提督「回転寿司?」 (50)


────────鎮守府────

ビスマルク「知らないの?スシが回ってるお店のことよ」

提督「いや知っているが。それがどうかしたのか?」

ビスマルク「この前テレビでやっ「要するに興味本位から回転寿司なるものを体験したいんじゃないでしょうか」

蒼龍「提督、お茶です」

提督「今日も茶柱が立っているな。コツでも掴んだのか?」

蒼龍「しかし回転寿司ですか。私も話に聞いていただけで実際には行ったことがないですね」

ビスマルク「というわけで提督!スシを食べに行きましょう!」

提督「はいはい」

ビスマルク「それじゃあ私は支度をしてくるわね」ビスバルト

蒼龍「でもいいんですか提督?」

提督「なにがだ?」

蒼龍「普段を見るにあの人結構食べるんじゃないでしょうか」

提督「アイツは一度言い出すとなかなか引き下がらないからな。それに回転寿司なら一皿100円。仮に100皿食べたとして10,000円にしかならない」

提督「仮にも部下だ。ここまでなら譲歩の範囲内でしかない」

提督「だが、ここで渋って”回らない寿司屋に連れて行け”などといわれ100皿も食べられた日には、想像に難くない。所謂コラテラルダメージというヤツだ」

蒼龍「ソレはソレとして提督」

提督「”私も連れて行け”と言うのならば、無論だ」

蒼龍「やりぃ!さすが提督!飛龍も誘ってこよっと」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442906226

立てておいてアレですけどバイト行ってきます。23時ごろ投下

投下していきます

────────寿司屋────

ピポパポピポ イラッシャイマセー

ビスマルク「テレビで見てたほど、人は居ないのね」

提督「平日の14時過ぎだからな。昼食を食べにきた客は離れていく時間だ。また夕食にするには聊か時間が早い。かといっておやつに寿司を食べに来る物好きな客は少ない。そういう時間帯なんだよ」

提督「もっとも、学生の夏休みなどの長期休暇とかち合せると、昼過ぎからファミリーでごった返しているけれど」

蒼龍「詳しいですね」

提督「おやつに寿司を食べに来るファミリーだったからな」

コチラヘドウゾー

飛龍「へぇ、レーンの上に寿司を流すから回転寿司かー。間隔空きすぎて流れているんだかいないんだか分からない状態だけどね」

提督「今の時間は人が少ないからな。人がいない時間帯にピーク時のように寿司を流しても、半数以上が廃棄処分になってしまうため流す量を減らしているんだ。そこのタッチパネルで好きな寿司を注文するといい」

飛龍「蒼龍なにか食べたいものある?」

蒼龍「私は───」

ビスマルク「私もいいかしら?これとこれとこれと───」

飛龍「提督は?」ピッピッピッピッ

提督「カッパ、テッカ、イナリを1個ずつもらおう」ジョボボボボボ

飛龍「了解了解」ピッピッピッ


────────寿司屋裏側────

バイト1「ウソだろwwwwwwオーダーが1つの席で埋まったぞwwwwww」

バイト2「握りで流せるものは流しますよ」

バイト3(なんか今日は人来そうだな茶碗蒸しでも作っとくか)


────────寿司屋表側────

\ピポン/ マモナクゴチュウモンノシナガ

ビスマルク「来たわね」

飛龍「待ってました!」

蒼龍「量も量ですしとりあえず全部取り上げましょう」

\ピポン/ マモナクゴチュ\ピポン/ マモナクゴチュウモンノ\ピポン/マモナクゴチュウモンノシナガ

提督「マグロにハマチにコハダ、イカ、エビ、ウナギ煮アナゴ。オンパレードだな」

蒼龍「カッパにテッカにイナリの存在感がすごいですね」

\ピポン/ マモナクゴチュウモンノシナガトウチャクイタシマス

玉子 玉子 玉子 玉子

飛龍「あれ?なんで4つも」

ビスマルク「大方押し間違えたんでしょう。でもなにか、想像と違うわね」パクパク

提督「マスコミの話なんて実話を盛ってるモノだからな。良くも悪くも」っマグロ

ビスマルク「ん。ありがとう提督」っ

蒼龍(………)

蒼龍(私は見ていました。提督が密かにワサビを盛るところを)

蒼龍(そしてビスマルクはいままでワサビ入りを食べていない。この回転寿司において流れてくる寿司が全てワサビ抜きだというのもありますが、恐らくは………)

ビスマルク「マグロといえば『炙りマグロ』なんてのもあるのね」パク

提督(キタ!)

蒼龍(食べた!)

飛龍「~~♪」モグモグ

ビスマルク「次は炙りにいきましょう」

提督(ッ!?)パクパク

蒼龍(ワサビに対しての反応が皆無!?目分量の推測ですがパックの半分は塗っているはずです。いくらワサビとして控えめな香りと辛みといえど初めて寿司を食べるような人がワサビに反応しないだなんて………)パク

蒼龍「ッ!?」

提督「………」ニヤァ

蒼龍(まさか!!いつの間に私の寿司にワサビが!全品サビ抜きだと思って油断していたために不意打ちは少し、来るものがありますが、しかし!)ンク

蒼龍(状況を整理します。今私が食べた寿司は私が取って私の目の前に置いた寿司です。仮定として私が目を話している隙に私の寿司にワサビを盛ったとすれば、出来て片方。両方の寿司にワサビを盛ることなどほぼ不可能に近いです。であればこのもう片方は安牌!)パク

蒼龍「ッ!?」

提督「次はアナゴでも」

ビスマルク「提督私も」

蒼龍(バカな。なぜ安全であるはずの、このもう片方の寿司にまでワサビが!であれば考えられることは一つ、この握りを作った人が犯人!)パク

蒼龍(後ろにいる!意図的に私たち、ないし私に嫌がらせを仕掛けてくる敵が確実に!)パク


────────寿司屋裏側────

バイト4(作戦完了なのね)

バイト4(それにしても、提督にバイトがバレた時にはどうなるかと思ったけど、まさかこんなことで手を打たれるとは思わなかったのね)

バイト2「オーダーひとまず落ち着きましたね」

バイト3(うわ。炙り入ってきやがった)

────────寿司屋表側────

飛龍「そういえば軍艦たべてないなぁ」ピッピッ

ビスマルク「私イクラとトビコを一つずつ」

飛龍「は~い」ピッピッ

提督「イカオクラを」

飛龍「はいは~い。蒼龍は?」ピッピッ

蒼龍「ん?あ、私?私もイカオクラを一つ」

蒼龍(まさか、軍艦にまでサビは入ってないでしょう。それに、軍艦と握りでは推測ですがポジションが違うはずです!)

────────寿司屋裏側────

バイト2(軍艦か。面倒だな)

バイト2「バイト4軍艦頼めるか?」

バイト4「はいなのね」


────────寿司屋表側────

\ピポン/ ゴチュウモンノシナガ

飛龍「これは?」

ビスマルク「私のね」

提督「『炙りマグロ』か。適当なバイトが作ると上に乗ってるネギが皿上に散乱してることがある」

ビスマルク「じゃあこれは出来のいい『炙りマグロ』になるのかしら?」

提督「いいや。どちらかといえば出来の悪いほうだろうな」

ビスマルク「?」

提督「サンプルを見るとマグロの切り身に赤身半分炙り半分となっているだろう。だけどそのマグロはほぼ全面が炙られている」

ビスマルク「本当ね。ということはこれは表面全体をわずかに炙ったレアね」

提督「トロだったら、レアな焼き加減は旨いのだろうが。赤身のレアは私はあまり好きではないな」

\ピポン/ ゴチュウモンノシナガ

イクラ トビコ コーン イカオクラx2

ビスマルク「イクラとトビコは私のね」

飛龍「ねぇねぇビスマルク。イクラとコーン1貫ずつ交換しない?」

ビスマルク「いいわよ」

蒼龍「そうか、その手があったか!私のイカオクラとトビコも交換しません?」

ビスマルク「いいわよ」

ビスマルク(最初は提督と二人で来ようと思っていたけれど、人数が増えるとこういうことも出来るのね)パク

ビスマルク(それに、交換というのはファミレス染みた回転寿司という寿司屋だから成せることね)パク

ビスマルク(さて、イカオクラかしら。実を言うとイカは苦手なのだけれど見た感じイカはあまり入ってなさそうね。では────ッ!)キュピピーーーン

提督「?」

蒼龍「どうしました?」

ビスマルク(誰かに………見られている!?)パク

蒼龍(食べた!)

蒼龍(しかし反応がないということは安全!)

蒼龍(やはり、ポジションが違うという私の読みは当たっていましたか)パク

蒼龍「ッッ!!!」

蒼龍(バカなぁ、どこに間違いが………)


────────寿司屋裏側────

バイト4「ッッ!!!!」ガタッ

バイト1「んwwwwwwどったのwwwwwwww」

バイト4「なんでもないのね」

バイト4(あと少し、反応が遅れていたら完全に見つかっていたのね)

バイト4(それに、これ以上やってクレームでも来たらどうしようもないのね)

バイト4(潮時ってやつなのね)


────────寿司屋表側────

ビスマルク(視線が、なくなった?視線に気がついた私に気がついたということかしら)パク

ビスマルク(つまり、相手はプロ!?でも、なんでこんなところに)パク

ビスマルク(………やめましょう。食事中に気を張るなんて無粋だわ)

ビスマルク「いいえ、なんでもないわ」

提督「さて、そろそろだろうか」

蒼龍「会計ですか?」

飛龍「えぇーもう終わり?まだ半分しか食べてないけど」

提督「早とちりだ。私はまだ茶碗蒸しを食べていない」

飛龍「茶碗蒸しですか?だったら間宮さんのところにありますよ」

提督「なんだろうな。間宮の茶碗蒸しは好きだ。捻くれた言い方をすると美味いだが、素直に言うと超美味い」ピッピッ

提督「だけどな。ジャンクフードめいた寿司屋の茶碗蒸しは特段美味いわけでもなく具財も楽しめるほどとは言い難い。だけど、来たら食べずにはいられない。回転寿司の食後にふと食べたくなるのが回転寿司の茶碗蒸しだ」ピッ

飛龍「へぇ、提督がそこまで言うなら私も頼んじゃおっかな」

提督「はいよ」ピッ

ビスマルク「それじゃあ、私もいいかしら」

提督「あいあい」

蒼龍「私のもお願いしますね」

提督「あーいあい」ピッピッ

【アナゴ】Ξ 【エンガワ】Ξ

飛龍「アナゴにエンガワかぁ」

提督「エンガワを貰おう」

蒼龍(流れているスシならば、故意な狙撃は不可能です!)

蒼龍(それならば安心して食べられますね)

蒼龍「それじゃあ私はアナゴを」

飛龍「えぇ~私の分が無いじゃない」

蒼龍「なら、提督のエンガワと私のアナゴを一貫ずつ」

提督「やれやれ、素直に頼めばいいだろうに。しかし、それもいい」


ビスマルク「………ふふっ」

提督・蒼龍・飛龍「?」パク

ビスマルク「仲いいのね。3人とも」

飛龍「まぁね」

提督「その裏にあるのは、付き合いの長さだな」

蒼龍「私にいたってはそれだけじゃないですけれどね」キラリ

飛龍「蒼龍惚気?妬けちゃうなぁ」パク

ビスマルク「ふふふっ、いいわね。こういう和気藹々とした雰囲気。私は好きよ」ズズズズ

\ピポン/ ゴチュウモンノシナガ

蒼龍「茶碗蒸しですね」

ビスマルク「そういえば日本の伝統で『はい、アーン』というものがあると聞いたのだけれどそういう関係なら丁度いいわね」

提督「丁度いいとは」

蒼龍「はははまさかこんな人前で」

飛龍「別にいいじゃない減るものじゃないし」ニヤニヤ

蒼龍「………しょうがないですねぇ。1回だけですよ」

蒼龍「はい、アーン」っ

提督「うーむ………」

蒼龍「アーン!!」っ

提督「………」

飛龍「あら提督ぅ、女の子に恥をかかせる気?」ニヤニヤ

提督「いや違う。そうじゃない。ほらいつもみたく」

飛龍「ほほう。”いつも”みたく?」ニヤニヤ

蒼龍「………………もう!」

蒼龍「はいあなた、一口どうぞ」っ

提督「うむ」パクッ

飛龍「キャーーーー!!!」

ビスマルク「なるほど。これが日本文化の燃えという奴なのかしら。心なしかポカポカしてきたわ」


────────寿司屋裏側────

バイト1「なんだwwwwwwあれwwwwwwww」

バイト2「なんか腹立ちますね」

バイト3(他のバイトが客に目行ってる。今がチャンス!!)パクパクパクパク

バイト4(まったく、TPOという言葉を教えてやりたいのね)パクパクパク


────────寿司屋表側────

ビスマルク「ねぇ提督。この冷製茶碗蒸しってなんなのかしら」

提督「しらないな。昔私が来ていた頃にはなかった商品だ」

ビスマルク「へぇそうなの。なら頼むしかないわね」ピッピッ

提督「もう食べ終わりだというのに、イカに関してはなんだか手が出てしまうんだよな」ヒョイ

飛龍「私はそろそろデザートかなぁ」

ビスマルク「そうね、みんなデザート何がいいかしら」ピッピッ

飛龍「これこれ」

ビスマルク「アイスシュー?」

飛龍「そうそう!」

ビスマルク「オッケー。提督や蒼龍は?」

提督「私はティラミスをもらおうか」

ビスマルク「はいはいティラミスっと」ピッピッ

蒼龍「私はチーズケーキを」

ビスマルク「チーズケーキっと」ピッピッ

提督(……エビクレープ?今はそんなものもるのか)


────────鎮守府────

<オレノナハザペイーーーーン

長門「………」

長門「近海哨戒しか出来ない今、やることがなくて暇だな」

コンコン

長門「入れ」

陸奥「そんな暇なあなたに差し入れよ」っ寿司箱

長門「陸奥か。寿司?」

陸奥「間宮では寿司は扱ってないからね。少し遠出だったけどなんだか今は妙に寿司が食べたい気分だったし」

長門「なるほどな。頂こう」パキッ

陸奥「ワサビはどうかしら」

長門「私はワサビよりショウガだな」ヌリヌリ

長門「うん?カツオが入ってないではないか!」

陸奥「残念ながらカツオは品切れだったの。代わりじゃあないけどコハダにアジがあったからそれで我慢してちょうだい」

長門「ぬぅ」


────────寿司屋表側────

\ピポン/ ゴチュウモンノシナガ

蒼龍「また茶碗蒸しですか?」

ビスマルク「冷製茶碗蒸しというものよ」

飛龍「冷やした茶碗蒸しっておいしいの?」

ビスマルク「分からないわ」パカ

\ピポン/ ゴチュウモンノシナガ

蒼龍「っと、私たちの分ですね」ヒョイヒョイヒョイ

提督「ありがとさん」

飛龍「ありがとありがと」

提督「………ふーむ、ティラミスか」パク

飛龍「ん?ティラミスがどうかしたの?」

提督「ティラミスを見たらふと昔の夢を思い出してな」

飛龍「どんな夢だったのさ」

提督「ティラミスに一方的に殴られてる夢だ。浮翌遊するホットケーキや魔女の形をしたマドレーヌなんてのもいたな。今思い出すと、悪夢だった」

ビスマルク「それより提督、ちょっと口開けて」

提督「うん?」アー

ビスマルク「それっ」ヒョイ

蒼龍「むっ!」

飛龍「わお」

提督「………なんだ、これは………」

ビスマルク「冷製茶碗蒸しよ」

提督「想像以上だな」

ビスマルク「どういう意味で」

提督「少なくても、私の好みではないということさ」

ビスマルク「そう。残念。私は好きね」

提督「そうか」ツンツン

提督「ん?」

蒼龍「はいあなた、一口どうぞ」

提督「うむ」パク

ビスマルク「~~♪」ニヤニヤパクパク

飛龍(ねぇビスマルク)ツンツン

ビスマルク(何かしら?)

飛龍(もしかして、コレをやらせたいがために)

ビスマルク(偶然の産物よ。でも、こんなサービス、滅多にしないんだから。飛龍は余計な口を滑らしちゃダメよ)

飛龍(分かってるって)ふふふ

ビスマルク「ふふふ」

飛龍「ふふふふ」

提督・蒼龍「?」


────────寿司屋裏側────

バイト1「くっそwwwwwwあの男美人のネーちゃん3人とイチャイチャしやがってwwwwww」

バイト2「まぁまぁ、落ち着いてくださいよ」

バイト3(国産大ウナギウメェ280円だけはあるな。冷たいけど)パクパクパク

バイト4「休憩はいるのね」


────────寿司屋表側────

バイト5「お会計2万4840円になります」

提督「カードで」

バイト5「かしこまりました」ピッ

ピポパポピポ マタノゴライテンヲ~

ビスマルク「なんだか回転寿司って私の思ってたイメージと少し違ったわね」

蒼龍「いったいあなたはどんなものを想像していたんですか」

ビスマルク「そうね、ここの軍艦とは違ってノリが内側でその外にコメが巻かれていたわ。クリームチーズやエビテンを巻いて食べるらしいわ」

提督「それは所謂海外寿司だな。でもカリフォルニア・ロールめいた海外寿司なら食べてなかったか?」

ビスマルク「カルビマキやエビテンマキのこと?あれはなんか、こう、違うのよ。似せてある別物?みたいな」

提督「まぁでも、お前がイメージしてるような海外寿司はこの辺の回転寿司じゃまず目にかかれないだろうな。少し遠出すれば海外寿司専用の寿司バーがあったはずだが………」

蒼龍「それにしても2万4840円ってどのくらいの金額なんですか?なんとなくお金かかったなぁくらいならよかったんですけど」レシートブンブン

飛龍「248クレだね。カード買っても245クレ。それにあわせて初回無料特典が付いてくるから実質246クレ。常時半額の店や割引デーなんてのもあわせるともっと行くよ。それにパセ────」ペラペラペーラ

蒼龍「クレ?カード?割引デー?」

提督「八八パックが242個ほど買える金額だ」

蒼龍「はぁ………八八パックが242個ですか」

蒼龍「ん?」

蒼龍「私たちそんなに食べてたんですか!!!」

ビスマルク「まぁ皆して60皿も食べればそのくらいはいくわね」

蒼龍「では提督があまり食べてなかったのもお金を気にして………」

提督「人間の胃袋は………鋼じゃないってことだ………」

蒼龍「そうですか」


────────鎮守府────

提督「なんだかんだで半日も留守にしてしまったか」

飛龍「やっと帰ってこれたというか、もう帰ってきてしまったというか」

提督「特に用もなく、長いこと留守にするわけにも行かないから仕方あるまい」

飛龍「まぁ、身近にこんな強敵がいたってことが分かっただけでも、充分な収穫ね」

ビスマルク「一度グドっただけでこの私が負けるのだもの、あなたも相当よ」

蒼龍「まるで学生の休日」

提督「思い出は生きる気力を与える。生きる気力は士気となり大なり小なり戦闘に影響してくる。夏の大戦も終わったばかりだから言い息抜きさ」

蒼龍「そういえばビスマルク」

ビスマルク「なにかしら?」

蒼龍「提督があなたの寿司にワサビを盛っていたのだけれど平気だったの?」

ビスマルク「ああ。あったわ。やっぱり提督の仕業だったのね」

提督「さて、なんのことやら」

ビスマルク「実は日本に来たときにワサビスシなるものを食べさせられて、それ以降ワサビに耐性がついたのね」

提督「ワサビズシ?」

蒼龍「というかスシ自体は食べたことあったんですか」

ビスマルク「?」

ビスマルク「スシは私が日本に来たら真っ先に食べた食べ物だもの」

提督「して、ワサビズシというのは」

ビスマルク「呼んで字の如く、ワサビのスシよ。食べた後暫くは味が分からなかったわね。でも、不思議とまた食べたくなるのよね。こんど一緒にどう?」

提督「遠慮しておこう」

蒼龍「私も遠慮しておきます」

飛龍「私もちょっとね」

ビスマルク「そう?おいしいのに」

────────────────

>>25 訂正

ビスマルク「ああ。あったわ。やっぱり提督の仕業だったのね」
  ↓
ビスマルク「ああ。あれね。やっぱり提督の仕業だったのね」

ここからは、蛇足です。




それから、およそ一年後


────────鎮守府、岬────

蒼龍「やっと、終わりましたね。長かった戦いが」

提督「だが、長きに渡った戦いで海へと散っていった者たちへの手向けを、私たちは忘れてはいけない。それは生き残った者の義務であり、使命だからだ」

提督「私は忘れない。海の底へ沈んで行った者たちの名前を。私がいつか、この星になるまで」

提督「蒼龍、キミはよくやってくれた。最初から最後まで。武人として、私の妻として。これからも、よろしく頼む」

蒼龍「はっ!喜んでお受けいたします!」

提督「………よし。先ずは最初の手向けだ」

提督「そーれ!」ポーイ

………………………ポチャン

蒼龍「なんですか?それ」

提督「ガラスの小瓶に入れた羊皮紙を海に投げると願いが叶う。そういう言い伝えがあるのさ」

蒼龍「なるほどなるほど、して、なんと」

提督「『もしも生まれ変わる事ができたのならば、また私の所へ来てくれ。そのときには寿司でも』と」

蒼龍「寿司ってのがまた、提督らしいですね」

提督「そうか………」

提督「………………」

提督「そろそろ行こうか。皆が待ってる」

蒼龍「ええ。いつまでもここで立ち止まってる訳には行きません。私たちにはまだ、やることが山積みですからね提督」


────────鎮守府内回転寿司────

長門「遅いぞ提督」

北方「遅イ!遅イ!」ポフポフポフポフ

提督「主役は遅れて登場するものだ」

提督「しかし、随分と大所帯になったものだ」

────

タ「酒ダ!酒ヲ持ッテコイ!!ハハハハハ!!!」プハー////

隼鷹「ひゃはははははひゃははははは!!!!」プハー////

足柄「アハハハハハハハハハハハハ!!!」プハー////

武蔵「ハハハハハハハハハ!!!!」プハー////

那智「まったく、コイツらは静かに飲めんのか」

────

暁「エビクレープ?まったく誰がそんなお子様みたいなもの──」チラッチラッ

ヴェル「コク、コク」チラッ

ヴェル「電、エビクレープを頼めるかい?」

雷「私も私も」

電「了解なのです。暁はどうするのです?」

暁「しょうがないわね。皆が頼むなら私だって頼むわよ」

電「了解なのです」

雷「ところで響何飲んでるの?」

ヴェル「ただの水だよ」

────


────

陸奥「あら大和じゃない。久しぶり。いつ以来かしら?」

大和「お久しぶりです。7月の初めの方にはいろいろなところに駆り出されていたのでそれ以来かと」

陸奥「そう、ちょっと見ない間に随分たくましくなったじゃない」

大和「それほどでもないですよ」パシャパシャ

大和「?」

青葉「どうも恐縮です!青葉です!一言取材お願いします!」

陸奥「といっても、何を言えばいいのかしら」

青葉「そうですね、では今の気持ちをどうぞ!」

陸奥「そうね、艦!て感じかしら」

────

加賀「────────」モシャモシャ

赤城「────────♪」パクパク

瑞鶴「それでねそれでね」チュルチュル

翔鶴「へぇ、私の知らない間にそんなことがあったのね。あ、赤城さんそれ取って貰えるかしら」

赤城「これですか」

翔鶴「そうそれです。ありがとうございます」

赤城「どういたしまして」パクパク

瑞鶴「あ翔鶴姉私に半分頂戴」

ヲ「────♪」パクパクパク

加賀(私は見ていました。このヲ級が亜音速で五交戦の胸が無い方の寿司にワサビを塗るところを)モシャモシャ

加賀(しかし、ここでソレを告げるのは無粋というもの)モシャモシャ

瑞鶴「いただきまーす」パク

瑞鶴「!!!!!!」

ヲ「ヲッヲッ♪」パクパク

加賀(あなた、なかなかやりますね)

ヲ(ヲッヲッ♪)

ヌ「………」パクパク

ヌ「ゥッッ!!!!!」ジタバタジタバタ

────


────

飛龍「平和って感じね。元敵と見方が入り乱れて寿司を食べる様は」パク

提督「本当の意味で平和になったわけじゃない。戦いが終わり、両者互いに譲るところを見つけただけさ。平和への道は、敵も見方も手と手取り合って歩んでいく。でも歩んだ先で意見がすれ違いまた戦いになるかもしれない。だけど俺達は譲歩するということを互いに学んだ。だから───」

蒼龍「辛気臭い話はここで終わりです」

提督「………そうだな。無粋だった」

ビスマルク「あら、私がいないというのにもう始めてるのかしら?」

提督「遅いのが悪いんだ」

蒼龍「主役は遅れてくるんじゃなかったのかしら?」

提督「何!?主役は私ではないのか!?」

────裏側────

バイト1「貸切ってだけあってめちゃくちゃ忙しいなおいwwwwwwwwwwww」セッセセッセ

店長「無駄口叩いてる暇あったら手を動かせ手を」セッセセッセ

バイト3(うわあああまた炙り入ってきた)セッセセッセ

バイト6「貸せ。私がやる!お前は流せ!」セッセセッセ

バイト3「はい」セッセセッセ

バイト7「コレ絶対バイトの人数足りないっすよ」セッセセッセ

店長「いくら募集しても来ないんだから仕方ないだろう!」セッセセッセ

間宮「~~~♪」テキパキテキパキ

鳳翔「さすが間宮さん早いですね」テキパキテキパキ

間宮「鳳翔さんこそ」テキパキテキパキ

店長「見習え」セッセセッセ

バイト1「ムリっすwwwwwwww」セッセセッセ

────表側────

山城「寿司が回ってきません」

扶桑「不幸だわ」

日向「瑞雲セット?」

伊勢「日向、私にも」

バイト4「晴嵐セットおまちなのね」

────

────

飛行場姫「隣イイカシラ?」

霧島「どう………………」

霧島「………………」

飛行場姫「アラァ偶然。随分ト久シイワネェ」

金剛「OH,YOUはあのときの」

榛名「2年前の夏、アイアンボトムサウンドにおいて幾度と無く姉様たちの邪魔をし、そして今年の夏も幾度と無く榛名たちの前に立ちふさがった」

霧島「飛行場姫………ッ!」

飛行場姫「ソンナ怖イ顔向ムケナイデクレナイカシラ。ゾクゾクシチャウ」

比叡「………それで、何のようですか?」

飛行場姫「用ッテ訳ジャ無インダケレドネ。挨拶周リ?私ッテホラ、優秀ナ指揮官ダカラ?部下ノ保障ヲウンヌンッテ事デアナタ達ノ提督ノ所ニオ願イニ行ッタノヨ」

飛行場姫「ソシタラアナタ達ニ蹂躙サレタ事ヲ思イ出シチャッテェ。私ソンナ指揮ヲ取レルアナタ達ノ提督ニモウゾッコン」クネクネ

金剛・比叡・霧島「………」

飛行場姫「エヘヘ、エヘヘヘヘ」グビグビ

金剛(こんなのに私たち苦戦していたんですカ)

比叡(なんかもう………)

霧島(比叡、それ以上は言わなくていいです)

飛行場姫「ネェ霧島ァ!聞イテヨォ!提督ガァ!提督ガァ!」ベタベタ

霧島「ええい離れなさい!この酔っ払いが!酔うの早すぎ!!」ペシペシ

飛行場姫「エヘヘ提督ゥ・・・チューーーー」ベタベタ

霧島「や、やめっ!私は提んーーー!ングング!!!」ボコバキカブーム

比叡「やっちゃえ霧島!」グビグビ

榛名「何が、起こってるんでしょうか」

金剛「榛名は見なくていいでス」

飛行場姫「痛イデス………」サスリサスリ

霧島「フン!」ペッ

────


────

陽炎「結局、陽炎型は全員集まらなかったね」パクパク

不知火「人数が多すぎるのよ。しょうがないわ」パクパク

陽炎「それにしても」パクパク

不知火「────」パクパク

陽炎「二人は少なすぎでしょ!!!」

駆逐棲姫「ショウガナイ、ショウガナイ」パクパク

不知火「別に淋しくなんてないわ」パクパク

軽巡棲姫「ソレガ運命」パクパクパク

ヨ「クククク」ズルズルズルズル

ロ「フガッ!フガッ!」バリバリバリバリ

陽炎「てかここ深海棲艦多くない!?ちょっとあんた!なに皿まで食べてるのよ!」

ロ「フガッ!フガッ!」バリバリバリバリ

不知火「ふむ………」パリッ

不知火「固いですね」

陽炎「当たり前でしょう!」

────

────

天龍「………」パクパクパクパク

木曾「………」パクパクパクパク

天龍「………」パクパクパクパ

木曾「………どうした?手が止まってるぜ?」パクパクパクパク

天龍「うるせぇ!俺は世界水準超えてるんだよ!らぁ!」パクパクパクパク

龍田「天龍ちゃんそろそろ止めておいたらぁ?」パクパク

天龍「頼む龍田、止めないでくれ。負けられない戦いなんだ」パクパクパクパク

球磨「木曾もそろそろ諦めるクマ」パクパクパクパクパクパク
【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】

球磨「ねーちゃんにはかなわねぇクマ」パクパクパクパクパクパク

木曾「へへへ、うぷっ」………

天龍「くそ!俺は、ここで、終わるのか………」………

球磨「バカな妹を持つと大変クマ」パクパクパク

龍田「ふふふ」

多摩「ニャー」パクパク
【生け作り】

球磨「そういえば北上はどこいったクマ?」

多摩「波止場ニャ」

球磨「そうかクマ」パクパクパク

<ナカチャンダヨー


────────波止場────

北上「大井っち、提督たちからお刺身もらってきたよ」

北上「それとお酒。私はお酒はあまり飲まないほうなんだけどね。今日は、少し飲みたいかなって」

北上「………私たちは戦いに勝った。まだ、平和になったとはいえないけどさ。仮初の平和を楽しむくらいなら、大井っちには許されるんじゃないかな」

北上「私は………………」

北上「うーん。いいや。大井っち、少しだけ一緒に飲も」ポン

北上「あーでも大井っちお酒入ると手がつけられないから少しだけね」ジョボボボボ

ニャー ニャー

北上「………………」パク、パク

北上「潮の香りを嗅ぎながら食べるお刺身は美味しいね、大井っち。なんかほら、新鮮味があるっていうか」

北上「でもすこし、潮の香りが憎らしいかな」ゴク、ゴク

北上「………分かってるよ。提督は悪くない。作戦も指揮も。不慮の事故だったって」ゴク

北上「────────プハー」

北上「さて、そろそろ私は戻るよ。あんまり遅いと皆心配するからね」

北上「じゃあね大井っち」

北上「あ、そうだ。大井っちに一つ渡すものがあったんだ。ちゃんとキャッチしてよ。そーれ!」ポーイ

………………ポチャン

北上「またね、大井っち」







チ級「────────」


『さようなら、大井っち。元気でね』









チ級「……………」.;:…



チ級「…...:.;::..




チ;::: .:.;:....




────────鎮守府回転寿司────

北上「ただいまー」ヒック

多摩「おかえりニャー」

球磨「ちゃんと渡せたクマ?」

北上「うん。もちろん。だってハイパー北上様だよ?」ヒック

球磨「ならいいクマ」パクパク

球磨「だったら、泣いてないでお前も食えクマ!どうせ全部提督持ちクマ!今食わなかったら損するクマ!」

北上「わかったわかった。わかったからそんな押し付けないでよーもー」

チ「貴様ラハ随分ト仲ガイイナクマ」パクパク

球磨「姉妹ってのはそういうもんだクマ。それと、真似するなクマ」

チ「フン」パクパクパク

チ「ダガナ、勘違イスルナヨ。私達は負ケタ訳デハ無イ」パクパクパク

球磨「言ってろクマ!今度出てきてもケチョンケチョンにしてやるクマ!」パクパクパクパク

球磨・チ「フン!」パクパクパク

【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】【サーモン】

多摩「ニャー」モシャモシャ


────


────

ZZZZzzzzzzz 
 ZZZZZzzzzzz
  ZZZZZZzzzzz

提督「みんな好き勝手な場所で騒ぐだけ騒いで寝てやがる」

蒼龍「やれやれですね」

提督「ビスマルク、飛龍、蒼龍」

ビスマルク「なにかしら?」

蒼龍「なんでしょう?」

飛龍「ん?なに?」

提督「全員叩き起こせ貸切は終わりだ」

ビス・飛龍・蒼龍「任務了解!」

<ギャージャガイモガセマッテクル!
<ダレガジャガイモデスッテー!

ビスマルク「仕方が無い」

ビスマルク「私の歌を聞けぇぇ!」


────

────────提督執務室────後日

提督「まさか、ビスマルクの歌で全員跳ね上がるとはな」

蒼龍「彼女には、それをさせるだけの何かがあるんでしょうね」

提督「なにか、か」

提督「その何かのことを、カリスマと言うんだよ」

蒼龍「あの後なぜかビスマルクの単独ライブにまで発展しましたからね。カリスマの度を越してませんか?」

蒼龍「提督、お茶です」トン

提督「うむ」

提督「最近は茶柱が2本立ってるな。コツでも掴んだのか?」

蒼龍「偶然ですよ。良い事ありそうが2倍で縁起がいいじゃないですか」

提督「それもそうだな」

バン

ビスマルク「提督!焼肉に行きましょう!」

蒼龍「ですって」

提督「焼肉か、長いこと行ってないな。よし行くか」

ビスマルク「そう!それじゃあ私は支度してくるわ!」ビスバルト

蒼龍「でもいいんですか提督?」

提督「なにがだ?」

蒼龍「普段を見るにあの人結構食べますよ」

提督「税金を使わないと困る人たちがいるのさ」

提督「それに、どうせ経費として使ったところで私の給料から天引きなのだ。大した変わりはないさ」

提督「………蒼龍、まさかその格好で出るつもりか?」

蒼龍「………?」

蒼龍「あっ………」

提督「早いところ支度してこい」

蒼龍「任務了解!飛龍もさそってこよっと」タッタッタッ

提督「まったく、随分と楽しいところになったモノだ。お前もそう思うだろう?」







 なぁ、叢雲。








 ────────艦────────

叢雲 ・・・ 長きに渡った戦いで海へと散っていった者たちの一人。語られてはいないが初期艦。最初に回した建造で蒼龍が出た、という設定。
       初期鎮守府は閑散としていて賑やかのにの字もなかった。

バイト3 ・・・ バイト1-2、5-6、店長と同じ役回りで回転寿司屋の裏側から見た一人。

バイト4 ・・・ 別名伊19。なんとなくでバイトを始めたが提督にバレる。本来ならお咎めをもらうところだったが提督から”いたずら”のお願いを聞くことでお咎め無しになった。

消えていったチ級・・・ 長きに渡った戦いで海へと散っていった者たちの一人。作戦帰投中スコールに飲まれ消息不明。後、装備していた艤装が鎮守府近海に流れ着き『轟沈』判定を受けた。その後深海棲艦となるも北上の手紙を見て消えていった。

>>31
>飛行場姫「痛イデス………」サスリサスリ

そこは「ヤーダァ、痛イジャナイ? 壊レチャウ……」じゃね

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