運転手「次は…雛見沢~雛見沢~…」
金田一「あ!…降ります降ります!」アセアセ…
…プシュー…ブロロロロ…
金田一「ここが雛見沢村、か…」
…ザッザッザッザッ…
???「すみません…あなた、金田一さんですか?」
金田一「はい…そうですけど…?」
大石「んっふっふ!…やっぱりそうですか。お待ちしてましたよ~。私は大石蔵人…興宮署の刑事です。」
金田一「…!…じゃあ、あなたが明智警視の知り合いの凄腕の刑事さん…」
大石「なっはっは!やだなぁ、凄腕なんて買い被り過ぎですよ~。私ゃあ定年間近のただの年寄りです」
大石「それより金田一さん…あなたに来て頂いたのはある事件の解決に協力して頂きたいからなんですよ」
金田一「確か…雛見沢連続怪死事件…でしたよね。」
大石「えぇ、そうです。」
大石「まぁ、こんな所で立ち話もなんなんで私の車に乗って下さい。」ガチャ…
金田一「あ…どうも」ガチャ…バタン…
金田一「………。」
~ 雛見沢連続怪死事件 ~
この雛見沢村において四年連続で起こっている謎の連続怪死事件。
毎年六月に行われる“綿流し”と呼ばれる村祭りが行われると、
誰か一人が不可解な死を遂げ、
誰か一人が行方不明になる。
被害者達に共通している事は、過去にダム建設の話が持ち上がった時、
この村からの立ち退きに賛成した者や工事の関係者である。
…と大まかな内容を明智警視を通じて聞いたけど…
金田一(わざわざ毎年祭りの日に決まって二人ってとこに犯人の異様なこだわりがあるような気がするな…)
金田一(けどこれってなんか…)
大石「どうしたんです?金田一さん…難しい顔して」
金田一「あの…大石さん。事件の被害者について詳しく教えて貰えませんか?」
大石「えぇ。いいですよ~。この事件の被害者は…」
大石「…とまぁ、こんな感じですねぇ」
金田一「なるほど。」
大石刑事の話によると…
一年目の事件。
ダム建設の工事を請け負っていた現場監督が部下に殺害され、
その部下が行方不明になった。
二年目の事件。
ダム建設の事で、立ち退き賛成派の筆頭だった北条家の夫妻が崖から川に転落。
夫の遺体は発見されたが妻はそのまま行方不明に。
三年目の事件。
被害者は古手家の夫婦。
夫は沼で入水自殺。
そして妻は失踪。
金田一(この古手家は村の中で発言権が強い“御三家”の一つであるにも関わらず、当主はダム建設に対して中立的な立場をとっていた…か。)
四年目の事件。
二年目に亡くなった北条夫妻の息子が叔母を殺害。
息子はそのまま行方不明に…。
金田一(確かに毎年一人が死亡して、一人が行方不明ってことになってるな。)
金田一(けど…なんだ?…この違和感のようなものは…)
金田一(ダム建設を進めようとした者を殺害して、見せしめにするってのは確かに動機としては十分に有り得るけど…)
金田一(…わざわざ行方不明にする意図が良くわからないんだよな。)
金田一(確か…大石さんがさっき言ってた“オヤシロ様”の祟りだったっけ?)
~ オヤシロ様 ~
雛見沢の土着の神で古手神社に祭られている。
この村の人々からの信仰は非常に厚い。
何でもこのオヤシロ様の戒律を破った者には恐ろしい祟りがあるらしい。
金田一(このご時世に祟り…ねぇ。)ポリポリ…
大石「金田一さん。何か気になる事でもありましたか?」
金田一「あ…はい。今のところ、気になることが二つあります。」
大石「ほう…どの辺が気になりました?」
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