使い魔「(マスター…大好きですよ)」(166)


  ∧,,∧
 ( `・ω・) ようこそid腹筋スレへ!
 / ∽ |
 しー-j

ここはsageずに書き込み、出たidの数字の回数だけ腹筋をするという、
硬派なトレーニングスレです。

例1 id:wwh7km12 の場合 7+12=19 なので19回頑張りましょう。
例2 id:bicycle. の場合 数字がないので今日は一休み。

さあ、存分に腹筋するがよい。(`・ω・´) ↓


男「これは理不尽、許せない」

使い魔「何がでしょうかマスター」

男「ssかと思って開いたら腹筋スレだった」

使い魔「そうですか」

男「こう言うのは見るだけで書き込まずに踏み倒すのが俺の主義。さて別スレはーーー」

使い魔「(あわわわわ! マスターもそこの住人だったんですか!? うわーうわー!)」

使い魔「(書き込まれたらid同じだからバレるところでした!)」

使い魔「(腹筋して落ち着きましょう……)」ハァ

みたいな感じで誰かオナシャス

使い魔「マ、マスター!」

男「ん?どうした、使い魔」

使い魔「あ、え、えっと…きょ、今日は冷えるので温かいスープにしますね!」

男「そうだな…いつもありがとうな」ナデナデ

使い魔「(マスター…大好きですよ)」

さて、腹筋何回かな。

トントン
男「使い魔、いる?」

使い魔「ひゃぁ!」

男「?」

使い魔「あ、い、いますよ!どうかされましたか?」

男「薪がもうないんだが、別のところにストックはあったかな?」

使い魔「いえー…今の分が確か最後だったかと」

男「そうか、ありがとう。じゃあちょっと買い出しに行ってくるよ。」

使い魔「あ、そ、それなら私が…!」

男「いやいや、これくらいなら大丈夫だから、家でゆっくりしてな」

使い魔「い、いえ!ちょっと私も買いたいものがあるので!」

男「?、そうか、じゃあ準備して待ってるな」

使い魔「は、はい!」


使い魔「♪~♪~」

使い魔「♪~♪~」

男「ご機嫌だなぁ」

使い魔「ハッ!い、いえ!そういうわけではっ!」

男「えー…俺と出かけるのつまらない?不満?」

使い魔「えっ、い、いやっ!そ、そういうつもりではっ…!」ブンブン

男「(可愛いなぁ)」

薪売り「じゃあ明日の午前中には届くようにしておきますぜ!」

男「よろしくお願いします。今日使う分だけいただいていきますね。」

薪売り「おうよ!また頼むぜ!」

……

使い魔「持ちましょうか?」

男「いや、これくらいなら大丈夫だよ、ありがとね」ナデナデ

使い魔「///」

男「じゃあ…」

使い魔「?」

男「使い魔が買いたいもの、買いに行こうか」

使い魔「…あっ」

男「ん?行かないの?」

使い魔「あ…いやっ…えっと…」

男「?」

使い魔「わ…私何買おうとしてたんでしたっけ…?」

男「それは俺に聞かれても…」

男「思い出せそう?」

使い魔「残念ながr」

男「ナデナデしたら思い出せる?」ナデナデ

使い魔「ひゃっ…はふっ…」

男「…思い出せないみたいね」パッ

使い魔「あっ…」

男「ん?」ニコニコ

使い魔「い、な…なんでもないです」

男「(可愛いなぁ)」ナデナデ

使い魔「あふっ…」

使い魔「はふぅ…んっ…」

男「じゃあそろそろ帰ろうか」ナデナデ

使い魔「ひゃい…あっはい!」

男「大丈夫?」

使い魔「だ、大丈夫です!か、帰りましょう!」

男「ん」

……

コトコトコトコト
使い魔「(ニンジンが…ないんだった…)」

男「…」モグモグ

使い魔「…お味のほうは…」

男「ん、美味しいよ。いつもありがとうね。」

使い魔「あ、いえ…」

男「…ニンジンはまた今度買いに行こう」

使い魔「!」

男「一緒にね。」ナデナデ

使い魔「は、はい!」

使い魔「(マスター、大好きですよ)」

男「ん…これでいいかな…」ゴシゴシ

使い魔「あ、マスター、お風呂沸きました。」

男「お、ありがとう。一緒に入る?」

使い魔「いえい…えっ?」

男「…」ナデナデ

使い魔「あっ…はふっ…」

男「(ナデナデ)…一緒に入ろっか」

使い魔「んっ…ひゃぃ…」

男「よし、決まり、じゃあ待ってるね」パッ

使い魔「あっ…ま、今のはちがっ…マスター!」

支援

男「ふぅ…」ゴシゴシ
ガララッ
使い魔「し、失礼します…」

男「どうぞどうぞ」

使い魔「あ、マスター、お、お背中お流ししますね。」タタタッ

男「あ、悪いね、おねg」

ズルッ
使い魔「あっ!」
男「つ、使い魔!」

ビタンッ
男「つ、使い魔!大丈夫かっ!」
使い魔「み、見ちゃだめですー、み、みないでくださーい!」ヒーン

男「だ、大丈夫そうだね…」

使い魔「み、見ましたよね…」

男「うん、見た。バッチリ。」

使い魔「そ、こ、こういうときは嘘でも見なかったって…!」

男「はいはい、見てない見てない。だから安心して。」

使い魔「むー」

男「はいはい、ふくれないふくれない」ナデナデ

使い魔「(お嫁にいけない…)」ジーッ

男「頭ぶつけなくてよかったよ」ナデナデ

使い魔「…痛かったです。」

男「よしよし、イタイイタイのとんでけー」ギュー

使い魔「うにゅぅ…」

使い魔「恥ずかしいところ見られた心が痛いです…」

男「あと大事なところ?」

使い魔「そ、そういうのはデリカシーがないと思います!」

男「ごめんごめん」ナデナデ

使い魔「はふっ…そ、そうやってナデナデとかギューで誤魔化すのは…」

男「…」ナデリナデリ

使い魔「あふっ…ず、ずるいと思います!」

男「ナデナデいや?」ピタッ

使い魔「あっ…い、いや、そういうわけじゃ…」

男「じゃあいいね?」ナデナデ

使い魔「はふぅ…」

男「じゃあ、そろそろタオル巻こうか、目のやりどころに困っちゃうから」パッ

使い魔「えっ…ひゃ、ひゃぁ!」

男「そろそろ機嫌を治してほしいなぁ?」

使い魔「…」ツーン

男「デリカシーがなかったのは認めるし悪かったと思ってるよ」ギュッ

使い魔「…」ツーン

男「どうしたら許してくれるかな―?」

使い魔「…腕枕」ボソッ

男「ん?」

使い魔「腕枕で手を打ちます」ボソボソ

男「…仰せのままに。お姫様」

使い魔「…♪」ギュッ

使い魔「あ、あのマスター」

男「ん?」

使い魔「さ、さっきのなんですが…」

男「あぁ、腕枕?ほら、おいで」ポンポン

使い魔「い、いや…あの…」

男「…おいで?」ポンポン

使い魔「///」タタタッ

使い魔「ま、マスター」

男「ん?」

使い魔「腕、痛くないですか?」

男「大丈夫だよ、気にせずお休み。」

使い魔「は、はい」ギュッ

男「おやすみ、また明日。」ナデナデ

使い魔「はふっ…お、おやすみです」

男「…」ナデナデ

男「寝ちゃったかな…」

使い魔「…」スースー

男「大丈夫、捨てたりなんてしない」ギュッ

使い魔「…んぅ…」スー

男「だから…」

使い魔「…マスター…」

男「安心してお休み」

使い魔「…んむ…」

使い魔「ふぁっ…あ、あれ」

男「あ、起きたかな?」

使い魔「はっ!ま、マスター!お、おはようございます!すぐに朝食の」ガタタッ

男「もう準備できてるよ、準備できたらおいで」

使い魔「あ…申し訳ありません…」シュン

男「ほらほら、冷めちゃうから早くおいで、待ってるからね」

使い魔「あ、は、はい」

使い魔「…」モグモグ

男「…」モグモグ

使い魔「…」ピタッ

男「…気にしすぎだよ」

使い魔「(ビクッ)!ど、どうして…」

男「今年で何年目だっけ?」

使い魔「…6年」

男「…早いものだね。少なくとも誰よりも近くで君を見てきた」

使い魔「…」

男「…仕方ないね、じゃあ罰として」

使い魔「!」ビクッ

男「朝食の後片付け、あと夕飯、期待してるね。」

使い魔「…!は、はい!」

男「じゃあ、食べちゃおうか、冷めないうちにね」ナデナデ

使い魔「は、はひ」

使い魔「…」カチャカチャ

男「じゃあ書斎にいるからね」

使い魔「あ、はい。後ほど飲み物をお持ちしますね」

男「ん、悪いね。ありがとう」ギュッ

使い魔「ひゃぁん!」

男「じゃあ、頑張ってね」ナデナデ

使い魔「ふぁ…」

男「(だいぶ定着してきたな…)」

トントン
使い魔「マスター、いらっしゃいますか?」

男「どうぞ、開いてるよ」パタン
ガチャッ
使い魔「失礼します、お茶が入りましたので。」

男「ん、いただくよ」ガサガサ

使い魔「?今仕舞われた本は?」

男「ん?趣味の本だよ」

使い魔「趣味…ですか…?」

男「そ、趣味の本」

使い魔「…」

男「…世の男性はいろいろな趣味嗜好を持っているんだよ」

使い魔「…マスターの使い魔として知っておきたいような気はしますが…」

男「それはいずれね。お茶、ありがとうね。」

使い魔「では、失礼します。」

男「あ、ちょっと待って」

使い魔「あ、は、ひゃわわっ!」ナデラレナデラレ

男「お疲れ様、頑張ってね。」

使い魔「!」ピクッ

男「…」ナデナデ

使い魔「…」

男「…」ニコニコ

使い魔「…失礼しました。」
ガチャ…バタン
男「ふふふ、修行してることなんて精気の減り方ですぐわかるのに」

男「使い魔らしいと言えば使い魔らしいね」

男「さて、僕も頑張らないとね」ガサガサ

本:契約破棄の条件とその代償

男「僕のためにも…」

やばい、今日の腹筋ノルマ多いじゃん

どれどれ

すいませんが借りますよ


使い魔「いらっしゃいませ、ひどい雨ですね、タオルをどうぞ」

使い魔「ありゃりゃ、立派なおひげもびしょ濡れですよ」

使い魔「はい? ええ、たしかにここは喫茶店です」

使い魔「こんな山奥の森の中に喫茶店なんて珍しい……ですか? わたしもそう思います」

使い魔「お食事とお飲み物……ですか? ええと、サンドイッチとミルクティーでお代はこちらになります」

使い魔「高いですか? べつに良いんですよ? このあたり10キロ四方、ふもとの街まで、お店はおろか、山小屋もないんですから」

使い魔「そうそう、わかればよろしいのですお客様……えへへ」

使い魔「それでは、少し待っててください。カウンターの中で調理しますので、そちらのテーブル席にどうぞ」

使い魔「……~♪ あ、そうだ。サンドイッチのハムは、厚切り1枚をドカンとはさむのと、薄切り何枚も重ねてふんわりはさむのどちらがお好みですか?」

使い魔「はい、野菜はレタスとトマト、溶かしたチーズと、よろしければピクルスも……え? あはは、切る手間のぶん、ハムを惜しんだりしませんよ」

使い魔「レタスが入ってるなら、薄切りを重ねて……ですか? ふふふ、お目が高い。それなら、コショーもたっぷりですよね。お任せください。少し待っててくださいね」

使い魔「……~♪ ハムを切って♪ しゃきしゃきレタスにぴちぴちトマト♪ バターたっぷりチーズもたくさん♪ ピクルス、コショーも忘れるな♪」

使い魔「……はい? えへへ、わたし、お料理するとき歌っちゃうんです」

使い魔「かわいい……ですか? えへへ、ハム、いちまいおまけしちゃいます」

使い魔「お湯も沸きましたね。ミルクティー♪ ミルクティー♪ 牛乳たっぷりミルクティー♪」

使い魔「お待たせいたしました。サンドイッチとミルクティーでございます」

使い魔「あれ、どうしました? 思ったよりも豪華……ですか? 当然です。お客様にお出しするんですから。さあ、めしあがれ」

使い魔「……」じー

使い魔「……え? 見られていると食べにくい? えへへ、すみません。お客様は本当に久しぶりなものでして」

使い魔「よろしければ、ご同席をおゆるしいただけますか?」

使い魔「えへへ、ありがとうございます。しつれいします……よいしょ」

使い魔「さあ、召し上がれ」

使い魔「……」じー

使い魔「おいしい……ですか? ありがとうございます」

使い魔「そんな……えへへ、お褒めのお言葉、いたみいります」

使い魔「ミルクティーもどうぞ、今朝しぼった牛乳たっぷり入れて……」

使い魔「……はい? ええ、うちで飼ってる牛さんです。イノシシのハムもお肉から自家製ですし、今はお出ししてませんが、毎日卵を産むニワトリもいます」

使い魔「お野菜? もちろん、裏の畑で取れたてのレタスとトマトです。納屋にはジャガイモと……少ないですけど小麦も。そのパンの小麦もわたしが育てたんですよ?」

使い魔「おいしいはずだ……ですか? えへへ、ありがとうございます」

使い魔「じつはですね、そちらのハムやチーズは月にいちど、街まで売りに行くんです。街ではとても評判で、遠くの国の王様が召し上がることも……あるとかないとか……えへへ」

使い魔「ふぇ? ええ、ここはわたしひとりのひとり暮らしです」

使い魔「女の子ひとりでこんな山の中でやっていけるのか……って?」

使い魔「お客様、もう気づかれていますよね? 髪の色、目の色……」

使い魔「はい。わたし、人間じゃありません」

使い魔「こういう目。やっぱり怖いですよね?」

使い魔「……はい? 全然怖くない、むしろかわいい……ですか?」

使い魔「ちょっと待っててください……よいしょ」

使い魔「……えっと、ああ、あった」

使い魔「……はい、どうぞ。きのう焼いたクッキーです」

使い魔「え? もちろんおまけです。ほめても何も出ないと言いますけど、わたしはほめるといろいろ出しますので、どうぞおほめ下さいませ。えへへ」

使い魔「本当に人間じゃないのか……ですって? 証拠、見ます?」

使い魔「へえ、見たいんですか……それなら……」

使い魔「いないいない……」

使い魔「ばあっ!」

使い魔「おわっとっと! そんなに驚かないで下さい、危うくイスごとひっくり返るところですよ」

使い魔「ちょっと顔をオオカミに戻したくらいでそんなに驚くなんて……えへへ、でも信じてくれました?」

使い魔「そんなに怖がらないでくださいよ、見たいっておっしゃったのはお客様ですよ?」

使い魔「お客様を食べるつもりなら、お料理なんて出さないで、ぺろりと丸呑みにしちゃいますって」

使い魔「そんなに怖がらないで下さいよ、ほら、こわくないこわくない……」

使い魔「……え? 顔が元に戻っていない? コレは失礼」

使い魔「はい、どうですか?」

使い魔「かわいい……ですか。はい、マドレーヌどうぞ、召し上がって下さい」

使い魔「太らせて食べようなんて考えてませんって」

使い魔「太った人間って、脂っこくってあんまり美味しくないんですよ?」

使い魔「……失礼。コホン」

使い魔「おいしい……ですか。ありがとうございます」

使い魔「はい。わたしはここにひとりで暮らしています」

使い魔「いつから……ええと、時間のことはあまり考えたくありません」

使い魔「いつからとおっしゃるなら、そう、先の大戦が終わってすぐ、わたしはここに住み始めました」

使い魔「ええ。もちろんこの国が戦った方の戦争ですから、かれこれ300年はまえになりますね」

使い魔「343年……ですか。もう、そんなに経ってしまいましたか」

使い魔「平和ですね」

使い魔「平和ですよ。少なくとも、この国で人殺しや大きな盗みはここのところ起きていないでしょう?」

使い魔「なぜ、こんな所に住んでいるのか……ですか」

使い魔「ミルクティーでお体があたたまるまで、古いお話でもいたしましょうか」

使い魔「ええと……わたしは、いまこそ主に仕えてこんな給仕の格好をしていますが、もともとは野のケモノでした」

使い魔「はい。お察しの通りオオカミです」

使い魔「化けるオオカミ、先の大戦のまえまでは、そこら中にしゃべるケモノや道具たちであふれていたものです」

使い魔「生まれたばかりのころ、わたしは単なるオオカミでしたが、どういうわけか年齢を重ねても衰えることがなかったのです」

使い魔「身体は若くて丈夫なまま、歳と知恵ばかりを蓄えて、少しばかりの魔法を使うようにもなりました」

使い魔「身体は小さいままでしたが、病にもケガにも悩まされず、わたしはこのあたりの森の主になりました」

使い魔「たくさんの手下たちを引き連れて、人間を寄せ付けることもありませんでした」

使い魔「本当に、こわいものなどありませんでした」

使い魔「この近くの小さな街……いまは少し大きくなっていますが、あの街を治めていた王様も、わたしたちには毎年の供え物を欠かしませんでした」

使い魔「わたしたちは、決して多くのものを望みませんでした」

使い魔「街のブタやヒツジは、肉が軟らかくても味が薄くって、山のイノシシやシカで舌の肥えたわたしたちには、たいしたごちそうにはならなかったんです」

使い魔「それでも、毎年の贈り物は嬉しく、わたしたちは山に入った人間が、十分な量の薬草を採れるように道案内をしたり、山のケモノが畑に出て行ったりしないように気をつけていました」

使い魔「いつからでしたか……人間が銃を使うようになったのは」

使い魔「それまでの魔法は、習得するのにとても時間のかかるもので、ほんの一握りの人間しか使う者はありませんでした」

使い魔「でも、鉄砲は違います」

使い魔「最初は兵士が持つようになりました」

使い魔「わたしたちは、親しくしていた近くの街が強くなれば、他の街に攻撃されないだろうとよろこびました」

使い魔「次に、ヒツジ飼いや農夫が銃を持つようになりました」

使い魔「わたしたちは、山のケモノの不心得者たちが、人間の食料に手を出さないようになるだろうと、納得しました」

使い魔「さいごに、猟師が銃を持つようになりました」

使い魔「わたしたちは不思議に思いました。どうして人間が狩りに銃を使うのか、わからなかったのです」

使い魔「わたしたちが人間たちの掘った落とし穴に、シカやイノシシを追い込めば、弓矢すら使わずに人間は山の幸を得ることが出来ましたから」

使い魔「それでも、大きなイノシシやクマに突然襲われたら、身を守るために銃が必要なんだと人間たちが言うので、わたしは疑うことなく山に銃を持ち込むのを許しました」

使い魔「許してしまいました」

使い魔「山でときたま、銃声が響くようになりました」

使い魔「人間たちは、キジやカモを捕るのに銃を使うんだと言いました」

使い魔「わたしはそれを信じていましたが、やがて、あることに気づきました」

使い魔「銃声が響くたび、人間の案内に出ていたわたしたちの仲間が、帰ってこないのです」

使い魔「わたしは不審に思って、山にやって来た猟師の案内を、久しぶりに自分でやることにしました」

使い魔「薬草を摘み、木の実を採って、何羽かのカモを撃ち、わたしはそのまま山の入り口まで猟師を送りました」

使い魔「猟師は始終にこやかでしたが、山の出入り口でわたしに銃口を向けました」

使い魔「いまでこそ、こんな少女の姿をしていますが、わたしはそのころすでに400年は生きた老オオカミでした」

使い魔「当然、銃の働きもよく知っていますから、火縄を食いちぎり、銃を遠くへ放り投げ、山刀で斬りかかってくる猟師を牙で噛み伏せて、街まで引きずってゆきました」

使い魔「街に入って猟師を放り投げ、市に並ぶ仲間たちの毛皮を見ました」

使い魔「全身の毛が逆立ったのを良く覚えています。あれほどの怒りを覚えたのは……大戦中もありませんでした」

使い魔「わたしは王の城へ行き、仲間を殺した是非を問いただそうとしました」

使い魔「しかし……王は護衛の兵士たちの銃を、一斉に撃たせました」

使い魔「広間いっぱいに並んだ兵士たちが、1度に銃を撃ったのですから、まるでカミナリのような音がして、わたしは全身に弾を受け、その場に倒れました」

使い魔「それでも、わたしは死にませんでした」

使い魔「銃弾はわたしの皮を裂き、肉をえぐって血を噴き出させても、骨までは砕けなかったのです」

使い魔「わたしの毛皮はズタズタに裂け、どう見ても死んでいるのに、心臓は動き続けます」

使い魔「それを見て、王はわたしを物見櫓の猛獣用の檻に閉じ込めました」

使い魔「ごはんももらえず、水も無く、しかしわたしは治癒の魔法を使って、半日後には身体を元通りにしていました」

使い魔「でも鉄の檻は硬く、おそらく何かの術がかけられていたのでしょうが、破ることが出来ません」

使い魔「2日、3日が経って、城のそとが騒がしくなりました」

使い魔「山の仲間たちがわたしを助けに総勢で攻め込んできたのです」

使い魔「騒ぎは朝に始まって、夜を通り過ぎ、次の日の朝に終わりました」

使い魔「ですが、誰もわたしの檻にやってきません」

使い魔「山の仲間の攻撃は、失敗に終わったようでした」

使い魔「仲間たちがどうなったのか、わたしは不安で仕方ありません」

使い魔「確かめるすべも、檻を破ることも出来ません」

使い魔「そこでわたしは、年頃の若い娘……ちょうど、いまのこの姿ですね。コレに化けました」

使い魔「人の姿をとっているときに……はだかは恥ずかしいのですが、背に腹は替えられません」

使い魔「見張りにやって来た兵士を……その……ぃゃらしぃ……格好で誘惑して、カギを開けさせました」

使い魔「カギが開いた瞬間、わたしはオオカミに戻って、兵士を突き飛ばし、風のように駆けました」

使い魔「城を走り抜け、街の通りを、門を突き抜けて森の奥へ、わたしの領地へと急ぎました」

使い魔「……ちょうど、ここです。このお店のある場所が、わたしの縄張りの真ん中でした」

使い魔「子供を育てるほらあなと、みんなで集まる枯れ草のベッドを敷き詰めた集会場、すばらしい集落でした」

使い魔「……戻ったわたしが見たのは、皮をはがされ殺されたわたしの仲間たちでした」

使い魔「子供も、女も関係なく、みな……皮をはがれて殺されていました」

使い魔「血だらけの肉の塊になった、誰が誰だかわからない死体には、銃痕がいくつも残っていました」

使い魔「わたしは大きな声で遠吠えをしました」

使い魔「いつもなら仲間が返してくれるはずなのに、わたしの遠吠えは、朝焼けの空に吸い込まれただけでした」

使い魔「人間たちは、わたしの仲間を殺しつくしていました」

使い魔「わたしの首をはねず、生かしていたのは、仲間たちに助けに来させるためのおとりだったんです」

使い魔「もう、人間はわたしの友人ではなくなりました」

使い魔「仲間たちの亡骸を埋めたあと、わたしはこの場所にとどまり続けました」

使い魔「とどまって、この森に人間が入り込まないように、入り込んだ人間を食い殺して長いこと過ごしました」

使い魔「猟師はもちろん。ヒツジ飼いも、薬草摘みの母子も、首をかみ砕き、肝を引きずり出して、森の入り口に亡骸をさらしました」

使い魔「いつしか、ここは人食いオオカミの森と呼ばれ、人間は誰も近づかなくなりました」

使い魔「……ふぅ」

使い魔「真面目に聞いて下さいますね」

使い魔「このお店のある広場の入り口、大きな樫の木の根元に、わたしの仲間は眠っています」

使い魔「仲間をうずめて、木の苗を植えて……あんなに大木になりましたから、それだけ昔のことなのです」

使い魔「……ミルクティー、飲んじゃいましたね。ポットでもう一回作りましょう」

使い魔「えへへ……もちろん、サービスです。お時間は大丈夫ですか?」

使い魔「……そうですか。それではもうすこし、おつきあい下さいませ」

使い魔「人間たちは、わたしを始末しようと、森に猟師を送り込みました」

使い魔「わたしはその猟師たちをひとり残らず食い殺しました」

使い魔「次いで、高名な術士の一団がこの森にやって来ました」

使い魔「炎や雪の魔法を使う、修行を重ねた術士たちでしたが、街には彼らの首しか帰しませんでした」

使い魔「人間を、魔法を使う人間たちを食べるようになってから、わたしの魔法の力はすばらしく強くなりました」

使い魔「銃を持つ軍隊も、魔法使いたちも、この森には手出しできませんでした」

使い魔「やがて、戦争が始まりました」

使い魔「銃を使う戦争は、それまでの小競り合いのような戦いではなく、世界中に争いを広げました」

使い魔「城壁を積み上げるため、この森の石を狙って、たくさんの人間が街からやってきましたが、わたしはやはりひとりも逃しませんでした」

使い魔「しばらく経って、街は、なだれ込んできた敵の軍に攻め落とされました」

使い魔「戦火から逃れて、森に逃げ込んだ人間たちが、洞穴に身を寄せて隠れていました」

使い魔「女子供に老人ばかり、まっとうな男は片手に余るくらいしか居ませんでした」

使い魔「洞窟の入り口で牙を剥くわたしを見て、街の人間たちは震え上がりました」

使い魔「人間たちは銃を持っていませんでしたが、わずかに魔法のにおいを持つ少年がいました」

使い魔「いまにも飛びかかろうとしたわたしに向かって、その少年は歩み出てひれ伏しました」

使い魔「顔を伏せたまま、少年はわたしに語りかけました」

使い魔「自分たちの仲間も殺された。これは森のオオカミに人間がしたことの報いだと」

使い魔「わたしは洞窟の壁が揺れるほどに笑いました。周りの木々の葉もビリビリ震えました」

使い魔「報いだと、まったくの因果応報だとわたしはその少年に答えました」

使い魔「少年は涙を浮かべ、わたしよりその少年のほうがすぐれた群れの頭だと言いました」

使い魔「もちろんわたしはその言葉を笑い飛ばしました。でも少年は言うんです」

使い魔「わたしは……仲間を守れたのかと」

使い魔「言い返す言葉もありませんでした」

使い魔「わたしがその場で洞窟の人間たちを食い殺してしまえば、生き残りなんて居なくなります」

使い魔「でも、そんなことをしないだけの分別と、少年の言葉を噛みしめる理性を、わたしは十分に持ち合わせていました」

使い魔「そして少年は言いました」

使い魔「おまえは、幸せなのか? ……と」

使い魔「そのころのわたしは、森にやってくる人間を始末することばかり考え、毛づくろいも欠かしていましたから、自慢だったふわふわの毛並みは汚れ、ぐちゃぐちゃに乱れていました」

使い魔「少年は言いました。私はおまえに嘘はつかない。もし嘘をついたならのどを噛み裂くがいい。そして私を傷つけないなら、おまえに幸せな昼と安らかな夜を与えよう……と」

使い魔「魔法を使うとは言っても、まだまだ未熟な少年でしたが、目の輝きには不思議な力がありました」

使い魔「そのころのわたしは……本当に疲れ果てていました」

使い魔「終わらない復讐に、わたし自身、嫌気がさしていたのです」

使い魔「少年の言葉は、わたしの求めていた安らぎに満ちていました」

使い魔「少年はその細い首をわたしの鼻先に差し出して、目をつむったままわたしの汚れた毛皮を撫でました」

使い魔「もし嘘をついたならこの首を食いちぎってやろう……と、わたしは答えましたが、もう、その少年や洞窟の人間たちを傷つけるつもりはありませんでした」

使い魔「傷ついた仲間をさらに殺すようなことは……わたしには出来ませんでした」

使い魔「わたしはこの店のある広場に人間たちを招き、森の木の実や獣の肉をあげました」

使い魔「たき火をし、腹を満たした人間たちに、この森は安全だとわたしが言うと、彼らは身を寄せ合って眠りにつきました」

使い魔「人間たちが寝静まった夜遅く、少年がわたしの寝床にやって来ました」

使い魔「少年は深く礼をくりかえし、ついで自分の身の上を話しました」

使い魔「少年は、街の王子でした」

使い魔「わたしを撃ち、森の仲間を皆殺しにした王のひ孫にあたる少年は、街が攻められて、わずかな民を連れてこの森に逃げ込んだと言いました」

使い魔「仲間を殺されたということで、少年とわたしは似たもの同士だったのかもしれません」

使い魔「それに、少しとはいえ、仲間を助け出せたのなら、わたしよりも優れた群れの頭だと、わたしは答えました」

使い魔「少年は、自分の無力と胸に燃える復讐心を正直に打ち明けました」

使い魔「街を壊す敵を、追い出したい……いや、殺しつくしてやりたいとすら少年は言いました」

使い魔「小さな王子の肩は、復讐心で押しつぶされそうでした」

使い魔「生きることに飽いていたわたしは、その復讐を肩代わりしてやろうかと持ちかけました」

使い魔「少年は首を振って、街を取り戻すのは自分の役目だと言い切りました」

使い魔「でも……力をかして欲しいとも言いました」

使い魔「誰も憎んだことの無い、まっすぐに育てられた王族の少年が、やさしさと憎しみに葛藤している様子はあまりに……人間、でした」

使い魔「その姿が可愛らしく……わたしは力を貸すことにしました」

使い魔「わたしは涙を流す少年のほほを、ぺろってなめました」

使い魔「人間の肌をなめるのははじめてでしたけど、わたしたちの赤ちゃんのおなかと同じ、やわらかなお肉でした」

使い魔「少年がわたしの首に腕を回し、汚れるのもかまわずに泣きついてきました」

使い魔「守るべき民、と少年は言いましたが、仲間の人間たちのまえでは涙を流せなかったのでしょう」

使い魔「ないて、ないて……ずっとないて」

使い魔「わたしの胸の毛がびしょびしょになって、涙が涸れ果てて、ようやく少年は顔を上げました」

使い魔「そして、わたしは気づきました」

使い魔「少年がしなやかで強い心を持ちながら、力はとても弱いことに」

使い魔「そのころの少年はたぶん、心の強さではすでにわたしを上回っていたと思います」

使い魔「住み慣れた街を追われ、人食いオオカミの森に逃げ込んで、そのオオカミと対峙しても仲間のために命を張って立ち向かう……」

使い魔「わたしは復讐に埋もれていた自分が……恥ずかしくなったんです」

使い魔「少年は、簡単な術を覚えたばかりの、見習いの魔法使いでもありました」

使い魔「小さな火をおこしたり、毒の実を見分ける術を知っていました」

使い魔「でも、まだまだ力は足りませんし、いつ街の敵が攻めてくるかもわかりません」

使い魔「だからわたしは、その少年の使い魔になろうと決心しました」

使い魔「使い魔になれば、マスターの身体にわたしの力を分け与えたり、魔法の力を貸し借りできるんです」

使い魔「嘘はつかないこと、いつかわたしに幸せな昼と安らかな夜を与えることを条件に、わたしたちは契約を交わしました」

使い魔「森から出て、わたしとマスターは街の敵軍に襲いかかりました」

使い魔「まあ、そのときのマスターはわたしの背中にしがみついていただけで、とくに活躍はしなかったのですが」

使い魔「わたしは思う存分魔法を使い、街の敵軍を追い払いました」

使い魔「街はひどく壊されていましたが、街の人間たちは城の牢に捕らえられていて、マスターの民はほとんどが無事でした」

使い魔「牢から解放された街の人間たちは、すぐに街の守りを固めました」

使い魔「マスターに付き添うわたしを見て、捕らえられていた人間たちはひどく怖がりましたが、マスターがきちんと説明して下さったので、銃で撃たれるようなことはありませんでした」

使い魔「それに、街を開放したのがわたしだったと知れ渡ると、町中から贈り物が……敵軍に持ち去られて物が少ないのに、その中から良い物を選んで贈り物を持ってきてくれました」

使い魔「解放を祝って、ささやかな宴が持たれ、わたしはそこで火を通した肉や野菜の料理をはじめて味わいました」

使い魔「お酒もふるまわれましたが、今になるまで、お酒はおいしいと思ったことがありません」

使い魔「そして、わたしの力を知った街の兵士たちは、魔法を教えてくれと宴の席で頼んできました」

使い魔「わたしは、どちらでも良かったし、マスターは兵士たちには銃の扱いに専念して欲しかったそうなのですが、銃の扱いをいっそう練習するので魔法を教えて欲しいと兵士たちが重ねて頼むのです」

使い魔「とうとうマスターも折れまして、その次の日から、わたしを先生にお城の中で魔法の授業をすることとなりました」

使い魔「お城に居るときや魔法の授業をするときは、わたしは人の姿をとるように心がけました」

使い魔「馬よりも大きなオオカミの姿は、人間には恐ろしいものに違いありませんし、声だって、オオカミのがらがら声より、人間の女の子のほうが聞きやすいでしょう?」

使い魔「え、かわいい声……ですか? えへへ……ちょっとおまちを……はい、クッキーのおかわりどうぞ」

使い魔「それで、お城で魔法の教室をしているときは、わたしは人間の女の子の格好……つまり、今のこの姿をとるようにしていました」

使い魔「かなり長いこと、お城で魔法の教室をしていましたから、オオカミの姿よりも人間でいることの方が多くなりました」

使い魔「ひと月が経つ頃には、オオカミでいるよりも人間でいる方が楽になったくらいです」

使い魔「お城の中は人間のために作られているでしょう?」

使い魔「だから、お城の中で生活するには人間の姿のほうが都合が良いんです」

使い魔「街の兵士たちは、とても良い生徒でした」

使い魔「火の魔法も風の魔法も、ひと月めが終わるころにはみんな覚えていました」

使い魔「マスターは兵士たちよりも早く、たくさんの魔法を覚えました」

使い魔「はい? ……いいえ、マスターは魔法の勉強だけをしていたわけではありません」

使い魔「マスターのお父様も、お母様も、兄君も妹君も、みな敵の兵に殺されていましたから、街の政治はマスターの肩にかかってしまいました」

使い魔「たくさんのお仕事を終えて、その合間に、ようやく魔法の勉強をするんです」

使い魔「毎日よれよれになってまで魔法の勉強をするマスターをお手伝いできないかと、わたしは人間の文字と算数、街の法律を勉強しました」

使い魔「ひと月経つ頃には、わたしは人間の文字と算数、学校で習う一通りのことは済ませまして、マスターのお仕事をお手伝いできるようになりました」

使い魔「さっきから、ひと月ひと月と、繰り返していますね」

使い魔「街を開放してからひと月経ったころ、敵の軍隊が攻めてきたんです」

使い魔「街の外壁をぐるっと囲む大軍に、最新の大砲と鉄砲が山盛り」

使い魔「……でも、わたしたちは戦いました」

使い魔「男たちは銃の弾に魔法を込めて撃ちました」

使い魔「魔法の込められた鉄砲の弾は、大砲よりも遠くに飛び、狙い澄ましたとおりに当たります」

使い魔「女たちはケガをした兵士を治癒の魔法で手当てしました」

使い魔「鉄砲や刀の傷も、魔法で作った包帯を巻けば、半日としないで治りました」

使い魔「わたしとマスターは城壁のそとに出て、魔法と銃で戦いました」

使い魔「敵の数は多く、武器も優れていましたが、わたしたちは魔法を使って良く戦いました」

使い魔「多くの仲間が死に、もっとたくさんの敵を殺し、追い返し……また敵が街にやって来てを繰り返しました」

使い魔「……え? えへへ、そうです。あの街の魔法騎士団を作ったのは、わたしなんです」

使い魔「今もオオカミの紋章を付けているでしょう?」

使い魔「あの頃の事情を知る子たちは、もう騎士団に残っていませんけど……」

使い魔「オオカミになって騎士を乗せて戦う悪魔の少女と、炎と氷の魔法騎士……ご存じでしたか」

使い魔「どうしてわたしがこんな山のなかにいるのか……ですか?」

使い魔「……」

使い魔「戦いは続きました。お母さんのおっぱいを飲んでいた赤ちゃんが大人になって、子供を産んで、その子供が銃を持って戦うようになるまで、街はたびたび戦争に巻き込まれました」

使い魔「あったころには少年だったマスターも、そのころには立派な騎士になっていました。わたしより魔法も力も強く、鎧を着て戦いに立てば、一人で大軍の敵をひるませるほどでした」

使い魔「最後の戦いでも、マスターは勇敢に戦いました」

使い魔「マスターの魔法は敵を焼き尽くし、凍らせつくし、敵は戦意を失って退いてゆきました」

使い魔「その日の夕方、戦いで犠牲となった仲間の弔いをしていたわたしたちの元に、伝令が届きました」

使い魔「世界中の戦いが終わったこと、もう、街が攻められることはないこと……」

使い魔「その晩、街の弔いは、長い戦争の終わったお祝いに変わりました」

使い魔「酒蔵が開け放たれ、小麦がひかれて町中にごちそうを作る匂いと煙がたちこめました」

使い魔「戦いが終わって、マスターはわたしに言いました」

使い魔「……どんな言葉だったか、そのままはお話ししません」

使い魔「あの言葉はわたしのもの……例えお客様といえど……えへへ、すみません」

使い魔「長い戦いを良く耐えてくれた、力をかしてくれてありがとう……そういったことをマスターはおっしゃいました」

使い魔「そして、初めて会ったときにわたしと交わした契約……幸せな昼と安らかな夜を、マスターは与えようとおっしゃいました」

使い魔「戦争が終わり、街は少しずつ昔のにぎやかさを取り戻してゆきました」

使い魔「わたしがオオカミの姿に戻っても、街の人間たちは誰も怖がらなくなりました」

使い魔「大きな石をのせた荷車を引き、わたしも街の復興に力を尽くしました」

使い魔「戦争が終わって1年が経ったころ……マスターは王の地位を捨てました」

使い魔「議会制……と言うのでしょうか、街の人間たちが集まって、街のことを決めてゆく新しい決まり事を作ったのです」

使い魔「そして、この山小屋を……わたしの生まれ育った大切な場所に建ててくれました」

使い魔「わたしはこの場所が好きでしたから、マスターにたくさんお礼を言いました」

使い魔「そして……マスターはおっしゃいました」

使い魔「私の街は、あなたのおかげで戦争を生き抜き、戦争が終わって他のどの街よりも立派に復興できました」

使い魔「ありがとう……って」

使い魔「そして、マスターは戦争で傷ついた世界を救わなければならないと、旅に出るとおっしゃいました」

使い魔「わたしは……連れて行ってと頼みましたが……マスターは許してくれませんでした」

使い魔「少し待っていてくれと、私が帰るまで街の者たちを守ってくれと、マスターはわたしに命じて旅立ってゆきました」

使い魔「……はい、300年も昔のことです」

使い魔「はい、ココで待ってるんです」

使い魔「えへへ、マスターは……あの少年は……初めて会ったときに言いました」

使い魔「嘘をつかない……って」

使い魔「だから、わたしはここで待ってるんです」

使い魔「ここから見えるあの街の灯が、大きくなるたびに、マスターがよろこんでくれるって、わたしもよろこんで……」

使い魔「ここで、幸せな昼と安らかな夜を……」

使い魔「……」

使い魔「……ごめんなさい、泣いちゃダメなのに」

使い魔「……えへへ」

使い魔「……」

使い魔「わたしがこんな山奥に住んでいるのは……そんな理由です」

使い魔「お客様は、どうしてこちらへ?」

使い魔「……え?」

使い魔「薬草……ですか?」

使い魔「ははあ、お母様の膝のお薬ですね」

使い魔「こちらをどうぞ」

使い魔「……いえいえ、お代なんて。おはなしを聞いてくれたお礼です」

使い魔「外の雨もやんだようですね」

使い魔「もう、行かれますか……はい」

使い魔「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしています」

使い魔「あの足取りなら、日が暮れる頃には街に着くでしょうね」

使い魔「えへへ……ひさしぶりのお客様でした」

使い魔「幸せな昼と、安らかな夜……」

使い魔「マスター……マスターはうそつかないんですよね」

使い魔「幸せな昼って、マスターのコトを考えているだけで、胸が痛くなります」

使い魔「安らかな夜……マスターのコトを考えると、眠れなくなります」

使い魔「幸せでも、安らかでもありません」

使い魔「わたしの胸は、高鳴ってばかりです」

使い魔「うそつき……」

使い魔「でも、ここで帰りをお待ちしています」

使い魔「いつまでも……いつまでも……」

使い魔「(マスター……大好きですよ)」

>>80以降の別展開

使い魔「気付かないのか? ……って」

使い魔「人間でいるときは鼻も鈍るんだな……って」

使い魔「ただいま……って」

使い魔「え……うそ……」

使い魔「マスター……」

使い魔「マスター! マスター! お帰りなさい!」

使い魔「立派な魔法使いになられて……おひげがすごくてわかりませんでした」

使い魔「はい……わたしも……」

使い魔「わたしも……うえぇぇ……ふえぇぇ……」

使い魔「泣いてなんか……ううぅ……なんでこんなに長く……お手紙もなしに……」

使い魔「そんな……みみもとで言わないでください」

使い魔「それなら……わたしも……」

使い魔「(マスター……大好きですよ)」

とか想像した。
妄想投下終了

男「…ふぅ」パタン

男「…にんじん…だったっけかな」

……
コンコン
男「使い魔ー、いるか?」

使い魔「…」ブツブツ

男「…ふむ」ソバダテソバダテ

使い魔「…精気を原初の血脈を通し力に変え、力を以て…」ブツブツ

男「…頑張ってるみたいだし、一人で行ってくるかな…」

使い魔「…精気も大分使っちゃいましたし、今日はこれくらいにしておきましょう」ガチャリ

使い魔「マスター、今日の夕飯は何がいいですかー」コンコン

使い魔「あれ?別のところにいるのかな…」
タッタッタ
使い魔「マスター?」

使い魔「マスター…?」

使い魔「ま…ますたー…?」

?「チッ,ツカエーネーナー」

?「セッカク,インマヲショーカンシタノニ,コンナクソガキトハナ」

?「テメーハ,ヨウナシダヨ!」

使い魔「ま、ますたー!置いていかないでくださいなんでもしますから!ますたー!いかないで!」ガクガク

男「ちょっと買いすぎちゃったかな…ただいま」ガチャッ

使い魔「…」ブツブツ

男「あれ?使い魔、こんなところでなに…」

使い魔「まずだー!」ヒシッ

男「!?」

使い魔「いがないでぐだざい!なんでもじまずがら!いうごどなんでもぎぎまずがら!ずでないでぐだざい!」

男「…大丈夫だよ、捨てないよ、ちゃんとここにいるから。ごめんね、寂しかったね」サスリサスリ

使い魔「まずだー!」

男「はいはい、ここにいますよ」ギュー

使い魔「まずだー…」

男「大丈夫だよ、安心して」ナデナデ

使い魔「ます…たー…」

男「…」ナデナデ

使い魔「…」スースー

使い魔「…んん…あれ…あっますt」

男「はいはい、ここにいますよ」ナデナデ

使い魔「あっ…そ、その…も…申し訳ありません…」

男「いいんだよ、最近なかったから僕も油断してた。ごめんね。寂しかったね。」

使い魔「あ…いえ…、あっ、あの、ひ、膝枕…」

男「ん?もう起きる?まだいいよ?」ナデナデ

使い魔「で、ですが…」

男「いらない?」ナデナデ

使い魔「…じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて…」ギュッ

男「ん」ナデナデ

使い魔「ま、マスター…」

男「ん?」

使い魔「あ、えっと…あの…今日も…腕…」モジモジ

男「ん」ポンポン

使い魔「し、失礼します」ポテッ

男「今日は疲れてるだろうからゆっくり寝な、明日の朝食もやっといたるから」

使い魔「い、いや、ですが2日も…ふぎゅ」ツママレツママレ

男「いーからいーから」

使い魔「ふーわかりまひた」

男「ん、いい子いい子」ナデナデ

使い魔「ますたー…」

男「ん?」ナデナデ

使い魔「…な、なんでもないです」ギュッ

男「ん、おやすみ」

使い魔「(大好きです)」

使い魔「ふあっ…」

使い魔「あ…少し早く目が覚めちゃいましたね…」

男「…」スースー

使い魔「…」ジー

男「…」スー…ズズッ

使い魔「す、少しだけ…ほ、ほっぺたなら…」

男「…」スー…

使い魔「んっ…」チュッ

使い魔「も、もう少し…く、首筋にも…」チュッ

使い魔「ますたぁ…」チュルッ

使い魔「あと、ちょっとだけ…はっ…ふっ…ますたぁ…」チュッ

男「…」ジー

使い魔「はふっ…」クテッ

男「…満足した?」ニコッ

使い魔「!?」

使い魔「あ、あの…こ、これはっ!」

男「…懐かしいね」ニコニコ

使い魔「え?」

男「キスで思い出した。6年前のあの日。君と僕が出会ったあの日…」

使い魔「!!あ、あれはっ…」

男「ん~?」ジー

使い魔「そっ…その…わ、私も生きるのに必死だったというか…」ブンブン

男「…そうだね、あの時は…」


使い魔「にゃぁ…」

男「…化けるのがうまいんだね、主人はどうしたんだい?」

使い魔「…にゃー…」ブルブル

男「…(捨てられた…か。)」

使い魔「…にゃぁ…」ブルブル

男「…正式な主人にはなれない。だから…まともに生きれないかもしれない。」

使い魔「…」ブルブル

男「それでもいいなら…おいで。」

使い魔「…」ピョン

男「ん…ずいぶんと冷え切っちゃってるね…苦労したんだね。頑張ったね。」ナデナデ

男「家に着いたら起こしてあげる、少しお休み。」ナデナデ

使い魔「…」クテッ

男「さっ、着いたよ」ガチャッ

使い魔「…」ボフンッ
ドタッ
男「こらこら、急に元の姿に戻ったらあぶn…んんっ!?」ムチュッ

使い魔「んっ…ふっ…はふっ…」チュルル

男「んん!!んー!」ペシペシ

使い魔「んんっ…ん…はふぅ…」クテッ

男「…」ゲソッ

男「さすがにあの時は命の危機を感じたね。吸いつくされるかと思った。」

使い魔「うっ…い、一応加減はしたつもりです…よ…?」ジッ

男「まぁでも?それ以降は、同意なしのキスは禁止になったわけだけれど?」

使い魔「…うぅ…」

男「…弁解はある?」

使い魔「…甘んじてお仕置きを…」ガックリ

男「さて、お仕置きの前に一つ確認…」

使い魔「うぅ」

男「キス、したくなっちゃったんだ?」

使い魔「うっ…」

男「しちゃったってことは、したくなっちゃったんだよね?」

使い魔「うぅ~…」

男「さて…じゃあ…」グイッ

使い魔「え?」
チュッ
使い魔「んんっ!?!!?」

男「んっ…」ピチャ

使い魔「!!??んっ…ふっ!」ピチャッ

男「あむ…んん…」チュルチュル

使い魔「んっ!んんっ!ふっ…ふっ!」ギュー

男「ん…」ガシッ

使い魔「~~っ!」

男「んん…あふ…」ニュルッ

使い魔「!?!んむっ!…ふっ!…んんん!」

使い魔「~っ!ん~~っ!ふっ…っっ…!」ブルブル

使い魔「んむっ…ふぅっ!~~~っ!…っ…ふっ…!」ビクッ

使い魔「んっ!んっ!んんっ…!ふっ…~~~~~っっっっ!!!」ビクン!ビクビクッ!
プシャッ!
男「ふっ…ふぅ…ちゃんと次からは言うんだよ?」ナデナデ

使い魔「はっ…はっ…はひっ…ふっ…ふぅ…」ビクッ…ビクッ…

男「じゃ、朝ごはんにしようか」ナデナデ

使い魔「うぅ…ますたーいじわるぅ…」

男「さて…食べてる途中申し訳ないけど…聞きたいことがある」

使い魔「?」

男「特に最近、ん~…修行…なのかな?量が増したね。なにかあったのかな?」

使い魔「…」ビクッ

男「怒ってるわけじゃないよ、昔からずっとやってたみたいだけど…最近は特に熱をいれてるよね?」

使い魔「…気づいてたんですか」

男「誰よりも、君のことを見てきてたからね。気づかれないと思ってたなら、覚えておいて。君のマスターはこの“私”だ。」

使い魔「…」

男「だから、君がやりたいことなら全力で応援したいと思ってる。今までは隠そうとしてたみたいだし、気づかないふりもしてたけど…」

男「そろそろ教えてほしいな、何が出来るようになりたい?」

使い魔「…精気の…魔力変換です」

男「…あぁ…そうか…変換できるのは“召喚主”の精気だけだったな…」

使い魔「…はい」

男「そうだな…じゃあ今日は一緒にやってみようか。」

使い魔「え?」

男「一緒にいたほうが気づくこともあるだろうし…ね」ニコッ

使い魔「は…はい!」

男「じゃあ、まずご飯を食べちゃおうか。そしたら…少し時間をおいてから使い魔の部屋でいいかな?」

使い魔「はい!」

男「さて、今から修行をするわけだけど。」

使い魔「?」

男「最近熱が入ってる理由はまだ聞いてなかったね?」

使い魔「!」

男「なんで?」

使い魔「え…えっと、言わないとだめですか?」

男「んー教えてほしいかなぁ?」ナデナデ

使い魔「はふっ…え、えっと…ですね…?」

男「うんうん」ナデナデ

使い魔「…た、ただ、スキルアッ」

男「嘘はだめだよ?」ピタッ

使い魔「!?」

男「それで?本当は?」ジーッ

使い魔「え、えっと…や、やっぱり秘密じゃ…」
パラッ
使い魔「あっ!」

男「ん?チラシ?なになに…?」

使い魔「あっ…あっ…!み、見ちゃだめです!」

男「“マスター選手権、待ち受ける試練!あなたたちはどこまで超えられる?使い魔との愛と絆が試されます!”?」

使い魔「///」ボッ

男「…出たい?」

使い魔「…うぅ…」

男「…そっか、じゃあ頑張ろうか」ニコニコギュー

使い魔「はふぅ」

使い魔「・・・」ブツブツ

男「あー、待って。精気は小出しにせずに一気に出す感じで。」

使い魔「で、ですが・・・」

男「うん、普通の使い魔ならまずは少しずつ、変換のやり方を覚えていくのがいいんだけど・・・」

男「使い魔の脈にとって僕の精気は最適な精気じゃない。」

使い魔「・・・」グスッ

男「はいはい、気にしちゃだめ。誰がなんて言おうと今の主は僕だ」ナデナデ

使い魔「はふっ///」

男「だから小出しにしたんじゃ、消耗するだけで精気が尽きる。」

男「だから逆に考えるんだ」

使い魔「一気に、大量に脈に流す・・・んですか・・・」

男「そ」

使い魔「で、ですが・・・そんなことが・・・」

男「可能かどうかはわからないね。前例がないし」

使い魔「だ、だったら・・・!」

男「でも、使い魔と僕の関係はそういう意味では普通とは言い難い。」

使い魔「・・・」

男「なら逆に、前例を作るつもりでやらないと。だから一緒にやるんだ。」

男「君は、一人じゃないんだから。」ナデナデ

使い魔「!は、はい!」

男「じゃあ、始める前にちょっと・・・そうだな・・・銀の杭がいいかな」

使い魔「?」

男「大量の精気を一気に流して魔力に変換する、最初は多分変換した魔力を制御できないと思う」

男「だから、変換して勢いのまま銀の杭に流す。この練習をしてみよう」

使い魔「・・・」ブツブツ

男「精気を流す時は脈を通そうとするんじゃなくて脈を押し流すつもりで」

使い魔「・・・」ブツブツ

男「制御しようと考えないで。変換に集中して。」

使い魔「・・・」プシュー
トサッ
男「・・・当面の目標は変換じゃなくて大量の精気をコントロール出来るようにすることかなー・・・」ダキッ

使い魔「あ、あれ?ますたー?」

男「あ、起きたみたいね」ナデナデ

使い魔「はふぅ・・・あ、あれ?と、特訓は」

男「まずは変換じゃなくて大量の精気の扱いからやっていかないとだめだね。」

使い魔「うぅ・・・」

男「焦らない焦らない」ナデナデ

使い魔「め、面目ないです・・・」

男「とりあえず今日の特訓はおしまい。精気も久々に使い果たしたみたいだしね。」ナデナデ

使い魔「あうぅ・・・」

男「そうだ。勝手に修行したら折檻だから。いいね?」ナデナデ

使い魔「は、はふ・・・ひゃぃ・・・」

使い魔「えっ?」

男「じゃあ、まず精気のコントロールだけども・・・」

男「変換はしなくていい。まず体の1か所に集めてごらん」

使い魔「は、はい」

男「お、右手に集まってきたね。じゃあその精気を全部左手に移してみてごらん」

使い魔「く・・・くぅ・・・」ジワリジワリ

男「あ、ストップ。少しずつじゃなくて出来るだけ多く。最終的には一度に全て移動させるつもりで。」

使い魔「こ、これ以上の移動は・・・」

男「ふむ・・・」

男「じゃあ一旦ストップ。最初はサポートつけてみようか」

使い魔「サポート・・・ですか?」

男「うん。まずは右手に精気を集めてみよう」

使い魔「は、はい・・・」ジワリジワリ

男「うん、いい感じ。じゃあちょっと右手を拝借」

使い魔「あっ///」

男「あ、集中が乱れたよ。ほら、集中して。」

使い魔「は、はひ」

男「じゃあ、今から僕がゆっくり使い魔の中の精気を移動させるから、精気の流れと精気をまとめることを意識してね。動かすよ」サワサワ

使い魔「えっ?ひゃぁ!」

男「集中して。少しずつ移動してるのを感じて」

使い魔「くぅ・・・ふっ・・・ま、ますたぁ・・・」

男「ほら、精気が散りかかってるよ。集中して。」

使い魔「はひっ・・・ま、ますたぁ・・・くすぐったいですぅ・・・」

男「我慢我慢。」サワサワ

使い魔「ふっ・・・くぅ・・・」

男「大分慣れてきたみたいね。一旦今の腋のところでストップさせるよ。散らさないようにしてね」

使い魔「は、はひぃ・・・」

男「散らさないようにしつつ一旦休憩にしようか。もう2時間も訓練してたみたいだしね」

使い魔「ち、散らさないようにしつつ休憩と言われましても・・・」

男「いずれは意識しないで自由に動かし、集めれるようにならないといけないからね。頑張って。」

使い魔「うぅ・・・」

男「ギューしてあげるから。ね。」ダッコギュー

使い魔「は、はふっ・・・」

男「あ、散りかかってるよ。集中して。」ギュー

使い魔「む、無理ですよぅ・・・」

男「じゃあやめる?」パッ

使い魔「あっ・・・」

男「そんなさびしそうな顔しないの。ほら」ダッコギュー

使い魔「ひゃぁ・・・」

男「じゃあそろそろ再開しようか。次は左の腋まで移動させるよ。」

使い魔「あ、あの・・・マスター」

男「ん?」

使い魔「む、胸通りますよね・・・」

男「そうだね、胸は基本的に精気が停滞しやすいところだから、通過してもきちんと精気を残さず移動させる訓練にもなるからね。」

使い魔「さ、触るんですよね・・・?」

男「そうなるね。」

使い魔「うぅ・・・」

男「ほらほら、そんな不安そうな顔しない。始めるよ」

男「きちんと頑張れたら、あとで御褒美あげるから」ササヤキササヤキ

使い魔「!」

男「じゃあ、始めるよ。」

使い魔「は、はいっ!」

・・・・・・
男「そろそろ胸に入るよ。触るね?」

使い魔「は、はひ・・・」

男「精気の流れに集中して・・・」

使い魔「・・・」

男「呼気に精気を奪われないように」

使い魔「・・・」ピクンッ

男「・・・」モンモン

使い魔「・・・あっ・・・」ピクッピクッ

男「・・・」

使い魔「・・・あっ・・・んっ・・・」ピクピクッ

使い魔「・・・あんっ・・・」プルプル

使い魔「・・・はぁ・・・ますたぁ・・・」

男「!・・・」

使い魔「はぁ・・・はっ・・・ぁ・・・ふっ」ガクガク

男「ちょっと背中側にまわるよ。立つのが辛くなったら体重預けていいからね?」

使い魔「ふぅっ・・・!す、すいません、あっ!ひゃっ!」ビクンッ

男「おっと危ない。いいよ、そのまま体重預けて。精気に集中して。」

使い魔「あっ・・・(マスターの・・・固くなってる・・・)」ピクン

男「あ、乱れたよ。集中して。」

使い魔「は、はひっ・・・あっ・・・ふっ」ピクピク

使い魔「(すごく・・・暖かくて・・・気持いい・・・)」

使い魔「あぁ・・・はぁ・・・」ガクガク

使い魔「(力が入らない・・・)」

使い魔「あふぅ・・・ますたぁ・・・」

使い魔「(集中しないと・・・)」

使い魔「(精気が散っちゃう・・・!)」

使い魔「あ゙ー・・・くぅ・・・!」

男「(正直、わかってはいたけど・・・)」

男「(理性飛びそう・・・)」

使い魔「あぁ・・・はぁ・・・」ガクガク

男「頑張って。」

男「(柔らかい・・・正規の使い魔だったら我慢できなかったかも。)」

使い魔「あふぅ・・・ますたぁ・・・」

男「あ、少し散ったよ。頑張って」

使い魔「あ゙ー・・・くぅ・・・!」

男「(でも・・・)」

男「(僕には応援することしかできない・・・)」

・・・・・・
男「よく頑張ったね。多少散ったりもしたけど初めてにしては上出来かな。」

使い魔「あ゙ー・・・はっ・・・」ガクガク

男「約束通り、御褒美。何がいい?」

使い魔「・・・愛して・・・くだざい・・・」ギュッ

男「!・・・」

使い魔「抱いてとは・・・言いません・・・でも・・・我慢・・・できないです」ギュゥ

男「・・・わかった。ごめんね。」ナデナデ

使い魔「謝ら・・・ないで・・・」

男「ん。じゃあ、脱がすよ・・・」ササヤキササヤキ

男「もう我慢しなくていいよ。思う存分・・・」

男「気持よくなって。」

使い魔「あっ・・・ん・・・きすぅ・・・」チュルッ

男「んっ・・・甘えんぼさんだね。」

使い魔「はっ・・・あっん・・・」

男「頭なでられるのは好き?」ナデナデ

使い魔「ふっ・・・わ、わかってるじゃないですかぁ・・・」

男「使い魔の口から聞きたいな?」

使い魔「は、恥ずかしいです・・・」

男「やめちゃうよ?」

使い魔「うぅ・・・意地悪です・・・」

使い魔「す・・・好きです」ボソボソ

男「ん、よくできました。」

使い魔「あふっ・・・」

男「じゃあ、いろいろ触るね。」

使い魔「あ、は・・・ひっ・・・」

男「首筋弱いんだ?それともくすぐったいのかな?」サスサス

使い魔「ひっ・・・ひゃぁ・・・わ、わかんないです・・・」

男「そっか」

使い魔「あぁ・・・ひゃぁあ!」

男「あ、耳。気持ちいいんだ?」カプッ

使い魔「ひゃぁ・・・ふっ・・・か、噛んじゃだめぇ・・・」

男「ダメじゃないよね?」フゥ

使い魔「んんっ・・・!」

使い魔「ま、ますたぁ・・・」モジモジ

男「ん?」ニコニコ

使い魔「うぅ・・・」

男「ちゃんと言ってくれないとわかんないよ」フゥ

使い魔「ひゃぁ・・・」

男「こんなに胸つきだしちゃって・・・気持ちいい?」サワサワ

使い魔「やぁん・・・くふぅ・・・」

男「ほら・・・教えて?」

使い魔「む・・・胸、きもちいーです・・・」

男「乳首、固くなっちゃってる」サワ

使い魔「!あっ・・・!くひっ・・・!」ガクガクガク
プシャッ

使い魔「はっ・・・はっ・・・」ブルブル

男「こっち向いて」チュッ

使い魔「あっ・・・ふぅ・・・んむ・・・」チュルッ

男「もう下、ぐちょぐちょだね・・・どうしてほしい?」

使い魔「ふー・・・ふー・・・」

使い魔「手・・・」

男「ん?」

使い魔「手・・・握って、ください」

男「ん」ギュッ

使い魔「あ、あと・・・あの・・・」

男「ん?」

使い魔「うぅ・・・えっと・・・」モジモジ

使い魔「し、下・・・触ってください。気持ちよくしてください。」

使い魔「はっ!あっ・・・ふっ・・・!」

男「声、我慢しないで」

使い魔「あっ・・・は、はずかし・・・んんっ!」

男「じゃあ、我慢できなくしちゃうよ?」

使い魔「!あっ・・・ま・・・待っ・・・ふっ・・・ひゃっ!」

使い魔「だ、だめっ・・・あ・・・い・・・あああ・・・きちゃ・・・!」ギュッー」

使い魔「はぁっ!」ガクガクガク

男「いいよ、我慢しないで。」ギュー

使い魔「あっ・・・あーあんっ・・・あぁっん」ガクガク

使い魔「ひゃ・・・ひゃめ・・・も、もう・・・あああ・・・」

男「ダメじゃないよね?」

使い魔「んぁっ!おかしく・・・なっちゃ・・・!くっ・・・あっ!」

男「いいよ。おかしくなって。抱きしめててあげるから。」ギュッー

使い魔「ます・・・あああ・・・だ、あ・・・めぇええぇ・・・ふっ!」ビクビクッ

使い魔「はっ・・・はっ・・・き・・・すぅ・・・」

男「ん」チュッ

使い魔「あ゙ー・・・あ゙っ・・・」ガクガク

使い魔「あぁああ・・・くぅ・・・あ゙あ゙あ゙」

使い魔「ま゙ぁず・・・ああああ」ブルブル

男「ん・・・」チュルッ

使い魔「ん゙ー・・・ん゙ん゙ー!」ビクンッ

男「(くぅ・・・精気が・・・)」

使い魔「ひゅー・・・ふっ・・・あっ・・・」

男「ふぅ・・・ほら、おいで。」

使い魔「はー・・・はー・・・」ギュー

男「修行で疲れただろうし、少しお休み。」

使い魔「はひ・・・ん・・・」

男「(僕も少し休もう・・・)」

男「おやすみ、使い魔。」ギュー

数日後

使い魔「ん・・・」ピクピク

男「・・・だいぶ制御に慣れてきたみたいだね。」

使い魔「は・・・ひゃっ」

男「じゃあそろそろ次に進んでみよう」

使い魔「・・・?」

男「今度は僕はサポートしない。今までと同じように精気をコントロールして」

男「この銀の杭に精気を流し込むんだ。」

使い魔「は、はい!」

男「じゃあ、やってみよう」

使い魔「ん~・・・!」

男「ふむ・・・」

使い魔「?」

男「あ、散ったよ、集中集中」

使い魔「は、はひ」

男「(サポートを外す前と遜色ないな・・・)」

男「ん、基本はきっちりできるようになってるね」ナデナデ

使い魔「ひゃっ・・・」

男「じゃあ・・・精気を途中で魔力に変換する。ここまでやってみよう。」

使い魔「んーっ!」

男「ほら、変換がおろそかになってるよ」

使い魔「むむむ・・・んー!」

男「お、いい感じ、そのままそのまま・・・」

使い魔「くうぅ・・・」

男「よし、そろそろ止めて。」

使い魔「・・・」プルプル

男「・・・止まらない?」

使い魔「・・・はい・・・」

男「・・・杭を両手で掴んで、しばらく待機」

使い魔「両手で・・・?えっ・・・でもそれじゃあとまらな・・・」

男「うん、途中でやめられるようになるか、精気が空っぽになるまで続けるしかない。両手にする理由は銀の杭もさすがに貯蔵できる力は限られてるしね。循環させるため。」

使い魔「」ションボリ

使い魔「はぁ・・・はぁ・・・」

男「まだ止められない?」

使い魔「無理・・・です」ゼエゼエ

男「使い切るまで止まらないかな・・・」

使い魔「」ションボリ

男「(そろそろかな・・・)」

使い魔「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」フラフラ

男「よっと」ダキッ

使い魔「ひゃ・・・」フラフラ

男「肩の力を抜いて、僕の言葉を聞いて」

男「"眠れ"」

使い魔「あっ・・・」フッ

男「お疲れ様、少しお休み。」

使い魔「んん・・・あ、あれ・・・?」

男「あ、起きたみたいだね。」ナデナデ

使い魔「はふっ・・・あれ・・・修行・・・あれ?」

男「精気をほぼ使い切ったから、おやすみ。当分は無理かな。」

使い魔「えぇっ!そ、そんなっ!」

男「またもとの量の精気をためるのは結構時間かかるしね。」

使い魔「・・・」

男「・・・一人で修行しようなんて考えてないよね?」

使い魔「!」ビクッ

男「一人で修行したら折檻、とは言ったけど内容までは言ってなかったね。」

男「仮に一人で修行した場合は・・・僕は君を

男「無理やりにでも抱く。」

使い魔「!!しょ、正気ですか!マスター!」

男「・・・冗談で言うと思うかい?」

使い魔「・・・マスター自身が仰ったはずですよね。淫魔の"初めて"が契約者以外の人間だった場合の、その末路。」

男「そうだね、おそらく、僕は命を落とすだろうね。」

使い魔「じゃあ・・・!」

男「今回、僕がついていなかったらどうなっていた?仮に君が一人で修行していて、それに僕が気づかなかったら君は・・・」

男「どうなっていた?」

使い魔「!」

男「もちろん修行方法は僕が考案したものだ、本来なら一人で安全にできた修行内容かもしれない。」

男「でも、時期が迫ったとき、一人でも安全にできる修行をただひたすら君は続けられた?」

男「命を落とす可能性が少しでもある、そういった修行、手を出さないと言える?」

使い魔「・・・」

男「君が一人で修行することは、命に直結する場合がある。」

男「なら僕は、断固として阻止しよう。」

男「僕自身の命をかけてでも、だ。」

使い魔「・・・」

男「間に合わせたい気持ちはわからないわけじゃない。でも、見失っちゃだめだ。」

男「何のために修行してきた?確かに近々熱が入ってはいたけど、修行そのものは昔からやってきたはずだ」

男「思い出して、何のための修行だったの?」

使い魔「・・・」

男「僕がついてる、焦ることはない。仮に間に合わなくても出場はできる。だから」

男「急いじゃ駄目だ。」

使い魔「・・・わかりました。」

男「ん。じゃあ今はゆっくり休もう。休んで、備えるのも修行だよ」ナデナデ

使い魔「・・・はい」

男「・・・そうだな、じゃあ。」

男「少しの間、僕はぐうたら過ごす。そうすれば普段の生活で消費する分の精気が多少浮く。」

使い魔「!」

男「だから、しばらく生活のフォローお願いね」

使い魔「は、はい!」

男「zzz」

使い魔「・・・」ジー

男「zzz」

使い魔「・・・」ポッ

男「zzz」

使い魔「・・・」プニプニ

男「・・・」

使い魔「・・・」ミニョーン

男「・・・こらっ」

使い魔「ひゃわわっ!」

使い魔「お、起きてたんですか?」

男「あんなに頬っぺたで遊ばれたらさすがに起きる。」

使い魔「うぅ・・・」

男「構ってあげられないから暇なのはわかるけど、邪魔すると修行再開が遅れるよ?」

使い魔「うぅ・・・人をまるで子供のように・・・」

男「人の頬っぺたで遊ぶ人間が大人だとでも?」

使い魔「ぐぬ・・・」

使い魔「い、いや!こ、これはですね!我が子を慈しむ親の心境・・・」

男「ほう・・・?」

使い魔「でして・・・うぅ・・・」

男「・・・」

使い魔「・・・」

男「何か言うことは?」

使い魔「ごめんなさい」

男「(まぁでも・・・)」チラッ

使い魔「うぅ・・・」

男「(一人で修行をしないという約束は守ってるみたいだな・・・今のところは。)」ジー

使い魔「?」

男「・・・ん」ナデナデ

使い魔「ひゃぁ・・・ど、どうしたんですか?」

男「・・・おいで」

使い魔「え、えっ?」

男「ん」グイッ

使い魔「ひゃっ」ポフッ

男「ほら、一緒寝るよ」ガシッ

使い魔「あ、で、でも」

男「どうせやることないんでしょ?ほら、じゃあ抱き枕になって」ギュゥ

使い魔「は、はひ///」

>>162
訂正
男「人の頬っぺたで遊ぶ人間が大人だとでも?」

男「人の頬っぺたで遊ぶのが大人のたしなみとでも?」

間違えたせいで伏線っぽくなってますが、違います。

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