェイ「というか自身を犠牲に他者を助けることに関してお前に言われたくないんだが?」ジトッ
上条「うっ……」
バードウェイ「そ・れ・と、小さいは余計だっ」ギューッ
上条「いでででで! 太ももつねるなっ!」
上条「……まあ何が言いたいかっていうとさ」ヒリヒリ
上条「一人で頑張るのはいいけど、俺くらいには立場とか責任とか忘れて、素直に子供らしく甘えてくれていいんだぜ、ってこと」ナデナデ
バードウェイ「ーーーっ///」
上条「ジュースがもう空っぽだな。おかわりでも飲むか?」
バードウェイ「あ、あぁ。……頼む」
上条「はいよ」スクッ
バードウェイ「お前という男は本当に……」
バードウェイ「そんな風に言われたら」
バードウェイ「そんな風に言われたら………」
上条「はい、バードウェイ」コトッ
バードウェイ「………」
上条「バードウェイ……?」
バードウェイ「おい」
上条「どうした?」
バードウェイ「さっき言ったことはきちんと責任持ってこたえるんだろうな」
上条「えぇーと……?」
バードウェイ「甘えていいと言ったことだ」
上条「………当然だろ」
上条「我儘も自分勝手も気にしないで、好きなように思った通りに頼ってすがって甘えこい」ナデナデ
バードウェイ「………っ///」
バードウェイ「……じゃあ、その、よろしく頼む」
バードウェイ「おに、いちゃん……///」
上条「…………そのパターンは予想外だった」
バードウェイ「だから女心の理解っ!!」
終わり
お付き合いいただきありがとうございます
鳥道可愛いよSS増えろ
それではおやすみなさい
このSSまとめへのコメント
鳥道ワロタ
こういうの好きだ!
他にも似たようなの読みたい。
誰かできれば教えてクレメンス。
いい!
バードウェイのSS増えて欲しいよねー