伊勢「この間ね、夕立ちゃんにある物を見せてもらったのよ」
伊勢「何でも艦娘の紹介サイト? みたいな所から引っ張って来たみたいなんだけど」
日向「どんな物だ?」
伊勢「えっと、これなんだけどさ……」
日向「どれどれ……」
http://i.imgur.com/QTXnC9Q.png
日向「………航空母艦……伊勢ェ?」
伊勢「どう思う……? 日向……」
伊勢「何かこれ見たら……ちょっと不安になってきちゃって……」
伊勢「私って……航空戦艦だよね……? 航空母艦じゃないよね……? ねっ?」
日向「伊勢……」ポン
伊勢「ひゅ……日向ぁ……」
日向「お前、実は空母だったのか……妹の身でありながら知らなかったぞ……」
伊勢「えっ」
日向「だが……空母は瑞雲を飛ばせないはず……なら何故伊勢は瑞雲を飛ばせるんだ……?」
伊勢「ちょ、ちょっと日向? 私が空母であること……否定してくれない訳!?」
日向「ん? 否定も何も……艦娘の紹介サイトとやらに載っていたのだろう?」
日向「要するに公式設定な訳だろう? どこにも否定するところはないじゃないか」
伊勢「そ、そうなの……かな……?」
日向「そうだろう、普通」
日向「世の中たくさんの情報が転がっている……だがそれら全てが真実な訳じゃない」
日向「ならば人はどの情報を頼ればいい? 答えは簡単だ、公式から発せられる情報をあてにすればいい」
日向「その艦娘の紹介サイトとやらは誰が作った者なんだ?」
伊勢「夕立ちゃんは海軍の人達が作ったとか言ってたけど……」
日向「海軍? もはやただの公式情報じゃないか、何の問題もない」
日向「伊勢は実は航空戦艦ではなく、航空母艦という事が経った今判明した訳だ……実にめでたいじゃないか」
日向「おめでとう、伊勢」
伊勢「あ、ありがとう………?」
日向「しかし伊勢が空母だったとは……驚いたな」
日向「空母の身でありながら……今までよく主砲と瑞雲だけで戦えたものだ……」
日向「というか瑞雲もだが……そもそも空母とは主砲を搭載できる物だったか……?」
日向「瑞雲を飛ばせて……砲雷撃戦ができて……おまけに艦載機が飛ばせる……」
日向「伊勢……お前っていったい……」
伊勢「ね、ねえ……やっぱり色々おかしい所がありすぎなんじゃ……」
伊勢「もしかしたら海軍の人たちが間違えて航空母艦って書いちゃったんじゃないかな?」
伊勢(と言うか瑞雲と艦載機は別なのね……あんたの中ではあくまで瑞雲は瑞雲なのね……)
日向「……ハッ」
日向「そうか、分かったぞ!」
伊勢「な、何が分かったのよ……日向」
日向「伊勢、実はお前は航空戦艦でもなく、航空母艦でもない……新たなる艦種……!」
日向「航空母戦艦だったのだ!!!!!」バーーーン
伊勢「…………」
伊勢「は?」
日向「新たなる艦種、航空母戦艦!」
日向「それならば瑞雲を飛ばせ、砲雷撃戦ができ……艦載機が飛ばせる訳も分かる!」
日向「こうしてはいられない、さっそく提督に進言しに行こう!」
日向「伊勢、今日がお前の新しい誕生日だ! 提督め、伊勢が艦載機を飛ばせると知ったらきっと驚くぞ!」タッタッタ
伊勢「えっ、ちょ……ちょっと待ってよ日向ー! 瑞雲だって艦載機でしょうがー!!」タッタッタ
伊勢(まあ……提督なら航空母戦艦なんてふざけた物……きっと否定してくれるよね……)
―――
――
―
日向「よし、流星改は搭載したな! 行くぞ! 伊勢!」
伊勢「否定してくれなかったあああああああああああ…………」ガーン
日向「どうした? 具合でも悪いのか?」
伊勢「何でもないわよ、もう……」
日向「そうか、じゃあ行くぞ……航空戦艦日向、推参!」ピカー
伊勢「こ、航空母戦艦伊勢! しゅ、出撃します!!」ピカー
伊勢(ああ、こうなったらやるしかない……! 私は航空母戦艦……!)
伊勢(きっと空母みたいに流星改だって飛ばせるはず……)
―移動中―
青葉「いやー、まさか伊勢さんが新たな艦種、航空母戦艦? だったとは!」ザザー
加古「こりゃあたしたちの出番はなさそうだね~……ふわぁぁ……ネッム……」ザザー
雷「今回の出撃は楽勝ね、電!」ザーザー
電「なのです!」ザー
日向「伊勢、お前の新たなる力、皆に見せてやれ」ザー
伊勢「わ、分かったわよ……トホホ……」ザーザ—
電「……あっ!! 敵艦見ゆ! なのです!」
日向「敵の数は……重巡1、軽巡1、駆逐2……か、随伴の駆逐を沈めればだいぶ楽になりそうだな」
日向「伊勢! 航空戦だ!」
伊勢「ええっ!? ぶっつけ本番で!?」
伊勢「ていうか日向! あんた瑞雲積んでるんでしょ!? 日向がやってよ!」
日向「悪いな伊勢、今日は瑞雲を積んでないんだ……だから伊勢、お前に任せた」ニヤリ
青葉「伊勢さんの航空母戦艦デビューを邪魔したくないから……ですね!」
日向「まあ、そういう事だ……私の瑞雲に構わず遠慮なくやってくれ」
伊勢「えええええええぇぇぇぇぇぇぇ……………っ」
加古「おおっ、いよいよ流星改を飛ばすのか、こりゃ寝ずに見ておかないと」
電「楽しみなのです!」
雷「ワクワク! ワクワク!」
青葉「青葉、実はこっそりカメラ持ってきました! 伊勢さんの有志! しっかり撮らせていただきます!」サッ
日向「さあ、航空母戦艦伊勢! 航空戦開始だ!」
伊勢「あああああああああああ! もう! 分かったわよ!!」
伊勢「全艦載機、突撃!! 敵を撃滅して!!」ヒコウカンパンカマエッ
伊勢「………………」
日向「……………」
加古「……………」ワクワク
青葉「……………」ワクワク
電「……………」ワクワク
雷「……………」ワクワク
伊勢「………………」
日向「……………?」
加古「……………?」
青葉「……………?」
電「……………?」
雷「……………?」
伊勢「えーっと……流星改……!? 突撃よ!! 突撃!! 突撃ぃ!!!!」アセアセ
日向「………………」
加古「……………トラブルカ?」
青葉「……………ハテ?」
電「……………ナノデス?」
雷「……………ドウカ シタノ カシラ?」
伊勢「ああああああもうっ! ほらっ! 早く行ってよ!」ガシッ
日向「…………………」
加古「……………リュウセイカイを!?」
青葉「……………テデ ツカンダ!?」
電「……………ワア」
雷「……………スゴイ」
伊勢「おりゃああああああああっ!!」ブン
日向「……………………」
加古「……………ナ、ナゲタ」
青葉「……………コ、コレガ コウクウボセンカンの」
電「……………カンサイキ ノ ハッカンホウホウ ナノデス?」
雷「……………ス、スゴイ」
ポチャン……
伊勢「………………」
日向「………………………」
加古「……………」
青葉「……………」
電「……………」
雷「……………」
伊勢「………………」
日向「……………………………」
加古「気のせいかな、今流星改……海に落ちた気がするんだけど」
青葉「というかまず、艦載機って投げて発艦する物でしたっけ?」
電「違うと思うのです」
雷「うん、絶対に違う」
伊勢「………………」プルプル
日向「………………………………」
加古「でも飛行甲板に乗せても……流星改、何の反応もしてなかったけど」
青葉「発艦方法が違うとか……? きっと飛行甲板じゃない所から発艦を……」
青葉「あれっ? でも飛行甲板から発艦しないんだとすると……」
青葉「伊勢さんってどうやって艦載機を飛ばすんです?」
電「主砲の穴から……? なのです……?」
雷「あ! それ何かかっこいいかも!」
日向「伊勢、主砲だ、きっと主砲から流星改が出て来るんだ」
伊勢「そうか! よしっ……! 今度こそ……!」
伊勢「ってんな訳ないでしょうがあああああああああああ!!! 左舷、砲戦開始いいいいいいいいいい!!!」ドガーン
日向「まあ、そうなるな」スタコラサッサ
伊勢「待て日向あああああああああああああ!! 航空母戦艦なんてデマ吐いてええええええええええ!!」
伊勢「絶対に絶対に許さああああああああああああああああああああああああああああん!!!」
加古「………あたし達だけでやるか」
青葉「そ、そうですね……」
電「なのです……」
雷「二人とも……忙しいみたいだしね……」
―――
――
—
後に航空母艦の所は誤字という事が海軍に問い合わせた結果判明し
伊勢は航空母戦艦ではなく、航空戦艦のままとなった……
日向「なあ、伊勢……そろそろ機嫌を直してくれ……軽率な発言や行動をしてすまなかった……」
伊勢「…………」ツーン
日向「ほらっ、この特別な瑞雲をやる……だから……」
伊勢「どうせアンタのサイン入りだから特別だって言うんでしょ」
日向「………」ギクッ
伊勢「いいわよもう……元はと言えば海軍が間違えたのが原因なんだから」フウ
日向「じゃあ、もう怒ってないのか?」
伊勢「………まあ、そうなるな!」ニコッ
日向「ふっ……真似をするんじゃない……まあ今日だけは勘弁してやる……か」
伊勢「あっ、何なの? その上から口調は!」ムムッ
日向「あっ……す、すまない……」
伊勢「もー……本当に反省してるのやら……」
日向「してるしてる、この通りだ」
伊勢「やれやれ……」
伊勢「まあ、でも……」
日向「ん?」
伊勢「流星改とか……一度でいいから飛ばしてみたかったなあ……」
日向「瑞雲を飛ばせればいいじゃないか……瑞雲は流星改に匹敵する強さを……」
伊勢「もう……あんたはいっつも瑞雲瑞雲って……」
日向「何だと? 瑞雲は素晴らしい…………」
伊勢「ああもう! うるさーーーーーーーーい!!」
航空戦艦伊勢! 妹の日向共々、今日も頑張ってます!
伊勢と日向が改二になったらどうなるんでしょうね?
扶桑と山城を超える強さになるのか……それとも……
SSはこれにて完結、ありがとうございました!
このSSまとめへのコメント
改二で彗星が乗る→超火力彗星拳の使い手に
搭載数は少ないけど硬くて夜戦では砲撃もできる空母戦艦の誕生だ
完全な予言