金田一「>>3殺人事件」 (189)

金田一「いやぁ~!福引きでたまたま旅行券が当たって、こんな所に来れるなんてなぁ~!!」
 
金田一「(そしてぇ~…あわよくばここで美雪と……♡」
 
美雪「もぉ~!ハジメちゃん!!早くしないと遅れちゃうよ!」

 
 
美雪「にしてもホントにラッキーだったよね。>>3に来れるなんて!」


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ロンドン

美雪「はぁ~っ!!本当綺麗だわ~ロンドン!!市内だけで4つも世界遺産があるっていうし!ねぇねぇ、まずはバッキンガム宮殿でも見てみる?」
 
金田一「なぁー。腹も減ったしまずはなんか食わねーか?もうヘトヘトだぜ……」
 
美雪「うーん、それもそうね。……でも何処に行く?」
 
金田一「…おっ、美雪ー。あの店何だ?」
 
美雪「ああ、あそこは>>7ね。」

古美術商

金田一「へぇ~古美術商か。ちょっと寄ってみっか。

 
 
金田一「すんませ~ん!!この辺に旨い飯屋とか無いっすか~~~?」

美雪「コラッハジメちゃん!!入ってきてソーソー品の無い!!」
 
>>10「あぁ、旅の人ですかい?」
 
美雪「あっ店長さん!」
 
>>10「おお美雪ちゃん。久しぶりじゃない!」
 
金田一「なんだぁ美雪ィ~~!ま~~た海外の知り合いか~?」
 
美雪「ええ!1年くらい前からメールで知り合ったの!店長の>>10さんよ。」

沢木 大翔(さわき ひろと)

美雪「店長の沢木 大翔さんよ。」
 
沢木「あ~旅行で近々来るって言ってたね。待ってたよ。…とすると、君がキンダニくんか!」

古美術商 沢木 大翔(32)
 
金田一「『金田一一』ッス!!(ワザと間違えてるんじゃねぇかぁ~~~!?)」

沢木「いやぁ~ゴメンゴメン!ロンドン暮らしも長いもんだからさ……
あっそうだ美雪ちゃん。>>13はもう見たかな?」
 
美雪「>>13ですか?」
 
沢木「ロンドンの名所と行ったらココだよね。美味しいスコーン屋なんかも近くにあったと思うし、寄ってみたら?」
 
美雪「へぇ~!面白そうですね!行ってみます!
それじゃ、また後で!行くよハジメちゃん!!」
 
金田一「ヘイヘイ。そんじゃ失礼しましたぁ~。」

 
 
金田一「(…ん・・・?)」

 
金田一「(コレは……>>14じゃないか。誰か落としたのか?)」ゴソッ

大英博物館

手帳

金田一「(手帳ねぇ……)」ポロッ
 
金田一「(手帳の中に写真が…?)
 
金田一「(えーと、男女2人…中学生くらいか……いつの年代かは分かんねーけど…
さしずめ子供か、おアツかったカップル、ってトコか。)」
 
金田一「沢木さんとこに預けに行かねーと……」ゴソッ
 
美雪「行くよハジメちゃーん!!」
 
金田一「ああーー!!待って美雪ちゃーん!!!!!」
 

――大英博物館
 
金田一「ここが大英博物館かー!」
 
美雪「ええ。世界最大の博物館として有名ね。えーと…
 
「大英博物館の起源は、古美術収集家の医師ハンス・スローン卿の収集品にさかのぼる。
医師であり、個人としては当時最大の博物学的収集品を持つ収集家であったハンスは遺言で彼の死後、収集した美術品や稀覯書8万点の収蔵品を総合的に一括管理し一般人の利用に供することを指示した。
管財人達はイギリス議会に働きかけ、議会はすでに国に所有されていたコットン蔵書と売りに出されていたハーレー蔵書を合わせて収容する博物館を設立することを決定した。
博物館の設立には宝くじ売り上げがあてられることになり、1753年に博物館法によって設立され、
一般向けには1759年1月15日に開館した。」
へぇー、医師の人が設立したのね。」
 
金田一「フーン大層なこった。
……大英博物館、ねぇ……」

 
 
――グレートラッセル通りに気高く聳える大英博物館。

数多もの歴史の断片を網羅したこの館を境に 
 

―――恐ろしい惨劇が幕を開けるとは、誰が想像していただろうか


金田一「んで、どうする?(早くスコーン食いてぇんだけど!)」
 
美雪「そうね、>>18>>19を見ていくとイイって。」

ビッグベン

博物館のみやげ屋

金田一「ビッグベンは……外じゃねーか。まぁ適当に土産屋でも寄るか。」
 
美雪「そうね。これだけ大きいと、一日で全部見るのはとても無理ね……あっモアイ像」
 
金田一「おおー!!オッサンに似てる!!!」
 
美雪「ちょっとハジメちゃん!!剣持警部に失礼……ププッ!言われてみれば~~!!」
      
   アハハハハハ……

 
 
>>21「おっ、観光客かい?」

>>22「へぇー、日本人に会えるなんてなー」
>>23「………」

相川 七恵(あいかわ ななえ)

工藤バーーーローー

青井碧(あおいみどり)

相川「アタシ相川 七恵っていうの!日本人同士ヨロシクねー!」
  
OL 相川 七恵(26)

相川「…あらっ、そこのキミ、カノジョ連れ?」
 
2人「(ドキッ!!!)」

金田一「ちゃいます!ちゃいます!
こっちはただの幼馴染で……」

 
 
工藤「バーロー!バーロー!」 
 
高校生 工藤 バーロー(17)

 
金田一「……ん?」
 
金田一「アンタ……どっかで会わなかった?」
 
美雪「うーん言われてみれば。何処かで見た雰囲気ね。」

工藤「気のせいだよ気のせい!」

金田一「…そりゃそうだよなぁ。なんせあん時は小学生の……」


青井「………」
 
観光客 青井 碧(22)

金田一「うわーっスッゲー美人!!クールビューティーってヤツか!?」
 

金田一「スンマセン、ここら辺に飯屋とかないっすか?」
 
相川「ああ、レストランならあるわよ。」
 
美雪「へぇー、レストランもあったのね。行きましょハジメちゃん」
 
金田一「そんじゃまた~~!」

――レストラン
 
金田一「あ~スコーンうめぇ~~。」
 
美雪「それよりもハジメちゃん、凄かったわね~!特にミイラなんて不気味だったわ~。」
 
金田一「ミイラ……なぁ……。(あんまいい思い出が無いんだよなぁ…)」
 
美雪「あっ…ミイラっていったら……ゴメン。嫌な事思い出させちゃって。
・・・そうそう!ロゼッタストーンも神秘的だったわね!」
 
金田一「ああ、ありゃ~柱の一部らしいな。最初の14行辺りがミョーに欠けてたし……『ガーディナーの記号表』だっけか。
これによるとあのロゼッタストーンは柱を意味するヒエログリフと形が一致するみてーだ。頭頂部は丸かったらしいな。」
 
美雪「へー」
 
金田一「(しっかし…ミョーに日本人が多いなぁ~~
世界最大の博物館だから外国人の客が多いのは当然にしても、なんか嫌な予感がするぜ)」
 

『う、うわーーーーーー!!!!ひ、人がーーーーー!!!!!!』
 
金田一・美雪「!???」
 
金田一「何かあったらしい!行ってみよう!!」
 

そこで見た光景とは >>29

青い目で金髪の少年が飛び降りようとしていた

少年「……」フラッ

 
 
金田一「あのガキ!!!飛び降りる気か!?」

 
工藤「クッションとか無いのか!?」

金田一「無い!!受け止めるしかなさそーだ!!」

 
 
金田一「(あのモアイ像の鼻先に合わせて目測すれば……)」

 
金田一「落下地点はあそこだ!!皆も周りを囲んでくれ!!!」
 
ワラワラワラ
 
少年「――!!」ふらっ
 
ヒューーーー

金田一「クソッ!!こっちへ来いーーー!!」

 
 
ズドーン………


美雪「ハジメちゃーーん!!」

 
 
金田一「ヘヘッ……何とか………」ズキッ

 
金田一「ぐっ!!(腕をやっちまったか…?)」
 
美雪「もぉ……」

――病院
 
金田一「ワリーな美雪。ちょっと左腕の方がボキっちまったらしい。」
 
美雪「もぉ、あんな無茶な事して!周りの人が受け止めたからいいものよ!後少し当たり所が悪かったらハジメちゃんまで…!」
 
金田一「ハハハ。わりぃわりぃ。」

 
 
>>32「やれやれ、全くムチャな事をするものですね」

 
美雪「この人が病院まで運んでくれたのよ。それと、あの子の名前は>>33らしいわ。」

ルーカス・スローン

ケビンマスク(7さい)

ルーカス「ロンドン市警のルーカスです。休暇でゆっくりとアフタヌーンティーと洒落こみたかったんですけどね…」
 
刑事 ルーカス・スローン(35)
 
金田一「アンタが運んでくれたんですか。世話かけてスンマセン…」

ルーカス「まあ、勇猛な日本人という、博物館でも中々見れないような傑作を見れただけ良しとしますがね。」
 
金田一「(どっかで何度も聞いたよーな、ハナにつく言い方するなぁ~)」
 

金田一「あっそうだルーカスさん、あの子は?」
 
ルーカス「軽く気を失っているが、大した怪我は無いようだ。全く、何故7歳もの少年があんな事を……」

美雪「それもあんな博物館で……一体なんで……」
 
金田一「………」
 

これからの展開の要素 >>41 >>42 >>43

工藤が黒服の男に連れていかれて行方不明に

少年は記憶喪失だった

そして伝説へ

――路地裏
 
工藤「全く……こんなトコに呼び出しておいて………」
 
バサッ!!
 
工藤「――!?むごごっ、むごぉっ!!!」
 
黒服の男「……(薬を飲ませる)」
 
工藤「―――
 
オレは高校生探偵というワケでもない、工藤バーロー。
個人的な用事で大英博物館へ遊びに行った後、 高校生探偵の飛び降り防止現場を目撃した。 飛び降りを見るのに夢中になった後のオレは、背後から近付いて来る、もう一人の仲間に気付かなかった。オレはその男に薬を飲まされ、目が覚めたら……」バタッ

 
 
――ビッグベン通り

金田一「……」
 
少年「・・・・・・」
 
美雪「仕方ないよ。身寄りの連絡とかもつかないし、旅行中の間だけ預かってくれって」
 
金田一「(チクショ~……美雪とのロンドン作戦もクソガキさんの登場で失敗に終わってしまった……)」
 
少年「……あの…」
 
金田一「ったく、どうしたぁ?」

 
 
少年「――ボクは、誰なんですか?」

 
金田一「……え?」

少年「何故、ボクはあんな事を」
 
美雪「えええええー!?」
 
金田一「き……記憶喪失…?まさかあの時、頭を打って……?」

 
 
少年「ああ…すいません、周りの景色を見てたら、少し思い出せました。」

 
ケビン「ボクの名前はケビン・マスクです」
 
謎の少年 ケビン・マスク(7)
 
金田一「(伝説超人かよ)」
 
美雪「えっと…アタシは七瀬美雪!こっちは金田一一!よろしくね!」

 
ケビン「ハイ……」 
 
 
美雪「ねぇ、町の光景を見たら名前の記憶が戻ったらしいし、私達の観光に付き合わせたら記憶も戻っていくんじゃ……?」

 
金田一「ああ。刺激で記憶が戻るってのは実際にもある話だしな。
よし!ケビン、お前何処行きたい?」
 
ケビン「時計塔……時計塔に何かあるかも……」
 
美雪「ビッグ・ベンね!行きましょハジメちゃん!」
 
金田一「おう!」

――ビッグ・ベン
 
金田一「はぁ~デッケェなぁ~~!」

美雪「正式名称クロック・タワーからエリザベス・タワー。高さ96m、約東京タワー3分の1個分ね。」
 
金田一「なんか小さく聞こえるなソレ」
 
美雪「どうケビン君?なんか思い出せそう?」
 
ケビン「………鐘が……」

 
美雪「?」 
 
>>51「おい!どうなんだ!?」

>>52「は、ハイ!やってます!!」
 
金田一「あれ、あの人たち>>53らしいな。」

チャーリー大橋

ユリエル・カーター

安価ズレる形で
 
チャーリー「チッ、ロンドンのTV局はだらしねぇ……」
 
ユリエル「スイマセェン……」
 
美雪「コメディアンね。あっちの大柄の人は日系人かしら?」
 
チャーリー「おっ、日本人のねーちゃんだ!チミ~!仕事が終わったらオジサンが遊んであげよっか~?」
 
コメディアン チャーリー大橋(32)
 
ユリエル「モォ~マタナンパ癖ガ!!」
 
AD ユリエル・カーター(28)
 
ケビン「……!!」
 
金田一「(…?あのオッサンを見たら、ケビンの顔つきが変わった…?)」
 
チャーリー「おっ、そこの坊ちゃん!このチャーリー君がサインでも…」

チャーリー「…!?(あ、あのガキ…まさか……イヤ、そんな筈は………)」
 

ゴォーン 
      ゴォーン
              ゴォーン
 
金田一「……鐘の音?」

ユリエル「オカシイデスネ、正午ハスギタハズナノニ」

 
 
金田一「…時計塔の上から……何かが落ちてきて………」

 
       
    
   ドスッ

金田一「こっ………これはッ!!!」

――古めかしい時計塔が、血に染まっていく
 
美雪「いやああああああ!!!」

チャーリー「う、嘘だろ…?」
 
ユリエル「コ・・・コノヒト!!モシカシテ…」
 
落ちてきたのは
 
ケビン「…プトレマイオス……」

美しい体を6つに分けた

金田一「!?」

バラバラのパーツとなった
 

ユリエル「アイカワサン!????」
 
     ――相川 七恵の、無惨な姿であった

――数時間後
 
ルーカス「…大変な事に巻き込まれてしまいましたね」
 
金田一「……」
 
鑑識「解剖、終ワリマシタ。」

ルーカス「解剖結果を。」
 
鑑識「ハッ。死亡推定時刻ハ午前11時~13時、死因ハ絞殺。絞殺後、カラダヲバラバラニサレ塔カラ落トサレタモノカト。」

ルーカス「成程。落とした方法については?」
 
鑑識「現在、塔上部ヲ調査デアリマス。」
 
ルーカス「ご苦労。」
 
金田一「……」

美雪「まさか…私達が会って間もなかったのに…」
 
ルーカス「会ってきた?被害者の方と面識が?」
 
美雪「ええ。確か…午前10時辺りに博物館の方で。一度会っただけなんですけど…」
 
ルーカス「ふむ。となると、被害者は博物館の方で殺された後、持ち運ぶためにバラバラにされたか、それともただの猟奇的殺人か……」

 
 
金田一「そういや、ユリエルさんでしたっけ?アンタも相川さんと面識があったようだけど。」

 
ユリエル「エ、エエ。昔仕事の方デアチラノ…大橋サント一緒ニ……。相川サンハ大学時代モデルダッタンデスヨ」
 
金田一「……」

 
 
チャーリー「どうして相川が……まさか…あの時の………」ブツブツ

 
金田一「ルーカスさん、現場の方はどうなっていましたか?」
 
ルーカス「えー、先ほど簡単な検証が終わったのですが…」
 
現場の状況
>>60 >>61 >>62 >>63
 

凶器が残っていた

時計の針を動かせるところの鍵が警備員室から盗まれていた

左手だけ別人の物だった

(塔上部のことかな)
まるでそこで解体したかのように血だらけ

ルーカス「まず、凶器であったロープ……中々頑丈ですね。長さに余裕があるようですが、手に巻き付けて絞殺といったところですか。こちらが落ちていました。」
 
ルーカス「それと…現場と思われる…塔上部は血だらけでした。血液鑑定の結果相川さんの血液と一致、塔で解体された可能性が高そうです。」
 
ルーカス「時計の針が動かせる部屋の鍵…こちらが警備員室から盗まれていました。こちらで時計の針を鳴らして鐘を鳴らしたのではないかと。」
 
金田一「…(アレ?時計塔の時間って、別にズレてないよな……?)」
 
ルーカス「それから……」

 
 
ルーカス「左手は別人の物であると、判明しました。」


チャーリー「何!?」
 
ルーカス「只今指紋から鑑定していますが、色からして日本人のものである可能性が高そうです。」
 
金田一「……(何故だ?)」
 
金田一「(何故犯人は、そんな中途半端なコトを………)」


沢木「おーい!美雪ちゃん!!」
 
美雪「あっ沢木さん!」
 
沢木「騒ぎを聞きつけて来てみたんだが、とんでもない事が起こってしまったね……」
 
美雪「ええ……」

沢木「…不謹慎なんだけど、こんな時こそ君の出番じゃないか?金田一くん。」
 
金田一「えっ、オレっすか?」
 
沢木「七瀬くんから話は聞いてる。なんでも君のお爺さんはあの名探偵……
 
金田一耕助らしいじゃないか!」

 
 
ルーカス「!」

ユリエル「!?」
チャーリー「名探偵の…孫!?」
 
金田一「ええ…一応、そうっすけど。」
 
沢木「なら話は早い!名探偵の孫として、この怪事件を解き明かしてみたらどうだ!」

ルーカス「困りますよ!勝手な事をされては…」
 
金田一「いいですよ。」
 
美雪「ハジメちゃん!」

金田一「内部の捜査までは完全に終わってないんですよね?少し、見せて貰っても宜しいですか?」

ルーカス「しかしねぇ……」ピピピピピ
 
ルーカス「失礼。ハッ……ア、明智警部!ご無沙汰しております……ええ……ええ……成程、彼が…」ピッ
 

ルーカス「・・・・・・・・内部の捜査を許可します。」
 
金田一「(フゥ~、明智さんの人脈、スゲーなぁ……)」

――塔内部
金田一「どうっすかルーカスさん?」
 
ルーカス「どうもこうも、犯人に直接繋がるような手掛かりは見つからない。この階段数、登るのには相当時間がかかる筈だが…」
 
金田一「エレベーターとかの昇降機も無いらしいですからね。昼間に登って……」

 
 
ルーカス「そもそも一般人自体、ビッグベンに入る事自体が国会議員の紹介でもない限り難しい。警備員はガスか何かで眠らされていたようだが…」

 
金田一「もしくは、盗まれた鍵を使って、とか。」
 
ルーカス「鍵はキーストッカーに繋がれていた。正面玄関、塔上部、鐘の調律用の部屋の鍵が繋がれていたようだな。
とりあえず、調査を続けるとしよう。」

 
 
 
金田一「終わりましたね。」

 
ルーカス「ああ。
>>71
>>72
>>73
>>74
辺りが、犯行に関連してそうだ。」

 
※多分今日はここまで。予想以上に真面目に進んでしまった。

過去に起きた美術品収集家の殺人事件

黒の組織

工藤

脅迫状

金田一「えっ、ちょっと待て、黒の組織って」
 
ルーカス「金銭、プログラムの取引から要人の暗殺、なんでもござれの犯罪組織ですよ。何でも構成員は全員黒ずくめとか。」

金田一「えぇ…(犯罪組織……ねぇ…)」

ルーカス「それから……被害者の相川さんと一緒に博物館にいた高校生、工藤君でしたかな。彼が行方不明のようです。現在捜索中ですが、黒ずくめの男に連れていかれた、との目撃情報が入っています。」

金田一「く、工藤が!?」

ルーカス「先の黒の組織との関与の可能性もありうる。先の左手といい、覚悟は決めておかなければならないようですね。」
 
金田一「………」
 
ルーカス「更に…相川さんには脅迫状が送られていたらしい。コレですよ。」
 

マエノ オトシマエヲ ツケヨウ
イチジ ハンニ
バシデ マツ
ロンドン

金田一「ケッコーボロボロだな。ソートー雑にその場の紙か何かを破って作られたみてーだ……ただ、オトシマエ、ツケヨウって感じで、内容は予想が付くな。」

ルーカス「ですね。「バシデ マツ」というのは、後のロンドンの付け足しを見るからにロンドン橋のようですね。スペースが予想以上に足りなくなったようだ。ここで待ち伏せされ殺害、という流れですか。それに日本語のカタカナ、それで書かれている辺り、日本人の犯行の可能性が……」

金田一「そーとも言えない。全部新聞か何かをはっつけて作られてるし、組織絡みとかだったら通訳とかが存在してもおかしくはない。それに相川さん、チャーリーさん達と顔見知りらしかったから……」
 
ルーカス「ふむ。相川さんの経歴を洗い流しましょう。それと一つ、関連しそうな事件があるのですが…」
 
金田一「それって…?」

ルーカス「過去に起きた……美術品収集家の殺人事件、ですよ。」
 
事件の概要
>>77 >>78 >>79

切り裂きジャックが大量に出現した

3人の収集家がそれぞれ違う方法で惨殺された

死体は殺害後すべてバラバラにされていた

ルーカス「何年前でしたか……三人の収集家がそれぞれ違う方法で惨殺……惨殺といっても違いはあれど、共通な点は今回のようなバラバラ殺人だった、という事ぐらいでしょうか。」

ルーカス「それに奇妙な点がありまして……その殺人の犯人、『切り裂きジャック』を名乗る人間が大量に存在していたんですよ。まぁ、ただの愉快犯でしょうが。」

金田一「切り裂きジャック……ねぇ。」
 
金田一「(切り裂きジャック、ジャック・ザ・リッパー。子供の頃にジッチャンの書斎でコイツの本を見たことがあるぞ。1888年8月31日から11月9日の約2ヶ月間、ロンドンのイースト・エンド、ホワイトチャペルで少なくとも売春婦5人をバラバラにした狂気の殺人鬼。新聞社に殺害予告なんかを送り付けてたらしーが、結局犯人の逮捕には至らなかったんだとさ。)」

金田一「(ジャック・ザ・リッパー……一連の犯行は、本当にお前の仕業なのか…?)」

ルーカス「とりあえず今日は休んだ方が良い。色々とあり過ぎましたからね。明日はアリバイ調査を重点に行っていくとしよう。」

金田一「ええ……世話になりました…(あれ、そういやケビンは何処だ?)」


――午後10時 某所

???「………」

ユリエル「ア、ア、ア、ア、ア、アアア、ヤッパリアノトキノ……チ、チガウンダ!チャーリートアイカワサンガアンナコトヲイイダサナケレバ!!」

???「…………」ブンッ
 
ユリエル「ヒィィィヤメ」
 

グッシャアアア

 
 
 
※この後の展開の要素

>>82 >>83

時計が止まる

ビックベンの

――翌日 トラファルガー広場 ネルソン記念柱前

金田一「………」

美雪「………」

ルーカス「なんてこった……」
 
そこにあったのは、ホレーショ・ネルソン提督の業績を記念するために建造されたネルソン記念柱。
死してなお、その威光は全く衰えることなく、ネルソンの勇敢さは誇示されている。
 
   ――ただ、その頭頂部を、血まみれのユリエル・カーターを串刺しにした状態で…

金田一「くっ……左手がまた切り取られてやがる……」

ルーカス「鉈か何かで斬殺、といったところですね…」

>>89「ヒッデェ有様だなあ…」
>>90「可哀想に…」

ルーカス「アソコの目撃者に話を聞いてみる必要がありそうですね。」

外川 一二三

カサンドラ ノーリッシュ

外川「外川 一二三。観光客です。」

観光客 外川 一二三(40)

金田一「(他人事だとは思えない名前だな)」

ルーカス「警察に通報されたのは貴方で?」

外川「ええ。今日で旅行3日目なのですが、朝早くに記念柱を見ようと思ったらアレですよ……」

ルーカス「今が9時30分。発見されたのは」

外川「確か、30分前、9時頃でしょうか。あそこの時計塔、ビッグ・ベンですね。アレで確認しました。腕時計とかはあいにく持ち合わせていなかったし、携帯の方もアレ、時差とかがあるでしょ?」


カサンドラ「僕はカサンドラ・ノーリッシュ、手短に頼むよ!」

男性モデル カサンドラ・ノーリッシュ(23)

ルーカス「えっと、カサンドラさんですね。一度拝見した事があります。」

カサンドラ「それはドーモ!なんせボクは、あのヒーロー、チャーリー大橋と肩を並べるほどの人気者だからね!」

美雪「カッコいい~~!」

カサンドラ「Oh、ジャパニーズハニィ。あんなものを見て心に傷を負ってしまっただろう。大丈夫だ、ボクがいる限りね!」

美雪「ポワァァ~~~」

金田一「(ヘンッ!キザなヤロー…それに、チャーリーって人、結構な人気者だったらしいな)」


カサンドラ「えーと、8時だったかな。その時にはあの英雄像は血で汚されはいなかったね……」

ルーカス「つまり…1時間の間に、死体は銅像に串刺しにされたワケですか。やっぱり時計塔で時間の確認を?」

カサンドラ「ええ。腕時計を付けるのはあまり趣味では無くてね。」


鑑識「解剖ト捜査、一通リ終リマシタ!」

ルーカス「ご苦労。結果の方を」

鑑識「ハッ!」

詳しい現場の状況
>>92 >>93 >>94 >>95

切断面からの出血はない

遺体の口の中に謎のメモが入っていた

周囲に人気はなかった

青のスプレーで体が塗られていた

ルーカス「こんな所ですか。」

金田一「切断面からの出血が無い……となると…殺されて時間が経ってからの切断ですね。」

ルーカス「そのようですね。しかし……まぁ、奇怪な姿だ。全身が青く塗られて殺されているなんて…」

金田一「ルーカスさん、口の中のメモは?」

ルーカス「ええ。また、脅迫状でしたよ。」

ギハ チャーリー

金田一「また雑なメモな事・・・・ご丁寧に切れ端か何かをメモに使ったみたいだ。」

ルーカス「手帳か何かの切れ端らしいですね。当然、チャーリーさんは現在厳重な警備を付けて保護をしています。」

金田一「やっぱりあの三人組、過去に何かやらかしてるみたいで…(手帳…)」

金田一「…もしかして……」ペラッペラッペラッ

金田一「!!!!!この手帳!!!「ツ」の字だけを残して破かれてるページがある!!!」

ルーカス「なんだって!?本当ですか金田一君!?」


ルーカス「ホントだ…切れ端が完全に一致した。この手帳、犯人のものと思って間違いなさそうですね。この手帳は何処で?」

金田一「えーと、古美術商の沢木さんの店で落としてあったのを。それから…この写真なんですけど。」

カサンドラ「!?」

金田一「一緒に挟まっていたものです。」

ルーカス「成程、この二人の調査も一応、しておいた方が良いですね。」

カサンドラ「ノー……ノー!!ダメだよ!プライバシーってのは尊重されないと!」

ルーカス「しかしこれは…」

金田一「………」

ルーカス「とりあえず、沢木さんを含め、アリバイ調査をするとしましょう。」


金田一「…(お?コレは>>98じゃないか。無関係かもしれないけど、一応拾っておかないと…)」

黒酢

今日はここまでです……トリック考えるのムチャクチャ難しいっす…(そもそもカオス系SSを想定していた身)

――監視センター前
ルーカス「…監視カメラの捜索で分かったのですが、どうやらユリエルさんの殺人の前後に犯人の姿が映ってたらしいですね。途中で犯人に壊されて、その部分までしか復元できませんでしたが…」

金田一「ホントか…!?今すぐ調べましょう!!」

 
 
『ホ、ホントニシャベラナインデスヨネ…?ワタシノイノチダケデモ・・・?』


金田一「黒ずくめの男とユリエルさんがなんか話してるみてーだな。」

ルーカス「これは午後8時頃の映像ですね。もう少し進めてみましょう。」

『………』

金田一「あっ、また黒ずくめの男だ!」

ルーカス「……殺害後、といった感じですね。凶器は始末したようだ。」

『えーっと、何処だったかな』

金田一「あっ、外川さんだ。忘れ物でもしたのかな。」

ルーカス「先ほどの男が出てくるまで約20分、微妙なラインではありますね。」

『……』ずっずっ

金田一「あっ、黒ずくめの男だ!!大きなバッグを持って…」

ルーカス「死体を串刺しにする直前の映像、だと思われますが…」

『……』
『パリーン!!』

ピー・・・・・ピー・・・・・・

ルーカス「ここで壊されてしまったようですね。」


ルーカス「金田一くん、今までの映像の中で不審な点はありませんでしたか?」

金田一「うーん、強いて言えば、>>104,>>105かなあ」

黒ずくめの男が腰まで届く長髪

外川さんが腕時計をしている

金田一「外川さん、腕時計してるよ。今朝は腕時計を持ち合わせていなかったーとか言ってたのに。」

ルーカス「ホントだ……詳しく聞いてみる必要がありそうですね。」

金田一「それに、犯人はどーにも長髪らしいけど…カツラでもどうにかなる範囲ではあるな。」


ルーカス「それじゃ、早速容疑者を集めてアリバイ検証といきましょう。金田一くん、あなたはあの少年と…念のため、沢木さんを呼んでもらいたい。」

金田一「そんじゃ、行ってきま……」プニッ

金田一「う゛っ……この感触……」

金田一「ゲェェェ~~~!!!犬のウンコ踏んじまってる~!」

ルーカス「…ここのトコ、高所からの出来事が多かったですからね。下の注意が抜けるのもしょうがない事です。」

金田一「チックショ~~…ロンドンでホッカホカのウンコ踏んじまうなんて……」


――???
???『イエス、ボス。少々厄介な事に巻き込まれたが…あの男の始末はすぐカタを付ける。』ピッ

???『アニキ、時間ですぜ。』

???『分かってる。

こっちとしても、先を越されたくはない。』


――ロンドン市街地
美雪「…ねぇ、ハジメちゃん。どうしてこんな事になっちゃったのかな…」

金田一「美雪……大丈夫だ、俺がついてる!」

美雪「……うん!」

ケビン「…金田一さん。やっぱり、僕のせいなんでしょうか…」

金田一「いきなり何言ってんだよケビン!偶然だってぐーぜ」

ケビン「僕が、ジャック・ザ・リッパーの子孫だから……?」

金田一「…え?」

ケビン「僕…思い出したんです。僕の家系は殺人鬼、ジャック・ザ・リッパーの家系なんです…僕が物心ついた頃から、周りからもそう知らされ、辛く当たられてきました……姉さんや兄さんもぼくが生まれて少し経った後に耐え切れなくなって家を出てしまって……」

ケビン「もう、全てが嫌になって、あの時飛び降りようと思ったんです。大勢の前で[ピーーー]ばご先祖様にも恥じないかなー、って。バラバラの死体を見たら思い出したんだ。やっぱり僕は、ジャック・ザ・リッパーの血を継いで……」

金田一「バカヤロウ!!!」

美雪「は、ハジメちゃん!」

金田一「死んで何か残せるのか!?お前は何もしてないんだ!お前が死ぬ必要なんて何処にも無いんだ!」

ケビン「金田一さん…」

金田一「…大丈夫だ!お前がお前を信じなくても、オレはお前を信じるよ!」

ケビン「……ハイ。僕、金田一さんと会えて良かった…!」


金田一「(ジャック・ザ・リッパー……ゼッテーお前の正体は暴いてみせる!)」

>>110「あれ……そこにいるのは、金田一君に七瀬さんじゃないですか!」
 
金田一「お、お前、>>110じゃないか!」

佐木二号

佐木「センパイ~~!奇遇ですね~!またまた海外旅行で遭遇するなんて~!」

美雪「佐木くん!やっぱり旅行に?」

佐木「ええ!今日一日ロンドンの風景をビデオに収めようと思って!」

金田一「お前はホントに何処行っても変わらないなぁ~~~」

佐木「センパイもぉー。聞きましたよ!また、変な事件に遭遇したとか!しかもあの殺人鬼、ジャック・ザ・リッパーの再来とか言われてますよ!こんな時あのチャーリーがいてくれたらなぁ~~」

金田一「チャーリー…佐木お前、チャーリーさんの事知ってんの?」

佐木「知ってるも何もロンドンじゃ超有名人ですよ!あの古美術商三人を殺害したジャック・ザ・リッパーの事件を暴いたのを筆頭に、数々の都市伝説に挑戦する生きる伝説ですよ!」

金田一「へぇージャック・ザ・リッパー。(どーも無関係とは思えないな)」

佐木「ボクは一日中ロンドンの街並みを撮影してるんで、何か必要になったらいつでも力になりますよー!!」

金田一「おう!じゃあな佐木!」


???「………」

――アリバイ検証
金田一「まず…沢木さん、時計塔での事件が起こった時はどちらにいらしたんですか?」

沢木「えーと、君達を見送った10時頃には店にいたし、少しだけ昼食をとった12時半以降にはずっと店にいたね。うちは店員とかはいないけど、お客さんはいたからちゃんと立証は出来るよ。」

金田一「死体が落ちたのが2時頃、4時頃に沢木さんが来たから…成立はしますね。」

沢木「記念碑の時も犯人がいたって時の夜…9時だっけ?そこら辺は店にいたからなあ。ここも証言できると思うよ。」

金田一「ええ、証言ありがとうございました!」

沢木「いいっていいって!それに…ジャック・ザ・リッパーだろ?アイツに昔殺された古美術商には僕の同業者もいたもんだからねえ…いや、別人かもしれないって事は分かってるし、大方組織絡みの犯行とかだろうけどさ…。」

金田一「……」

金田一「そうだ、沢木さん。この手帳だけど…実はあの時店に落ちてたものだったんだけど、これ、犯人のものなんだ。」

沢木「ええっ!?じゃ、じゃあ、お客さんの中にジャック・ザ・リッパーがいたって事!?」

金田一「え、ええ…」

沢木「でもこうなると困った事になったな。君達が容疑者として見ている人物、その人達全員……僕の店で客として来た人ばっかなんだよね。」

金田一「本当ですか!?」

沢木「う、うん。絵を描いてるらしい女の観光客の人は絵具が足りなくなったからって絵具を買ってたなあ。後、買い物には来なかったけど腕時計が落ちてないかって人がいて、偶然僕が拾った奴がそうだったらしくて見つかったってのはあったな。それと…イギリス人のモデルの人がなんというか、ビッグベンの絵を神妙そうに見てたなあ。」

金田一「(青い絵の具…腕時計…ビッグベン……か…事件に関連しそうな事ばっかだな)」

金田一「そんじゃ沢木さん、次行ってきます!」

沢木「おう!頑張れよ高校生探偵!」

ガチャッ

沢木「……」

沢木「しかしまあ…因果なもんだよなあ……」

青井「…その日の午前は博物館、午後は池の辺りをスケッチしていました。」

金田一「その日のスケッチを見せてくれませんか?」

青井「……」スッ

金田一「ほぉ~……(ん、これ…)」

金田一「時計塔映ってますね?これ時間の方は?」

青井「ああ…その日の時計、結局あの時の事件のせいでズレてたらしいから…」

青井「本当は1時30分だったと思うけど、実際に見た時では15分ぐらい進んでたわ。」

金田一「ええ…?(15分…なんでそれぐらいしか……)あ、ありがとうございました!」

青井「……」


青井「……ケビン……」


――ホテル内
金田一「チャーリーさー」

チャーリー「うるさい!ほっといてくれ!!」

金田一「ひー、ピリピリしてるなあ(そりゃあ、殺されるかもしれない状況だもんなあ)」

チャーリー「だ、大丈夫だ。このホテルの一室はな、指紋式なんだ。カードキーと指紋チェックがあるからもう殺される心配はねえ…。」

チャーリー「(いや・・・・そういやユリエルはともかく、相川の奴も指紋式の部屋に泊まってるって言ってたぞ……)」

チャーリー「(考え過ぎだ…そもそも呼び出しにホイホイ応じるからあんな目にあったんだ……お、オレはそんなヘマはしねえ。死なねえぞ…!)」

金田一「あー……ところでチャーリーさん、ジャック・ザ・リッパーの都市伝説を解決したって件、教えてくれませんかね~?オレ興味が湧いてきちゃいまして…」

チャーリー「うっ…こんな時にこの話か……まあいい。話してやろう。(下手に黙るとアレがバレるかもしれねえ…)」

チャーリー「オレは8年前……そん時は駆け出しのコメディアンだったが、そん時にあの事件が起こったんだ。」

金田一「古美術商3人が惨殺されたって…アレですよね?」

チャーリー「そうだ。とにかくムゴい事件だったなあ。局の野郎は冷やかしのコメンテーター程度として俺をその事件の特番に呼んだぐらいなんだが、俺の正義がどうにもこのままにするのは許さなかった。」

チャーリー「そこでだ。オレと友人、数名の番組スタッフでな、あの切り裂きジャック…ジャック・ザ・リッパーには子孫がいて、その子孫が殺人鬼に目覚めたんだって事実を突き止めたんだ。」

金田一「ホ、ホントですか…!?」

チャーリー「ああ。数えきれねえ程の検証や聞き込みを訪ねて、やっと辿り着いたんだ。犯人のヤツも折れやがったよ。」

金田一「へぇ~!……スゴいじゃないですか!あのジャック・ザ・リッパーの後継者を自力で捕まえるなんて!」

チャーリー「だろぉ?いやいや、一応マスコミとかに流したから逮捕にまで踏み込めたんだが、8割ぐらい俺の功績といってもイイだろうさ。」

チャーリー「その後もオレは数々の都市伝説を解決まで導いていった。今や俺も一大トップスターだし、ユリエルの方もあんなんだったが、実は裏では同僚に対してかなり横暴してた奴なんだぜ。ほぼ、俺のおこぼれの功績なんだがな!」

チャーリー「そんな俺達が…まさか狙われるなんてなあ。もしかしたらジャック・ザ・リッパーの血は途絶えてなどいなかった…?」

チャーリー「いやいや負けない!!俺はあの切り裂きジャック、最近ではカリオストロの秘密だって挑戦中なんだぜ?」

金田一「ス…スゴイっすね…(このオッサン、成功例がリッパーだけの典型的な天狗だ…)」


――外川の部屋
外川「僕は誰もいない時間にジョギングするのが趣味なんだよね。早朝に発見した時も僕が最初だったんじゃないかなあ。」

金田一「ふむ、時計塔の事件の時は?」

外川「そん時は12時頃にちょっとバスに乗ってタワーブリッジの方まで行ってたよ。そこそこ距離はあるから、多分行くとしてもかなり速足になるだろうなあ。まして時計塔なんて…」

金田一「時計塔なんて?」

外川「高所恐怖症なんだよね、僕。どっちもムリさ…」

金田一「そういや…腕時計、ユリエルさんが殺された後の夜は付けてらしたんですよね?」

外川「うっ……!流石にバレるか……」

金田一「沢木さんの話も合わせると、あの後貴方は腕時計を落としたらしいですね。」

外川「ああ……出かける時にな。一度カバンの方に入れた奴が、急に無くなってたんだ。その古美術店で落としただけなんだけど、どうにも腑に落ちないんだよね。
僕の部屋は指紋チェック式だから簡単には入れないよ……」

金田一「……」

金田一「その後もカサンドラさん、後一応ルーカスさんと佐木2号にも話を聞いてみたが、三人とも目立ったアリバイの矛盾なんかは無かった。(てか佐木は無関係だし)
カサンドラさんの方は時計塔の事件の周囲の時の事をどうにも隠し通してる感じだったけど…でも、仕事なんかでとてもじゃないけど殺人なんかの時間行は取れる感じじゃ無さそうだった。午前11時30分から4時30分まで撮影をしてたってさ。」

美雪「ふ~ん……全員目立った行動はしてなさそうわね。」

金田一「ああ……鍵はやっぱり時計塔…か……」


グワァァァァァァー!!

金田一「!?ひ、悲鳴…!?まさか…!!」



チャーリー「………」グッタリ

美雪「ちゃ、チャーリーさん!?」

金田一「ダメだ。頭からパックリイカれてる……こりゃあ即死だ。」

金田一「問題なのは……この部屋のロックを、犯人はどうやって打ち破ったんだ…!?あんなに警戒してたチャーリーさんが自分から出てくるなんて思えない……」

金田一「部屋には>>116>>117しか残ってない…」

全て遠き理想郷

金田一「『全て遠き理想郷』!?」

美雪「ええっ!?ジャック・ザ・リッパーは英霊だったの!?」

金田一「い、いや違う美雪。よく見れば剣の鞘のレプリカだ。中が何かで汚れてるな。それよりも問題は……」

クリス「………あれ?ここは…?」

金田一「ク、クリスーーーーー???!!!」

美雪「クリス君!?」

塔からの死体、記念柱に突き刺さった死体、謎の組織、依然行方知らずの工藤、密室での殺害、ジャック・ザ・リッパーの末裔、そして現れたソロモン王の末裔……
事件はますます混沌と化してきている。果たしてジャック・ザ・リッパーの正体とは!?その目的とは!?

金田一「受けて立つぜ…『ジャック・ザ・リッパー』……」

金田一「この猟奇事件は俺が必ず解き明かしてみせる!」


金田一「名探偵と言われた…」

金田一『ジッチャンの名にかけて!』

――数時間後
ルーカス「これは間違いないでしょう。犯人はあのクリス・アインシュタインとかいう少年です。」

金田一「ちょ、ちょっと待ってよルーカスさん!まだアイツが犯人だって決まった訳じゃ…」

ルーカス「し、しかし…殺害現場にいたって時点で明らかに怪しい人物であると……」

クリス「そうだよ!僕は無実だ!推理イベントがあるって言われてアメリカからロンドンまではるばる訪れたらこれだ!!こっちも訳が分からないよ!」

金田一「推理イベント…?」

クリス「ああ。匿名で送られたものだよ。それで記念柱の前で待ってたらいきなり意識が無くなって、気が付いたら……」

金田一「……」

金田一「それにこの『全て遠き理想郷』……」

ルーカス「金田一君……それ、西洋の剣の鞘みたいな奴ですよね?なんでそんな大層な名前で……」

美雪「ただの剣の鞘じゃありませんよ!!その名をアヴァロン、アーサー王伝説における常春の土地『妖精郷』の名を冠した『約束された勝利の剣』の鞘。 ランクEXの結界宝具で、これを解放すれば使用者を妖精郷へと…」

金田一「美雪、落ち着こう。・・・・とりあえずこれに刺さってた剣が今回の凶器に使われたらしいな。」

ルーカス「ふむ。中が液体で満たされていた痕跡があるようですね。鑑識に回してみます。」

美雪「ねぇ……もし犯人がその約束された勝利の……剣をまだ持ち歩いているとしたら流石にバレるんじゃないかな…?」

ルーカス「模造刀といってもこれぐらいのサイズとなると簡単に持ち運べるようなサイズではありませんからね……」

金田一「(・・・・ん?ここの電源コード、抜かれてるな……)」


――市街地
美雪「ねぇハジメちゃん。ここまでの事件の流れで引っかかってることはある?」

金田一「んー……強いて言えば……>>126だな……」

時計

金田一「どーもこの事件、時計がカギらしいな。」

美雪「うん。最初の事件は……わざわざ正午になる鐘を鳴らしたんでしょ?鍵も盗まれたって言われてたし…」

金田一「最初の事件の時は時計の針は動かしてなくて鐘自体を鳴らしたらしいな。どーもそこまでする意味が分かんないんだけど……」

美雪「二番目の事件も確か外川さんが最初に見つけたんだよね?」

金田一「うん。あの人の話だと、他に来ていた人なんかはいなくてあの人が一番乗りだったとよ。人が通らない時間を考えても午前4時頃、それも人が来ない短時間を見計らってあんな大胆な作業をしなくちゃいけないんだ。」

美雪「それに……最後の密室も、あんな厳重な警備で……」

金田一「警官がいない隙を狙われちまったな。あの指紋チェックは過去の猟奇事件の影響を受けてあそこのホテルが整備した奴だってさ。他のホテルじゃ流石にあそこまでのセキュリティはされてないって。部屋にチェックインした人の指紋を認識してロックが解除される仕組みだってさ。」

美雪「ふーん……やっぱり、チャーリーさんが呼び出されて…」

金田一「いや美雪。オレはあの密室の謎については少なくとも謎は解けてるよ。」

美雪「えっ…もう!?」

金田一「ああ。恐らく、今までの「アレ」はこれの為の前振りだったんだろうな……それにユリエルさんの死体が青く塗られてたアレだけど、これさ、あの青いのと同じ塗料なんだけど……」



美雪「ホントだ……この為に使われてたのね…」

金田一「だが……少なくとも今の皆のアリバイじゃ、誰が犯人なのだか……」

金田一「どうやらジャック・ザ・リッパーは鉄壁のアリバイを武器にしてこの事件を乗り切るらしいな…」

金田一「(時計……時計…?)」


佐木「センパーイ!今どんな感じっスか~~!?」

金田一「んっ、佐木か。まぁ、ケッコー苦戦しててな……」

佐木「どーやら僕の力が必要らしいですね……!」

金田一(呼んでねぇんだけど……でも…)

金田一「なぁ佐木、>>128の映像持ってるか?」

佐木「ハイ!バッチリ録画してますよ!!」

犯人が犯行に及ぶ瞬間

金田一「犯人が犯行に及ぶ瞬間……って、お前なんで持ってんのお!!??」

佐木「夜にお散歩がてらカメラ回してたら、一瞬ですけど映ったらしいですね……」

金田一「おっ……お前なぁ、兄貴がああなったんだから、少しは気を付けろよ!!」

佐木「以後注意しときますね♪」

金田一(こいつはなんかもう、死ぬ気がしないなぁ……)


チガウンダ!アレハアイカワサントチャーリーガ……

グチャアアアアア

金田一「よくお前こんなもんが映ってるって気付かなかったな。悲鳴も頭潰す音も聞こえてただろ絶対。」

佐木「いやー反対側の景色に見とれてたんで、無意識に手に持ってたカメラがこんな方向向くなんて気付きませんでしたよ。雑木林の中歩いてたから気付かれなかったのかな…?」

金田一「……ん……この犯人……」

金田一「…そうだ!監視カメラの映像!」


『………』

金田一「やっぱりだ……そういう事だったのか……!あの時監視カメラを壊したのも…!」

金田一(でもダメだ……コレだけじゃ足りない…!後一歩だ、犯人を示せる根拠を後一歩…!)

佐木「センパーイあんま張り詰めちゃダメですよ~。気分転換に大英博物館観に行きましょうよ~!ボクミイラとか撮影したいんで!」

美雪「(撮影禁止だった気がするけど)そうね!私達もあの日だけじゃ見て回れなかったし…」

金田一「あ、ああ…そうだな……(確か相川さんもケビンも工藤もあそこで会ったし、なんか繋がるかも…)」

――大英博物館
佐木「うっわー迫力ありますねー!これなんか教科書で見たことありますよ!」

 
金田一「(ここがケビンの落ちた場所……流石にあんな事があった後だと、後始末もされてるよーだな)」

金田一「(くぅ……左手がやっぱり痛むな……左手……)」


美雪「いつ見てもやっぱ綺麗ねー。特にほら、このロゼッタストーンなんか神秘的~!」

佐木「ホントですね~!これですら一破片なんですから、本物の柱は一体どんな勅令が刻まれてたんでしょうね~!」

金田一「……一破片……?」


『最初の14行辺りがミョーに欠けてたし……『ガーディナーの記号表』だっけか。
これによるとあのロゼッタストーンは柱を意味するヒエログリフと形が一致するみてーだ。』


金田一「………!!!!!」

金田一「そうか……そういう事だったのか…!どうしてこんな簡単な事に気付かなかったんだ……!」

佐木「せ、センパイ!?もしやっ!?」

美雪「ハジメちゃん…!?」

金田一「ああ……全部分かった…」

「犯人が死体をバラバラにしていた意味も……!!」

「犯人が作り出した鉄壁のアリバイも…!」


   「謎は、すべて解けた!!」

解決編までコレを置いてこう……この出来じゃムッチャ簡単か解けるわけねーよの二択になると思うけど・・・!

【真相当てクイズ】
問1.真犯人「ジャック・ザ・リッパー」は誰か?

問2.犯人が第3の事件で使った密室トリック、凶器は?

問3.犯人が第一の事件でアリバイを確保する為に用意したトリックは?

――――ビッグベン前

外川「こんなトコに呼び出しておいて何をするっていうんだ…」

カサンドラ「マッタク、迷惑な話だよね。」

沢木「アレじゃないアレ?探偵が応接室とかに関係者を呼び出して推理を披露するってアレだよ!」

ルーカス「…そろそろのようですね。」

青井「………」

カサンドラ「…!き、君……(もしかして…)」


「集まってくれましたね!皆さん!」

ルーカス「金田一くん……」

金田一「みなさんに集まって貰ったのは他でもありません。そう、一連の事件を仕組んだ張本人……」


金田一「ジャック・ザ・リッパーは、この中にいる!」

沢木「ジャック・ザ・リッパーが…!?」

カサンドラ「この中に……!」

佐木「一体誰だというんですかセンパイ!」

金田一「…その前に、今までの事件の経緯を説明する事になる。」


金田一「まず、オレ達があの事件、そう、相川さんのバラバラ死体が落ちてきたあの事件だ。アレに遭遇したのが午後2時頃、でしたよね…?」

ルーカス「でしたよねって…一応、そうなりますね。」

金田一「そしてその日の夜に第二の事件、ユリエルさんの殺害だ。一度ユリエルさんが殺害された後、朝にはユリエルさんが記念柱にぶっ刺されて…」

カサンドラ「ちょ、ちょっと待ってくれ…!そもそも深夜に人が通るとも限らない。柱に刺されたのは一体いつだっていうんだ…?」

金田一「…そう、ユリエルさんは……」


金田一「第二の事件が起きた夜、その時に刺されていたんだよ。」


外川「なっ…!?」

ルーカス「どういう事なんですか金田一君!ロンドン市民の眼は刺さっていた死体に気付かないほど節穴では……」

金田一「…もう日が暮れる頃だ。ロンドンの夜は美しいですね。周りのライトアップも綺麗だ…」

沢木「…そうだね。いつ見てもロンドンの夜は美しい。特にあの青のライトアップなんかとても綺麗だ……ん?なんだあれ」

ルーカス「そういえばこんな所に青のライトアップなんて…!?」

金田一「…もういいぞ美雪ー!」

のそっ


美雪「ふぅ~。中々しんどかったわね…」

外川「ラ、ライトアップが人に…!?」

ルーカス「き、金田一くん。もしかしてコレは……」

金田一「そう、アレは美雪さ。
蛍光塗料で塗った服を着た……ね!」

ルーカス「蛍光塗料…!」

金田一「この辺は青のライトアップが多いからね。あの高さからじゃあライトアップに見えても仕方は無いだろう。そもそも、深夜に記念柱の周りなんてそんなに人が通るわけじゃあないし、バラバラにしたものは青かったんだから突き刺すところを見られても、怪しまれはするが、飾りつけしてる程度にしか見えないだろう。そもそもその日、犯人は運よくそれを目撃されなかったらしいからね…。」

美雪「ライトアップが綺麗って……コテージの下に電熱線が埋まってましたってぐらい唐突に出てきたわね……」

ルーカス「(これ結局ロンドン人の眼は節穴って言われてますね)」

金田一「切断面から出血させないようにしたのは血か何かが照らされるのを避けたかったからだろうな。」

カサンドラ「じゃあ犯人は……その時あそこにいたっていう、日本人の人、貴方ですか!?」

外川「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!僕はただ探し物をしてただけで……その後この沢木さんの店に行って…」

沢木「そうだよ。ここにいる全員、その時のアリバイがちゃんとあるんだ。柱に刺すなんてそんな長時間の作業、出来るわけが…」


金田一「―――そう!ここにいる全員、『死体を柱に刺した人物』ではないよ。」

金田一「……第一の事件が起こった同時期に、ある高校生が行方不明になった。工藤って奴だけど……」

青井「……まさか…」


金田一「そう。死体を柱に刺したのは犯人に脅されて、黒ずくめに長髪の変装をした……
工藤だよ。」

ルーカス「く、工藤くんが……!」


ルーカス「しかし金田一君、私はてっきりあの時に落ちてきた死体の左手、アレが工藤くんだとばかり思っていたが……」

金田一「指紋消されてたんでしょ?ソレ?多分ソレは、この事件で名前も出てきてない、全くの別人の左手でも使ったんだろう。相川さんの手によく似た女性でも一人殺して手首を持ってくれば……」

ルーカス「ぬぅ……工藤くんは死んでなかったのか……」

金田一「いや、恐らく工藤も口封じのために殺されたんだろう。この後に起こる出来事を考えても…ね!」

金田一「――最後に起こった、厳重なロックでチャーリーさんが殺された事件。だったかな。」

ルーカス「ええ…あれだけ大きな剣を凶器にしたんだ。きっとどこかに剣が隠されてると、あれから捜査をしましたが……ホテルの真下に落ちてました。恐らくあのクリスという少年が…」

金田一「…そもそも……」


金田一「本当に凶器がその剣、本当に死因が斬殺では……無かったんだ。」

ルーカス「斬殺では……ない!?一体何を使って…?」

金田一「佐木。アレ持って来い。」

佐木「エエー、またあの重いの持つんですか~~…」


金田一「あの時に落ちてたアヴァロン…じゃなかった。剣の鞘。それにあの時の事件で使われたと思わる、『ある液体』を注いだものを用意させている。あんま近くに来ない方がいいぜ。鼻塞いでないと……ん゛……」ドシッ

金田一「ほらこれ。」


ズシッ

ルーカス「おっ…重い……!?」

カサンドラ「嘘だろ!?剣のレプリカはよく集めてるが、鞘自体がこれだけの重さになるなんて…!」

金田一「単刀直入に言わせてもらうと、チャーリーさんは撲殺だ。この……

クロロホルムをたっぷりと入れた、剣の鞘を凶器にして…ね!」

ルーカス「クロロホルム…!床に成分が落ちてたので鑑識にまわしてみましたが、てっきりあの少年を眠らせる為のものかと・・・・」

金田一「クロロホルムの密度は水の約1.5倍。これだけじゃ重さは実感できないけど…こうして満たしてみると、最低限殴り殺せるだけの重さになる。ただの水とかじゃ威力不足になるし、鞘に水を入れるのは錆びろって言うのと同然。かえって怪しまれそうだからね。」

金田一「これでチャーリーさんの頭をガツンってした後……中身を部屋の洗面所にでも捨てて、それでも中に残ったクロロホルムの水滴を鞘を振って床に落とす。後は剣と刃渡りが大体同じくらいのナイフかなんかで頭をカチ割れば……」

沢木「斬殺体完成……って訳か。」

カサンドラ「ちょっと待ってくれ。殺害方法は分かったが、肝心の部屋に入る方法は!?」

金田一「…あの部屋は指紋チェック式。バラバラ死体から無くなった左手……」

金田一「この話を進める前に、そもそも今回の被害者三人は、過去に犯人に対して何らかの憎しみを抱かせるようなことをしでかしたんだ。そして犯人は、ソレが被害者への脅迫のネタになる事も知っている…!」

金田一「自分達が狙われるとなると、部屋に一斉に集まった方が安全だって考えるのは、普通に自然ではある。」

金田一「チャーリーさんも自分の家とかよりも、警備が優秀なあのホテルに泊まるだろう。そこが処刑場となるとも知らずに…」

金田一「あの部屋は……チャーリーさん、ユリエルさん、相川さん、この全員が泊まる事になっていた…!」

ルーカス「つまり……」

沢木「部屋のロックの鍵になる指紋は、三人分登録されていたって事か…!」

金田一「…そう!切り落とした左手は、この指紋チェックに使ったんだ!そして、これをカモフラージュする為に今回の殺人は切り裂きジャックの都市伝説に見立てられた、バラバラ殺人として決行されたんだ!」

外川「バラバラ殺人が……」

カサンドラ「見立て……」

ルーカス「で、でも犯人は!?これだけだと誰でも出来たことになる!アリバイは全員にあったんですよ!?」

美雪「は、ハジメちゃん……」

沢木「金田一君…本当に、犯人は分かってるのかい…?」


金田一「……犯人は、これが指し示しますよ…」ペラッ

ハン
 
 サ

ルーカス「ハンサ・・・?なんですかこの、不可解な暗号が書かれた敗れた紙は。」

金田一「ロゼッタ・ストーン、ロンドン市民の方ならご存知ですよね?あの、大栄博物館に置かれている。」

カサンドラ「あ、ああ。プトレマイオスが残した碑文が残された柱の一部…だね。ソレがこの事件と関係があるのかい…?」

金田一「アレはふっつーに柱の破片なんだけど、俺にはよく分かんないけど…歴史的価値とか…そこら辺のミステリアスさで、それを感じさせないように出来ている。でもアレだけじゃ解読するのは難しいよな。」

金田一「でもコレに…」
  ニン
  ハ
  ワキ
金田一「この、もう一方の切れ端をくっつけると……!」

全員「「「「「!!!!」」」」」


ハンニン
  ハ
 サワキ



金田一「沢木大翔!!」

沢木「…・・・・!」


金田一「アンタがこの事件を仕組んだ張本人!!」

金田一「現代に蘇った殺人鬼……

      『ジャック・ザ・リッパー』だ!!」

ルーカス「沢木さんが……」

外川「ジャック・ザ・リッパー……」

カサンドラ「日本人がジャック・ザ・リッパーだったのか…!?」

青井「………」

美雪「沢木さん……嘘…ですよね?……」

沢木「………」


沢木「んー……残念…いい推理だけど……僕に繋がる物的証拠、そこら辺が足りないねえ……
そもそも僕は相川さんの殺害時刻、午後1時30分だっけ?そこで店やってたから……」

金田一「沢木さん、頭の良いあんたなら、さっきの告発で何故あんな事をしたのか、もう分かるよな?」

沢木「……あれ、切れ端だったんでしょ?」

金田一「……そう!あの時の脅迫状…これだね」

マエノ オトシマエヲ ツケヨウ
イチジ ハンニ
バシデ マツ
ロンドン

金田一「これだけだと、ただのそこら辺の紙を破ってつくられたメモだ。」

金田一「でも『イチジ ハンニ』の部分に…」

ジュウ

金田一「これを付け加えるだけで…」

ジュウイチジ ハンニ

金田一「あっという間にアリバイ完成さ。」

沢木「…お見事!」

金田一「ユリエルさんのメモだって「ギハ チャーリー」って「ツ」の部分が途切れた状態で発見されたけど…これもフェイクだな。バラバラ殺人といい、皆が抱くジャック・ザ・リッパーのイメージは狂気の殺人者。メモが雑、殴り書きか新聞を切り貼りした奴だったのも、その狂気ゆえってどっかで考えてたのかもしれねえ。いや、考えていたよ。そんな狂気故に作られた心理トリックが、こんな簡単なトリックのバリケードとして機能していたんだ。」

沢木「…しかし、残念だったね。ロンドン橋には僕は足を運んでな」

金田一「ロンドンの橋はロンドン橋だけじゃないだろ?それこそウォータールー橋とか、タワーって入れればタワーブリッジとか…ね!
殺害現場の偽装も念頭に入れていたらしいが、あっさり破られちまったな。」

沢木「………」

金田一「…ちょっと俺も、色々と引っ掻き回されたおかげで疲れているらしいな。アンタに…ね。」

沢木「……」

金田一「まずアンタの犯行手順はこうだ。例の脅迫状(この時はまだ完全なもの)で相川さんをどっかの橋に呼び出した後、絞殺。そのまま事前に呼び出しておいた工藤を眠らせて、工藤は一旦置いといて……」

金田一「事前に入手した鍵で時計塔の上まで登って死体が落ちる工作と鐘の鳴る設定をした後に降りて、後は悠々と事件を聞いた野次馬として俺たちと合流すればいい。」

金田一「その日の夜に犯行に及ぶ前に……客として来た外川さんの腕時計を、アンタは隙を見計らって盗んだんだ。」

外川「さ、沢木さんが盗んでいたのか…!?」

金田一「バッグに入れてたんでしょ?そのまま付けててもあのクロロホルムで眠らされて適当に理由つけて寝たことにされてたから、むしろ運が良かったかもしれないけど……。外川さんが旅行に来たのはそこそこ前だから、行動でも観察して条件に一致する人物を絞り込んで腕時計を盗んだんだろう。これが何に繋がるかは明日の朝までにしておいて……」

金田一「夜にあんたはユリエルさんを殺害。ここであのアリバイ確保の行動をさせる為に脅迫した黒ずくめの男の姿をした工藤を、わざわざ監視カメラまでユリエルさんに蛍光塗料を塗る前までを映させるようにして、アンタは店に戻る。」

佐木「成程……妙に監視カメラを警戒してなかったなと思ったら、存在をアピールしてたんですね…」

金田一「そう。監視カメラを壊したのも、あのまま映してたらライトアップのトリックがバレるからだな。」

金田一「そして三日目……外川さんは周囲に人気がない状態で第一発見者となるワケだけど、ここで昨晩時計を盗んだのが生きる。あの時時計を持ち合わせていなかった外川さんは、あのビッグベン、時計塔で時間を確認したんだよ……」

金田一「そう。その時に沢木さん、鍵を手に入れたアンタによって早朝に潜り込まれた時計の時間がズラされていたとも知らずにね。」

外川「なんだと……じ、じゃあ僕が見たのは…」

金田一「そう。明確な時間は分らないけど、あの時の状況からして15分ぐらいはズラされていたと思うよ。ここでもジャック・ザ・リッパーは微妙なアリバイ調整を行って、着実に強固なアリバイを作りあげていたんだ。」

金田一「んで、最後は今まで手に入れた手首を使って…そうそう、もう一方が認識しない場合の予備を考えて二つ用意したんだろうな。この手首でロックを打ち破った後は例のクロロホルムアヴァロンで撲殺……スケープゴート役として俺に間欠泉を食らわせようとしたガキを放りこんで、一連の犯行を終えたんだ。」

美雪「そういえば、なんでクリス君はスケープゴート役に選ばれたの……?」

金田一「……そもそも美雪、俺たちが福引きで旅行券を引いた時点で、この殺害計画は始まってたんだよ。」

美雪「嘘………」

金田一「沢木さん、アンタは美雪とメールを通しての仲のようだったが……俺達が福引きでロンドン旅行券を引き当てたのが2か月前なんだ。アンタは美雪とメール通して何か月の仲だったんだ?」

沢木「………9か月ぐらい、だけど。」

金田一「…そう。アンタは俺が名探偵、金田一耕介の孫だって事もその時点で知っていたんだ。アンタはそこで、元々考えていた殺害計画に推理役として俺を、スケープゴート役としてクリスを選んだんだ!」


金田一「俺が金田一耕介の孫だって知ったアンタは、徹底的に俺の事を調べ上げたんだろうな。当然、俺が数々の殺人事件を解決した事も知っている筈だ。ここでアンタは俺が過去に知り合った人物達も端から端まで調べ上げた!」

金田一「ここは推測なんだが……どっかでアンタは『頭の良い人間は頭の良い人間と惹かれる』という考えを抱いていたんじゃないか?」

沢木「……現に、今もそうだろ?」

金田一「…言ってくれるよ。」


金田一「俺が過去に事件を通して知り合った人物には東大生とか、ミステリー関係のルポライターとか、外国の名刑事とか、頭脳の優れた奴が何人もいた。中にはストーカーまがいの某芸術家もいたぐらいだ。そっからアンタは……頭脳指数がずば抜けたことに加え、「外国人」「少年」「ソロモン王の末裔」といういかにもジャック・ザ・リッパーっぽい感じのクリス・アインシュタインを、今回の連続殺人を仕組んだ犯人として選んだんだ。」

金田一「そもそも最初に会った時に手帳が落ちていたのだって、俺を今回の事件の推理に引き合わせるようにわざと置いたんだろ?」

沢木「・・・」

沢木「……まだ、僕が犯人だって言う、証拠を出してないよね?」

金田一「・・・・・・(正直、コレしか追い詰められる方法は無い……)」

金田一(これがダメなら、また事件は振り出しだ。ここで決める…!)


金田一「これが証拠だよ。」

美雪「えっ、ハジメちゃん!!それ……!!」

ルーカス「金田一君!?ふざけてるのですか!?こんな時に!!」

金田一「いや、コレが証拠だよ。」

美雪「でもハジメちゃん!!ソレって……」


『『『『黒酢じゃん!!!!』』』』

沢木「くっ、黒酢~~~!?予想外だよ!!僕が健康だってことでも証明するのかい?」


金田一「ジャック・ザ・リッパーが使ったクロロホルムって気体、アルカリと結合すると「カルベン」っていう、反応性が高い気体が発生するんだ。」

カサンドラ「でもそれ、酢だろ?酸性じゃないのか?」

美雪「知らないんですか?酢とか梅干しって酸っぱいけど実はアルカリ性なんですよ。……ってもしかしてハジメちゃん……」


金田一「鑑識の人もここに呼んできた。今からあんたの手にこの黒酢を垂らす。」

金田一「これでもしカルベンの発生反応が少しでも見られたら……アンタの犯行が立証される。」

沢木「おいおい……申し訳ないけど、僕は手を洗ったよ?」

金田一「どうかな?ごく僅かでも反応性が高いから発生反応は現れると思うぜ。」

沢木「………」

金田一「……それじゃあ、垂らしますよ……」 


沢木「………」

金田一「…………」

沢木「……………」

金田一「…………………」



沢木「…………参った。降参。」

美雪「……沢木さん…………」

ルーカス「…沢木さん……貴方が………」 


沢木「ハハハ……参ったねぇ……高校生探偵、それもあの金田一先生の孫だ。ロンドンで事件を解決するなんていかにも面白そうじゃないか……?」


沢木「まさか……

本当に解決してしまうなんてなぁ~~~!!!

流石だ流石流石流石!!!!」

沢木「結構自信あったんだけど、このままシラを切っててもいずれ薬品の入手ルートとか、工藤くんの死体の処理とかで分かっちゃうでしょ?」

沢木「…そうだよ。僕があの3人を切り刻んだ殺人鬼、いや、被害者は5人か。ま、どっちでもいいか。気を取り直して……」

沢木「僕が殺人鬼、『ジャック・ザ・リッパー』だよ。」

金田一「……ッ!!沢木さん……!アンタ……ッ!!」

外川「な、古美術商の貴方が……何故こんなことを…?」


沢木「率直に言えば……『復讐』だよ………!」

沢木「……そこにいるんだろ?ケビン。」


ケビン「……!!」

金田一「ケビン!?」

沢木「そうだよケビン。僕が君の父親であり……俺の弟の『沢木翔平』の仇を討ったんだ……」

沢木「あの許しがたい奴らにね………!!」

沢木「……僕と弟は、幼い頃からイギリス、特にロンドンに憧れていてね。いつか兄弟二人でロンドンに渡って、優雅な暮らしを送ろうってのが夢だったんだ。」

沢木「旅行雑誌の2,3ページで夢を弾ませながら、神話とか色々な都市伝説を調べ歩ていた幼少期だったなあ……
この頃からジャック・ザ・リッパーへの憧れは正直、あったね。」


翔平『兄さん!ロンドンは素晴らしいよ!街並みも綺麗で人々も優しい人ばかり、大きい博物館だってあるんだ!』

沢木『ああ!それに翔平、ジャック・ザ・リッパーって殺人鬼だけど、凄いと思わないか!?あんな予告状出しといて、捕まってないんだぜ!』

翔平『うわー怖いけど、でもなんか、格好良いなあ!』

翔平『……行ってみたいな……ロンドン……』

沢木『……行けるさ。必ずな……』


沢木「時代も進んで、今や人々が簡単に渡航できる時代だ。大学生時代に僕達兄弟は留学生としてロンドンに渡ったよ。大学時代には同じくロンドン好きな奴らが3人いてな。かけがえのない仲間さ。そいつらと一緒にロンドンで生きていこうと思ったんだ。」

沢木「その内の一人……ロンドン人だけど日本に憧れて留学してきた人がいてね。『カサンドラ・シーナ』さん……」

カサンドラ「…!?ね、姉さん…!?沢木って名前だから思うところはあったんだが、まさかアンタが沢木の兄だったなんて……」

沢木「……シーナさんと翔平は次第に惹かれあって、ついには婚約して一人の子を残したんだ。それがケビン……君さ。」

ケビン「………」

沢木「…シーナ…青井……高田……皆ロンドンを愛した奴らだったさ……」

青井「……そう、やっぱり貴方、姉さんの……」

沢木「…久しぶりだね。青井碧さん。前にも言ったけど、君の姉とシーナさんはホントに堅い友情で結ばれていたね。ケビンの事、一度預けたこともあったね……」

青井「……ええ。彼が3歳の時だから、覚えてないかもしれないけど……」


沢木「3人組は渡航後ロンドンで古美術商として全員成功を収めたんだ。僕も弟と一緒に古美術商としてやっていこうと思ってた矢先だ……」


沢木「アイツらが……それを……!!!」

沢木「チャーリー大橋、相川にユリエル、こいつらは当時駆け出しのコメデイアンにモデルで、借金まみれだった。相川はチャーリーの恋人で、ロンドンに来てたのはなんでだったかなあ……まあ、死んだ奴にそんなことはどうでもいっか。」

沢木「チャーリーは昔からの付き合いがあって成功していた古美術商のシーナに金をせびっていたんだ。」

沢木「ある日、耐え切れなくなったシーナと口論になったあのタヌキが…!!その場にあった美術品の剣で……!!シーナさんを……ぉぉっ……!!!!」

金田一「……殺したんですね………」

沢木「……それだけじゃない。アイツらは俺の仲間たちを、無惨なやり方で葬り去ったんだ……!!」


チャーリー『ア……ああ………やっちまったぁ~~~。』

相川『ちょっとチャーリー!??死んでるのこの女!?』

ユリエル『マズイデスヨ!ド、ドウシマショ!?トリアエズ指紋トカ、ケサナイト……』

相川『しっかしロンドンで物騒な死体が出たねー。まるでジャック・ザ・リッパーよ…』

チャーリー『……ん……?』

チャーリー『(シーナのヤツ……仲間の奴らも……)』


チャーリー『………』ニヤッ

チャーリー『なあお前ら、いい考えがあるんだが………』


沢木「そうしてアイツらは……悪魔のような発想で、あんな事をしたんだ…………」


沢木「同じ古美術商だった青井と高田も惨殺し、その罪を繋がりがあった翔平に着せたんだ……!!」

金田一「な……!?」

青井「・・・!!!」

沢木「あいつらの目論見は絶望的にも、成功してしまったよ。チャーリーは一連の事件を目撃していたって事にされ、更に翔平の中のジャック・ザ・リッパーの血が目覚めたとかなんやら騒ぎ立てて、まんまと茶の間の人気者さ。それも、アイツが大事に持っていた、俺との思い出の証だった幼少期のジャック・ザ・リッパーの本をそのネタに使われてな…!」

金田一「それがあの惨殺事件の真相か……」

沢木「そう。……シーナさんは死の間際にあいつらが逃げた後に命からがら自分の腹を引き裂き、お腹の中のケビンだけでも取り出したんだ。奇跡的にケビンは助かったけど、弟に着せられた汚名のせいで『悪魔の子』なんて呼ばれたなあ……」

ケビン「……」

カサンドラ「くぅっ……姉さん……っ!!」

沢木「弟は当然抗議、証拠不十分で釈放されたが……人間ってのは愚かなモンだよなあ。都市伝説が蘇ると、それを簡単に信じちまう。」

ルーカス「……」

沢木「周りの人間は弟とケビンを迫害し続けたよ。自分が愛したロンドン市民に裏切られた翔平は現実に耐え切れず……自ら命を………断った。」


沢木「オレは泣き叫んだよ。何もしてやれなかった自分が悔しかった。いっその事、何で自分じゃなかったって……ぐっ………」

沢木「オレはケビンを青井さんに預けた後、必死に事件の真相を追い求め続けた。そして……」

・・・・・・・

沢木『……(アイツがチャーリーとユリエルか……)』


チャーリー『テメェもいい身分だよなあ。あの時高田とかいう奴の頭カチ割っておいて、今じゃあADのトップだもんなあ。』

ユリエル『リッパー事件大々的ニ取リ上ゲタノボクデスカラ。オイシイミツ、スワセテモラッテマスヨ~。ソーイウチャーリーサンダッテ、良クジャック・ザ・リッパーノ作戦ガ成功シマシタネ。」

チャーリー『結構大変だったんだぜ?証拠を残さないように3人で協力したり、知り合いとかに頼んで模倣犯染みた電話をかけたりよぉ。』

ユリエル『ボクハケッコー抵抗アッタンデスケドネ。相川サンハノリノリデ作戦ニ協力シタアタリ、女ッテコワイデスヨネー』

チャーリー『今じゃあアイツもOLとして穏やかに過ごしてるらしいぜ。現実的だが、一番平和な選択だろうなあ。』

ユリエル『世ノ中ナニガオコルカワカラナイデスモンネー。ソウイヤアノ翔平トカイウ切リ裂キジャック、自殺シタラシイデスヨ。』

チャーリー『ああ……蘇ったジャック・ザ・リッパーは自ら命を絶ち、また事件は迷宮入り、っつーわけか!』

HAHAHAHAHAHAHAHA



沢木『………っっ!!!あぁぁぁ゛!!!!!あああああ!!!~~~~~~っ!!!!!!!あああああああああああ!!!!!!』

沢木『翔平-----------!!!!!!!!!』



沢木「その時僕は決心したよ。チャーリーが偽りのヒーローなら、僕は身も心も幼い頃に憧れた本物の狂気のヒーロー……」

沢木「『ジャック・ザ・リッパー』になろう、ってね……!!」

金田一「・・・・・・・・」

沢木「……とまあ、こんな経緯で僕は殺人計画を何年か練り上げて、最高の条件が整った今、実行したってワケ。」

金田一「……最初の左手の持ち主と工藤は何故巻き込まれたんだ?」

沢木「まぁ、左手の持ち主はチャーリーの情報を聞き出してるうちに会えたチャーリーが侍らせてた女の一人だよ。もうその時には計画の骨筋は出来ていたし、情報聞き出したら殺して左手取っちゃったなあ。まぁ、その人もチャーリー達のおこぼれ貰ってたらしいから抵抗は特になかったけど……」

沢木「工藤くんは……まぁ、仕方ないなぁ………。元々黒ずくめの役も翌日にはどっちみちアリバイ調整するんだし僕がやろうかなって考えてたんだけど、相川さんと偶然一緒にいたって条件を考えるとこの子にやらせた方がいいかなって思ったんだ。終わったら普通に殺したよ。可哀想だけど、不幸の相が出てたからね……」

外川「なんて奴だ……!関係の無い人を5人も殺すなんて…!極刑は免れないぞ!」

沢木「ジャック・ザ・リッパーになった時点で狂気の殺人者だ。何人殺そうが別に罪は変わりゃしないさ…それにどっちにしろ、僕は最初はイギリスの法で裁かれる。国外犯規定とか、まぁ色々あるんだけど……とりあえず死刑は回避出来るよ。」

金田一「………」

ルーカス「…ぐっ……。」

美雪「沢木さん………」

沢木「さて……そろそろお縄を。刑事さん。」


金田一「待てよ。沢木さん。」

沢木「…何かな?金田一一君。」

金田一「最後に一つ、言っておきたいことがあってな。」

金田一「………」


金田一「

沢木「……とまあ、こんな経緯で僕は殺人計画を何年か練り上げて、最高の条件が整った今、実行したってワケ。」

金田一「……最初の左手の持ち主と工藤は何故巻き込まれたんだ?」

沢木「まぁ、左手の持ち主はチャーリーの情報を聞き出してるうちに会えたチャーリーが侍らせてた女の一人だよ。もうその時には計画の骨筋は出来ていたし、情報聞き出したら殺して左手取っちゃったなあ。まぁ、その人もチャーリー達のおこぼれ貰ってたらしいから抵抗は特になかったけど……」

沢木「工藤くんは……まぁ、仕方ないなぁ………。元々黒ずくめの役も翌日にはどっちみちアリバイ調整するんだし僕がやろうかなって考えてたんだけど、相川さんと偶然一緒にいたって条件を考えるとこの子にやらせた方がいいかなって思ったんだ。終わったら普通に殺したよ。可哀想だけど、不幸の相が出てたからね……」

外川「なんて奴だ……!関係の無い人を5人も殺すなんて…!極刑は免れないぞ!」

沢木「ジャック・ザ・リッパーになった時点で狂気の殺人者だ。何人殺そうが別に罪は変わりゃしないさ…それにどっちにしろ、僕は最初はイギリスの法で裁かれる。国外犯規定とか、まぁ色々あるんだけど……とりあえず死刑は回避出来るよ。」

金田一「………」

ルーカス「…ぐっ……。」

美雪「沢木さん………」

沢木「さて……そろそろお縄を。刑事さん。」


金田一「待てよ。沢木さん。」

沢木「…何かな?金田一一君。」

金田一「最後に一つ、言っておきたいことがあってな。」

金田一「………」


金田一「>>173

翔平さんはあんたのそんな姿を見たくなかったはずだ!

金田一「翔平さんはあんたのそんな姿を見たくなかったはずだ!」

金田一「翔平さんの愛した地を血で汚しちまって、本当にそれで、良かったのかよ!!」

金田一「翔平さんはロンドンってトコを愛したアンタの事が好きだったんだよ!!」


沢木「………」


沢木「ふぅー。」


沢木「――すまなかったな・・・お前ら…翔平……」


沢木「美雪ちゃん。」

美雪「……」

沢木「短い間ではあったけど、楽しかったよ。」

美雪「・・・・・・私もです。沢木さん。」


沢木「じゃあな。ケビン。」

ケビン「おじさん……父さんは、僕は、切り裂きジャックなんかじゃ、無かったんですよね?」

沢木「……ああ。」


沢木「お前の父さんは切り裂きジャックなんかじゃないし、お前も切り裂きジャックなんかじゃないよ。

沢木「僕が、切り裂きジャックさ。」


ゴォーン    

ゴォーン


金田一「鐘の音……(日も暮れるってのになんで今頃・・・)」

沢木「・・・・どうやら、調整間違えちまったらしいな~。」

金田一「(本当に、そうなのだろうか・・・?あの鐘の音は、もしかして・・・・・)」


――こうして、美しきロンドンの街で起きた都市伝説のように奇怪で残虐な事件は、
                                    
優しき鐘の音で彩られる夕焼けの中、ひっそりと幕を下ろした。

――飛行機内

金田一「・・・しっかし、散々なロンドン旅行になっちまったなぁ~。(結局今回もコンドー君の出番無し…とほほ……)」

美雪「でも、良かったわ。ケビンくんもすっかり元気になったし、青井さんやカサンドラさんもお姉さんの死の真相を知る事が出来て少し気も軽くなったって。」

金田一「ああ……そうじゃなきゃ、救われねえよな……」

金田一「そうそう……手帳に挟まっていたあの写真、昔の青井さんとカサンドラさんだったんだ。」

金田一「沢木さんと翔平さん、それと三人組が集まった時に一緒についてきた二人が意気投合して……ってワケらしい。」

美雪「・・・でもそれを、なんで沢木さんは持ってたのかな?なんでわざわざ手帳に?」

金田一「沢木さんの事だから、入れたこと自体はあの写真からミスリードを狙わせた可能性もあるけど……」

美雪「………今はいない仲間達の残したもの、だったからでしょうね。」

金田一「……ああ。」

金田一「・・・ケビンも青井さんにまた引き取られたし、カサンドラさんもついている。もう自殺する事なんて無いだろうな。」

金田一「もう二度と……な。」


>>176「おや、金田一君に七瀬君じゃないか。お疲れのようで。」

金田一「あっ、アンタは>>176!」

レイカちゃん

玲香「金田一く~ん!奇遇ねー!」

金田一「玲香ちゃ~ん!!撮影の帰り~?」

玲香「ええ。海外ロケがあってね。大変だったわよ~!原作は日本なのにマレーシアでロケをするっていうドラマがあってぇ~~……その後も色々あってこの便に乗ることになっちゃったけど…」

玲香「でも、運が良かったな~。金田一くんと同じ飛行機に乗ることができたんだもん!」

金田一「玲香ちゃぁ~ん……♡(オレも嬉しいよぉ~~)」

金田一「どぉ?今から俺とぉ、高度1万メートルの……」

美雪「何をするっていうのかしら~~~~???」

金田一「み、美雪さん、その、これは…」


美雪「ハジメちゃ~ん!!」

玲香「金田一く~ん!!!」

金田一「ヒィィ~~~!!は、早く日本に帰らせて~~~!!」





ロンドン時計塔殺人事件 完

これにて終わりです。もう色々と酷かったかもしれないけど、金田一のフォーマットとして最低限の事は出来た……筈!


ちなみに好きな事件は仏蘭西銀貨、悪魔組曲、オペラ座(第三)、一番好きな犯人はファントムの花嫁です。

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